JPH08287894A - 密閉電池の安全装置 - Google Patents

密閉電池の安全装置

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JPH08287894A
JPH08287894A JP7085400A JP8540095A JPH08287894A JP H08287894 A JPH08287894 A JP H08287894A JP 7085400 A JP7085400 A JP 7085400A JP 8540095 A JP8540095 A JP 8540095A JP H08287894 A JPH08287894 A JP H08287894A
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JP
Japan
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internal pressure
battery
peripheral surface
safety valve
sealing lid
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Withdrawn
Application number
JP7085400A
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English (en)
Inventor
Masaharu Kamauchi
正治 鎌内
Yasuo Ijiri
康夫 井尻
Toru Kashioka
亨 柏岡
Yutaka Ouchi
裕 大内
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電流遮断機構から溶接部をなくし、かつ、設
定内圧値に対する電流の接続から遮断への切換のための
調整,設定の容易化を図る。 【構成】 封口体2の周囲を絶縁ガスケット5を介して
かしめ固定することにより電池缶1の開口部1aを封止
する。封口体を、導電材料製の剛性円板状封口蓋6、貫
通孔10の挟持溝11に密着して挟持させた絶縁材料製
の保持部材7、頭部8bが当接して封口蓋と電気的に接
続され本体部8cが保持部材の内周面に密に嵌合されて
先端面に発電要素3からのリード線4が接続される導電
材料製の安全弁8、及び、キャップ状正極端子9で構成
する。本体部の外径設定により外周面と保持部材の内周
面との間の摺動摩擦力が設定内圧値の電池缶内圧に基づ
く安全弁への押圧力より小となるようにし、設定内圧値
を超えると本体部が上方に相対移動して頭部を封口蓋か
ら離し、さらに内圧が上昇すると凸部8dが保持部材を
通過して凹溝8e,ガス抜き孔9aを通してガス抜きさ
れ内圧開放される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば2次電池等の密
閉電池において過充電等に起因する内圧の異常上昇等の
異常事態に対処するための密閉電池の安全装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の密閉電池の安全装置
として、発電素子からのリード線が接続されたリード板
を絶縁板の内面に取付けてそのリード板により絶縁板の
中央の貫通孔を覆い、上記絶縁板の上側を覆うように導
電材料により形成した円板状の可撓性防爆弁を配設し、
この防爆弁の中央部の突起を上記貫通孔に内嵌させてそ
の突起に上記リード板を超音波溶接したものが知られて
いる(例えば、特開平2−112151号公報,特開平
2−288063号公報参照)。これらの公報には、電
池缶の内圧の上昇により上記突起が持ち上げられて上記
リード板を貫通孔の周縁で破断することにより、また
は、上記リード板との溶着部が剥離することにより電流
が遮断されることが記載されている。
【0003】また、他の従来の密閉電池の安全装置とし
て、リード線が接続された導電材料よりなる円板状の弁
保持体と、この上側に被せられて中央部の突起が上記弁
保持体の上面にスポット溶接もしくは超音波溶接された
導電材料よりなる円板状の可撓性弁体とからなり、この
弁体と弁保持体との間の空間が電池缶内部と連通された
ものが知られている(例えば、特開平6−140011
号公報参照)。つまり、このものでは、リード線が接続
された弁保持体に弁体を溶接することにより、上記の防
爆弁をリード板に直接溶接することによる不都合を回避
しようとするものである。そして、この公報には、電池
缶の内圧の上昇により上記空間内の圧力も上昇し、弁体
が上方に持ち上げられてその中央突起と弁保持体との溶
接が外れて電流が遮断されることが記載されている。
【0004】そして、共に、さらに内圧が上昇すると、
可撓性防爆弁もしくは可撓性弁体が、これらに設けられ
た切欠部分で破断して内部のガス等を外部に逃がすこと
により、電池自体の爆発を防止するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
密閉電池の安全装置においては、共に電流の遮断機構に
おいて、溶接部を利用するものであるため、その溶接自
体の強度いかんによって電流遮断を確実に行い得ない事
態が生じるおそれがある。すなわち、上記溶接強度が余
りに高いと、内圧が上昇しても弁が弁保持体と剥離せ
ず、その結果、電流を遮断させることができず、逆に上
記溶接強度が余りに低いと通常使用時のわずかな内圧変
動や衝撃により弁が弁保持体から剥離して電流が遮断さ
れて使用不能になってしまうことになる。
【0006】このように従来のものでは、溶接強度を確
実に所定のものに設定する必要があるが、そのためにス
ポット溶接等により点状に溶接したのでは、通常使用時
においてその点状の溶接部分を通して電流の通電が行わ
れるため、抵抗が高くなり過ぎて異常な発熱を生じるお
それがある。逆に、溶接部を周状等に設定すると、溶接
面積に比例して溶接強度が高くなるため、上記の如き不
都合が生じることになる。
【0007】しかも、上記の如き所定の溶接強度に対し
過不足のない溶接作業を大量生産ラインで行うことは、
その工程管理が極めて困難となり、製品間のばらつきを
招き易く、製品に対する信頼性の向上を図り得ない。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、密閉電池の安
全装置の電流遮断機構から溶接部をなくし、かつ、所定
の内圧値に対する電流の接続から遮断への切換のための
調整,設定の容易化を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、発電要素が電池缶の内部に
収容され、その電池缶の開口部を密閉する封口体に設け
られるものを前提とする。このものにおいて、上記封口
体を、上記電池缶の内部に臨んで開口する貫通孔を有し
電池缶の内圧に対抗して実質的に変形しない剛性を有す
るように形成された導電材料からなる封口蓋と、導電材
料により形成され上記貫通孔に外方側から電池缶内部に
挿通されて電池缶の内圧上昇により相対移動する安全弁
と、絶縁材料により形成され上記貫通孔の内周面もしく
は上記安全弁の外周面のいずれか一方の周面に密着して
配設され他方の周面との間に所定の摺動摩擦抵抗力を発
揮するよう密に嵌合して上記貫通孔を封止する環状の保
持部材とで構成する。そして、上記安全弁を、上記貫通
孔より大きい外径を有し上記封口蓋の外面側に配置され
てその封口蓋の外面に当接された頭部と、この頭部から
上記保持部材を貫通して先端が電池缶内方側に突出しそ
の先端面に上記発電要素からのリード線が接続されたピ
ストン状本体部とを備えるものとする。加えて、上記他
方の周面と保持部材との間の摺動摩擦抵抗力を、電池缶
の内圧が上昇して設定内圧値に達するまではその内圧に
抵抗して上記安全弁の相対移動を阻止した状態に保持す
る一方、上記設定内圧値を超える内圧の作用により上記
安全弁を電池缶の外方側に相対移動させて上記頭部と封
口蓋との当接を離すように設定する構成とするものであ
る。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、保持部材を、弾性材料により形成するもの
である。弾性材料としては、例えば天然ゴム、EPDM
(エチレン・プロピレン・ジエン共重合体)等の合成ゴ
ム、ポリプロピレン、ポリエチレン等を用いればよい。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、保持部材の外周面を封口蓋の貫通孔の内周
面に密着して配設し、内周面を安全弁の本体部の外周面
に密に嵌合するものである。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、安全弁の本体部の保持部材より先端側の位
置に、周囲に僅かに突出する凸部を設け、上記本体部が
電池缶の内圧を受けて上記保持部材の内周面との間で摺
動して相対移動する際の内圧値を、上記凸部形成位置の
方がこの凸部形成位置より頭部側の本体部よりも相対的
に大となるように設定するものである。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、安全弁の本体部の凸部形成位置よりも先端
側の外周面に、上記凸部形成位置から先端まで延びて本
体部の先端面に開口するガス抜き用凹溝を形成するもの
である。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
明において、封口蓋の内面に絶縁被覆するものである。
【0015】また、請求項7記載の発明は、請求項1記
載の発明において、封口体を、電池缶の開口部であって
封口蓋の外側位置に配設されてその封口蓋と電気的に接
続された正極端子と、リード線からこの正極端子までの
間の電気導通経路の途中に介装され設定温度域で抵抗値
が急増するPTCサーミスタとを備える構成とするもの
である。
【0016】さらに、請求項8記載の発明は、請求項1
記載の発明において、封口体に、電池缶の開口部であっ
て封口蓋の外側位置に配設されてその封口蓋と電気的に
接続される正極端子を備え、上記封口体を、この正極端
子と、保持部材及び安全弁が取付けられた状態の封口蓋
とがそれぞれの外縁部で互いに重合された状態に予め結
合一体化されたものとするものである。
【0017】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
適正放電,適正充電がなされている通常使用状態にあっ
て電池缶内部の内圧が設定内圧値より小さい状態におい
ては、貫通孔の内周面もしくは安全弁の外周面の内の他
方の周面と保持部材との間の摺動摩擦抵抗力の方が上記
内圧よりも大きいため、その内圧を先端面に受けてもそ
れに対抗して上記安全弁の相対移動が阻止され、先端面
にリード線が接続された安全弁の頭部と封口蓋との当接
が維持される。この結果、電気的接続状態に維持され
る。
【0018】一方、過充電等により電池缶内部の内圧が
上記設定内圧値を超えると、上記摺動摩擦力よりもその
内圧に基づく安全弁を相対移動させようとする押圧力の
方が大きくなるため、上記安全弁が外方側に相対移動し
て頭部と封口板との当接が離れることになる。この結
果、その当接による電気的接続状態が遮断されて電気的
遮断状態に切換られ、電池の使用者に異常発生を認知さ
せることができる。
【0019】この際、封口蓋が上記内圧を受けても変形
しない剛性を有しているため、その内圧が安全弁のピス
トン状本体部の先端面に直接かつ有効に作用しその安全
弁の相対移動が促進される。このため、上記設定内圧値
を超えるような内圧上昇が発生した場合に、従来の安全
装置における周囲が固定された円板状の防爆弁の全体に
内圧を間接的に作用させる場合と比べ、応答性よく電気
的遮断状態に切換ることが可能となる。
【0020】しかも、このような電流遮断機構では電池
缶内部の内圧に応じた電気的な接続と遮断との切換が、
保持部材と安全弁の外周面もしくは貫通孔の内周面との
間の摺動摩擦抵抗力の設定により行われるため、従来の
密閉電池の如く溶接部の引張破断強度の設定により行わ
れる場合と比べ、その設定及び設定の変更が容易となる
上、確実に所定のものに設定することができ、電気的な
遮断状態への切換が確実になる。さらに、組付け時の工
程管理も、微妙な溶接を行う必要がない分、容易となっ
て、製品に対する信頼性の向上が図り得る。
【0021】さらに、封口蓋に対し保持部材を介して保
持された安全弁を設けるだけという簡単な構造により上
記の種々の効果が得られる上、安全装置を構成する部品
点数の低減化によりコストの低減化が図り得る。
【0022】請求項2記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、保持部材が弾性材料によ
り形成されているため、安全弁もしくは封口蓋の貫通孔
との間の摺動摩擦抵抗力の設定がより容易に行い得る。
【0023】請求項3記載の発明では、保持部材を封口
蓋の貫通孔の内周面に配設し、この保持部材の内周面と
安全弁の外周面との間に所定の摺動摩擦抵抗力を発揮さ
せるようにして請求項1記載の発明の構成を具体的に特
定しているため、請求項1記載の発明による作用が具体
的に得られる。
【0024】請求項4記載の発明では、上記請求項3記
載の発明による作用に加えて、安全弁の本体部に、保持
部材より先端側の位置に周囲に僅かに突出する凸部を設
けているため、電池缶の内圧の設定内圧値を超える上昇
を先端面に受けて安全弁の本体部が保持部材の内周面を
摺動して凸部が保持部材により止められるまで相対移動
し、これにより、安全弁の頭部が封口蓋から離れて電流
の導通が遮断される。そして、内圧がさらに上昇して上
記凸部と保持部材の内周面との間の摺動摩擦抵抗力を上
回ると、上記凸部が保持部材の内周面に押し込まれて飛
び抜け、この結果、電池缶内部のガスが貫通孔を通して
排出され電池缶の内圧が大気圧状態となる。従って、異
常時には、まず電流が遮断されて電池の使用者に異常発
生を認知せしめ、それでも使用者が放置する場合であっ
ても、内部のガス抜きによる内圧開放により内圧のそれ
以上の上昇が回避される。
【0025】請求項5記載の発明では、上記請求項4記
載の発明による作用に加えて、安全弁の本体部の凸部形
成位置よりも先端側の外周面に、上記凸部形成位置から
先端まで延びて本体部の先端面に開口するガス抜き用凹
溝が形成されているため、凸部が保持部材の内周面に押
し込まれて通過した時点で電池缶内部のガス抜きが凹溝
を通して行われる。このため、電池缶内部からのガス抜
きがより効果的に行われる上、上記本体部の凹溝形成部
分が保持部材により保持された状態で、すなわち、安全
弁が封口蓋から完全に飛び抜けない状態でガス抜きを行
うことが可能となる。
【0026】請求項6記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、封口蓋の内面が絶縁被覆
されているため、安全弁が外方側に相対移動してその先
端面に接続されたリード線が電池缶内部から外方側に引
きずられることにより、上記封口蓋の内面に仮に接触し
たとしても、上記の絶縁被覆により電気的遮断状態が確
実に維持される。
【0027】また、請求項7記載の発明では、上記請求
項1記載の発明による作用に加えて、リード線から正極
端子までの間の電流経路の途中に設定温度域で抵抗値が
急増するPTCサーミスタが介装されているため、電池
缶の内部温度が適正放電,適正充電等の行われている通
常使用状態における設定温度域より低い適正温度にある
間は上記PTCサーミスタの抵抗値が小値に保たれ上記
リード線と正極端子との間の電流経路を通して適正に電
流が流れる。一方、上記内部温度が短絡等の発生に起因
して設定温度域以上に上昇した場合、その上昇に対応し
て上記PTCサーミスタの抵抗値が急増して上記電流経
路を通しての通電が実質遮断される。このため、内圧上
昇に対する電流遮断に加えて、内部温度上昇に対する電
流遮断をも行うことが可能となる。
【0028】さらに、請求項8記載の発明では、上記請
求項1記載の発明による作用に加えて、封口体として、
正極端子と、保持部材及び安全弁が取付けられた状態の
封口蓋との両外縁部が互いに重合された状態に予め結合
一体化されたものに構成しているため、電池缶の開口部
への組み付け作業の容易化が図られる上、その組み付け
前に上記安全弁の作動を確認するためのテストを行うこ
とが可能になる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0030】<第1実施例>図1は、本発明の第1実施
例に係る密閉電池の安全装置の封口部分を示す。同図に
おいて、1は開口部1aを有する電池缶、2はその開口
部1aを閉止して電池缶1を密封する封口体である。
【0031】上記電池缶1は有底筒形(図例では円筒形
であるが、角筒形であってもよい)の金属製缶体であ
り、その内部には発電要素3が収容されている。この発
電要素3は、プラス電極板,マイナス電極板,及び,電
解液等を有し、そのプラス電極板に一端が接続されたリ
ード線4の他端が上記封口体2を構成する後述の安全弁
8の先端面である下面8aに溶接等の手段により接続さ
れている。そして、上記発電要素3の上側位置の上記電
池缶1には縮径部1bが形成されており、この縮径部1
bと上端開口縁がかしめられた上端かしめ部1cとの間
に上記封口体2の外周縁部が絶縁ガスケット5を介して
気密に挟み込まれて電池缶1が密封されている。
【0032】上記封口体2は、図2にも一部を示すよう
に、円板状の封口蓋6と、リング状の保持部材7と、安
全弁8と、キャップ状の正極端子9とから構成されてい
る。そして、上記封口体2が上記上端かしめ部1cによ
り挟み込まれることにより、下から封口蓋6と正極端子
9とが外周縁部で互いに密着して重合された状態に一体
化されて組み付けられている。
【0033】上記封口蓋6は、アルミニウム、チタニウ
ム、これらの合金、もしくは、ステンレス鋼等の導電材
料により比較的厚肉に形成されて電池缶1の内圧に対抗
して実質的に変形を生じない程度の剛性を有している。
そして、この封口蓋6の略中央位置には所定径の貫通孔
10が上下に貫通して形成されており、この貫通孔10
の内周面には貫通孔10の内方側に開口して上記保持部
材7を挟持する挟持溝11が形成されている。また、上
記封口蓋6の内面である下面6aには絶縁被覆12が施
されている。
【0034】上記保持部材7は、断面形状が略四角形の
Oリング形状となるように、上記発電要素3内の電解液
により腐食されない絶縁材料、好ましくは、その絶縁材
料であってかつ弾性を有する材料、例えば天然ゴム,E
PDM(エチレン・プロピレン・ジエン共重合体)等の
合成ゴム,ポリエチレン,ポリプロピレン等の材料によ
り形成されたものである。そして、上記保持部材7は、
上記挟持溝11に内嵌されて、外周面及び上下面がその
挟持溝11の内周面及び上下内面に密着した状態で位置
固定されている。
【0035】上記安全弁8は、上記貫通孔10より大き
い外径を有する頭部8bと、この頭部8aから下方に延
びる円柱状の本体部8cとを備え、これらが上記の導電
材料により一体に形成されている。上記頭部8bは封口
蓋6の外面側に配置されてその封口蓋6の外面に当接さ
れて発電要素3からのリード線4を介して封口蓋6と電
気的に接続されている。そして、上記本体部8cは、上
記保持部材7の内周面との関係で所定の外径を有し、そ
の上半部分の外周面が上記保持部材7の内周面に密に嵌
合して先端側が電池缶内方側に突出されている。
【0036】上記本体部8cの下半部分には、保持部材
7との嵌合位置よりも先端側位置から周囲に僅かに突出
する凸部8dと、この凸部8dの形成位置よりも先端側
の外周面に上記凸部形成位置から先端まで延びて本体部
の先端面に開口する1または複数のガス抜き用凹溝8
e,8e,…とが形成されている。なお、図面中8fは
上記頭部8bの上側部分を覆う絶縁性樹脂被覆であり、
この樹脂被覆8fは上記安全弁8が保持部材7から上方
に仮に飛び抜けたとしても、正極端子9との間で電気的
接続状態とならないように設けられたものである。
【0037】そして、上記本体部8cの外径及び凸部8
dの突出量は、上記安全弁8を作動させる圧力として予
め定めた第1及び第2設定内圧値との関係で、上記本体
部8cもしくは凸部8dの各外周面と保持部材7の内周
面との間に所定の摺動摩擦抵抗力が生じるように定めら
れる。すなわち、電池缶1内の内圧が上記第1設定内圧
値(例えば10〜15Kg/cm2 )に到達するまで
は、その内圧による押圧力に対抗して安全弁8の相対移
動を阻止する摺動摩擦抵抗力が作用し、上記電池缶1内
の内圧が上記第1設定内圧値を超えると、その内圧によ
る押圧力の方が上記摺動摩擦力より大となって上記安全
弁8をその摺動摩擦抵抗力に抗して外方側に相対移動さ
せるような摺動摩擦抵抗力が作用するように、保持部材
7の内周面に対する上記本体部8cの外径が定められて
いる。そして、上記保持部材7の内周面に対する凸部8
dの外径は、上記電池缶1内の内圧が上記第1設定内圧
値を超えてさらに上昇して上記第2設定内圧値(例えば
20Kg/cm2 程度)を超えた場合に、その内圧によ
る押圧力が上記凸部8dの外周面と保持部材7の内周面
と間の摺動摩擦抵抗力より大となって上記安全弁8の凸
部8dが保持部材7を上方に通過するような摺動摩擦抵
抗力が作用するように定められている。
【0038】つまり、電池缶1内の内圧が上記第1設定
内圧値より低い適正内圧値である状態では、安全弁8と
保持部材7との間の摺動摩擦抵抗力により安全弁8を上
下方向に相対移動しないように保持して頭部8bと封口
蓋6とを電気的接続状態(図1に示す状態)に維持し、
内圧が上記第1設定内圧を超えると上記摺動摩擦抵抗力
に抗して安全弁8を上方に相対移動させて上記頭部8b
を封口蓋6の上面6bから離して電流の流れを遮断した
電気的遮断状態(図3に示す状態)にするようになって
いる。加えて、内圧がさらに上昇して上記の第2設定内
圧値を超えると、上記凸部8dが保持部材7内に押し込
まれて通過し、これにより、電池缶1内のガスが凹溝8
e及び正極端子9の後述のガス抜き孔9aを通して外部
に放出される内圧開放状態(図4に示す状態)になるよ
うになっている。
【0039】上記正極端子9は、上記の封口蓋6及び安
全弁8等を保護する保護キャップの役割を果たすととも
に、リード線4、安全弁8及び封口蓋6を介して発電要
素3のプラス電極板と電気的に接続されて密閉電池から
電力を取り出すためのプラス側の端子の役割を果たすよ
うになっている。なお、図面中9aはガス抜き孔であ
り、正極端子9と封口蓋6とで区画される空間と外部と
を連通するように貫通形成されている。
【0040】上記構成の密閉電池において、電池缶1内
の内圧が第1設定内圧値より低い適正内圧に保たれてい
る状態では、安全弁8が封口蓋6に対し保持部材7の内
周面との間の摺動摩擦抵抗力によって上下方向の相対移
動を阻止された状態に保持されて、この安全弁8の頭部
8bが封口蓋6の上面6bと当接した状態に保たれる。
このため、発電要素のプラス電極板が正極端子9と電気
的に接続した電気的接続状態に保たれ、これにより、上
記正極端子9からの放電、充電が可能となる。そして、
この状態では、安全弁8の外周面と保持部材7の内周
面、及び、保持部材7の外周面と貫通孔10の内周面と
がそれぞれ密着して電池缶1の内部が密封された状態に
保たれる。
【0041】一方、密閉電池への充電中において、過充
電等により電池缶1内の内圧が異常に上昇し、その内圧
が上記第1設定内圧値を超えると、その内圧に基づき安
全弁8の下面8aに作用する押圧力が上記摺動摩擦抵抗
力より大となり、これにより、上記安全弁8が封口蓋6
に対し上方に相対移動して頭部8bが封口蓋6の上面6
bから上方に離れ、これにより、発電要素3からの電流
は封口蓋6と上記頭部8bとの間で遮断され、電気的遮
断状態になる。この電気的遮断により充電電流が遮断さ
れて発電要素3内の電解液の分解が停止されるため、こ
れ以上の内圧の上昇を抑制することができる。しかも、
電気的に遮断されて電池としての機能を果たさないこと
から、使用者に異常状態の発生、及び、その電池の交換
の必要性を認知させることができる。
【0042】そして、上記の電流が遮断されるまでの間
の内圧上昇、もしくは、何等かの異常によって電池缶1
内の内圧が第2設定内圧値を超える程に上昇した場合に
は、上記の安全弁8の凸部8dが保持部材7内に押し込
まれて通過して凹溝8eを介して電池缶1内部と封口蓋
6の上方空間とが連通する。このため、電池缶1内のガ
スが上記凹溝8e及び正極端子9のガス抜き孔9aを通
して外部に放出され、これにより、電池缶1内の内圧が
大気圧近くまで低下して、内圧の異常上昇による密閉電
池の破壊が確実に防止される。
【0043】従って、内圧の異常上昇時には、まず、電
流の遮断が安全弁8の本体部8cと保持部材7との間の
摺動摩擦抵抗力の設定及び頭部8bと封口蓋6との離反
から構成される電流遮断機構により行われ、次に、内部
ガスの放出が上記安全弁8の凸部8dと保持部材7との
間の摺動摩擦抵抗力の設定及び凹溝8eによる連通から
構成される内部圧力開放機構により行われるという、2
段階のフェイルセーフ作動が行われる。
【0044】このような密閉電池の安全装置において
は、内圧が第1設定内圧値より低い適正状態の時には、
安全弁8の本体部8cと保持部材7との間の摺動摩擦抵
抗力によって頭部8bと封口蓋6とが密に当接した状態
に保たれることになり、電池缶1に衝撃,振動が作用し
ても上記の頭部8bと封口蓋6との当接を確実に維持す
ることができる。従って、上記の電気接続部位である頭
部8bと封口蓋6とが溶接されていなくても、電気的接
続状態がより確実に保持され、通常使用時の製品に対す
る信頼性についてより一層の向上が図られる。つまり、
従来の場合の如く通常使用時の電気的接続状態を維持す
るための溶接を施す必要がなく、その溶接いかんによっ
て所定の回避作動が不確実になることもない。その上、
組み付け時にそのような微妙な溶接を施す必要がないた
めに、その生産ラインにおける工程管理も容易となって
製品に対する信頼性の向上を図ることができる。さら
に、上記安全弁8と封口蓋6との電気的接続を溶接では
なく、当接により行うことができるため、溶接の場合に
おける電気的接続の接続面を極めて小さいものにしなけ
ればならないという制約がなく、頭部8bと封口蓋6の
上面との当接というかなり大きな接続面により電気的接
続を行うことができ、安定した電流の流れを実現するこ
とができる。
【0045】また、封口蓋6が上記内圧を受けても変形
しない剛性を有しているため、その内圧を安全弁8の下
面8aに直接かつ有効に作用させて安全弁8を上昇作動
させることができる。このため、上記第1設定内圧値を
超えるような内圧上昇が発生した場合には、従来の外周
縁部が固定された円板状の防爆弁の全体に内圧を間接的
に作用させる場合と比べ、電気的遮断状態への切換を内
圧の変動に対応して応答性よく行うことができる。
【0046】しかも、電気的な接続と遮断との切換が、
主として保持部材7の内径に対する安全弁8の外径調整
による摺動摩擦抵抗力の設定により行われるため、従来
の密閉電池の如く溶接部の引張破断強度の設定により行
われる場合と比べ、その設定及び設定の変更を容易に行
うことができる。このため、上記の第1もしくは第2設
定内圧値に確実に対応したものに設定することができ、
電気的な接続状態から遮断状態への切換タイミング及び
内圧開放のタイミングを電池缶1内の内圧に応じて確実
なものにすることができる。この際、上記保持部材7を
弾性材料により形成することにより、上記摺動摩擦抵抗
力をより確実に発揮させることができる上、その発揮す
る摺動摩擦抵抗力の設定をより容易に行うことができ
る。
【0047】さらに、封口蓋6に対し保持部材7を介し
て保持された安全弁8を設けるだけという簡単な構造に
より上記の種々の効果を達成することができる上、安全
装置を構成する部品点数の低減化によりコストの低減化
を図り得る。
【0048】<第2実施例>図5は、本発明の第2実施
例に係る密閉電池の安全装置を示す。この第2実施例
は、第1実施例の構造を基本として、内部温度上昇に伴
う電流の遮断機構を付加して封口体2を構成したもので
ある。
【0049】すなわち、図5において、13はドーナッ
ツ板状に形成されたPTCサーミスタ(Positive Tempe
rature Coefficient サーミスタ;正特性サーミスタ)
であり、このPTCサーミスタ13は封口蓋6と正極端
子9との間に介装されて、その封口蓋6と正極端子9と
が上記PTCサーミスタ13を介してのみ互いに接続さ
れるようになっている。なお、このPTCサーミスタ1
3の介装位置は、発電要素3から正極端子9までの間の
電気導通経路の途中であればいずれの位置でもよい。
【0050】上記PTCサーミスタ13は、温度上昇と
ともに抵抗値が増大する正の温度係数を有するサーミス
タであり、特に上記PTCサーミスタ13は所定の設定
温度域(例えば100℃域)で抵抗値が急激に増大する
スイッチング特性を有するように構成されている。つま
り、上記PTCサーミスタ13は、上記設定温度域まで
の通常温度範囲ではPTCサーミスタ13の抵抗値が極
めて低く、従って、上記封口蓋6と正極端子9との間で
PTCサーミスタ13を介して電流が良好に流れる一
方、上記設定温度域を超える高温域では、上記PTCサ
ーミスタ13の抵抗値が急増し、従って、上記封口蓋6
と正極端子9との間での通電を実質的に遮断するように
なっている。
【0051】このような構成の第2実施例の場合、電池
缶1内の内部温度が上記設定温度域までの通常温度範囲
にあれば、発電要素3のプラス電極板からリード線4、
安全弁8、その頭部8b、封口蓋6、及び、PTCサー
ミスタ13を介して正極端子9までの電流経路が電気的
接続状態になり、その正極端子9から放電,充電を行う
ことができる。一方、過充電や短絡の発生に伴い電池缶
1内で発熱し、その内部温度が上記設定温度域を超える
事態になれば、上記PTCサーミスタ13で電流の流れ
が阻害されて上記電流経路が電気的遮断状態になる。特
に、上記短絡が発生すると、上記経路に過大電流が流れ
て急激に内部温度が上昇するため、上記PTCサーミス
タ13により即座に発電要素3と正極端子9と間での過
大電流の流れを遮断することができる。
【0052】従って、安全弁8の頭部8bと封口蓋6と
の電気的接続を安全弁8の相対移動により離すことによ
る内圧上昇に基づく電流遮断機能、及び、上記安全弁8
の凸部8dが保持部材7を通過することによる内圧開放
機能に加えて、上記の如き内部温度上昇に基づく電流遮
断機能をも安全装置として付加することができる。
【0053】<第3実施例>図6は本発明の第3実施例
に係る密閉電池の安全装置を示す。この第3実施例は、
第2実施例の構造を基本としつつ、封口体2の全体を予
め一体化したものである。
【0054】すなわち、貫通孔10に保持部材7を介し
て安全弁8を保持させた状態の封口蓋6と、PTCサー
ミスタ13とを互いに重ねた状態で、両者6,13の外
周縁部を、正極端子9′の外周部から延長した外延部9
bで包み込み挟持させるようにして、封口体2が予め1
つの部品として一体化されている。なお、この封口体2
における上記外延部9bと封口蓋6の外周面とは、両者
間に介装した絶縁被覆12′により絶縁されている。そ
して、この一体化された封口体2が電池缶1の開口部1
aに対し絶縁ガスケット5を介して嵌め込まれ、かしめ
部1cによりかしめ固定されている。
【0055】この第3実施例の場合、電池缶1の開口部
1aへの組み付け作業を上記一体化した封口体2を組み
付けるだけで済み、組み付け作業の能率化を図ることが
できる。しかも、予め封口体2を別に組み付けることが
できるため、安全弁8の作動状態を確認するためのテス
トを上記封口体2の電池缶1への組み付け前に行うこと
ができる。
【0056】なお、本第3実施例ではPTCサーミスタ
13を有するものについて図示,説明したが、これに限
らず、上記のPTCサーミスタ13を設けない第1実施
例の構造に本第3実施例の発明を適用してもよい。この
場合、正極端子9の外延部9bで封口蓋6の外周縁部を
上下から挟持して一体化すればよい。また、この一体化
を封口蓋6の外周部を延長して正極端子9を挟持するよ
うにしてもよく、さらに別体の挟持部材により封口蓋6
と正極端子9との両外周縁部を挟持するようにしてもよ
い。
【0057】<他の態様>なお、本発明は上記第1〜第
3実施例に限定されるものではなく、その他種々の変形
例を包含するものである。すなわち、上記各実施例で
は、安全弁として本体部8cに凸部8dと凹溝8eが形
成されたものを示したが、これに限らず、例えば凹溝8
eの形成を省略してもよい。この場合、内圧が第2設定
内圧値を超えて凸部8dが保持部材7を通過して飛び抜
けることにより保持部材7の内孔を通して内圧開放が行
われる。また、凹溝8eに加えて凸部8dの形成を省略
してもよい。この場合であっても、第1設定内圧値を超
える内圧上昇により安全弁8が上昇することにより電気
的接続状態から電気的遮断状態への切換を少なくとも行
うことができ、安全弁自体の飛び抜けにより内圧開放を
も行うことができる。
【0058】上記各実施例では安全弁8の凸部8dとし
て周方向に連続するものを示したが、これに限らず、周
方向の一部に形成するものでもよい。
【0059】また、上記各実施例では、保持部材7をO
リング形状のものを貫通孔10の挟持溝11に挟持させ
たものを示したが、これに限らず、例えば図7に示すよ
うに、貫通孔10′の内周面にゴム弾性体等からなる筒
状の保持部材7′を接着等の手段により取付け、この保
持部材7′により安全弁8を所定の摺動摩擦抵抗力によ
り保持させるようにしてもよい。
【0060】さらに、上記各実施例では、保持部材7の
外周面が貫通孔10の内周面に対し密着して配設され、
この保持部材7の内周面に安全弁8の外周面が密に嵌合
されたものを示したが、これに限らず、例えば逆に保持
部材7もしくは7′の内周面を安全弁8の本体部8cの
外周面に接着等の手段により密着させて配設し、その保
持部材の外周面を貫通孔10もしくは10′の内周面に
対し密に嵌合させてこれらの間で所定の摩擦抵抗力を発
揮させるようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における密閉電池の安全装置によれば、封口体を、剛
性を有する封口蓋と、頭部でこの封口蓋と電気的に接続
され上記封口蓋の貫通孔に挿通されて先端面に発電要素
からのリード線が接続された安全弁と、この安全弁と上
記貫通孔との間に介装されて上記安全弁を封口蓋との間
で所定の摺動摩擦抵抗力で保持する保持部材とで構成し
ているため、安全弁の頭部と封口蓋との電気的接続を、
溶接手段を用いることなく、当接させるだけでも確実か
つ安定的に保持することができる。このため、通常使用
時の製品に対する信頼性の向上を図ることができる。そ
して、過充電等により電池缶内部の内圧が設定内圧値を
超えると、その内圧を安全弁の先端面に直接かつ有効に
作用させてその頭部と封口蓋とを離すことができ、上記
内圧上昇の発生に際し応答性よく電気的遮断状態に切換
ることができる。これにより、電池の使用者に異常発生
を素早く認知させることができる。
【0062】このように、電池缶内部の内圧に応じた電
気的な接続と遮断との切換を、保持部材と、安全弁もし
くは貫通孔との間の摺動摩擦抵抗力の設定により行うこ
とができ、従来の密閉電池の如く溶接部の破断強度の設
定により行う場合と比べ、その設定及び設定の変更を容
易かつ確実に行うことができる上、組付け時の工程管理
も容易となって製品に対する信頼性の向上を図り得る。
【0063】さらに、封口蓋に対し保持部材を介して保
持された安全弁を設けるだけという簡単な構造により上
記の種々の効果を達成することができる上、安全装置を
構成する部品点数の低減化によりコストの低減化を図る
ことができる。
【0064】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、保持部材を弾性材料
により形成しているため、保持部材と、安全弁もしくは
封口蓋の貫通孔との間の摺動摩擦抵抗力の設定をより容
易に行うことができ、内圧上昇に伴う電気的接続状態か
ら電気的遮断状態への切換をより確実に行うことができ
る。
【0065】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果を具体的に得ることができる。
【0066】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
3記載の発明による効果に加えて、安全弁の本体部に、
保持部材より先端側の位置に周囲に僅かに突出する凸部
を設けるようにしているため、電池缶の内圧が設定内圧
値を超えた場合の上記本体部の相対移動による電流の遮
断と、内圧がさらに上昇した場合の上記凸部の保持部材
からの飛び抜けによる電池缶内部の内圧開放とで2段階
の安全作動を行なわせることができる。従って、内圧異
常時には、まず電流が遮断されて電池の使用者に異常発
生を認知せしめ、それでも使用者が放置する場合であっ
ても、内部のガス放出により内圧の異常上昇を回避する
ことができる。
【0067】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
4記載の発明による効果に加えて、安全弁の本体部の凸
部形成位置よりも先端側の外周面に、上記凸部形成位置
から先端まで延びて本体部の先端面に開口するガス抜き
用凹溝を形成するようにしているため、内圧上昇を受け
て凸部が保持部材の内周面に押し込まれて通過した時点
で電池缶内部のガス抜きを凹溝を通して行うことができ
る。このため、電池缶内部のガス抜きによる内圧開放を
より効果的に行うことができる上、上記本体部の凹溝形
成部分が保持部材により保持された状態で、すなわち、
安全弁が封口蓋から完全に飛び抜けない状態で内圧開放
を行うことができる。
【0068】請求項6記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、封口蓋の内面を絶縁
被覆するようにしているため、安全弁の電流遮断もしく
は内圧開放のための作動する際に、その安全弁に接続さ
れたリード線が上記封口蓋の内面に仮に接触したとして
も、上記の絶縁被覆により電気的遮断状態を確実に維持
することができる。
【0069】また、請求項7記載の発明によれば、上記
請求項1記載の発明による効果に加えて、リード線から
正極端子までの間の電流経路の途中に設定温度域で抵抗
値が急増するPTCサーミスタを介装するようにしてい
るため、電池缶の内部温度が上記設定温度より低い適正
温度にある間は上記電流経路を通して適正に電流を流す
ことができる一方、上記内部温度が短絡等の発生に起因
して設定温度域以上に上昇した場合、その上昇に対応し
て上記PTCサーミスタの抵抗値の急増により上記電流
経路を通しての通電を実質的に遮断することができる。
このため、内圧上昇に対する電流遮断に加えて、内部温
度上昇に対する電流遮断をも行うことができ、より安全
性を向上させることができる。
【0070】さらに、請求項8記載の発明によれば、上
記請求項1記載の発明による効果に加えて、封口体を、
正極端子と、保持部材及び安全弁が取付けられた状態の
封口蓋との両外縁部が互いに重合された状態に予め結合
一体化されたものとして構成するようにしているため、
電池缶の開口部への組み付け作業の容易化を図ることが
できる上、その組み付け前に上記安全弁の作動を確認す
るためのテストを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す上部断面図である。
【図2】封口体の一部を省略した分解斜視図である。
【図3】電気的遮断状態を示す図1対応図である。
【図4】内圧開放状態を示す図1対応図である。
【図5】第2実施例を示す図1相当図である。
【図6】第3実施例を示す図1相当図である。
【図7】他の態様例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 電池缶 2 封口体 3 発電要素 4 リード線 6 封口蓋 7,7′ 保持部材 8 安全弁 8a 下面(先端面) 8b 頭部 8c 本体部 8d 凸部 8e 凹溝 9,9′ 正極端子 10,10′ 貫通孔 12,12′ 絶縁被覆 13 PTCサーミスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 裕 兵庫県尼崎市東向島西之町8番地 三菱電 線工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電要素が電池缶の内部に収容され、そ
    の電池缶の開口部を密閉する封口体に設けられる密閉電
    池の安全装置において、 上記封口体は、上記電池缶の内部に臨んで開口する貫通
    孔を有し電池缶の内圧に対抗して実質的に変形しない剛
    性を有するように形成された導電材料からなる封口蓋
    と、導電材料により形成され上記貫通孔に外方側から電
    池缶内部に挿通されて電池缶の内圧上昇により相対移動
    する安全弁と、絶縁材料により形成され上記貫通孔の内
    周面もしくは上記安全弁の外周面のいずれか一方の周面
    に密着して配設され他方の周面との間に所定の摺動摩擦
    抵抗力を発揮するよう密に嵌合して上記貫通孔を封止す
    る環状の保持部材とを備え、 上記安全弁は、上記貫通孔より大きい外径を有し上記封
    口蓋の外面側に配置されてその封口蓋の外面に当接され
    た頭部と、この頭部から上記保持部材を貫通して先端が
    電池缶内方側に突出しその先端面に上記発電要素からの
    リード線が接続されたピストン状本体部とを備え、 上記他方の周面と保持部材との間の摺動摩擦抵抗力は、
    電池缶の内圧が上昇して設定内圧値に達するまではその
    内圧に抵抗して上記安全弁の相対移動を阻止した状態に
    保持する一方、上記設定内圧値を超える内圧の作用によ
    り上記安全弁を電池缶の外方側に相対移動させて上記頭
    部と封口蓋との当接を離すように設定されていることを
    特徴とする密閉電池の安全装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 保持部材が、弾性材料により形成されていることを特徴
    とする密閉電池の安全装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 保持部材は、外周面が封口蓋の貫通孔の内周面に密着し
    て配設され、内周面が安全弁の本体部の外周面に密に嵌
    合されていることを特徴とする密閉電池の安全装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 安全弁の本体部には、保持部材より先端側の位置に、周
    囲に僅かに突出する凸部が設けられ、上記本体部が電池
    缶の内圧を受けて上記保持部材の内周面との間で摺動し
    て相対移動する際の内圧値が、上記凸部形成位置の方が
    この凸部形成位置より頭部側の本体部よりも相対的に大
    となるように設定されていることを特徴とする密閉電池
    の安全装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 安全弁の本体部には、凸部形成位置よりも先端側の外周
    面に、上記凸部形成位置から先端まで延びて本体部の先
    端面に開口するガス抜き用凹溝が形成されていることを
    特徴とする密閉電池の安全装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 封口蓋は、その内面が絶縁被覆されたものであることを
    特徴とする密閉電池の安全装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、 封口体は、電池缶の開口部であって封口蓋の外側位置に
    配設されてその封口蓋と電気的に接続された正極端子
    と、リード線からこの正極端子までの間の電気導通経路
    の途中に介装され設定温度域で抵抗値が急増するPTC
    サーミスタとを備えていることを特徴とする密閉電池の
    安全装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、 封口体は、電池缶の開口部であって封口蓋の外側位置に
    配設されてその封口蓋と電気的に接続された正極端子を
    備え、この正極端子と、保持部材及び安全弁が取付けら
    れた状態の封口蓋とがそれぞれの外縁部で互いに重合さ
    れた状態に予め結合一体化されていることを特徴とする
    密閉電池の安全装置。
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