JPH08290109A - プレス加工性の優れた表面処理鋼板の製造方法 - Google Patents
プレス加工性の優れた表面処理鋼板の製造方法Info
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Abstract
材、自動車等の部品に利用する表面処理鋼板およびその
製造法に関するものである。 【構成】 高速めっき・塗装ラインにおいて、めっき鋼
板の表面に第1層としてCr付着量5〜100mg/m
2のクロメート被膜もしくは付着量0.2〜2.0g/
m2のりん酸塩被膜の化成被膜、第2層としてビスフェ
ノール型骨格、エステル骨格およびカルボキシル基を有
するエーテル・エステル型ウレタン樹脂(a)とエポキ
シ樹脂(b)の総和(a+b)が全固形分に対して50
〜85重量%、ポリオレフィンワックス(c)を10〜
30重量%、粒径3〜30nmのシリカ(d)を10〜
40重量%含有する水性潤滑塗料を塗布・焼き付けて得
られる潤滑膜厚0.3〜5μmとし、当該潤滑層中に潤
滑剤を粒子濃度10〜30%分散させ、当該潤滑層上に
第3層としての表面潤滑層厚み0.04〜1μm設けて
なることを特徴とする。
Description
た家電、建材、自動車当の部品に利用する表面処理鋼板
およびその製造法に関するものである。
として被膜中に潤滑剤を分散させることで加工潤滑特性
を持たせているものであるが、プレスによる金型温度の
上昇により加工性が一般に劣化することが知られてい
る。これは特にベース樹脂が軟化することで粘着性を帯
び金型との潤滑性が損なわれるためであるといわれてい
る。これらの解決法として、高ガラス転温度を含有する
樹脂を用いた特開平1−301333号公報のように、
めっき鋼板の片面に水酸基および/またはカルボキシル
基を有する樹脂とシリカと固形潤滑剤とを含む樹脂混合
物または複合物のガラス転移点が70℃以上である樹脂
被膜を有し、他面には、水酸基および/またはカルボキ
シル基を有する樹脂とシリカを含む樹脂被膜を有する成
形性、耐食性に優れた潤滑樹脂処理鋼板とか、被膜厚よ
りも大きな粒子径を持つ潤滑剤を用いる方法ないしは高
融点潤滑剤の採用等が図られている。しかしこれらの技
術については選択可能な樹脂の種類が限定され、かつ、
伸び特性が十分に確保できないこと、塗料が分離し易い
という作業性の問題が有り、また、膜厚に応じて潤滑剤
の最適粒径が変化する等の問題がある。
84号公報に記載するように、めっき鋼板の表面に第1
層としてCr付着量5〜100mg/m2のクロメート
被膜もしくは付着量0.2〜2.0g/m2のりん酸塩
被膜の化成被膜、第2層としてビスフェノール型骨格、
エステル骨格およびカルボキシル基を有するエーテル・
エステル型ウレタン樹脂(a)とエポキシ樹脂(b)の
総和(a+b)が全固形分に対して50〜85重量%、
ポリオレフィンワックス(c)を10〜30重量%、粒
径3〜30nmのシリカ(d)を10〜40重量%含有
する水性潤滑塗料を塗布・焼き付けて得られる膜厚0.
2〜5μmの被膜を設けたプレス油省略可能非脱膜型潤
滑めっき鋼板をすでに提案している。
た特開平6−155184号公報では、図6に示すよう
に、薄鋼板1の上にめっき被膜2、クロメートもしくは
りん酸塩被膜の化成被膜3、潤滑被膜4からなる被膜構
造において、潤滑被膜4中に潤滑剤5を分散させること
で加工潤滑特性を持たせているが、プレスによる金型温
度の上昇によって加工性が劣化し充分な潤滑性が得られ
ないという問題が生じる。
塗装線用設備としてのオフラインでの処理、またはメッ
キライン内の設備では大規模な設備での処理が必要とな
るため、その通板速度も塗装焼き付け工程に大きく律速
されるのが実情である。そこで潤滑被膜4の表面に特に
潤滑性能の高い層を形成する方法が提案されている。
態を示す概念図である。図7に示すように、原板7上の
潤滑被膜4が水系エマルジョン塗料の場合に焼き付けを
高温急速加熱により高速で行おうとすると、最表面の水
の急激な蒸発により表面に皮張り8が発生する。この表
面の皮張り8は内部からの蒸発水分によりガス抜け孔9
を形成するが、特に潤滑鋼板においては、この表面の皮
張り現象によって表面潤滑層の形成が阻害されるという
問題が有り、高速加熱条件下においては潤滑性能の高い
被膜を形成することができない。
明者らは鋭意開発を進めた結果、表面の潤滑剤層が樹脂
と金型の直接接触を防ぎ、また被膜中に分散する粒子が
深絞り加工などによって激しく被膜が変形した時も潤滑
剤の供給源となり、良好な潤滑加工性が保持される構造
を持つ被膜を、高温短時間焼き付け設備で製造可能とし
た加工性の優れた表面処理鋼板の製造方法を提供するも
のである。
従来技術の課題を有利に解決するものであって、その発
明の要旨とするところは、 (1)高速めっき・塗装ラインにおいて、めっき鋼板の
表面に第1層としてCr付着量5〜100mg/m2の
クロメート被膜もしくは付着量0.2〜2.0g/m2
のりん酸塩被膜の化成被膜、第2層としてビスフェノー
ル型骨格、エステル骨格およびカルボキシル基を有する
エーテル・エステル型ウレタン樹脂(a)とエポキシ樹
脂(b)の総和(a+b)が全固形分に対して50〜8
5重量%、(d)を10〜40重量%含有する水性潤滑
塗料を塗布・焼き付けて得られる潤滑膜厚0.3〜5μ
mとし、当該潤滑層中に潤滑剤を粒子濃度10〜30%
分散させ、当該潤滑層上に第3層としての表面潤滑層厚
み0.04〜1μm設けてなることを特徴とするプレス
加工特性の優れた表面処理鋼板の製造方法。 (2)(1)記載の方法において、塗装時の板温が40
℃から60℃の間に有ることを特徴とするプレス加工性
の優れた表面処理鋼板の製造方法にある。
する。図1は本発明に係るプレス加工性の優れた表面処
理鋼板の被膜構造を示す断面図である。すなわち、薄鋼
板1の上にめっき被膜2、クロメートもしくはりん酸塩
被膜の化成被膜3、潤滑被膜4および表面潤滑被覆層6
からなる被膜構造から成り、潤滑被膜4中に潤滑剤5が
分散した状態で存在する。この各被膜は用途に応じて両
面もしくは片面もしくは表裏の膜厚、被膜組成の異なる
構成をとることが可能である。また、例えば潤滑被膜は
樹脂+シリカ+ポリオレフィンワックス0.3〜5.0
μm、化成被膜Cr5〜100mg/m2もしくはりん
酸塩0.2〜2.0g/m2、めっきはZn,Zn合
金、Al,Al合金のめっき、めっき量5〜200g/
m2から成る。
ルミキルド鋼板、極低炭素鋼板、高張力鋼板に適用でき
る。
っきで得られる亜鉛、亜鉛合金めっき、および複層めっ
き鋼板、アルミニウム、アルミニウム合金めっきおよび
複層めっき鋼板である。
りん酸塩被膜を用いる。化成被膜はめっき面と潤滑被膜
の間に位置し、加工時の密着性、耐食性等を与える。ク
ロメートは3価クロム水和酸化物を主性分とする後水洗
型の電解還元クロメート、3価クロムと6価クロム水和
酸化物を主成分とする後水洗型のエッチングクロメート
液を塗布し乾燥する無水洗型の塗布クロメート被膜を採
用できる。付着量はCr換算で5〜100mg/m2で
ある。5mg/m2未満では耐食性が得られないので好
ましくない。100mg/m2超ではクロメート自身の
凝集破壊が生じ易く密着性が得られない。クロメート被
膜は3価クロム/6価クロム比率の高い水系潤滑塗料に
溶解しにくいものが望ましい。
ガン、カルシウム等のりん酸塩で構成されるものであ
る。付着量は、0.3〜2.0g/m2の範囲が耐食性
および密着性の理由で望ましい。0.3g/m2未満で
は耐食性が得られない。2.0g/m2ではりん酸塩被
膜の凝集破壊により、厳しい加工で密着性が得られな
い。
本発明に係る樹脂としては、ベース樹脂として適切な種
類の樹脂を一定重量比で配合させることにある。この樹
脂は、密着性、伸び、せん断強度、耐食性、耐摩耗性、
耐薬品性のバランスの取れた成分にする必要がある。こ
れらの性能を満足するためには、本発明の樹脂の組み合
わせ使用が好ましいのである。本発明者らは、既にウレ
タン樹脂とエポキシ樹脂を配合しかつ特定のポリオレフ
ィンワックスを配合することにより強度の加工性と耐食
性を得ることを達成していたが、さらに鋭意研究の結
果、ウレタン樹脂の構造を特定することにより、特に優
れた性能を発揮することを見いだした。
塗膜が均一でありかつ密着性が優れていることが前提で
あり、かつ強度と伸びのバランスが取れていることが重
要である。分子量の大きいウレタン樹脂と、エポキシ樹
脂とを併用することで、低分子量同士の樹脂の架橋によ
ってできた膜より基本的な物性を制御しやすく、かつ塗
膜量で0.3〜5μmの薄膜でも、均一物性が得られ易
いことを見いだした。なお、低分子量のウレタン樹脂と
は、各種イソシアネート系の架橋剤含む種類の者であ
る。樹脂として、分子量3000以上の耐摩耗性に優れ
たウレタン樹脂と密着性または膜強度の向上に優れたエ
ポキシ樹脂を配合した樹脂系の組み合わせが特に高加工
性と耐食性等の諸特性を発揮するのに適したベース樹脂
である。
0以上でビスフェノール型骨格とエステル骨格を有しか
つカルボキシル基を有する水分散性のエーテル・エステ
ル型ウレタン樹脂(a)で、エポキシ樹脂(b)は、グ
リコール骨格またはビスフェノール骨格を有するタイプ
であって、(a)のカルボキシル基の20〜100%を
反応させる比率で配合されたものである。本発明の高分
子ウレタン樹脂を使用することで薄膜での均一な成膜性
が得られ本発明の目的は達成されるが、より好ましくは
塗膜の伸びが100%以上でかつ抗張力が100kg/
cm2以上になる樹脂を適用すれば、最高の高加工性が
得られる。
エーテルポリオールとしては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ビスフェノールAなどの低分子グ
リコール類にエチレンオキサイドやプロピレンオキサイ
ドなどを付加したポリオール、ポリオキシテトラメチレ
ングリコールなどが挙げられるが、特にビスフェノール
A骨格を有するポリエーテルポリオールが好適である。
ポリエステルポリオールとしては、低分子グリコール類
と2塩基酸との脱水縮合反応によって得られるポリエス
テル類およびε−カプロラクタムなどのラクタム類を低
分子グリコールの存在下で開環重合したラクタムポリオ
ール類が挙げられる。
格を結合させるイソシアネート基としては、トリレジイ
ソシアネート、ジフェニルメタジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート
の単量体、2量体、3量体、およびそれらとポリエーテ
ルポリオールやポリエステルポリオールなどとの反応
物、およびそれらの水素添加誘導体である脂環族イソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートなどの脂環族、および脂肪族イソシ
アネートの単量体、2量体、3量体とポリエーテルポリ
オールやポリエステルポリオールなどとの反応物、およ
びそれらの混合物も使用できる。配合量は、使用するポ
リエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよび
後述するカルボキシル基導入成分の分子量との比率によ
るが、NCO換算でウレタン樹脂の5〜20重量%が、
樹脂物性として最適の加工特性を得られる。
能基であると共に金属表面との密着性に大きな寄与を発
揮する。カルボキシル基の導入成分としては、2個以上
のヒドロキシル基、またはアミノ基と1個以上のカルボ
キシル基を含む化合物であり、2,2−ジメチロールプ
ロピオン酢酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、
2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペン
タン酸などのジヒドロキシカルボン酸やリジン、アルギ
ニンなどのジアミノカルボン酸類が挙げられる。これら
から選ばれるカルボキシル基化合物は、前記ポリエステ
ルポリオールおよびポリエーテルポリオールとの組み合
わせでイソシアネート化合物で高分子化される。この方
法により、本発明で使用する分子量が3000以上のカ
ルボキシル基を有するエーテル・エステル型ウレタン樹
脂ができる。
しては、カルボキシル基をアンモニア、トリメチルアミ
ン等のアルカリで中和して自己乳化する方法、または乳
化材を用いてエマルジョン分散する方法が挙げられる。
作業環境対策としては、水系化以前のウレタン製造工程
中に含有する溶剤を回収して、最終的に無溶剤タイプの
水分散体を得ることが最も好ましい。カルボキシル基の
量は、ウレタン固形分当りの酸価で10〜50であるこ
とが適切である。10未満の場合、密着性が不十分で加
工性及び耐食性が劣る。50を超える場合、耐水性、耐
アルカリ性が劣るため耐食性が低下する。
ど)を有するエポキシ樹脂の配合量としては、好ましく
はウレタン樹脂のカルボキシル基の20〜100%が反
応する比率で配合するのが適切である。20%未満では
配合効果が乏しく、100%を超える量ではエポキシ樹
脂が可塑剤的役割となるため硬度の加工性が低下する。
なお、エポキシ樹脂は、耐薬品性、耐食性向上効果が大
きい。エポキシ樹脂にビスフェノールA型骨格を有する
構造物を用いると、密着性及び耐食性向上効果が特に大
きい。環境対策として無溶剤タイプ及び塗膜性能低下を
防ぐため無乳化剤タイプが必要であるときは、グリコー
ル骨格で親水性を付与することにより水溶性エポキシ樹
脂を得ることができる。
の配合量を決定する必要があり、その計算方法は、次の
通りである。ウレタン樹脂のカルボキシル基とエポキシ
樹脂のエポキシ基が当量で反応するとして、所定の酸価
(AV)を有するウレタン樹脂に対し、100%の反応
をするためのエポキシ樹脂の必要量を求めた式が(1)
である。
するため、密着性に寄与するカルボキシル基は反応相当
分なくなるが、エポキシ基の開環によりOH基が生ずる
ため密着性は確保される。また、エポキシ樹脂の配合に
より、耐食性も大きく向上する。分子量が3000未満
のウレタン樹脂と上記エポキシ樹脂の組み合わせでは、
安定して高加工性が達成されない。また、分子量300
0以上のウレタン樹脂単独の成膜では、高度の加工性及
び耐食性が得られない。
脂(a)とエポキシ樹脂(b)の合計重量は、全固形分
に対する固形分比で50〜85%が適切である。50%
未満の場合および85%を超える場合、耐食性と加工性
が不十分である。しかし、これらの樹脂系被膜のみでは
目的の加工性を達成することはできないため、潤滑添加
物の併用が必要となる。
化水素系,脂肪酸アミド系,エステル系,アルコール
系,金属石鹸系および無機系等の滑剤が挙げられる。加
工性向上のための潤滑添加物の選択基準としては、添加
した滑剤が成膜した樹脂膜に分散して存在するよりも樹
脂膜表面に存在するような物質を選択するのが、成型加
工物の表面と金型の摩擦を低減させ潤滑効果を最大限発
揮させる点から必要である。即ち、滑剤が成膜した樹脂
膜に分散して存在する場合、表面摩擦係数が高く樹脂膜
が破壊されやすく粉状物質が剥離堆積してパウダリング
現象と言われる外観不良および加工性低下を生じる。樹
脂膜表面に存在するような物質としては、樹脂に相溶せ
ずかつ表面エネルギーの小さいものが選ばれる。
ンワックスを使用すると、加工性が大きく向上し、加工
後の耐食性及び耐薬品性等の性能も良好にすることがわ
かった。このワックスとしては、パラフィン、マイクロ
クリスタリンまたはポリエチレン等の炭化水素系のワッ
クスが上げられる。加工時には、素材の変形熱と摩擦熱
によって被膜温度が上昇するため、ワックスの融点は7
0〜160℃が適切であり、70℃未満では加工時に軟
化溶融して固体潤滑添加物としての優れた特性が発揮さ
れない。また、160℃を超える融点のものは、硬い粒
子が表面に存在することとなり摩擦特性を低下させるの
で高度の成形加工性は得られない。
ン化価としては、30以下または0であり、かつ分岐構
造を有するものを使用することが好ましい。ケン化価が
30を超えるものは、極性が大きく樹脂に相溶しやすい
ため、成膜時に樹脂表面に存在しにくくなるため、高度
な加工性能レベルが必要な場合には適切とは言えない。
特に好ましいのは、樹脂との相溶性のより小さいエステ
ル結合を持たないケン化価が0のワックスである。
0μmが適切である。7.0μmを超えるものは、固体
化したワックスの分布が不均一となるため好ましくな
い。また、0.1μm未満の場合は、加工性が不十分で
ある。潤滑添加物の量は、潤滑性塗料の全固形分重量に
対して固形分比で3〜30%を添加する。3%未満の場
合、加工性向上効果が小さく、30%を超える量では、
加工性および耐食性が低下する。
めSiO2を全固形分に対して10〜40%を添加す
る。SiO2の添加により、耐食性の大幅な向上及び加
工性の向上効果がある。10%未満の場合耐食性及び加
工性の向上効果が小さく、40%を超える量では樹脂の
バインダー効果が小さくなり耐食性が低下すると共に樹
脂の伸びと強度が低下するため加工性が低下する。Si
O2の粒径については、3〜30μmが適切である。3
0μmを超える場合及び3μm未満の場合、より高度の
加工性及び耐食性が得られない。シリカの種類として
は、液相コロイダルシリカおよび気相シリカがあるが、
本発明では特に限定するものではない。また、溶接性の
向上のために導電性物または意匠性向上のため着色顔料
物を添加することもある。また、沈降防止剤、レベリン
グ剤、増粘剤など各種添加剤を添加し得る。
5.0μmである。最適な膜厚はプレスの形態によって
異なり、限定するのが難しいが、深絞りには膜厚が、L
曲げには薄膜が有利である。0.3μm未満では潤滑性
能が不安定である。5.0μm長ではコイルのブロッキ
ングやプレスかすが多量に発生し好ましくない。
過程を示す図である。塗装直後、40度以上の板温を確
保することで塗膜中の対流運動が発生、潤滑剤粒子が塗
膜表面に露出・固定され、その後炉内で焼き付けが行わ
れる。従って炉内の急速加熱処理により皮張りが生じて
もすでに被膜表面に潤滑剤が固定されているため、その
まま潤滑剤の融点以上の温度で焼き付けられることで被
膜表面で融解し潤滑剤の層を形成する。
滑被覆層厚みとの関係を示したものである。この図によ
れば塗装時の板温を40℃以上とすることで本発明の潤
滑被覆層厚さ0.04μmを確保できる。また、45℃
以上では潤滑被覆層厚さはほぼ飽和状態となり、それ以
上の膜厚を得ることはできない。また塗料の劣化、コー
ターロールの損耗等を抑制する上でも塗装時の板温は6
0℃以下が望ましい。
潤滑特性の関係を示す図である。この図に示すように、
本発明に係る製造条件において極めて良好な潤滑性能を
示していることがわかる。
の板温と加工特性の関係を示す図である。この図に示す
ように、本発明に係る製造条件において加工評点5とい
う極めて良好な加工性能を示している。
適用した実施例によって具体的に説明する。Cr付着量
40mg/m2の電解型クロメート処理を施した電気亜
鉛めっき鋼板にめっきラインの塗装焼き付け設備でライ
ンスピード100pmpにおいて、分子量5000のエ
ーテルエステルウレタン樹脂(ビスフェノールAエーテ
ル:酸化18、エーテル/エステル比30/70、イソ
シアネート含有率8)とエポキシ樹脂(エポキシ当量2
20)に平均粒径8nmのシリカゾルを25%、粒径
0.6μmのポリエチレンワックス(比重0.93、軟
化点115℃)13%を配合した潤滑塗料を塗布し、塗
装時の板温を(a)40℃、(b)50℃及び(c)6
0℃、焼き付け板温140℃、焼き付け時間4秒にて処
理した膜厚3μm、表層潤滑層厚みにして(a)0.0
5μm、(b)0.7μm及び(c)0.9μmの潤滑
鋼板を作成した。得られた潤滑鋼板の潤滑特性である摩
擦係数は(a)0.07、(b)及び(c)は0.05
という良好な潤滑特性を得た。また、加工性の評価はそ
れぞれ評点5と極めて良好な加工性能が得られた。
の潤滑層が樹脂と金型の直接接触を防ぎ、また被膜中に
分散した潤滑剤粒子が、深絞り加工のように被膜が激し
く変形するときにも潤滑剤を供給し良好な潤滑加工性を
保持することができ、かつ、加工による被膜の劣化が少
なく汎用性の優れたプレス加工特性に優れた表面処理鋼
板を製造することができる。これによって高温短時間で
の焼き付け処理が可能になり、しかもメッキライン内の
簡便な塗装焼き付け設備による高生産性並びに炉調の短
縮設備が可能になったことは工業上極めて有効である。
鋼板の被膜構造を示す断面図である。
図である。
潤滑被覆層厚みとの関係を示す図である。
特性との関係を示す図である。
特性との関係を示す図である。
示す概念図である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 高速めっき・塗装ラインにおいて、めっ
き鋼板の表面に第1層としてCr付着量5〜100mg
/m2のクロメート被膜もしくは付着量0.2〜2.0
g/m2のりん酸塩被膜の化成被膜、第2層としてビス
フェノール型骨格、エステル骨格およびカルボキシル基
を有するエーテル・エステル型ウレタン樹脂(a)とエ
ポキシ樹脂(b)の総和(a+b)が全固形分に対して
50〜85重量%、ポリオレフィンワックス(c)を1
0〜30重量%、粒径3〜30nmのシリカ(d)を1
0〜40重量%含有する水性潤滑塗料を塗布・焼き付け
て得られる潤滑膜厚0.3〜5μmとし、当該潤滑層中
に潤滑剤を粒子濃度10〜30%分散させ、当該潤滑層
上に第3層としての表面潤滑層厚み0.04〜1μm設
けてなることを特徴とするプレス加工特性の優れた表面
処理鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の製造方法において、塗装
時の板温が40℃から60℃の間に有ることを特徴とす
るプレス加工性の優れた表面処理鋼板の製造方法。
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---|---|---|---|
JP07120403A JP3113171B2 (ja) | 1995-04-24 | 1995-04-24 | プレス加工性の優れた表面処理鋼板の製造方法 |
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