JP2011141169A - 耐電圧の評価方法及び耐電圧評価装置 - Google Patents

耐電圧の評価方法及び耐電圧評価装置 Download PDF

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Hiroshi Maenaka
寛 前中
Yasunari Kusaka
康成 日下
Takuji Aoyama
卓司 青山
Ryosuke Takahashi
良輔 高橋
Shunsuke Kondo
峻右 近藤
Takanori Inoue
孝徳 井上
Yu Yamada
佑 山田
Isao Higuchi
勲夫 樋口
Takashi Watanabe
貴志 渡邉
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Abstract

【課題】熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体の少なくとも一方の面に絶縁層を介して導電層が積層されている積層構造体の耐電圧を簡便に、かつ精度よく評価できる耐電圧の評価方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る耐電圧の評価方法は、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体52の少なくとも一方の面52aに絶縁層53を介して導電層54が積層されている積層構造体51の耐電圧を評価する方法である。本発明に係る耐電圧の評価方法は、耐電圧評価装置1を用いて、加圧手段21により、チャンバー11内の空気を0.15MPa以上に加圧する加圧工程と、空気の圧力が0.15MPa以上の条件で、チャンバー11内に配置された積層構造体51の絶縁層53に、熱伝導体52と導電層54とを介して、電圧印加手段31により電圧を印加し、積層構造体51の耐電圧を評価する電圧印加工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体の少なくとも一方の面に絶縁層を介して導電層が積層されている積層構造体の耐電圧の評価方法、並びに耐電圧評価装置に関する。
従来、各種の耐電圧評価装置を用いて、測定対象物に電圧を印加し、測定対象物の耐電圧が評価されている。
上記耐電圧評価装置の一例として、下記の特許文献1には、空気を少なくとも0.35MPaに加圧する加圧手段と、空気の相対湿度を90%RH以下にする湿度制御手段と、測定対象物としての絶縁部品に電圧を印加する電圧印加手段とを備える耐電圧評価装置が開示されている。ここでは、上記加圧手段及び上記湿度制御手段により空気の圧力を0.35MPa以上及び相対湿度を90%RH以下にして、上記電圧印加手段により絶縁部品に電圧を印加し、上記絶縁部品の耐電圧を評価している。
特開2001−194409号公報
近年、電気機器の小型化及び高性能化が進行している。これに伴って、電子部品の実装密度が高くなってきており、電子部品から発生する熱を放散させる必要が高まっている。熱を放散させる方法として、高い放熱性を有し、かつ熱伝導率が10W/m・K以上のアルミニウム等の熱伝導体を、発熱源に接着する方法が広く採用されている。また、この熱伝導体を発熱源に接着するために、絶縁性を有する絶縁接着材料が用いられている。上記絶縁接着材料を用いて、熱伝導体を発熱源としての導電層に接着することにより、熱伝導体の一方の面に、絶縁層を介して導電層が積層されている積層構造体を得ることができる。
上記積層構造体では、放熱性を高める観点からは、絶縁層は高い熱伝導率を有し、かつ可能な限り薄いことが望ましいが、一方で絶縁層の厚みが薄いと絶縁不良が生じやすい。従って、放熱性と絶縁性との両観点からの評価を基にして、絶縁層を最適に設計することが必要である。特に絶縁性は上記積層構造体の耐電圧と相関がある。耐電圧特性はASTM D149に示されるような所定のテスト方法に準拠すれば測定できる。しかしながら、こうしたテスト方法では放電を防ぐために十分なスペースの絶縁エリアを構築したり、油中で測定したりする必要がある。従って、積層構造体の量産評価という観点から、積層構造体を加工しない状態で耐電圧を評価できる装置が求められている。
しかしながら、上述のような積層構造体を加工しない状態で耐電圧評価しようとした場合、積層構造体は導電層とアルミニウムなどの熱伝導体とがわずかな絶縁層を介して接着されているだけの構造であるため、積層構造体の端面において導電層と熱伝導体との間での放電による電流リークが発生しやすく、絶縁層の耐電圧を正確に評価できない。
従来、上述のような積層構造体の耐電圧を評価するための耐電圧評価装置は広く知られていない。上記特許文献1には、上記耐電圧評価装置を用いて、測定対象物として絶縁部品の耐電圧を評価することが記載されているにすぎない。また測定の簡便性について考慮されていない。
本発明の目的は、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体の少なくとも一方の面に絶縁層を介して導電層が積層されている積層構造体の耐電圧を簡便に、かつ精度よく評価できる耐電圧の評価方法、並びに耐電圧評価装置を提供することである。
本発明の広い局面によれば、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体の少なくとも一方の面に絶縁層を介して導電層が積層されている積層構造体の耐電圧を評価する方法であって、上記積層構造体が内部に配置されるチャンバーと、上記チャンバー内の空気を0.15MPa以上に加圧する加圧手段と、上記積層構造体の上記絶縁層に、上記熱伝導体と上記導電層とを介して電圧を印加する電圧印加手段とを備える耐電圧評価装置を用いて、上記加圧手段により、上記チャンバー内の空気の圧力を0.15MPa以上に加圧する加圧工程と、空気の圧力が0.15MPa以上の条件で、上記チャンバー内に配置された上記積層構造体の上記絶縁層に、上記熱伝導体と上記導電層とを介して、上記電圧印加手段により電圧を印加し、上記積層構造体の耐電圧を評価する電圧印加工程とを備える、耐電圧の評価方法が提供される。
本発明に係る耐電圧の評価方法のある特定の局面では、上記積層構造体として、メタルベース銅張積層板が用いられる。
本発明に係る耐電圧の評価方法の他の特定の局面では、上記耐電圧評価装置として、上記チャンバー内の相対湿度を50%RH以下にする湿度調節手段をさらに備える耐電圧評価装置が用いられ、上記湿度調節手段により、上記チャンバー内の空気の相対湿度を50%RH以下にする湿度調節工程がさらに備えられる。相対湿度を50RH%以下とすることで、より一層低い空気圧であっても安定して耐電圧試験を行うことができる。より一層低い空気圧で耐電圧試験を実施できることで装置の耐圧構造設計が簡便になり、また測定毎の加圧および測定後の加圧解放に要する時間が短くなるために、より一層簡便に耐電圧を評価できる。
本発明に係る耐電圧の評価方法のさらに他の特定の局面では、上記耐電圧評価装置として、上記チャンバー内に充填される空気を通過させるためのフィルターであって、かつ上記チャンバー内の空気のクリーン度をクラス10,000以下にするHEPAフィルターをさらに備える耐電圧評価装置が用いられ、上記チャンバー内に空気を上記HEPAフィルターを通過させて充填し、上記チャンバー内の空気のクリーン度をクラス10,000以下にする清浄工程がさらに備えられる。
上記HEPAフィルターで通過させた空気を加圧することで、空気中の浮遊物による耐電圧低下を抑制できるため、更に一層低い空気圧力であっても耐電圧試験を行うことができ、更に一層簡便に耐電圧を評価できる。
本発明に係る耐電圧評価装置は、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体の少なくとも一方の面に絶縁層を介して導電層が積層されている積層構造体の耐電圧を評価するための耐電圧評価装置であって、上記積層構造体が内部に配置されるチャンバーと、上記チャンバー内の空気を0.15MPa以上に加圧する加圧手段と、上記積層構造体の上記絶縁層に、上記熱伝導体と上記導電層とを介して電圧を印加する電圧印加手段とを備える。
本発明に係る耐電圧評価装置のある特定の局面では、上記積層構造体はメタルベース銅張積層板であり、耐電圧評価装置は、メタルベース銅張積層板の耐電圧を評価するための耐電圧評価装置である。
本発明に係る耐電圧評価装置の他の特定の局面では、上記チャンバー内の相対湿度を50%RH以下にする湿度調節手段がさらに備えられる。
本発明に係る耐電圧評価装置のさらに他の特定の局面では、上記チャンバー内に充填される空気を通過させるためのフィルターであって、かつ上記チャンバー内の空気のクリーン度をクラス10,000以下にするHEPAフィルターがさらに備えられる。
本発明に係る耐電圧の評価方法では、上記加圧手段により、上記チャンバー内の空気を0.15MPa以上に加圧した後、上記チャンバー内に配置された上記積層構造体の上記絶縁層に、上記熱伝導体と上記導電層とを介して、上記電圧印加手段により電圧を印加するので、上記積層構造体の耐電圧を簡便に、かつ精度よく評価できる。
また、本発明に係る耐電圧評価装置を用いれば、上記加圧手段により、上記チャンバー内の空気を0.15MPa以上に加圧した後、上記チャンバー内に配置された上記積層構造体の上記絶縁層に、上記熱伝導体と上記導電層とを介して、上記電圧印加手段により電圧を印加でき、上記積層構造体の耐電圧を簡便に、かつ精度よく評価できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る耐電圧の評価方法に用いられる耐電圧評価装置の模式的な概略構成図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を挙げることにより、本発明を明らかにする。
図1に、本発明の一実施形態に係る耐電圧の評価方法に用いられる耐電圧評価装置を模式的に概略構成図で示す。
図1に示す耐電圧評価装置1は、積層構造体51の耐電圧を評価するための装置である。耐電圧評価装置1は、チャンバー11と、HEPAフィルター15と、加圧手段21と、電圧印加手段31と、湿度調節手段41とを備える。
積層構造体51は、熱伝導体52と、熱伝導体52の一方の面52aに積層された絶縁層53と、絶縁層53の熱伝導体52が積層された面とは反対側の面に積層された導電層54とを備える。従って、熱伝導体51の一方の面52aに絶縁層53を介して導電層54が積層されている。熱伝導体52の熱伝導率は10W/m・K以上である。
熱伝導体52の少なくとも一方の面52aに、絶縁層53を介して導電層54が積層されていればよく、熱伝導体52の他方の面52bにも、絶縁層を介して導電層が積層されていてもよい。
例えば、両面に銅回路が設けられた積層板又は多層配線板、銅箔、銅板、半導体素子又は半導体パッケージ等の各導電層に、絶縁材料を介して熱伝導体を接着した後、絶縁材料を硬化させることにより、積層構造体51を得ることができる。
上記熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体52は特に限定されない。上記熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体52としては、例えば、アルミニウム、銅、鉄及びステンレスなどの各種金属、並びにグラファイトシート等が挙げられる。中でも、上記熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体52は、銅又はアルミニウムであることが好ましい。熱伝導体52は、導電体であることが好ましい。
絶縁層53は絶縁性を有するものであれば特に限定されない。絶縁層53は、例えば、硬化性を有する絶縁ペースト又は絶縁シート等を用いて形成できる。
チャンバー11は、積層構造体51が内部に配置されるチャンバーである。図1では、積層構造体51は、チャンバー11内に配置されている。また、チャンバー11は、HEPAフィルター15を通過したチャンバー11内の空気のクリーン度、加圧手段21により加圧されたチャンバー11内の空気の圧力、並びに湿度調節手段41により湿度調節されたチャンバー11内の空気の相対湿度を維持できるように構成されている。
HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター15は、チャンバー11内に充填される空気を通過させるためのフィルターである。HEPAフィルター15は、チャンバー11内の空気のクリーン度をクラス10,000以下にする。HEPAフィルター15を通過した空気のクリーン度は、クラス10,000以下である。上記クリーン度のクラスは、米国連邦規格(Federal Standard 209)におけるクラスである。
加圧手段21は、チャンバー11内の空気の圧力を0.15MPa以上に加圧する加圧手段である。加圧手段21は、従来公知の加圧手段を用いることができ特に限定されない。本実施形態では、加圧手段21として、加圧装置22が用いられている。加圧装置22は、チャンバー11の外部空間に配置されている。加圧装置22は、チャンバー11内に空気を充填するための充填装置としても機能する。加圧装置22は加圧充填装置である。加圧装置22から空気の流路23が延びており、該流路23はチャンバー11内に至っている。加圧された空気は、流路23を流れ、チャンバー11内に充填される。流路23内に、加圧された空気が通過するようにHEPAフィルター15が配置されている。なお、耐電圧印加装置1には、チャンバー11内の圧力を表示する圧力計25が取り付けられている。
電圧印加手段31は、積層構造体51の絶縁層53に、熱伝導体52と導電層54とを介して電圧を印加する電圧印加手段である。電圧印加手段31は、従来公知の電圧印加手段を用いることができ特に限定されない。本実施形態では、電圧印加手段として、電圧印加装置32が用いられている。電圧印加装置32は、チャンバー11の外部空間に配置されている。電圧印加装置32から2つのライン33,34が引き出されている。2つのライン33,34の端部には、それぞれ端子33a,34aが設けられている。端子33a,34aはそれぞれ、チャンバー11内に配置されている。端子33aは熱伝導体52に接続されており、端子34aは導電層54に接続されている。このため、熱伝導体52と導電層54とを介して、電圧印加手段31により絶縁層53に電圧を印加できる。
湿度調節手段41は、チャンバー11内の空気の相対湿度を50%RH以下にする湿度調節手段である。湿度調節手段41によりチャンバー11内の空気の相対湿度を50%RH以下にすることができる。湿度調節手段41は、従来公知の湿度調節手段を用いることができ特に限定されない。本実施形態では、湿度調節手段41として、湿度調節装置42が用いられている。湿度調節装置42は、チャンバー11の外部空間に配置されている。湿度調節装置42は、流路23内を通過する加圧された空気の相対湿度を調節できるように構成されている。なお、耐電圧評価装置1には、チャンバー11内の圧力を表示する湿度計45が取り付けられている。
耐電圧評価装置1を用いて、積層構造体51の耐電圧は、以下の加圧工程と電圧印加工程とを経て評価できる。
加圧工程において、加圧手段21により、チャンバー11内の空気を0.15MPa以上に加圧する。次に、電圧印加工程において、空気の圧力が0.15MPa以上の条件で、チャンバー11内に配置された積層構造体51の絶縁層53に、熱伝導体52と導電層54とを介して、電圧印加手段31により電圧を印加し、積層構造体51の耐電圧を評価する。より一層高い耐電圧を測定する観点からは、上記加圧工程において、チャンバー11内の空気を0.2MPa以上に加圧することが好ましい。容器構造設計上圧力は高すぎない方が好ましいため、更に、各測定時の加圧及び脱圧作業といった測定の簡便性、並びに測定対象物の必要とする耐電圧レベルを考慮すると、上記加圧工程において、チャンバー11内の空気を1MPa以下に加圧することが好ましい。上記加圧工程において、チャンバー11内の空気を0.25MPa以上に加圧することがより好ましく、0.3MPa以上に加圧することが更に好ましく、0.5MPa以下に加圧することがより好ましく、0.35MPa以下に加圧することが更に好ましい。また、加圧に関しては、測定に必要な耐電圧レベルを満たすのであれば、0.15MPaに近い低い加圧の方が望ましい。
電圧印加工程の前であって、加圧工程の前又は後に湿度調節工程が行われてもよい。湿度調節工程は、加圧工程と同時に行われてもよい。湿度調節工程では、チャンバー11内の空気の相対湿度を50%RH以下にする。この場合には、電圧印加工程において、空気の圧力が0.15MPa以上の条件及び相対湿度50%RH以下の条件で、絶縁層53に電圧を印加する。相対湿度50%RH以下の条件で、絶縁層53に電圧を印加することにより、より一層低い空気加圧であっても耐電圧を測定できる。耐電圧をさらに一層低い空気加圧で耐電圧を測定する観点からは、上記湿度調節工程において、チャンバー11内の空気の相対湿度を40%RH以下にすることがより好ましく、30%RHにすることがさらに好ましい。
電圧印加工程の前であって、加圧工程の前又は後に清浄工程が行われてもよい。清浄工程は、加圧工程と同時に行われてもよい。清浄工程は、湿度調節工程の前に行われてもよく、湿度調節工程の後に行われてもよい。清浄工程では、チャンバー11内に空気をHEPAフィルター15を通過させて充填し、チャンバー11内の空気のクリーン度をクラス10,000以下にする。この場合には、電圧印加工程において、空気の圧力が0.15MPa以上の条件及び空気のクリーン度がクラス10,000以下の条件で、絶縁層53に電圧を印加する。空気のクリーン度がクラス10,000以下の条件で、絶縁層53に電圧を印加することにより、より一層低い空気加圧であっても耐電圧を測定できる。耐電圧をさらに一層低い空気加圧で耐電圧を測定する観点からは、上記清浄工程において、チャンバー11内の空気のクリーン度をクラス5,000以下にすることがより好ましく、1000以下にすることがさらに好ましい。
電圧印加手段31により印加する電圧は、直流電圧であっても交流電圧であってもよい。耐電圧をより一層精度よく評価する観点からは、電圧印加手段31による電圧の印加速度は500kV/秒以下であることが好ましく、200kV/秒以下であることがより好ましい。
以下、本発明の具体的な実施例を挙げて、本発明を明らかにする。本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
次に、図1に概略構成を示した耐電圧評価装置1を用いて、積層構造体の耐電圧を以下のようにして評価した。
先ず、以下のようにして積層構造体を作製した。
エポキシ基含有スチレン樹脂(日油社製「マープルーフG−1010S」)5重量部と、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「エピコート828US」)5重量部と、ヘキサヒドロフタル酸骨格液状エポキシ樹脂(日本化薬社製「AK−601」)2重量部と、脂環式骨格酸無水物(新日本理化社製、商品名:MH−700)4重量部と、イソシアヌル変性固体分散型イミダゾール(四国化成社製「2MZA−PW」)1重量部と、表面疎水化ヒュームドシリカ(トクヤマ社製「MT−10」)1重量部と、球状アルミナ(デンカ社製「DAM−10」)80重量部と、コアシェル型ゴム粒子(三菱レーヨン社製「KW4426」)1重量部と、エポキシシランカップリング剤(信越化学工業社製「KBE403」)1重量部と、メチルエチルケトン20重量部とを配合し、混練し、絶縁材料を調製した。厚み50μmの離型PETシートに、上記絶縁材料を100μmの厚みになるように塗工し、90℃のオーブン内で30分乾燥して、PETシート上に絶縁シートを作製した。
絶縁シートをPETシートから剥離して、絶縁シートを厚み1.5mmのアルミ板(熱伝導率が140W/m・Kの熱伝導体:導電体)と厚み35μmの電解銅箔(導電層)との間に挟み、真空プレス機で4MPaの圧力を保持しながら120℃で1時間、更に200℃で1時間、絶縁シートをプレス硬化して絶縁層とし、ASTM D149に準拠して測定した絶縁層の絶縁破壊電圧がAC,DCともに5kV以上になるような積層構造体(メタルベース銅張積層板)を形成した。
得られた積層構造体をチャンバー11内に配置した。チャンバー11内の空気を、加圧手段21により加圧し、加圧された空気を流路23を通過させてチャンバー11内に充填した。加圧された空気が流路23を通過する際に、湿度調節手段31により加圧された空気の相対湿度を調節し、かつ加圧された空気をHEPAフィルター15を通過させて空気を清浄した。このようにして、チャンバー11内の空気の圧力を0.15MPa、相対湿度を60%RH、クリーン度をクラス10,000にした。
チャンバー11内の空気の圧力が0.15MPa、相対湿度が60%RH及びクリーン度がクラス10,000の条件で、チャンバー11内に配置された積層構造体の絶縁層に、熱伝導体と導電層とを介して、電圧印加手段31により0.5kV/秒の速度で電圧が上昇するように、交流電圧及び直流電圧を印加し、端面での放電により電流リーク発生した電圧を測定可能電圧とした。なお、20個の積層構造体について、測定可能電圧を測定し、耐電圧評価を下記基準で判定した。
[耐電圧評価(AC)の判定基準]
◎:端面でのリークなくAC3kVでの耐電圧評価が可能
○:端面でのリークなくAC2kVでの耐電圧評価が可能
△:端面でのリークなくAC1kVでの耐電圧評価が可能
×:AC1kV未満で端面でリーク発生
[耐電圧評価(DC)の判定基準]
◎:端面でのリークなくDC3kVでの耐電圧評価が可能
○:端面でのリークなくDC2kVでの耐電圧評価が可能
△:端面でのリークなくDC1kVでの耐電圧評価が可能
×:DC1kV未満で端面でリーク発生
(実施例2〜9及び比較例1)
チャンバー11内の空気の圧力、相対湿度及びクリーン度を下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、20個の積層構造体について、測定可能電圧を測定し、耐電圧評価を行った。
結果を下記の表1に示す。下記の表1に示す耐電圧評価の評価結果がよいほど、より高い耐電圧を測定できたこと、及び一定の耐電圧を測定できたことを示す。また、実施例1〜9の耐電圧装置では、積層構造体の耐電圧を精度よく評価できた。
Figure 2011141169
1…耐電圧評価装置
11…チャンバー
15…HEPAフィルター
21…加圧手段
22…加圧装置
23…流路
25…圧力計
31…電圧印加手段
32…電圧印加装置
33,34…ライン
33a,34a…端子
41…湿度調節手段
42…湿度調節装置
45…湿度計
51…積層構造体
52…熱伝導体
52a…一方の面
52b…他方の面
53…絶縁層
54…導電層

Claims (8)

  1. 熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体の少なくとも一方の面に絶縁層を介して導電層が積層されている積層構造体の耐電圧を評価する方法であって、
    前記積層構造体が内部に配置されるチャンバーと、前記チャンバー内の空気を0.15MPa以上に加圧する加圧手段と、前記積層構造体の前記絶縁層に、前記熱伝導体と前記導電層とを介して電圧を印加する電圧印加手段とを備える耐電圧評価装置を用いて、
    前記加圧手段により、前記チャンバー内の空気を0.15MPa以上に加圧する加圧工程と、
    空気の圧力が0.15MPa以上の条件で、前記チャンバー内に配置された前記積層構造体の前記絶縁層に、前記熱伝導体と前記導電層とを介して、前記電圧印加手段により電圧を印加し、前記積層構造体の耐電圧を評価する電圧印加工程とを備える、耐電圧の評価方法。
  2. 前記積層構造体として、メタルベース銅張積層板を用いる、請求項1に記載の耐電圧の評価方法。
  3. 前記耐電圧評価装置として、前記チャンバー内の相対湿度を50%RH以下にする湿度調節手段をさらに備える耐電圧評価装置を用いて、
    前記湿度調節手段により、前記チャンバー内の空気の相対湿度を50%RH以下にする湿度調節工程をさらに備える、請求項1又は2に記載の耐電圧の評価方法。
  4. 前記耐電圧評価装置として、前記チャンバー内に充填される空気を通過させるためのフィルターであって、かつ前記チャンバー内の空気のクリーン度をクラス10,000以下にするHEPAフィルターをさらに備える耐電圧評価装置を用いて、
    前記チャンバー内に空気を前記HEPAフィルターを通過させて充填し、前記チャンバー内の空気のクリーン度をクラス10,000以下にする清浄工程をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐電圧の評価方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐電圧の評価方法に用いる耐電圧評価装置であって、
    熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体の少なくとも一方の面に絶縁層を介して導電層が積層されている積層構造体の耐電圧を評価するための耐電圧評価装置であり、
    前記積層構造体が内部に配置されるチャンバーと、
    前記チャンバー内の空気を0.15MPa以上に加圧する加圧手段と、
    前記積層構造体の前記絶縁層に、前記熱伝導体と前記導電層とを介して電圧を印加する電圧印加手段とを備える、耐電圧評価装置。
  6. 前記積層構造体がメタルベース銅張積層板であり、メタルベース銅張積層板の耐電圧を評価するための耐電圧評価装置である、請求項5に記載の耐電圧評価装置。
  7. 前記チャンバー内の相対湿度を50%RH以下にする湿度調節手段をさらに備える、請求項5又は6に記載の耐電圧評価装置。
  8. 前記チャンバー内に充填される空気を通過させるためのフィルターであって、かつ前記チャンバー内の空気のクリーン度をクラス10,000以下にするHEPAフィルターをさらに備える、請求項5〜7のいずれか1項に記載の耐電圧評価装置。
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