JP2009198322A - シール検査方法、及びシール検査装置、並びにシール検査システム - Google Patents

シール検査方法、及びシール検査装置、並びにシール検査システム Download PDF

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Abstract

【課題】シール検査に伴うランニングコストの削減を図るとともに、環境への影響を抑制すること。
【解決手段】イオン検知センサ14は、グロメット15がグロメット取付部11Aに装着された場合であって、加圧装置13による排気によってチャンバー11内部が加圧され、且つ高電圧発生装置12Bから電極12Aへの印加によってチャンバー11内部に放電によるイオンが発生しているとき、ワイヤハーネス16を構成する複数の電線間の空隙、またはワイヤハーネス16と該ワイヤハーネス16によって挿通されるグロメット15との間の空隙、を介してチャンバー11内部からチャンバー11外部へ漏れ出るイオンの有無を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シール処理が施された、ワイヤハーネスを構成する複数の電線間の空隙、及びシール処理が施された、該ワイヤハーネスと該ワイヤハーネスによって挿通されるグロメットとの間の空隙の気密性を検査するシール検査方法、及びシール検査装置、並びにシール検査システムに関する。
従来のシール検査装置100としては、例えば図4の従来のシール検査装置の構成図に示すように、ガスチャンバー101と、ワイヤハーネスW/Hによって挿通されたグロメット102をガスチャンバー101の壁部に嵌合するための取付孔101Aと、ガスチャンバー101内に検知ガスG(例えば、ヘリウムガス)を加圧供給するガス供給手段103と、取付孔101Aに嵌合されたグロメット102近傍の検知ガスGの有無を検知する検知ガスセンサ104と、を備えるものが知られている。
シール検査装置100によるシール検査方法は次の通りである。
まず、ワイヤハーネスW/Hによって挿通されたグロメット102を取付孔101Aに取り付ける。このとき、ワイヤハーネスW/Hは、該ワイヤハーネスW/Hを構成する複数の電線間の空隙(この空隙のことを電線間空隙と称する。)に対するシール処理が施されており、また、ワイヤハーネスW/Hと、該ワイヤハーネスW/Hに接するグロメット102の内面と、の間の空隙(この空隙のことをグロメット空隙と称する。)に対してシール処理が施されている。
続いて、ガス供給手段103から供給パイプ103Aを介してガスチャンバー101内に検知ガスGを加圧供給する。
続いて、検知ガスGの加圧供給を開始してから一定時間経過した時点でのガス漏れの有無を検知ガスセンサ104で検知する。
シール処理が施された電線間空隙またはグロメット空隙に欠陥がある場合、つまりそれぞれの空隙に対するシール処理が充分でない場合、検知ガスGがガスチャンバー101の外部に漏れ出るため、検知ガスセンサ104によって検知ガスGの有無を検知することによって、両空隙の気密性を検査することができる。
特開2003−42890号公報
しかしながら、前述した従来のシール検査装置100では、検知ガスGをガスチャンバー101内に封入し続けなければならないため、ランニングコストが高くなってしまう。また、漏れ出した検知ガスGを回収することができなければ、その検知ガスGが環境に悪影響を及ぼす可能性も否定できない。また、検知ガスセンサ104周辺に残留した検知ガスGによる誤検知も否定できない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、シール検査に伴うランニングコストの削減を図るとともに、環境への影響を抑制することができるシール検査方法、及びシール検査装置、並びにシール検査システムを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために、本発明に係るシール検査方法は、下記(1)を特徴としている。
(1) ワイヤハーネスによって挿通されたグロメットをチャンバーに固定する固定ステップと、
前記チャンバー内部に気体を封入して加圧する加圧ステップと、
前記チャンバー内部に設けられた電極への印加によって、放電によるイオンを発生させるイオン発生ステップと、
前記ワイヤハーネスを構成する複数の電線間の空隙、または前記ワイヤハーネスと該ワイヤハーネスによって挿通される前記グロメットとの間の空隙、を介して前記チャンバー内部から前記チャンバー外部へ漏れ出るイオンの有無を検出するイオン検出ステップと、
を有すること。
上記(1)の構成のシール検査方法では、検知ガスの代わりに、ランニングコストが安く、且つ環境にやさしく環境汚染の虞がないイオンを用い、電線間空隙またはグロメット空隙を介して漏れ出るイオンの有無を測定することによって電線間空隙またはグロメット空隙の気密性を検出することにより、シール検査に伴うランニングコストの削減を図るとともに、環境への影響を抑制することができる。
また、上述した目的を達成するために、本発明に係るシール検査方法は、下記(2)を特徴としている。
(2) ワイヤハーネスによって挿通されたグロメットをチャンバーに固定する固定ステップと、
前記チャンバー内部から気体を吸気して減圧する減圧ステップと、
前記チャンバー外部に設けられた電極への印加によって、放電によるイオンを発生させるイオン発生ステップと、
前記ワイヤハーネスを構成する複数の電線間の空隙、または前記ワイヤハーネスと該ワイヤハーネスによって挿通される前記グロメットとの間の空隙、を介して前記チャンバー外部から前記チャンバー内部へ漏れ込むイオンの有無を検出するイオン検出ステップと、
を有すること。
上記(2)の構成のシール検査方法では、検知ガスの代わりに、ランニングコストが安く、且つ環境にやさしく環境汚染の虞がないイオンを用い、電線間空隙またはグロメット空隙を介して漏れ出るイオンの有無を測定することによって電線間空隙またはグロメット空隙の気密性を検出することにより、シール検査に伴うランニングコストの削減を図るとともに、環境への影響を抑制することができる。
また、上述した目的を達成するために、本発明に係るシール検査方法は、下記(3)を特徴としている。
(3) 上記(1)又は(2)の構成のシール検査方法において、
前記イオン検出ステップは、前記チャンバー内部から前記チャンバー外部へ漏れ出るイオンの有無、または前記チャンバー外部から前記チャンバー内部へ漏れ込むイオンの有無を、イオン濃度の大小に基づいて検出する、
こと。
上記(3)の構成のシール検査方法では、イオン濃度の大小によって判別する構成によって、電線間空隙またはグロメット空隙を介して漏れ出るイオンの有無を高精度に検出することができる。
また、上述した目的を達成するために、本発明に係るシール検査装置は、下記(4)を特徴としている。
(4) ワイヤハーネスによって貫通されたグロメットを装着可能にするグロメット取付部と、加圧装置によって排気された気体を封入するための連通部と、を有するチャンバーと、
前記チャンバー内部に設けられた、放電によるイオンを発生させるための電極と、
前記チャンバー外部に設けられた、イオンの有無を検出するイオン検知センサと、を備え、
前記イオン検知センサは、前記グロメットが前記グロメット取付部に装着された場合であって、前記加圧装置による排気によって前記チャンバー内部が加圧され、且つ高電圧発生装置から前記電極への印加によって前記チャンバー内部に放電によるイオンが発生しているとき、前記ワイヤハーネスを構成する複数の電線間の空隙、または前記ワイヤハーネスと該ワイヤハーネスによって挿通される前記グロメットとの間の空隙、を介して前記チャンバー内部から前記チャンバー外部へ漏れ出るイオンの有無を検出する、
こと。
上記(4)の構成のシール検査装置では、検知ガスの代わりに、ランニングコストが安く、且つ環境にやさしく環境汚染の虞がないイオンを用い、電線間空隙またはグロメット空隙を介して漏れ出るイオンの有無を測定することによって電線間空隙またはグロメット空隙の気密性を検出することにより、シール検査に伴うランニングコストの削減を図るとともに、環境への影響を抑制することができる。
また、上述した目的を達成するために、本発明に係るシール検査装置は、下記(5)を特徴としている。
(5) ワイヤハーネスによって貫通されたグロメットを装着可能にするグロメット取付部と、減圧装置による吸気によって気体を放出するための連通部と、を有するチャンバーと、
前記チャンバー外部に設けられた、放電によるイオンを発生させるための電極と、
前記チャンバー内部に設けられた、イオンの有無を検出するイオン検知センサと、を備え、
前記イオン検知センサは、前記グロメットが前記グロメット取付部に装着された場合であって、前記減圧装置による吸気によって前記チャンバー内部が減圧され、且つ高電圧発生装置から前記電極への印加によって前記チャンバー外部に放電によるイオンが発生しているとき、前記ワイヤハーネスを構成する複数の電線間の空隙、または前記ワイヤハーネスと該ワイヤハーネスによって挿通される前記グロメットとの間の空隙、を介して前記チャンバー外部から前記チャンバー内部へ漏れ込むイオンの有無を検出する、
こと。
上記(5)の構成のシール検査装置では、検知ガスの代わりに、ランニングコストが安く、且つ環境にやさしく環境汚染の虞がないイオンを用い、電線間空隙またはグロメット空隙を介して漏れ出るイオンの有無を測定することによって電線間空隙またはグロメット空隙の気密性を検出することにより、シール検査に伴うランニングコストの削減を図るとともに、環境への影響を抑制することができる。
また、上述した目的を達成するために、本発明に係るシール検査装置は、下記(6)を特徴としている。
(6) 上記(4)又は(5)の構成のシール検査装置において、
前記イオン検出センサは、前記チャンバー内部から前記チャンバー外部へ漏れ出るイオンの有無、または前記チャンバー外部から前記チャンバー内部へ漏れ込むイオンの有無を、イオン濃度の大小に基づいて検出する、
こと。
上記(6)の構成のシール検査装置では、イオン濃度の大小によって判別する構成によって、電線間空隙またはグロメット空隙を介して漏れ出るイオンの有無を高精度に検出することができる。
また、上述した目的を達成するために、本発明に係るシール検査装置は、下記(7)を特徴としている。
(7) 上記(4)〜(6)のいずれか一つの構成のシール検査装置において、
前記チャンバーは、前記チャンバーに前記グロメットを装着する際に、前記ワイヤハーネスを前記チャンバー内部から前記チャンバー外部へ挿通させる導出孔をさらに有し、
前記導出孔は、前記ワイヤハーネスとの間の空隙を埋めた状態で該ワイヤハーネスを固定する、
こと。
上記(7)の構成のシール検査装置では、ワイヤハーネスが長い場合であっても、ワイヤハーネスの一部をチャンバー外部に引き出すことができるため、チャンバーの形状を小さくすることができる。
また、上述した目的を達成するために、本発明に係るシール検査装置は、下記(8)を特徴としている。
(8) 上記(4)〜(6)のいずれか一つの構成のシール検査装置において、
前記ワイヤハーネスにおける一方の先端部が前記チャンバー内部に収容され、前記ワイヤハーネスにおける他方の先端部が前記チャンバー外部に位置する、
こと。
上記(8)の構成のシール検査装置では、加圧装置によるチャンバー内部の圧力制御が容易になる。
以上、本発明のシール検査方法、シール検査装置、及びシール検査システムによれば、検知ガスGの変わりにイオンをシール検査に利用することによって、シール検査に要するランニングコストを削減を図るとともに、環境への影響を抑制することができる。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態に係るシール検査方法、及びシール検査装置、並びにシール検査システムについて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシール検査システム10の構成図を示すものであり、このシール検査システム10は、シール検査装置10Aと、高電圧発生装置12Bと、加圧装置13と、を含んで構成される。シール検査装置10Aは、グロメット取付部11Aと連通孔11Bと導出孔11Cを有するチャンバー11と、電極12Aと、イオン検知センサ14と、を含んで構成される。
チャンバー11には、グロメット15を着脱可能にするためのグロメット取付部11Aが設けられている。一方、グロメット15には、グロメット15の表面に凹部15Aが設けられており、該凹部15Aがグロメット取付部11Aに嵌め込まれることによって、グロメット15がチャンバーに密着した状態で固定される。また、加圧装置13から供給される気体をチャンバー11内部に封入するための連通孔11Bが設けられている。
グロメット15は、該グロメット15の内部をワイヤハーネス16(ワイヤハーネス16は、複数の電線間の空隙(電線間空隙)に対してシール処理が施されている。)が挿通する形状であり、グロメット15と、該グロメット15を挿通するワイヤハーネス16と、の間の空隙(グロメット空隙)を埋めるために、ワイヤハーネス16に接するグロメット15の引出部15Bにシール処理が施されている。グロメッ15の凹部15Aが、チャンバー11のグロメット取付部11Aに嵌合されることにより、グロメット15とチャンバー11とが密着した状態で固定されることになる。
また、本実施形態では、チャンバー11は、グロメット15に挿通させたワイヤハーネス16のうち一方側の先端(以下、終端とよぶ)(図1では右端部)をチャンバー11内部からチャンバー11外部へ導出させるための導出孔11Cを有している。つまり、ワイヤハーネス16の一方側の終端までの全てをチャンバー11に収納させずに、一部を外部へ引き出す構造としている。この構造において、導出孔11Cとワイヤハーネス16との間の空隙を埋めるために、ワイヤハーネス16に接する導出孔11Cの内側にはパッキン17が設けられている。チャンバー11に導出孔11Cを設ける構成により、ワイヤハーネスが長い場合であっても、ワイヤハーネスの一部をチャンバー外部に引き出すことができるため、チャンバー11の形状を小さくすることができる。このため、シール検査装置の小型化を実現することができる。この結果、シール検査装置の敷設面積を小さくすることができる。
なお、本実施形態のように、ワイヤハーネス16の一方側の終端(図1では右端)をチャンバー11外部へ引き出す構造であってもよいが、ワイヤハーネスの一方側の終端まで全てをチャンバー内に収容した構成としてもよい。この構成により、上記の導出孔11Cから漏れ出す僅かな気体すら漏れ出さないようにすることができるため、後述する加圧装置13による加圧制御が容易になる。
チャンバー11内部には、チャンバー11の外部からチャンバー11の内部へチャンバー11の壁面を貫通するように電極12Aが設置されており、電極12Aには高電圧発生装置12Bが、接続されている。電極12Aが貫通している箇所において、電極12Aとチャンバー11との空隙を埋めた状態で電極12Aをチャンバー11に固定している。ここで、電極12Aは、高電圧発生装置12Bから電圧を供給されることによって、気体放電(気中放電)の一種であるコロナ放電によりその電極12Aの周辺の空気中の分子などをイオン化させる(以下、「イオン粒子I」と略す)ものである。尚、ここで発生するイオン化された空気中の分子などの各種イオン粒子Iは、少なくとも、イオン検知センサ14で検知されるまでのある一定の時間にわたり、安定した極性状態を保持可能なものであって、その極性については正負いずれであってもよい。また、本実施形態では、コロナ放電によりイオン粒子を発生させる構成について説明するが、他の放電現象によってイオン粒子を発生させる構成であってもよい。
加圧装置13は、気体をチャンバー11の内部へ送り込むことでチャンバー11内の気圧を上昇させることにより、チャンバー11の内部とチャンバー11の外部の間で気圧差を発生させるものである。加圧装置13は、高圧タンク13Aと連通管13Bとを含んで構成される。連通管13Bは、一端が高圧タンク13Aに他端がチャンバー11の連通孔11Bに接続されており、チャンバー11の外部に設置された高圧タンク13Aからの気体が、連通管13Bを介してチャンバー11内部に封入される。なお、この加圧装置13による加圧状態を検知するため、チャンバー11には加圧計18を付設している。
イオン検知センサ14は、チャンバー11の内部からチャンバー11の外部へ漏れ出すイオンの有無を測定するため、チャンバー11の外部に設けられる。即ち、このイオン検知センサ14は、例えば、シール処理が施された電線間空隙の欠陥部分から漏れ出すイオン粒子Iの有無や、シール処理が施されたグロメット空隙の欠陥部分から漏れ出すイオン粒子Iの有無を測定する。ここで、イオン粒子Iの有無の測定例としては、例えば、測定したイオン濃度と、一般的な(清浄な)環境下で浮遊するイオン濃度と、を比較することによって行い、測定したイオン濃度が一般的な環境下でのイオン濃度よりも大きければ、イオン粒子の漏れ有りと検知することができる。また、イオン粒子Iの有無の別の測定例としては、ある2つの時点でイオン濃度を測定し、そのイオン濃度の時間変化が増加に転じていれば、イオン粒子の漏れ有りと検知することができる。イオン濃度の時間変化によってイオン粒子の漏れの有無を判定する構成であれば、チャンバー11の内部から漏れ出したイオン粒子がシール検査装置の周辺を浮遊していても、チャンバー11の内部からイオン粒子がさらに漏れ出した場合にのみ、イオン粒子の漏れ有りと判定することができる。
次に、本実施形態のシール検査システム10を用いたグロメットのシール検査方法について説明する。
本発明の第1の実施形態に係るシール検査方法は、
まず、ワイヤハーネス16によって挿通されたグロメット15をグロメット取付部11Aに取り付けて固定する(固定ステップ)。このとき、ワイヤハーネス16は、電線間空隙に対するシール処理が施されたものであり、また、ワイヤハーネス16とグロメット15の間のグロメット空隙に対してもシール処理が施されている。
続いて、加圧装置13によりチャンバー11内部に気体を封入して加圧する(加圧ステップ)。
続いて、高電圧発生装置12Bからチャンバー内部に設けられた電極12Aへの印加によって、コロナ放電によるイオンを発生させる(イオン発生ステップ)。
続いて、チャンバー11内外の気圧差によって、シール処理が施された電線間空隙、またはシール処理が施されたグロメット空隙を介してチャンバー11内部からチャンバー11外部へ漏れ出るイオンの有無を検出する(イオン検出ステップ)。
シール処理が施された電線間空隙またはグロメット空隙に欠陥がある場合、つまりそれぞれの空隙に対するシール処理が充分でない場合、チャンバー11の内部で発生したイオンがチャンバー11の外部に漏れ出るため、イオン検知センサ14によってイオンの有無を検知することによって、両空隙の気密性を検査することができる。
以上、本実施形態に係るシール検査システムによれば、検知ガスGの変わりにイオンを利用してシール検査を行うことによって、シール検査にかかるランニングコストを大幅に軽減することができる。また、環境にやさしいイオンをシール検査に用いることによって、環境への負荷がほとんど発生しない。
さらに、本実施形態のシール検査システムによれば、ワイヤハーネス16の一方側の終端(図1では右端)までの全てをチャンバー11の内部に収納せずに、一部を外部へ引き出す構造としているので、チャンバー11の小型化が可能でありシール検査装置10Aも小型化可能となる。また、このように小型化させることができるので、グロメット15のシール性の試験に必要な作業スペースも小さくてすむ。しかも、チャンバー11の小型化が可能であることから、加圧装置13による加圧に要する時間を短縮することができるため、この結果シール検査に要する時間も短くてすむ。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態において第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図2は、本発明の第2の実施形態に係るシール検査システム20の構成図である。シール検査システム20が第1の実施形態のシール検査システム10と異なる点は、イオン検知センサ21の検知部21Aを付設したセンサ治具22を備えていることである。
センサ治具22は、検知部21Aが中空略箱状のハウジング22Aの内部に位置するよう該検知部21Aをハウジング22Aに埋設させた構成となっている。ハウジング22Aは、グロメット15におけるチャンバー11の外部に露出した部分に装着される。センサ治具22をグロメット15に装着する際には、ワイヤハーネス16がハウジング22Aの内部を貫通する。検知部21Aは、ハウジング22Aによって形成される空間において、イオン粒子Iの有無を検出する。なお、ここでは、グロメット15におけるチャンバー11の外部に露出した部分にセンサ治具22のハウジング22Aを装着する構成について説明したが、センサ治具22を装着時に、グロメット15におけるチャンバー11の外部に露出した部分全体を覆うハウジング22Aをチャンバー11に装着するようにしてもよい。
従って、本実施形態によれば、シール処理が施された電線間空隙またはグロメット空隙の欠陥部分から漏れ出すイオン粒子Iをハウジング22Aの内部に囲い込むことができるので、チャンバー11から漏れ出るイオン粒子が僅かである場合にも、ハウジング22Aの内部でのイオン濃度を高めて確実に検出させることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態において第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図3は、本発明の第3の実施形態に係るシール検査システム30の構成図である。シール検査システム30が第1の実施形態のシール検査システム10と異なるのは、電極33Aと高電圧発生装置33Bがチャンバー11外部に設置されている点と、チャンバー11の内部のイオン粒子Iの有無を検知することができるようイオン検知センサ31をチャンバー11内部に設けている点と、加圧装置13の代わりにチャンバー11の内部気圧を減圧させるための減圧装置32をチャンバー11に接続している点と、である。
電極33Aは、チャンバー11外部におけるグロメット15近傍に設置されている。電極33Aには高電圧発生装置12Bが、接続されている。ここで、電極33Aは、高電圧発生装置33Bから電圧を供給されることによって、気体放電(気中放電)の一種であるコロナ放電によりその電極33Aの周辺の空気中の分子などをイオン化させる(以下、「イオン粒子I」と略す)ものである。尚、ここで発生するイオン化された空気中の分子などの各種イオン粒子Iは、少なくとも、イオン検知センサ31で検知されるまでのある一定の時間にわたり、安定した極性状態を保持可能なものであって、その極性については正負いずれであってもよい。また、本実施形態では、コロナ放電によりイオン粒子を発生させる構成について説明するが、他の放電現象によってイオン粒子を発生させる構成であってもよい。
イオン検知センサ31は、該イオン検知センサ31の検知部31Aがチャンバー11内部に位置する状態で、該検知部31Aをチャンバー11に固設させた構成である。検知部31Aが設けられた箇所において、検知部31Aとチャンバー11との空隙を埋めた状態で検知部31Aをチャンバー11に固定している。なお、チャンバー11内部におけるグロメット15近傍に位置するよう検知部31Aを設けることにより、イオン検知センサ31は、より多くのイオン粒子が浮遊するイオン濃度の高いところを測定することができるため、より精度良くイオンの有無を検出することができる。また、連通孔11Bと減圧装置32の中間に検知部31Aもしくはイオン検知センサ31を設けてもよい。
減圧装置32は、チャンバー11の内部の空気圧を真空ポンプ32Aによって吸引させることにより、チャンバー11内部の気圧を低下させるものであり、シール処理が施された電線間空隙またはグロメット空隙に欠陥がある場合、チャンバー11内外に発生する気圧差によってイオン粒子Iをチャンバー11内部に取り込ませるようにしている。本実施形態の減圧装置32には、チャンバー11の外部に真空ポンプ32Aを設置しており、連通管32Bなどの適宜手段でチャンバー11の連通孔11Bと連通させている。
次に、本実施形態のシール検査システム30を用いたグロメットのシール検査方法について、説明する。
本実施形態では、
まず、ワイヤハーネス16によって挿通されたグロメット15をグロメット取付部11Aに取り付けて固定する(固定ステップ)。このとき、ワイヤハーネス16は、電線間空隙に対するシール処理が施されたものであり、また、ワイヤハーネス16とグロメット15の間のグロメット空隙に対してもシール処理が施されている。
続いて、減圧装置32によりチャンバー11内部の気体を吸引する(減圧ステップ)。
続いて、高電圧発生装置33Bからチャンバー11外部に設けられた電極33Aへの印加によって、放電によるイオンを発生させる(イオン発生ステップ)。
続いて、チャンバー11内外の気圧差によって、シール処理が施された電線間空隙、またはシール処理が施されたグロメット空隙を介してチャンバー11外部からチャンバー11内部へ漏れ出るイオンの有無を検出する(イオン検出ステップ)。
シール処理が施された電線間空隙またはグロメット空隙に欠陥がある場合、つまりそれぞれの空隙に対するシール処理が充分でない場合、チャンバー11の外部で発生したイオンがチャンバー11の内部に漏れ込むため、イオン検知センサ31によってイオンの有無を検知することによって、両空隙の気密性を検査することができる。
以上、本実施形態に係るシール検査システムによれば、検知ガスGの変わりにイオンを利用してシール検査を行うことによって、シール検査にかかるランニングコストを大幅に軽減することができる。また、環境にやさしいイオンをシール検査に用いることによって、環境への負荷がほとんど発生しない。
なお、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。例えば、いずれの実施形態でも、コロナ放電を行っているが、特にこれに限定されるものではない。
本発明の第1の実施形態に係るシール検査システムの構成図 本発明の第2の実施形態に係るシール検査システムの構成図 本発明の第3の実施形態に係るシール検査システムの構成図 従来のシール検査装置の構成図
符号の説明
10、20、30 シール検査システム
10A、20A、30A シール検査装置
11 チャンバー
11A グロメット取付部
11B 連通孔
11C 導出孔
12A、33A 電極
12B、33B 高電圧発生装置
13 加圧装置
14、21、31 イオン検知センサ
15 グロメット
16 ワイヤハーネス
21 イオン検知センサ
22 センサ治具
31 イオン検知センサ
32 減圧装置
I イオン粒子

Claims (8)

  1. ワイヤハーネスによって挿通されたグロメットをチャンバーに固定する固定ステップと、
    前記チャンバー内部に気体を封入して加圧する加圧ステップと、
    前記チャンバー内部に設けられた電極への印加によって、放電によるイオンを発生させるイオン発生ステップと、
    前記ワイヤハーネスを構成する複数の電線間の空隙、または前記ワイヤハーネスと該ワイヤハーネスによって挿通される前記グロメットとの間の空隙、を介して前記チャンバー内部から前記チャンバー外部へ漏れ出るイオンの有無を検出するイオン検出ステップと、
    を有することを特徴とするシール検査方法。
  2. ワイヤハーネスによって挿通されたグロメットをチャンバーに固定する固定ステップと、
    前記チャンバー内部から気体を吸気して減圧する減圧ステップと、
    前記チャンバー外部に設けられた電極への印加によって、放電によるイオンを発生させるイオン発生ステップと、
    前記ワイヤハーネスを構成する複数の電線間の空隙、または前記ワイヤハーネスと該ワイヤハーネスによって挿通される前記グロメットとの間の空隙、を介して前記チャンバー外部から前記チャンバー内部へ漏れ込むイオンの有無を検出するイオン検出ステップと、
    を有することを特徴とするシール検査方法。
  3. 前記イオン検出ステップは、前記チャンバー内部から前記チャンバー外部へ漏れ出るイオンの有無、または前記チャンバー外部から前記チャンバー内部へ漏れ込むイオンの有無を、イオン濃度の大小に基づいて検出する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシール検査方法。
  4. ワイヤハーネスによって貫通されたグロメットを装着可能にするグロメット取付部と、加圧装置によって排気された気体を封入するための連通部と、を有するチャンバーと、
    前記チャンバー内部に設けられた、放電によるイオンを発生させるための電極と、
    前記チャンバー外部に設けられた、イオンの有無を検出するイオン検知センサと、を備え、
    前記イオン検知センサは、前記グロメットが前記グロメット取付部に装着された場合であって、前記加圧装置による排気によって前記チャンバー内部が加圧され、且つ高電圧発生装置から前記電極への印加によって前記チャンバー内部に放電によるイオンが発生しているとき、前記ワイヤハーネスを構成する複数の電線間の空隙、または前記ワイヤハーネスと該ワイヤハーネスによって挿通される前記グロメットとの間の空隙、を介して前記チャンバー内部から前記チャンバー外部へ漏れ出るイオンの有無を検出する、
    ことを特徴とするシール検査装置。
  5. ワイヤハーネスによって貫通されたグロメットを装着可能にするグロメット取付部と、減圧装置による吸気によって気体を放出するための連通部と、を有するチャンバーと、
    前記チャンバー外部に設けられた、放電によるイオンを発生させるための電極と、
    前記チャンバー内部に設けられた、イオンの有無を検出するイオン検知センサと、を備え、
    前記イオン検知センサは、前記グロメットが前記グロメット取付部に装着された場合であって、前記減圧装置による吸気によって前記チャンバー内部が減圧され、且つ高電圧発生装置から前記電極への印加によって前記チャンバー外部に放電によるイオンが発生しているとき、前記ワイヤハーネスを構成する複数の電線間の空隙、または前記ワイヤハーネスと該ワイヤハーネスによって挿通される前記グロメットとの間の空隙、を介して前記チャンバー外部から前記チャンバー内部へ漏れ込むイオンの有無を検出する、
    ことを特徴とするシール検査装置。
  6. 前記イオン検出センサは、前記チャンバー内部から前記チャンバー外部へ漏れ出るイオンの有無、または前記チャンバー外部から前記チャンバー内部へ漏れ込むイオンの有無を、イオン濃度の大小に基づいて検出する、
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のシール検査装置。
  7. 前記チャンバーは、前記チャンバーに前記グロメットを装着する際に、前記ワイヤハーネスを前記チャンバー内部から前記チャンバー外部へ挿通させる導出孔をさらに有し、
    前記導出孔は、前記ワイヤハーネスとの間の空隙を埋めた状態で該ワイヤハーネスを固定する、
    ことを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載のシール検査装置。
  8. 前記ワイヤハーネスにおける一方の先端部が前記チャンバー内部に収容され、前記ワイヤハーネスにおける他方の先端部が前記チャンバー外部に位置する、
    ことを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載のシール検査装置。
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