JPH08288521A - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置の作製方法

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JPH08288521A
JPH08288521A JP10998695A JP10998695A JPH08288521A JP H08288521 A JPH08288521 A JP H08288521A JP 10998695 A JP10998695 A JP 10998695A JP 10998695 A JP10998695 A JP 10998695A JP H08288521 A JPH08288521 A JP H08288521A
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film
silicon
silicon film
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atoms
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JP10998695A
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Koichiro Tanaka
幸一郎 田中
Hideto Onuma
英人 大沼
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄膜トランジスタのしきい値を容易に制御で
きる方法を提供する。 【構成】 シリコンの結晶化を促進させる金属元素によ
って結晶化され、さらにシリコンに一導電型を付与する
不純物を所定の濃度で含ませたシリコン膜に対して、レ
ーザー光または強光を照射する。この際、不純物を添加
しない状態でレーザー光または強光を照射した場合のシ
リコン膜中のスピンデンシティーが1×1014〜3×1
17/cm3 であって、かつ水素の濃度が0.0001
〜3atm%である膜を出発膜として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本明細書で開示する発明は、絶縁
ゲイト型半導体素子のしきい値電圧を制御する技術に関
する。絶縁ゲイト型半導体素子としては、結晶性シリコ
ン膜を用いた薄膜トランジスタの例を挙げることができ
る。
【0002】
【従来の技術】最近、絶縁基板上に、薄膜状の活性層
(活性領域ともいう)を有する絶縁ゲイト型の半導体装
置の研究がなされている。特に、薄膜状の半導体を用い
た薄膜トランジスタ(TFT)が熱心に研究されてい
る。これらは、利用する半導体の材料・結晶状態によっ
て、アモルファスシリコンTFTや結晶性シリコンTF
Tというように区別されている。結晶性シリコンとは言
っても、単結晶ではない非単結晶のものである。したが
って、これらはまとめて非単結晶シリコンTFTと総称
される。
【0003】一般にアモルファス状態の半導体の電界移
動度は小さく、したがって、高速動作が要求されるTF
Tには利用できない。また、アモルファスシリコンで
は、P型の電界移動度は著しく小さいので、Pチャネル
型のTFT(PMOSのTFT)を作製することが出来
ず、したがって、Nチャネル型TFT(NMOSのTF
T)と組み合わせて、相補型のMOS回路(CMOS)
を形成することができない。
【0004】一方、結晶性半導体は、アモルファス半導
体よりも電界移動度が大きく、したがって、高速動作が
可能である。また結晶性シリコンでは、NMOSのTF
Tだけでなく、PMOSのTFTも同様の特性を有する
ものとして得られるのでCMOS回路を形成することが
可能である。
【0005】非単結晶の結晶性シリコン膜は、気相成長
法によって得られたアモルファスシリコン膜を長時間適
切な温度(通常は600℃以上)で熱アニールするか、
レーザー等の強光を照射すること(光アニール)によっ
て得ることができる。
【0006】熱アニールによる方法に関しては、特開平
6ー244104に記述されるように、ニッケル、鉄、
コバルト、白金、パラジュウム等の金属元素(シリコン
の結晶化を助長する金属元素)を利用する方法が知られ
ている。この方法を利用すると、通常の場合よりも低温
・短時間の熱アニールにより結晶性シリコン膜を得るこ
とができる。
【0007】同様な技術は、他に、特開平6ー3187
01、同6ー333951等に開示されている。なお、
このようなシリコンの結晶化を促進する金属元素を有す
るシリコン膜においては、その後にイオンドーピング法
等の手段によってN型やP型の不純物イオンを照射した
り注入することによるソース・ドレイン等の不純物領域
を形成した後の不純物元素の活性化も、従来に比較して
低温の熱アニールによって行うことができる(特開平6
ー267980、同6ー267989)。
【0008】導入される金属元素の濃度は1×1015
1×1019原子/cm3 の範囲とすることが望ましい。
これは、この濃度範囲以下では、シリコンの結晶化が促
進されず。また、この範囲を越える高濃度ではシリコン
半導体の電気的な特性に金属としての特性が現れてしま
うからである。
【0009】なお、本明細書に記載のこれらシリコンの
結晶化を促進する金属元素の濃度はSIMS(2次イオ
ン分析方法)によって得られた値として定義される。一
般に導入された金属元素は膜中において濃度分布を示す
が、上記の値はシリコン膜における濃度分布の最低値と
して定義される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記シ
リコンの結晶化を促進する金属元素を含む結晶性シリコ
ンを用いて作製された半導体装置においては、しきい値
電圧がシフトするものが多く観察される。それらのうち
の大抵は、負の方向にシフトするものであったが、正方
向にシフトするものもあった。また、ゲイト絶縁膜とし
て、テトラ・エトキシ・シラン(TEOS、化学式Si
(OC25 ))を用いてプラズマCVD法等の気相成
長法によって成膜された被膜を用いたものでは、ほとん
どが負方向にシフトした。
【0011】このような現象は、シリコン膜とゲイト絶
縁膜の間に存在する欠陥やゲイト絶縁膜中の不純物(炭
素、窒素等)や局在中心等に由来するものと推定され
る。従来の半導体集積回路技術においては、半導体中に
極めて微量のN型もしくはP型の不純物をドーピングす
る事により、そのしきい値電圧を制御することが知られ
ていた。従って、シリコンの結晶化を助長する金属元素
を利用して得られた結晶性シリコンを用いた半導体装置
においても同様な技術を適用することが可能であると考
えられて、試みられて来たが、ほとんど改善されること
はなかった。
【0012】従来の半導体集積回路技術においては、必
要とする量のN型もしくはP型の不純物を含むイオンを
加速して、半導体に注入し、その後熱アニール(500
℃以上、通常は、1000℃程度)によって結晶性を回
復させると共に注入された不純物の活性化を行ってい
す。しかしながら、同様な方法を当該金属元素を利用す
ることによって得られた結晶性シリコン膜に適用する
と、不純物濃度が1×1018原子/cm3 以下では全くし
きい値が変動せず、しかも1×1018原子/cm3 以上で
はしきい値が急激に変化してしまう。このような急激な
しきい値の変化は、しきい値をイオン注入法やプラズマ
ドーピング法によって制御することを非常に困難にして
しまう。
【0013】また、アモルファスシリコンにおいては、
成膜時にN型もしくはP型の不純物を微量添加すること
により、しきい値の制御ができることが知られている。
そこで、同様に微量の不純物を添加したアモルファスシ
リコン膜を用いて結晶性シリコン膜を作製することも試
みられている。しかしながら、この場合も上述の結果と
同様、しきい値の制御が困難であった。
【0014】このような現象は、従来の半導体集積回路
技術やアモルファスシリコン技術において観察されたよ
うな、1×1015〜1×1018原子/cm3 の範囲の濃度
の不純物の添加によって、しきい値が連続的にゆるやか
に変動する現象とは全く異なった現象であり、この現象
があるが故に結晶性シリコンにおいて、しきい値制御を
おこなうことは不可能であると考えられていた。本発明
はこのような問題点を鑑みてなされたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本明細書で開示する発明
は、製造途中の薄膜トランジスタにおいて、基板上に形
成された非単結晶の結晶性シリコン被膜にN型もしくは
P型の導電性を付与する不純物が1×1015〜1×10
18/cm3 の濃度で存在し、かつ、非結晶性シリコンの結
晶化を促進せしめる結晶化触媒元素が1×1015〜1×
1019原子/cm3 の濃度で存在する該シリコン膜にレー
ザーもしくはそれと同等な強光が照射されていることを
特徴とする。
【0016】レーザーもしくはそれと同等な強光を該膜
に照射することにより、熱アニールのみでは修復が困難
であった欠陥が消え、該不純物がしきい値電圧を制御す
るに足る活性化率を得ることができる。
【0017】上記の製造途中の薄膜トランジスタにおい
て、N型もしくはP型不純物を該膜に添加しなかった場
合の光エネルギー照射後の、該膜のスピンデンシティー
が1×1014〜3×1017/cm3 (個/cm3 )の範囲に
入っており、かつ、該膜中の水素の濃度が0.0001
〜3atm%になるように該膜を作製すれば、OFF電
流の低い、かつ、より高い電界移動度を持ち、さらにS
値の小さいTFTをもたらすシリコン膜が得られる。こ
れらの数値は、熱アニールや光アニールの条件を振るこ
とでコントロールする。なお、上記スピンデンシティの
範囲の下限は本実施例における作製限界を示しており、
これらの数値以下でシリコン膜が作製可能であるならそ
れでも良い。
【0018】上記スピンデンシティーは1×1014〜1
×1017原子/cm3 にするとより好まし。本明細書で開
示する発明においては、シリコンの結晶化を助長する金
属元素としてニッケルを用いることが最も好ましい。そ
の他、白金、コバルト、鉄、パラジウム等の触媒元素を
用いてもよい。以下、本明細書ではニッケルに関しての
み記述する。
【0019】〔実施例1〕本実施例では、製作途中のT
FTにおいて、結晶性触媒元素としてニッケルを導入し
た結晶性シリコン膜にレーザーを照射することで該膜の
結晶性をさらに高め、それからドーピングを行ない、さ
らにレーザーを照射することで、該膜中のドーパントの
活性化と、ドーピングにより損なわれた該膜の結晶性の
改善を行う例を示す。
【0020】図2、3を用いて本実施例を説明する。ま
ず、ガラス基板(本実施例ではコーニング7059を用
いる)101上に厚さ2000Åの下地酸化珪素膜10
2と、そのさらに上に厚さ500Åのアモルファスシリ
コン膜103をプラズマCVD法により連続的に成膜す
る。そして、10ppmの酢酸ニッケル水溶液をシリコ
ン表面に塗布し、スピンコート法により酢酸ニッケル層
を形成する。酢酸ニッケル水溶液には界面活性剤を添加
するとよりよい。酢酸ニッケル層は極めて薄いので、膜
状となっているとは限らない。(図1(A))
【0021】そして、550℃で4時間熱アニールする
ことにより、シリコン膜を結晶化させる。このとき、ニ
ッケルが結晶の核の役割を果たし、シリコン膜の結晶化
を促進させる。550℃、4時間という低温(コーニン
グ7059の歪み点温度以下)、短時間で処理できるの
はニッケルの機能による。詳細については特開平6ー2
44104に記されている。
【0022】結晶化を促進する金属元素の濃度は、1×
1015〜1×1019原子/cm3 であると好まし。1×
1019原子/cm3 以上の高濃度ではシリコンに金属的
性質が表れて、半導体特性が消滅してしまうので注意が
必要である。本実施例記載のシリコン膜中の金属元素の
濃度は、膜中における最小値で1×1017〜5×1018
原子/cm3 となる。なお、これらの値は、2次イオン
質量分析法(SIMS)により分析、測定したシリコン
膜中の触媒元素の濃度の最小値として定義される。
【0023】このようにして得られた結晶性シリコン膜
の結晶性をさらに高めるために、大出力パルスレーザー
であるエキシマレーザーを該膜に照射する。本実施例で
はKrFエキシマレーザー(波長248nm、パルス幅
30nsec)を使用する。レーザーのエネルギー密度
は100mJ/cm2 〜300mJ/cm2 の範囲で、
例えば220mJ/cm2 で、照射を行う。照射対象の
面積が、上記エキシマレーザーのビームサイズを越える
場合、レーザービームを非照射物に対し相対的にずらし
ながら照射を行う。このとき、非照射物の1点に注目す
ると、2〜20ショットのレーザー光が照射されるよう
にする。また、レーザー照射時の基板温度は200℃と
する。(図1(B))
【0024】その後、厚さ1200Åの酸化珪素膜をプ
ラズマCVD法のよって堆積する。この酸化珪素膜は、
ドーピングの際の保護膜として機能する。この状態でボ
ロンをイオンドーピング法により導入する。ドーピング
ガスには、水素で希釈した5%ジボラン(B26 )を
用い加速電圧は30kVとする。ドーズは6×1012
2×1014原子/cm2 まで変化させる。
【0025】イオンドーピング法によってボロンを導入
した場合の典型的な濃度プロファイルの概念図を図2に
示す。即ち、ボロンは表面近傍にピークを有するが、さ
らに深いところにも肩(ショルダー)を有する。前者
は、ボロン原子2個からなる分子を主とする重いイオン
種(例えば、B25 + 等)に由来するものであり、後
者はボロン原子1個を主とする軽いイオン種(例えば、
BH2 + 等)に由来するものである。
【0026】ボロン濃度分布に肩が存在することによ
り、この部分の濃度変化は緩やかである。本実施例では
この領域のボロンを用いて精度良く低濃度ドーピングを
行う。図2にも示されるように、高濃度のボロン領域は
主として保護膜である酸化珪素膜中に有り、シリコン膜
では、それより濃度の低い領域が存在する。
【0027】ドーピング工程終了後、保護膜を除去し、
再び、KrFエキシマレーザー(波長248nm、パル
ス幅30nsec)を照射し、該シリコン膜を活性化せ
しめる。レーザーのエネルギー密度は200mJ/cm
2 〜500mJ/cm2の範囲で該結晶性シリコン膜の
結晶性ができるだけ高くなる値を選択し、照射を行う。
本実施例では、370mJ/cm2 でレーザー光の照
射を行う。照射対象の面積が、上記エキシマレーザーの
ビームサイズを越える場合、レーザービームを非照射物
に対し相対的にずらしながら照射を行う。このとき、非
照射物の1点に注目すると、2〜20ショットのレーザ
ー光が照射されるようにする。また、レーザー照射時の
基板温度は200℃とする。(図1(B))
【0028】このようにして作製した結晶性シリコン膜
の光学特性を測定し、活性化エネルギーとドーズの依存
性を調べたところ、図3の関係が得られた。ドーズの増
加と共に活性化エネルギーが増加するものの、ドーズが
3×1013原子/cm2 あたりでピークとなり、以後活
性化エネルギーが減少する。このことは、当初弱いN型
であったシリコン膜が3×1013原子/cm2 のドーズ
量あたりで実質的に真性となり、その後、徐々にP型に
以降したためと理解することができる。
【0029】〔実施例2〕本実施例では、製作途中のT
FTにおいて、アモルファスシリコン膜にドーピングを
行ない、それから結晶化を促進する金属元素としてニッ
ケルを導入することにより該アモルファスシリコン膜を
結晶性シリコン膜に変化させ、さらにレーザーを照射す
ることで、該膜中のドーパントの活性化と、該膜の結晶
性の向上を行う例を示す。
【0030】図1に示すように実施例1と同様に、ガラ
ス基板(本実施例ではコーニング7059を用いる)1
01上に厚さ2000Åの下地酸化珪素膜102と、そ
のさらに上に厚さ500Åのアモルファスシリコン膜1
03をプラズマCVD法により連続的に成膜する。
【0031】その後、厚さ1200Åの酸化珪素膜をプ
ラズマCVD法によって堆積する。この酸化珪素膜は、
ドーピングの際の保護膜として機能する。この状態でボ
ロンをイオンドーピング法により導入する。導入条件は
実施例1と同様である。
【0032】ドーピング工程終了後、該保護膜を除去す
る。それから、実施例1と同様な方法でニッケルを添加
し、熱アニールを行う。これにより、該アモルファスシ
リコン膜は結晶性シリコン膜へと移行する。さらにレー
ザーを照射することで、該膜中のドーパントの活性化
と、該膜の結晶性の向上を促す。
【0033】レーザーには、実施例1と同様に、KrF
エキシマレーザー(波長248nm、パルス幅30ns
ec)を使用する。レーザーのエネルギー密度は200
〜500mJ/cm2 の範囲で該結晶性シリコン膜の結
晶性ができるだけ高くなる値を選択し、照射を行なう。
本実施例では、まず220mJ/cm2 のエネルギー密
度で照射し、それから370mJ/cm2 のエネルギー
密度で照射を行う。ここで、2段階照射とするのはレー
ザー照射による膜表面の均一性悪化を極力抑さえ、結晶
性のよりよい膜を作る為である。2段階照射の効果は、
実質的にアモルファスシリコンである部分の多い結晶性
シリコン膜に対して特に大きい。理由は、アモルファス
シリコンと結晶性シリコンとで光吸収率が異なるからで
ある。照射方法は実施例1と同様に行う。また、レーザ
ー照射時の基板温度は200℃とする。
【0034】このようにして作製した結晶性シリコン膜
の光学特性を測定し、活性化エネルギーとドーズの依存
性を調べたところ、実施例1と同様な関係が得られ、当
初、弱いN型であったシリコン膜がドーズの増加と共
に、真性となり、その後、P型に以降したことが示され
た。
【0035】〔実施例3〕本実施例では、製作途中のT
FTにおいて、結晶化を促進させる金属元素としてニッ
ケルを導入した結晶性シリコン膜にドーピングを行な
い、さらにレーザーを照射することで、該膜中のドーパ
ントの活性化と、該膜の結晶性の改善を行う例を示す。
【0036】実施例1と同様に、ガラス基板(本実施例
ではコーニング7059を用いる)101上に厚さ20
00Åの下地酸化珪素膜102と、そのさらに上に厚さ
500Åのアモルファスシリコン膜103をプラズマC
VD法により連続的に成膜する。それから、実施例1と
同様な方法でニッケルを添加し、熱アニールを行う。こ
れにより、該アモルファスシリコン膜は結晶性シリコン
膜へと移行する。
【0037】その後、厚さ1200Åの酸化珪素膜をプ
ラズマCVD法によって堆積する。この酸化珪素膜は、
ドーピングの際の保護膜として機能する。この状態でボ
ロンをイオンドーピング法により導入する。導入方法お
よび条件は実施例1と同様である。ドーピング工程終了
後、該保護膜を除去する。さらにレーザーを照射するこ
とで、該膜中のドーパントの活性化と、該膜の結晶性の
向上を促す。レーザー照射方法および条件は実施例2と
同様である。なぜなら、該膜はアモルファスシリコンの
成分を多く含んでいるからである。
【0038】このようにして作製した結晶性シリコン膜
の光学特性を測定し、活性化エネルギーとドーズの依存
性を調べたところ、実施例1と同様な関係が得られ、当
初、弱いN型であったシリコン膜がドーズの増加と共
に、真性となり、その後、P型に以降したことが示され
た。
【0039】〔実施例4〕ここでは、実施例1、2、
3、において、保護酸化膜の成膜とドーピングの工程と
を省き、結晶性シリコン膜を作製する例を示す。このよ
うな構成を採用すると、いずれの実施例における膜も、
該膜のスピンデンシティーが1×1014〜3×1017
cm3 の範囲に入っており、かつ、該膜の水素の濃度が
0.0001〜3atm%とすることができる。
【0040】以下にこれらの膜をもとに薄膜トランジス
タを作製する例を示す。まず、図1(C)に示すように
シリコン膜をエッチングして、島状シリコン領域105
を形成する。次に、プラズマCVD法によって厚さ12
00Åの酸化珪素膜106をゲイト絶縁膜として堆積す
る。プラズマCVDの原料ガスとしては、TEOSと酸
素を用いる。成膜時の基板温度は250〜380℃、例
えば、300℃として成膜を行う。(図1(C))
【0041】引き続いて、スパッタ法によって、厚さ3
000〜8000Å、例えば6000Åのアルミニウム
膜(0.1〜2%のシリコンを含む)を堆積する。そし
て、アルミニウム膜をエッチングして、ゲイト電極10
7を形成する。(図1(C))
【0042】次に、イオンドーピング法によって、シリ
コン領域にゲイト電極をマスクとして不純物(リン)を
注入する。ドーピングガスとして、水素で1〜10%に
希釈されたフォスフィン(PH3)を用いる。加速電圧
は60〜90kV、例えば80kVとする。そして、ド
ーズ量は1×1013〜8×1015原子/cm2 、例え
ば、2×1014原子/cm2 とする。イオンドーピング
時の基板温度は室温とする。この結果、N型の不純物領
域108(ソース)、109(ドレイン)が形成され
る。(図1(D))
【0043】そして、ドーピングされたリンを活性化す
るために、KrFエキシマレーザーを用いて光アニール
を行なう。レーザーのエネルギー密度は100〜350
mJ/cm2 、例えば250mJ/cm2 とする。照射
対象の面積が、上記エキシマレーザーのビームサイズを
越える場合は、レーザービームを非照射物に対し相対的
にずらしながら照射を行う。このとき、非照射物の1点
に注目すると、2〜20ショットのレーザー光が照射さ
れるようにする。また、レーザー照射時の基板温度は2
00℃とする。その後、窒素雰囲気中で2時間、350
℃の熱アニールを行う。本工程では、光アニールと熱ア
ニールとの両方を行う、どちらか片方だけ行ってもよ
い。(図1(E))
【0044】続いて、厚さ6000Åの酸化珪素膜11
0を層間絶縁物としてプラズマCVD法によって形成
し、これにコンタクトホールを開孔する。そして、金属
材料、例えば、チタンとアルミニウムの多層膜によって
TFTのソース、ドレインの電極・配線111、112
を形成する。最後に、1気圧の水素雰囲気で200〜3
50℃の熱アニールを行い、図1(F)に示す薄膜トラ
ンジスタを完成させる。
【0045】このようにして、得られたTFTは、実施
例1、2、3、いずれの膜をもとにして作製しても、O
FF電流が20pA程度もしくはそれ以下、電界移動度
50Vs/cm2程度もしくはそれ以上の特性を持ってい
る。中でも、出発膜であるシリコン膜のスピンデンシテ
ィーが1×1017原子/cm3 以下のもので作製されたT
FTは、OFF電流が数pA程度もしくはそれ以下、電
界移動度50Vs/cm2程度もしくはそれ以上の特性とす
ることができる。なお、出発膜として水素の濃度が3a
tm%以上のものを使用すると電界移動度が必要以上に
下がり、水素の濃度が0・0001atm%以下のもの
を使用すると、スピンデンシティが増えてOFF電流が
上がってしまう。
【0046】
【発明の効果】本明細書に開示する発明により、シリコ
ンの結晶化を促進させる金属元素を導入した結晶性シリ
コン膜を用いても、しきい値電圧がシフトしない、かつ
OFF電流が低く、高電界移動度をもつ薄膜TFTを作
製することが可能となる。特に、結晶性触媒元素として
ニッケルを用いた場合、その効果は著しくなる。
【0047】また、上述のような高特性のTFTをもた
らすシリコン膜の物性を数値で限定することで、TFT
の作製のための出発膜をどのようなものとすればよいか
を明確にすることができる。このように、本発明は工業
上有益な物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に示す薄膜トランジスタの作製工程を
示す。
【図2】 注入された硼素イオンの深さ方向における濃
度分布を示す。
【図3】 硼素のドーズ量と硼素がドーピングされたシ
リコン膜の活性化エネルギーの関係を示す。
【符号の説明】
101 ガラス基板 102 下地膜(酸化珪素膜) 103 アモルファスシリコン膜 105 活性層 106 ゲイト絶縁膜 107 ゲイト電極 108 ソース/ドレイン領域 109 ドレイン/ソース領域 110 層間絶縁膜 111 ソース/ドレイン電極 112 ドレイン/ソース領域

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N型またはP型の導電性を付与する不純
    物を1×1015〜1×1018原子/cm3 の濃度で存在
    し、かつ、シリコンの結晶化を促進せしめる金属元素が
    1×1015〜1×1019原子/cm3 の濃度で存在するシ
    リコン膜に光エネルギーを照射する工程を有することを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 N型またはP型を付与する不純物は、シリコン膜に対し
    てドーピングされたものであり、 前記シリコン膜に対して前記不純物をドーピングせずに
    光エネルギーを照射した場合、シリコン膜中のスピンデ
    ンシティーが1×1014〜3×1017/cm3 であり、か
    つ該膜の水素の濃度が0.0001〜3atm%である
    ことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 N型またはP型を付与する不純物は、シリコン膜に対し
    てドーピングされたものであり、 前記シリコン膜に対して前記不純物をドーピングせずに
    光エネルギーを照射した場合、シリコン膜中のスピンデ
    ンシティーが1×1014〜1×1017/cm3 であり、か
    つ水素の濃度が0.0001〜3atm%であることを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100977538B1 (ko) * 2003-01-10 2010-08-23 엘지디스플레이 주식회사 폴리실리콘 박막의 제조방법

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