JPH08291708A - エンジンの触媒活性化検出方法 - Google Patents

エンジンの触媒活性化検出方法

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JPH08291708A
JPH08291708A JP7095363A JP9536395A JPH08291708A JP H08291708 A JPH08291708 A JP H08291708A JP 7095363 A JP7095363 A JP 7095363A JP 9536395 A JP9536395 A JP 9536395A JP H08291708 A JPH08291708 A JP H08291708A
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JP
Japan
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sensor
value
catalyst
engine
air
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Application number
JP7095363A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Oishi
広士 大石
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒の活性化を簡易かつ確実に検出する。 【構成】 エンジン始動時、冷却水温に基づいて触媒活
性化を判断する基準となる設定値Aを設定し、エンジン
始動後、演算周期により定まる所定周期毎にエンジン負
荷の一例として吸入空気量Qに基づきエンジン負荷領域
毎に予め設定した重みKを設定するとともに、この重み
Kを積算して積算値Bを算出する。そして、触媒下流に
配設されたRO2センサの活性を判断し(S23)、R
O2センサが活性したときは、上記設定値Aと上記積算
値Bとを比較し(S26)、積算値Bが設定値Aを越え
たとき、触媒が活性化したと判断し、触媒上流に配設さ
れたFO2センサに加え上記RO2センサの出力値を使用
するデュアルO2センサ(DOS)制御による空燃比フ
ィードバック制御を開始する(S28)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、触媒の活性化を触媒温
度センサを用いることなく簡易的に検出することのでき
るエンジンの触媒活性化検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、触媒が活性化したか否かの判断
は、主に触媒に臨ませた触媒温度センサの検出値に基づ
いて判断していた。すなわち、この触媒温度センサによ
り触媒層内を通過する排気ガスの温度を監視し、この排
気ガス温度が予め実験などから求めて設定した触媒活性
温度を越えたとき活性化したと判断する。
【0003】しかし、触媒温度センサにはばらつき等の
個体差があるため、たとえ触媒活性温度と実際に計測し
た排気ガス温度とが一致しても、触媒が実際に活性化し
ているとは限らない。また、経時劣化の影響で常に一定
の活性化状態を検出することができるとは限らない。
【0004】ところで、最近の空燃比制御として、触媒
の上流に設けた酸素濃度センサ(以下「FO2セン
サ」)以外に、触媒の下流にも別の酸素濃度センサ(以
下「RO2センサ」)を配設し、FO2センサの情報から
空燃比フィードバック制御を行い、RO2センサの情報
から空燃比フィードバック係数のシフト量を決定し、触
媒の上流のみならず下流からも理論空燃比が得られるよ
うにすることで、触媒浄化能力が発揮できる最大の位置
で空燃比制御を行い、排気ガス浄化性能を向上させ、な
お且つ、そのシフト量を学習値として記憶することで、
FO2センサ、及び触媒の劣化を学習補正する、いわゆ
るデュアルO2センサ(DOS)制御がある。
【0005】このDOS制御では、RO2センサでの出
力値は、上記FO2センサによる空燃比フィードバック
制御を補正するために取り入れられるので、触媒が十分
に活性しており、しかもFO2センサによる空燃比フィ
ードバック制御が適正に為されている必要がある。すな
わち、触媒が不活性状態にあると、図9(a)に破線で
示すように、RO2センサの出力値VRO2は、実線で示
すFO2センサの出力値VFO2に対し、位相が若干遅れ
ただけで、ほぼ同様の変化を示す。そして、触媒が活性
すると、同図(b)に示すように、RO2センサの出力
値VRO2は、変動幅の少ない緩やかな変化になる。こ
の特性から明らかなように、RO2センサの出力値VR
O2を触媒が不活性状態のときに取り入れてしまうと空
燃比制御性が著しく損なわれることが分かる。
【0006】そのため、このRO2センサの出力値VR
O2の変動幅が所定範囲に収まったか否かを監視し、所
定範囲に収まったとき触媒が活性化したと判断する技術
が種々提案されている。例えば特開平6−167210
号公報では、RO2センサの出力値VRO2を所定時間計
測し、そのときの出力値VRO2の最大値と最小値とを
求め、この最大値と最小値との差が所定値以下になった
とき、触媒が活性化したと判断する技術が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、RO2センサ
の出力値VRO2にも、上述と同様にばらつき等の個体
差があり、個体差を補償するために判定用の範囲、すな
わち触媒の活性を判断するための設定値を大きくする
と、特に、始動直後の不安定な状態では、正確性に欠
け、また、小さくすれば個体差が吸収できないばかりか
DOS制御による空燃比フィードバック制御の開始時期
を不必要に長引かせることになり、排気ガス対策上好ま
しくない。
【0008】そこで、エンジン始動時の冷却水温などか
らエンジン温度を検出し、このエンジン温度に基づいて
触媒が活性化するまでの時間を設定し、始動後、この設
定時間が経過したとき、触媒が活性化したと判断してF
O2センサ及びRO2センサを共に用いたDOS制御によ
る空燃比フィードバック制御を開始する技術が提案され
てきた。この技術によれば、触媒が活性したか否かを、
触媒温度センサ、及びRO2センサ等、個体差のある媒
体を使用せずに判断するため、実験などからある程度、
触媒が活性するまでの時間を導き出すことはできる。
【0009】しかし、エンジン温度が触媒活性温度に到
達する時間は、始動後のエンジン運転状態により相違
し、例えば、始動後アイドル放置の状態では、エンジン
温度が素早く上昇しないため、設定時間を経過した時点
では、未だ、触媒が充分に活性していないにも拘わら
ず、DOS制御による空燃比フィードバック制御が開始
されて、誤作動、誤学習を行い排気エミッションが悪化
する虞がある。
【0010】一方、このような誤作動、誤学習を未然に
防止するために、上記設定時間を触媒が活性化するため
に充分な時間に設定すれば、上述と同様、DOS制御に
よる空燃比フィードバック制御の開始時期が不必要に長
くなり好ましくない。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、触媒の活性化を簡単で、しかも精度良く検出するこ
とのできるエンジンの触媒活性化検出方法を提供するこ
とを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明によるエンジンの触媒活性化検出方法は、所定周
期毎にエンジン負荷を検出し、このエンジン負荷に基づ
いて運転領域毎に上記エンジン負荷が大きくなるに従っ
て大きな値の重みが記憶されているテーブルを参照して
重みを設定すると共に該重みを積算し、この積算値が始
動時のエンジン温度に基づいて設定した設定値を越えた
とき排気系に介装した触媒が活性したと判断することを
特徴とする。
【0013】
【作 用】本発明では、エンジンを始動すると、そのと
きのエンジン温度に基づいて触媒の活性化を判断する基
準となる設定値を設定する。そして、エンジン始動後か
ら所定周期毎にエンジン負荷を読込み、このエンジン負
荷に基づいて、運転領域毎に上記エンジン負荷が大きく
なるに従って大きな値の重みが記憶されているテーブル
を参照して重みを設定し、この重みを積算した積算値と
上記設定値とを比較し、積算値が設定値を超えたとき触
媒が活性したと判断して、DOS制御による空燃比フィ
ードバック制御等を開始する。
【0014】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。
【0015】図7にエンジンの全体概略図を示す。本実
施例で採用するエンジン1は、水平対向エンジンであ
り、シリンダヘッド2の気筒毎に設けた吸気ポート2a
と排気ポート2bとに、インテークマニホルド3とエキ
ゾーストマニホルド4とが各々連通されている。
【0016】また、上記インテークマニホルド3の上流
に吸気管5が連通され、一方、上記エキゾーストマニホ
ルド4の下流に排気管6が連通され、その下流端にマフ
ラ7が取付けられている。さらに、上記排気管6の上流
側集合部に、フロント触媒コンバータ8aが介装され、
その下流にリア触媒コンバータ8bが介装されている。
【0017】また、上記吸気管5の上流の空気取入れ口
側にエアークリーナ9が取付けられ、中途にスロットル
弁10が介装されている。さらに、この吸気管5の上記
スロットル弁10の下流にエアーチャンバ11が形成さ
れている。
【0018】また、上記吸気管5には、上記スロットル
弁10をバイパスし該スロットル弁10の上流と下流と
を連通するバイパス通路12が接続されており、このバ
イパス通路12にISC(アイドル回転数制御)弁13
が介装されている。さらに、上記インテークマニホルド
3の下流端に、インジェクタ14が各気筒に対応して配
設されている。また、上記シリンダヘッド2に、その先
端を各気筒の燃焼室に露呈する点火プラグ15aが取付
けられ、この点火プラグ15aに連設される点火コイル
15bがイグナイタ16に接続されている。
【0019】次に、センサ類の配置について説明する。
上記エンジン1のクランクシャフト1bに連設するクラ
ンクロータ21に、このクランクロータ21の外周に形
成した突起を検出するクランク角センサ22が対設され
ている。一方、カムシャフト1cに連設するカムロータ
23に、このカムロータ23の外周に形成された突起を
検出するカム角センサ24が対設されている。
【0020】また、上記エンジン1のシリンダブロック
1aにノックセンサ25が固設され、このシリンダブロ
ック1aの左右バンクを連通する冷却水通路1dには冷
却水温センサ26が臨まされている。さらに、上記吸気
管5の上記エアークリーナ9の直下流に吸入空気量セン
サ27が臨まされ、また、上記スロットル弁10にスロ
ットル開度センサ28が連設されている。さらに、上記
エキゾーストマニホルド4の上記フロント触媒コンバー
タ8aの上流にFO2センサ29aが配設され、また上
記排気管6の上記リア触媒コンバータ8bの下流にRO
2センサ29bが配設された、いわゆる、デュアルO2セ
ンサ(DOS)構造を有している。
【0021】一方、上記インジェクタ14、上記点火プ
ラグ15a、及び、ISC弁13に対する燃料噴射制
御、点火時期制御、アイドル回転数制御等は、図8に示
す電子制御装置31により行われる。
【0022】この電子制御装置31は、CPU32、R
OM33、RAM34、バックアップRAM35、及び
I/Oインターフェース36がバスライン37を介して
互いに接続されるマイクロコンピュータを中心として構
成されており、その他、安定化電圧を各部に供給する定
電圧回路38、上記I/Oインターフェース36の出力
ポートからの信号によりアクチュエータ類を駆動する駆
動回路39等の周辺回路が組み込まれている。
【0023】上記定電圧回路38は、ECUリレー40
のリレー接点を介してバッテリ41に接続されており、
ECUリレー40のリレーコイルがイグニッションスイ
ッチ42を介して上記バッテリ41に接続されている。
また、上記定電圧回路38は、上記イグニッションスイ
ッチ42がONされ、上記ECUリレー40の接点が閉
となったとき、上記バッテリ41の電圧を安定化して電
子制御装置31の各部に供給する。さらに、上記バック
アップRAM35には、バッテリ41が上記定電圧回路
38を介して直接接続されており、上記イグニッション
スイッチ42のON/OFFに拘らず常時バックアップ
用電源が供給される。
【0024】また、上記I/Oインターフェース36の
入力ポートには、バッテリ41が接続されて、バッテリ
電圧がモニタされると共に、吸入空気量センサ27、ス
ロットル開度センサ28、ノックセンサ25、冷却水温
センサ26、FO2センサ29a、RO2センサ29b、
クランク角センサ22、カム角センサ24が接続されて
いる。 一方、上記I/Oインターフェース36の出力
ポートには、イグナイタ16が接続され、さらに、上記
駆動回路39を介して、ISC弁13及びインジェクタ
14の各コイルが接続されている。なお、上記ROM3
3には、通常の制御プログラムに加え、各種固定データ
等が格納されている。
【0025】次に、上記電子制御装置31で実行される
空燃比フィードバック制御について図1〜図5のフロー
チャートに従って説明する。
【0026】イグニッションスイッチ42がONされ
て、電子制御装置31に電源が投入されると、図2に示
す設定値算出ルーチンが1回だけ起動され、図3に示す
積算値算出ルーチンがO.5sec毎に起動され、図1に示す
空燃比フィードバック制御開始判定ルーチン、及び図4
に示す空燃比フィードバック制御ルーチンが、10msec毎
に起動され、また、図5に示す燃料噴射パルス幅設定ル
ーチンが所定周期で実行される。
【0027】まず、エンジン始動時に1回のみ実行し、
エンジン温度として冷却水温Twに基づき触媒の活性化
を判断する基準となる設定値Aを設定する設定値算出ル
ーチンを図2に従い説明する。ステップS1で、エンジ
ン温度を間接的に検出する冷却水温Twを読込み、ステ
ップS2で、この冷却水温Twに基づいて、テーブルを
補間計算付きで参照して設定値Aを設定してルーチンを
終了する。この設定値Aは、後述する空燃比フィードバ
ック制御開始判定ルーチンで読込まれ、演算周期毎に積
算される積算値Bと比較して、触媒コンバータ8a,8
bの活性化を判断する基準値であり、図2のステップS
2中に示すように、冷却水温Twが低い程、エンジン温
度が低く触媒が活性化するまでに時間がかかるため、大
きな値に設定される。
【0028】また、図3に示す積算値算出ルーチンは、
演算周期により定まる所定周期(0.5sec)毎にエンジン負
荷を検出し、このエンジン負荷に基づき重みを設定して
該重みを積算するルーチンであり、ステップS11で、
エンジン負荷の代用として吸入空気量Qを読込み、ステ
ップS12で、この吸入空気量Qに基づきテーブルを参
照して重みKを設定し、ステップS13で、前回算出し
た積算値Bに今回設定した重みKを積算して、新たな積
算値Bを求めて、ルーチンを抜ける。
【0029】上記テーブルには、同図ステップS12中
に示すように、エンジン負荷の一例として上記吸入空気
量Qに基づいて運転領域を区分し、この各領域ごとに、
エンジン負荷が大きくなるに従って大きな値の重みKが
実験などから求めて格納されている。すなわち、触媒の
活性状態は触媒層内温度に支配されるが、この触媒層内
温度はエンジン負荷との関係で上昇特性が決定され、エ
ンジン負荷が大きく吸入空気量Qが増す程、エンジン1
の燃焼室から排出される排気ガス流量が増加して、相対
的に触媒層内温度が早く上昇し、これに伴い触媒が早く
活性状態となる。従って、エンジン負荷の代用である吸
入空気量Qに基づいて設定した上記重みKを演算周期毎
に積算することで触媒層内温度を簡易的に予測すること
が可能となる。具体的には、本実施例においては、吸入
空気量Qの少ないアイドル領域では重みKを「0」に設
定し、吸入空気量Qの増加に伴いエンジン運転領域を定
常領域1、定常領域2、及び加速領域に区分し、これら
の区分に従い、定常領域1では重みKを「1」、定常領
域2では重みKを「2」、加速領域では重みKを「3」
に、それぞれ設定する。なお、上記エンジン負荷は上記
吸入空気量Q以外に、基本燃料噴射量(TP)に基づい
て設定するようにしても良い。
【0030】また、図1に示す空燃比フィードバック制
御開始判定ルーチンは、上記積算値Bを設定値算出ルー
チンで設定した設定値Aと比較して触媒が活性したかを
判断し、積算値Bが設定値Aを越えたとき触媒が活性し
たと判断して空燃比制御をRO2センサ29bの出力を
用いたDOS制御に移行させるルーチンであり、ステッ
プS21でRO2センサ29bの出力値VRO2を検出
し、ステップS22で、RO2センサ活性化フラグF1
の値を参照し、クリアされているときはステップS23
へ進み、セットされているときはステップS25へジャ
ンプする。このRO2センサ活性化フラグF1の初期値
は0であり、後述するようにRO2センサ29bが活性
したと判断されると「1」にセットされ、電子制御装置
31に電源が投入された後の初回のルーチン実行時、及
び未だRO2センサ29bが活性したと判断されていな
いときには、ステップS23へ進み、RO2センサ29
bが活性したかを判断する。
【0031】このRO2センサ29bの活性化を判断す
る条件は以下の通りである。
【0032】1)FO2センサ29aが活性状態であ
り、空燃比フィードバック制御がクローズドループ制御
へ移行した後である。
【0033】2)VRO2≧RCLSR、或いはVRO2
<RCLSLである。
【0034】ここで、RCLSR、RCLSLは予め設
定した値である。
【0035】3)上記1),2)を満たした状態がエン
ジン回転で、RINLDS回連続した。
【0036】上記ステップS23で、上述の条件を満足
せずRO2センサ29bが不活性と判断された場合に
は、ステップS29へジャンプし、空燃比フィードバッ
ク補正係数λを設定してルーチンを抜ける。上記ステッ
プS29における空燃比フィードバック補正係数λの設
定は、RO2センサ9bの出力値VRO2は用いずに、エ
ンジン状態、及びFO2センサ29aの状態に応じて設
定されるものであり、FO2センサ29aが不活性のと
き、或いは所定のクランプ条件が成立しているときに
は、空燃比フィードバック補正係数λをλ=1.0にク
ランプして空燃比制御をオープンループ制御とし、FO
2センサ29aの活性時、且つ上記クランプ条件の不成
立のとき、FO2センサ29aの出力値VFO2に基づい
て空燃比フィードバック補正係数λを設定して空燃比フ
ィードバック制御を行う。尚、この空燃比フィードバッ
ク補正係数λの設定、及び後述する空燃比学習における
学習値KLR、学習補正係数KBLRCについては、特開平5
−44540号公報、本件出願人による特開平5−44
541号公報等に詳述されている。
【0037】また、上記ステップS23で、上記条件が
全て満足しRO2センサ29bが活性したと判断される
と、ステップS24へ進み、上記RO2センサ活性化フ
ラグF1をセットする。
【0038】そして、ステップS25へ進み、触媒活性
化フラグF2の値を参照する。この触媒活性化フラグF
2は触媒コンバータ8a,8bが活性化したと判断した
ときにセットされるもので、初期値は0である。
【0039】上記ステップS25で、F2=0と判断さ
れて、ステップS26へ進むと、始動時の冷却水温Tw
に基づいて設定した前記設定値Aと前記積算値算出ルー
チンにより算出された積算値Bとを比較し、B<Aのと
きは、上記触媒コンバータ8a,8bが不活性と判断し
て上述のステップS29へジャンプする。また、B≧A
で積算値Bが始動時のエンジン温度に基づいて設定した
設定値Aを越えたときは、上記触媒コンバータ8a,8
bが十分に活性したと判断し、ステップS27へ進み、
上記触媒活性化フラグF2をセットする。例えば、始動
後アイドル放置の状態では、上記積算値Bの増加量が少
ないため、触媒不活性時間が相対的に長くなる。逆に、
エンジン負荷が比較的高ければ、上記積算値Bは短時間
で大きな値になるため、触媒が活性化するまでの時間が
相対的に短くなる。
【0040】そして、上記ステップS26で、触媒が活
性したと判断し、ステップS27で、触媒活性化フラグ
F2をセットして、ステップS28へ進むと、FO2セ
ンサ29a、及びRO2センサ29bを共に用いたDO
S制御により空燃比フィードバック制御が実行され、そ
の後、ルーチンを抜ける。
【0041】そして、次回のルーチン実行時には、RO
2センサ活性化フラグF1と触媒活性化フラグF2とが
共にセットされているため、ステップS21でRO2セ
ンサ29bの出力値VRO2を検出した後、ステップS
28へ進み、直ちにDOS制御による空燃比フィードバ
ック制御が実行される。
【0042】このDOS制御による空燃比フィードバッ
ク制御は、図4に示すフローチャートに従って実行され
る。まず、ステップS31で、FO2センサ29aの出
力値VFO2を読込み、ステップS32で、RO2センサ
29bの出力値VRO2に対する平滑化処理を行う。す
なわち、空燃比フィードバック制御開始判定ルーチンの
ステップS21で読込んだRO2センサ29bの出力値
VRO2と、前回のルーチン実行時に算出した平均出力
値VMRO2(OLD)とに基づいて、今回の平均出力値VM
RO2を次式から算出する。 VMRO2←{(VRO2−VMRO2(OLD))/2n}+
VMRO2(OLD) ここで、nは定数である。
【0043】そして、ステップS33で、上記RO2セ
ンサ29bの平均出力値VMRO2に基づいて、積分量
IPHOSと比例量PPHOSとを求める。この積分量IPHOS,
比例量PPHOSは、上記平均出力値VMRO2とスライス
レベルSL2との関係で設定されるI分,P分であり、
図6(b),(d)に示すように、上記平均出力値VM
RO2がスライスレベルSL2を横切ったとき反転す
る。
【0044】その後、ステップS34で、RO2センサ
補正係数PHOSを次式に基づいて設定する。 PHOS←PHOS(OLD)+IPHOS+PPHOS ここで、PHOS(OLD)は前回のRO2センサ補正係数であ
る。
【0045】そして、ステップS35〜S38で、上記
RO2センサ補正係数PHOSが適正範囲内にあるかを判断
し、適正範囲外のときにはRO2センサ補正係数PHOSを
修正する。まず、ステップS35では、RO2センサ補
正係数PHOSが下限値PHMINよりも低いかを判断
し、PHOS<PHMINのときは、ステップS36へ分
岐し、上記RO2センサ補正係数PHOSを下限値PHMI
Nでセットして、ステップS39へ進む。また、PHOS
≧PHMINのときは、ステップS37へ進み、RO2
センサ補正係数PHOSが上限値PHMAXよりも高いか
を判断する。そして、PHOS>PHMAXのときは、ス
テップS38へ分岐し、上記RO2センサ補正係数PHOS
を上限値PHMAXでセットして、ステップS39へ進
む。また、PHOS≦PHMAXのときは、今回算出した
RO2センサ補正係数PHOSが適正範囲内にあると判断し
て、そのままステップS39へ進む。
【0046】そして、ステップS39では、FO2セン
サ29aの出力値VFO2とスライスレベルSL1との
関係から、比例量PU,積分量IUを設定する。図6
(a),(c)に示すように、上記出力値VFO2が上
記スライスレベルSL1を横切ると、上記比例量PU,
積分量IUが反転する。
【0047】その後、ステップS40で、上記比例量P
Uに上記RO2センサ補正係数PHOSを加算して、今回の
P分(比例量)を求め、ステップS41で、空燃比フィ
ードバック補正係数λを次式から算出する。
【0048】λ←λ(OLD)+P+IU ここで、λ(OLD)は前回の空燃比フィードバック補正係
数である。
【0049】その後、ステップS42で、今回算出した
RO2センサ補正係数PHOS、及び空燃比フィードバック
補正係数λで、前回のPHOS(OLD),λ(OLD)をセット
し、次回の演算に備えた後、ルーチンを抜ける。その結
果、FO2センサ29aの出力値VFO2に基づいて設定
される空燃比フィードバック補正係数λの比例量PU
が、RO2センサ29bの出力値VRO2の平均値VMR
O2に基づいて設定されるRO2センサ補正係数PHOSに
よって補正される。上記空燃比フィードバック補正係数
λは、燃料噴射パルス幅Tiの演算の際に用いられる。
【0050】次に、燃料噴射パルス幅Tiを設定する燃
料噴射パルス幅設定ルーチンについて、図5に基づき説
明する。まず、ステップS51で、吸入空気量Qとエン
ジン回転数NEとに基づいて次式から基本燃料噴射量に
相当する基本噴射パルス幅TPを算出する。 TP←α×Q/NE α:インジェクタ特性補正定数 次いで、ステップS52で、冷却水温センサ26による
冷却水温Tw、スロットル開度センサ28によるスロッ
トル開度、アイドル出力等に基づいて、冷却水温補正、
加減速補正、全開増量補正、アイドル後増量補正等に係
わる各種増量分補正係数COEFを設定し、ステップS
53へ進み、上述の空燃比フィードバック補正係数λを
読出す。
【0051】そして、ステップS54で、エンジン回転
数NEと基本燃料噴射パルス幅TPとをパラメータとし
て、バックアップRAM35の空燃比学習値テーブルに
ストアされている空燃比学習値KLRを検索し、補間計算
により空燃比学習補正係数KBLRCを設定する。
【0052】上記空燃比学習値KLRは、本件出願人によ
る前述の特開平5−44541号公報等に開示されてい
るように、吸入空気量センサ27等の吸入空気量計測
系、インジェクタ14等の燃料系の生産時のばらつき、
或いは経時変化による空燃比のずれを補正するためのも
のであり、O2センサ活性等による空燃比フィードバッ
ク条件成立時、空燃比学習値テーブル中の複数に区分さ
れたエンジン回転数NE、及び基本燃料噴射パルス幅TP
による運転領域のうち、一つの運転領域において空燃比
フィードバック補正係数λが比例積分制御により空燃比
リッチ/リーンを所定回数繰り返したとき、そのときの
空燃比フィードバック補正係数λの平均値に応じて該当
領域に格納されている学習値KLRを書換え、空燃比フィ
ードバック補正係数λの中心値が基準値(=1.0)と
なるようにし、空燃比を理論空燃比に保つようにしてい
る。
【0053】ここで、学習値KLRによる空燃比学習の基
となる空燃比フィードバック補正係数λは、前述のよう
にエンジン負荷に応じた重みKの積算値Bが始動時のエ
ンジン温度に基づいて設定した設定値Aを越えたとき、
触媒が活性したと判断して、このとき初めてDOS制御
によりFO2センサ29aに加えてRO2センサ29bの
出力値VRO2に応じ設定されるので、触媒の活性化に
適応して確実な空燃比学習が行われ、誤学習が確実に防
止されることになる。
【0054】次いで、ステップS54からステップS5
5へ進み、バッテリ41の端子電圧に基づき、インジェ
クタ14の無効噴射時間を補間する電圧補正係数Tsを
設定する。
【0055】その後、ステップS56へ進み、上記ステ
ップS51で算出した基本燃料噴射パルス幅TPを、上
記ステップS52で設定した各種増量分補正係数COE
F、及び上記ステップS53で読出した空燃比フィード
バック補正係数λにより空燃比補正すると共に、上記ス
テップS54で設定した学習補正係数KBLRCにより学習
補正し、更に、上記ステップS55で設定した電圧補正
係数Tsにより電圧補正して最終的な燃料噴射パルス幅
Tiを次式から算出する。 Ti←TP×COEF×λ×KBLRC+Ts そして、ステップS57で、上記燃料噴射パルス幅Ti
を気筒毎に設けた噴射タイマにセットしてルーチンを抜
ける。そして、所定タイミングで上記噴射タイマがスタ
ートされ、上記燃料噴射パルス幅Tiの駆動パルス信号
が噴射対象気筒のインジェクタ14へ出力され、該イン
ジェクタ14から所定に計量された燃料が噴射される。
【0056】このように、演算周期により定まる所定周
期毎に、エンジン負荷の一例として吸入空気量Qに基づ
いて重みKを設定し、この重みKを積算し、この積算値
Bと、始動時の冷却水温Twに基づいて設定した設定値
Aとを比較し、上記積算値Bが設定値Aを越えたとき、
すなわち触媒層内温度が活性温度に充分達していると判
断した後に、DOS制御による空燃比フィードバック制
御を開始するようにしたので、空燃比フィードバック制
御の誤作動、及び、RO2センサ29bの出力値に基づ
いて為される誤学習が防止され、比較的早い時期から適
正なDOS制御による空燃比フィードバック制御を開始
させることができる。また、エンジン負荷に基づく重み
Kを簡易的に積算するだけであるため、電子制御装置に
おけるメモリの使用容量が比較的少なくて済む。
【0057】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
所定周期毎にエンジン負荷に基づいて設定した重みを積
算し、この積算値と、始動時のエンジン温度に基づいて
設定した設定値とを比較し、上記積算値が設定値を越え
たとき触媒が活性したと判断するようにしたので、触媒
の活性化を、触媒温度センサ、触媒の下流に配設したO
2センサの出力値を用いて判断した従来のものに比し、
簡単で、しかも精度良く検出することができ、触媒の上
流及び下流にそれぞれ配設した両O2センサの出力値を
用いたデュアルO2センサ制御による空燃比フィードバ
ック制御を適正な時期に開始させることができる。
【0058】また、エンジン負荷に基づいて設定した重
みを所定周期毎に積算するだけであるため複雑な演算を
伴わず、メモリの使用容量が比較的少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】空燃比フィードバック制御開始判定ルーチンを
示すフローチャート
【図2】設定値算出ルーチンを示すフローチャート
【図3】積算値算出ルーチンを示すフローチャート
【図4】空燃比フィードバック制御ルーチンを示すフロ
ーチャート
【図5】燃料噴射パルス幅設定ルーチンを示すフローチ
ャート
【図6】FO2センサ出力値、RO2センサ平均出力値、
FO2センサ出力値に基づく比例積分制御量、及びRO2
センサ補正係数の設定状態を示すタイムチャート
【図7】エンジンの全体概略図
【図8】電子制御系の回路構成図
【図9】触媒活性時と触媒不活性時のFO2センサ出力
値、RO2センサ出力値を示すタイムチャート
【符号の説明】
8a,8b 触媒コンバータ A 設定値 B 積算値 K 重み Q 吸入空気量(エンジン負荷) Tw 冷却水温度(エンジン温度)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定周期毎にエンジン負荷を検出し、 このエンジン負荷に基づいて運転領域毎に上記エンジン
    負荷が大きくなるに従って大きな値の重みが記憶されて
    いるテーブルを参照して重みを設定すると共に該重みを
    積算し、 この積算値が始動時のエンジン温度に基づいて設定した
    設定値を越えたとき排気系に介装した触媒が活性したと
    判断することを特徴とするエンジンの触媒活性化検出方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011020063A2 (en) * 2009-08-13 2011-02-17 Cummins Ip, Inc. Apparatus, system, and method for adaptive engine system control with integrated global position sensing
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