JP2011171650A - 回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属回路板の接着についての耐久性が高い回路基板を提供すること。
【解決手段】 金属回路板2が金属回路板2よりも熱膨張率が低い絶縁基板3に接着樹脂4によって接着されており、金属回路板2および絶縁基板3の間の接着領域の周縁部において、金属回路板2側に第1の接着樹脂4aおよび絶縁基板側に第2の接着樹脂4bが配置されており、第1の接着樹脂4aの熱膨張率は金属回路板2の熱膨張率よりも低く、第2の接着樹脂4bの熱膨張率は絶縁基板3よりも高く、かつ第1の接着樹脂4aの熱膨張率は第2の接着樹脂4bの熱膨張率よりも高い回路基板1である。それぞれの部材間の接着面に生じる、互いの熱膨張の差あるいは熱収縮の差に起因する応力を小さくし、それぞれの部材間での剥離を起こりにくくすることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、熱サイクルが負荷される環境下であっても、金属回路板の接着についての耐久性が高い金属回路板と絶縁基板との接着構造を備えた回路基板に関する。
一般的に、エポキシ樹脂等の樹脂接着剤によって金属回路板が絶縁基板に接着されてなる回路基板は、テレビ,オーディオ機器,車両,船舶または航空機等で幅広く使用される。
そのような回路基板として、例えば、所定の厚さを有するセラミック基板と、セラミック基板の表面に接合されたフィルム状の接着樹脂と、フィルム状の接着樹脂の表面に接合された銅箔とを有し、セラミック基板に接合されたフィルム状の接着樹脂と銅箔とが、所定の回路パターンに形成されているものが提案されている。
このような構成の回路基板によれば、セラミック基板の表面に接合されたフィルム状の接着樹脂により、その表面が平坦化されるので、セラミック基板の表面に微細な銅箔の回路パターンを形成することができるというものである。
特開2004−303867号公報
また、特許文献1に提案された回路基板は、上述したような様々な用途で使用されるが、特に、車両,船舶または航空機等で使用されるものにおいては、例えば−50〜+125℃
の温度サイクルにさらされることとなる。ここで、例えば、回路基板の金属回路板として銅を使用して、絶縁基板としてアルミナを使用した場合には、金属回路板の熱膨張率は約17×10−6/℃であり、絶縁基板の熱膨張率は約7×10−6/℃である。
しかしながら、例えば、特許文献1に提案された回路基板の接着樹脂として、金属回路板の熱膨張率(約17×10−6/℃)よりも大きいものを使用した場合には、接着樹脂と金属回路板および絶縁基板それぞれとの間の接着面において、熱膨張の差あるいは熱収縮の差が大きくなり、樹脂が剥離しやすくなるという問題点があった。特に、この例の場合においては、接着樹脂と絶縁基板との接着面において剥離が顕著に起こりやすくなる。だからといって、金属回路板と絶縁基板とを、接着樹脂を介さずに直接接合させた場合には、金属回路板と絶縁基板との熱膨張率の差は約10×10−6/℃なので、金属回路板と絶縁基板との接着面において、熱膨張の差あるいは熱収縮の差により剥離しやすくなってしまう。なお、接着樹脂にかかる前述した応力が最も大きくなるのは、接着樹脂を平面視した際の周縁部であることから、この部分において、より剥離が生じやすかった。
このような問題点を解決するためには、特許文献1に提案された回路基板における接着樹脂として、金属回路板と絶縁基板との熱膨張率の中間程度の熱膨張率を有するものを使用することが提案される。このような接着樹脂を使用した場合には、接着樹脂と金属回路板または絶縁基板のそれぞれとの間の熱膨張率の差は、金属回路板と絶縁基板との間の熱膨張率の差の約半分程度となる。従って、接着樹脂と金属回路板または絶縁基板のそれぞれとの間の接着面において生じる応力を小さく抑えることができる。
しかしながら、例えば、回路基板の金属回路板として銅(熱膨張率は約17×10−6/℃)を使用し、絶縁基板としてアルミナ(熱膨張率は約7×10−6/℃)を使用した場合には、接着樹脂の熱膨張率を約11.5×10−6/℃とすることにより、接着樹脂と金属回路板または絶縁基板のそれぞれとの間の熱膨張率の差を約4.5×10−6/℃とすることができ
るが、さらにこの熱膨張率の差を小さくして、接着樹脂と金属回路板または絶縁基板のそれぞれとの間の接着面において生じる応力をより小さくすることの要求に応えることは困難であるという問題点があった。
本発明は以上のような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、熱サイクルが負荷される環境下であっても、金属回路板と絶縁基板との接着についての耐久性が高い回路基板を提供することにある。
本発明の回路基板は、金属回路板が該金属回路板よりも熱膨張率が低い絶縁基板に接着樹脂によって接着されており、前記金属回路板および前記絶縁基板の間の接着領域の周縁部において、前記金属回路板側に第1の接着樹脂および前記絶縁基板側に第2の接着樹脂が配置されており、前記第1の接着樹脂の熱膨張率は前記金属回路板の熱膨張率よりも低く、前記第2の接着樹脂の熱膨張率は前記絶縁基板よりも高く、かつ前記第1の接着樹脂の熱膨張率は前記第2の接着樹脂の熱膨張率よりも高いことを特徴とするものである。
また、本発明の回路基板は、上記構成において、前記第1の接着樹脂と前記第2の接着樹脂との間に、中間の値の熱膨張率を有する中間接着樹脂が介在していることを特徴とするものである。
また、本発明の回路基板は、上記構成において、前記金属回路板および前記絶縁基板の間の接着領域の中央部に、前記第1の接着樹脂および前記第2の接着樹脂よりもフィラーを多く含む第3の接続樹脂が配置されていることを特徴とするものである。
本発明の回路基板によれば、金属回路板が金属回路板より熱膨張率が低い絶縁基板に接着樹脂によって接着されており、金属回路板および絶縁基板の間の接着領域の周縁部において、金属回路板側に第1の接着樹脂および絶縁基板側に第2の接着樹脂が配置されており、第1の接着樹脂の熱膨張率は金属回路板の熱膨張率よりも低く、第2の接着樹脂の熱膨張率は絶縁基板よりも高く、かつ第1の接着樹脂の熱膨張率は第2の接着樹脂の熱膨張率よりも高いことから、金属回路板と絶縁基板との間の接着領域に両者の熱膨張率の間の熱膨張率を有する接着樹脂が2つ配置されており、金属回路板側の接着樹脂の方が絶縁基板側の接着樹脂よりも熱膨張率が高いこととなるので、金属回路板と絶縁基板との間の中間程度の熱膨張率を有する接着樹脂が1つだけ配置されている場合と比較して、それぞれの接着樹脂と絶縁基板または金属回路板のそれぞれとの間の熱膨張率の差を小さくすることができる。また、第1の接着樹脂と第2の接着樹脂との間の熱膨張率の差も小さくすることができる。従って、絶縁基板と第2の接着樹脂との間の熱膨張率の差,第1の接着樹脂と第2の接着樹脂との間の熱膨張率の差および第1の接着樹脂と金属回路板との間の熱膨張率の差をそれぞれ小さくすることができる。よって、例えば本発明の回路基板が−50〜+125℃の温度サイクルにさらされた場合には、金属回路板および絶縁基板の間の接着
領域の周縁部においては互いの部材の熱膨張の差あるいは熱収縮の差に起因して接着領域の中央部に比べて大きい応力がかかることとなるが、絶縁基板と第2の接着樹脂との間の接着面,第1の接着樹脂と第2の接着樹脂との間の接着面および第1の接着樹脂と金属回路板との間の接着面のそれぞれに生じる、互いの熱膨張の差あるいは熱収縮の差に起因する応力が小さくなることから、それぞれの部材間での剥離を起こりにくくすることができ
る。
また、本発明の回路基板によれば、第1の接着樹脂と第2の接着樹脂との間に、これら第1の接着樹脂の熱膨張率の値と第2の接着樹脂の熱膨張率の値との中間の値の熱膨張率を有する中間接着樹脂が介在しているときには、金属回路板と絶縁基板との間の接着領域に両者の熱膨張率の間の熱膨張率を有する接着樹脂が3つ配置されていることとなるので、絶縁基板と第2の接着樹脂との間の熱膨張率の差,第2の接着樹脂と中間接着樹脂との間の熱膨張率の差,中間接着樹脂と第1の接着樹脂との間の熱膨張率の差および第1の接着樹脂と金属回路板との間の熱膨張率の差のそれぞれを小さくすることができる。従って、絶縁基板と第2の接着樹脂との間の接着面,第2の接着樹脂と中間接着樹脂との間の接着面,中間接着樹脂と第1の接着樹脂との間の接着面および第1の接着樹脂と金属回路板との間の接着面のそれぞれに生じる、互いの熱膨張の差あるいは熱収縮の差に起因する応力が小さくなることから、それぞれの部材間での剥離を起こりにくくすることができる。
また、本発明の回路基板によれば、金属回路板および絶縁基板の間の接着領域の中央部に、第1の接着樹脂および第2の接着樹脂よりもフィラーを多く含む第3の接着樹脂が配置されているときには、接着領域の中央部において接着領域の周縁部と比較して第3の接着樹脂中のフィラーを介して、金属回路板で生じた熱を絶縁基板側に放熱することができる。また、金属回路板においては、接着領域の中央部の方が接着領域の周縁部と比較して熱が発生しやすい。従って、金属回路板において発生した熱の大部分を、第3の接着樹脂を介して放熱することができる。
また、本発明の回路基板によれば、前述したように、金属回路板および絶縁基板の間の接着領域の周縁部において互いの部材の熱膨張の差あるいは熱収縮の差に起因する応力は接着領域の中央部に比べて大きくなり、第1の接着樹脂自体および第2の接着樹脂自体にも大きい応力がかかるが、第1の接着樹脂および第2の接着樹脂は第3の接着樹脂よりもフィラーの量が少ないので、フィラーを起点とした樹脂内部の亀裂の発生を抑制することができる。
従って、放熱性が高く安定して動作することができ、亀裂の発生を抑制できる信頼性の高い回路基板を提供することができる。
本発明の回路基板の実施の形態の一例を示す斜視図である。 図1に示す回路基板のX−X線における断面図である。 図1に示す回路基板について、金属回路板を接着する前の一例を示す斜視図である。 図1に示す回路基板の実施の形態の他の例のX−X線における断面図である。 図1に示す回路基板の実施の形態の他の例を示す斜視図である。 図5に示す回路基板のY−Y線における断面図である。
以下に、本発明の回路基板の実施の形態の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の回路基板の実施の形態の一例を示す斜視図である。また、図2は、図1に示す回路基板のX−X線における断面図である。また、図3は、図1に示す例の回路基板について、金属回路板を接着する前の一例を示す斜視図である。
図2に示す例の回路基板1は、金属回路板2が金属回路板2より熱膨張率が低い絶縁基板3に接着樹脂4によって接着されており、金属回路板2および絶縁基板3の間の接着領域の周縁部において、金属回路板2側に第1の接着樹脂4aおよび絶縁基板3側に第2の接着樹脂4bが配置されており、第1の接着樹脂4aの熱膨張率は金属回路板2の熱膨張率よりも低く、第2の接着樹脂4bの熱膨張率は絶縁基板3よりも高く、かつ第1の接着樹脂4aの熱膨張率は第2の接着樹脂4bの熱膨張率よりも高い。
このような構成により、金属回路板2と絶縁基板3との間の接着領域に両者の熱膨張率の間の熱膨張率を有する第1および第2の接着樹脂4a,4bの2つが配置されており、金属回路板2側の第1の接着樹脂4aの方が絶縁基板3側の第2の接着樹脂4bよりも熱膨張率が高い構成となるので、金属回路板2と絶縁基板3との間の中間程度の熱膨張率を有する接着樹脂が1つだけ配置されている場合と比較して、第2の接着樹脂4bと絶縁基板3との間の熱膨張率の差および第1の接着樹脂4aと金属回路板2との間の熱膨張率の差を小さくすることができる。また、第1の接着樹脂4aと第2の接着樹脂4bとの間の熱膨張率の差も小さくすることができる。従って、絶縁基板3と第2の接着樹脂4bとの間の熱膨張率の差,第2の接着樹脂4bと第1の接着樹脂4aとの間の熱膨張率の差および第1の接着樹脂4aと金属回路板2との間の熱膨張率の差をそれぞれ小さくすることができる。よって、本発明の回路基板1が例えば−50〜+125℃の温度サイクルにさらされ
た場合には、金属回路板2および絶縁基板3の間の接着領域の周縁部において互いの部材の熱膨張の差あるいは熱収縮の差に起因して、接着領域の中央部に比べて大きい応力がかかることとなるが、絶縁基板3と第2の接着樹脂4bとの間の接着面,第2の接着樹脂4bと第1の接着樹脂4aとの間の接着面および第1の接着樹脂4aと金属回路板2との間の接着面のそれぞれに生じる、互いの熱膨張の差あるいは熱収縮の差に起因する応力が小さくなることから、それぞれの部材間での剥離を起こりにくくすることができる。
図1に示すように、例えば回路基板1は、1つの絶縁基板3上に、3つの部分に分かれて金属回路板2(2A,2B,2C)が配置され,それぞれの金属回路板2に対して第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bが形成されている。1つ目の金属回路板2Aは、面積の大きい部分と、この部分から絶縁基板3の対向する2つの辺にそれぞれ延在する延在部とを有して絶縁基板の中央部に配置され、第1および第2の接着樹脂4a,4bによって絶縁基板3上に接着されている。2つ目および3つ目の金属回路板2B,2Cは、面積の小さい金属回路板2として絶縁基板3の一方の辺側に並べて、それぞれ第1および第2の接着樹脂4a,4bによって絶縁基板3上に接着されている。
なお、図1に示す例においては、第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bを分かりやすくするために、第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bそれぞれの厚みを実際の厚みより厚く誇張して図示しているが、実際の厚みは金属回路板2および絶縁基板3の厚みと比較して薄いものである。
このような回路基板1には、例えば、金属回路板2Aの上に、入力端子としてのリード端子を2つ有しているとともに下面に出力端子としての電極を有している電子部品(図示せず)が実装される。具体的には、この電子部品は、下面の電極が金属回路板2Aの面積の大きい部分の上に実装されて、電子部品の2つのリード端子がワイヤボンディングによって金属回路板2B,2Cにそれぞれ接続される。
金属回路板2は第1の接着樹脂4aと第2の接着樹脂4bとを含む接着樹脂4によって絶縁基板3に接着されている。
図1に示す例において、金属回路板2Aの面積の大きい部分の寸法は、図2における回路基板1の奥行き方向を縦とし、左右方向を横とし、上下方向を高さとした場合に、例え
ば縦が8〜23mm程度であり、横が13〜48mm程度であり、厚みが0.1〜1.5mm程度である。また、金属回路板2Aのうち2つの延在部のそれぞれの寸法は、例えば縦が1〜7mm程度であり、横が3〜10mm程度であり、厚みが0.1〜1.5mm程度である。
また、図1に示す例において、金属回路板2Bおよび2Cの寸法は、例えば縦が1〜7mm程度であり、横が3〜10mm程度であり、厚みが0.1〜1.5mm程度である。
金属回路板2の材料としては、銅,銀または金等の電気抵抗の低い材料が使用されるのが好ましい。中でも、電気抵抗が低いことに加えて廉価であることから、電気特性に優れた回路基板1の低コスト化に有利になる点で、銅を使用するのが好ましい。
絶縁基板3は、金属回路板2よりも熱膨張率が低く、金属回路板2が接着樹脂4によって接着されている。
絶縁基板3の寸法は、図2における回路基板1の奥行き方向を縦とし、左右方向を横とし、上下方向を高さとした場合に、例えば縦が10〜25mm程度であり、横が15〜50mm程度であり、厚みが0.3〜1.5mm程度である。
絶縁基板3の材料は、例えば窒化珪素,窒化アルミニウムまたはアルミナ等を主成分とするセラミック基板が用いられる。
なお、絶縁基板3としては、金属回路板2よりも熱膨張率が低いものを用いる。例えば、金属回路板2として銅を使用した場合には、銅の熱膨張率が17×10−6/℃であることを考慮して、絶縁基板3としては、熱膨張率が2〜7×10−6/℃である窒化珪素,窒化アルミニウムまたはアルミナ等を主成分とするセラミック基板を用いる。なお、特に、絶縁基板3として窒化アルミニウムから成るセラミック基板を用いたときには、他の材料のセラミック基板に比べて絶縁基板3の熱伝導率が高いものとなるので、電流が金属回路板2を通ることによる温度上昇を抑えることができるようになることから好ましい。
接着樹脂4は、金属回路板2の下面と絶縁基板3の上面との間に介在している。また、この接着樹脂4は、少なくとも2種類の接着樹脂(4a,4b)で構成されており、金属回路板2および絶縁基板3の間の接着領域の周縁部において、金属回路板2側に第1の接着樹脂4aおよび絶縁基板3側に第2の接着樹脂4bが配置されている。
第1の接着樹脂4aの熱膨張率は金属回路板2の熱膨張率よりも低く、第2の接着樹脂4bの熱膨張率は絶縁基板3よりも高く、かつ第1の接着樹脂4aの熱膨張率は第2の接着樹脂4bの熱膨張率よりも高い。この場合には、金属回路板2と絶縁基板3との間の接着領域に両者の熱膨張率の間の熱膨張率を有する第1および第2の接着樹脂4a,4bの2つが配置されており、金属回路板2側の第1の接着樹脂4aの方が絶縁基板3側の第2の接着樹脂4bよりも熱膨張率が高い構成となるので、金属回路板2と絶縁基板3との間の中間程度の熱膨張率を有する接着樹脂が1つだけ配置されている場合と比較して、それぞれの第2の接着樹脂4bと絶縁基板3との間の熱膨張率の差および第1の接着樹脂4aと金属回路板2との間の熱膨張率の差を小さくすることができる。また、第1の接着樹脂4aと第2の接着樹脂4bとの間の熱膨張率の差も小さくすることができる。従って、絶縁基板3と第2の接着樹脂4bとの間の熱膨張率の差,第2の接着樹脂4bと第1の接着樹脂4aとの間の熱膨張率の差および第1の接着樹脂4aと金属回路板2との間の熱膨張率の差をそれぞれ小さくすることができる。よって、例えば本発明の回路基板1が−50〜+125℃の温度サイクルにさらされた場合には、金属回路板2および絶縁基板3の間の接
着領域の周縁部において互いの部材の熱膨張の差あるいは熱収縮の差に起因する、接着領域の中央部に比べて大きい応力がかかることとなるが、絶縁基板3と第2の接着樹脂4b
との間の接着面,第2の接着樹脂4bと第1の接着樹脂4aとの間の接着面および第1の接着樹脂4aと金属回路板2との間の接着面のそれぞれに生じる、互いの熱膨張の差あるいは熱収縮の差に起因する応力が小さくなることから、それぞれの部材間での剥離を起こりにくくすることができる。
第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bの熱膨張率は、例えば、金属回路板2として銅(熱膨張率:17×10−6/℃)を使用し、絶縁基板3として窒化珪素を主成分とするセラミック基板(熱膨張率:2.6×10−6/℃)を使用した場合には、第1の接着樹脂
4aおよび第2の接着樹脂4bの熱膨張率は、それぞれ13×10−6/℃および9×10−6/℃であることが好ましい。
また、このような第1および第2の接着樹脂4a,4bの材料としては、エポキシ系樹脂またはフェノール系樹脂等が用いられる。なお、これらの第1および第2の接着樹脂4a,4bの熱膨張率の設定は、第1および第2の接着樹脂4a,4b中のアルミナやシリカ等の熱膨張率の低い材料からなる無機フィラーの含有量によって調整できる。この無機フィラーを多く含有する第1および第2の接着樹脂4a,4bは熱膨張率が低くなり、無機フィラーを少量しか含まない第1および第2の接着樹脂4a,4bは熱膨張率が高くなる。
図1および図3に示す例において、1つ目の金属回路板2Aの面積の大きい部分を絶縁基板2に接着している第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bのそれぞれの寸法は、図2における回路基板1の奥行き方向を縦とし、左右方向を横とし、上下方向を厚みとした場合に、外周は、縦が8〜23mm程度であり、横が13〜48mm程度であり、内周は、縦が4〜19mm程度であり、横が9〜44mm程度である。なお、厚みは0.03〜0.1mm程度である。また、1つ目の金属回路板2Aのうち2つの延在部それぞれを絶縁基板2に接着している第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bのそれぞれの寸法は、例えば縦が1〜7mm程度であり、横が3〜10mm程度であり、厚みが0.03〜0.1mm程度である。
また、図1および図3に示す例において、2つ目および3つ目の金属回路板2Bおよび2Cを絶縁基板2に接着している第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bのそれぞれの寸法は、例えば、外周は、縦が1〜7mm程度であり、横が3〜10mm程度であり、内周は、縦が0.5〜5mm程度であり、横が2〜8mm程度である。なお、厚みは0.03〜0.1mm程度である。
また、図2および図3に示す例においては、金属回路板2および絶縁基板3の間の接着領域の中央部には、エポキシ系樹脂またはフェノール系樹脂等から成る第3の接着樹脂6が配置されている。この第3の接着樹脂6の熱膨張率もまた、金属回路板2と絶縁基板3との間の熱膨張率を有していることが好ましい。この場合には、接着領域の中央部に配置された第3の接着樹脂6と金属回路板2および絶縁基板3のそれぞれとの間の熱膨張率の差が小さくなるので、それぞれの部材の間の接着面に生じる応力が小さくなり、第3の接着樹脂6が金属回路板2および絶縁基板3のそれぞれから剥離することを防ぐことができる。
次に、図4を参照して、本発明の回路基板の実施の形態の他の例を説明する。図4は、図1に示す回路基板1の実施の形態の他の例のX−X線における断面図であり、図1および図2と同様の部位には同じ符号を付している。
本例の回路基板1においては、金属回路板2および絶縁基板3の間の接着領域の周縁部から接着領域の中央部にかけて、第2の接着樹脂4bが一様に配置されている。この場合には、接着領域の中央部に別体の接着樹脂を配置することなく、第1の接着樹脂4aおよ
び第2の接着樹脂4bの2種類のみで金属回路板2および絶縁基板3を接着させることができるので、製造コストを低減させることができ、好ましい。
次に、図5および図6を参照して、中間接着樹脂5を含む、本発明の回路基板の実施の形態の他の例を説明する。図5は、図1に示す例の回路基板1に対する実施の形態の他の例を示す斜視図であり、図1および図2と同様の部位には同じ符号を付している。なお、図5に示す例においても、第1の接着樹脂4a,中間接着樹脂5および第2の接着樹脂4bを分かりやすくするために、第1の接着樹脂4a,中間接着樹脂5および第2の接着樹脂4bそれぞれの厚みを実際の厚みより厚く誇張して図示しているが、実際の厚みは金属回路板2および絶縁基板3の厚みと比較して薄いものである。また、図6は、図5に示す回路基板のY−Y線における断面図であり、図1および図2と同様の部位には同じ符号を付している。
本例の回路基板1においては、第1の接着樹脂4aと第2の接着樹脂4bとの間に、中間の値の熱膨張率を有する中間接着樹脂5が介在している。このときには、金属回路板2と絶縁基板3との間の接着領域に両者の熱膨張率の間の熱膨張率を有する第1および第2の接着樹脂4a,4bならびに中間接着樹脂5の3つが配置されており、金属回路板2側の第1の接着樹脂4aの方が絶縁基板3側の第2の接着樹脂4bよりも熱膨張率が高いこととなるので、絶縁基板3と第2の接着樹脂4bとの間の熱膨張率の差,第2の接着樹脂4bと中間接着樹脂5との間の熱膨張率の差,中間接着樹脂5と第1の接着樹脂4aとの間の熱膨張率の差および第1の接着樹脂4aと金属回路板2との間の熱膨張率の差のそれぞれを小さくすることができる。従って、絶縁基板3と第2の接着樹脂4bとの間の接着面,第2の接着樹脂4bと中間接着樹脂5との間の接着面,中間接着樹脂5と第1の接着樹脂4aとの間の接着面および第1の接着樹脂4aと金属回路板2との間の接着面のそれぞれに生じる、互いの熱膨張の差あるいは熱収縮の差に起因する応力が小さくなることから、それぞれの部材間での剥離を起こりにくくすることができる。
また、第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bのそれぞれと中間接着樹脂5との間に境界面が存在するようにして中間接着樹脂5が配置されていてもよく、第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bのそれぞれと中間接着樹脂5との間に境界面が存在せず、第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4b同士が中間接着樹脂5を介して連続的に一体的に形成されて配置されていてもよい。第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bのそれぞれと中間接着樹脂5との間に境界面が存在しない場合には、第1の接着樹脂4aの熱膨張率および第2の接着樹脂4bの熱膨張率同士が中間接着樹脂5を介して連続的に変化することとなるので、第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bの間で熱膨張率の差が生じないので、第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bの間の接着面において剥離が生じることを抑制することができる。
第1の接着樹脂4a,中間接着樹脂5および第2の接着樹脂4bの熱膨張率は、例えば、金属回路板2として銅(熱膨張率:17×10−6/℃)を使用し、絶縁基板3として窒化珪素を主成分とするセラミック基板(熱膨張率:2.6×10−6/℃)を使用した場合には
、第1の接着樹脂4a,中間接着樹脂5および第2の接着樹脂4bの熱膨張率は、それぞれ13×10−6/℃,11×10−6/℃および9×10−6/℃であることが好ましい。
また、中間接着樹脂5の材料としては、エポキシ系樹脂またはフェノール系樹脂等が用いられる。
図5および図6に示す例において、1つ目の金属回路板2Aの面積の大きい部分と絶縁基板3との間に介在する中間接着樹脂5の寸法は、例えば、外周は、縦が8〜23mm程度であり、横が13〜48mm程度であり、内周は、縦が4〜19mm程度であり、横が9〜44m
m程度である。なお、厚みは0.03〜0.1mm程度である。また、1つ目の金属回路板2A
のうち2つの延在部のそれぞれと絶縁基板2との間に介在する中間接着樹脂5の寸法は、例えば縦が1〜7mm程度であり、横が3〜10mm程度であり、厚みが0.03〜0.1mm程
度である。
また、図5および図6に示す例において、2つ目および3つ目の金属回路板2Bおよび2Cと絶縁基板2との間に介在する中間接着樹脂5の寸法は、例えば、外周は、縦が1〜7mm程度であり、横が3〜10mm程度であり、内周は、縦が0.5〜5mm程度であり、
横が2〜8mm程度である。なお、厚みは0.03〜0.1mm程度である。
次に、再び図2を参照して、第3の接着樹脂6を含む回路基板1の例を説明する。
本例の回路基板1によれば、金属回路板2および絶縁基板3の間の接着領域の中央部に、第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bよりもフィラーを多く含む第3の接着樹脂6が配置されている。このような構成としたときには、接着領域の中央部において接着領域の周縁部と比較して第3の接着樹脂6中のフィラーを介して、金属回路板2で生じた熱を絶縁基板3側に放熱することができる。また、金属回路板2においては、接着領域の中央部の方が接着領域の周縁部と比較して熱が発生しやすい。従って、金属回路板2において発生した熱の大部分を、第3の接着樹脂6を介して放熱することができる。
また、本例の回路基板1によれば、前述したように、金属回路板2および絶縁基板3の間の接着領域の周縁部において互いの部材の熱膨張の差あるいは熱収縮の差に起因する応力が接着領域の中央部に比べて大きくなり、第1の接着樹脂4a自体および第2の接着樹脂4b自体にも大きい応力がかかるが、第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bは第3の接着樹脂6よりもフィラーの量が少ないので、フィラーを起点とした樹脂内部の亀裂の発生を抑制することができる。
第3の接着樹脂6の材料としては、エポキシ系樹脂またはフェノール系樹脂等が用いられる。なお、フィラーの材料としては、アルミナやシリカ等が用いられる。フィラーの形状は、球形状またはフレーク状等のいずれであってもよい。また、フィラーが球形状である場合には、球の直径が約10〜30μm程度である。
図2および図3に示す例において、1つ目の金属回路板2Aの面積の大きい部分と絶縁基板3との間に介在する第3の接着樹脂6の寸法は、例えば、図2における回路基板1の奥行き方向を縦とし、左右方向を横とし、上下方向を厚みとした場合であって、第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bの内周が、縦が4〜19mm程度であり、横が9〜44mm程度である場合に、第3の接着樹脂6の縦が4〜19mm程度であり、横が9〜44mm程度であり、厚みが0.06〜0.2mm程度である。
また、図2および図3に示す例において、2つ目および3つ目の金属回路板2Bおよび2Cと絶縁基板2との間に介在する3の接着樹脂6の寸法は、例えば、縦が0.5〜5mm
程度であり、横が2〜8mm程度である。なお、厚みは0.06〜0.2mm程度である。
また、本例の回路基板1において、金属回路板2において発生した熱を第3の接着樹脂6を介して絶縁基板3側に放熱する際の放熱性を向上させるためには、絶縁基板3の熱伝導率が高いことが好ましい。このような絶縁基板3としては、窒化アルミニウムから成るセラミック基板が好適に用いられる。
なお、本例の回路基板1において、放熱性を向上させるためには、第3の接着樹脂6および絶縁基板3の間の接着面に、一端が回路基板1の外部に露出している金属等からなる
放熱板を配置してもよい。この場合には、金属回路板2において発生した熱が第3の接着樹脂6を介して放熱板に伝わり、外部に露出している回路基板1の一端から回路基板1の外部に放熱される。従って、回路基板1全体において、外部に効率良く放熱を行なうことができるため、好ましい。
なお、本例の回路基板1において、放熱性を向上させるためには、一端が第3の接着樹脂6および絶縁基板3の間の接着面に露出しており、他端が絶縁基板3の下面に露出している貫通導体が、絶縁基板3の内部に形成されていてもよい。この場合には、金属回路板2において発生した熱が第3の接着樹脂6を介して貫通導体の一端に伝わり、絶縁基板3の下面に露出している貫通導体の他端から回路基板1の外部に放熱される。従って、回路基板1全体において、外部に効率良く放熱を行なうことができるため、好ましい。なお、この貫通導体は複数形成されていてもよい。
次に、図2に示す例のような、回路基板1の製造方法の例を以下に示す。
まず、銅から成る金属回路板2(2A,2B,2C)を準備し、また、縦が25mmであり、横が25mmであり、厚みが0.8mmである、アルミナを主成分とするセラミック基板
である絶縁基板3を準備する。ここで、1つ目の金属回路板2Aの面積の大きい部分の寸法は、縦が20mmであり、横が15mmであり、厚みが1mmである。また、1つ目の金属回路板2Aのうち2つの延在部のそれぞれの寸法は、縦が1mmであり、横が5mmであり、厚みが1mmである。また、2つ目および3つ目の金属回路板2Bおよび2Cの寸法は、縦が1mmであり、横が3mmであり、厚みが1mmである。
なお、絶縁基板3は、アルミナが96%の無機粉末にバインダ,可塑剤および有機溶剤を加えて十分に混合してセラミックスラリーを作製し、このセラミックスラリーを用いてドクターブレード法により一定の厚みに形成した後に有機溶剤を乾燥させてセラミックグリーンシートを作製し、得られたセラミックグリーンシートを所定の寸法に切断し積層した後、焼成してバインダおよび可塑剤を分解するとともに無機粉末を焼結させることによって得た。
次に、絶縁基板3上に第2の接着樹脂4bを印刷塗布する。1つ目の金属回路板2Aの面積の大きい部分と絶縁基板2との間に介在する第2の接着樹脂4bの寸法は、外周は、縦が20mmであり、横が15mmであり、内周は、縦が15mmであり、横が10mmである。また、厚みが0.05mmである。なお、第2の接着樹脂4bはエポキシ樹脂から成る。また、1つ目の金属回路板2Aのうち2つの延在部それぞれと絶縁基板2との間に介在する第2の接着樹脂4bのそれぞれの寸法は、縦が1mmであり、横が5mmである。また、厚みが0.05mmである。また、2つ目および3つ目の金属回路板2Bおよび2Cと絶縁基板2との間に介在する第2の接着樹脂4bのそれぞれの寸法は、外周は、縦が1mmであり、横が3mmであり、内周は、縦が0.5mmであり、横が2mmである。なお、厚みは0.05mmである。
次に、絶縁基板3上に第3の接着樹脂6を印刷塗布する。1つ目の金属回路板2Aの面積の大きい部分と絶縁基板3との間に介在する第3の接着樹脂6は四角形状であり、その寸法は、縦が15mmであり、横が10mmであり、厚みが0.1mmである。なお、第3の接
着樹脂6はエポキシ樹脂から成る。2つ目および3つ目の金属回路板2Bおよび2Cと絶縁基板2との間に介在する部分の第3の接着樹脂6の寸法は、縦が0.5mmであり、横が
2mmである。なお、厚みは0.1mmである。
次に、第2の接着樹脂4bの上に、第2の接着樹脂4bと同じ寸法および形状で第1の接着樹脂4aを印刷塗布する。第1の接着樹脂4aの厚みは0.05mmであり、エポキシ樹
脂から成る。
しかる後に、金属回路板2(2A,2B,2C)を第3の接着樹脂6および第1の接着樹脂4aの上に配置して、金属回路板2を接着樹脂4(4a,4b)および第3の接着樹脂6を介して絶縁基板3に接着することによって回路基板1を得る。
図1および図2に示す例のような、本発明の回路基板1の実施例を以下に説明する。
金属回路板2としては無酸素銅を準備した。金属回路板2の熱伝導率は391W/m・K
であり、熱膨張率は17×10−6/℃であるものとした。また、1つ目の金属回路板2Aの面積の大きい部分の寸法は、縦が20mmであり、横が15mmであり、厚みが0.5mmであ
るものとした。また、1つ目の金属回路板2Aのうち2つの延在部のそれぞれの寸法は、縦が1mmであり、横が5mmであり、厚みが0.5mmであるものとした。また、2つ目
および3つ目の金属回路板2Bおよび2Cの寸法は、縦が1mmであり、横が3mmであり、厚みが0.5mmであるものとした。なお、無酸素銅の酸化による接着性の劣化を防止
するために、接着面の粗化処理を行ない、酸化膜を取り除いた。
絶縁基板3はAlが96%の無機粉末にバインダ,可塑剤および有機溶剤を加えて十分に混合してセラミックスラリーを作製し、このセラミックスラリーを用いてドクターブレード法により一定の厚みに形成した後に有機溶剤を乾燥させてセラミックグリーンシートを作製し、得られたセラミックグリーンシートを所定の寸法に切断し積層した後、焼成することによってバインダおよび可塑剤を分解するとともに無機粉末を焼結させたセラミック基板を準備した。絶縁基板3の熱伝導率は18W/m・Kであり、熱膨張率は7×10−6/℃であり、寸法は、縦が25mmであり、横が25mmであり、厚みが0.635mmであ
るものとのした。
次に、絶縁基板3上に第2の接着樹脂4bをスクリーン印刷によって印刷塗布した後に、80℃の乾燥炉中で乾燥を行なった。なお、1つ目の金属回路板2Aの面積の大きい部分と絶縁基板2との間に介在する第2の接着樹脂4bの寸法は、外周は、縦が20mmであり、横が15mmであり、内周は、縦が15mmであり、横が10mmである。また、厚みが0.05mmであるものとした。また、1つ目の金属回路板2Aのうち2つの延在部それぞれと絶縁基板2との間に介在する第2の接着樹脂4bのそれぞれの寸法は、縦が1mmであり、横が5mmであるものとした。また、厚みが0.05mmであるものとした。また、2つ目および3つ目の金属回路板2Bおよび2Cと絶縁基板2との間に介在する第2の接着樹脂4bのそれぞれの寸法は、外周は、縦が1mmであり、横が3mmであり、内周は、縦が0.5mmであり、横が2mmであり、厚みは0.05mmであるものとした。なお、第2の接着
樹脂4bは絶縁基板3の熱膨張率に近い熱膨張率を有するエポキシ樹脂から成り、熱膨張率が11×10−6/℃であり、アルミナからなる無機フィラーの含有量が70質量%であり、熱伝導率が0.35W/m・Kであるものとした。
次に、絶縁基板3上であってその中央部に第3の接着樹脂6をスクリーン印刷によって印刷塗布した後に、80℃の乾燥炉中で乾燥を行なった。なお、1つ目の金属回路板2Aの面積の大きい部分と絶縁基板3との間に介在する第3の接着樹脂6は四角形状であり、その寸法は、縦が15mmであり、横が10mmであり、厚みが0.1mmであるものとした。ま
た、2つ目および3つ目の金属回路板2Bおよび2Cと絶縁基板2との間に介在する第3の接着樹脂6の寸法は、縦が0.5mmであり、横が2mmであり、厚みは0.1mmであるものとした。なお、第3の接着樹脂6は第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bよりもフィラーを多く含むエポキシ樹脂から成り、熱膨張率が9×10−6/℃であり、アルミナからなる無機フィラーの含有量が89質量%であり、熱伝導率が4W/m・Kであるもの
とした。
次に、第2の接着樹脂4bの上に、第2の接着樹脂4bと同じ寸法および形状で第1の接着樹脂4aを印刷塗布した。なお、第1の接着樹脂4aは金属回路板2の熱膨張率に近い熱膨張率を有するエポキシ樹脂から成り、熱膨張率が15×10−6/℃であり、アルミナからなる無機フィラーの含有量が60質量%であり、熱伝導率が0.3W/m・Kであるもの
とした。
しかる後に、金属回路板2を第3の接着樹脂6および第1の接着樹脂4aの上に配置して、0.3Mpaの圧力を加えながら加熱し、各接着樹脂4a,4b,6を硬化させること
によって、金属回路板2を絶縁基板3に接着して回路基板1を得た。
次に、比較例として、1層の接着樹脂を介して金属回路板が絶縁基板に接着されている回路基板を作製した。1層の接着樹脂はエポキシ樹脂から成り、熱膨張率が15×10−6/℃であり、アルミナからなる無機フィラーの含有量が70質量%であり、熱伝導率が0.3W
/m・Kであるものとした。この比較例の回路基板のその他の構成は、実施例の回路基板1と同様とした。
得られた実施例および比較例の回路基板を用いて、−40℃および+125℃の各温度に制
御した恒温槽に15分ずつ保持することを1サイクルとして1000サイクル繰り返す熱サイクル加速試験を行なった。そして、熱サイクル加速試験が終わった実施例の回路基板1を切断して断面形状の外観検査を行ない、第1の接着樹脂4aと金属回路板2との接着面および第2の接着樹脂4bと絶縁基板3との接着面において剥離が発生しているかどうかを確認した。また、第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4b中に亀裂が発生しているかどうかを確認した。ここで、試験した回路基板の個数はそれぞれ10個とした。また、比較例の回路基板においても同様に、回路基板を切断して断面形状の外観検査を行ない、1層の接着樹脂と金属回路板および絶縁基板のそれぞれとの接着面において剥離が発生しているかどうかを確認した。
その結果、実施例の回路基板1では、第1の接着樹脂4aと金属回路板2との接着面および第2の接着樹脂4bと絶縁基板3との接着面において剥離が発生しておらず、第1の接着樹脂4a中および第2の接着樹脂4b中に亀裂も入っていなかった。しかしながら、比較例の回路基板では、接着樹脂および絶縁基板の間の接続領域において剥離が生じており、金属回路板の絶縁基板への接着の耐久性が低下していた。
この結果から、第1の接着樹脂4aの熱膨張率は金属回路板2の熱膨張率よりも低く、第2の接着樹脂4bの熱膨張率は絶縁基板3よりも高く、かつ第1の接着樹脂4aの熱膨張率は第2の接着樹脂4bの熱膨張率よりも高いことから、第2の接着樹脂4bと絶縁基板3との間の熱膨張率の差および第1の接着樹脂4aと金属回路板2との間の熱膨張率の差を小さくすることができるので、それぞれの部材同士の接着面に生じる、互いの熱膨張の差あるいは熱収縮の差に起因する応力が小さくなることから、それぞれの部材間での剥離を起こりにくくすることができることが分かった。
また、それぞれの回路基板において、入力端子としてのリード端子を2つ有しているとともに下面に出力端子としての電極を有している電子部品(図示せず)を実装した。具体的には、この電子部品は、下面の電極が1つ目の金属回路板の面積の大きい部分の上に実装されており、電子部品の2つのリード端子が2つ目および3つ目の金属回路板にワイヤボンディングによってそれぞれ接続されているものとした。そして、2つ目および3つ目の金属回路板を入力側とし、1つ目の金属回路板を出力側として、10Aの電流を通電させて、金属回路板の温度を測定した。
その結果、実施例の回路基板1では、金属回路板2の通電時の温度が50℃であったのに対し、比較例の回路基板では、通電時の金属回路板の温度が100℃であった。なお、各回
路基板の金属回路板の温度の測定に当たっては、赤外線放射温度計を使用した。
この結果から、金属回路板2および絶縁基板3の間の接着領域の中央部に、第1の接着樹脂4aおよび第2の接着樹脂4bよりもフィラーを多く含む第3の接着樹脂6が配置されているときには、接着領域の中央部において接着領域の周縁部と比較して第3の接着樹脂6中のフィラーを介して、金属回路板2で生じた熱を絶縁基板3側に放熱することができるので、金属回路板2において発生した熱の大部分を、第3の接着樹脂6を介して放熱することができることが分かった。
1:回路基板
2(2A,2B,2C):金属回路板
3:絶縁基板
4:接着樹脂
4a:第1の接着樹脂
4b:第2の接着樹脂
5:中間接着樹脂
6:第3の接着樹脂

Claims (3)

  1. 金属回路板が該金属回路板よりも熱膨張率が低い絶縁基板に接着樹脂によって接着されており、前記金属回路板および前記絶縁基板の間の接着領域の周縁部において、前記金属回路板側に第1の接着樹脂および前記絶縁基板側に第2の接着樹脂が配置されており、前記第1の接着樹脂の熱膨張率は前記金属回路板の熱膨張率よりも低く、前記第2の接着樹脂の熱膨張率は前記絶縁基板よりも高く、かつ前記第1の接着樹脂の熱膨張率は前記第2の接着樹脂の熱膨張率よりも高いことを特徴とする回路基板。
  2. 前記第1の接着樹脂と前記第2の接着樹脂との間に、中間の値の熱膨張率を有する中間接着樹脂が介在していることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
  3. 前記金属回路板および前記絶縁基板の間の接着領域の中央部に、前記第1の接着樹脂および前記第2の接着樹脂よりもフィラーを多く含む第3の接着樹脂が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
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