JPH08287793A - ガス絶縁電気機器、及びガス絶縁診断方法 - Google Patents

ガス絶縁電気機器、及びガス絶縁診断方法

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JPH08287793A
JPH08287793A JP8901995A JP8901995A JPH08287793A JP H08287793 A JPH08287793 A JP H08287793A JP 8901995 A JP8901995 A JP 8901995A JP 8901995 A JP8901995 A JP 8901995A JP H08287793 A JPH08287793 A JP H08287793A
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JP
Japan
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gas
container
adsorbent
insulated
equipment
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Application number
JP8901995A
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English (en)
Inventor
Makoto Yano
眞 矢野
Masanori Tsukushi
正範 筑紫
Kaoru Endo
馨 遠藤
Takashi Shirane
隆志 白根
Yoichi Oshita
陽一 大下
Kenichi Natsui
健一 夏井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、電気機器本体内のガス気密を
維持した状態で吸着剤を交換するとともに、交換作業に
よっても吸着剤を大気に晒さない吸着剤装着機構を備え
たガス絶縁電気機器を提供するにある。 【構成】上記目的を達成するために、本発明では、絶縁
ガスが封入されているガス絶縁機器の本体容器1と、該
本体容器1内の特定成分を吸着するために設置されてい
る吸着剤7を収納する吸着剤容器4に、それぞれ独立し
た気密保持機構を設けると共に、吸着剤容器4が本体容
器1に装着されている際には、吸着剤容器4と本体容器
1内部は空間的につながり、かつ、吸着剤容器4を本体
容器1から脱着する際には、前記気密保持機構により吸
着剤容器4と本体容器1のそれぞれが隔室化されて構成
されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガス絶縁電気機器、及び
ガス絶縁診断方法に係り、特に、ガス絶縁開閉装置、或
いはガス絶縁変圧器等に用いられている絶縁媒体ガスの
分解ガス、若しくは水分を吸着する吸着剤を備えている
ガス絶縁電気機器、及びガス絶縁診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス絶縁電気機器は、SF6 ガスに代表
される絶縁性ガスを封入しているが、水分が混入すると
絶縁性能を低下させるため水分除去手段として吸着剤を
機器の容器内に装着している。
【0003】このような吸着剤は、電気機器に異常が発
生した際、あるいはガス遮断器のごとくアークに触れる
ことで発生する分解ガスを吸着させる目的においてもほ
ぼすべてのガス絶縁電気機器で適用されている。
【0004】吸着剤の装着位置は、それぞれの機器によ
り異なるものの機器のガス気密開放にする定期点検時に
交換しやすく、かつ、電気機器設計上の障害とならない
よう内部点検作業用フランジ内側に装着されることが多
い。
【0005】また、ガス絶縁機器の気密を保持した状態
で、吸着剤を交換できる構造についても検討されている
(例えば、特開平5−219616 号公報,実開平3−111109
号公報,実開平2−94406号公報,実開昭64−12414 号公
報,実開昭62−57510 号公報,実開昭59−169529号公報
等参照)。
【0006】これらは、いずれも吸着剤を収納した円筒
形状容器をガス絶縁機器から引き抜く動作によって、ガ
ス絶縁機器側の気密を確保する一方で、吸着剤空間をガ
ス絶縁機器側の空間から隔離して大気側へ露出すること
で、吸着剤の交換作業を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】吸着剤の役割は、本
来、ガス絶縁特性を低下させる物質の除去にあるが、吸
着されているガス成分を分析することも可能であるため
に、ガス絶縁機器内部のガス絶縁状態を診断できる材料
として種々検討されている。
【0008】吸着剤に吸着されているガスを精度良く分
析するためには、電気機器から吸着剤を外してから分析
するまでに吸着剤を大気に晒さない方が好ましい。ま
た、取付ける際の吸着剤は、電気機器の絶縁ガス成分以
外を極力排除した状態としてから取り込むことが望まし
いが、このようなカートリッジ方式は二重圧力構造とな
るためあまり検討されていない。
【0009】本発明は上述の点に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、電気機器本体内のガス気密を
維持した状態で吸着剤の交換が可能で、長期間絶縁ガス
状態を良好に保つことができると共に、交換作業によっ
ても吸着剤を大気に晒さないで吸着剤の装着時と同一状
態を保ち精度の高い絶縁診断が可能なガス絶縁電気機
器、及びガス絶縁診断方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では絶縁ガスが封入されているガス絶縁機器
容器と、該ガス絶縁機器容器内の特定成分を吸着するた
めに設置されている吸着剤を収納する吸着剤容器に、そ
れぞれ独立した気密保持機構を設けると共に、前記吸着
剤容器が前記ガス絶縁機器容器に装着されている際に
は、前記吸着剤容器と前記ガス絶縁機器容器内部は空間
的につながり、かつ、前記吸着剤容器を前記ガス絶縁機
器容器から脱着する際には、前記気密保持機構により前
記吸着剤容器と前記ガス絶縁機器容器のそれぞれが隔室
化されて構成されるガス絶縁電気機器、或いは、絶縁ガ
スが封入されているガス絶縁機器容器と、該ガス絶縁機
器容器内の特定成分を吸着するために設置されている吸
着剤を収納する吸着剤容器に、それぞれ独立した気密保
持機構を設けると共に、前記吸着剤容器を前記ガス絶縁
機器容器から脱着する操作に伴い前記ガス絶縁機器容器
と前記吸着剤容器との間には、容積可変型の隔室が形成
されるガス絶縁電気機器、或いは、ガス絶縁機器容器内
に、該ガス絶縁機器容器内の特定成分を吸着するために
複数個装着されている吸着剤を所定の周期をもって交換
し、前記ガス絶縁機器容器から取り外された前記吸着剤
は、ガス分析されて得られた結果を交換時期の古い吸着
剤のガス分析結果と比較してガス絶縁状態の履歴を記録
し、このガス絶縁状態の履歴を記録を基に機器のガス絶
縁状態を診断するガス絶縁診断方法としたことを特徴と
する。
【0011】
【作用】本発明では、吸着剤の収納容器を気密容器にし
てあるため、装着時には、予め吸着剤を収納した容器内
を十分に脱気したのち、機器内と同一ガスを封入してお
く。機器内に装着する際には、吸着剤容器と機器容器と
の間に隔室が形成され、隔室内に閉じ込められた大気を
排出したのち容器をさらに捩じ込んでいく。最初に、吸
着剤容器の気密が開放され、隔室であった空間内のガス
圧が上昇し、次に、電気機器側の気密が開放されること
で、機器内部と吸着剤容器内部が連通し、吸着剤が作用
を開始する。
【0012】吸着剤を回収する際には、容器を外してき
て隔室を形成した段階で、隔室内ガス圧力を開放し、機
器容器側,吸着剤収納容器側とも隔室との圧力差により
気密が保持されるとともに、吸着剤容器に加わる圧力が
なくなるため、容易に吸着剤収納容器を取外すことがで
きる。
【0013】
【実施例】以下、図示した実施例に基づいて本発明を説
明する。
【0014】本発明のガス絶縁電気機器の一例としてガ
ス絶縁開閉装置の例を説明する。
【0015】ガス絶縁開閉装置は図3に示す如く、ガス
遮断器12と、断路器11a,11bと、ガス遮断器12
の一方側が断路器11aを介して接続されるガス母線1
0と、ガス遮断器12の他方側が変流器13,断路器1
1bを介して接続される避雷器14,ケーブルヘッド1
5とから概略構成される。
【0016】このように構成されるガス絶縁開閉装置に
おいて、後述する吸着剤装着機構は、例えばガス遮断器
12では作業フランジ16a,16b,ガス母線10で
は作業口17などに取り付けられる。
【0017】以下、吸着剤装着機構について図1、及び
図2を用いて詳細に説明する。
【0018】図1において、ガス絶縁機器の本体容器1
の一部に筒部2を形成し、内部に機器本体側の気密保持
手段3aと気密解消手段3bとを備えた本体フランジ3
を設けている。装着される筒状の吸着剤容器4は、吸着
剤容器4の気密保持手段5a,気密解消手段5b,弾性
体5cを備えた容器フランジ5と、吸着剤容器4の外周
に気密手段6とを備え、内部に吸着剤7を収納して、圧
力P3 で気密が保持されている。吸着剤容器4を機器本
体の筒部2に挿入すると、図1に示すように、本体容器
1と吸着剤容器4との間に隔室8が形成される。
【0019】この状態において、隔室8内部の圧力P0
は本体容器1の内部圧力P1より低く、この圧力差と本
体フランジ3の弾性体3cによって、本体フランジ3の
気密を保持している。隔室8内には外部大気が取り込ま
れているが、圧力調整機構9を設け、隔室8内部を減圧
することにより吸着剤容器4は容易に挿入される。
【0020】本体フランジ3と容器フランジ5の気密解
消手段3b,5bとが突き当たると、図2に示すように
本体容器1と吸着剤容器4内部はつながり、吸着剤7が
ガス吸着作用を始める。このような吸着剤装着機構22
の取り付けとしては、従来と同様、作業用フランジが好
ましい。
【0021】本実施例によれば、ガス絶縁機器の本体容
器のガス気密を保持したまま吸着剤を装着することがで
きるほか、装着時に外気を取り込まないため、内部ガス
の絶縁状態を低下させることはない。
【0022】本発明の他の実施例について図4を用いて
説明する。
【0023】該図に示す例は、概ね図1と同様の動作で
あるが、同図右断面に示した交換状態において、隔室8
を形成したのち、本体フランジ3と吸着剤容器4に設け
られた気密解消手段3bと4bとは、それぞれ気密を解
消させる相手側のフランジにあたる容器フランジ5と本
体フランジ3を直接動作させることができる。
【0024】図4に示す実施例の場合、本体フランジ3
側の気密解消手段3bと容器側の気密解消手段4bの突
き出し長さを変え、弾性体3cのバネ定数を弾性体5c
より大きくすることで、同図右断面の状態より吸着剤容
器4を挿入していくと、まず容器フランジ5が本体フラ
ンジ3側の気密解消手段3bにより押し下げられ、吸着
剤容器4の気密が開放される。さらに吸着剤容器4を挿
入していくと、吸着剤容器4の一構成部でもある気密解
消手段4bが本体フランジ3を直接持ち上げることで、
同図左側断面の状態となり、本体容器側の気密を開放さ
せ、吸着剤7がガス吸着作用を開始する。
【0025】一方、吸着剤7を回収する際には、図4の
左側断面の筒部2より吸着剤容器4を外していくと、再
度隔室8が形成された同図右側断面の構成に戻る。この
とき、本体容器1内部の圧力P1と隔室8内の圧力P0
吸着剤容器4内の圧力P3 は等しいが、吸着剤容器4の
気密を保持したまま取り外していけるように吸着剤容器
4の気密手段6を構成することで、隔室8の容積は拡大
し、隔室8内の圧力P0 は低下するため、圧力調整機構
9を使わずに回収することができる。
【0026】本実施例によれば、各部の圧力開放手段を
より確実なものとすることができる。また、回収時には
吸着剤容器4の取り外しの動作に伴って、吸着剤容器4
に加わる圧力を低減させることができるため、作業の安
全性を高められる。また、吸着剤周辺のガスを取り込ん
で回収しているため、交換作業後日数が経たあとでも装
着時と同一状態を保っており、内部吸着剤に吸着されて
いるガスを分析することで絶縁診断を行うことも可能で
ある。
【0027】本発明の更に他の実施例について図5、及
び図4を用いて説明する。
【0028】本実施例では、装着する前の吸着剤容器4
は図5に示すごとく、気密解消手段5bを弾性体5cが
圧接している。この状態で、吸着剤容器の4内部には装
着するガス絶縁機器の本体容器に封入されているのと同
一ガスを、本体容器内のガス圧力P1 以上で封入してい
る。
【0029】このような吸着剤容器4を本体容器に装着
していき、図4の右側断面に示すような状態で隔室8内
の圧力P0 を減圧したのち、さらに挿入していき、容器
フランジ5が押し下げられ吸着剤容器4の気密が開放さ
れると、吸着剤容器4の内部圧力P4 が隔室8を形成し
ていた空間に開放され圧力を上昇させる。この時の圧力
がほぼ本体容器内圧力P1に等しくなるように吸着剤容
器内部圧力P4を設定しておくことにより、本体フラン
ジ3内外の圧力差を解消し、本体容器側の気密を容易に
開放することができる。
【0030】このような本実施例によれば、本体容器へ
の装着動作が容易に行えるようになる。また、予め本体
ガスと同一ガスを吸着剤に取り込ませているため、吸着
剤容器の交換に伴い本体ガス圧力を変化させることがな
い。
【0031】本発明の更に他の実施例について図6を用
いて説明する。
【0032】本実施例では、前述した図4の構成におい
て、吸着剤容器4内に吸着剤7の加熱手段18を設けた
ものである。
【0033】吸着剤容器4を本体容器1に装着し、ある
期間、吸着動作をさせたのち、本体フランジ3の気密は
保持され、容器フランジ5の気密が開放されている状態
で、圧力調整機構9より吸着剤容器4側を真空引きする
とともに加熱手段18を動作させ吸着剤7を加熱し、吸
着ガスおよび水分を排出させることで、吸着剤容器4を
本体容器1に装着させた状態で吸着剤7を再生させるこ
とが可能となる。
【0034】このような本実施例によれば、本体容器1
の気密を保持した状態で吸着剤7の再生ができるため、
長期に渡り機器を運転した状態でガス状態を維持するこ
とが可能になる。また、加熱時に圧力調整機構9より排
出されるガスを分析することによって、吸着剤7が置か
れていたガス絶縁状態を診断することも可能である。次
に、本発明のガス絶縁診断方法について、図3を用いて
説明する。上述してきた吸着剤装着機構22を、例えば
ガス遮断器12の作業フランジ16a,16bのような区
切られたガス空間内に複数個設置する。そして、この吸
着剤装着機構22を所定の周期をもって交換し、ガス絶
縁機器容器のガス空間から取り外された吸着剤装着機構
22に装着されている吸着剤7はガス分析され、ガス分
析されて得られた吸着剤7の結果を交換時期の古い吸着
剤7のガス分析結果と比較してガス絶縁状態の履歴を記
録し、このガス絶縁状態の履歴を記録を基に機器のガス
絶縁状態を診断するものである。
【0035】このようなガス絶縁診断方法とすれば、吸
着されやすい成分と吸着されにくい成分とを各吸着剤7
に分担させることも可能であるし、複数個の吸着剤容器
4にそれぞれ異なった成分の吸着剤7を収納すること
で、より効果的なガス吸着が行える。
【0036】本発明の更に他の実施例について図7を用
いて説明する。
【0037】本実施例では、図4にて説明した吸着剤容
器4を用い、ある期間ガス吸着動作をさせたのち、交換
されてきた吸着剤容器4の内部ガスを分析する際に、吸
着剤容器4を直接加熱する容器加熱手段19,真空引き
装置20,ガス分析装置21を設け、容器フランジ5を
押し下げ吸着剤容器4のガス気密を開放させたうえで吸
着剤7に吸着されているガス成分を分析できるようにし
てる。
【0038】このような本実施例によれば、吸着剤7の
交換作業後日数が経たあとでも吸着剤容器4の内部は機
器本体装着時と同一状態を保っており、内部の吸着剤7
に吸着されているガスを加熱分析することで絶縁診断を
行うことが可能である。
【0039】図8は本発明をガス絶縁変圧器に適用した
具体的な実施例を示す。
【0040】該図に示すごとく、ガス絶縁変圧器は、鉄
心23と巻線24を収納し、絶縁ガス25が充填された
タンク26と、このタンク26の外部の冷却器27,ガ
ス送風器28とは冷却配管29を介して接続されて構成
され、内部を冷却する絶縁ガス25は、矢印で示すよう
な循環経路で流れる。また、巻線24から引き出された
リード線30はタンク26上部側に導出され、デスクス
ペーサ31で支持されリード線導出32を介し外部に引
き出される。
【0041】そして、上述した吸着剤装着機構22aは
冷却器27の出口付近の冷却配管29の側面に配置され
ている。また、リード線30に面したタンク26の壁面
には同様に上述した吸着剤装着機構22bが配置されて
いる。
【0042】本実施例によれば、巻線24内部でコロナ
放電や局部加熱等の異常により発生した分解ガスは冷却
循環経路を通して吸着剤装着機構22a内の吸着剤に吸
着するので、その吸着した分解ガスを分析することによ
り巻線24の異常診断が可能である。また、リード線3
0からコロナ放電や局部加熱等の異常により発生する分
解ガスが、対流や拡散により吸着剤装着機構22bの吸
着剤にも吸着されるので、その分解ガスを分析すること
によりリード線30の異常診断も可能である。なお、冷
却循環系に配置される吸着剤装着機構22aが冷却器2
7の後に配置されているのは、その中に収納される吸着
剤が温度が低いほど分解ガスの吸着量が多い性質がある
ことに配慮したものである。
【0043】次に、単相3台で構成される3相ガス絶縁
変圧器に本発明の吸着剤装着機構を適用した実施例を図
9、及び図10に示す。ここで図9は、単相3台の配列
方向から見た側面図であり、図10は図9の矢印方向か
ら見た正面図である。
【0044】図9において、タンク26と冷却器27と
の間、及びタンク26とガス送風器28との間にガス共
通配管33,34がそれぞれ配置されている。このガス
共通配管33,34は、各タンク26a,26b,26
cの冷却配管35a,35b,35cに接続されてお
り、各タンク26の間には通常開状態とした仕切り弁3
6,37が設けられている。
【0045】このため、複数台配置された冷却器27や
ガス送風器28の一部が故障してもガス共通配管33,
34を通してガス循環が行われ、各タンク26a,26
b,26c内の冷却が均一に行えるようになっている。
また、各タンク26a,26b,26cに対応して、吸着
剤装着機構22a,22b,22cが、上部のガス共通
配管33との間の冷却配管35a,35b,35cの側
面にそれぞれ配置されている。
【0046】このような本実施例によれば、各タンク2
6a,26b,26cで発生した分解ガスは、主として
それぞれ対応した吸着剤装着機構22a,22b,22
cに吸収されるので、これらのガス分析を行うことによ
りどのタンク内部が異常であるかの判断が可能である。
さらに、仕切り弁36,37を適宜閉状態とし異常のあ
ったタンクだけの冷却循環経路を構成することにより、
そのタンク内部の異常を精度良く判断でき、その異常の
状況も正確に把握することができる。
【0047】尚、説明してきた各実施例においては、吸
着剤容器を機器本体に装着する際に形成される隔室内部
に取り込んでいる大気を排出するために、圧力調整機構
として真空装置を含んでいる。隔室内の容積が小さいた
め、小型軽量のポンプで十分目的は達せられる。また、
機器本体ガス容量に対して極めて少量である隔室の大気
混入が許容できるのなら、圧力調整機構として単純な圧
力逃がし弁だけでも、吸着剤装着機構としての作用は変
わるものではない。
【0048】たとえば、同じ圧力下で空気より密度の大
きなSF6 ガスを用いた場合、図3に記載したように吸
着剤容器を下方から上方に向けて装着することで、その
密度差により圧力逃がし弁から大気を排出することもで
きる。
【0049】今まで種々説明した各実施例によれば、機
器を停止することなく吸着剤を交換できると共に、交換
時に外気を取り込むことがないため、長期間絶縁ガス状
態を良好に保つことができるし、また、吸着剤を外気に
晒すことなく、かつ、吸着剤周辺ガスを取り込んで回収
することができるため、日数が経た後でも装着時と同一
状態を保っており、吸着剤に吸着されているガスを分析
することで精度の高い絶縁診断が可能になる。
【0050】更に、吸着剤装着したまま再生することも
できるし、取り外したのち容器ごと加熱再生させたの
ち、機器内ガスと同一ガスを封入することも可能であ
り、これによって、機器周辺の大気状態によらず、吸着
剤装着時の初期状態を常に一定にすることができるた
め、吸着剤に取り込まれたガス成分を定期的に分析する
ことで機器状態の変化を正しく診断することができる。
【0051】従って、定期点検に先立ち、機器ガス気密
を保持した状態で内部のガス絶縁診断を行い、定期点検
実施時期を伸ばすこと、あるいは状況に応じた定期点検
準備も行うことができ、機器停止期間を最小限にするこ
とが可能になる等種々の効果が得られる。
【0052】
【発明の効果】以上説明した本発明のガス絶縁電気機
器、及びガス絶縁診断方法によれば、絶縁ガスが封入さ
れているガス絶縁機器容器と、該ガス絶縁機器容器内の
特定成分を吸着するために設置されている吸着剤を収納
する吸着剤容器に、それぞれ独立した気密保持機構を設
けると共に、前記吸着剤容器が前記ガス絶縁機器容器に
装着されている際には、前記吸着剤容器と前記ガス絶縁
機器容器内部は空間的につながり、かつ、前記吸着剤容
器を前記ガス絶縁機器容器から脱着する際には、前記気
密保持機構により前記吸着剤容器と前記ガス絶縁機器容
器のそれぞれが隔室化されて構成されるガス絶縁電気機
器、或いは、絶縁ガスが封入されているガス絶縁機器容
器と、該ガス絶縁機器容器内の特定成分を吸着するため
に設置されている吸着剤を収納する吸着剤容器に、それ
ぞれ独立した気密保持機構を設けると共に、前記吸着剤
容器を前記ガス絶縁機器容器から脱着する操作に伴い前
記ガス絶縁機器容器と前記吸着剤容器との間には、容積
可変型の隔室が形成されるガス絶縁電気機器、或いは、
ガス絶縁機器容器内に、該ガス絶縁機器容器内の特定成
分を吸着するために複数個装着されている吸着剤を所定
の周期をもって交換し、前記ガス絶縁機器容器から取り
外された前記吸着剤は、ガス分析されて得られた結果を
交換時期の古い吸着剤のガス分析結果と比較してガス絶
縁状態の履歴を記録し、このガス絶縁状態の履歴を記録
を基に機器のガス絶縁状態を診断するガス絶縁診断方法
としたものであるから、電気機器本体内のガス気密を維
持した状態で吸着剤の交換が可能で、長期間絶縁ガス状
態を良好に保つことができると共に、交換作業によって
も吸着剤を大気に晒さないで吸着剤の装着時と同一状態
を保ち精度の高い絶縁診断が可能であり、その実用的な
効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス絶縁電気機器の一実施例に採用さ
れる吸着剤装着機構の一例を示し、本体容器と吸着剤容
器の内部がつながる前の断面図である。
【図2】本発明のガス絶縁電気機器の一実施例に採用さ
れる吸着剤装着機構の一例を示し、本体容器と吸着剤容
器の内部がつながった後の断面図である。
【図3】本発明のガス絶縁電気機器の一実施例であるガ
ス絶縁開閉装置を示す概略構成図である。
【図4】本発明のガス絶縁電気機器の一実施例に採用さ
れる吸着剤装着機構の他の例を示し、左側が装着状態、
右側が交換状態を示す断面図である。
【図5】本発明のガス絶縁電気機器の一実施例に採用さ
れる吸着剤装着機構の更に他の例を示す断面図である。
【図6】本発明のガス絶縁電気機器の一実施例に採用さ
れる吸着剤装着機構の更に他の例を示す断面図である。
【図7】本発明のガス絶縁電気機器の一実施例に採用さ
れる吸着剤装着機構の更に他の例を示す断面図である。
【図8】本発明のガス絶縁電気機器の一実施例であるガ
ス絶縁変圧器を示す概略構成図である。
【図9】本発明のガス絶縁電気機器の一実施例である3
相ガス絶縁変圧器を配列方向から見た側面図である。
【図10】本発明のガス絶縁電気機器の一実施例である
3相ガス絶縁変圧器を図9の矢印方向から見た正面図で
ある。
【符号の説明】
1…本体容器、2…筒部、3…本体フランジ、3a,5
a…気密保持手段、3b,5b…気密解消手段、3c,
5c…弾性体、4…吸着剤容器、5…容器フランジ、6
…気密手段、7…吸着剤、8…隔室、9…圧力調整機
構、10…ガス母線、11a,11b…断路器、12…
ガス遮断器、13…変流器、14…避雷器、15…ケー
ブルヘッド、16a,16b…作業フランジ、17…作
業口、18…加熱手段、19…容器加熱手段、20…真
空引き装置、21…ガス分析装置、22,22a,22
b,22c…吸着剤装着機構、23…鉄心、24…巻
線、25…絶縁ガス、26,26a,26b,26c…
タンク、27…冷却器、28…ガス送風器、29,3
5,35a,35b,35c…冷却配管、30…リード
線、31…デスクスペーサ、32…リード線導出、3
3,34…ガス共通配管、36,37…仕切り弁。
フロントページの続き (72)発明者 白根 隆志 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 大下 陽一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 夏井 健一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁ガスが封入されているガス絶縁機器容
    器と、該ガス絶縁機器容器内の特定成分を吸着するため
    に設置されている吸着剤と、該吸着剤を収納する吸着剤
    容器とを備え、前記吸着剤容器はガス絶縁機器容器に着
    脱自在に装着されているガス絶縁電気機器において、 前記ガス絶縁機器容器と吸着剤容器にそれぞれ独立した
    気密保持機構を設けると共に、前記吸着剤容器が前記ガ
    ス絶縁機器容器に装着されている際には、前記吸着剤容
    器と前記ガス絶縁機器容器内部は空間的につながり、か
    つ、前記吸着剤容器を前記ガス絶縁機器容器から脱着す
    る際には、前記気密保持機構により前記吸着剤容器と前
    記ガス絶縁機器容器のそれぞれが隔室化されて構成され
    ることを特徴とするガス絶縁電気機器。
  2. 【請求項2】絶縁ガスが封入されているガス絶縁機器容
    器と、該ガス絶縁機器容器内の特定成分を吸着するため
    に設置されている吸着剤と、該吸着剤を収納する吸着剤
    容器とを備え、前記吸着剤容器はガス絶縁機器容器に着
    脱自在に装着されているガス絶縁電気機器において、 前記ガス絶縁機器容器と吸着剤容器にそれぞれ独立した
    気密保持機構を設けると共に、前記吸着剤容器を前記ガ
    ス絶縁機器容器から脱着する操作に伴い前記ガス絶縁機
    器容器と前記吸着剤容器との間には、容積可変型の隔室
    が形成されることを特徴とするガス絶縁電気機器。
  3. 【請求項3】前記隔室には内部の圧力を調整する圧力調
    整機構が設けられていることを特徴とする請求項2記載
    のガス絶縁電気機器。
  4. 【請求項4】前記吸着剤容器は、前記ガス絶縁機器容器
    に封入されているガスと同一ガスがガス絶縁機器容器内
    のガス圧力以上の圧力で封入された後、前記ガス絶縁機
    器容器に装着されることを特徴とする請求項1、又は2
    記載のガス絶縁電気機器。
  5. 【請求項5】前記吸着剤容器をガス絶縁機器容器から取
    り外す際には、前記吸着剤周辺ガスを取り込んで回収で
    きるように構成されていることを特徴とする請求項1、
    又は2記載のガス絶縁電気機器。
  6. 【請求項6】前記吸着剤容器に加熱手段を設けると共
    に、該加熱手段を前記隔室と吸着剤容器との空間を連通
    して動作させ、前記隔室と吸着剤容器との空間内のガス
    を新しいガスと交換できるように構成されていることを
    特徴とする請求項2、又は3記載のガス絶縁電気機器。
  7. 【請求項7】ガス絶縁機器容器内に、該ガス絶縁機器容
    器内の特定成分を吸着するために複数個装着されている
    吸着剤を所定の周期をもって交換し、前記ガス絶縁機器
    容器から取り外された前記吸着剤は、ガス分析されて得
    られた結果を交換時期の古い吸着剤のガス分析結果と比
    較してガス絶縁状態の履歴を記録し、このガス絶縁状態
    の履歴の記録を基に機器のガス絶縁状態を診断すること
    を特徴とするガス絶縁診断方法。
JP8901995A 1995-04-14 1995-04-14 ガス絶縁電気機器、及びガス絶縁診断方法 Pending JPH08287793A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114602287A (zh) * 2020-12-09 2022-06-10 西安西电高压开关有限责任公司 一种吸附剂更换装置及一种高压开关设备

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