JP2013257172A - 電気試験装置及び電気試験方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高電圧機器の電気特性(商用周波耐電圧、商用周波部分放電、雷インパルス耐電圧等)を試験するために使用される電気試験装置を、試料を収容する容器と、容器に収容された試料に電圧を印加する電圧印加部と、絶縁ガスをイオン化して容器内にイオン化ガスを供給するイオン化ガス供給部と、を備える構成とする。
【選択図】図1
Description
このように、絶縁ガスとしてSF6ガスを用いる場合は、試験後にSF6ガスを回収する回収設備及びSF6ガスを再利用するための分離設備が必要となり、ガス回収・分離時間も必要となり、ひいては試験サイクル時間が長大化する。また、SF6ガスを回収する回収・分離設備を設置するための大きなスペースが必要であった。
そこで、SF6ガスの代替ガスが模索されているが、環境適応性(地球温暖化係数が低いこと)や毒性の有無の観点から候補として挙がる代替ガス(乾燥空気や窒素ガス等)は、SF6ガスに比較して絶縁耐力が低く、電気試験用の絶縁ガスに要求される特性を、特に課電電圧が高電圧になるほど十分に満足しない場合がある。
前記容器に収容された前記試料に電圧を印加する電圧印加部と、
絶縁ガスをイオン化して前記容器内にイオン化ガスを供給するイオン化ガス供給部と、を備えることを特徴とする。
絶縁ガスをイオン化して前記容器内にイオン化ガスを導入する第2の工程と、
前記試料に電圧を印加して電気特性を測定する第3の工程と、を備えることを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る電気試験装置の概略構成を示す図である。図1に示す電気試験装置1は、例えば高電圧電極、エポキシ樹脂等からなる絶縁体及び埋込金具を備える既知のブッシング(套管)や、エポキシ樹脂等からなる絶縁体及び埋込金具を備える既知のエポキシ座等の電気部品を試料TSとして、商用周波部分放電試験を行うための設備である。
試験容器10は、例えばポリカーボネート製の容器である。試験容器10は、試料TSを収容する収容部11と、収容部11の開口を閉塞する蓋部12を有する。電気試験を行う際、試験容器10内は、イオン化ガス供給部30から供給されたイオン化ガス及びこのイオン化ガスの再結合により生成される絶縁ガスで充填される。
また、試験容器10内は絶縁性が確保されていれば、気密である必要はないので、ボルトの締め付け等により収容部11と蓋部12を気密に固定しておかなくてもよい。これにより、容易に蓋部12の開閉を行うことができるので、試料TSの交換作業が容易化され、試験効率が向上する。
なお、イオン化ガス供給部30自身がシールド機能を備えている場合は、シールド部14を設けなくてもよい。
供給されたイオン化ガスがそのまま排気されると、気中放電や表面閃絡の発生を抑制する効果が低下するため、イオン化ガス供給部30のガス供給口と排気口11aは、できるだけ離して配置される。
エポキシ座のように高電圧電極が無い試料TSの場合は、シールド電極16が試料TSに取り付けられる。この場合、試験用リード線TLはシールド電極16に接続される。電圧印加部20は、試験用リード線TLを介して試料TSに電圧を印加する。
そのため、例えば図1の電気試験装置1のように絶縁ガス供給部31(ガスボンベ等)がイオン化ガス供給部30に配管32により接続されている電気試験装置1の場合は、湿度計50の検出結果(測定湿度)に応じて、イオン化ガス供給部30がイオン化ガスの供給量を調整するのが好ましい。具体的には、イオン化ガス供給部30は、湿度計50の検出結果が基準値(例えば湿度3%)よりも高い場合にイオン化ガスの供給量を増加させる。これにより、試験容器10内の湿度を電気試験に適した湿度にコントロールすることができる。
すなわち、電気試験装置1及びこれを用いた電気試験方法によれば、気中放電発生電圧や表面閃絡電圧が向上するので、地球温暖化係数が高いSF6ガスを用いることなく、高電圧課電による電気試験を行うことができる。
また、SF6ガスの場合のガス回収作業のような煩雑な作業が不要となるため、試験時間を大幅に短縮することができる。
図4は、第2の実施の形態に係る電気試験装置2の概略構成を示す図である。図4において、第1の実施の形態と同一又は対応する構成要素については、同一の符号を付して示し、詳細な説明については省略する。
これにより、第1の実施の形態におけるシールド部14、絶縁部材15を設ける必要がなく、試験容器10自体を小型化、簡素化することができる。また、イオン化ガス供給部30が試験容器10の外部に設置されることにより、イオン化ガス供給部30のメンテナンス作業が容易化される。
また、SF6ガスの場合のガス回収作業のような煩雑な作業が不要となるため、試験サイクル時間を大幅に短縮することができる。
また、図1と同様に、絶縁ガス供給部31(ガスボンベ等)がイオン化ガス供給部30に配管32により接続されている図4の電気試験装置2によれば、イオン化ガス供給部30は、湿度計50の検出結果が基準値(例えば湿度3%)よりも高い場合にイオン化ガスの供給量を増加させることができる。これにより、試験容器10内の湿度を電気試験に適した湿度にコントロールすることができる。
実施例では、第1の実施の形態に係る電気試験装置1において、ブッシングを試料TSとし、100kVまで昇圧して、気中放電電圧又は表面閃絡電圧を測定した。絶縁ガスとしては、大気中の空気、または乾燥空気を用いた。空気をイオン化して試験容器10内に供給した場合を実施例1、乾燥空気をイオン化して試験容器10内に供給した場合を実施例2とする。
さらに、100kV以上に昇圧したところ、実施例1では120kVで気中放電又は表面閃絡が発生したのに対して、実施例2では120kVでも気中放電又は表面閃絡は発生しなかった。
比較例では、従来の電気試験装置(イオン化ガスの供給なし)において、実施例と同様にブッシングを試料とし、100kVまで昇圧して、気中放電電圧又は表面閃絡電圧を測定した。絶縁ガスとしては、乾燥空気、SF6ガスを用いた。試験容器内に乾燥空気を充填した場合を比較例1、試験容器内にSF6ガスを充填した場合を比較例2とする。
また、説明を省略するが、第2の実施の形態に係る電気試験装置2を用いた場合も実施例と同様の結果が得られている。
例えば、第1の実施の形態に係る電気試験装置1、第2の実施の形態に係る電気試験装置2において、排気口11aから排気される絶縁ガスを循環させて、イオン化ガス供給部30に供給するようにしてもよい。
また、イオン化ガス供給部30にノズルを接続して、気中放電や表面閃絡が発生しやすい部位にイオン化ガスを噴出させるようにしてもよい。
また、試験用リード線TLに複数の試料TSを接続して、複数の試料TSについて同時に電気試験を行うことができるようにしてもよい。
10 試験容器
11 収容部
12 蓋部
13 シール部材
14 シールド部
15 絶縁部材
16 シールド電極
20 電圧印加部
30 イオン化ガス供給部
31 絶縁ガス供給部
32 配管
33 流量計
34 非金属配管
40 測定装置
50 湿度計(湿度検出部)
TL 試験用リード線
TS 試料
Claims (11)
- 試料を収容する容器と、
前記容器に収容された前記試料に電圧を印加する電圧印加部と、
絶縁ガスをイオン化して前記容器内にイオン化ガスを供給するイオン化ガス供給部と、を備え、
前記電圧印加部により前記試料に高電圧を印加して電気試験を行うことを特徴とする電気試験装置。 - 前記容器内の湿度を検出する湿度検出部を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気試験装置。
- 前記イオン化ガス供給部が、前記試料の近傍に前記イオン化ガスを供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気試験装置。
- 前記イオン化ガス供給部には絶縁ガス供給部が配管により接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気試験装置。
- 前記絶縁ガスが乾燥空気であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気試験装置。
- 前記イオン化ガス供給部が、前記容器内に配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気試験装置。
- 前記イオン化ガス供給部が、接地されたシールド部で覆われていることを特徴とする請求項6に記載の電気試験装置。
- 前記イオン化ガス供給部が、前記容器外に配置され、非金属配管を介して前記容器内に前記イオン化ガスを供給することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気試験装置。
- 容器内に試料を配置する第1の工程と、
絶縁ガスをイオン化して前記容器内にイオン化ガスを導入する第2の工程と、
前記試料に電圧を印加して電気特性を測定する第3の工程と、を備えることを特徴とする電気試験方法。 - 前記第2の工程において、前記容器内の湿度を測定し、
前記容器内の湿度が所定の湿度以下となった後、前記第3の工程を開始することを特徴とする請求項9に記載の電気試験方法。 - 前記絶縁ガスとして、乾燥空気を用いることを特徴とする請求項9又は10に記載の電気試験方法。
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