JPH08290696A - 筆記具 - Google Patents

筆記具

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JPH08290696A
JPH08290696A JP7097024A JP9702495A JPH08290696A JP H08290696 A JPH08290696 A JP H08290696A JP 7097024 A JP7097024 A JP 7097024A JP 9702495 A JP9702495 A JP 9702495A JP H08290696 A JPH08290696 A JP H08290696A
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JP
Japan
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ink
writing instrument
collector
sheet
blade
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Withdrawn
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JP7097024A
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English (en)
Inventor
Yutaka Kurita
裕 栗田
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】コレクターに必要な構成を全て具備した上に、
羽根部の薄さの製造限界を緩和して技術上の保溜容量を
大きくし、且つ機能性を向上させ、さらに、容易かつ安
価に製造することができる筆記具を提供する。 【構成】筆記具において、コレクター16は、板状に広
がる羽根部18aと該羽根部18aの厚さ方向に突出す
る間隔保持部18bとを有する枚葉体18が複数、枚葉
体18の厚さ方向に積み重なっているものであって、前
記間隔保持部18bは、枚葉体18が積み重なったとき
にそれぞれ対向する羽根部18a同士を所望の間隔を置
いてほぼ平行に位置させると共に、前記積み重なった羽
根部18a同士の間のスリット20に溢流インキを保溜
するようになっており、前記羽根部18aと間隔保持部
18bとには枚葉体18が積み重なったときにインキ導
通路14となるインキ導通孔部18dが形成され、前記
羽根部18aは該インキ導通孔部18dを囲む周方向に
切れ目なくつながる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インキタンクと描線部
(ペン先)との間にインキ導通路と一時的なインキ保溜
用のインキ保溜部とを設け、インキタンクには空気置換
孔を設けている筆記具であって、プロッターやプリンタ
ーや機器に装置された描画記録計を含み、更には化粧用
などの液体を吐出し塗布又は筆記するものを包含した筆
記具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、筆記具には、インキタンクから
ペン先へのインキの移動が常に適量である様に構成され
たものあって、一時的にインキを保溜する保溜部を具備
したものがある。なお、この保溜部は、コレクターある
いは蛇腹あるいは流量調節体とも呼ばれ、以後の記述に
おいてはコレクターと呼ぶ。
【0003】このようなコレクターを有する筆記具の構
成例を図10および図11に示す。図10および図11
に示す筆記具aは、インキを収容するインキタンクb1
が内周部に構成されると共に軸方向一端が開口した筆記
具本体bと、薄板状の羽根c1が複数隙間を置いて平行
にかつ軸方向に配列された状態(側面視で櫛状に配列さ
れて)に一体形成されて筆記具本体b内に挿入されて、
当該羽根c1の間の櫛溝c2にインキを一時的に保溜す
るコレクターcと、コレクターcの前部外周面に嵌合さ
れた先軸dと、先軸d内に挿着されたペン先e1を有す
るペン芯eと、筆記具本体b後部を収容するように筆記
具本体bに取り付けられた後軸fとを備え、筆記具本体
b内に先軸dが圧入されるタイプのものであって、サイ
ンペンと称されるものである。また、インキタンクb1
には、インキタンクb1内への空気の流通およびあふれ
たインキをコレクターcに流通させる空気置換孔gが形
成される。
【0004】この種の筆記具aにおいて、前記コレクタ
ーcの作用機構つまり機能は次の〜がある。 主には、筆記具に外的変化が作用した場合に、詳し
くは気圧が低下した場合又はインキタンクb1内の温度
が上昇した場合に、インキタンクb1内の圧力が上昇し
たことと同じ結果となってインキタンクb1内圧と外気
圧とが釣り合うまでインキタンクb1内から溢流して行
くインキをコレクターcに保溜し、これにより、インキ
がペン先e1から流出するのを防ぐ。 また、インキタンクb1内圧が外気圧よりも低下し
た場合に、コレクターcにインキが保溜されて存在して
いれば、必ず、その保溜されたインキがインキタンクb
1内に先に戻り、そのうえで、まだインキタンクb1内
の圧力が低い場合に初めて空気置換孔gから空気がタン
ク内に取り込まれるようになっている。 さらに、コレクターcにインキが存在している場合
に筆記すると、インキタンクb1内のインキより先にコ
レクターc内のインキが減少して、次いでインキタンク
b1内のインキが使用されるようになっている。
【0005】以上の機能〜をもったコレクターc
は、一体に樹脂成形されるものであって、射出成形によ
ってのみ製造されていた。一般に、一体成形の金型の構
造上又は射出成形の機能上、コレクターcの櫛状に並ん
だ羽根c1の平行間隙巾の一つ一つは最も小さくて0.
2mmが限度であり、また、この羽根c1の奥行(周縁か
ら軸芯端まで距離)は最大で3mm迄が限度である。さら
に、この羽根c1の厚みの最小の限度は0.3mmが現状
技術でできる最大機能をもったコレクターである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のように現状技術
では、羽根c1の最小間隔に限度がある関係上、スリッ
トc2で生じる毛細管力による上昇高さには限度がある
ので、コレクターの長さが無闇に長い筆記具を作れる訳
ではない。したがって、コレクターの軸方向長さには限
度があるため、インキ保溜量にも限度があり、前記現状
技術のコレクターでは使用可能なインキ保溜体積は0.
4ml(ミリリットル)程度と考えられる。
【0007】ここで、インキタンクの容積が大きいとき
には、インキタンク内の気体(既に空気置換孔からイン
キタンク内に入っている空気等)の膨張によりインキタ
ンク内からコレクターに出てくるインキが多くなるた
め、コレクターが保溜するべきインキ量が多くなる。し
かるに、前記のように現状技術ではコレクターのインキ
保有量に限度があるため、必然的にインキタンクの内容
積にも限度が生じるという問題点が生じる。例えば、万
年筆のような細い描線に対する筆記具に用いるコレクタ
ーの場合には、インキタンク内のインキ量も少なくて済
むため、現状技術のコレクターでも十分に保溜機能を発
揮し得る。
【0008】しかしながら、アンダーライン用マーカー
類の筆記具又は機器類に装着したりする筆記具、さらに
は化粧用等の塗布具としての筆記具等の、塗布するイン
キ量(あるいは塗布液量)が多いものにおいては、現状
技術では、前記のようにインキタンクの内容積に限度が
あることから、頻繁にインキを詰め替えなければならな
い不都合が生じて、実用化の範囲が限定されているとい
う問題点がある。
【0009】また、前記のように現状技術のコレクター
は、一体成形のため機能性を向上するためには(厚さ
0.3mm、間隙巾0.2mm程度)製造限界に近づく
ものになるため、製造に手間がかかりコスト低減障害に
なる。また、前記成形のためには材料樹脂にABS樹脂
等の特定の樹脂しか用いることができず、原料樹脂の選
択の幅が狭くコスト削減の障害になるという問題点を有
している。なお、筆記具のインキコレクターに関して実
公平6−38711号公報が開示されている。しかしな
がら、この公報の技術では、縦断面櫛歯状のインキ溜め
部材(インキコレクター)が円盤状偏平部材を複数重ね
るものであるが、偏平部材の円盤状部分には外縁から中
央に向けてスリットが切り込まれており、円盤状部分は
C字形状のリングの状態を呈している。したがって、円
盤状部分は周方向に分離されたものとなり、径方向への
力に対して剛性が弱く変形しやすいので、剛性の確保の
ために厚みは薄くすることができず、薄くするのに限界
がある。よって、インキ保溜機能を十分に発揮できない
ものである。また、円盤状部分に切り込まれたスリット
同士を位置合わせする必要があるため、前記公報の第1
図、第2図に示されるように、凸部(3)と凹部(4)
とは一部が欠落したような円形状をしているので、成形
がむずかしく、かつ厚くする必要があり、つまり、薄く
するのに限界がある。よって、高価かつインキ保溜容量
を十分なものにしにくい問題点が残るものである。
【0010】本発明は、前記従来の問題点を解消する
ためなされたものであって、コレクターに必要な構成を
全て具備した上に、羽根部の薄さの限界を緩和してコレ
クターにおける技術上の保溜容量を大きくし、且つ機能
性を向上させ、さらに、容易かつ安価に製造することが
できる筆記具を提供することを第1の課題とする。 また、本発明は、第1の課題に加えて、スリットへの
インキ溢流が順次に行われてスリットが無駄なくインキ
を保溜することができるようしてインキ保溜部の機能を
向上させ得る筆記具を提供することを第2の課題とす
る。 さらに、本発明は、前記第1および第2の課題に加え
て、筆記具の組み立て製造時に組み立て作業を容易化で
きる筆記具を提供することを第3の課題とする。 また、本発明は、前記第1〜第3の課題に加えて、ス
リットに保溜されたインキが残ることなく描線部に通じ
るインキ導通孔に戻すことができる筆記具を提供するこ
とを第4の課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、次の構成を有する。請求項1の発明は、前
記第1の課題を解決するため、インキタンクと描線部と
の間にインキ導通路と一時的なインキ保溜用のインキ保
溜部とを設け、インキタンクには空気置換孔を設けてい
る筆記具において、インキ保溜部は、板状に広がる羽根
部と該羽根部の厚さ方向に突出する間隔保持部とを有す
る枚葉体が複数、羽根部の厚さ方向に積み重なっている
ものであって、前記間隔保持部は、枚葉体が積み重なっ
たときにそれぞれ対向する羽根部同士を所望の間隔を置
いてほぼ平行に位置させると共に、前記積み重なった羽
根部同士の間のスリットに溢流インキを保溜するように
なっており、前記羽根部と間隔保持部とには枚葉体が積
み重なったときにインキ導通路となるインキ導通孔が形
成され、前記羽根部は該インキ導通孔を囲む周方向に切
れ目なくつながっていることを特徴とする筆記具の構成
を有する。
【0012】また、請求項2の発明は、前記第2の課題
を解決するため、間隔保持部にはインキタンクから描線
部へインキを導通させる導通孔が形成され、かつ、前記
間隔保持部には、導通孔から羽根部表面に向けて連続し
て形成される溝であって枚葉体が積み重なった状態で導
通孔とスリットとの間でインキの流通を行わせるインキ
流通溝を有することを特徴とする請求項1に記載の筆記
具の構成を有する。
【0013】また、請求項3の発明は、前記第3の課題
を解決するため、枚葉体の垂直方向視で、羽根部の外周
形状が合同でかつ回転中心軸をもつ場合は導通孔が中心
軸に形成され(例えば羽根部の外周形状が合同ではある
が回転中心軸をもたない場合は同一場所に導通孔が形成
されて)、間隔保持部の外周形状および導通孔の内周面
形状が同心円状に形成されていることを特徴とする請求
項2に記載の筆記具の構成を有する。
【0014】また、請求項4の発明は、前記第4の課題
を解決するため、インキ流通溝は、その枚葉体厚み方向
に沿う深さがスリットの間隔よりも大きくないように形
成されていることを特徴とする請求項2または3に記載
の筆記具の構成を有する。また、請求項5の発明は、前
記第4の課題を解決するため、インキ保溜部は、空気置
換孔に通じる筒体内に複数の枚葉体が積み重なって収容
されたものであり、筒体内周面と羽根部外周面との間隔
が羽根部同士の間のスリット間隔よりも広くされている
ことを特徴とする請求項1ないし4のうちのいずれか1
つに記載の筆記具の構成を有する。
【0015】
【作用】発明者は、筆記具のインキ保溜部(以下コレク
ターという)のインキ保溜容量を大きくし、かつ、機能
性を向上させるべく本発明をなしたものである。本発明
においては、インキ保溜部に、一つの板状に広がる羽
根部と該羽根部の厚さ方向に突出する間隔保持部とを一
体または別体に有する枚葉体を複数、羽根部の厚さ方向
に積み重ねている。 前記間隔保持部は、枚葉体が積み重なったときにそれ
ぞれ対向する羽根部同士を所望の間隔を置いてほぼ平行
に位置させるように枚葉体にその厚さ方向に突出形成
し、あるいは間隔保持部と羽根部とを別体に形成して間
隔保持部を羽根部同士の間に介装する。 前記羽根部と間隔保持部とには枚葉体が積み重なった
ときにインキ導通路となるインキ導通孔が形成され、前
記羽根部は該インキ導通孔を囲む周方向に切れ目なくつ
ながっている。 積み重なった羽根部同士の間のスリットがインキタン
クに連通されているものであり、このスリット(羽根部
と羽根部との間の空間部とも称せる)にインキタンクか
らの溢流インキを保溜できる。
【0016】一体成形で製造されたコレクターのスリッ
トを形成する部分を横断的に切断すると、羽根の部分が
一枚一枚の枚葉の形状になる。本発明によれば、この枚
葉と類似した形状・構造とした枚葉体を製造して、積層
し集積することにより、従来のコレクターと同様の機能
を果たすことができる。また、そればかりでなく、枚葉
体は一つの板状に広がりかつインキ導通孔を囲む周方向
に切れ目なくつながっている羽根部を有するものなの
で、従来の羽根部が切り込み(スリット)を形成するの
と異なり、羽根部の薄さに制限がなく、コレクターの保
溜容量が容易に大きく製造出来る。
【0017】また、スリットの間隙巾(羽根部同士の間
隔)を考慮した場合、本発明は前記の間隔保持部、例
えば枚葉に段差を付けたものを形成したり、スペーサー
部を挿入すれば良く、この間隔保持部の設定で所望の間
隙巾を容易に製造し得る。このことは、筆記具の設計に
おいてコレクター設計の自由度を大きく取れるだけでな
くコレクターの外的変化に対する応答速度を早くとれる
様にすることができ、インキ吹き出しやボタもれ等の不
具合をなくし、流量調節体としての機能性の向上を図る
事が出来る。
【0018】更には、従来のコレクターが複数の羽根が
積み重なった状態で一体成形するので金型の構造上また
は射出成形の機能上、羽根部の厚さおよびスリットの間
隙巾に製造上の限界があった。これに対して、本発明の
枚葉体は単独のものであり、一つ一つを成形すればよい
ため、羽根部の厚みについては前記のような製造上の限
界がなく、薄くすることが容易であり、コレクター全体
の体積をより小さくすることができる。それと共に、羽
根部の厚みを薄くできるので、枚葉体を積み重ねたとき
のコレクター全体の長さ(重ねた方向の長さ)を短くす
ることができ、したがって、描線部先端(例えばペン
先)からスリット迄の水頭(ヘッド)を小さくすること
が出来る。保溜容量が大きく、体積効率が向上してデッ
ドスペースが少なくなると共に流量調節体の機能性を向
上させて更にコスト低減を図ることが出来る。
【0019】集積される枚葉体の構造は、一枚一枚の枚
葉を重ねたときに上下枚葉で作る空間が全体に渡ってほ
ぼ平行に形成(スリットの形成)されて、タンクから溢
流したインキを保溜する羽根部を持つことと、この空間
を形成するために羽根部よりも厚みを持ったつまり空間
保持体部分(間隔保持部)がある。
【0020】なお、例えば間隔保持部を、枚葉体の平
面方向のほぼ中央部に羽根部より厚みを持たせて形成し
たり、間隔保持部を羽根部同士の間に介装したりすると
き、請求項2のように、当該間隔保持部に、インキタン
クから描線部へ軸方向に配列された枚葉体を連通する孔
あるいは切り欠きからなる導通孔を形成して、この導通
孔でインキタンクからインキをペン先などの描線部に供
給する。さらに、前記間隔保持部に、導通孔から羽根部
表面に向けて連続して形成される溝であって枚葉体が積
み重なった状態で導通孔とスリットとの間でインキの流
通を行わせるインキ流通溝を有して、空間保持体部分を
通して羽根の部分から前記導通孔に向けてタンクからの
溢流インキを出入りさせる。このようにすれば、スリッ
トへのインキ溢流を内側から外側へ向けて順次に行わせ
ることができるため、前記スリットに無駄なくインキを
保溜することができる。
【0021】本発明では、枚葉体の形状に制限は無い。
例えば、枚葉体を重ねていく中で重なり方向(例えば筆
記具の軸方向に沿う)に沿ってそれぞれの枚葉体の(羽
根部面方向に広がる)大きさが漸増・漸減して行けば保
溜容量にとっては効率的であるが、重なりの方向に沿っ
て任意の箇所で前記枚葉体の大きさが段差となっても差
し支えない。
【0022】また、インキを保溜するスリットを形成す
る羽根部の対向面同士はそれぞれ平面に沿ったものであ
る必要はなく曲面であっても良く、羽根部と羽根部との
対向面が、積み重ねられた時に平行を保った形状になっ
ていれば良い。
【0023】さらに、枚葉体の材質は、使用するインキ
又は塗料などで溶解・膨潤・変形及び変質を起こさず、
インキ等の変質を起こすものの溶出等が無いものであれ
ばいずれの材質のものをも用い得る。したがって、従来
のコレクターでは所望の機能を達成するのにABS樹脂
等一定の材質しか用いることができなかったのに対し
て、本発明では種々の樹脂(例えばポリプロピレン、P
OM、PVC、PET等)を用いることができ、材料の
コストを削減することができる。なお、この場合に毛細
管力を発生させるために、使用インキとの接触角は如何
なる場合でも90度未満であることが必要になる。
【0024】また、本発明においては、羽根部に羽根部
同士にインキを流通させるインキ導通用のスリットを入
れて羽根部と羽根部とでインキの連通を持たせる構造は
有っても無くても良い。また、インキタンクから描線部
へのインキ導通路で、スリットへ溢流インキを出入させ
る間隔保持部のインキ導通孔には、インキタンク内のイ
ンキを描線部に導く部材を嵌入させるが、それには、ス
リットを持った成形品を前記導通孔に嵌入させることが
できるが、その他、繊維を束ねて形成したいわゆる繊維
芯と呼ばれるサインペンのペン芯や中継芯及び中綿等に
使用される外皮を持たないものを使用することが望まし
い。一例として、請求項3の発明のような、枚葉体の垂
直方向視で、羽根部の外周形状、間隔保持部の外周形状
および導通孔の内周面形状が同心円状に形成されている
構造をとった場合、枚葉の円の方向性を考慮しなくても
済むことが上げられるが、繊維芯で形成したものは適当
な弾力性を付与することが出来るので枚葉物と密着性が
良く、機能面でバラツキが無くなり良好な結果を示す。
【0025】また、請求項2において枚葉体のインキ流
通溝は、基本的には、数と大きさ及び形状に制限は無い
が、羽根部のスリット形成用に間隔保持部(羽根部中央
に厚みを持たせる、あるいは、別体のスペーサー部を挿
入する等する部分)が少なくなり枚葉を重ねた場合にス
リット間隙の形成が不安定にならないようにすること
と、一対の羽根部同士で形成するスリットの体積(間隙
幅と羽根部の面積を乗じたもの)に応じた数又は大きさ
にすることが必要である。但し、請求項4のように、前
記インキ流通溝を前記スリットの間隙巾よりも深い溝に
しないことが好ましい。これは、スリット間に保溜した
インキがこの溝の部分で切れてインキ導通路に戻らない
で残る場合が生ずるからである。
【0026】枚葉体のスリット形成のために羽根部より
突出した間隔保持部や例えばそこに形成するインキ流通
溝を形成する枚葉体として形成したものは、例えば枚葉
体の両面に形成しても良く、この場合、枚葉体の向きを
考慮せずに重ねることができ、また、一方の片面は何も
形成せずに、必要な構造を他方の片面のみに形成するこ
とができる。
【0027】本発明においては、請求項5のように、イ
ンキ保溜部は、空気置換孔に通じる筒体内に複数の枚葉
体が積み重なって収容されたものであり、筒体内周面と
羽根部外周面との間隔が羽根部同士の間のスリット間隔
よりも広くされているものにできる。このようにすれ
ば、筒体内周面と羽根部外周との間隙の毛細管力がスリ
ットの毛細管力よりも弱くなり、スリット内に保溜され
たインキが筒体内周面と羽根部外周との間に残ることを
防止できる。
【0028】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1〜図8は実施例に係る筆記具の説明図
である。図1は筆記具の全体断面図、図2は実施例の筆
記具に係るコレクターの組み立て説明図である。また、
図3はコレクターの枚葉体の説明図、図4の(a)、
(b)、(c)はそれぞれ前記枚葉体の中心軸方向に拡
大した説明図であって、縦断面図((c)のA−A線に
沿う断面図)、側面図、平面図、図5は前記枚葉体を積
み重ねた詳細図であって、図3〜図4の枚葉体は厚さ方
向を100倍程度の拡大した状態を示す。また、図6の
(a)、(b)は筆記具のリブの縦断面図、平面図、図
7の(a)、(b)は筆記具のボックスの縦断面図、平
面図である。図8は筆記状態の筆記具の要部拡大図であ
る。
【0029】図1〜図8のように、実施例の筆記具1
は、外軸筒8に内装されたインキタンク10とペン芯
(描線部に相当)12との間にインキ導通路14と一時
的なインキ保溜用のコレクター(インキ保溜部に相当)
16とを設けたものであって、コレクター16は、一つ
の板状に広がる羽根部18aと該羽根部18aの厚さ方
向に突出する間隔保持部18bとを有する単独の枚葉体
18が複数、羽根部18aの厚さ方向に積み重なってい
るものである。また、前記間隔保持部18bは、枚葉体
18が積み重なったときにそれぞれ対向する羽根部18
a同士を所望の間隔を置いてほぼ平行に位置させるよう
に枚葉体18の厚さ方向に突出形成されている。また、
前記枚葉体18が積み重なった状態で羽根部18b同士
の間のスリット20がインキタンク10に連通されてい
るものであり、このスリットにインキタンク10からの
溢流インキを保溜するようになっている。前記羽根部1
8aと間隔保持部18bとには枚葉体18が積み重なっ
たときにインキ導通路14となるインキ導通孔部18d
が形成され、前記羽根部18aは該インキ導通孔部18
dを囲む周方向に切れ目なくつながっている。なお、筆
記具1の先端には、筆記具を使用しないときにペン芯1
2を覆うキャップ体6が外軸筒8先端のペン芯保持部8
cに外嵌されている。
【0030】外軸筒8は、全体が概略円筒管形状であっ
て、筆記具1を持つための柄となる部分であって、前記
インキタンク10およびコレクター16を内包する筒形
状の本体部8aと、この本体部8aの先端に先細りの段
部8bを介して繋がり、該本体部8aより小径の円筒形
状であってペン芯12を内嵌して保持するペン芯保持部
8cとを有している。なお、前記本体部8aの後端に
は、尾栓22がはめられている。また、この実施例で先
とはペン芯12側のことであり、後とは尾栓22側のこ
とである。
【0031】インキタンク10は筆記あるいは塗布する
液状インキを収納する容器体であって、大径の本体10
a先端部に小径の口元10bが形成されている。
【0032】ペン芯12は、繊維材、フェルト材または
発泡樹脂やプラスチック成形ペン芯及び天然又は合成樹
脂からなる筆類などを用いることが出来るが、本実施例
は繊維芯を用いて、先端側と後端側は中央を境に対称の
先細り形状をしたポイント部24および当接部26とか
らなる。ポイント部24の先端部24aが前記ペン芯保
持部8cの先端開口から突出していて、また当接部の後
端部26aが後述するコレクター16内のインキ導通路
14に内挿される中継芯28の先端部28aに潜り込む
ように当接されている。
【0033】コレクター16は、枚葉体18と、中継芯
28と、ボックス体30と、リブ体32とからなり、前
記枚葉体18はその軸(符号18eで示す)方向に複数
重なった状態でかつ中央に共通して中継芯28を挿通し
た状態でボックス体30内に収納されていて、ボックス
体30の先方は、リブ体32により中継芯28および枚
葉体18を押さえた状態で塞がれている。
【0034】枚葉体18は、図3および図4等に示すよ
うに、全体が概略円形平板状であって一側面181が平
面であって、他側面182には枚葉体18の中央部に円
錐台形状の間隔保持部18bが突出形成され、かつ、こ
の間隔保持部18bの周縁部に連続して羽根部18aが
広がるように形成される。この羽根部18aはその両面
が枚葉体18の軸18eに垂直な平面に沿って形成され
る。また、この間隔保持部18bは、頂角の大きい円錐
側面形状に沿う側面部18b1と、前記枚葉体軸18e
に垂直平面に沿いかつ枚葉体18を複数重ねたときに他
の枚葉体18に当接する当接面部18b2とが形成され
ている。また、前記間隔保持部18bの中央部には、前
記インキ導通路14の一部になる横断面円形の導通孔部
18dが枚葉体18の軸18e方向に沿って貫通して穿
設される。なお、枚葉体18軸18e方向視で、羽根部
18aの外周形状、間隔保持部18bの外周形状および
導通孔部18dの内周面形状が同心円状に形成されてい
るので、枚葉体はその平面方向の向きを気にせずに組み
つけることができる。
【0035】前記間隔保持部18bには、導通孔部18
dから軸18eの放射方向に沿って延びる同幅の溝であ
って、導通孔部18dから前記羽根部18a表面に向け
て連続するインキ流通溝18fが周方向に等角度に4つ
形成されている。このインキ流通溝18fは、枚葉体1
8が積み重なった状態で導通孔部18d(インキ導通路
14になる)とスリット20との間でインキの流通を行
わせるものである。インキ流通溝18fの底面18f1
は、特に図4の(a)に示すように、羽根部18aの上
面(他側面182)の位置より、全体的に高く形成され
ていて、インキ流通溝18fの枚葉体18厚み方向に沿
う深さがスリット20の間隔よりも大きくないように形
成されている。すなわち、枚葉体18の軸18eに近い
部分は、棚状に高くなって前記当接面部18b2に近づ
き、また、前記軸18eから遠くなる部分がスロープ状
に徐々に低く下がっていき前記当接面部18b2から離
れる。この底面18f1の形状から、枚葉体18を重ね
て一つの枚葉体18の一側面181に他の枚葉体18の
他側面182(当接面部18b2)を当てたときに、前記
底面18f1と一側面181との間で形成する前記溝内ス
リット34の間隙幅が、前記羽根部18a同士で形成す
るスリット20の間隙幅より小さくなる。つまり、前記
前記溝内スリット34の全体的な毛細管力がスリット2
0の毛細管力より大きくなっている。
【0036】また、前記底面18f1が、軸18eから
外方向に行くにしたがって下っていて、前記溝内スリッ
ト34の前記間隙幅も大きく、毛細管力は徐々に中心軸
18eから離れる程小さくなる。結局、中心軸に近づく
ほど毛細管力が強くなる。なお、枚葉体18の前記溝内
スリット34は、その毛細管力が前記スリット20の毛
細管力に打ち勝って、前記スリット20内のインキを引
き寄せる力を発揮するので、溝内スリット34のインキ
が減少すると前記スリット20のインキを引き寄せて補
充する。よって、溝内スリット34からインキがなくな
ろうとすれば必ず前記羽根部18a間のスリット20の
インキが吸い上げられていき、溝内スリット34でイン
キが切れることがない。
【0037】中継芯28は、繊維を束ねて形成したいわ
ゆる繊維芯と呼ばれるサインペン等のペン芯体、中継芯
体、中綿等に使用される外被を持たないものであって、
適当な弾力を有しているものを使用することが好まし
い。もちろんそのほかインキを導くスリットが形成され
た樹脂成形の芯体であっても、無機、有機の焼結体や金
属で出来たもので同様の機能を有するものも用いること
ができる。
【0038】ボックス体30は先端が開放され後端がや
や閉じた全体が概略カップ形状を呈しており、枚葉体1
8を内装するための概略円筒形状の本体部30aと、こ
の本体部30a後端にそれより小径であってそれに段違
いに連続するインキタンク取り付け部30bとからな
る。本体部30aの内周面径は前記枚葉体18よりもや
や大きく、かつ前記リブ体32の外周面径とほぼ同径に
なっている。また、本体部30a前端部の内周面にはリ
ブ体32を係止するため突起30cが全周に亙って形成
される。さらに、本体部30aの後端部側面には、ボッ
クス体30に外気を流通させる空気導入孔30dが穿設
されており、該後端部底部内面には、扇形状の台部30
eが一定間隔の間隙30fを置いて周状に形成されてい
る。インキ取り付け部30bは円筒形状であって、先端
が本体部30a内に向けて内周面と同径で開放し、か
つ、後端がインキ穴30b1を残してほぼ半分閉じてお
り、内周面径が前記中継芯28の外周径をほぼ同径に形
成されていて、外周面径インキタンク10の口元10b
内径とほぼ同径に形成されている。また、インキタンク
取り付け部30bの内周部には空気置換孔30b2が取
り付け部30bの全長に亙ってスリット状(細い溝状)
に形成されている。なお、この空気置換孔30b2は、
ペン芯12先端が下向きになる方向に位置した場合に、
当該孔30b2にインキがかぶさる位置にあることが要
求される。また、コレクター16は、空気置換孔30b
2に通じる前記ボックス体30内に複数の枚葉体18が
積み重なって収容されるものであり、前記ボックス体3
0内周面と羽根部18a外周面との間隔が羽根部18a
同士の間のスリット20の間隔よりも広くされている。
これにより、ボックス体30内周面と羽根部18a外周
との間隙の毛細管力がスリット20の毛細管力よりも弱
くなりスリット20内に保溜されたインキがボックス体
30内周面と羽根部18a外周との間に残ることを防止
される。
【0039】前記リブ体32は、大径円筒部32aと小
径円筒部32bとが同軸に配置されかつ双方の後端部同
士が該軸に垂直の平板部32cで繋がれているものであ
る。大径円筒部32aは外周径が前記ボックス体30の
外周径と同径であり、その外周面には前記ボックス体3
0内周面の突起30cに係合するための突起32dが全
周にわたって形成されている。小径円筒部32bは内周
部32b1の径が中継芯28の外周径とほぼ同径であ
る。
【0040】前記筆記具1を組み立てる際には、まず、
コレクター16を次のように組み立てる。枚葉体18の
間隔保持部18bを一方に向けて導通孔部18dを合わ
せて重ねていき、その状態で中継芯28を導通孔部18
dに挿通させる。この場合、枚葉体18が同心円形状を
呈しているため、その方向性を考慮しなくてよい。ま
た、中継芯28は繊維芯で形成するため枚葉体18と密
着性がよい。
【0041】次いで、枚葉体18を中継芯28に通した
ものをボックス体30内に装着して中継芯28後端部を
インキタンク取り付け部30bの内部に挿入する。次い
で、リブ体32の小径円筒部32bに中継芯28前端部
を通しながらボックス体30の前端部にリブ体32を内
嵌する。そして、リブ体32を押し込んでリブ体突起3
2dがボックス体突起30cを乗り越るようにして、枚
葉体18同士が間隔が開かないように押圧する。この状
態ではリブ体32の外周面とボックス体30の外周面と
は同径であるので互いに密着して位置がずれないように
なっており、さらに、前記ボックス体突起30cとリブ
体突起32dとの係合で向け止めがされる。なお、固定
を確実にするためそれら同士を接着材で接着しあるいは
圧着する等種々の固定手段を採用できる。以上のように
して、コレクター16を組み立てが終わる。
【0042】また、コレクター16とは別にペン芯12
を外軸筒8のペン芯保持部8cに固定する。このペン芯
12固定された状態の外軸筒8内に、組み立て終わった
コレクター16を内挿して中継芯28先端部28aを前
記ペン芯12の当接部26後端部26aに当接させて、
コレクター16を外軸筒8に固定する。次いで、インキ
タンク10をボックス体30インキタンク取り付け部3
0b装着する。そして、尾栓22を外軸筒8の後端部に
装着し、また、キャップ体6をペン芯12の覆って外軸
筒8前端部に嵌める。
【0043】以上のようにして、筆記具1の組み立てが
終了する。なお、組み立て後の各部のインキに対する毛
細管力は、ペン芯12>中継芯28>空気置換孔30b
2>スリット20の関係に設定されている。また、筆記
具1の先端を下方に向けたときに上方に位置するスリッ
ト20(つまり後端のスリット20)の毛細管力はペン
芯12とペン芯12の先端に発生するインキ液滴とを加
え合せた長さに相当する毛細管力以上である。また、各
スリット20の間隔は同一の間隔でもよい。また、ペン
芯12を下方に向けた場合に、スリット20に出てきて
保溜されるインキはインキの自重から(インキが水柱に
なることから)影響を受け、前記スリット20が等間隔
であるとペン芯12に近いスリット20ほど多くのイン
キ量を保溜する。そこで、スリット20を後方にいくほ
ど狭くして(毛細管力を強くして)おのおのスリット2
0で無駄なくインキが保溜されるようにすることができ
る。
【0044】前記実施例の筆記具のおいては、インキタ
ンク10内のインキが中継芯28の後端から前端に浸透
して行き前端に接触するペン芯12に浸透する。ペン芯
12を筆記あるいは塗布すべき平面に接触してインキを
塗り広げると、ペン芯12のインキは減って行くが、そ
の減った分のインキは中継芯28を介してインキタンク
10から補充される。すると、インキタンク10内のイ
ンキ(符号10cで示す)は減って行き、インキタンク
10の内圧が低下する。その内圧と大気圧との差が空気
置換孔30b2の毛細管力より強くなると、空気置換孔
30b2を通って、コレクター16内の空気がインキタ
ンク10内に入る。コレクター16内には、空気導入孔
30dから外気が導入されており、コレクター16内は
大気圧になっている。
【0045】ところで、前記筆記具1の使用を中止して
いるときに、筆記具1に外的変化、例えば気圧が低下し
た場合や使用者が外軸筒8を握る等してインキタンク1
0内の温度が上昇した場合にインキタンク10内圧が上
昇したことと同じ結果になる。すると、中継芯28にイ
ンキが流れ込みその内部に蓄え得るインキ以上になる
と、コレクター16のスリット20の毛細血管により溢
流してくるインキは、コレクター16(の枚葉体18
間)の溝内スリット34を通って各枚葉体18間のスリ
ット20に入り込み、このスリット20に一時保溜され
る。
【0046】また、コレクター16に一時インキが保溜
されている状態で、筆記具1を使用すると、ペン芯12
さらには中継芯28のインキが減るが、その減った分の
インキは、まず、毛細管力の低いスリット20内に保溜
されたインキで補充される。したがって、まずスリット
20内のインキが減少する。次いで、スリット20のイ
ンキがなくなると、インキタンク10内のインキが減ろ
うとして、インキタンク10内の内圧が低くなるが、空
気置換孔30b2から空気が入っていって、順次インキ
タンク10内のインキが減って行く。
【0047】発明者は、本発明の作用・効果を確認する
べく、以下のごとき材料及び寸法でもって射出成形を行
い図3、図4に示す構造の枚葉体(18)を作成した。
なお、図3および図4では枚葉体を軸方向の長さを軸直
角に対する比率が100倍に拡大して示しているこの場
合、繊維芯を束ねた中継芯(28)をインキ導通路とし
て枚葉体の中心の導通孔部の径と同一の外径として作成
し、枚葉体50枚を表裏同一方向に揃えて別に作成した
容器(前記ボックスと同様)中に堆積し、枚葉体のイン
キ同導通孔に前記中継芯を差し込んでコレクター(1
6)を作成した。そして、ペン体容器(外軸筒と同様)
にペン芯・コレクター・インキタンクを組込んで筆記具
となし、生インキ式筆記具として具備すべき項目につい
て必要な試験を行った。その結果を以下に示す。
【0048】 使用材料 ;ジュラコンM450−44N(ポリプラスチックス社) 羽根部外径 ;φ18mm 羽根部の厚さ ;0.1mm 間隔保持部(円錐台が羽根の上に重なっている形状) 下底外径 ;φ14mm 上底外径 ;φ10mm 円錐台高さ;0.2mm インキ流通溝(間隔保持部に4箇所設置) 巾 ;2mm 深さ ;0.1mm(この部分における厚み;0.2mm) インキ導通孔径 ;6.7mm
【0049】以上の本発明筆記具と従来品(市販生イン
キ式サインペン)とをそれぞれ試験した結果は次のよう
なった。 本発明筆記具 従来品 ・枚葉羽根枚数 50 50 ・インキ保溜量(ml) 1.5 0.39 ・コレクター有効長さ(mm) 15 25 ・ 羽根長さ(mm) 0.1 0.3 ・インキタンク内インキ量(ml) 4 1
【0050】外気温変化(低温室放置後室温放置して供
試)及び外気圧変化(減圧室放置後常圧室放置して供
試)によってコレクター内に強制的にインキを溢流させ
て筆記試験を行った。すると、インキタンク内のインキ
よりも先にコレクター内のインキが消費され空になって
からタンク内のインキが消費された。また、ペン先下向
きにして適宜の加温又は減圧状態でコレクター内一杯に
溢流させ放置しても双方ともペン先及びコレクター前部
へのインキの流出は見られなかった。ペン先を下向きに
して、加温と冷却の繰り返しでインキをコレクター内一
杯の溢流とタンク内への戻しを行ったが、同じくペン先
及びコレクター前部へのインキ流出は見られなかった。
【0051】なお、前記実施例は、本発明の好適な態様
を示すものであって、もちろん本発明は前記実施例に限
定されない。すなわち、枚葉体を間隔保持部と羽根部と
が別体のものに形成できる。例えば図9に示す他の実施
例のように枚葉体38を、平面視でC字形状の間隔保持
部38aと円平板形状の羽根部38bの組み合せで構成
できる。この場合、間隔保持部38aは概略リング状で
インキ流通用の切り欠き39が形成される。また、中央
部には導通孔部40が空けられる。また、羽根部38b
中央部にも導通孔部41が設けられており、組立てに際
し、各導通孔部40、41に前記実施例の中継芯28を
挿通する。なお、この他の実施例において、枚葉体38
以外の構成は前記実施例と同様のため説明を省略する。
この他の実施例では簡単な形状で枚葉体を構成可能であ
る。また、インキタンク、ボックス体等は外軸筒と一体
でもよいものである。
【0052】また、筆記具には、平面にインキを筆記・
塗布する一般に称される筆記具の他、プロッターやプリ
ンターや機器に装置された描画記録計を含み、更には化
粧用などの液体を吐出し塗布又は筆記するものを包含し
たものである。
【0053】
【発明の効果】本発明は前記のように構成したので、羽
根部の薄さの製造限界を緩和してコレクターの保溜量を
大容量にしたものを技術上の制約無しに、容易且つ安価
に製造することができ、筆記量の増大を図ったり、筆記
線幅を大きくした太物にも支障なく用いることができ
る。また、適宜素材を選択することにより水媒系インキ
及び油性系インキ全てが使用することが出来る。その
上、温度変化によって筆記先端及びコレクター前部から
インキを漏出させる恐れがない生インキ式筆記具を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る筆記具を説明する全体断
面図である。
【図2】実施例の筆記具に係るコレクターの組み立て説
明図である。
【図3】コレクターの枚葉体の説明図である。
【図4】(a)、(b)、(c)はそれぞれ前記枚葉体
の中心軸方向に拡大した説明図であって、縦断面図
((c)のA−A線に沿う断面図)、側面図、平面図で
ある。
【図5】前記枚葉体を積み重ねた詳細図である。
【図6】(a)、(b)は筆記具のリブの縦断面図、平
面図である。
【図7】(a)、(b)は筆記具のボックスの縦断面
図、平面図である。
【図8】筆記状態の筆記具の要部拡大図である。
【図9】他の実施例の枚葉体の説明図であって、(a)
は組み合せた状態の縦断面図、(b)は分けた状態図、
(c)は組み合せた状態の斜視図である。
【図10】従来の筆記具の説明図である。
【図11】図10の拡大説明図である。
【符号の説明】
1 筆記具 10 インキタンク 12 ペン芯 14 インキ導通路 16 コレクター 18 枚葉体 18a 羽根部 18b 間隔保持部 20 スリット 30b2 空気置換孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インキタンクと描線部との間にインキ導
    通路と一時的なインキ保溜用のインキ保溜部とを設け、
    インキタンクには空気置換孔を設けている筆記具におい
    て、 インキ保溜部は、板状に広がる羽根部と該羽根部の厚さ
    方向に突出する間隔保持部とを有する枚葉体が複数、羽
    根部の厚さ方向に積み重なっているものであって、 前記間隔保持部は、枚葉体が積み重なったときにそれぞ
    れ対向する羽根部同士を所望の間隔を置いてほぼ平行に
    位置させると共に、前記積み重なった羽根部同士の間の
    スリットに溢流インキを保溜するようになっており、前
    記羽根部と間隔保持部とには枚葉体が積み重なったとき
    にインキ導通路となるインキ導通孔が形成され、前記羽
    根部は該インキ導通孔を囲む周方向に切れ目なくつなが
    っていることを特徴とする筆記具。
  2. 【請求項2】 前記間隔保持部には、導通孔から羽根部
    表面に向けて連続して形成される溝であって枚葉体が積
    み重なった状態で導通孔とスリットとの間でインキの流
    通を行わせるインキ流通溝が形成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の筆記具。
  3. 【請求項3】 枚葉体の垂直方向視で、羽根部の外周形
    状、間隔保持部の外周形状および導通孔の内周面形状が
    同心円状に形成されていることを特徴とする請求項2に
    記載の筆記具。
  4. 【請求項4】 インキ流通溝は、その枚葉体厚み方向に
    沿う深さがスリットの間隔よりも大きくないように形成
    されていることを特徴とする請求項2または3に記載の
    筆記具。
  5. 【請求項5】 インキ保溜部は、空気置換孔に通じる筒
    体内に複数の枚葉体が積み重なって収容されたものであ
    り、筒体内周面と羽根部外周面との間隔が羽根部同士の
    間のスリット間隔よりも広くされていることを特徴とす
    る請求項1ないし4のうちのいずれか1つに記載の筆記
    具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017115843A1 (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 三菱鉛筆株式会社 筆記具

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JPWO2017115843A1 (ja) * 2015-12-28 2018-12-20 三菱鉛筆株式会社 筆記具
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