JPH08290117A - 高効率篩網とその製造方法 - Google Patents

高効率篩網とその製造方法

Info

Publication number
JPH08290117A
JPH08290117A JP12299195A JP12299195A JPH08290117A JP H08290117 A JPH08290117 A JP H08290117A JP 12299195 A JP12299195 A JP 12299195A JP 12299195 A JP12299195 A JP 12299195A JP H08290117 A JPH08290117 A JP H08290117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
sieve
mesh
epoxy resin
fluororesin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12299195A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Hanaue
實 花上
Haruo Niimatsu
治男 二位松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
N B C KOGYO KK
Original Assignee
N B C KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by N B C KOGYO KK filed Critical N B C KOGYO KK
Priority to JP12299195A priority Critical patent/JPH08290117A/ja
Publication of JPH08290117A publication Critical patent/JPH08290117A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Means For Separation Of Solids (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製粉工程のミル用及び再篩用として使用され
る篩網の粉体の篩効率の向上とその持続性を改善する方
法を提供する。 【構成】 ポリアミド系モノフィラメントの特殊平織組
織で構成されるメッシュ織物を、反応基含有フッ素系樹
脂にエポキシ樹脂及び硬化剤を共存させた水系樹脂組成
物で樹脂加工し、該篩網構成原糸表面をエポキシ樹脂で
補強したフッ素系樹脂皮膜で被覆することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パン、麺類及びその他
の食品類に使用される小麦粉澱粉等の製粉工程に適用さ
れる特殊機能を所有する篩網とその製造方法に関する。
さらに詳しくは、製粉工程中でミル用ないし再篩用とし
て賞用されるポリアミド系モノフィラメントの特殊平織
組織から製織されたメッシュ織物からなる篩網の粉体処
理効率の水準を顕著に改善し、その処理効率を長時間持
続する特性を付与した篩網とその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】古くから製粉工程中に適用される篩網は
10メッシュから80メッシュ以下の精製工程過程の装
置に装填される、いわゆる粗引き用と呼称されるもの
と、100メッシュから200メッシュの範囲で利用さ
れてきたミル用と、85メッシュから90メッシュが推
奨される再篩用に大別されている。特に、粗引き用メッ
シュ織物を除く後二者は、製粉工程の生産性及びその製
品品質に直接影響する重要な役割りを果たす主要資材と
して、製粉工場独自で採用するメッシュとその商品品位
との相関関係については古くから研究が続けられてき
た。
【0003】すなわち、ミル用篩網は製粉メーカーの蓄
積したノウハウと、複合化した前記領域における各種の
メッシュ織物が組み合わされて標準化され、粉体の粒径
及び品質等の選別に使用され、それぞれの粉種及び等級
付け等が行なわれてきた。また、再篩用は選別された粉
体の最終出荷時に異物等の混入を再チェックする極めて
重要な工程で使用されるものであって、製造現場に適合
した独自の特定メッシュ織物が実用化されている。な
お、再篩用の篩網は粉体の品質保証の鍵となるもので、
メッシュの点検、入れ替え及び補修等が頻繁に遂行さ
れ、篩網使用量が再篩用とミル用でほぼ同量程度消費さ
れていることからもその重要性がよく認識できる。
【0004】一般に篩網はその用途から、粉体を粒径に
応じて選別する機構上からも精確なオープニングを所有
するメッシュ織物が主体で適用されてきたが、該メッシ
ュ織物の構成原糸は繊維端末が無数に介在する紡績糸よ
りも、長繊維原糸から構成されたメッシュ織物が推奨さ
れてきたのは長い経験からとは言え当然の趨勢であっ
た。もともと、天然長繊維原糸としては生糸が対象とな
り、使用中の衝撃による目ずれ防止対策として2本の経
糸が緯糸1本ごとに「もじり目」を構成する紗と呼ばれ
る「からみ織」の一種が多用され、また、生糸のフィブ
リル化防止対策として、溶出セリシンによる糊付け効果
を志向した半練り精錬方法等が研究開発され実用に供さ
れてきたこともよく知られた事実である。
【0005】その後、篩網用素材としての生糸は絶対強
度、耐摩耗性等の物性面の難点に加えて高価格等の経済
的事由により、当時実用に供され始めたポリアミド系マ
ルチフィラメントから構成される「もじり織」に移行
し、そのマルチフィラメントの抱合性の改善と目ずれ防
止の強化に、生糸のセリシン定着法の実績から到達した
糊付け加工が主体に長期にわたり各種改善処法が提案さ
れながら広く現場に定着してきた。しかしながら、衣料
用布帛に対する樹脂加工技術の発展に刺激され、熱可塑
性樹脂エマルジョンないし熱硬化性樹脂の単独及び複合
処法等が研究され新規加工技術の利用へと展開していっ
た。
【0006】その後、ポリアミド系モノフィラメントの
商業化により、マルチフィラメントの構成単糸の収束対
策が解消されるメリットが賞用され、該繊維を利用した
「もじり織」が研究されながら、ポリアミド系モノフィ
ラメントの剛直性による「もじり織」の精確なオープニ
ングの構成及び保持に最大の難点が見出され、例えば経
糸に30デニール(以下dで表示)1本と15d2本の
異繊度原糸を繰り返し整経し、緯糸に15d、20d、
30dないし40d等の規格繊度の原糸を使用した、い
わゆる特殊平織組織での量産化態勢が確立されてきたこ
とも周知である。
【0007】また、その後開発された多くの合成繊維の
モノフィラメントから構成されるメッシュ織物の篩網適
性を比較研究した結果、ポリエステル、ポリフッ化ビニ
リデン及びポリテトラフロロエチレン等は、いずれもポ
リアミド系モノフィラメントに対比して剛直性が強く、
精確なオープニングの構成及びその保持に難点が確認さ
れると同時に、強度の不足が指摘されるケースが散見さ
れ、篩網としての適性に欠けることが結論付けられてい
る。また、唯一強度特性に優れるポリエステルモノフィ
ラメントも低吸湿性に準拠する帯電性に起因する篩網の
目詰まり要因ないしは耐摩耗強度の欠如が指摘され、ポ
リアミド系モノフィラメントの特殊平織組織で製織され
たメッシュ織物が広く篩網として実用に供されてから久
しい。
【0008】もちろん、これらのポリアミド系モノフィ
ラメントの篩網としての機能をさらに厳密に比較する
と、例えばナイロン610(公定水分率2.6%、融点
214℃、以下括弧内は同じ)、ナイロン11(1.2
%、189℃)、ナイロン66(4.0−4.5%、2
50℃)、ナイロン6(4.0−4.5%、215℃)
等は、いずれも他の合成繊維モノフィラメントから製織
される特殊平織組織で構成されたメッシュ織物に対比し
て優れた篩効率を顕示することが確認でき、その実用性
能の高いことが観察される。中でも熱による形態安定性
に優れ、公定水分率から誘導される帯電防止効果等から
ナイロン66及び6のモノフィラメントから製織される
メッシュ織物で構成される篩網が、実用的視点から最も
好適であることは、現行篩網の実績例からもよく裏付け
られることである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらのポリアミド系
モノフィラメントから製織される特殊平織組織で構成さ
れるメッシュ織物に対する改質加工技術も各種処法が比
較検討され、ポリアミド系マルチフィラメントから製織
された「もじり織」に推薦されてきた熱可塑性樹脂エマ
ルジョンと熱硬化性樹脂及びその触媒との配合処法が、
例えば布帛単位面積当りの該構成繊維表面の総面積から
算出される所用樹脂充填量の変更及び原糸構成フィラメ
ント数から誘導される織物としての柔軟性の相違に見合
う配合組成の修正等が検討されて広く実用に供されてき
たこともよく知られている。しかしながら、これらの樹
脂により改質された篩網の機能も、産出される商品価格
の抑制と品質管理の向上に直面した製粉工程の相次ぐ技
術革新に先行され、一層の改善が所望される環境が醸成
されてきた。
【0010】すなわち、現行の樹脂加工により向上した
ポリアミド系モノフィラメントから製織される特殊平織
組織で構成されるメッシュ織物から作られる篩網に対す
る製粉企業側からの具体的な改善課題を要約すると次の
二点に収斂される。第一は、一定時間内の生産量を高め
るために篩効率を引き上げること。第二は、篩網の耐用
時間を延長することである。もちろん、これらに係わる
改質機構の理論的解明は必ずしも詳らかではないが、現
業的経験から集約された現象を解析して要約すると次の
ような事象が抽出されている。
【0011】前者については、例えば篩分け作業中に粉
体微粒子が篩網上での擦過運動により60℃ないし70
℃に達する摩擦によって発生する熱量と、該微粉体自体
が含有する固有の水分により、膨潤状態での微粒子間の
衝突が交絡し、粒子間の凝集作用が誘発される確率が増
大し、篩分け作業中の相乗効果によって派生する石膏状
に変換された硬質微粒体がメッシュ織物のオープニング
の目詰まりを助長する現象を極力抑制することが第一に
挙げられる。その他、摩擦により発生した静電気による
篩網構成繊維への粉体微粒子の帯電吸着による目詰まり
を低減するため帯電防止加工を施したメッシュ織物を篩
網に利用するか、ないしはポリアミド系繊維分子自体の
所有する極性能を相殺する目的から篩網構成繊維表面を
不活性非極性物質、例えばシリコン及びフッ素系樹脂で
被覆する機構を推進する対策等が挙げられている。
【0012】一方、改良した樹脂加工による篩網表面の
鏡面状の平滑性から必然的に発生する粉体の上滑り現象
を削減しながら、篩網に対する垂直方向への粉体の微振
動を刺激するため、特殊平織組織の織物表面に具備され
た微細な凹凸を有効に機能させることを強調する識者も
いる。また、後者については、繊維表面に二次的に構築
された非極性皮膜等の接着堅牢性を増強することが焦点
として検討されてきたことも事実である。しかしなが
ら、これらの対策はいずれも現行の篩網特性の水準にお
いて相対的な改善効果は認知されるものの、製粉企業か
ら所望される篩網としての機能水準とは大きな格差が残
されていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記機構を
想定しながら鋭意その問題点に対する解決手段を研究し
た結果、ポリアミド系モノフィラメントの特殊平織組織
で製織されたメッシュ織物の構成繊維表面をエポキシ樹
脂及び硬化剤の共存下で反応基含有フッ素系樹脂処理す
ることにより、エポキシ樹脂で補強されたフッ素系樹脂
皮膜で該原糸表面を被覆することが極めて優れた篩効率
とその耐久性に寄与することを見出し、本発明に到達し
たものである。
【0014】本発明に適用される反応基含有フッ素系樹
脂とは、一般的にフッ素原子を含むプラスチックスを総
称するフッ素系樹脂の中から、厳密には含フッ素アクリ
ル樹脂と呼ばれる化合物を対象とし、フッ素化アクリル
樹脂としてエステルのアルコール部分にフッ素が含有さ
れるアクリル系高分子化合物を生成する過程で、アクリ
ル酸、メタアクリル酸、2−クロロアクリル酸ないし2
−フルオロアクリル酸等のフッ素含有アルコールエステ
ルの単量体にフッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラ
フルオロエチレン等を共重合して得られる。これらの単
量体は容易にラジカル反応し、塊状、溶液及び乳化重合
によって樹脂を生成するが、乳化重合樹脂が好適に利用
される。
【0015】また、本発明に適用されるエポキシ樹脂は
末端に反応性のエポキシ基をもつ熱硬化型の合成樹脂
で、例えばビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの
縮合反応により製造されるビスフェノールA型エポキシ
樹脂等が代表例として挙げられる。該エポキシ樹脂はそ
の縮合度によって適用性に相違が見られるが、本発明に
応用されるエポキシ樹脂としてはエポキシ当量180−
200の液状タイプのものが効率よく利用できる。ま
た、エポキシ樹脂と反応して三次元的に硬化して不溶性
化を促進するための硬化剤としては脂肪族、脂環族ない
し芳香族変性アミン系及び酸無水物系が多用されている
が、これらの中からアミン価(mgKOH/g)180
±15をもつアミン系硬化剤が好適である。なお、これ
らは水希釈性の塗料用に実用化されているエポキシ樹脂
と水分散型の硬化剤の組み合わせが作業環境面からも好
ましい結果が得られる。
【0016】本発明の樹脂加工方法は、常法でプレセッ
ト、精錬、漂白等の準備工程を経たポリアミド系モノフ
ィラメントから構成されるメッシュ織物に、前記エポキ
シ樹脂、硬化剤及び反応基含有フッ素系樹脂からなる水
系樹脂組成物を浸漬法で付与し、パディング・マングル
で搾液した後、該処理布帛を圧搾空気を噴射するスリッ
ト上、または吸引脱液スリット上を走行させ、オープニ
ング間隙に残存する樹脂組成物を除去し、遠赤外線ラン
プを配備したノンタッチゾーンで乾燥し、次いでピンテ
ンター上で所定の形態にファイナルセットを兼ねたキュ
アリングを遂行する。なお、樹脂組成物の付与は必ずし
も浸漬法に限定されるものではなく、メッシュ織物の表
裏に樹脂組成物が均一に付与できる手法であれば利用す
ることができる。
【0017】なお、一般に繊維加工に賞用される発水、
発油機能に優れた不活性非極性高分子の代表例として挙
げられるシリコン系及びフッ素系樹脂は数多く知られて
いるが、該処理剤を篩網に適用されるメッシュ織物に応
用すると、いずれも繊維の表面特性、例えば繊維表面が
液体によって濡れる程度を評価するための臨界表面張力
等の改質は達成されることが確認されるものの、篩効率
及び耐用期間等の向上には殆ど寄与しないことが観察さ
れている。しかも、各種の反応基を含有する樹脂が開
発、上市されているシリコン系樹脂により処理された篩
網を使用した製粉製品は、その主用途であるスポンジケ
ーキ製造時の発泡を著しく阻害する現象がみいだされ、
シリコン系樹脂の応用は製粉用篩網には適用できないこ
とが確認されている。
【0018】一方、濡れ特性の著しく低いプラスチック
スの表面にフッ素系樹脂を強固にコーティングする手法
として、低温プラズマ処理により該プラスチックス表面
の浸蝕作用と酸素を含む官能基の導入による表面の化学
的改修から表面塗装皮膜の接着堅牢性の向上を図る方法
と併行して、該プラスチックス表面をプラズマないしコ
ロナ放電処理した後、エポキシ樹脂をプライマーとして
表面にコーティングして、フッ素系樹脂を塗装してその
接着強度を改善する方法も知られている。これらに推奨
されるエポキシ樹脂としてはエポキシ当量が800以上
のものが挙げられる等、フッ素系樹脂による表面改質の
耐久性改善にエポキシ樹脂によるアンダーコート機構の
寄与することも周知の技術である。
【0019】しかしながら、ポリアミド系モノフィラメ
ントの特殊平織組織で製織されたメッシュ織物の篩網特
性の改善は、プラズマ処理ないしはエポキシ樹脂による
アンダーコート処理との組合わせによるフッ素系樹脂加
工ではいずれも所期の効果を達成できないことが判明
し、積層方式によるメッシュ織物構成原糸の表面改質で
は篩効率と耐久性の向上に寄与せぬばかりか、各種処理
による相乗効果が相殺され最終処理したフッ素系樹脂の
単独処理と同一水準の表面の平滑性付与の効果のみが強
調される機構が推測された。
【0020】したがって、さらに繊維構成高分子と表面
コートするフッ素系樹脂成分とのより強固な接着を促進
する媒体にエポキシ樹脂の架橋効果を期待して、フッ素
系樹脂に各種エポキシ樹脂及び硬化剤を配合した安定性
の高い水系樹脂組成物による処理効果を比較検討した結
果、相対的な耐久性の向上は観察されたが、篩効率の改
善は全く認められなかった。
【0021】同様に、反応基含有フッ素系樹脂にエポキ
シ樹脂及び硬化剤を配合した水系樹脂組成物により処理
したメッシュ織物から作成した篩網は、顕著な篩効率と
耐用期間の大幅な延長が確認された。これらの要因はポ
リアミド系モノフィラメントの特殊平織組織で製織され
たメッシュ織物に該水系樹脂組成物がパッド・ドライさ
れた後、ファイナルセットを兼ねた180℃前後のキュ
アリング過程で、フッ素系樹脂内に介在するエポキシ樹
脂と硬化剤との樹脂化反応と併行して、ポリアミド系繊
維の内蔵する官能基及び隣接するフッ素樹脂の所有する
反応基との相互反応も誘発される確率が増大し、フッ素
系樹脂皮膜の接着耐久性が改善されるためであることは
容易に推測できる機構である。
【0022】他方、前記樹脂皮膜がメッシュ織物構成原
糸上に固着される過程で、相対的に柔軟な熱可塑性フッ
素系樹脂皮膜が熱硬化性エポキシ及び硬化剤による架橋
化により三次元的に補強される時点で該皮膜表面に微細
な襞が発生し、表面の平滑性を減殺し、特殊平織組織で
製織されたメッシュ織物固有の表面の凹凸形状に類似し
た表面摩擦抵抗が再生されて優れた篩効率がもたらされ
るものと推察できる。
【0023】したがって、以上の処理効果を強調するた
めには、基本になるエポキシ樹脂と硬化剤の適正配合組
成を中心にして、フッ素系樹脂の含有する官能基及びポ
リアミド系繊維との架橋拠点を勘案しながら硬化剤の添
加量を相対的に削減することが望ましい。また、該布帛
上のフッ素系樹脂の付着量の概算計算値は0.5重量%
以下に抑制し、平滑性を付与するフッ素系樹脂皮膜が繊
維上に十分に積層されてメッシュ織物表面が鏡面状の平
滑性を顕現しない範囲が所望されることになる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の詳細を実施例によって説明す
るが、本発明は実施例に限定されるものではない。 実施例1 ナイロン66モノフィラメント50d1本と30d2本
の異繊度原糸を繰り返し整経し、緯糸に50dのナイロ
ン66モノフィラメントを使用した特殊平織組織のメッ
シュ84.5×91(経×緯、糸本数/2.54c
m)、オープニング200μmの篩網NXX7(NBC
工業(株)製)を、常法に準じてプレセット、精錬及び
乾燥した後、三分割し、一部を180℃で30秒間ファ
イナルセツトして仕上げた(未処理布と呼ぶ)。
【0025】また、一部をアクリル−ブタジェン共重合
体エマルジョン(固形分5重量%)、メチル化トリメチ
ロールメラミン(固形分4.8重量%)及び2−メチル
2−アミノプロパノール(固形分0.48重量%)から
なる水懸濁液に常温に浸漬し、パディング・マングルで
搾液後、2mmの吸引スリット上を走行させ、オープニ
ング間隙に残存する樹脂組成物を除去し、搾液率として
20重量%の処理布を得た。該処理布帛をノンタッチゾ
ーンを通過させながら遠赤外線による予備乾燥を実施
し、ピンテンター上で規定幅長に形態を固定しながら、
180℃で30秒間ファイナルセツトを兼ねた熱処理で
樹脂化を完結せしめた。本処理布帛の樹脂付着量は処理
前後の布帛の重量変化から0.9重量%が得られた(従
来法と呼ぶ)。
【0026】他方、残りの一部をエポキシ当量182の
ビスフェノールA型エポキシ樹脂2.5重量%、自己乳
化型脂肪族変性アミン系硬化剤(アミン価160mgK
OH/g)1.25重量%及びポリマー主鎖にフッ化ビ
ニルを共重合させた含フッ素系アクリル樹脂1.5重量
%からなる水懸濁液に浸漬し、前記従来法の加工手順に
準じて0.8重量%の付着量をもつ仕上布を得た(本発
明法と呼ぶ)。すなわち、適用樹脂液組成からフッ素系
樹脂含有量はほぼ0.2重量%程度と算定できる。
【0027】前記3種のメッシュ織物からそれぞれ再篩
用篩枠を常法に準じて各12枠作成し、それぞれの篩特
性をオンラインテストで比較した。現場テストは3ケ月
経過後にシフター内上部に配置した6枠を取り出し、M
RB型シフターにてオーバー粉無しの最大粉投入量で比
較した。同様に残り6枠の6ケ月経過後の篩枠もMRB
シフターにて評価し、次表の結果が確認できた。数値は
最大粉処理量(篩処理できずに篩より溢れたオーバー量
が時間当たり100Kgに達した時点の粉の投入量を時
間当たりのトン数で表示した)で比較した。したがっ
て、数値の大きいものが篩効率が高いことになる。すな
わち、本発明法で処理されたメッシュ織物から作成され
た篩網が粉の処理量を増加させ、篩効率の向上が確認さ
れ、6ケ月継続使用後の処理量からも処理効率の持続性
のあることが観察される。
【0028】また、前記三種類の篩網のオンラインテス
ト6ケ月後の強度劣化をJISL1096−1979一
般織物試験法に準じて測定した強度(kg/5cm幅で
経方向/緯方向で表示)で比較すると次表のようにな
る。本発明法の強度保持率も極めて高く、粉のスムース
な抜けが原糸に対する強度劣化の影響を抑制することが
観察される。
【0029】さらに、オンラインテスト後の篩網からメ
ッシュ織物構成原糸をほぐすときの抵抗値を測定して樹
脂の接着強力の変化を比較し、篩網のオープニングの精
度の保持を評価した。測定方法は、織目に沿って織物を
切断し、その切断部分から2本の糸をほぐして除去した
後の3本目の糸を直角方向にほぐすときの平均抵抗値
(g)を測定し、次表に表示した。数値が高いほど経緯
原糸の接着が強固であると判断できる。すなわち、オー
プニングを通過する粉体による目ずれに対する抵抗が大
きいことは、オープニングの精度が使用中極めて安定に
保持されていると考えることができる。 また、これらの数値から本発明法による樹脂皮膜の繊維
上での優れた耐久性と共に、篩網を構成する経緯原糸間
の接着による二次的結合にも大きく寄与していることが
裏付けられる。
【0030】実施例2 ナイロン66モノフィラメント30d1本と15d2本
の異繊度原糸を繰り返し整経し、緯糸に30dナイロン
66モノフィラメントを組み合わせた特殊平織組織のメ
ッシュ137×147、オープニング112μmの篩網
NXX12(NBC工業(株)製)を実施例1に準じ
て、加工品種の異なる三種の篩網に調製した。但し、フ
ァイナルセツトを兼ねたキュアリング条件は170℃、
120秒に統一した。該加工布帛の樹脂付着量は従来法
が0.7重量%、本発明法が0.6重量%であった。該
篩網のオンラインテスト結果は実施例1と同様に本発明
法による加工布帛から作成された篩網の篩効率とその持
続性が最高であることが観察された。
【0031】実施例3 篩網NXX7を常法でプレセット、精錬、乾燥、仕上げ
した後、実施例1に詳述した本発明処法に準じて、併用
する含フッ素系アクリル樹脂を常用される発水、発油剤
(非反応型)と、ハイドロカーボン主鎖にアクリル酸を
共重合させた反応型(本発明法)とによる処理効果を粉
体の処理速度とその持続性で比較した。測定方法は、2
0cm角枠のテストシフター装置により、それぞれの試
料を常備小麦粉で上下から挾み込んだ状態に保持してシ
フターを稼働させ、小麦粉による強制的な摩耗を行い、
50時間及び100時間経過時点でテスト試料を取り出
し、同じテストシフター装置を使用して、20cm角の
篩枠上に1kgの小麦粉を投入し、小麦粉が900g抜
け落ちる時間(分)を比較した。結果は次表のとおりで
ある。
【0032】これらの数値からも、使用開始時点での篩
効率は両者に必ずしも大きな格差は認められないが、使
用経過に比例して非反応型含フッ素系アクリル樹脂併用
に篩効率の顕著な低下が観察され、樹脂の脱落が徐々に
進行していることがわかる。これに対して本発明の処法
の篩効率の経時変化が著しく少ないことからも繊維上の
樹脂の耐久性の良好なことが推定できる。
【0033】
【発明の効果】食品類に使用される小麦粉澱粉等の製粉
時に用いられるポリアミド系モノフィラメントから製織
されるメッシュ織物からなるミル用及び再篩用の篩網の
篩効率を顕著に向上し、合せて耐用年数の大幅な延長を
もたらす特性の付与が可能になり、製粉工程の合理化に
寄与した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド系モノフィラメントの特殊平
    織組織で製織されたメッシュ織物の構成原糸表面がエポ
    キシ樹脂で補強されたフッ素系樹脂皮膜で被覆されてい
    ることを特徴とする高効率篩網。
  2. 【請求項2】 ポリアミド系モノフィラメントの特殊平
    織組織で製織されたメッシュ織物を常法に準じて樹脂加
    工するに際して、反応基含有フッ素樹脂にエポキシ樹脂
    及び硬化剤を共存せしめた水系樹脂組成物を適用するこ
    とを特徴とする請求項1に記載する高効率篩網の製造方
    法。
JP12299195A 1995-04-25 1995-04-25 高効率篩網とその製造方法 Pending JPH08290117A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12299195A JPH08290117A (ja) 1995-04-25 1995-04-25 高効率篩網とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12299195A JPH08290117A (ja) 1995-04-25 1995-04-25 高効率篩網とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08290117A true JPH08290117A (ja) 1996-11-05

Family

ID=14849587

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12299195A Pending JPH08290117A (ja) 1995-04-25 1995-04-25 高効率篩網とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08290117A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009537702A (ja) * 2006-05-15 2009-10-29 レンツィング プラスティクス ゲーエムベーハー 化学的耐久性及び寸法安定性を有するモノフィラメント、その製造方法及び使用
JP2010069354A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Sekisui Plastics Co Ltd 樹脂粒子の振動ふるい装置
JP2010188294A (ja) * 2009-02-19 2010-09-02 Nbc Meshtec Inc 篩網及び篩
JP2012024739A (ja) * 2010-07-27 2012-02-09 Nbc Meshtec Inc 食品粉体の篩分け方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009537702A (ja) * 2006-05-15 2009-10-29 レンツィング プラスティクス ゲーエムベーハー 化学的耐久性及び寸法安定性を有するモノフィラメント、その製造方法及び使用
JP2010069354A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Sekisui Plastics Co Ltd 樹脂粒子の振動ふるい装置
JP2010188294A (ja) * 2009-02-19 2010-09-02 Nbc Meshtec Inc 篩網及び篩
JP2012024739A (ja) * 2010-07-27 2012-02-09 Nbc Meshtec Inc 食品粉体の篩分け方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3112506B1 (en) Crimped polyamide yarn, and woven or knit fabric employing same
JPH08290117A (ja) 高効率篩網とその製造方法
DE2038705B2 (de) Verfahren zur Herstellung von Fasergebilden mit ausgezeichneten physikalischen Eigenschaften
EP1396572B1 (de) Verfahren zur Herstellung eines wasserabweisend ausgerüsteten Aramidgewebes und dessen Verwendung
JP5087862B2 (ja) 繊維構造物
JP5865648B2 (ja) 防汚性布帛の製造方法
JP4228113B2 (ja) 高密度織物
JP6092560B2 (ja) 無塵衣用織物及びその製造方法
JP4451613B2 (ja) 制電性と撥水性を有する防水織物
WO2019076823A1 (de) Verfahren zur herstellung eines textilen artikels mit hydrophobierter textiler oberfläche durch plasmabehandlung und nasschemische behandlung
WO2003072862A1 (fr) Tissu tisse haute densite entierement mat a brillant elimine
CN108193491A (zh) 免烫整理剂及其制备方法和应用
JP3598748B2 (ja) 防水性ポリエステル織物
CN110512303A (zh) 一种高延展性抗静电聚酯纤维纺织工艺
JP2007009337A (ja) ポリエステル/綿布帛の加工方法及び加工品
CA1133332A (en) Conveyor belting
JP3309237B2 (ja) ターポリンの撥水処理方法
KR102128257B1 (ko) 투습 및 발수기능을 갖는 경량의 나일론원단의 제조방법
JPH1060736A (ja) ポリフェニレンサルファイドモノフィラメントおよび工業用織物
JP2003328215A (ja) 着用快適性及び防透性に優れた回収ポリエステルを含んで構成された無塵衣
JPH11302944A (ja) 高密度織物の製造方法
KR100421704B1 (ko) 유연성 기능을 갖는 연마포용 직물기재
JPS59228081A (ja) 通気性に優れた撥水性織物
CN104074051B (zh) 一种高耐久抗静电织物
JPH02145894A (ja) 抄紙用ドライヤーカンバス