JP2008249617A - 油入電気機器の異常診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】健全な隔壁ゴム状膜からは透過せず、隔壁ゴム状膜のピンホールなどによる切替開閉器からの漏洩を少量でも容易に検出できる特定ガスを用いた油入電気機器の異常診断方法を提供すること。
【解決手段】変圧器本体絶縁油と切換開閉器室油が隔壁で区画された油入電気機器の異常診断方法であって、該切換開閉器室油にクリプトンガスを溶解させた絶縁油を注入する工程、油入電気機器から変圧器本体絶縁油の試料を採取し、該試料油中のクリプトンガスの有無を分析する工程を行なうことにより、油入電気機器の異常を判定する。
【選択図】なし

Description

本発明は、油入電気機器、特にコンサベータを使用している変圧器本体の異常診断方法に関するものである。
油入電気機器の保守管理に関する効果的な一手法として、油中ガス分析による保守管理が電力会社他多数のユーザーで採用され、事故防止に役立っている(例えば、非特許文献1)。油中ガス分析による異常診断は、機器を停止することなく変圧器本体の絶縁油を採取し、油中に溶存しているガス成分を抽出、分析してガスの量及び種類から放電や過熱などの異常を早期に発見する技術である。
油入電気機器に使用されているコンサベータは、大別して、変圧器本体絶縁油と切換開閉器室油が隔壁ゴム状膜(ゴムセル)で区画されたタイプと、変圧器本体絶縁油と切換開閉器室油がゴム状膜以外の隔壁で区画されたタイプがある。これらいずれのコンサベータにおいても、切換開閉器室油はタップ切換時に発生するアーク放電のため、使用中に徐々に汚損して絶縁性が低下すると共に、アセチレン、メチルビニルアセチレン、2−メチル−1,3ブタジエンなどのガス成分が増加してくる。
コンサベータに使用されているゴムセルは、コーナー接合部に局部的な固定しわが発生して、経年によって繰り返し屈曲することにより、亀裂やピンホールが発生することが知られている。ゴムセルに亀裂やピンホールが発生すると、切換開閉器室油内の可燃性ガスが変圧器本体絶縁油中に混入してくる。また、ゴムセルに亀裂やピンホールが無く、健全な状態のゴムセルであっても、切換開閉器室油内の可燃性ガスが変圧器本体絶縁油中へ混入してしまうことが知られている。この場合、変圧器本体の内部異常との識別のために過大な労力ならびに油中ガス分析周期の短縮による分析コストが発生する。
また、従来のコンサベータは、いずれも、コンサベータの下方側の変圧器本体において、変圧器本体絶縁油内にタップ切換開閉器室が、例えばNBRなどのシール材により液密に配置されている。このため、経年使用によりシール性が低下し、切換開閉器室油内の可燃性ガスが変圧器本体絶縁油中へ混入してくる。この場合も同様に、変圧器本体の内部異常との識別のために過大な労力ならびに油中ガス分析周期の短縮による分析コストが発生する。
特開昭52−56323号公報には、絶縁油が充填された変圧器油槽内に油入の切替開閉器室を液密に収納した負荷時タップ切換変圧器において、上記切替開閉器室内の絶縁油中にヘリウムガスなどの不活性ガスを溶解させるようにした負荷時タップ切換変圧器が開示されている。この負荷時タップ切換変圧器によれば、切替開閉器室の絶縁油中にヘリウムガス等の不活性ガスを溶解させたため、ガス分析により切替開閉器からの漏洩をいかに少量でも直ちにしかも容易に検出でき、また、変圧器の保守点検に多大な利益をもたらすというものである。
電気協同研究、第54巻、第5号(1999) 特開昭52−56323号公報(請求項1、第2頁右欄第7行目)
しかしながら、上記公報の不活性ガスには、ヘリウムガスの開示しかない。また、ヘリウムガスは分子量が非常に小さなガスであるために、健全な隔壁ゴム状膜からの透過などにより、切替開閉器室からの例えばピンホール等の直接漏洩でなくとも微量検出されてしまう。また、ヘリウムガスの絶縁油に対する飽和溶解度は、炭化水素ガス、クリプトンあるいは6フッ化硫黄などに比べてかなり小さい。このため、過飽和溶解している場合は、温度変化や振動により、ガス化する可能性がある。
従って、本発明の目的は、健全な隔壁ゴム状膜からは透過せず、隔壁ゴム状膜のピンホールなどによる切替開閉器からの漏洩を少量でも容易に検出できる特定ガスを用いた油入電気機器の異常診断方法を提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、不活性ガスの中、クリプトンであれば、健全な隔壁ゴム状膜からは透過せず、隔壁ゴム状膜のピンホールやシール不良などによる切替開閉器からの漏洩を容易に検出できることなどを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、変圧器本体絶縁油と切換開閉器室油が隔壁で区画された油入電気機器の異常診断方法であって、該切換開閉器室油にクリプトンガスを溶解させた絶縁油を注入する工程、油入電気機器から変圧器本体絶縁油の試料を採取し、該試料油中のクリプトンガスの有無を分析する工程を行なうことにより、油入電気機器の異常を判定する油入電気機器の異常診断方法を提供するものである。
本発明の油入電気機器の異常診断方法において用いるクリプトンガスは、絶縁油中に溶解させても変圧器などの運転に支障をきたすことがなく、絶縁油の中で生成されないガスであり、健全な隔壁ゴム状膜からは透過せず、劣化したシール材や隔壁ゴム状膜のピンホールなどを漏洩し、漏洩後の変圧器本体絶縁油のサンプリング試料からガスクロにより容易に検出できる。また、本発明の油入電気機器の異常診断方法によれば、クリプトンガス含有絶縁油を切換開閉器室油へ注入するのは異常診断を行なう場合であり使用頻度は少なく、また、クリプトンガスは絶縁油に溶解させて使用するため、コストの上昇を極力低減することができる。また、変圧器本体絶縁油からクリプトンガスが検出された場合にのみ、変圧器を分解、点検などを行なえばよいため、変圧器の保守点検に多大な労力や時間を費やすことがなくなる。
本発明の油入電気機器の異常診断方法(以下、単に「異常診断方法」とも言う。)において、変圧器本体絶縁油と切換開閉器室油を区画する隔壁とは、変圧器本体の上方に位置するコンサベータ内における変圧器本体絶縁油と切換開閉器室油を区画する隔壁ゴム状膜(以下、単に「ゴム膜」とも言う。)であるか、あるいは、コンサベータの下方に位置する変圧器本体内における変圧器本体絶縁油と切換開閉器室油を区画するシール部を有する隔壁を言う。シール部で用いられるシール部材としては、例えばNBRなどが挙げられる。
変圧器本体絶縁油と切換開閉器室油をゴム状膜で区画するコンサベータの構造の一例を図1を参照して説明する。図1は油入電気機器のコンサベータの構造を示す簡略図である。図1中、コンサベータ10は、銅コイルを有する変圧器本体上部に設置され、外箱14内には、変圧器本体絶縁油11が充填されたゴムセル121と、負荷時タップ切換器を収容する切換開閉器室油13が充填された切換開閉器室131とを有する。変圧器本体絶縁油11と切換開閉器室油13はゴム膜12で区画され、変圧器本体とゴムセル121は連結管15で連結されている。なお外箱内であって、ゴムセル121外には、水溜め部18に溜まった水を抜く水抜き弁17と、フロート124の位置から液面を表示するダイヤル油面計19とを有している。なお、符号123はブリーザ連結管、16は仕切り板、122は空気抜栓である。このようなコンサベータ10の切換開閉器室油13は、タップ切換時に発生するアーク放電のため、使用中に徐々に汚損して絶縁性が低下すると共に、アセチレン、メチルビニルアセチレン、2−メチル−1,3ブタジエンなどのガス成分が増加してくる。このため、切換開閉器室油13中のガス成分のゴム膜12に対するガス透過現象が生じるか否かが問題となり、また、ゴム膜12に生じたピンホールからの漏洩が問題となる。なお、変圧器本体側(図1では不図示のコンサベータ10の下方部分)において、切換開閉器室131は変圧器本体絶縁油11内にNBRなどのシール部材で液密に配置されており、当該シール部分のシール不良に伴う切換開閉器室油13中のガス成分の変圧器本体絶縁油11への拡散が問題となる。
変圧器本体絶縁油と切換開閉器室油をゴム状膜ではない隔壁で区画するコンサベータの構造の一例を図2を参照して説明する。図2は油入電気機器のコンサベータの他の構造を示す簡略図である。図2中、コンサベータ20は、銅コイルを有する変圧器本体上部に設置され、外箱32内には、変圧器本体絶縁油21が充填された絶縁油封入室33と、負荷時タップ切換器を収容する切換開閉器室油23が充填された切換開閉器室34とを有する。絶縁油封入室33には、ブリーザー30を通した外気が出入りするゴムセル22が設置され、変圧器本体絶縁油21と切換開閉器室油23は隔壁24で区画され、変圧器本体と絶縁油封入室33は連結管25で連結されている。なお、絶縁油封入室33及び切換開閉器室34は、それぞれ、フロートの位置から液面を表示するダイヤル油面計31を有している。なお、符号26は排油弁、27は注油弁である。なお、変圧器本体側(図2では不図示のコンサベータ20の下方部分)において、切換開閉器室34は変圧器本体絶縁油21内にNBRなどのシール部材で液密に配置されており、当該シール部分のシール不良に伴う切換開閉器室油23中のガス成分の変圧器本体絶縁油21への拡散が問題となる。
隔壁ゴム状膜としては、特に制限されず、例えば、図3に示すように、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム341を芯材とし、該芯材から両外側に向けて、接着層331、ポリアミド繊維321及びニトリルゴム311をそれぞれ積層した7層構造の膜が挙げられる。また、上記7層構造の膜に対して、芯材と接着層部分をニトリルゴム(NBR)で置き換えた5層構造の膜もある。
本発明の油入電気機器の異常診断方法において、切換開閉器室油にクリプトンガスを溶解させた絶縁油を注入する工程を行なう。この工程は、定期又は不定期あるいは必要に応じて随時に行う。通常は、従来からの変圧器本体絶縁油をサンプリングして行なう油中ガス分析による保守管理により例えばアセチンの検出など、油の異常と思われる兆候が現れた際に行なえばよい。
注入する絶縁油は、新油又は使用油のいずれでもよいが、切換開閉器室油と同じ絶縁油の新油が、分析結果に悪影響を与えない点で好ましい。また、絶縁油中、クリプトンガスの濃度は、切換開閉器室油に注入した後、切換開閉器室油中のクリプトンガス濃度が、3000ppm以上、好ましくは飽和値(35000ppm)近傍となる濃度である。3000ppm未満であると、直ちに且つ容易に検出し難くなる。また、過飽和では、クリプトンガスの無駄な使用となると共に、温度変化や振動によりガス化し易くなり好ましくない。クリプトンガスが溶解する絶縁油の注入量は、特に制限されず、適宜決定される。また、注入する絶縁油は切換開閉器室油の全量であってもよい。すなわち、切換開閉器室油の全量を抜出し、クリプトンガス溶解絶縁油を切換開閉器室油として入れ替える全量交換もこの工程に含まれる。
次ぎに、油入電気機器から変圧器本体絶縁油の試料を採取し、該試料油中のクリプトンガスの有無を分析する工程を行なう。油入電気機器から変圧器本体絶縁油の試料を採取する方法は、従来と同様の方法で行えばよい。また、油入電気機器から採取された変圧器本体絶縁油の試料油中のクリプトンガスの分析は、ガスクロマトグラフィーを用いた公知の分析方法に準拠して行なえばよい。
クリプトンガスは、絶縁油中に溶解させても変圧器などの運転に支障をきたすことがなく、絶縁油の中で生成されないガスであり、通常の絶縁油中には含まれないガスであり、健全な隔壁ゴム状膜からは透過しないガスであり、拡散により劣化したシール材や隔壁ゴム状膜のピンホールなどを漏洩するガスであり、漏洩後の変圧器本体絶縁油のサンプリング試料からガスクロにより容易に検出できるガスであり、毒性のないガスである。また、クリプトンの注入により、絶縁油の絶縁耐力の低下は実用上問題がない程度に抑制できる。
不活性ガスの中でも、水素、ヘリウム、ネオンはゴム状膜を透過するため使用できない。また、6フッ化硫黄は油中における拡散速度が小さく、劣化したシール材や隔壁ゴム状膜のピンホールなどを漏洩しない場合があり、異常診断に有効なガスとなり得ない。
当該分析工程において、変圧器本体絶縁油の試料油中からクリプトンガスが検出されれば、シール材が劣化しているか、若しくは隔壁ゴム状膜にピンホールが発生したかなどの異常があると診断される。この場合、変圧器本体を分解又は点検して更に異常個所を特定することになる。
当該分析工程において、変圧器本体絶縁油の試料油中からクリプトンガスが検出されない場合、シール材及び隔壁ゴム状膜は正常であると診断される。この場合、油入機器は継続使用できる。
なお、本発明において、切換開閉器室油にクリプトンガスを溶解させた絶縁油を注入する工程は、当該工程を実施した後、分析結果においてクリプトンの漏洩がないと判断された場合、次回の異常診断においては、クリプトンの再度の注入は省略してもよいが、通常経年の使用によって、クリプトンガスは、ゴム状膜やシール部分から極々微量透過して消失するため、異常診断を行なう度に、切換開閉器室油をサンプリングして、クリプトン濃度を確認した後、必要であれば、当該工程を実施することが望ましい。
次ぎに、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(ガスゴム膜透過試験)
図4に示す気密構造の容器を作製し、下記試験条件下で水素、アセチレン、エチレン、炭酸ガス、6フッ化硫黄及びクリプトンのゴム膜透過の有無を調べた。すなわち、ガスゴム膜透過試験装置は、図4に示すように、高濃度ガス含有絶縁油421が充填される上部タンク42と新油の絶縁油431が充填される下部タンク43を、前述のゴム状膜44で区画する気密構造の容器41を使用する。上部タンク42には開閉弁45を有する試料油導入兼採取管46が、下部タンク43には開閉弁47を有する試料油導入兼採取管48をそれぞれ備えている。
<試験油;上部タンクに充填される高濃度ガス含有絶縁油>
高濃度ガス含有試験油を得るために、JIS C2101の絶縁破壊電圧試験法に準じて絶縁破壊させた絶縁油を用いた。更に、この絶縁油にクリプトンをクリプトン濃度が35000ppmと、6フッ化硫黄を6フッ化硫黄濃度が248000となるようにそれぞれ溶解させた。この試験油中の水素、アセチレン、エチレン、炭酸ガス濃度を電協研法で測定した。その結果、水素濃度は1.22ppm、アセチレン濃度は546.5ppm、エチレンガス濃度は、139.6ppm、炭酸ガス濃度は86.31ppmであった。
<試験条件>
・ 試験温度;55℃、試験日数;50日
・ 試料採取間隔;10日毎
・ 最小検出感度;水素、アセチレン、エチレン及び炭酸ガスはそれぞれ0.1ppm、6フッ化硫黄は100ppm、クリプトンは50ppm
・ ゴム膜;図3に示すPVAフィルムを芯材とする7層構造のゴム膜(実際に変圧器に使用されているゴム膜)
<試験結果>
試験後50日で電協研法で要注意と判定される水素、アセチレン、エチレン、炭酸ガス濃度が検出された。一方、試験後50日でクリプトン及び6フッ化硫黄はそれぞれガスクロ分析において検出されなかった。このことから、コンサベータで使用されているゴム状膜が正常である場合、クリプトンと6フッ化硫黄は経年使用においても透過しないことが判る。
(シール不良模擬試験)
図5に示す漏洩試験装置を作製し、下記試験条件下でクリプトン及び6フッ化硫黄の漏洩の有無を調べた。漏洩試験装置50は、新油充填部51と可燃ガス充填部52をリーク構造体53で連結したものである。なお、符号54は緩衝袋、55は試料採取口である。リーク構造体53は実機上のリークを再現したものであり、配管56内にシール材であるNBRを気密に設置し、NBRに経験的に把握される0.15mmのピンホール58を形成させたものである。
<試験油;可燃ガス充填部52に充填される可燃ガス含有絶縁油>
切換開閉器室油を模擬するために、JIS C2101の絶縁破壊電圧試験法に準じて絶縁破壊させて可燃ガス含有絶縁油を得た。その後、クリプトンと6フッ化硫黄を飽和値に近い値まで溶解させた。この試験油中のクリプトン濃度は35000ppm、6フッ化硫黄濃度は187000ppmであった。
<試験条件>
・ 試験温度;55℃、試験日数;50日
・ 試料採取間隔;10日毎
・ 圧力;大気圧
<試験結果>
試験後10日(最初のサンプリング)で既にクリプトンが検出され、試験後50日でクリプトン濃度200ppmが検出された。しかし、6フッ化硫黄は試験後、50日経っても検出されなかった。これにより、油入電気機器においてシール材のピンホールあるいはシール不良が発生した場合、拡散速度が速いクリプトンは漏洩するものの、拡散速度が遅い6フッ化硫黄は漏洩しないことが判る。
油入電気機器のコンサベータの構造を示す簡略図である。 油入電気機器の他のコンサベータの構造を示す簡略図である。 変圧器本体絶縁油と切換開閉器室油を区画する隔壁ゴム状膜の構造を示す模式的断面図である。 ガスゴム膜透過試験で使用する気密構造の試験容器の模式図である。 シール不良模擬試験で使用する試験装置の簡略図である。
符号の説明
10、20 コンサベータ
11、21 変圧器本体絶縁油
12 隔壁ゴム状膜
13、23 切換開閉器室油
14 外箱
15 連結管
16 仕切り板
19 ダイヤル油面計
24 隔壁
40 ガスゴム膜透過試験装置
50 漏洩試験装置
311 ニトリルゴム
321 ポリアミド繊維
331 接着層
341 ポリビニルアルコール(PVA)フィルム

Claims (3)

  1. 変圧器本体絶縁油と切換開閉器室油が隔壁で区画された油入電気機器の異常診断方法であって、該切換開閉器室油にクリプトンガスを溶解させた絶縁油を注入する工程、油入電気機器から変圧器本体絶縁油の試料を採取し、該試料油中のクリプトンガスの有無を分析する工程を行なうことにより、油入電気機器の異常を判定することを特徴とする油入電気機器の異常診断方法。
  2. クリプトンガスが未検出の場合、切換開閉器室油から変圧器本体絶縁油への漏洩はないと判定されることを特徴とする請求項1記載の油入電気機器の異常診断方法。
  3. クリプトンガスが検出された場合、切換開閉器室油から変圧器本体絶縁油への漏洩があると判定されることを特徴とする請求項1又は2記載の油入電気機器の異常診断方法。
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