JPH08284060A - 立体模様付き起毛製品及びその製法 - Google Patents

立体模様付き起毛製品及びその製法

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JPH08284060A
JPH08284060A JP7113593A JP11359395A JPH08284060A JP H08284060 A JPH08284060 A JP H08284060A JP 7113593 A JP7113593 A JP 7113593A JP 11359395 A JP11359395 A JP 11359395A JP H08284060 A JPH08284060 A JP H08284060A
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JP
Japan
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raised
thermoplastic resin
forming
fibers
product
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JP7113593A
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Inventor
Yosuke Kitagawa
陽介 北川
Ryuichi Hoshikawa
隆一 星川
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Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
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Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
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  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱処理によって起毛製品に与えるダメージ
を最小限に抑えることができ、黒色物質を用いる必要が
なく、起毛繊維が加熱により溶融しないものについても
立体模様を施すことができ、凹模様部の柄際が鮮鋭で、
細線等による繊細な凹凸模様であっても精密に表現する
ことができる。 【構成】 多数の起毛繊維を有する起毛部を表面の全部
又は部分に有する起毛製品の起毛部における1又は2以
上の個所に、凹部形成用熱可塑性樹脂を付着させるステ
ップと、前記凹部形成用熱可塑性樹脂を加熱溶融させる
ことにより、溶融した凹部形成用熱可塑性樹脂を起毛繊
維に融着させ、起毛部における前記個所を、凹部形成用
熱可塑性樹脂と起毛繊維が同体化した凹模様部に形成さ
せるステップを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多数の起毛繊維を有す
る起毛部を有する起毛製品の起毛部に凹凸模様を設けた
立体模様付き起毛製品及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】起毛布帛に対
して立体模様を付与する手段としては、加熱エンボスロ
ーラにより立体模様を付与するエンボス法や、近赤外線
を吸収して発熱する物質を用いる近赤外線法等が知られ
ている。
【0003】前者のエンボス法は、表面に所望の凹凸を
設けたエンボスローラを加熱して起毛布帛に圧着させ、
エンボスローラの凸部に対応する部分のみの起毛繊維を
熱溶融又は収縮させて凹部に形成することにより、起毛
布帛に凹凸による立体模様を設けるものである。
【0004】ところがこのエンボス法の場合、エンボス
ローラの表面に設けた凸部を布帛に圧着させて加熱する
ことにより起毛繊維を溶融させるものであるため、凸部
が圧着した部分の周囲も不可避的に加熱されてしまう。
そのため、鮮鋭な柄際の凹凸模様を形成することはでき
ず、細線等による繊細な模様を精密に表わすことは極め
て困難であった。
【0005】一方、後者の近赤外線法は、このような問
題点を克服するために開発されたものであり(特公平5
−71697)、近赤外線を吸収して高効率で発熱する
物質を、布帛の起毛部に付着させ、近赤外線を照射して
その物質を発熱させることにより、その物質が付着した
部分の起毛繊維を加熱溶融又は収縮させてその部分を凹
部に形成し、起毛布帛に凹凸による立体模様を設けるも
のである。
【0006】しかしながら、近赤外線法では、近赤外線
を吸収して高効率で発熱する物質として黒鉛やカーボン
ブラック等の黒色物質を布帛に付着させることを必須と
するので、どうしてもその付着箇所が黒味を帯びてしま
い、意匠的面での制約を受けるという新たな問題点が生
じる。而も、加工設備的な面において、近赤外線照射装
置の導入を必須とし、製品の製造コストの増大を招くも
のでもあった。
【0007】更に、上記両者は、加熱により起毛繊維を
溶融乃至収縮させるという点において共通する基本メカ
ニズムを有しており、この基本メカニズムに由来して、
以下のような共通の根本的な問題点を有していた。
【0008】その第1は、加工対象となる起毛布帛、と
りわけその起毛繊維が、加熱により溶融又は収縮する繊
維に限定されるという点である。
【0009】またその第2は、起毛繊維の加熱溶融(収
縮)時に、その加熱すべき起毛繊維の周囲の起毛繊維や
基布等の部分にも少なからずその熱が伝達して脆化等の
ダメージを受け、布帛全体の強度が低下するという点で
ある。
【0010】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであって、その目的とすると
ころは、加熱処理によって起毛製品に与えるダメージを
最小限に抑えることができ、黒色物質を用いる必要がな
く、起毛繊維が加熱により溶融しないものについても立
体模様を施すことができ、凹模様部の柄際が鮮鋭で、細
線等による繊細な凹凸模様であっても精密に表現するこ
とができる立体模様付き起毛製品及びその製法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の立体模様付き起毛製品は、多数の起毛繊維を有する
起毛部を表面の全部又は部分に有する起毛製品の起毛部
における1又は2以上の個所に、加熱溶融により起毛繊
維に融着した凹部形成用熱可塑性樹脂とその起毛繊維と
の同体化により形成された凹模様部を有するものであ
る。
【0012】この立体模様付き起毛製品の製法である本
発明の製法は、多数の起毛繊維を有する起毛部を表面の
全部又は部分に有する起毛製品の起毛部における1又は
2以上の個所に、凹部形成用熱可塑性樹脂を付着させる
ステップと、前記凹部形成用熱可塑性樹脂を加熱溶融さ
せることにより、溶融した凹部形成用熱可塑性樹脂を起
毛繊維に融着させ、起毛部における前記個所を、凹部形
成用熱可塑性樹脂と起毛繊維が同体化した凹模様部に形
成させるステップとを含むものである。
【0013】本発明の対象となる起毛製品は、基体とし
ての織物類、ニット類、不織布類、天然皮革類、合成皮
革類等の一部を構成する繊維を、基体の表面に多数の起
毛繊維として毛羽立たせたもの、及び、種々の基体の表
面に多数の起毛繊維を植毛したものを含む。また本発明
の対象となる起毛製品は、多数の起毛繊維を有する起毛
部を、表面の全部に有するものの他、表面に部分的に有
するものであってもよい。染色等により着色された起毛
製品であってもよいことは言うまでもない。
【0014】本明細書中では、起毛繊維が起毛製品の基
体から立ち上がった長さを起毛長(パイル長)という。
本発明の起毛製品における起毛繊維の起毛長(パイル
長)は特には限定されないが、数十μm乃至5mm程度
が好ましい。数十μm以上であれば、本発明の立体模様
付き起毛製品に顕著な立体模様効果を表すことができ
る。
【0015】起毛製品の例としては、別珍、コール天、
ベルベット、フランネル、タオル、メルトン、スエー
ド、シール、ベロア、モケット、ビロード、プラッシュ
等と一般に呼ばれる起毛織物類や起毛ニット類;織物、
ニット、不織布、紙、合成樹脂フィルム等を基布或はベ
ースシートとし、その上に短繊維が植毛された構造の植
毛布類や植毛シート類;表面部に起毛繊維を有する各種
天然皮革類や合成皮革類;これらの起毛織物類、起毛ニ
ット類、植毛布類、植毛シート類、起毛天然皮革類、起
毛合成皮革類を用いた縫製品等の二次製品を挙げること
ができるが、勿論これらに限定されるものではない。
【0016】これらの起毛製品の材質は、その起毛繊維
の材質も含めて、特に限定されない。起毛織物類、起毛
ニット類、及び植毛布類や植毛シート類の基布を構成す
る繊維、並びに起毛繊維として使用し得るものの例とし
ては、木綿、麻等の天然セルロース系繊維;絹、羊毛等
の天然タンパク系繊維;レーヨン、キュプラ、アセテー
ト、トリアセテート等の再生又は半合成繊維;ナイロ
ン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリオレフィ
ン、塩化ビニリデン、スパンデックス、フッ素系等の合
成繊維;各種無機繊維等を、それぞれ単独で、或はこれ
らの2種以上が混合したものを挙げることができる。
【0017】本発明における凹部形成用熱可塑性樹脂と
しては、(メタ)アクリル酸エステル系ポリマー、(メ
タ)アクリル酸誘導体ポリマー、アクリロニトリル系ポ
リマー、酢酸ビニル系ポリマー、塩化ビニル系ポリマ
ー、塩化ビニリデン系ポリマー、ポリオレフィン系ポリ
マー、ポリスチレン系ポリマー、及び、これらのポリマ
ーを構成する各種ビニル系モノマーの各種共重合体、並
びに、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマ
ー、ウレタン系ポリマー等を例示することができるが、
これらに限定されるものではない。このような熱可塑性
樹脂は、各単独であるいは2種以上組み合わせて用いる
ことができる。一般には、加熱されることによりそれ自
体が溶融し、起毛繊維に融着して起毛繊維と同体化し得
るものであれば、種々の熱可塑性樹脂を適宜選択して使
用することができる。
【0018】本発明においては、溶融した凹部形成用熱
可塑性樹脂が起毛繊維に融着しつつその凹部形成用熱可
塑性樹脂同士が凝集することにより、凹部形成用熱可塑
性樹脂と起毛繊維が同体化し、その凹部形成用熱可塑性
樹脂が冷却固化することにより、起毛繊維は、起毛状態
から言わば伏倒状態となって固定される。これによっ
て、その部分は、起毛繊維が起毛状態にあったことによ
る見掛けの体積が減少して凹模様部を形成する。従っ
て、凹部形成用熱可塑性樹脂を選択するには、対象とす
る起毛繊維との融着性(結合性或は接着性)、漏れ性、
膨潤性等を考慮すべきである。また、凹部形成用熱可塑
性樹脂としては、その軟化温度又は融点が、対象となる
起毛製品に実質的な損傷を与えない程度の温度であるも
のを選択すべきである。本発明の立体模様付き起毛製品
を製造する際に、必然的に凹部形成用熱可塑性樹脂の軟
化温度又は融点以上の温度が起毛製品に適用されるから
である。一般には、軟化温度又は融点が、60℃乃至2
20℃のものを使用することが好ましい。より好ましく
は70℃乃至200℃、更に好ましくは80℃乃至18
0℃である。
【0019】溶融して起毛繊維に融着した凹部形成用熱
可塑性樹脂を架橋させることは、本発明の好ましい態様
として挙げることができる。これによって、凹部形成用
熱可塑性樹脂と起毛繊維との同体化が促進され、起毛繊
維が再び元の状態へ戻ることを効果的に防止することが
できる。架橋の程度は、起毛製品の風合いを悪化させな
い程度とすることが望ましい。
【0020】凹部形成用熱可塑性樹脂を架橋させる手段
としては、いかなる手段をも採用することができる。例
えば、用いる凹部形成用熱可塑性樹脂に、それに適した
各種の架橋剤や触媒を添加したり、用いる凹部形成用熱
可塑性樹脂自体に、ジビニル系モノマー等の架橋性基や
その他の官能基を導入したり、また或は、それ自身架橋
能を有する不飽和ポリエステルポリマーやウレタン系ポ
リマーを採用することなどができる。とりわけ、ウレタ
ン系ポリマーを採用することは、風合い等の面から、特
に好まし態様として挙げることができる。
【0021】また本発明の凹部形成用熱可塑性樹脂を起
毛製品の起毛部に付着させる手段としては、いかなる手
段を採用しても差し支えない。
【0022】そのような手段としては、凹部形成用熱可
塑性樹脂を主成分とする捺染糊を、スクリーン捺染、ロ
ーラ捺染、ロータリー捺染、又はインクジェット捺染等
により、所望模様状に起毛製品の起毛部に捺染する手段
や、パウダー状の凹部形成用熱可塑性樹脂を所望模様を
構成するスクリーンを通して散布する手段等を例示する
ことができる。
【0023】これらの手段の中で最も汎用性が高いと考
えられる、捺染湖をスクリーン捺染により捺染する手段
を例にとって説明する。
【0024】捺染糊の構成は、水、有機溶剤、又はそれ
らの混合物に、適当な分散剤と共に凹部形成用熱可塑性
樹脂を混合したものを基本とする。凹部形成用熱可塑性
樹脂は、通常エマルジョン又はサスペンジョンの形態で
分散したものとなるが、溶媒に溶解したものとなってい
ても差し支えない。溶解する場合は、分散剤を必要とし
ないこともある。捺染湖に占める凹部形成用熱可塑性樹
脂の割合は、通常5〜90重量%、好ましくは20〜7
0重量%である。
【0025】この捺染湖は、上記の基本構成分の他、各
種の水溶性高分子物質(糊剤)やターペン等の石油系溶
剤などにより、適当な粘度が付与されていても差し支え
なく、また、下記に例示されるような、この種の捺染湖
に通常添加されるいかなる着色剤及び薬剤を含んでいて
も、本発明の要旨を逸脱するものではない。
【0026】着色剤としては、例えば、一般染顔料、蛍
光顔料、蓄光顔料、夜光顔料、メタリック顔料、パール
顔料、ガラスビーズ、金属粉、サーモクロミック材料、
フォトクロミック材料等を挙げることができる。着色剤
を捺染糊に含有させる等することにより、凹部形成用熱
可塑性樹脂に着色剤を伴わせれば、凹模様部を形成する
と同時に、その凹模様部に着色を施すことができる。
【0027】また、通常、繊維溶解剤、繊維膨潤剤ある
いはキャリアー剤として知られる各種の薬剤、例えば、
芳香族スルホン酸類、芳香族スルホンアミド類、芳香族
カルボン酸類、芳香族カルボアミド類、フェノール類、
芳香族炭化水素類、及びハロゲン化芳香族炭化水素類等
を併用すれば、より効率良く凹模様部を形成させること
ができる。
【0028】またその他の薬剤の例としては、乾燥調節
剤、可塑剤、油脂、ワックス、粘度調整剤、熱硬化性樹
脂、架橋剤、触媒、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、光安
定剤、酸化防止剤、体質顔料、蛍光増白剤、吸着剤、防
染剤、抜染剤、還元防止剤、金属イオン封鎖剤、増量
剤、pH調節剤、吸湿剤、浸透剤、電解質、防腐剤、消
泡剤、香料、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、忌避剤等を挙げ
ることができる。
【0029】調製した捺染湖を、起毛製品の起毛部に対
し、スクリーン捺染により所望の模様状に捺染する。捺
染する捺染糊の量は、通常、起毛部100重量部に対し
て大略10乃至500重量部程度とすれば、十分な効果
が得られる。
【0030】この起毛製品の少なくとも捺染糊が捺染さ
れた部分を、凹部形成用熱可塑性樹脂の軟化温度又は融
点或はそれらより20乃至30℃高い温度に加熱すれ
ば、凹部形成用熱可塑性樹脂が溶融して起毛繊維に融着
し、凹部形成用熱可塑性樹脂と起毛繊維が同体化して凹
模様部を形成し、冷却により凹部形成用熱可塑性樹脂が
固化して凹模様部が固定化される。
【0031】
【発明の効果】本発明においては、従来の技術のように
起毛繊維そのものを加熱溶融させるのではなく、起毛部
に付着させた凹部形成用熱可塑性樹脂を加熱により溶融
させ、溶融した凹部形成用熱可塑性樹脂と起毛繊維を同
体化させて凹模様部に形成させる。そのため、起毛製品
に適用される加熱処理の温度は、その凹部形成用熱可塑
性樹脂の溶融に要する温度で足りるので、従来に比し加
熱温度を低く設定することにより、加熱処理によって起
毛製品に与えるダメージを実質上無くし或は最小限に抑
えることができる。また、起毛部の起毛繊維が、加熱に
より溶融せず分解又は炭化してしまうような場合でも、
凹模様部の形成による立体模様を施すことが可能であ
る。
【0032】更に、本発明では、黒鉛やカーボンブラッ
クを布帛に付着させて近赤外線を照射する場合のように
黒色物質を用いる必要がないので、その点における意匠
的な制約を全く受けないばかりでなく、凹部形成用熱可
塑性樹脂に所望の着色剤を伴わせれば、凹模様部をその
着色剤により着色して立体効果と同時に着色効果をも得
ることができ、産業上の利用性は極めて多大である。ま
た、黒鉛やカーボンブラックを高効率で発熱するための
近赤外線照射装置のような特殊な装置を要しない。
【0033】而も、本発明の場合、起毛部中、凹部形成
用熱可塑性樹脂が付着した個所のみを、正確に凹模様部
に形成することができるので、加熱エンボスローラで加
圧するエンボス法等によるものとは異なり、凹模様部の
柄際を鮮鋭なものとすることができると共に、細線等に
よる繊細な凹凸模様であっても、精密に表現することが
可能である。
【0034】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げ、本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。 [実施例1]片面の全表面に多数の起毛繊維(起毛長1
mm)を万遍なく有する白色ポリエステル起毛織物の起
毛面に対し、架橋性ウレタン系ポリマー(軟化温度15
0℃)をアニオン性分散剤で分散させた35重量%(以
下重量%を単に%と記す)の水性エマルジョン100重
量部(以下重量部を単に部と記す)に、湿潤剤として尿
素3部、消泡剤としてシリコン系消泡剤2部をそれぞれ
添加してなる捺染ペーストを、水玉模様(直径1mm)
が形成されたシルクスクリーン版(70メッシュ)によ
り印捺することによって、起毛織物の起毛面に凹部形成
用熱可塑性樹脂(すなわち上記ウレタン系ポリマー)を
付着させた。
【0035】続いて、この起毛織物を80℃で3分間予
備乾燥させた後、その起毛織物に対しHTスチーマーを
用いて180℃で7分間熱処理を施すことにより、凹部
形成用熱可塑性樹脂が起毛繊維に融着して両者が同体化
し、凹模様部を形成した。
【0036】このようにして、起毛面に直径1mmの水
玉模様が凹状に鮮鋭に表われた、顕著な立体感を有する
風合い良好な立体模様付き起毛織物が得られた。 [実施例2]片面の全表面に多数の起毛繊維(起毛長2
mm)を万遍なく有する黒色のポリエステル/綿混紡起
毛織物の起毛面に対して、エチルアクリレート−メチル
メタクリレート−アクリロニトリルからなる共重合体
(軟化温度140℃の凹部形成用熱可塑性樹脂)37
部、ターペン5部、アニオン性界面活性剤2部、エチレ
ングリコール8部、パール顔料(イリオジン153フラ
ッシュパール メルク社製)15部、及び水33部から
なる捺染ペーストを、一辺3mmの正方形内にほぼぴっ
たり収まる大きさの星柄が多数形成されたシルクスクリ
ーン版(50メッシュ)により印捺した。
【0037】次いで、この起毛織物を常温で乾燥させた
後、その起毛織物に対し、ベーキング装置を用いて17
0℃で3分間の熱処理を施した。
【0038】このようにして得られた起毛織物は、きら
きらと光る星柄が凹状に鮮鋭に表われ、夜空を連想させ
るような立体感に富んだ非常に美麗なものであった。 [実施例3]片面の全表面に多数の起毛繊維(起毛長1
mm)を万遍なく有する白色アクリル製起毛織物の起毛
面に対して、直径1mmの水玉模様が形成された120
メッシュシルクスクリーン版を用いて、軟化温度80℃
のポリウレタン樹脂(パンデックス5265 大日本イ
ンキ化学工業社製)20部及びシクロヘキサノン80部
からなる油性インキを印刷することにより、起毛面に凹
部形成用熱可塑性樹脂(ポリウレタン樹脂)を付着さ
せ、次いでこれを常温乾燥させた。
【0039】続いて、この起毛織物にベーキング装置を
用いて110℃で3分間の熱処理を施すことにより、付
着した凹部形成用熱可塑性樹脂を溶融させた。
【0040】このようにして、直径1mmの水玉模様が
凹状に鮮鋭に現われ、顕著な立体感を有する風合い良好
な立体模様付き起毛織物が得られた。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の起毛繊維を有する起毛部を表面の全
    部又は部分に有する起毛製品の起毛部における1又は2
    以上の個所に、凹部形成用熱可塑性樹脂を付着させるス
    テップと、前記凹部形成用熱可塑性樹脂を加熱溶融させ
    ることにより、溶融した凹部形成用熱可塑性樹脂を起毛
    繊維に融着させ、起毛部における前記個所を、凹部形成
    用熱可塑性樹脂と起毛繊維が同体化した凹模様部に形成
    させるステップとを含むことを特徴とする立体模様付き
    起毛製品の製法。
  2. 【請求項2】溶融した凹部形成用熱可塑性樹脂を起毛繊
    維に融着させると共にその凹部形成用熱可塑性樹脂を架
    橋させる請求項1記載の立体模様付き起毛製品の製法。
  3. 【請求項3】凹部形成用熱可塑性樹脂の軟化温度又は融
    点がほぼ60℃乃至220℃である請求項1又は2記載
    の立体模様付き起毛製品の製法。
  4. 【請求項4】凹部形成用熱可塑性樹脂が着色剤を伴い、
    凹模様部をその着色剤により着色する請求項1、2又は
    3記載の立体模様付き起毛製品の製法。
  5. 【請求項5】多数の起毛繊維を有する起毛部を表面の全
    部又は部分に有する起毛製品の起毛部における1又は2
    以上の個所に、加熱溶融により起毛繊維に融着した凹部
    形成用熱可塑性樹脂とその起毛繊維との同体化により形
    成された凹模様部を有することを特徴とする立体模様付
    き起毛製品。
  6. 【請求項6】凹部形成用熱可塑性樹脂が、起毛繊維に融
    着すると共に架橋したものである請求項5記載の立体模
    様付き起毛製品。
  7. 【請求項7】凹部形成用熱可塑性樹脂の軟化温度又は融
    点がほぼ60℃乃至220℃である請求項5又は6記載
    の立体模様付き起毛製品。
  8. 【請求項8】凹部形成用熱可塑性樹脂が着色剤を伴い、
    凹模様部がその着色剤により着色された請求項5、6又
    は7記載の立体模様付き起毛製品。
JP7113593A 1995-04-13 1995-04-13 立体模様付き起毛製品及びその製法 Pending JPH08284060A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021200420A1 (ja) * 2020-04-02 2021-10-07 セーレン株式会社 表皮材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021200420A1 (ja) * 2020-04-02 2021-10-07 セーレン株式会社 表皮材

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