JPH0843160A - 熱式空気流量検出装置 - Google Patents

熱式空気流量検出装置

Info

Publication number
JPH0843160A
JPH0843160A JP6195913A JP19591394A JPH0843160A JP H0843160 A JPH0843160 A JP H0843160A JP 6195913 A JP6195913 A JP 6195913A JP 19591394 A JP19591394 A JP 19591394A JP H0843160 A JPH0843160 A JP H0843160A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
resistor
air flow
temperature
heating resistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6195913A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Tsukada
正夫 塚田
Hiroshi Aoi
寛 青井
Koji Nakazawa
弘次 中沢
Hiroyuki Sato
裕幸 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unisia Jecs Corp filed Critical Unisia Jecs Corp
Priority to JP6195913A priority Critical patent/JPH0843160A/ja
Publication of JPH0843160A publication Critical patent/JPH0843160A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気流が順方向であるか逆方向であるかを判
別できるようにし、流量検出信号を吸入空気の実流量に
近づけ、検出精度を向上させる。 【構成】 絶縁基板上に流れ方向に対して上流側に発熱
抵抗体30を、下流側に感温抵抗体31を形成する。そ
して、発熱抵抗体30を含んでブリッジ回路33を構成
し、感温抵抗体31を含んでブリッジ回路37を構成す
る。ブリッジ回路37で順方向の流れを検出したときに
は、選択回路44はブリッジ回路33からの流量電圧V
1 を出力電圧Vout として出力し、逆方向の流れのとき
には、定電圧回路43からの定電圧V00(電圧値零)を
選択する。そして、流れが逆方向のときに出力電圧Vou
t が負となるのを規制し、出力電圧Vout を空気の実流
量に近づけ、高精度検出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車用エンジ
ン等の吸入空気流量を検出するのに好適に用いられる熱
式空気流量検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等では、エン
ジン本体の燃焼室内で燃料と吸入空気との混合気を燃焼
させ、その燃焼圧からエンジンの回転出力を取出すよう
にしており、燃料の噴射量を演算する上で吸入空気流量
を検出することが重要なファクターとなっている。
【0003】そこで、図13および図14に従来技術の
熱式空気流量検出装置を示す。
【0004】図において、1は吸気管2の途中に設けら
れた熱式空気流量検出装置を示し、該熱式空気流量検出
装置1は、エンジン本体の燃焼室(図示せず)に向けて
矢示A方向に流通する吸入空気流量を検出すべく、吸気
管2の途中に取付穴2Aを介して配設されている。
【0005】3は熱式空気流量検出装置1の本体部を構
成する流量計本体を示し、該流量計本体3はインサート
モールド等の手段により図14に示すように成形され、
巻線状をなす後述の基準抵抗14を巻回すべく段付き円
柱状に形成された巻線部4と、該巻線部4の基端側に位
置して略円板状に形成され、後述の端子ピン8A〜8D
が一体的に設けられた端子部5と、巻線部4の先端側か
ら吸気管2の径方向に延設され、吸気管2の中心部で後
述の発熱抵抗9および温度補償抵抗11を位置決めする
検出ホルダ6と、吸気管2の外側に位置して端子部5が
接続された後述の回路ケーシング7とから大略構成され
ている。
【0006】7は吸気管2の取付穴2Aを閉塞するよう
に該吸気管2の外周側に設けられた回路ケーシングを示
し、該回路ケーシング7は絶縁性の樹脂材料等によって
形成され、その底部側には吸気管2の取付穴2Aに嵌合
する嵌合部7Aが一体的に設けられている。そして、該
回路ケーシング7は、例えばセラミック材料等からなる
絶縁基板上に流量調整抵抗および差動増幅器(いずれも
図示せず)等を実装した状態で、これらを内蔵するよう
になっている。
【0007】8A,8B,8C,8Dは流量計本体3の
端子部5から軸方向に突出した4本の端子ピン(全体と
して各端子ピン8という)を示し、該各端子ピン8は流
量計本体3の巻線部4および検出ホルダ6内に埋設され
た例えば4本の端子板(図示せず)に一体化して設けら
れ、回路ケーシング7のコネクタ部(図示せず)に着脱
可能に接続されるものである。
【0008】9は流量計本体3の検出ホルダ6にターミ
ナル10A,10Bを介して設けられたホットフィルム
型の発熱抵抗を示し、該発熱抵抗9は温度変化に敏感に
反応して抵抗値が変化する白金等の感温性材料からな
り、例えばアルミナ等のセラミック材料からなる絶縁性
の筒体に白金線を巻回したり、白金膜を蒸着したりして
形成される小径の発熱抵抗素子によって構成されてい
る。そして、該発熱抵抗9はバッテリ(図示せず)から
の通電により、例えば240℃前,後の温度をもって発
熱した状態となり、吸気管2内を矢示A方向に流れる吸
入空気によって冷却されるときには、この吸入空気流量
に応じて抵抗値が変化して流量の検出信号を出力させる
ものである。
【0009】11は発熱抵抗9の上流側に位置して流量
計本体3の検出ホルダ6に設けられた温度補償抵抗を示
し、該温度補償抵抗11は例えばアルミナ等のセラミッ
ク材料からなる絶縁基板上にスパッタリング等の手段を
用いて白金膜を着膜することにより形成され、白金膜の
両端は前記検出ホルダ6に立設されたターミナル12
A,12B間に接続されている。
【0010】13は流量計本体3の検出ホルダ6上に装
着される保護カバーを示し、該保護カバー13は検出ホ
ルダ6上に発熱抵抗9および温度補償抵抗11を実装し
た後に、図14中に矢印で示す如く検出ホルダ6に被着
され、発熱抵抗9および温度補償抵抗11を保護すると
共に、吸入空気の流通を許すようになっている。なお、
図13中では発熱抵抗9および温度補償抵抗11を明示
すべく、保護カバー13を検出ホルダ6から取外した状
態で示している。
【0011】さらに、14は流量計本体3の巻線部4に
巻回された巻線抵抗からなる基準抵抗を示し、該基準抵
抗14はその両端が、巻線部4に立設されたターミナル
15A,15Bに接続され、前記発熱抵抗9に直列接続
されている。ここで、前記各端子ピン8のうち、端子ピ
ン8Aはターミナル15Aに前記端子板を介して接続さ
れ、端子ピン8Bは他の端子板を介してターミナル15
B,10Aに接続されている。また、端子ピン8Cは別
の端子板を介してターミナル10B,12Bに接続さ
れ、端子ピン8Dはターミナル12Aにさらに別の端子
板を介して接続されている。
【0012】このように構成される従来技術の熱式空気
流量検出装置1は、自動車用エンジン等の吸入空気流量
を検出するときに、流量計本体3の端子部5を各端子ピ
ン8を介して回路ケーシング7のコネクタ部に接続した
状態で、流量計本体3の検出ホルダ6等を吸気管2内に
取付穴2Aを介して挿入し、該取付穴2Aに吸気管2の
外周側から回路ケーシング7を取付けることによって、
検出ホルダ6に設けた発熱抵抗9および温度補償抵抗1
1を吸気管2の中心部に配設する。
【0013】この場合、発熱抵抗9を基準抵抗14に直
列接続すると共に、温度補償抵抗11を回路ケーシング
7内の流量調整抵抗に直列接続することによって、これ
らの発熱抵抗9、基準抵抗14、温度補償抵抗11およ
び流量調整抵抗からブリッジ回路を構成する。そして、
該ブリッジ回路にはエンジンの始動と共に外部から電流
を印加し続けることにより発熱抵抗9を、例えば240
℃前,後の所定温度をもって発熱させるようにする。
【0014】そして、この状態で吸気管2内をエンジン
本体の燃焼室に向けて矢示A方向に吸入空気が流通する
ときには、この吸入空気の流れにより発熱抵抗9が冷却
されて該発熱抵抗9の抵抗値が変化するから、該発熱抵
抗9に直列接続された基準抵抗14の両端電圧に基づい
て吸入空気流量に対応した検出信号を出力電圧の変化と
して検出する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、吸気管2内を流れる吸入空気の流れで発熱
抵抗9が冷却されるのを利用して、該発熱抵抗9の抵抗
値変化に基づき吸入空気流量を検出する構成であるか
ら、該発熱抵抗9は図13中の矢示A方向(順方向)に
流れる吸入空気流によって冷却されると共に、矢示B方
向(逆方向)に流れる空気流によっても冷却されてしま
い、この逆方向の空気流により吸入空気流量を誤検出す
るという問題がある。
【0016】即ち、多気筒のシリンダを備えたエンジン
本体では、各シリンダ内でそれぞれピストンが往復動す
るに応じて各吸気弁(図示せず)が開弁する毎に、吸入
空気が各シリンダ内に向けて矢示A方向(順方向)に吸
込まれるから、吸気管2内を流れる空気の流速は各吸気
弁の開,閉弁に応じて図5に例示する如く増,減を繰返
し脈動するようになる。
【0017】特に、エンジンの回転数が低速域から中速
域等に達して吸,排気量が増大してくると、吸気弁と排
気弁(図示せず)とがオーバラップし、排気の一部が吸
気弁の開弁に伴って吸気管2内に吹返すことがあるた
め、このときに吸気管2内では図5に示す時間t1 ,t
2 間のように流速が負(マイナス)となって、矢示B方
向(逆方向)に流れる空気流が発生する。このため、コ
ントロールユニットではこの空気流によって吸入空気流
量を実流量よりも過大に検出してA/F制御を行うため
に、正確な制御が行えなくなるという問題が生じる。
【0018】さらに、従来技術による熱式空気流量検出
装置における実際の実験結果を図15に示すに、特性線
16のような空気の流れ(実流量Q0 )に対する熱式空
気流量検出装置から出力される検出流量Qout の特性
(特性線17)は、空気の流れが逆方向になると、特性
線部17A,17Aのように正方向の電圧となって出力
されている。
【0019】これにより、空気流量を平均流量で検出す
るコントロールユニットの場合では、平均流量Qave は
実流量Q0 よりも高い値となり、両者の差流量ΔQout
だけ検出誤差となり、正確な流量検出が行えず、この場
合にはA/F制御をリッチ傾向に制御してしまうという
問題がある。
【0020】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は逆方向の空気流により吸入空気
流量を誤検出するのを防止でき、流量の検出精度を大幅
に向上できるようにした熱式空気流量検出装置を提供す
ることを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1による発明が採用する熱式空気流量検出
装置は、吸気管内を流れる空気流量を検出し、流量信号
を出力する流量検出手段と、前記吸気管内を流れる空気
の流れ方向が順方向であるか、逆方向であるかを検出
し、方向検出信号を出力する流れ方向検出手段と、予め
設定された一定の電圧信号を出力する定電圧出力手段
と、前記流れ方向検出手段からの方向検出信号に基づき
空気の流れ方向が順方向のときには前記流量検出手段か
らの流量信号を流量検出信号として出力し、逆方向のと
きには前記定電圧出力手段からの電圧信号を流量検出信
号として出力する流量検出信号出力手段とから構成した
ことにある。
【0022】請求項2による発明では、前記流量検出手
段は、前記吸気管の途中に設けられ、空気流量に応じて
抵抗値が変化する発熱抵抗を含んで構成し、前記流れ方
向検出手段は、吸気管の途中に設けられ、空気の流れ方
向が順方向のときと逆方向のときとで異なる抵抗値の変
化特性をもった感温抵抗によって構成したことにある。
【0023】請求項3による発明では、前記発熱抵抗は
絶縁基板上に膜状に形成した発熱抵抗体から構成し、前
記感温抵抗は該発熱抵抗体に対して空気の流れ方向の上
流側または下流側に離間して前記絶縁基板上に膜状に形
成した感温抵抗体から構成したことにある。
【0024】請求項4による発明では、前記発熱抵抗は
絶縁基板上に膜状に形成した発熱抵抗体から構成し、前
記感温抵抗は該発熱抵抗体に対して空気の流れ方向の上
流側と下流側とにそれぞれ離間して、前記絶縁基板上に
膜状に形成した第1,第2の感温抵抗体から構成したこ
とにある。
【0025】請求項5による発明では、前記流量検出手
段は前記吸気管の途中に設けられ、空気流量および流れ
方向に応じて抵抗値がそれぞれ異なる変化をする一対の
発熱抵抗を含んで構成し、前記流れ方向検出手段は前記
一対の発熱抵抗の抵抗値を比較することによって流れ方
向を判別する構成としたことにある。
【0026】請求項6による発明では、前記各発熱抵抗
は絶縁基板上にそれぞれ膜状に形成され、一方の発熱抵
抗は吸入空気の流れ方向に対して上流側に位置した第1
の発熱抵抗体となり、他方の発熱抵抗は下流側に位置し
た第2の発熱抵抗体としたことにある。
【0027】
【作用】上記構成により、請求項1の発明においては、
流量検出手段では吸気管内を流れる空気流量を検出して
流量信号を出力し、流れ方向検出手段では空気の流れ方
向が順方向であるか、逆方向であるかを検出して方向検
出信号を出力し、流量検出信号出力手段では流れ方向検
出手段からの方向検出信号に基づいて、空気の流れ方向
が順方向のときには前記流量検出手段からの流量信号を
流量検出信号としてそのまま出力し、逆方向のときには
定電圧出力手段からの電圧信号を流量検出信号として出
力するから、該流量検出信号出力手段から出力される流
量検出信号を空気の実流量に近づけることができる。
【0028】請求項2の発明においては、前記流量検出
手段は、前記吸気管の途中に設けられ、空気流量に応じ
て抵抗値が変化する発熱抵抗を含んで構成し、前記流れ
方向検出手段は、吸気管の途中に設けられ、空気の流れ
方向が順方向のときと逆方向のときとで異なる抵抗値の
変化特性をもった感温抵抗によって構成することによ
り、前記流量検出信号出力手段では、前記流れ方向検出
手段からの方向検出信号に基づいて、空気の流れ方向が
順方向のときには前記流量検出手段からの流量信号を流
量検出信号としてそのまま出力し、逆方向のときには定
電圧出力手段からの電圧信号を流量検出信号として出力
するから、該流量検出信号出力手段から出力される流量
検出信号を空気の実流量に近づけることができる。
【0029】請求項3の発明においては、前記流量検出
手段を構成する発熱抵抗体を、絶縁基板上に膜状に形成
したから、空気流によって直接冷却され、この抵抗値の
変化量を流量として検出することができる。
【0030】また、前記流れ方向検出手段を構成する感
温抵抗体を、前記発熱抵抗体から空気の流れ方向に離間
して絶縁基板上に形成したから、空気の流れ方向に対し
て発熱抵抗体よりも感温抵抗体が下流側となったときに
は、該感温抵抗体は発熱抵抗体からの熱影響を受けて空
気流により直接冷却されることはなく、抵抗値は大きく
減少することはない。一方、空気の流れ方向に対して感
温抵抗体が発熱抵抗体よりも上流側となったときには、
抵抗値の変化が大きくなり、このときの抵抗値の変化に
基づいて空気の流れ方向を検出することができる。
【0031】請求項4の発明においては、前記流量検出
手段を構成する発熱抵抗体を絶縁基板上に膜状に形成し
たから、空気流によって直接冷却され、この抵抗値の変
化量を流量として検出することができる。
【0032】また、前記流れ方向検出手段を構成する第
1,第2の感温抵抗体を、前記発熱抵抗体の流れ方向両
側に離間して絶縁基板上に形成したから、例えば空気の
流れ方向に対して発熱抵抗体よりも上流側には第1の感
温抵抗体が位置し、下流側には第2の感温抵抗体が位置
したときには、第1の感温抵抗体は空気流によって直接
冷却され、第2の感温抵抗体は発熱抵抗体からの熱影響
を受けて空気流により直接冷却されることはなく、各感
温抵抗体の抵抗値には差が発生し、この差の極性によっ
て吸入空気の流れ方向を検出することができる。
【0033】請求項5の発明においては、前記流量検出
手段を、空気流量および流れ方向に応じて抵抗値がそれ
ぞれ異なる変化をする一対の発熱抵抗を含んで構成し、
前記流れ方向検出手段を、前記各発熱抵抗の抵抗値とを
比較することによって流れ方向を判別する構成としたか
ら、例えば空気の流れが順方向のときには一方の発熱抵
抗の抵抗値が低くなり、他方の発熱抵抗の抵抗値が高く
なる。このとき、前記流れ方向検出手段からは順方向の
流れを示す流れ方向信号が出力され、また流量検出手段
からはこれらの抵抗値変化に基づいて流量信号が出力さ
れ、前記流量検出信号出力手段では、前記流れ方向検出
手段からの方向検出信号に基づいて、空気の流れ方向が
順方向のときには前記流量検出手段からの流量信号を流
量検出信号としてそのまま出力し、逆方向のときには定
電圧出力手段からの電圧信号を流量検出信号として出力
する。これにより、前記流量検出信号出力手段から出力
される流量検出信号を空気の実流量に近づけることがで
きる。
【0034】請求項6の発明においては、流量検出手段
を構成する第1,第2の発熱抵抗体を空気の流れ方向に
対して上,下流側に位置するように絶縁基板上に配設し
たから、例えば空気の流れ方向が順方向のときには、第
1の発熱抵抗体は直接冷却され、第2の発熱抵抗体は第
1の発熱抵抗体の熱を受けて直接冷却されることはな
く、各発熱抵抗体の抵抗値には差が発生し、この差によ
って流れ方向を検出することができる。また、流量検出
手段では、第1,第2の発熱抵抗体の抵抗値変化から流
量信号を検出することができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図12に
基づいて説明する。なお、実施例では前述した図13お
よび図14に示す従来技術と同一の構成要素に同一の符
号を付し、その説明を省略するものとする。
【0036】まず、図1ないし図6に本発明による第1
の実施例を示す。
【0037】図中、21は本実施例による熱式空気流量
検出装置、22は該熱式空気流量検出装置21の本体部
を構成する流量計本体を示し、該流量計本体22は従来
技術で述べた流量計本体3とほぼ同様に、抵抗値R1 を
有する基準抵抗23が巻回される巻線部24と、該巻線
部24の基端側に位置し、複数の端子ピン(図示せず)
が一体的に設けられた端子部25と、巻線部24の先端
側から吸気管2の径方向に延設された検出ホルダ26
と、後述する回路ケーシング27とから大略構成されて
いる。
【0038】しかし、前記流量計本体22には検出ホル
ダ26の基端側に後述の絶縁基板29を着脱可能に取付
けるためのスロット(図示せず)が形成され、該検出ホ
ルダ26は図1中に示す如く吸気管2の中心部に、絶縁
基板29を介して後述の発熱抵抗体30等を位置決めす
る構成となっている。なお、検出ホルダ26には従来技
術で述べた保護カバー13と同様の保護カバー(図示せ
ず)が取付けられるようになっている。
【0039】27は吸気管2の取付穴2Aを閉塞するよ
うに該吸気管2の外周側に設けられた回路ケーシングを
示し、該回路ケーシング27は従来技術で述べた回路ケ
ーシング7とほぼ同様に形成され、吸気管2の取付穴2
Aに嵌合する嵌合部27Aを有しているものの、該回路
ケーシング27は、例えばセラミック材料等からなる絶
縁基板(図示せず)上に後述の流量調整抵抗35および
差動増幅器36等を実装した状態で、これらを内蔵する
ようになっている。なお、28A,28Bは前記基準抵
抗23の巻線が接続されるターミナルである。
【0040】29は検出ホルダ26に取付けられる絶縁
基板を示し、該絶縁基板29は、図2に示すように、ガ
ラス,アルミナ,窒化アルミニウム等の絶縁材料によ
り、長さ寸法が15〜20mm前後、幅寸法が3〜7mm前
後となった長方形の平板状に形成されている。また、該
絶縁基板29は、基端側が検出ホルダ26のスロットに
着脱可能に取付けられる固定端となり、先端側が自由端
となっている。
【0041】30は絶縁基板29上に形成された発熱抵
抗を構成する発熱抵抗体を示し、該発熱抵抗体30はプ
リント印刷またはスパッタリング等の手段を用いて絶縁
基板29上に白金膜を着膜することにより、抵抗値RH
を有するように空気の流れ方向(矢示A方向)に対して
上流側に位置して形成され、該発熱抵抗体30の表面積
(実装面積)を可及的に増大させて、例えば吸気管2内
を流れる吸入空気との接触面積を大きくできるようにし
ている。
【0042】また、前記発熱抵抗体30は後述する電流
制御用トランジスタ42によって電流値が制御され、温
度を一定温度(例えば約240℃)に保つように発熱す
る構成となっている。
【0043】31は発熱抵抗体30と共に絶縁基板29
上に形成され、感温抵抗を構成する感温抵抗体を示し、
該感温抵抗体31は抵抗値RT を有するように、前記絶
縁基板29上に白金等の感温性材料をプリント印刷また
はスパッタリング等の手段で着膜させることによって形
成され、例えば吸気管2内を矢示A方向に流れる吸入空
気の流れ方向(絶縁基板29の幅方向)に対し発熱抵抗
体30の下流側に離間して絶縁基板29上に配設されて
いる。また、前記感温抵抗体31は、通常時には図3に
示すようにサブ電源VS から電流が印加され、発熱抵抗
体30よりも低い温度で発熱しているから、該感温抵抗
体31は絶縁基板29の表面に沿って流れる空気で冷却
されることにより、抵抗値RT が大きく変化し、後述の
ブリッジ回路37と比較器41で空気の流れ方向を感度
良く検出することができる。
【0044】ここで、前記感温抵抗体31の抵抗値RT
の空気の流速に対する変化を図2に示すに、吸気管2内
の空気の流れが順方向の流れ(矢示A方向)の場合に
は、前記感温抵抗体31は発熱抵抗体30の下流側に位
置しているから、該感温抵抗体31は発熱抵抗体30で
暖められた空気に接触するようになり、感温抵抗体31
の抵抗値RT は緩やかに減少し、流速が高速(流量が増
加)になっても後述する固定抵抗38の抵抗値RB より
も小さくなることはない。一方、吸気管2内の空気流が
逆方向(矢示B方向)となった場合には、前記感温抵抗
体31は発熱抵抗体30よりも上流側に位置しているか
ら、該感温抵抗体31は発熱抵抗体30からの熱の影響
を受けることなく直接この空気によって冷やされ、感温
抵抗体31の抵抗値RT は急激に減少して抵抗値RB よ
りも小さくなる。
【0045】32,32,…は絶縁基板29の基端側に
位置して形成された例えば4個の電極を示し、該各電極
32は絶縁基板29の幅方向に所定間隔をもって列設さ
れ、絶縁基板29の基端側を前記検出ホルダ26のスロ
ット内に差込むことにより、該検出ホルダ26側の各タ
ーミナル(図示せず)に接続される。そして、該各電極
32を介して絶縁基板29上に形成された前記発熱抵抗
体30と感温抵抗体31とを回路ケーシング27内に設
けられた各電子部品に接続することにより、図3に示す
流量検出用の処理回路が構成されている。
【0046】次に、図3は本実施例による流量検出用の
処理回路を示す。
【0047】図3において、33は差動増幅器36と電
流制御用トランジスタ42を含んで流量検出手段を構成
する一方のブリッジ回路を示し、該ブリッジ回路33
は、発熱抵抗体30、温度補償抵抗34、基準抵抗23
および抵抗値R2 を有する流量調整抵抗35からなり、
それぞれ対向する辺の抵抗値の積が等しくなるブリッジ
として構成され、発熱抵抗体30と温度補償抵抗34と
の接続点aは後述する電流制御用トランジスタ42のエ
ミッタ側に接続され、基準抵抗23と流量調整抵抗35
との接続点bはアースに接続されている。
【0048】一方、前記ブリッジ回路33においては、
発熱抵抗体30と基準抵抗23、温度補償抵抗34と流
量調整抵抗35はそれぞれ直列接続され、それぞれの接
続点c,dは差動増幅器36の入力端子に接続され、さ
らに接続点cは後述する選択回路44に接続されてい
る。そして、接続点cからは流量信号としての流量電圧
V1 が、接続点dからは温度補償電圧VT が出力され
る。
【0049】ここで、前記温度補償抵抗34は、発熱抵
抗体30の近傍に位置して検出ホルダ26に設けられ、
かつ該温度補償抵抗34は吸入空気の流れによる影響を
受けず、吸入空気の温度によってのみ抵抗値RK が変化
するものである。
【0050】このように構成されるブリッジ回路33で
は、該ブリッジ回路33が平衡状態にあるときには、差
動増幅器36からの出力は零となると共に、接続点cか
らは平衡状態にあるときの基準抵抗23の両端電圧(流
量電圧V1 )を選択回路44に出力する。
【0051】一方、ブリッジ回路33の平衡が崩れたと
き、即ち吸入空気によって発熱抵抗体30が冷却された
ときには、該発熱抵抗体30の抵抗値RH が小さくなっ
ているから、差動増幅器36から電流制御用トランジス
タ42のベースに向けて電流制御電圧V2 が出力され
る。これにより、電流制御用トランジスタ42はブリッ
ジ回路33に印加するエミッタ電流を制御して冷やされ
た発熱抵抗体30を一定温度にして該ブリッジ回路33
を平衡状態に戻す。このとき、ブリッジ回路33の基準
抵抗23は増加した電流値を検出し、両端電圧を流量電
圧V1 として選択回路44に出力する。
【0052】37は後述する比較器41と共に流れ方向
検出手段を構成する他方のブリッジ回路を示し、該ブリ
ッジ回路37は、感温抵抗体31,固定抵抗38と調整
抵抗39,40から構成され、感温抵抗体31と固定抵
抗38との接続点eはサブ電源VS (例えば、3V)に
接続され、調整抵抗39,40の接続点fはアースに接
続されている。
【0053】ここで、前記ブリッジ回路37において
は、感温抵抗体31と調整抵抗39、固定抵抗38と調
整抵抗40はそれぞれ直列接続され、それぞれの接続点
g,hは比較器41の入力端子に接続されているから、
感温抵抗体31と固定抵抗38とは並列接続になってい
る。そして、前記比較器41では、感温抵抗体31の抵
抗値RT と固定抵抗38の抵抗値RB とを比較して、R
T ≧RB の場合には図5に示す所定電圧値V0 となる方
向検出信号となる方向検出電圧Va を選択回路44に出
力し、RT <RB の場合には電圧値が実質的に電圧値零
となる方向検出電圧Va を選択回路44に出力する。
【0054】ここで、図5に示す吸入空気の流速と方向
検出電圧Va の関係から前記ブリッジ回路37の検出動
作を説明すると、吸入空気の流れの方向がA方向(順方
向)のときには、感温抵抗体31は発熱抵抗体30の熱
を受けて間接的に冷やされるから、前述した如く、流速
の大きさに拘らず抵抗値はRT ≧RB となり、比較器4
1から出力される方向検出電圧Va は所定電圧値V0 と
なる。一方、空気の流れ方向がA方向からB方向(逆方
向)に変わったときには、感温抵抗体31は発熱抵抗体
30の熱を受けずに直接的に空気によって冷やされ、抵
抗値は急激に減少してRT <RB となり、方向検出電圧
Va の電圧値が実質的に零となる。
【0055】42は電流制御用トランジスタを示し、該
電流制御用トランジスタ42は、コレクタ側がバッテリ
電圧VB に接続され、ベース側が前記差動増幅器36か
らの出力側に接続され、エミッタ側が前記ブリッジ回路
37の接続点aに接続されている。そして、該電流制御
用トランジスタ42は、前記差動増幅器36からの出力
(電流制御電圧V2 )によってベース電圧を変化させ、
エミッタ電流を制御する。これにより、電流制御用トラ
ンジスタ42はブリッジ回路37に印加される電流値を
制御して発熱抵抗体30の温度を一定温度に保つフィー
ドバック制御を行っている。
【0056】43はブリッジ回路33の接続点cと選択
回路44との間に接続された定電圧出力手段としての定
電圧回路を示し、該定電圧回路43からは一定の定電圧
V00(例えば電圧値零)を選択回路44に出力するよう
になっている。
【0057】44は定電圧回路43と共に流量信号出力
手段を構成する選択回路を示し、該選択回路44は比較
器41を介して出力されるブリッジ回路37からの方向
検出電圧Va (図5、参照)に基づいて、例えば順方向
の場合にはブリッジ回路33からの流量検出信号を出力
信号Vout として出力端子45から図示しないコントロ
ールユニットに出力し、逆方向の場合には定電圧回路4
3からの定電圧V00を出力信号Vout として出力端子4
5からコントロールユニットに出力するようになってい
る。
【0058】本実施例による熱式空気流量検出装置21
は上述の如き構成を有するもので、次に吸入空気の流量
検出動作について説明する。
【0059】ここで、吸入空気の流れが、矢示A方向
(順方向)の場合には、絶縁基板29上の発熱抵抗体3
0の下流側に位置した感温抵抗体31が、該発熱抵抗体
30を介して冷やされる。この結果、比較器41からは
電圧値V0 となる順方向の方向検出電圧Va が出力され
る。
【0060】また、吸入空気の流れによって発熱抵抗体
30が冷却され、この冷却によって発熱抵抗体30の抵
抗値RH が減少するが、差動増幅器36と電流制御用ト
ランジスタ42により該発熱抵抗体30を一定温度にす
るために、当該ブリッジ回路33に印加する電流値を増
加させ、基準抵抗23ではこの増加した電流値を両端電
圧として検出する。この結果、該ブリッジ回路33から
は選択回路44に正の流量電圧V1 が出力される。
【0061】そして、選択回路44では、比較器41か
らの方向検出電圧Va に基づいてブリッジ回路33から
入力された正の流量電圧Vout と定電圧回路43から入
力された定電圧V00との選択を行い、この場合には、方
向検出電圧Va が順方向であるから、正の流量電圧V1
を出力電圧Vout として選択し、出力端子45からコン
トロールユニットに向けて正の出力電圧Vout を出力信
号として出力する。
【0062】なお、差動増幅器36から出力された電流
制御電圧V2 に基づいて電流制御用トランジスタ42の
ベース電流は制御され、発熱抵抗体30を一定温度にす
るためのフィードバック制御を行っている。
【0063】一方、空気の流れが、矢示B方向(逆方
向)の場合には、絶縁基板29上の発熱抵抗体30の上
流側に位置した感温抵抗体31が、この空気の流れによ
って直接冷やされ、感温抵抗体31の抵抗値RT を急激
に減少させる。この結果、比較器41からは電圧値零と
なる逆方向の方向検出電圧Va が出力される。
【0064】そして、前述したように、吸入空気の流れ
によって発熱抵抗体30は冷却されているから、発熱抵
抗体30の抵抗値RH は小さくなり、ブリッジ回路33
の平衡が崩れる。この結果、該ブリッジ回路33からは
正の流量電圧V1 が選択回路44に出力されると共に、
定電圧回路43からは定電圧V00が出力され、該選択回
路44においては、比較器41からの逆方向の方向検出
電圧Va に基づいて定電圧V00を選択し、この定電圧V
00を出力電圧Vout として出力端子45からコントロー
ルユニットに出力する。
【0065】即ち、図6に示すように、特性線16のよ
うな空気の流れ(実流量Q0 )に対する本実施例による
熱式空気流量検出装置21からの出力電圧Vout に対す
る検出流量Q1 は特性線46のようになり、空気の流れ
が逆方向(矢示B方向)になったときには、電圧値零の
V00を出力するようになっている。この結果、特性線4
6における平均流量Q1aveは吸入空気流量の実流量Q0
に近づけることができ、このときの流量誤差はΔQ1out
となって従来技術のようにA/Fをリッチ傾向に制御す
ることはなく、ほぼ正確(若干リーン傾向)に制御でき
る。
【0066】かくして、コントロールユニットでは、こ
の出力信号Vout (または平均流量Q1ave)に基づいて
正確な吸入空気の流量を検出することができ、正確な空
燃比制御を行ってエンジン性能を向上できる。
【0067】ここで、本実施例による熱式流量検出装置
21においては、絶縁基板29上に、発熱抵抗体30を
形成すると共に、該発熱抵抗体30の下流側に感温抵抗
体31を形成するようにしたから、該感温抵抗体31に
よって空気の流れ方向を検出することができ、発熱抵抗
体30の抵抗値の変化から吸入空気の流量を検出するこ
とができる。これにより、吸入空気の流量を検出すると
共に、その方向も正確に検出することができる。
【0068】また、絶縁基板29上に発熱抵抗体30と
感温抵抗体31とを基端側から先端側に向けて延びるよ
うに着膜形成したから、限られた表面スペースを有効に
利用して発熱抵抗体30および感温抵抗体31をコンパ
クトに形成でき、発熱抵抗体30の表面積(実装面積)
を可能な限り大きくすることができる。そして、吸気管
2内の空気流に対する発熱抵抗体30および感温抵抗体
31の接触面積を大きくすることができ、これらの抵抗
値RH ,RT を空気流に敏感に反応して変化させること
ができると共に、単一の絶縁基板29に複数の抵抗体3
0,31を形成したから、部品点数の削減を図ることが
できる。
【0069】また、本実施例においては、発熱抵抗体3
0と感温抵抗体31との位置関係によって、発熱抵抗体
30の熱影響を受けるか否かで、空気の流れ方向を検出
することができ、正確な流量を検出することができる。
【0070】また、流れ方向検出手段を、感温抵抗体3
1の抵抗値RT と固定抵抗38の抵抗値RB とを比較す
るブリッジ回路37および比較器41によって構成した
から、空気の流れ方向をより正確に検出することができ
る。
【0071】さらに、選択回路44では、比較器41か
らの方向検出電圧Va に基づいてブリッジ回路33から
入力された正の流量電圧Vout と定電圧回路43から入
力された定電圧V00との選択を行い、比較器41からの
信号が逆方向の方向検出電圧Va であるときには、定電
圧回路43から出力される定電圧V00を選択するように
したから、空気流量の変動による誤検出を抑え、実流量
Q0 に近い平均流量Q1aveを得ることができる。
【0072】従って、本実施例によれば、吸気管2内を
流れる吸入空気の流量を発熱抵抗体30の抵抗値RH に
基づいて確実に検出できると共に、感温抵抗体31の抵
抗値RT の変化に基づいて空気の流れ方向をも確実に検
出でき、エンジンの中速域等で吸気管2内に排気が吹返
して逆流が生じるようなときでも、吸入空気の平均流量
を高精度に検出することができる。そして、エンジンの
A/F制御を正確に行うことができる。
【0073】次に、図7および図8に本発明による第2
の実施例を示すに、本実施例の特徴は、絶縁基板上に発
熱抵抗体を形成し、該発熱抵抗体の流れ方向両側に離間
して第1,第2の感温抵抗体を形成したことにある。な
お、前述した第1の実施例と同一の構成要素に同一の符
号を付し、その説明を省略するものとする。
【0074】図中、51は本実施例による絶縁基板を示
し、該絶縁基板51は第1の実施例で述べた絶縁基板2
9と同様に、基端側が前記検出ホルダ26のスロットル
に取付けられ固定端となり、先端側が自由端となってい
る。
【0075】ここで、前記絶縁基板51は図7に示すよ
うに、基端側から先端側に向けて短冊状に延び比較的大
きな表面積をもった第1の基板部51Aと、該第1の基
板部51Aと平行に基端側から先端側に向けて短冊状に
延び第1の基板部51Aよりも小さな表面積をもった第
2,第3の基板部51B,51Cとから構成され、矢示
A方向の空気流に対して、第2の基板部51B,第1の
基板部51A,第3の基板部51Cの順に位置してい
る。
【0076】52,53は絶縁基板51に形成されたス
リットを示し、該スリット52は第1の基板部51Aと
第2の基板部51Bとの間に位置し、スリット53は第
1の基板部51Aと第3の基板部51Cとの間に位置し
てそれぞれ絶縁基板51の先端側から基端側に向けて延
びる細長い切り溝として形成されている。そして、該ス
リット52,53は絶縁基板51の幅方向で基板部51
A,51B,51Cを微小隙間を介して離間させ、3者
を熱的に絶縁すると共に、基板部51A,51B,51
Cを基端側で一体的に連結させるようになっている。
【0077】54は絶縁基板51の第1の基板部51A
に形成された発熱抵抗を構成する発熱抵抗体を示し、該
発熱抵抗体54はプリント印刷またはスパッタリング等
の手段を用いて第1の基板部51Aに白金膜を着膜させ
ることにより、抵抗値RH を有するように形成されてい
る。
【0078】また、前記発熱抵抗体54は前記電流制御
用トランジスタ42によって電流値が制御され、温度を
一定温度(例えば240℃)に保つように過熱される。
【0079】55,56は絶縁基板51上に白金等の感
温性材料をプリント印刷またはスパッタリング等の手段
で着膜形成され、感温抵抗を構成する第1,第2の感温
抵抗体を示し、該第1の感温抵抗体55は上流側に位置
した第2の基板部51B上に抵抗値RT1を有するように
着膜形成され、第2の感温抵抗体56は下流側に位置し
た第3の基板部51C上に抵抗値RT2を有するように着
膜形成されている。
【0080】ここで、前記感温抵抗体55,56は第
2,第3の基板部51B,51Cで実質的に均一な面積
をもって形成され、通常時は図8に示すようにサブ電源
VS から電流が印加され、流れる空気によって効果的に
冷却され、抵抗値の減少と空気の流れ方向を感度良く検
出することができる。
【0081】さらに、第1の感温抵抗体55は吸入空気
の順方向の流れ(矢示A方向)に対して上流側に位置
し、第2の感温抵抗体56は下流側に位置し、かつ感温
抵抗体55,56の間には発熱抵抗体54が位置してい
る。これにより、吸入空気が順方向の矢示A方向の流れ
の場合には、第1の感温抵抗体55が冷やされ、第2の
感温抵抗体56が発熱抵抗体54からの熱を受けること
によって、第1の感温抵抗体55の抵抗値RT1は小さく
なり、第2の感温抵抗体56の抵抗値RT2は実質的に変
化しない。
【0082】一方、吸気管2内を流れる吸入空気の流れ
が逆方向(矢示B方向)の流れとなった場合には、第2
の感温抵抗体56が冷やされ、第1の感温抵抗体55が
発熱抵抗体54の熱を受けることによって、第2の感温
抵抗体56の抵抗値RT2は小さくなり、第1の感温抵抗
体55の抵抗値RT1は実質的に変化しない。この結果、
第1の感温抵抗体55の抵抗値RT1と第2の感温抵抗体
56の抵抗値RT2とを比較することにより、吸入空気の
流れ方向が順方向であるか、逆方向であるかを判別する
ようになっている。
【0083】57,57,…は絶縁基板51の基端側に
位置して形成された例えば5個の電極を示し、該各電極
57は絶縁基板51の幅方向に所定間隔をもった列設さ
れ、絶縁基板51の基端側を前記検出ホルダ26のスロ
ット内に差込むことにより、該検出ホルダ26側の各タ
ーミナル(図示せず)に接続される。そして、該各電極
57を介して絶縁基板51上に形成された発熱抵抗体5
4、第1,第2の感温抵抗体55,56等を回路ケーシ
ング27内に設けられた各電子部品と接続し、図8に示
す流量検出用の処理回路を構成している。
【0084】次に、図8は本実施例による流量検出用の
処理回路を示すに、本実施例においては、流れ方向検出
手段を第1,第2の感温抵抗体55,56を含んで構成
したことにある。
【0085】図中、58は前述した比較器41と共に流
れ方向検出手段を構成する他方のブリッジ回路を示し、
該ブリッジ回路58は、第1,第2の感温抵抗体55,
56、調整抵抗39,40から構成され、感温抵抗体5
5,56の接続点eはサブ電源VS (例えば、3V)に
接続され、調整抵抗39,40の接続点fはアースに接
続されている。
【0086】ここで、前記ブリッジ回路58において
は、第1の感温抵抗体55と調整抵抗39、第2の感温
抵抗体56と調整抵抗40はそれぞれ直列接続され、そ
れぞれの接続点g,hは比較器41の入力端子に接続さ
れているから、第1の感温抵抗体55と第2の感温抵抗
体56とは並列接続になっている。そして、前記比較器
41では、第1の感温抵抗体55の抵抗値RT1と第2の
感温抵抗体56の抵抗値RT2とを比較して、RT1≦RT2
の場合には図5に示す所定電圧値V0 の方向検出信号と
なる方向検出電圧Va を選択回路44に出力し、RT1>
RT2の場合には電圧値が実質的に電圧値零となる方向検
出電圧Va を選択回路44に出力する。
【0087】このように構成される本実施例の流量検出
用の処理回路においても、その検出動作は上述した第1
の実施例とほぼ同様に検出することができる。
【0088】また、本実施例においては、絶縁基板51
上に発熱抵抗体54,第1,第2の感温抵抗体55,5
6を膜状に形成することにより、コンパクトに形成する
ことができる。
【0089】さらに、前記発熱抵抗体54,第1,第2
の感温抵抗体55,56はそれぞれスリット52,53
を介して離間した基板部51A,51B,51C上に形
成しているから、発熱抵抗体54の熱が基板51を介し
て容易に伝達されるのを防止し、流量の検出を正確に行
うことができる。
【0090】さらに、図9および図10に本発明による
第3の実施例を示すに、本実施例の特徴は、絶縁基板上
に補助ヒータを形成したことにある。なお、本実施例で
は、前述した第1の実施例と同一の構成要素に同一の符
号を付し、その説明を省略するものとする。
【0091】図中、61は検出ホルダ26に取付けられ
る絶縁基板を示し、該絶縁基板61は、ガラス,アルミ
ナ,窒化アルミニウム等の絶縁材料により、長方形の平
板状に形成されている。また、該絶縁基板61は、基端
側が検出ホルダ26のスロットに着脱可能に取付けられ
る固定端となり、先端側が自由端となっている。
【0092】ここで、前記絶縁基板61は図9に示す如
く、先端側に位置して後述する発熱抵抗体63と第1,
第2の感温抵抗体64,65とが着膜形成された主基板
部61Aと、該主基板部61Aの基端側に位置して前記
検出ホルダ26に取付けられ、前記発熱抵抗体63を検
出ホルダ26から離間させると共に、補助ヒータ66が
着膜形成された副基板部61Bとからなり、該副基板部
61Bと主基板部61Aとの間には、幅方向一側から他
側(吸入空気が流れる矢示A方向)に向けてスリット6
2が形成されている。
【0093】63は絶縁基板61の主基板部61A上に
形成された発熱抵抗を構成する発熱抵抗体を示し、該発
熱抵抗体63はプリント印刷またはスパッタリング等の
手段を用いて主基板部61A上に白金膜を着膜させるこ
とにより、抵抗値RH を有するように形成され、主基板
部61Aの長さ方向中間部に位置して幅方向に延びた中
間抵抗部63Aと、該中間抵抗部63Aの両端側から主
基板部61Aの長さ方向に互いに逆向きに延びた第1,
第2の延長抵抗部63B,63Cとから構成されてい
る。
【0094】ここで、前記発熱抵抗体63の中間抵抗部
63Aおよび延長抵抗部63B,63Cは全体としてク
ランク形状をなすことによって、主基板部61A上に発
熱抵抗体63および後述の感温抵抗体64,65をコン
パクトに形成すると共に、発熱抵抗体63の表面積(実
装面積)を可及的に増大させ、例えば吸気管2内を流れ
る吸入空気との接触面積を大きくできるようにしてい
る。
【0095】また、前記発熱抵抗体63は、前記電流制
御用トランジスタ42によって電流値が制御され、温度
を一定温度(例えば約240℃)に保つように加熱され
ている。
【0096】64,65は発熱抵抗体63と共に主基板
部61A上に形成された第1,第2の感温抵抗体を示
し、該第1,第2の感温抵抗体64,65は抵抗値RT
1,RT2をそれぞれ有するように、前記絶縁基板上に白
金等の感温性材料をプリント印刷またはスパッタリング
等の手段で着膜させることによって形成され、例えば吸
気管2内を矢示A方向に流れる吸入空気の流れ方向(主
基板部61Aの幅方向)に対し発熱抵抗体63の前,後
に離間して主基板部61A上に配設されている。
【0097】ここで、前記第1の感温抵抗体64は、前
記発熱抵抗体63の中間抵抗部63Aと第1の延長抵抗
部63Bとの間に位置し、該延長抵抗部63Bと平行に
延びるように長方形状に形成されている。また、第2の
感温抵抗体65は、中間抵抗部63Aと第2の延長抵抗
部63Cとの間に位置し、該延長抵抗部63Cと平行に
延びるように長方形状に形成されている。そして、感温
抵抗体64,65は主基板部61A上で実質的に均一な
面積をもって形成され、通常時には図10に示すように
サブ電源VS から電流が印加され、発熱抵抗体63より
も低い温度で発熱しているから、該感温抵抗体64,6
5は、流れる空気によって効果的に冷却され、抵抗値の
減少として空気の流れ方向を感度良く検出することがで
きる。
【0098】さらに、前記第1の感温抵抗体64は吸入
空気の順方向の流れ(矢示A方向)に対して上流側に位
置し、第2の感温抵抗体65は下流側に位置し、かつ感
温抵抗体64,65の間には発熱抵抗体63が位置して
いる。これにより、吸入空気が順方向の矢示A方向の流
れの場合には、第1の感温抵抗体64が冷やされ、第2
の感温抵抗体65が発熱抵抗体63からの熱を受けるこ
とによって、第1の感温抵抗体64の抵抗値RT1は小さ
くなり、第2の感温抵抗体65の抵抗値RT2は実質的に
変化しない。
【0099】一方、吸気管2内を流れる吸入空気の流れ
が逆方向の矢示B方向となった場合には、第2の感温抵
抗体65が冷やされ、第1の感温抵抗体64が発熱抵抗
体63からの熱を受けることによって、第2の感温抵抗
体65の抵抗値RT2は小さくなり、第1の感温抵抗体6
4の抵抗値RT1は実質的に変化しない。この結果、第1
の感温抵抗体64の抵抗値RT1と第2の感温抵抗体65
の抵抗値RT2とを比較することにより、吸入空気の流れ
方向が順方向であるか、逆方向であるかを判別するよう
になっている。
【0100】66は補助ヒータを示し、該補助ヒータ6
6は、前記絶縁基板61の副基板部61B上に位置し
て、前述した発熱抵抗体63、感温抵抗体64,65と
同様にプリント印刷またはスパッタリング等の手段によ
り、白金等の感温性材料を抵抗値RHSとなる膜状に形成
されている。また、該補助ヒータ66は絶縁基板61の
副基板部61Bを加熱することにより、主基板部61A
(発熱抵抗体63)からの熱が副基板部61Bを介して
検出ホルダ26に逃げるのを防止するようになってい
る。さらに、主基板部61Aと副基板部61Bとの間に
はスリット62が形成されているから、補助ヒータ66
からの熱によって第1の感温抵抗体64が加熱されるの
を防止し、該感温抵抗体64はサブ電源VS の印加によ
ってのみ発熱するのを補償している。一方、補助ヒータ
66は、電流制御用トランジスタ42のエミッタとアー
スとの間に接続されているから、該電流制御用トランジ
スタ42の電流制御によって印加電流は制御されてい
る。
【0101】67,67,…は絶縁基板61の基端側に
位置して形成された例えば6個の電極を示し、該各電極
67は絶縁基板61の幅方向に所定間隔をもって列設さ
れ、絶縁基板61の基端側を前記検出ホルダ26のスロ
ット内に差込むことにより、該検出ホルダ26側の各タ
ーミナル(図示せず)に接続される。そして、該各電極
67を介して絶縁基板61上に形成された発熱抵抗体6
3、第1,第2の感温抵抗体64,65および補助ヒー
タ66等を回路ケーシング27内に設けられた各電子部
品と接続し、図10に示す流量検出用の処理回路を構成
している。
【0102】本実施例による熱式空気流量検出装置は上
述の如く構成されるが、その検出動作においては、前述
した第1の実施例と同様にして吸入空気の流れ方向を含
む流量を検出することができる。
【0103】しかも、本実施例では絶縁基板61に補助
ヒータ67を設けることにより、発熱抵抗体63の熱が
絶縁基板61を介して流量計本体26に逃げるのを防止
し、発熱抵抗体63を一定温度に維持することができ
る。また、発熱抵抗体63を一定温度に立上がるまでの
時間を短縮することができる。
【0104】さらに、図11および図12に本発明によ
る第4の実施例を示すに、本実施例の特徴は、絶縁基板
上に形成した発熱抵抗体を吸入空気の流れに対して上,
下流側に位置した第1,第2の発熱抵抗体として形成し
たことにある。なお、本実施例では、前述した第1の実
施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を
省略するものとする。
【0105】図中、71は検出ホルダ26に取付けられ
る絶縁基板を示し、該絶縁基板71は、ガラス,アルミ
ナ,窒化アルミニウム等の絶縁材料により、長方形の平
板状に形成されている。また、該絶縁基板71は、基端
側が検出ホルダ26のスロットに着脱可能に取付けられ
る固定端となり、先端側が自由端となっている。
【0106】72,73は発熱抵抗を構成する第1の発
熱抵抗体,第2の発熱抵抗体をそれぞれ示し、該発熱抵
抗体72,73はプリント印刷またはスパッタリング等
の手段を用いて絶縁基板71上に白金膜を着膜すること
によって等しい抵抗値RH1,RH2を有するように形成さ
れ、第1の発熱抵抗体72は吸入空気の上流側(矢示A
側)に位置し、第2の発熱抵抗体73は吸入空気の下流
側(矢示B側)に位置し、互いに平行に基端側から先端
側に向けて前記絶縁基板71上に配設されている。
【0107】また、該発熱抵抗体72,73は一定温度
(約240℃)の状態で、吸気管2内を流れる矢示A,
B方向の空気に接触したときに、この空気流で冷却され
ることによってそれぞれの抵抗値RH1,RH2が変化す
る。そして、吸気管2内を矢示A方向(順方向)に吸入
空気が流れるときには、上流側に位置する第1の発熱抵
抗体72がこの空気流によって大きく冷却されるから、
該発熱抵抗体72の抵抗値RH1は大幅に減少する。これ
に対して、下流側に位置する第2の発熱抵抗体73は第
1の発熱抵抗体72からの熱で温めれた空気流に接触す
ることにより、発熱抵抗体73はそれ程冷却されること
はなく、該発熱抵抗体73の抵抗値RH2は実質的に変化
しない。
【0108】一方、吸気管2内を矢示B方向(逆方向)
に空気が流れるときには、矢示B方向の流れに対して上
流側に位置する第2の発熱抵抗体73がこの逆方向の空
気流によって大きく冷却され、該発熱抵抗体73の抵抗
値RH2が大幅に減少するのに対し、下流側となる第1の
発熱抵抗体72の抵抗値RH1はほとんど変化しない。従
って、発熱抵抗体72,73間の抵抗値RH1,RH2の差
に基づいて空気流が順方向であるか、逆方向であるかを
判別することができる。
【0109】74,74,74は絶縁基板71の基端側
に位置して形成された例えば3個の電極を示し、該各電
極74は絶縁基板71の幅方向に所定間隔をもって列設
され、絶縁基板71の基端側を前記検出ホルダ26のス
ロット内に差込むことにより、該検出ホルダ26側の各
ターミナル(図示せず)に接続される。そして、該各電
極74を介して絶縁基板71上に形成された発熱抵抗体
72,73を回路ケーシング27内に設けられた各電子
部品と接続し、図12に示す流量検出用の処理回路を構
成している。
【0110】次に、図12を参照して流量検出用の処理
回路について説明するに、本実施例においては、前述し
た基準抵抗23を分割することにより、基準抵抗23
A,23Bとしている。
【0111】図中、75は第1の流量検出手段を構成す
る第1の流量検出回路を示し、該流量検出回路75は第
1の発熱抵抗体72と基準抵抗23Aとからなる直列回
路を電流制御用トランジスタ72のエミッタとアースと
の間に接続することによって構成され、発熱抵抗体72
と基準抵抗23Aとの接続点c1 からは第1の流量信号
としての第1の流量電圧V1aを比較器41および後述す
る平均値回路77に出力する。
【0112】76は前記第1の流量検出手段とほぼ同様
に構成された第2の流量検出手段としての第2の流量検
出回路を示し、該第2の流量検出回路76は第2の発熱
抵抗体73と基準抵抗23Bとからなる直列回路を電流
制御用トランジスタ72のエミッタとアースとの間に接
続することによって構成され、発熱抵抗体73と基準抵
抗23Bとの接続点c2 からは第2の流量信号としての
第2の流量電圧V1bを比較器41および後述する平均値
回路77に出力する。
【0113】なお、前記第1の流量検出回路75と第2
の流量検出回路76によって流量検出手段を構成してい
る。また、前記第1の流量検出回路75と第2の流量検
出回路76には、該第1の発熱抵抗体72と第2の発熱
抵抗体73の温度を一定温度(240℃前後)に保つた
めに必要な電流が電流制御用トランジスタ42から印加
される。そして、この状態にある発熱抵抗体72,73
は、吸気管2内の空気流によって冷却され、空気の流量
に対応して発熱抵抗体72,73の抵抗値RH1,RH2が
それぞれ変化し、この抵抗値RH1,RH2の変化を基準抵
抗23A,23Bの両端電圧の変化とした第1の流量電
圧V1aと第2の流量電圧V1bとをそれぞれ検出する。
【0114】77は平均値回路を示し、該平均値回路7
7の入力側には第1の流量検出回路75の接続点c1 と
第2の流量検出回路76の接続点c2 とが接続され、出
力側には差動増幅器36の非反転入力端子と選択回路4
4が接続されている。そして、該平均値回路77では、
入力される第1の流量電圧V1aと第2の流量電圧V1bと
から以下の演算式で演算し、演算処理信号としての流量
平均値電圧V1 ′を出力する。
【0115】
【数1】V1 ′=(V1a+V1b)/2
【0116】さらに、78は温度変化検出回路を示し、
該温度変化検出回路78は流量計本体22に設けられた
抵抗値RK の温度補償抵抗34と抵抗値R2 の流量調整
抵抗35を直列接続することにより構成され、温度補償
抵抗34と流量調整抵抗35との接続点dは差動増幅器
36に接続されている。そして、吸入空気の温度が変化
すると、温度補償抵抗34の抵抗値RK が変化し、この
抵抗値RK の変化を流量調整抵抗35の両端電圧(温度
補償電圧VT )を接続点dから差動増幅器36に出力す
る。
【0117】ここで、前記第1の流量検出回路75,第
2の流量検出回路76および温度変化検出回路78はそ
れぞれ電流制御用トランジスタ42のエミッタとアース
との間に接続され、等価的に第1の流量検出回路75と
温度変化検出回路78、第2の流量検出回路76と温度
変化検出回路78とはそれぞれ並列接続としてみなすこ
とができ、2個のブリッジ回路を構成している。そし
て、温度変化検出回路78は第1の流量検出回路75と
第2の流量検出回路76とに掛かるため、各ブリッジ回
路の平衡状態を保つためには、流量検出回路75,76
から出力される流量電圧V1a,V1bの流量平均値電圧V
1 ′と温度補償電圧VT とによって平衡状態を保つよう
に制御しなくてはならず、このために該流量検出回路7
5,76の出力側には平均値回路77は接続されてい
る。
【0118】即ち、第1の流量検出回路75からの第1
の流量電圧V1a、第2の流量検出回路76からの第2の
流量電圧V1bおよび温度変化検出回路78からの温度補
償電圧VT との関係は、発熱抵抗体72,73が約24
0℃で平衡を保っている状態では、抵抗値RH1,RH2,
RK ,R1 ,R2 を適宜設定することによって、いずれ
も大略等しい電圧値(V1a≒V1b≒VT )となる。この
時、平均値回路77を用いることにより、数1のよう
に、V1 ′=(V1a+V1b)/2となる流量平均値電圧
V1 ′とすることにより、この流量平均値電圧V1 ′と
温度補償電圧VTとは、V1 ′≒VT の関係となるもの
である。
【0119】このように構成される本実施例の熱式空気
流量検出装置においても、本発明による検出動作におい
ては、前述した第1の実施例と同様にして吸入空気の流
量を検出することができるものである。
【0120】なお、前記各実施例では、定電圧回路43
から出力される電圧V00を電圧値零としたが、本発明は
これに限らず、図6中の実流量Q0 に近づくように設定
すればよく、この場合には、定電圧回路43を定電圧電
源(例えば電池等)によって構成してもよい。
【0121】さらに、前記各実施例においては、絶縁基
板29,51,61,71と温度補償抵抗34を別個に
設けられるようにしたが、本発明はこれに限らず、前記
絶縁基板29,51,61,71上に温度補償抵抗を形
成するようにしてもよい。
【0122】さらにまた、前記各実施例では、流量計本
体22の巻線部24に巻回した基準抵抗23(23A,
23B)を吸気管2内に突出させて設けるものとして述
べたが、本発明はこれに限らず、例えば吸気管2の外側
に設ける回路ケーシング27内に基準抵抗23を流量調
整抵抗35等と共に配設する構成としてもよい。
【0123】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明で
は、流量検出信号出力手段では、流れ方向検出手段から
の方向検出信号に基づいて、空気の流れ方向が順方向の
ときには前記流量検出手段からの流量信号を流量検出信
号としてそのまま出力し、逆方向のときには定電圧出力
手段からの電圧信号を流量検出信号として出力するよう
にしたから、空気の流れ方向が逆方向のときに、大きい
負の電圧が発生するのを防止でき、流量検出信号を吸入
空気の実流量に近づけることができ、A/F制御を正確
に行うことができる。
【0124】請求項2の発明においては、前記流量検出
手段は、前記吸気管の途中に設けられ、空気流量に応じ
て抵抗値が変化する発熱抵抗を含んで構成し、前記流れ
方向検出手段は、吸気管の途中に設けられ、空気の流れ
方向が順方向のときと逆方向のときとで異なる抵抗値の
変化特性をもった感温抵抗によって構成することによ
り、前記流量検出信号出力手段では、前記流れ方向検出
手段からの方向検出信号に基づいて、空気の流れ方向が
順方向のときには前記流量検出手段からの流量信号を流
量検出信号としてそのまま出力し、逆方向のときには定
電圧出力手段からの電圧信号を流量検出信号として出力
するようにしたから、空気の流れ方向が逆方向のとき
に、大きい負の電圧が発生するのを防止し、流量検出信
号を吸入空気の実流量に近づけることができる。
【0125】請求項3の発明においては、前記流量検出
手段を構成する発熱抵抗体を、絶縁基板上に膜状に形成
したから、空気流によって直接冷却され、この抵抗値の
変化量を流量として検出することができる。
【0126】また、前記流れ方向検出手段を構成する感
温抵抗体を、前記発熱抵抗体から空気の流れ方向に離間
して絶縁基板上に形成したから、空気の流れ方向に対し
て発熱抵抗体よりも感温抵抗体が下流側となったときに
は、該感温抵抗体は発熱抵抗体からの熱影響を受けて空
気流により直接冷却されることはなく、抵抗値は大きく
減少することはない。一方、空気の流れ方向に対して感
温抵抗体が発熱抵抗体よりも上流側となったときには、
抵抗値の変化が大きくなり、このときの抵抗値の変化に
基づいて空気の流れ方向を検出することができる。
【0127】請求項4の発明においては、前記流量検出
手段を構成する発熱抵抗体を絶縁基板上に膜状に形成し
たから、空気流によって直接冷却され、この抵抗値の変
化量を流量として検出することができる。
【0128】また、前記流れ方向検出手段を構成する第
1,第2の感温抵抗体を、前記発熱抵抗体の流れ方向両
側に離間して絶縁基板上に形成したから、例えば空気の
流れ方向に対して発熱抵抗体よりも上流側には第1の感
温抵抗体が位置し、下流側には第2の感温抵抗体が位置
したときには、第1の感温抵抗体は空気流によって直接
冷却され、第2の感温抵抗体は発熱抵抗体からの熱影響
を受けて空気流により直接冷却されることはなく、各感
温抵抗体の抵抗値には差が発生し、この差の極性によっ
て吸入空気の流れ方向を検出することができる。
【0129】請求項5の発明においては、前記流量検出
手段は、空気流量および流れに応じて抵抗値がそれぞれ
異なる変化をする一対の発熱抵抗を含んで構成し、前記
流れ方向検出手段は、前記各発熱抵抗の抵抗値を比較す
ることによって流れ方向を判別する構成としたから、前
記流量検出信号出力手段では、前記流れ方向検出手段か
らの方向検出信号に基づいて、空気の流れ方向が順方向
のときには前記流量検出手段からの流量信号を流量検出
信号としてそのまま出力し、逆方向のときには定電圧出
力手段からの電圧信号を流量検出信号として出力するよ
うにしたから、空気の流れ方向が逆方向のときに、信号
が大きく変動するのを防止し、流量検出信号を吸入空気
の実流量に近づけることができる。
【0130】請求項6の発明においては、流量検出手段
を構成する一対の発熱抵抗を、空気の流れ方向に対して
上流側には第1の発熱抵抗体を、下流側には第2の発熱
抵抗体を膜状に形成したから、例えば空気の流れが順方
向のときには第1の発熱抵抗体は空気流によって直接冷
却され、第2の発熱抵抗体は第1の発熱抵抗体からの熱
影響を受けて空気流により直接冷却されることはなく、
各発熱抵抗体の抵抗値には差が発生し、この差によって
空気の流れ方向を検出できる。
【0131】さらに、前述したように、空気流によって
前記各発熱抵抗体の抵抗値が変化するから、この抵抗値
の変化から空気流量を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例による熱式空気流量検出装置を吸
気管に取付けた状態を示す縦断面図である。
【図2】絶縁基板上に形成された発熱抵抗体と感温抵抗
体を示す平面図である。
【図3】第1の実施例による熱式空気流量検出装置の回
路構成を示す回路図である。
【図4】流速に対する感温抵抗体の抵抗値変化を示す特
性線図である。
【図5】吸入空気の流速と方向検出電圧Va との関係を
示す特性線図である。
【図6】第1の実施例による流量Qと検出流量Q1 ,平
均流量Q1aveとの関係を示す特性線図である。
【図7】第2の実施例による絶縁基板上に形成された発
熱抵抗体と感温抵抗体を示す平面図である。
【図8】第2の実施例による熱式空気流量検出装置の回
路構成を示す回路図である。
【図9】第3の実施例による絶縁基板上に形成された発
熱抵抗体と感温抵抗体を示す平面図である。
【図10】第3の実施例による熱式空気流量検出装置の
回路構成を示す回路図である。
【図11】第4の実施例による絶縁基板上に形成された
発熱抵抗体と感温抵抗体を示す平面図である。
【図12】第4の実施例による熱式空気流量検出装置の
回路構成を示す回路図である。
【図13】従来技術による熱式空気流量検出装置を吸気
管に取付けた状態を示す縦断面図である。
【図14】従来技術による流量計本体および発熱抵抗等
を示す斜視図である。
【図15】従来技術による流量Qと検出流量Qout ,平
均流量Qave との関係を示す特性線図である。
【符号の説明】
21 熱式空気流量検出装置 22 流量計本体 23 基準抵抗 29,51,61,71 絶縁基板 30,54,63 発熱抵抗体(発熱抵抗) 31,55,56,64,65 感温抵抗体(感温抵
抗) 33 ブリッジ回路(流量検出手段) 36 差動増幅器 37,58 ブリッジ回路(流れ方向検出手段) 41 比較器(流れ方向検出手段) 42 電流制御用トランジスタ 43 定電圧回路 44 選択回路(流量検出信号出力手段) 72 第1の発熱抵抗体(発熱抵抗) 73 第2の発熱抵抗体(発熱抵抗) 75 第1の流量検出回路(第1の流量検出手段) 76 第2の流量検出回路(第2の流量検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 裕幸 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気管内を流れる空気流量を検出し、流
    量信号を出力する流量検出手段と、前記吸気管内を流れ
    る空気の流れ方向が順方向であるか、逆方向であるかを
    検出し、方向検出信号を出力する流れ方向検出手段と、
    予め設定された一定の電圧信号を出力する定電圧出力手
    段と、前記流れ方向検出手段からの方向検出信号に基づ
    き空気の流れ方向が順方向のときには前記流量検出手段
    からの流量信号を流量検出信号として出力し、逆方向の
    ときには前記定電圧出力手段からの電圧信号を流量検出
    信号として出力する流量検出信号出力手段とから構成し
    てなる熱式空気流量検出装置。
  2. 【請求項2】 前記流量検出手段は前記吸気管の途中に
    設けられ、空気流量に応じて抵抗値が変化する発熱抵抗
    を含んで構成し、前記流れ方向検出手段は吸気管の途中
    に設けられ、空気の流れ方向が順方向のときと逆方向の
    ときとで異なる抵抗値の変化特性をもった感温抵抗によ
    って構成してなる請求項1記載の熱式空気流量検出装
    置。
  3. 【請求項3】 前記発熱抵抗は絶縁基板上に膜状に形成
    した発熱抵抗体から構成し、前記感温抵抗は該発熱抵抗
    体に対して空気の流れ方向の上流側または下流側に位置
    して前記絶縁基板上に膜状に形成した感温抵抗体から構
    成してなる請求項2記載の熱式空気流量検出装置。
  4. 【請求項4】 前記発熱抵抗は絶縁基板上に膜状に形成
    した発熱抵抗体から構成し、前記感温抵抗は該発熱抵抗
    体に対して空気の流れ方向の上流側と下流側とにそれぞ
    れ位置して、前記絶縁基板上に膜状に形成した第1,第
    2の感温抵抗体から構成してなる請求項2記載の熱式空
    気流量検出装置。
  5. 【請求項5】 前記流量検出手段は前記吸気管の途中に
    設けられ、空気流量および流れ方向に応じて抵抗値がそ
    れぞれ異なる変化をする一対の発熱抵抗を含んで構成
    し、前記流れ方向検出手段は前記一対の発熱抵抗の抵抗
    値を比較することによって流れ方向を判別する構成とし
    てなる請求項1記載の熱式空気流量検出装置。
  6. 【請求項6】 前記各発熱抵抗は絶縁基板上にそれぞれ
    膜状に形成され、一方の発熱抵抗は吸入空気の流れ方向
    に対して上流側に位置した第1の発熱抵抗体となり、他
    方の発熱抵抗は下流側に位置した第2の発熱抵抗体とし
    てなる請求項5記載の熱式空気流量検出装置。
JP6195913A 1994-07-28 1994-07-28 熱式空気流量検出装置 Pending JPH0843160A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6195913A JPH0843160A (ja) 1994-07-28 1994-07-28 熱式空気流量検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6195913A JPH0843160A (ja) 1994-07-28 1994-07-28 熱式空気流量検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0843160A true JPH0843160A (ja) 1996-02-16

Family

ID=16349076

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6195913A Pending JPH0843160A (ja) 1994-07-28 1994-07-28 熱式空気流量検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0843160A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4912975A (en) Direct-heated flow measuring apparatus having improved response characteristics
JP3133608B2 (ja) 熱式空気流量検出装置
JP4157034B2 (ja) 熱式流量計測装置
US5423210A (en) Air flow rate meter and air flow rate detection
US6508117B1 (en) Thermally balanced mass air flow sensor
JPS61194317A (ja) 直熱型流量センサ
JP3184401B2 (ja) 熱式空気流量検出装置
JP2002350204A (ja) 感熱式流量センサ
JPH0843160A (ja) 熱式空気流量検出装置
JP3174234B2 (ja) 熱式空気流量検出装置
JP3184402B2 (ja) 熱式空気流量検出装置
JP3174222B2 (ja) 熱式空気流量検出装置
JPH0829228A (ja) 熱式空気流量検出装置
JP3095322B2 (ja) 熱式空気流量検出装置
JP2944890B2 (ja) 熱式空気流量検出装置
JPH0843162A (ja) 熱式空気流量検出装置
JPH0843161A (ja) 熱式空気流量検出装置
JP3133609B2 (ja) 熱式空気流量検出装置
JPH0641133Y2 (ja) 熱線式流量計
JPH07239258A (ja) 熱式空気流量検出装置
JPH0552625A (ja) 熱式空気流量計及びエンジン制御装置
JPH08105779A (ja) 熱式空気流量検出装置
JPH04147016A (ja) 熱式流量センサ
JPH0422268Y2 (ja)
JPH04291115A (ja) 熱式空気流量計