JPH08288549A - 多波長発光半導体素子 - Google Patents

多波長発光半導体素子

Info

Publication number
JPH08288549A
JPH08288549A JP10915695A JP10915695A JPH08288549A JP H08288549 A JPH08288549 A JP H08288549A JP 10915695 A JP10915695 A JP 10915695A JP 10915695 A JP10915695 A JP 10915695A JP H08288549 A JPH08288549 A JP H08288549A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
light emitting
layer
active layer
wavelength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10915695A
Other languages
English (en)
Inventor
Aritame Tada
有為 多田
Hiroshi Imamoto
浩史 今本
Masashi Yanagase
雅司 柳ケ瀬
Toshiyuki Takahashi
敏幸 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
Priority to JP10915695A priority Critical patent/JPH08288549A/ja
Publication of JPH08288549A publication Critical patent/JPH08288549A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Led Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一つの光取出し口から複数の異なる色(多波
長)の光を得ることのできる多波長発光半導体素子を提
供する。 【構成】 GaAs基板1上に,GaInP活性層3,
AlGaInP上部クラッド層4およびAlx Ga1-x
As(x<0.3 )発光層6を順次エピタキシャル成長さ
せる。発光層6のエネルギ・バンド・ギャップは活性層
3のエネルギ・バンド・ギャップよりも小さい。電極11
と12との間に電流を流すと,活性層3からそのエネルギ
・バンド・ギャップに応じた波長の光が発生する。この
光の一部は上部クラッド層4,発光層6を通り,光取出
し口10から外に出射する。活性層3で発生した光が発光
層6を通ることによって,発光層6が光励起され,この
発光層6からそのエネルギ・バンド・ギャップに応じた
波長をもつ光が発生し,この光もまた光取出し口10から
外部に出射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は多波長発光半導体素子に関す
る。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来の半導体発光素子は波長
幅が狭く単色光で発光するものである。このような単色
発光素子を光学検知装置に利用しようとすると,検知感
度が被検知物体の表面の色によって左右される。
【0003】複数の異なる波長で発光する多波長発光の
半導体発光装置を実現しようとすると,異なる波長をも
つ単色光発光の半導体発光素子を複数個アレイ状に配列
しなければならない。このような多波長発光半導体発光
装置では,発光部が隣接して位置し,異なる場所から異
なる波長の光が出力される。
【0004】したがって,上記の多波長発光半導体発光
装置は画像,図形,文字等のカラー表示のために表示装
置の構成要素として利用することは可能であるが,光フ
ァイバに光結合させることは不可能か,または相当の困
難を伴う。
【0005】また,発光させるべき色の数の発光部が必
要であり,これらの発光部が横に並べて配列されるか
ら,発光装置の寸法が大きくなるという問題がある。
【0006】
【発明の開示】この発明は,一つの光出射部から複数の
異なる色(多波長)の光を出力する半導体発光素子を提
供することを目的とする。
【0007】この発明は,半導体基板上に活性層を形成
し,両面に設けた電極に電流を流すことにより活性層を
励起する半導体発光素子において,一面に設けられた光
取出し口と活性層との間に,活性層よりも小さいエネル
ギ・バンド・ギャップを有し,活性層で発生し光取出し
口に向う光によって励起されて自然放出光を発生する発
光層が設けられていることを特徴とする。
【0008】活性層は電流によって励起され,光を発生
する。活性層で発生した光の一部は光取出し口に向い,
光取出し口から外部に出射する。活性層から光取出し口
に進む光によって発光層が主に光励起され,発光層から
波長の長い光が発生する。この光もまた,光取出し口か
ら出射する。このようにして,一つの光取出し口から少
なくとも2種類の波長をもつ光が出射されることにな
る。
【0009】この発明の一実施態様においては,上記発
光層が,活性層から光取出し口に向ってエネルギ・バン
ド・ギャップが小さくなるように複数層設けられる。こ
れによって各発光層で生じる自然放出光の波長が異な
る。したがって,3種類以上の異なる波長の光を一つの
光取出し口から得ることができる。
【0010】この発明の他の実施態様では上記発光層を
挟むバリア層が設けられる。バリア層によって電子の閉
じ込め効果が高まり,発光効率が向上する。
【0011】この発明のさらに他の実施態様では,複数
の発光層が設けられ,これらの発光層は量子効果による
多波長化を実現できるように,上記活性層から光取出し
口に向って層厚が順次厚くなるように形成されている。
複数の発光層の組成を同じにしても,少なくとも3つの
異なる波長の出射光を得ることができる。
【0012】この発明のさらに他の実施態様において
は,上記活性層と光取出し口との間に電流狭窄構造が設
けられる。光取出し口の真下に電流を集中して流すよう
な電流狭窄構造を,活性層と光取出し口の間に作り込む
ことによって,発光効率を高めることができる。この電
流狭窄構造は,イオン打込み法,または拡散法によって
作ることができる。
【0013】この発明のさらに他の実施態様において
は,活性層または発光層で発生した光のうち,上記基板
側へ放射される光を上記光取出し口へ反射する反射層が
設けられている。活性層から光取出し口と反対側へ出射
した光を反射させて光取出し口から光を外部へ取出すこ
とができ,発光効率を向上させることができる。
【0014】この発明のさらに他の実施態様において
は,複数の反射層が設けられ,これらの反射層は活性層
から基板側に向う方向に,波長の短い順に光を反射する
ように構成されている。これによって,発生した複数の
波長の光をすべて反射させることができるとともに,短
波長の光の吸収を小さく抑えることができる。
【0015】これらの反射層は多層反射膜により実現で
きる。
【0016】この発明による多波長発光半導体素子は,
一つの半導体ウエハ上で複数個を同時に製造できるの
で,製造プロセスが容易であり,安価に提供できるよう
になる。
【0017】この発明の多波長発光半導体素子は,微小
発光径とすることが可能で,光出力も大きくすることが
できるので,光学検知装置,光学的情報処理装置,光フ
ァイバ・モジュール等に用いることにより,分解能等の
光学的性能の良好な各種光学装置を製作することができ
る。特に光学検知装置において,この発明の半導体発光
素子は,多波長光であるので,検知物体の色に左右され
ることなく安定した検知を可能とする。
【0018】
【実施例】
第1実施例 図1(A) は第1実施例の多波長発光半導体素子の構造を
模式的に示している。同図(B) はそのエネルギ・バンド
・ギャップを示すものである。
【0019】この多波長発光半導体素子は,MBE法や
MOCVD法などを用いて,GaAs基板1上に,Ga
InP活性層3,AlGaInP上部クラッド層4およ
びAlx Ga1-x As(x<0.3 )発光層6を順次エピ
タキシャル成長させることにより積層させた構造をも
つ。発光層6の上面にp側電極12を,基板1の下面にn
側電極11を形成する。p側電極12には一つの光取出し口
10があけられる。必要ならば,基板1と活性層3との間
に下部クラッド層2および多層反射膜80を設ける。
【0020】発光層6のエネルギ・バンド・ギャップは
活性層3のエネルギ・バンド・ギャップよりも小さい。
【0021】電極11と12との間に電流を流すと,活性層
3からそのエネルギ・バンド・ギャップに応じた波長の
光が発生する。この光の一部は上部クラッド層4,発光
層6を通り,光取出し口10から外に出射する。
【0022】活性層3で発生した光が活性層3よりも光
取出し口10に近い発光層6を通ることによって,発光層
6が光励起され,この発光層6からそのエネルギ・バン
ド・ギャップに応じた波長をもつ光が発生し,この光も
また光取出し口10から外部に出射する。
【0023】発光層6のエネルギ・バンド・ギャップは
活性層3のそれよりも小さいから,発光層6で発生する
光の波長は活性層で発生する光の波長よりも長い。この
ようにして,一つの光取出し口10から2つの異なる波長
(色)をもつ光が出射することになる。
【0024】活性層3で発生した光の一部は基板1に向
い,吸収される。鎖線80で示すように,基板1(活性層
3の光取出し口10とは反対側)に多層反射膜を設けるこ
とにより,電流励起により活性層3で発光した光のうち
光取出し口10とは反対側に向う光をこの多層反射膜で反
射させ,光取出し口10から取出すことができるので,発
光効率を高めることができる。発光層6を通る光の量が
増大するので,発光層6において光励起によって発生す
る波長の長い光の量も増大する。
【0025】多層反射膜80は屈折率の異なる2つの層を
一単位層として,この単位層を10〜30層積層することに
より構成される。これらの屈折率の異なる2つの層の屈
折率をそれぞれn1 ,n2 とし,それらの膜厚をそれぞ
れdo1,do2,活性層3の発光波長をλo とすると,こ
れらは次式によって関係づけられる。
【0026】
【数1】do1=λo /(4n1 ) …式1 do2=λo /(4n2 ) …式2
【0027】第2実施例 図2は第2実施例による多波長発光半導体素子を示すも
のであり,(A) はその構造を模式的に示す断面図であ
り,(B) はエネルギ・バンド・ギャップを示す。図1に
示すものと同一物には同一符号を付し,重複説明を避け
る。このことは,図3および図4においても同じであ
る。
【0028】活性層3の光取出し口10側に,複数の発光
層61,62,63が形成されている。これらの発光層61,6
2,63のエネルギ準位は,図2(B) に示されているよう
に,光取出し口10に向って階段状に順次低くなってい
る。発光層61〜63はエピタキシャル成長により積層する
ことができる。発光層61,62,63の組成は,第1実施例
に関して上述した組成を前提とすると,たとえばAlx
Ga1-x As(x<0.3 ),Aly Ga1-y As(y<
x),Alz Ga1-z As(z<y)である。
【0029】発光層61〜63が複数層設けられ,それらの
エネルギ・バンド・ギャップが光取出し口10に向って順
次小さくなる構造となっているから(もちろん,最も大
きいエネルギ・バンド・ギャップをもつ発光層61のエネ
ルギ・バンド・ギャップは活性層3のそれよりも小さ
い),活性層3で発生した光により,発光層61,62,63
が活性層3側から光取出し口10に向って順々に光励起さ
れ,しかも活性層3側に存在する発光層で発光した光に
よっても光取出し口10側に存在する発光層が光励起され
るので,異なる複数の波長の光を効率よく発光させるこ
とができる。図2に示す構造では,4種類の異なる波長
の光(4色の光)が光取出し口10から同時に出射するこ
とになる。
【0030】第3実施例 図3は第3実施例による多波長発光半導体素子を示すも
のであり,(A) はその構造を模式的に示す断面図であ
り,(B) はエネルギ・バンド・ギャップを示している。
【0031】活性層3の光取出し口側において,光取出
し口10に向ってエネルギ・バンド・ギャップが順次小さ
くなるように複数の発光層61,62,63が順次積層され,
かつこれらの発光層61と62,62と63の間にバリア層7が
設けられている。バリア層7の存在によって,各発光層
61,62,63における電子閉じ込め効率が高まり,発光効
率が向上している。バリア層7はたとえばAlx Ga
1-x As(x=0.5 )の組成をもつ。
【0032】活性層3の光取出し口とは反対側に,活性
層3で発光した光(波長λo )のための多層反射膜80,
発光層61,62,63でそれぞれ発光した光(それぞれ波長
λ1,λ2 ,λ3 )のための多層反射膜81,82,83が設
けられている。上述したように,各多層反射膜80,81,
82,83はそれぞれ,屈折率が異なる2層を一単位として
(各層の屈折率はn1 ,n2 ),これらの単位層が10〜
30層積層されてなるものである。多層反射膜81の単位層
を構成する2つの層の膜厚をd11,d12,多層反射膜82
の2つの層の膜厚をd21,d22,多層反射膜83の2つの
層の膜厚をd31,d32とすると,次の関係式が成立つ。
【0033】
【数2】d11=λ1 /(4n1 ) …式3 d12=λ1 /(4n2 ) …式4 d21=λ2 /(4n1 ) …式5 d22=λ2 /(4n2 ) …式6 d31=λ3 /(4n1 ) …式7 d32=λ3 /(4n2 ) …式8
【0034】一般的には次のように表わされる(m=
0,1,2,3,…)。
【0035】
【数3】dm1=λm /(4n1 ) …式9 dm2=λm /(4n2 ) …式10
【0036】このように,活性層3および発光層61,6
2,63で発光するすべての波長の光を反射させる多層反
射膜80,81,82,83を設けることにより,光取出し口10
と反対側に向う光をこれらの多層反射膜で反射させ,光
取出し口10から外部に取出すことができるので,発光効
率が向上する。また,多層反射膜80〜83を,活性層3に
近いものほど短い波長の光の反射に適したものとなるよ
うに配列することにより,短い波長の光の減衰を防ぐこ
とができる。
【0037】このような多層反射膜80〜83を,図2に示
す第2実施例の構造にも適用できるのはいうまでもな
い。
【0038】第4実施例 図4は第4実施例による多波長発光半導体素子を示すも
のであり,(A) はその構造を模式的に示す断面図,(B)
はエネルギ・バンド・ギャップを示している。
【0039】図3に示す第3実施例と異なる点は,複数
の発光層61,62,63の層厚を光取出し口10に向って順次
厚くする(活性層3に向って順次薄くする)ことによ
り,量子効果による多波長化を図った点である。発光層
の層厚を変えることにより,たとえ発光層の組成が同じ
でも,量子効果により発光波長が変わり,層厚が厚いも
のほど発光波長が長くなる。第4の実施例においては,
発光層61〜63の組成は同じでもよい。
【0040】各発光層61,62,63がバリア層7に挟ま
れ,電子を閉じ込める構造となっているのは第3実施例
と同じである。多層反射膜は図示されていないが,第3
実施例と同じように多層反射膜80,81〜83を設けてもよ
いのはいうまでもない。
【0041】上記実施例ではGaAsを基板とするAl
GaAs系およびAlGaInP系の組成について述べ
たが,この発明は他の組成の混晶半導体にも適用できる
のはいうまでもない。
【0042】上述した実施例において,p側電極および
n側電極を形成したのち,光取出し口から発光層の選択
エッチングを行い,発光層の厚さを変える,または複数
ある発光層の最外層のものを除去する等をすることによ
り,発光強度や発光波長を調整することができる。この
操作により,一つのウエハから作製した複数個の多波長
発光素子を用いて,製造の最終段階で異なる発光強度,
発光波長のものを得ることができる。このことは,次に
示す実施例においても同じである。
【0043】第5実施例 図5は第5実施例を示すもので,多波長発光半導体素子
の構造を模式的に示す断面図である。
【0044】この半導体発光素子の構造をその製造工程
に沿って説明する。まず,MBE法やMOCVD法など
を用いることにより,n−GaAs基板21の上にn−A
lGaInP下部クラッド層22,p−GaInP活性層
23,p−AlGaInP第1上部クラッド層24,p−A
lGaAs第2上部クラッド層25およびp−GaAs発
光層26を順次エピタキシャル成長させて半導体チップを
形成する。
【0045】次に発光層26の上面の光取出し口30を形成
しようとする領域をレジスト皮膜によって覆い,このレ
ジスト皮膜をマスクとして半導体チップにn型イオンを
打込む。イオンの打込みは,第2上部クラッド層25内に
イオン打込み領域27の上端および下端がくるようにす
る。これによって,第2上部クラッド層25内にn型の反
転層(イオン打込み領域)27が形成され,第2上部クラ
ッド層25の反転層27が形成されていない部分が電流通路
領域28となる。
【0046】この後,上述したレジスト皮膜を除去し,
発光層26の上面に光取出し口30の開口パターンと一致す
るようにレジスト皮膜を新たに形成し,その上から金属
を蒸発させ,レジストをリフトオフしてp側電極32を形
成する。また,GaAs基板21の下面にはn側電極31を
形成する。
【0047】p側電極32とn側電極31との間に電圧を印
加すると,反転層27の下面と第2上部クラッド層25との
間のpn接合が逆バイアスになるので,p側電極32から
注入された電流は反転層27に囲まれた電流通路領域28に
のみ流れる。活性層23の電流通路領域28と対応する領域
のみに電流が注入されて発光する。活性層23で発光した
光は,発光層26を励起し,発光層26で生じた自然放出光
の光とともに光取出し口30から外部へ出射する。すなわ
ち,電流狭窄構造の半導体発光素子が構成されており,
活性層が効率よく発光し,さらには発光層の発光の効率
化につながる。
【0048】発光層の組成はGaAsとなっているが,
これに限定されないのはいうまでもない。
【0049】第6実施例 図6は第6実施例による半導体発光素子の構造を模式的
に示す断面図である。
【0050】この半導体発光素子は,まず,MBE法や
MOCVD法などを用いることにより,n−GaAs基
板41上の上に,後述する発光層46の発光波長λ1 の1/
(4n1 )および1/(4n2 )(n1 ,n2 は2つの
層の屈折率)の厚さでAl0.1 Ga0.9 As層およびA
lAs層を交互に30ペア積層して多層反射膜層81を形成
し,次に,活性層43の発光波長λo の1/(4n1 )お
よび1/(4n2 )の厚さでAl0.1 Ga0.9 As層お
よびAlAs層を交互に30ペア積層して多層反射膜層80
を形成する。
【0051】さらにその上に1μm厚のn−Al0.45
0.55As下部クラッド層42,1μm厚のp−Al0.03
Ga0.97As活性層43,0.5 μm厚のp−Al0.45Ga
0.55As上部クラッド層44,n−AlGaAs電流ブロ
ック層45,0.2 μm厚のp−GaAs発光層46を順次エ
ピタキシャル成長させる。
【0052】この後,発光層46の上面の光取出し口50と
なる領域にZnを拡散させ,発光層46の上面から電流ブ
ロック層45を貫通させて電流ブロック層45と上部クラッ
ド層44との界面より下までp型の電流通路領域47を形成
する。
【0053】最後に,発光層46上面に光取出し口31の開
口のパターンと一致するようにレジスト皮膜を新たに形
成し,その上から金属を蒸着させ,レジストをリフトオ
フしてp側電極52を形成する。また,GaAs基板41の
下面にはn側電極51を形成する。
【0054】p側電極52とn側電極51との間に電圧を印
加すると,電流ブロック層45の下面と上部クラッド層44
との間のpn接合が逆バイアスになるので,電流ブロッ
ク層45の領域には電流が流れない。これに対して,電流
通路領域(拡散領域)47では電流ブロック層45の導電型
がp型に反転しているので,p型電極52から注入された
電流は電流通路領域47のみに流れ,活性層43の電流通路
領域47に対応する領域にのみ電流が注入されて発光す
る。活性層43で発光した光は発光層46を光励起し,発光
層46の自然放出光の光とともに光取出し口50から外部へ
出射する。
【0055】上記の例では30ペアからなるAlGaAs
層/AlAs層により構成されているが,多層反射膜の
組成やペア数は特に限定されるものではない。
【0056】この実施例の多層反射膜80,81のピーク反
射率は,それぞれ活性層43の発光波長λo ,発光層46の
発光波長λ1 となっているので,活性層および発光層で
発光した光のうち,基板41方向へ進んだ光を光取出し口
50へと反射させ,発光効率を上げることができる。
【0057】応用例 上述した種々の構造をもつ多波長発光半導体素子は,多
波長であるとともに,微小発光径を有し(光取出し口が
一つである),さらに必要に応じて光出力を高めること
ができるので,多くの光学装置,光検知装置,光情報処
理装置,光ファイバ・モジュール等に応用することがで
きる。
【0058】図7は多波長発光半導体素子の応用例の一
つとしての光ファイバ・モジュールを示している。
【0059】この光ファイバ・モジュールは,光ファイ
バ91と,多波長発光半導体素子90と,この発光素子90の
射出光を集光して光ファイバ91の入射端面に導く集束用
光学系とから構成されている。集束用光学系は,球レン
ズ92と,この球レンズ92を発光素子90に固定する樹脂93
とから構成され,発光素子90の出射光を効率よく光ファ
イバ91に導く。
【0060】光ファイバ・モジュールにおいて,発光素
子と光ファイバとの結合効率は発光素子の発光径に強く
依存している。発光素子の発光径が小さければ小さいほ
ど結合効率は高くなる。多波長発光半導体素子は,上述
したように,多波長であっても発光径を小さくすること
ができるので,高い結合効率を得ることができる。ま
た,多波長の光を光ファイバに導入することができるの
で,この光ファイバ・モジュールはファイバ・センサの
構成要素として用いることができる。
【0061】図8は多波長発光半導体素子を備えた反射
型光センサを示している。
【0062】この反射型光センサ100 は投光部101 と受
光部111 とを備えている。投光部101 は,2波長の光を
発光する半導体発光素子102 と,この発光素子102 の出
射光を集光またはコリメートして投射する投光レンズ10
3 とを備え,異なる2つの波長(帯)をもつ光を,光セ
ンサ100 から離れて配置された反射体120 に向けて投射
する。
【0063】反射体120 は光センサ100 の投光部101 か
ら投光される2波長の光のうちの一方の波長(第1の波
長という)の光を吸収するフィルタ121 を備えている。
したがって,反射体120 は2波長の投射光のうちの他方
の波長(第2の波長という)の光のみを反射する。
【0064】受光部111 は,投光部101 からの投射光の
うち反射体120 または被検出物122からの反射光を集光
する受光レンズ114 ,受光レンズ114 の集光光路途上に
設けられ,上記投射光に含まれる2つの波長の光をそれ
ぞれ分離するダイクロイック・ミラー115 ,ダイクロイ
ック・ミラー115 で波長分離された2つの波長の光のそ
れぞれを受光する受光素子112 ,113 ,およびこれらの
受光素子112 ,113 の受光信号のレベルを比較し,比較
結果を出力する比較回路116 を備えている。
【0065】光センサ100 と反射体120 との間に被検出
物122 が存在しない場合には,投射光は反射体120 で反
射して受光部111 に受光される。反射体120 からは第2
の波長の光のみが反射されるから,受光素子112 ,113
のうち第2の波長の光が入射する受光素子のみから受光
信号が発生する。
【0066】光センサ100 と反射体120 との間に被検出
物122 が存在する場合には,投射光に含まれる2つの波
長の光のいずれもが反射されて受光部111 に入射する
(被検出物122 の表面の色に応じて2波長の光の反射率
が異なることはあるが,2波長の反射光が得られる)。
したがって,受光素子112 ,113 の両方から受光信号が
発生する。
【0067】このようにして,受光素子112 と113 の受
光信号のレベルを比較することにより,被検出物122 の
存在の有無が検知される。
【0068】したがって,被検出物122 が鏡面を持つ場
合,白紙のような高反射率のものであっても,被検出物
122 が光センサ100 の近くにある場合であっても,被検
出物の存在の有無を判定できる。また,被検出物の有無
の判定は2波長の反射光の比較に基づいて行なわれるの
で,光センサ100 と反射体120 との間の距離を長くとる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示すもので,(A) は多波長発光半
導体素子の構成を模式的に示す断面図,(B) はそのエネ
ルギ・バンド・ギャップを示す。
【図2】第2実施例を示すもので,(A) は多波長発光半
導体素子の構成を模式的に示す断面図,(B) はそのエネ
ルギ・バンド・ギャップを示す。
【図3】第3実施例を示すもので,(A) は多波長発光半
導体素子の構成を模式的に示す断面図,(B) はそのエネ
ルギ・バンド・ギャップを示す。
【図4】第4実施例を示すもので,(A) は多波長発光半
導体素子の構成を模式的に示す断面図,(B) はそのエネ
ルギ・バンド・ギャップを示す。
【図5】第5実施例を示すもので,多波長発光半導体素
子の構成を模式的に示す断面図である。
【図6】第6実施例を示すもので,多波長発光半導体素
子の構成を模式的に示す断面図である。
【図7】応用例を示し,光ファイバ・モジュールの構成
を示す。
【図8】応用例を示し,反射型光センサの構成を示す。
【符号の説明】
1,21,41 半導体基板 3,23,43 活性層 6,61,62,63,26,46 発光層 7 バリア層 10,30,50 光取出し口 28,47 電流通路 80,81,82,83 多層反射膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 敏幸 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に活性層を形成し,両面に
    設けた電極に電流を流すことにより活性層を励起する半
    導体発光素子において,一面に設けられた光取出し口と
    活性層との間に,活性層よりも小さいエネルギ・バンド
    ・ギャップを有し,活性層で発生し光取出し口に向う光
    によって励起されて自然放出光を発生する発光層が設け
    られていることを特徴とする多波長発光半導体素子。
  2. 【請求項2】 上記発光層が,活性層から光取出し口に
    向ってエネルギ・バンド・ギャップが小さくなるように
    複数層設けられ,各発光層の発光波長が異なることを特
    徴とする,請求項1に記載の多波長発光半導体素子。
  3. 【請求項3】 複数の発光層が設けられ,これらの発光
    層は量子効果による多波長化を実現できるように,上記
    活性層から光取出し口に向って層厚が順次厚くなるよう
    に形成されていることを特徴とする,請求項1に記載の
    多波長発光半導体素子。
  4. 【請求項4】 上記発光層を挟むバリア層が設けられて
    いることを特徴とする,請求項1から3のうちのいずれ
    か一項に記載の多波長発光半導体素子。
  5. 【請求項5】 上記活性層と光取出し口との間に電流狭
    窄構造が設けられていることを特徴とする,請求項1か
    ら4のいずれか一項に記載の多波長発光半導体素子。
  6. 【請求項6】 上記活性層または上記発光層で発生した
    光のうち,上記基板側へ放射される光を上記光取出し口
    へ反射する反射層が設けられていることを特徴とする,
    請求項1から5のいずれか一項に記載の多波長発光半導
    体素子。
  7. 【請求項7】 複数の反射層が設けられ,これらの反射
    層は上記活性層から基板側に向う方向に,波長の短い順
    に光を反射するように構成されていることを特徴とす
    る,請求項6に記載の多波長発光半導体素子。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか一項に記載の
    多波長発光半導体素子と,この半導体素子から出射され
    る光が導入される光ファイバとを備えた光ファイバ・モ
    ジュール。
  9. 【請求項9】 光を投射する投光部と,投光部によって
    投射された光の少なくとも一部を受光する受光部とを備
    えた光学式センサにおいて,上記投光部の光源として請
    求項1から7のいずれか一項に記載の多波長発光半導体
    素子が用いられている光学式センサ。
JP10915695A 1995-04-11 1995-04-11 多波長発光半導体素子 Pending JPH08288549A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10915695A JPH08288549A (ja) 1995-04-11 1995-04-11 多波長発光半導体素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10915695A JPH08288549A (ja) 1995-04-11 1995-04-11 多波長発光半導体素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08288549A true JPH08288549A (ja) 1996-11-01

Family

ID=14503065

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10915695A Pending JPH08288549A (ja) 1995-04-11 1995-04-11 多波長発光半導体素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08288549A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1132977A3 (en) * 2000-03-10 2003-05-07 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor light emitting device and method for manufacturing same
JP2005268775A (ja) * 2004-02-19 2005-09-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体発光素子及びその製造方法
JP2008227553A (ja) * 2004-02-19 2008-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体発光素子及びその製造方法
EP2036135A1 (en) * 2006-06-12 2009-03-18 3M Innovative Properties Company Led device with re-emitting semiconductor construction and converging optical element
JP2011159672A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Oki Data Corp 半導体発光装置および画像表示装置
JP2011159671A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Oki Data Corp 半導体発光装置および画像表示装置
US12002840B2 (en) 2019-07-30 2024-06-04 Canon Kabushiki Kaisha Light emitting element and manufacturing method of light emitting element

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6576933B2 (en) 2000-03-10 2003-06-10 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor light emitting device and method for manufacturing same
US6815725B2 (en) 2000-03-10 2004-11-09 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor light emitting device having a fluorescent material emitting light of a secondary wavelength
US7141445B2 (en) 2000-03-10 2006-11-28 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor light emitting device and method for manufacturing same
EP1132977A3 (en) * 2000-03-10 2003-05-07 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor light emitting device and method for manufacturing same
US7569863B2 (en) 2004-02-19 2009-08-04 Panasonic Corporation Semiconductor light emitting device
JP2005268775A (ja) * 2004-02-19 2005-09-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体発光素子及びその製造方法
JP2008227553A (ja) * 2004-02-19 2008-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体発光素子及びその製造方法
EP2036135A1 (en) * 2006-06-12 2009-03-18 3M Innovative Properties Company Led device with re-emitting semiconductor construction and converging optical element
JP2009540618A (ja) * 2006-06-12 2009-11-19 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 再発光半導体構造体及び集束性光学素子を有するledデバイス
EP2036135A4 (en) * 2006-06-12 2013-11-13 3M Innovative Properties Co LED ARRANGEMENT WITH REASSEMBLING SEMICONDUCTOR CONSTRUCTION AND CONVERGING OPTICAL ELEMENT
JP2011159672A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Oki Data Corp 半導体発光装置および画像表示装置
JP2011159671A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Oki Data Corp 半導体発光装置および画像表示装置
US12002840B2 (en) 2019-07-30 2024-06-04 Canon Kabushiki Kaisha Light emitting element and manufacturing method of light emitting element

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9105764B2 (en) Light emitting device and projector
US9690178B2 (en) Light emitting device and projector
US9285665B2 (en) Semiconductor light-emitting device, super luminescent diode, and projector
JP2874442B2 (ja) 面入出力光電融合素子
US9653641B2 (en) Light emitting device and projector
EP2757597B1 (en) Light emitting device, super luminescent diode, and projector
JP4077137B2 (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
KR20100086425A (ko) 반도체 레이저 소자 및 반도체 레이저 장치
JPH08288549A (ja) 多波長発光半導体素子
JP3242192B2 (ja) 半導体レーザ素子
KR100445206B1 (ko) 하이브리드미러들을갖는수직공동표면발광레이저
JP3152812B2 (ja) 半導体発光装置
US10115866B2 (en) Light emitting device and projector
JPH0832111A (ja) 半導体発光素子並びに当該半導体発光素子を利用した発光装置、光学検知装置、光学情報処理装置及び光結合装置
JPH07226535A (ja) 半導体発光素子、光学検知装置、光学的情報検知装置、投光器及び光ファイバーモジュール
JPH0738151A (ja) 光半導体装置
US20070030869A1 (en) Semiconductor laser device and method of manufacturing the same
JP2001028457A (ja) GaN系半導体発光素子
JPH0385774A (ja) 半導体発光素子
JPH1022524A (ja) 半導体発光素子
JP5304540B2 (ja) 発光装置およびプロジェクター
JPH05259508A (ja) 発光素子
JPS6077473A (ja) 半導体発光素子およびその製造方法
JP4162700B2 (ja) 半導体発光素子
JPH03105991A (ja) 半導体レーザ装置