JPH08284998A - 滑り性耐摩部材を有する異方性空気ばね - Google Patents

滑り性耐摩部材を有する異方性空気ばね

Info

Publication number
JPH08284998A
JPH08284998A JP9362995A JP9362995A JPH08284998A JP H08284998 A JPH08284998 A JP H08284998A JP 9362995 A JP9362995 A JP 9362995A JP 9362995 A JP9362995 A JP 9362995A JP H08284998 A JPH08284998 A JP H08284998A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air spring
anisotropic
wear
rubber film
resistant member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9362995A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinya Shibata
真也 芝田
Norio Nishikawa
典男 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP9362995A priority Critical patent/JPH08284998A/ja
Publication of JPH08284998A publication Critical patent/JPH08284998A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】上面板の左右方向端部に設けられた当たり部と
筒状ゴム膜との摩擦・摩耗による損傷を未然に防止して
異方性空気ばねの耐久性を改善する。 【構成】ゴム状ガイド部を備えた上面板の左右端部を下
方に延長して筒状ゴム膜の水平変位を制御する円弧状の
当たり部を設けてなる異方性空気ばねにおいて、当該当
たり部がその表面に滑り性耐摩部材からなる被覆層を備
えていることを特徴とする異方性空気ばねであり、ま
た、この滑り性耐摩部材としてふっ素樹脂(テフロン)
シートを用いた場合、特に良好な結果が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄道車両等の懸架ば
ねとして有用な空気ばねに関し、特に水平方向の異方性
ばね特性を利用する異方性空気ばねの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄道車両に用いられる空気ばねと
しては、上下方向だけでなく、水平方向の変位を利用す
る空気ばねも多く使われるようになってきた。また、最
近のように新幹線を始めとする鉄道車両の高速化が進展
する中で、走行車両の振動・横揺れを効果的に防止する
ことのできる技術、殊に車両の進行方向に対して前後方
向と左右方向とで水平方向のばね特性(横剛性)が異な
る異方性空気ばねの果たす役割は重要で、その実用化と
共に種々の改良が試みられている。
【0003】その一例として、車両の進行方向に対し左
右方向にのみ、筒状ゴム膜の外側に当たり部を設けたも
のがある。これは、筒状ゴム膜が左右に大きく変位した
ときゴム膜が当該当たり部に接触して、その反力により
横剛性が大きくなるように工夫したものである。特に、
ボルスターレス台車に用いられる空気ばねでは、前後方
向には大きく変位できて横剛性は小さく、左右方向には
変位は小さいが適度な横剛性を必要とするところから、
通常、かかる当たり部を上面板左右の外周部に設けたも
のが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記当たり
部を有する空気ばねにおいては、筒状ゴム膜が前後方向
に大きく変位する場合、当該当たり部の端部に筒状ゴム
膜が接触しながら変位することになるので、接触部分相
互に摩擦・摩耗による損傷が生起し、耐久性が低下する
原因となっていた。そこで本願発明の目的は、上面板の
左右方向の端部に筒状ゴム膜の水平変位を制御する円弧
状の当たり部を設けた異方性空気ばねについて、その欠
点であった筒状ゴム膜と当たり部との摩擦・摩耗による
損傷が効果的に防止できて耐久性の改善された空気ばね
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、さまざまな方向から検討を加え、試
作実験を行ったところ、滑り性に優れた耐摩部材を利用
して筒状ゴム膜と接触する当たり部の摩擦係数を低下さ
せた場合に、特に良好な結果が得られることを見出だ
し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、この発明は、ゴム状ガイド部を備え
た上面板の左右端部を下方に延長して筒状ゴム膜の水平
変位を制御する円弧状の当たり部を設けてなる異方性空
気ばねにおいて、当該当たり部がその表面に滑り性耐摩
部材からなる被覆層を備えていることを特徴とする異方
性空気ばねをその要旨とするものである。
【0007】この発明が対象とする異方性空気ばねは、
上記のように上面板の左右端部に円弧状の当たり部を設
けた一般的空気ばねを指称するものであるが、より具体
的には一段ベローズ形式の空気ばね、或いは該ベローズ
に積層ストッパーを組合わせてなる複合形式の空気ばね
を好適な例として挙げることができる。
【0008】特に、後者に使用されている積層ストッパ
ーは、ベローズ型空気ばねの下面板と下部フランジ間
に、複数のゴムシートと剛性金属板とを交互に積層して
形成された中空状弾性体であって、空気ばねに良好な水
平方向のばね特性を付加するものである。ボルスターレ
ス台車に用いられる空気ばねとしては、このような積層
ストッパーを備えた異方性空気ばねが一般に採用されて
いる。
【0009】この発明を実施するに当たって好ましい滑
り性耐摩部材としては、薄く強靭なシートに成形可能な
熱可塑性或いは熱硬化性合成樹脂からなり、摩擦係数が
小さくて、ゴムとの接着加工性が良好な素材ならばいず
れも使用可能であるが、とりわけ耐摩耗性に優れたふっ
素樹脂、ついでポリプロピレン樹脂を好適な例として挙
げることができる。
【0010】上記の合成樹脂シートの厚みは、通常0.
8〜2.0mmの範囲に設定される。厚みが2.0mm以上
になると加工性が劣り、かつ筒状ゴム膜との間隔(隙
間)が狭くなり過ぎて水平変位に支障が生じ、また、
0.8mm以下に薄くなると強度が落ちて損傷し易くなる
ので、好ましくない。
【0011】
【作用】この発明に係る異方性空気ばねは、上記の通り
の構成を有するので、筒状ゴム膜が前後方向に変位する
ときも、当たり部に被覆された滑り性のよい耐摩性部材
により上面板に対するゴム膜部分の滑らかな相対変位が
可能である。また、これにより必要にして十分な前後方
向の線形的変位が確保されると共に、接触界面の摩耗の
みを効果的に減少し得る。
【0012】更に、当たり部の表面に被覆される滑り性
耐摩部材は、厚さの薄いシートなので、筒状ゴム膜が左
右方向に変位するとき、変位の大きさに影響するほど筒
状ゴム膜と当たり部との間隔が狭くなることはない。し
たがって、所定量(通常は10〜20mm)水平変位した
後、横剛性が非線形的に増大するという特有なばね特性
が十分発揮され、耐久性とばね特性とのバランスよい両
立が図れる。
【0013】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
する。図1は、この発明に係る滑り性耐摩部材を有する
異方性空気ばねについて、その内部構造を例示する断面
図であり、図の左半分は車両の進行方向に対する左右方
向の断面図、右半分は同じく前後方向の断面図である。
【0014】この異方性空気ばねは、筒状ゴム膜1の上
部内縁部を固定する上面板2と下部内縁部を固定する下
面板3及び下面板3に直結して設けられた積層ストッパ
ー4から構成されてなり、かつ該上面板2の左右端部を
下方に延長して筒状ゴム膜1の水平変位を制御する円弧
状の当たり部aが、図2(図1の矢視Aを示す平面図で
ある)に示すように、上面板2の左右対象位置に2ケ所
設けられている。なお、図において5は上面板2のゴム
状ガイド部、6は給気口である。
【0015】上面板左右の当たり部aは、例えば、図3
(図2の矢視Bに相当する側面図である)に示すよう
に、上辺L1 >下辺L2 、高さhを有する下向きの台形
に形成されている。そして、筒状ゴム膜1に面する当該
当たり部aの表面には、図1〜3に示すのごとく、ふっ
素樹脂(商品名:テフロン)を素材とした滑り性のよい
耐摩部材7がエポキシ系接着剤を介して貼着・被覆され
ている。
【0016】ところで、図5はボルスターレス台車に用
いられる一般的空気ばねについて認められる水平方向の
変位(横軸)と水平方向の反力(縦軸)の関係を示した
ものある。このように、車両の前後方向には大きく変位
し、変位と反力の関係が線形的であると共に、左右方向
には変位が小さい間(通常は10〜20mmの変位)は前
後方向と共通の特性を示し、変位が20〜40mmにかけ
て反力が非線形的に増加する特性が求められている。
【0017】よく知られているように、上記の当たり部
aはかかる左右方向のばね特性を僅かな変位のなかで発
現させる有効な手段であるが、空気ばねが前後方向に変
位する際、筒状ゴム膜1が当たり部aと接触しながら変
位することを余儀なくするものである。したがって、こ
の間に滑り性耐摩部材7を介在させて、筒状ゴム膜1と
当たり部aとを相対的に滑らせことが重要な役割を持つ
ことになる。
【0018】即ち、異方性空気ばねに図4に示すような
前後方向の水平変位Sが生ずると、筒状ゴム膜1はその
外周部bにおいて当たり部aに接触しながら変位するこ
とになり、外周部bは広い面積で擦られることになる
が、この発明に係る異方性空気ばねにおいては、上記の
通り、当該当たり部aの表面に滑り性耐摩部材7として
耐摩耗性と低摩擦係数を有するテフロンシートが貼り付
けてあるので、滑らかな変位が可能であると共に、この
部分の摩耗を効果的に防止することができる。
【0019】
【表1】
【0020】この実施例で使用したテフロンシートは、
表1に示す評価試験の結果より総合判定において最も望
ましい素材として選定されたものである。
【0021】即ち、上面板2の当たり部aのゴム表面
に、エポキシ系接着剤を用いて、表1に示す各合成樹脂
からなる台形シートを添付した後、型に入れ加熱・圧着
する。ついで、定法にしたがって空気ばねを組立て、得
られた空気ばね並びに従来型の空気ばねについて、それ
ぞれ下記の方法により耐久性を測定し、更に各合成樹脂
シートの成形加工性、当たり部表面ゴムとの接着性を評
価した。耐久性 ;鉄道車両用ばね装置(JIS E 4206)の耐久
試験により、空気圧力5kg/cm2 、水平変位(前後方
向)±65mm、振動数1Hzの試験条件で振動させ、破壊
するまでの繰り返し回数を測定し、目標耐久繰り返し回
数(20万回)を100とする指数で表示した。接着性 ;JIS K 6301に記載の加硫ゴムのはくり試験
方法に準じて、ゴムと滑り性耐摩部材の接着力を測定す
ると共に、耐久試験後の状態を観察することにより評価
した。成形加工性 ;上記各合成樹脂からなる台形シートを接着
剤を介して当たり部aの表面に添付し、型に入れ加熱・
圧着させる際の工程難易度を意味するものである。
【0022】表1から明らかなように、テフロン及びポ
リプロピレン樹脂を当たり部表面に被覆した実施例1〜
2では、このような被覆層を有しない従来品(比較例
3)に比較して、いずれも耐久性が改善された。特に、
テフロン使用品の耐久性は格別良好であり、従来品の2
倍以上に達する耐久繰り返し回数(20万回)をクリア
することができる。しかし、塩化ビニール樹脂とポリエ
チレン樹脂については、従来品にまさる耐久性は得られ
なかった。塩化ビニール樹脂はテフロンやポリプロピレ
ン樹脂に比べると成形加工性、対ゴム接着性に優れた素
材であるが、摩擦・摩耗を生起し易く、ポリエチレン樹
脂は対ゴム接着性に劣ることが、その主たる原因である
と考えられる。
【0023】
【発明の効果】鉄道車両に用いられる空気ばねについ
て、車両の前後方向と左右方向で異なる水平方向のばね
特性と耐久性を両立させることが可能であり、これによ
り更に高速化が進展する鉄道車両の安定性と乗り心地を
一段と向上しうる異方性空気ばねが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の滑り性耐摩部材を有する異方性空気
ばねの内部構造を示す断面図である。
【図2】同異方性空気ばねの下方からみた平面図であ
る。
【図3】同じく同異方性空気ばねの当たり部の形状を示
す側面図である。
【図4】前後方向に水平変位した同異方性空気ばねの下
方からみた平面図である。
【図5】同じく同異方性空気ばねの水平方向変位と反力
の関係を示した特性図である。
【符号の説明】
1.筒状コム膜 2.上面板 3.下面板 4.積層ストッパー 5.ゴム状ガイド部 6.吸気口 7.滑り性耐摩部材 a.当たり部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状ガイド部を備えた上面板の左右端
    部を下方に延長して筒状ゴム膜の水平変位を制御する円
    弧状の当たり部を設けてなる異方性空気ばねにおいて、
    当該当たり部がその表面に滑り性耐摩部材からなる被覆
    層を備えていることを特徴とする滑り性耐摩部材を有す
    る異方性空気ばね。
  2. 【請求項2】 前記異方性空気ばねが、この空気ばねの
    筒状ゴム膜の下部内縁部を固定する下面板に直結された
    上下方向の積層ストッパーを備えてなる請求項1記載の
    滑り性耐摩部材を有する異方性空気ばね。
  3. 【請求項3】 前記滑り性耐摩部材がふっ素樹脂である
    請求項1乃至請求項2記載の滑り性耐摩部材を有する異
    方性空気ばね。
JP9362995A 1995-04-19 1995-04-19 滑り性耐摩部材を有する異方性空気ばね Pending JPH08284998A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9362995A JPH08284998A (ja) 1995-04-19 1995-04-19 滑り性耐摩部材を有する異方性空気ばね

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9362995A JPH08284998A (ja) 1995-04-19 1995-04-19 滑り性耐摩部材を有する異方性空気ばね

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08284998A true JPH08284998A (ja) 1996-11-01

Family

ID=14087627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9362995A Pending JPH08284998A (ja) 1995-04-19 1995-04-19 滑り性耐摩部材を有する異方性空気ばね

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08284998A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100737149B1 (ko) * 2002-09-16 2007-07-06 주식회사 만도 횡하중의 지지력이 향상된 쇽 업소버
EP1864835A1 (en) 2002-05-01 2007-12-12 Hendrickson International Corporation Suspension and axle assembly
CN102691744A (zh) * 2011-03-23 2012-09-26 东洋橡胶工业株式会社 空气弹簧用下面板及其制造方法以及车辆用空气弹簧
JP2018105454A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 東洋ゴム工業株式会社 鉄道車両用空気ばね

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1864835A1 (en) 2002-05-01 2007-12-12 Hendrickson International Corporation Suspension and axle assembly
KR100737149B1 (ko) * 2002-09-16 2007-07-06 주식회사 만도 횡하중의 지지력이 향상된 쇽 업소버
CN102691744A (zh) * 2011-03-23 2012-09-26 东洋橡胶工业株式会社 空气弹簧用下面板及其制造方法以及车辆用空气弹簧
JP2018105454A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 東洋ゴム工業株式会社 鉄道車両用空気ばね

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107922014B (zh) 运载工具保护设备
US4382986A (en) Automobile floor mat with two base portions of different elastomeric materials
JPH111349A (ja) ガラスとプラスチック材料とから成る複合ガラス構造およびこのガラス構造の最適幾何学的パラメータの決定法
JPH1193141A (ja) 防舷材及びその製造方法
JPH08284998A (ja) 滑り性耐摩部材を有する異方性空気ばね
JP3703922B2 (ja) サイド補強層を備えた空気入りラジアルタイヤと該タイヤの装着方法
US6550868B2 (en) Damper plate for automobile wheel
JPS6226101A (ja) 高速走行用空気入りタイヤ
US6260593B1 (en) Race tire containing band element
KR101745135B1 (ko) 이종 재료 적용 타이어 트레드
JPH0436906B2 (ja)
JPH0127884B2 (ja)
US10160263B2 (en) Tire with non-spliced multilayered film innerliner
JP3970151B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5033499B2 (ja) 軸ばね装置
JP3699244B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPS5867503A (ja) 乗物用タイヤ
JPH1178413A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4855972B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4210101B2 (ja) 空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤの製造方法
JPH06156016A (ja) 空気入りタイヤ
JP3104040B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4819713B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPH0427659A (ja) 車両用空気ばね
CN220409902U (zh) 一种防刮耐磨pe膜

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040706

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02