JPH08292003A - 面取り測定装置 - Google Patents

面取り測定装置

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JPH08292003A
JPH08292003A JP9540595A JP9540595A JPH08292003A JP H08292003 A JPH08292003 A JP H08292003A JP 9540595 A JP9540595 A JP 9540595A JP 9540595 A JP9540595 A JP 9540595A JP H08292003 A JPH08292003 A JP H08292003A
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JP
Japan
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tooth
work
chamfered
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chamfering
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JP9540595A
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Inventor
Takeshi Kojima
健史 児島
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一台の面取り測定装置によって隣どうしの歯
の面取り部w1,w2の間で加工深さに差がある場合に
その差を測定できるようにする。 【構成】本発明に係る面取り測定装置は、端部に山形状
に面取り部w1,w2が形成された複数の歯wsを備え
るワークwにおける面取り部w1,w2の状態を測定す
る面取り測定装置において、ワークwを支持する支持機
構と、ワークwの一つの歯の面取り部w1に当接した状
態で隣の歯の面取り部w2に当接できる形状に成形され
た測定子45と、測定子45を前記支持機構に支持され
たワークwに対して水平方向に相対移動できる状態に保
持する第1の移動機構と、その測定子45を下降させて
一つの歯の面取り部w1と隣の歯の面取り部w2との双
方に当接させる第2の移動機構と、測定子45が一つの
歯の面取り部w1に当接してから隣の歯の面取り部w2
に当接するまでの間にその測定子45がワークwに対し
て歯の並び方向に相対移動した量を測定する移動量測定
機構とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、端部に山形状に面取り
が施された複数の歯を備えるワークにおける面取り部の
加工状態を測定する面取り測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】これに関連する従来の面取り検査装置が
特開平6−185943号公報に記載されており、この
面取り検査装置の測定原理を表す模式図が図6(A)に
示されている。前記面取り検査装置は、ハブスリーブ
(以下、ワークという)の内側に設けられたスプライン
歯2の端部に山形状の面取り部が適正に加工されている
か否かを測定するための装置であり、面取り部2tに当
接する測定子4を備えている。前記測定子4は、定位置
に水平に位置決めされたワークの一つのスプライン歯2
からの距離と隣のスプライン歯2からの距離とが等しく
なる基準位置に配置されており、それらのスプライン歯
2の面取り部2tに当接するまで下降できるようになっ
ている。また、前記測定子4の先端には加工されるべき
面取り部2tと等しい傾きの測定面4mが形成されてい
る。そして、基準位置からの前記測定子4の下降量がダ
イヤルゲージ(図示されていない)によって測定できる
ようになっている。この構造により、面取り部の加工深
さによって測定子4の下降量、即ち、ダイヤルゲージの
読みが変化することになる。したがって、適正な加工深
さにおける測定子4の下降量(適正値)を予め記録して
おくことにより、実際のダイヤルゲージの読みと適正値
との差から面取り部の加工深さを把握することができる
ようになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
面取り検査装置では、図6(B)に示されるように、面
取りが深すぎて適正でない場合でも面取り部2tにバリ
2bが付着しているために適正と判定されるような場合
がある。逆に、面取りが正常でも前記バリ2bの影響に
より適正でないと判定される場合がある。また、図6
(C)に示されるように、一方のスプライン歯2の面取
りが正常で他方のスプライン歯2の面取りが深すぎるよ
うな場合にも適正と判定されてしまう。なお、図6
(D)に示されるように、別々の測定子4a,4bで各
々のスプライン歯2の面取り状況を判定させるようにす
れば、図6(C)のような問題は生じないが昇降装置や
ダイヤルゲージ等も二セット必要になって設備費が増加
する。さらに、前記バリ2bの影響を避けることはでき
ない。本発明の技術的課題は、一つの歯と隣の歯との双
方の面取り部の加工状態を判定できるようにするととも
に、両面取り部の間で面取りの深さに差がある場合にも
その差を測定できるようにすること、また、面取り部に
バリ等が付着している場合にもその影響を受けることの
ない面取り測定装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段、作用、効果】
〔課題を解決するための請求項1に係る手段〕上記した
課題は、以下の特徴を有する面取り測定装置によって解
決される。即ち、請求項1に係る面取り測定装置は、端
部に山形状に面取り部が形成された複数の歯を備えるワ
ークにおける前記面取り部の加工状態を測定する面取り
測定装置において、前記ワークを支持する支持機構と、
前記ワークの一つの歯の面取り部に当接した状態で隣の
歯の面取り部に当接できる形状に成形された測定子と、
前記測定子と前記支持機構に支持されたワークとを歯の
並び方向に相対移動できる状態に保持する第1の移動機
構と、前記測定子と前記支持機構に支持されたワークと
を歯溝方向に沿う方向に相対移動できる状態に保持する
第2の移動機構と、前記測定子が一つの歯の面取り部に
当接してから隣の歯の面取り部に当接するまでの間に、
その測定子とワークとが歯の並び方向に相対移動した量
を測定する移動量測定機構とを有している。 〔請求項1に記載された発明の作用〕本発明によると、
前記測定子とワークとは第1の移動機構によって歯の並
び方向に相対移動できる状態に保持されており、また、
第2の移動機構によって歯溝方向に沿う方向に相対移動
できる状態に保持されている。さらに、前記測定子はワ
ークの一つの歯の面取り部に当接した状態で隣の歯の面
取り部に当接できる形状に成形されている。このため、
例えば、前記測定子が一つの歯と隣の歯とから等しい距
離に位置していれば、その測定子が歯溝方向に沿う方向
に相対移動する過程で先ず浅く加工されている方の面取
り部に当接してその面取り部に倣って相対移動し、その
隣の歯の面取り部に当接した状態でワークに対するその
測定子の動きは止められる。したがって、前記測定子が
ワークに対して歯の並び方向に相対移動した量を移動量
測定機構により測定することにより、その測定値から一
つの歯に形成された面取り部と隣の歯に形成された面取
り部との加工深さの差を知ることができる。また、どち
らの面取り部が深く加工されたかも知ることができる。
なお、両歯に形成された面取り部の加工深さが等しけれ
ば、測定子は双方の面取り部に同時に当接するため、測
定子がワークに対して歯の並び方向に相対移動すること
はなく、移動量測定機構の測定値は零となる。 〔請求項1に記載された発明の効果〕本発明によると、
一台の面取り測定装置によって一つの歯と隣の歯との双
方の面取り部の状態を判定できるとともに、両面取り部
の間で面取りの深さに差がある場合にもその差を測定で
きるようになる。
【0005】〔課題を解決するための請求項2に係る手
段〕この面取り測定装置は、請求項1に記載された面取
り測定装置において、前記支持機構には、ワークの一つ
の歯から測定子までの距離とその隣の歯から測定子まで
の距離とが所定の比率になるように、そのワークを位置
決めする位置決め機構が設けられている。 〔請求項2に記載された発明の作用〕本発明によれば、
位置決め機構によってワークの一つの歯から測定子まで
の距離とその隣の歯から測定子までの距離とを所定の比
率に設定できるようになる。例えば、位置決め機構によ
って前記比率を等しく設定すれば、一つの歯の面取り部
の加工深さと隣の歯の面取り部の加工深さとが等しいと
きに移動量測定機構の測定値が零となる。また、位置決
め機構によって前記比率を予め決められた値に設定すれ
ば、一つの歯の面取り部の加工深さと隣の歯の面取り部
の加工深さとの差が所定値のときに移動量測定機構の測
定値を零にできるようになる。即ち、加工するワークw
の種類に応じて前記比率を設定することにより、面取り
部の加工深さが適正なときに移動量測定機構の測定値を
零にできるようになる。このため、例えば、歯の端部に
形成された山形状の面取り部の稜線をその歯の中心から
ずらした状態で成形するワークにおいても適正に加工さ
れていれば移動量測定機構の測定値を零にできるように
なる。 〔請求項2に記載された発明の効果〕本発明によれば、
ワークの面取り部の加工深さが適正なときに移動量測定
機構の測定値を零にできるため、測定誤差等の影響を受
け難くなり判定精度が向上する。
【0006】〔課題を解決するための請求項3に係る手
段〕この面取り測定装置は、請求項1に記載された面取
り測定装置において、前記測定子は前記面取り部に点接
触することを特徴とする。 〔請求項3に記載された発明の作用〕本発明によると測
定子は面取り部に点接触するために、面取り部にバリ等
が付着していてもその影響を受け難い。 〔請求項3に記載された発明の効果〕本発明によると、
面取り部に付着するバリ等の影響を受け難いために加工
が適正であるのに加工不良と判定されるようなトラブル
は生じない。
【0007】
【実施例】以下、図1〜図5に基づいて本発明の一実施
例に係る面取り測定装置の説明を行う。ここで、図1は
本実施例に係る面取り測定装置の動作原理を表す側面図
であり、図2はワークであるハブスリーブの縦断面図で
ある。また、図3は本実施例に係る面取り測定装置の平
面図、図4は図3のIV-IV 矢視図、図5は図3のV-V 矢
視図である。なお、面取り測定装置の幅方向(図3にお
いて上下方向)をX軸方向、前後方向(図3において左
右方向)をY軸方向、高さ方向(図3において紙面に垂
直方向)をZ軸方向として以後の説明を行う。
【0008】前記面取り測定装置10は、ワークwに加
工された面取り部w1,w2の加工状態を測定するため
の装置であり、図3〜図5に示されるように、角形のベ
ース12上に設置されている。ここで、前記ワークw
は、自動車のシンクロナイザリングに使用されるリング
状のハブスリーブであり、図2に示されるように、その
内壁面には複数のスプライン歯wsが円周方向に設けら
れている。そして、前記スプライン歯wsの端部にエン
ドミルカッターにより第一面取り部w1と第二面取り部
w2とが稜線Rを形成するように山形状に加工されてい
る。なお、面取り部w1,w2を加工する際に、ワーク
wであるハブスリーブとエンドミルカッターとは予め決
められた角度で位置決めされるため、各々のスプライン
歯wsに加工された第一面取り部w1の角度はそれぞれ
等しくなる。また、各々のスプライン歯wsに加工され
た第二面取り部w2の角度もそれぞれ等しくなる。な
お、図2には代表して三本のスプライン歯wsを記載し
ておりその他のスプライン歯は省略している。
【0009】前記ベース12の中央には、図4に示され
るように、縦方向(Z軸方向)に軸受け12jが設けら
れており、さらに、そのベース12の上面で前記軸受け
12jの周囲にはリング状のベアリング14bが水平に
配設されている。そして、前記リング状のベアリング1
4bの上にワークwを支持する支持部14の本体14m
が載置されている。さらにその本体14mの下面中央に
はシャフト14sが突出して設けられており、そのシャ
フト14sが前記ベース12の軸受け12jに挿通され
ている。この構造により、前記支持部14の本体14m
はシャフト14sの軸心回りに回動ができるようになっ
ている。
【0010】前記本体14mの上面には、図3、図4に
示されるように、前記ワークwの内側に挿入されてその
ワークwの半径方向の動きを規制する位置決め円盤14
eが形成されており、その位置決め円盤14eの周囲が
前記ワークwを下方から水平に支える段差14dとなっ
ている。また、前記位置決め円盤14eの中央には、図
3に示されるように、仮想中心線Cに沿って一端(図中
左端)に側面開口を備える水平溝14nが形成されてお
り、その水平溝14nに位置決めピン15が摺動できる
状態で収納されている。したがって、位置決めピン15
の中心も仮想中心線Cに重なるようになる。
【0011】前記位置決めピン15はワークwの一つの
スプライン歯wsと隣のスプライン歯wsとの歯溝の中
心を基準位置に位置決めするためのピンであり、その先
端には前記歯溝に挿入される円錐部15aが形成されて
いる。そして、その円錐部15aが前記水平溝14nの
側面開口から突出できるようになっている。さらに、前
記位置決めピン15の基端部15zと水平溝14nの壁
面14wとの間には、その位置決めピン15を壁面14
wから離す方向に付勢されたバネ16が配設されてい
る。
【0012】また、位置決めピン15の下側面には、図
4に示されるように、ストッパ15tが固定されてお
り、そのストッパ15tに掛け金17の先端部17fが
掛けられている。前記掛け金17は、位置決めピン15
を前記バネ16の力に抗してそのバネ16と反対方向か
ら支える部材であり、前記本体14mの中央に形成され
た凹部14hに縦に収納されている。前記掛け金17は
その中心部分が仮想中心線Cと直交する回動ピン17p
を介して本体14mに連結されており、その回動ピン1
7pを中心にして回動できるようになっている。さら
に、前記掛け金17の基端部17mには前記ストッパ1
5tと同じ方向からカム18kが接触するようになって
いる。前記カム18kは、前記回動ピン17pと平行な
シャフト18sに固定されており、そのシャフト18s
が図3に示される位置決めハンドル18によって軸回り
に回動させられるようになっている。この構造により、
前記位置決めハンドル18の操作でカム18kが回動
し、前記掛け金17の基端部17mは仮想中心線Cの方
向に変位する。
【0013】前記掛け金17の基端部17mがカム18
kの働きにより変位するとその分だけ掛け金17は回動
ピン17pを中心に回動し、その掛け金17の先端部1
7fが基端部17mと反対の方向に変位する。即ち、位
置決めハンドル18によって掛け金17の先端部17f
の位置を仮想中心線Cに沿って変えることができ、これ
によって位置決めピン15の円錐部15aが水平溝14
nの側面開口から突出する量を調整することができる。
したがって、位置決めピン15の突出量を最小にしてワ
ークwを位置決め円盤14e及び段差14dにセット
し、次に位置決めピン15の突出量を最大にすることに
より、その位置決めピン15の円錐部15aが一つのス
プライン歯wsと隣のスプライン歯wsとの間の歯溝に
嵌合してその歯溝の中心が位置決め円盤14eの仮想中
心線Cに合わせられる。
【0014】前記支持部14の本体14mには、平面視
において仮想中心線Cと一致する位置にアーム14yが
固定されており、このアーム14yがY軸に平行になる
ように位置決めされている。そして、前記アーム14y
のA点に、図3に示されるように、ダイヤルゲージ22
の測定子24がX軸方向から直角に連結されている。こ
れによって、前記支持部14がベース12に対して回動
した時のA点の移動量が前記ダイヤルゲージ22によっ
て表示される。なお、前記ダイヤルゲージ22の読みか
らベース12に対する支持部14の回動角度を計算によ
り求めることができる。即ち、前記支持部14の位置決
め円盤14e、位置決めピン15等が本発明の支持機構
に相当する。
【0015】前記ベース12には、図5に示されるよう
に、前記支持部14の横に支柱12mが設置されてお
り、その支柱12mの上端部に測定子架台30が装着さ
れている。前記測定子架台30は、測定子40を昇降可
能な状態に支持する架台であり、上下方向に同軸に設け
られた大径部31と小径部33とを備えている。そし
て、大径部31と小径部33との境にリング状の段差3
2が形成されている。また、大径部31と小径部33と
の内部には、図4に示されるように、軸方向に軸受け3
0dが形成されており、この軸受け30dに測定子40
のシャフト部42が挿通されるようになっている。ここ
で、軸受け30dの中心とシャフト部42の軸心とは一
致するとともに、シャフト部42の軸心は支持部14に
セットされたワークwの一つのスプライン歯wsと隣の
スプライン歯wsの歯溝の中心、即ち、位置決めピン1
5の円錐部15aの先端に合わされている。なお、測定
子架台30の位置を支柱12mから予め決められた量だ
けずらすことにより、前記シャフト部42の軸心を前記
歯溝の中心から所定寸法だけずらすことは可能である。
【0016】前記測定子架台30の大径部31の上面に
は、測定子40のシャフト部42を挟んで一対の板30
bが配置されており、これらの板30bの端部が昇降ハ
ンドル30hによって回動させられる軸30sに固定さ
れている。前記軸30sは、測定子40のシャフト部4
2に対して直角に交差した状態に配置されており、前記
測定子架台30に回転可能な状態で装着されている。こ
のため、前記昇降ハンドル30hを操作することによ
り、前記板30bが軸30sを中心に回動することにな
る。
【0017】前記測定子40のシャフト部42の上端に
はフランジ部42fが固定されており、そのフランジ部
42fが前記板30bによって下方から支持されてい
る。また、前記測定子架台30の軸受け30dに通され
た前記シャフト部42の先端部(下部)には鍔42tが
形成されており、その鍔42tに上方からリング状のバ
ネ座34が当接している。そして、前記測定子架台30
のリング状の段差32とリング状のバネ座34との間に
両者32,34を離す方向に付勢されたコイルスブリン
グ35が装着されている。この構造により、測定子40
はコイルスブリング35のバネ力により常に押し下げら
れている。しかしながら、昇降ハンドル30hによって
前記板30bが図5において右回りに回動されれば、前
記板30bが測定子40のフランジ部42fをコイルス
ブリング35のバネ力に抗して押し上げ、測定子40は
上昇するするようになる。
【0018】前記測定子40の先端(下端)には測定子
本体45が取付けられている。前記測定子本体45はシ
ャフト部42と同軸に形成された細軸であり、先端部は
裏側が切り欠かれた半球形に成形されている。これによ
って、測定子本体45の先端部は、図4に示されるよう
に、ワークwの内壁面wjに当接することなくスプライ
ン歯wsの面取り部w1,w2にのみに当接できるよう
になる。ここで、前記測定子本体45の先端部における
球の径は、図1に示されるように、ワークwの一つのス
プライン歯wsの面取り部w1に当接した状態で隣のス
プライン歯wsの面取り部w2に当接できる大きさに設
定されている。即ち、前記支持部14等が本発明の第1
の移動機構に相当し、測定子架台30、昇降ハンドル等
が本発明の第2の移動機構に相当する。また、ダイヤル
ゲージ22、アーム14y等が本発明の移動量測定機構
に相当する。
【0019】次に、本実施例に係る面取り装置10の動
作を説明する。先ず、昇降ハンドル30が図5において
右側に動かされ、板30bが軸30sを中心に右回りに
回動することにより、前記測定子40はコイルスプリン
グ35のバネ力に抗して押し上げられる。また、支持部
14の位置決めハンドル18が操作されて位置決めピン
15が位置決め円盤14eの水平溝14nに収納される
方向に変位する。この状態で、ワークwがその位置決め
円盤14eの周囲にセットされると、前記位置決めハン
ドル18が逆方向に操作されて位置決めピン15が前記
水平溝14nから突出する方向に変位する。これによっ
て、前記位置決めピン15の円錐部15aが一つのスプ
ライン歯wsと隣のスプライン歯wsとの間の歯溝に嵌
合してその歯溝の中心が位置決め円盤14eの仮想中心
線Cに合わせられるとともに、測定子本体45の軸心に
も合わせられる。これによって、測定子本体45から一
つのスプライン歯wsまでの距離と隣のスプライン歯w
sまでの距離とは等しくなり、その比率は1;1とな
る。
【0020】このようにしてワークwが支持部14にセ
ットされると、昇降ハンドル30が操作されて測定子4
0が下降する。図1(A)〜(C)は本実施例に係る面
取り測定装置10の測定原理を表す側面図であり、測定
子40が下降する過程で測定子本体45が一つのスプラ
イン歯wsの第一面取り部w1と隣のスプライン歯ws
の第二面取り部w2に当接するまでの様子を表してい
る。測定子本体45は、先ず、図1(B)に示されるよ
うに、浅く加工された第一面取り部w1に当接する。こ
のとき、測定子本体45はコイルスプリング35によっ
て常に押し下げられる方向にバネ力を受けているため、
このバネ力が測定子本体45から第一面取り部w1を介
してワークwに伝達され、ワークwは垂直方向と水平方
向の成分を有する力Fを受ける。そして、前記水平方向
の力によりワークwは支持部14とともにシャフト14
sの軸心回りに回動する。これによって、測定子本体4
5は第一面取り部w1に倣ってさらに下降し、図1
(C)に示されるように、深く加工された第二面取り部
w2に当接した状態で測定子本体45の下降が停止する
とともに、ワークwの回動も停止する。
【0021】そして、ワークw及び支持部14の回動に
起因したアーム14y(図3参照)の移動量がダイヤル
ゲージ22によって測定される。ここで、浅く加工され
た第一面取り部w1と深く加工された第二面取り部w2
との間のレベル差が大きい場合、即ち、面取り部w1,
w2の稜線Rがスプライン歯wsの中心から左に大きく
ずれている場合は、第一面取り部w1に当接した測定子
本体45が第二面取り部w2に当接するまでに下降する
量は大きくなる。この結果、ワークwが回動する角度も
大きくなる。したがって、アーム14yの移動量は第一
面取り部w1と第二面取り部w2との加工深さの差、即
ち、稜線Rの中心からのずれに比例する。このため、基
準ワークにおけるアーム14yの移動量(基準値)を予
め記録しておいて、実際に加工したワークwにおけるア
ーム14yの移動量を前記基準値と比較することによ
り、適正に面取り部w1,w2が加工されたか否かを判
定することができる。また、ワークwが回動する方向に
よってどちらの面取り部w1,w2が深く加工されたか
も知ることができる。
【0022】図1(D)は、第一面取り部w1と第二面
取り部w2との加工深さが等しい場合のワークwと測定
子本体45との関係を表している。この場合は、測定子
本体45が第一面取り部w1と第二面取り部w2に同時
に当接するため、ワークwは回動することはない。図1
(E)は、第一面取り部w1、第二面取り部w2にバリ
wbが付着している状態で測定を行った状態を表してい
る。本実施例に係る面取り測定装置10では、測定子本
体45の先端は球形であるため、測定子本体45は第一
面取り部w1及び第二面取り部w2に対して点接触す
る。このため、第一面取り部w1及び第二面取り部w2
にバリwbが付着していてもこのようなバリwbの影響
は受け難くなる。したがって、加工が適正であるのに加
工不良と判定されるようなトラブルは生じない。
【0023】ここで、本実施例によると、歯溝の中心に
測定子本体45の軸心が合わせられるため、第一面取り
部w1と第二面取り部w2との加工深さが等しい場合に
ダイヤルゲージ22の読みは零であった。しかしなが
ら、測定子本体45の軸心を歯溝の中心から予め決めら
れた寸法だけずらすことにより、稜線Rがスプライン歯
wsの中心から所定寸法だけずれたワークwにおけるダ
イヤルゲージ22の読みを零とすることも可能である。
このようにすれば、稜線Rがスプライン歯wsの中心か
ら所定寸法だけずれたワークwの面取りを測定する場合
にダイヤルゲージ22の零目盛りを基準にすることが可
能になる。これによって、測定誤差の影響を受け難くな
り合否判定の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る面取り測定装置の測定
原理を表す側面図である。
【図2】ワークの縦断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る面取り測定装置の平面
図である。
【図4】図3のIV-IV 矢視図である。
【図5】図3の V- V 矢視図である。
【図6】従来の面取り測定装置の測定原理を表す側面図
である。
【符号の説明】
w ワーク w1 第一面取り部 w2 第二面取り部 R 稜線 14 支持部(支持機構、第1の移動機構) 14e位置決め円盤(支持機構) 15 位置決めピン(支持機構) 14yアーム(移動量測定機構) 22 ダイヤルゲージ(移動量測定機構) 30 測定子架台(第2の移動機構) 30h昇降ハンドル(第2の移動機構) 40 測定子 45 測定子本体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部に山形状に面取り部が形成された複
    数の歯を備えるワークにおける前記面取り部の加工状態
    を測定する面取り測定装置において、 前記ワークを支持する支持機構と、 前記ワークの一つの歯の面取り部に当接した状態で隣の
    歯の面取り部に当接できる形状に成形された測定子と、 前記測定子と前記支持機構に支持されたワークとを歯の
    並び方向に相対移動できる状態に保持する第1の移動機
    構と、 前記測定子と前記支持機構に支持されたワークとを歯溝
    方向に沿う方向に相対移動できる状態に保持する第2の
    移動機構と、 前記測定子が一つの歯の面取り部に当接してから隣の歯
    の面取り部に当接するまでの間に、その測定子とワーク
    とが歯の並び方向に相対移動した量を測定する移動量測
    定機構と、を有することを特徴とする面取り測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された面取り測定装置に
    おいて、 前記支持機構には、ワークの一つの歯から測定子までの
    距離とその隣の歯から測定子までの距離とが所定の比率
    になるように、そのワークを位置決めする位置決め機構
    が設けられていることを特徴とする面取り測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された面取り測定装置に
    おいて、 前記測定子は前記面取り部に点接触することを特徴とす
    る面取り測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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