JPH08283506A - 電線被覆用ポリ塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

電線被覆用ポリ塩化ビニル樹脂組成物

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JPH08283506A
JPH08283506A JP7095424A JP9542495A JPH08283506A JP H08283506 A JPH08283506 A JP H08283506A JP 7095424 A JP7095424 A JP 7095424A JP 9542495 A JP9542495 A JP 9542495A JP H08283506 A JPH08283506 A JP H08283506A
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JP
Japan
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weight
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polyvinyl chloride
pts
type plasticizer
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JP7095424A
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English (en)
Inventor
Motoya Kawakita
元也 川北
Takeshi Toyoda
毅 豊田
Yukako Mizutani
有日子 水谷
Yasushi Ito
靖 伊藤
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)ポリ塩化ビニル 100重量部、 (b1)モノマータイプの可塑剤 5〜100重量部、 (b2)高分子タイプの可塑剤 5〜100重量部、 (c)炭化水素系、脂肪族アミド系、エステル系および脂肪族アルコール系滑剤 よりなる群から選択される少なくとも1つの滑剤 0.5〜5重量部、 (d)熱安定剤 1〜20重量部、 (e)架橋助剤 1〜10重量部、および (f)吸油性充填剤 5〜100重量部 を含んでなるワイヤーハーネス用電線被覆用ポリ塩化ビ
ニル樹脂組成物。 【効果】 本発明の組成物で被覆した電線によれば、穏
やかな溶接条件によっても、従来の組成物より得られた
電線に比べて、大きい溶接強度が得られ、耐摩耗性、耐
寒性の低下もない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワイヤーハーネス用電線
の被覆に用いるためのポリ塩化ビニル組成物およびワイ
ヤーハーネス用電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子線照射架橋耐熱ビニル電線(以下A
VX電線と略す。)は、導体である軟銅線と電子線照射
により架橋された耐熱ポリ塩化ビニル樹脂組成物からな
る被覆材料で構成される、耐熱性、耐寒性、耐摩耗性が
優れた電線である。ワイヤーハーネスで使用する際、A
VX電線は接続すべき端部や中間部の被覆を除去した
後、圧着端子を用いて電気接続を行う。近年、圧着に変
わる高信頼接続方法として、超音波溶接や抵抗溶接等の
手法が検討されている。これらの溶接では、被溶接材料
である電線導体は材料強度が低いため、ダメージを与え
ることなく金属の界面同士の接合を有効に取ることが必
要とされる。従って、これらの接合には超音波溶接が多
用され、抵抗溶接を行う場合でも導体を完全に溶融させ
ないように溶接条件をコントロールして、表面での金属
接合を得る手法が用いられている。しかしながら、この
ような穏やかな条件による溶接方法によると、従来のA
VX電線では十分な溶接強度を得ることはできなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はワイヤーハー
ネスで使用するAVX電線の、超音波溶接や抵抗溶接の
ような穏やかな条件下における接続においても大きい接
着強度を与えるAVX電線を提供することを目的とする
ものである。
【0004】
【課題を達成するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明者等は電線の被覆物の組成とワイヤーハーネ
ス用電線の接続部分の溶接強度との関係に着目して鋭意
検討を加えた。その結果、驚くべきことに、被覆物の組
成と溶接強度に相関関係があり、被覆用ポリ塩化ビニル
組成物に用いる可塑剤として、特定の割合の低分子タイ
プの可塑剤および高分子タイプの可塑剤を用い、吸油性
に優れた充填剤を加え、かつ滑剤として特定のものを用
いることによって上記課題が解決できることを見出し
た。従って本発明は、 (a)ポリ塩化ビニル 100重量部、 (b1)モノマータイプの可塑剤 5〜100重量部、 (b2)高分子タイプの可塑剤 5〜100重量部、 (c)炭化水素系、脂肪族アミド系、エステル系および脂肪族アルコール系滑剤 よりなる群から選択される少なくとも1つの滑剤 0.5〜5重量部、 (d)熱安定剤 1〜20重量部、 (e)架橋助剤 1〜20重量部、および (f)吸油性充填剤 5〜100重量部 を含んでなるワイヤーハーネス用電線被覆用ポリ塩化ビ
ニル樹脂組成物を要旨とする。本発明はまた、導線を、
硬化させた上記組成物で被覆してなるワイヤーハーネス
用電線をも要旨とする。以下に本発明を詳細に説明す
る。
【0005】本発明の組成物に用いるベースレジンとし
てのポリ塩化ビニルは、電線被覆用に従来用いられてい
るものがいずれも使用でき限定的でない。重合度は好ま
しくは800〜3,800、より好ましくは1,300
〜2,400である。
【0006】本発明の組成物においては可塑剤として、
モノマータイプのものと高分子タイプのものを組合わせ
て用いる。ここにモノマータイプの可塑剤とはポリ塩化
ビニル用の公知の可塑剤であって、下記の高分子タイプ
の可塑剤を除いたもの言う。モノマータイプの可塑剤を
例示すれば、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ
イソオクチルフタレート等のフタル酸エステル、ジ−
(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペ
ート等のアジピン酸エステル、トリ−(2−エチルヘキ
シル)トリメリテート、トリイソデシルトリメリテート
等のトリメリット酸エステル、テトラ−(2−エチルヘ
キシル)ピロメリテート等のピロメリット酸エステルが
挙げられる。トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテー
ト、テトラ−(2−エチルヘキシル)ピロメリテートが好
ましい。
【0007】また高分子タイプの可塑剤とは特定の繰り
返し単位が繰り返された化学構造を有する、例えばポリ
エステル等の重合型可塑剤を言う。高分子タイプの可塑
剤を例示すれば、アジピン酸系ポリエステル、セバシン
酸系ポリエステル、フタル酸系ポリエステル、芳香族ポ
リエステルが挙げられる。そのうちアジピン酸系ポリエ
ステル、セバシン酸系ポリエステルが好ましい。
【0008】ポリ塩化ビニル100重量部に対して、モ
ノマータイプの可塑剤は5〜100重量部、好ましくは
20〜50重量部用い、高分子タイプの可塑剤は5〜1
00重量部、好ましくは5〜30重量部用いる。モノマ
ータイプの可塑剤:高分子タイプの可塑剤の割合は、重
量比で1:1〜10:1、好ましくは1:1〜7:1と
する。
【0009】本発明の組成物に用いる滑剤は、炭化水素
系、脂肪酸アミド系、エステル系および脂肪族アルコー
ル系滑剤よりなる群から選択される。従来使用されてい
る脂肪酸系のもの、例えば高級脂肪酸、金属石ケン、例
えばステアリン酸鉛、ステアリン酸マグネシウム等は使
用すべきでない。得られる電線の溶接強度を小さくする
からである。炭化水素系滑剤としては流動パラフィン、
天然パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワッ
クス、フルオロカーボン等を挙げることができる。脂肪
酸アミド系滑剤としてはステアリン酸アミド、エルカ酸
アミド、パルミチン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;メ
チレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリ
ン酸アミド等の(アルキル)ビス脂肪酸アミド等を挙げ
ることができる。エステル系の滑剤としてはパルミチン
酸エチル、ステアリン酸ブチル等の単純エステル系;グ
リセロールトリー(12−ヒドロキシステアレート)、
α−グリセロールモノステアレート、オレイン酸モノグ
リセリド、リシノール酸モノグリセリド等のグリセリ
ド;エステルワックス等を挙げることができる。脂肪族
アルコール系滑剤としてはセチルアルコール、ステアリ
ルアルコール等の1価アルコール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール等の多価アルコール等を挙げ
ることができる。このうち好ましいものとしてはポリエ
チレンワックス、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド
が挙げられる。滑剤はポリ塩化ビニル100重量部に対
して0.5〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部用い
る。
【0010】熱安定剤としては、三塩基性硫酸鉛、三塩
基性亜硫酸鉛等の無機酸塩類、ブチルすずラウレート、
ブチルすずマレート等の有機すず化合物等を挙げること
ができる。このうち好ましい物としては、三塩基性硫酸
鉛が挙げられる。熱安定剤はポリ塩化ビニル100重量
部に対して1〜20重量部、好ましくは5〜15重量部
用いる。
【0011】架橋助剤とは、少なくとも1個のエチレン
性不飽和二重結合を有し、電子線照射時のPVCの開裂
を防止し、さらにPVCの主鎖間に化学結合を生成させ
るための化合物を言う。架橋助剤を例示すれば、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、エチレングリコー
ルトリアクリレート等のアクリレート化合物、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコー
ルジメタクリレート等メタクリレート化合物、イソシア
ヌレート化合物が挙げられる。このうちトリメチロール
プロパントリメタクリレート等の多価アルコールメタク
リレートが好ましい。架橋助剤はポリ塩化ビニル樹脂1
00重量部に対して1〜10重量部、好ましくは3〜8
重量部用いる。
【0012】本発明の組成物においては吸油性の充填剤
を添加する。吸油性の充填剤とは親油性に優れる充填剤
を言う。吸油性の充填剤を用いない場合には、電線の大
きい溶接強度を得ることができない。吸油性の充填剤を
例示すれば重質炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、
シリカ、軽質炭酸カルシウム、クレー、タルク等を挙げ
ることができる。これらのうち重質炭酸カルシウム、水
酸化マグネシウム、シリカ等が好ましい。吸油性の充填
剤は、その種類によっても異なるが、ポリ塩化ビニル化
合物100重量部に対して、通常は5〜100重量部用
いる。好ましくは重質炭酸カルシウムの場合には5〜3
0重量部、水酸化マグネシウムの場合には5〜50重量
部用いる。
【0013】本発明の組成物には以上の成分の外、顔
料、難燃剤、帯電防止剤等の電線被覆用組成物に典型的
に用いられる添加剤を場合により加えてもよい。
【0014】次に、本発明の組成物の調製方法を説明す
る。計量した全材料を、ヘンシェルミキサー等でドライ
ブレンドした後、ニーダー等の密閉式混合機と押出造粒
機や2軸押出機等の連続式混合機を用いて均一に混合、
混練後造粒する。尚、ドライブレンドは省略することも
可能である。
【0015】以上のようにして調製した組成物を用いて
次に導線を被覆する。導線としては軟銅線を単線で、も
しくは複数撚ったものを用い、押出機を用いて樹脂温度
160〜210℃で導線上に被覆材料を押出し成形す
る。
【0016】被覆された電線は次に電子線照射装置を用
いて0〜50℃で電子線を5〜20MRad照射して架橋
させる。
【0017】本発明の電線の接続は、例えば以下のよう
にして行う。2本以上の電線の端部若しくは中間部の被
覆を10〜20mm除去した後、超音波溶接機、抵抗溶
接機を用いて導体同志を溶接する。
【0018】
【実施例】
実施例1〜18、比較例1 表1〜3に示す組成の配合物を加圧ニーダーを用いて温
度170℃、圧力7kgf/cm2で0.5時間混練し、次に
造粒機(FR65、森山製作所製)を用いて造粒した。次
に押出し機(D2−01612、大宮精機製)を用いて樹
脂温度190℃、線速300m/分の条件で素線径0.
18mm、19本から構成される導線(公称0.5mm2)を
被覆した。得られた電線を電子線照射装置11(950
KV−65mA、日新ハイボルテージ製)により室温に
おいて9MRad電子線照射して被覆部分を架橋硬化させ
て電線を得た。比較にため、従来の典型的な被覆材料用
組成物を用いて同一条件で導線の被覆、および電子線照
射を行い電線を得た。
【0019】性能評価 (1)熱老化後の溶接強度 上で得られた電線を80℃で12時間老化させた。次に
その電線を100mmに切断し、片方の端末部の被覆を1
5mmだけ除去した(図1(a))、次にこのようにして得た
2本の電線の、被覆を除去した端末部を合わせ、超音波
溶接機を用いて加圧力:32psi、振幅:33.3μm、エ
ネルギー:133Jで超音波溶接した(図1(b))。次に、
このようにして得た超音波溶接した電線を、引張り試験
機を用いて、クロスヘッド速度100mm/分で引張り試
験を行い溶接強度を測定した。測定は10個の試料につ
いて行った。結果を表1および2に、溶接強度の最大
値、最小値および平均値として示す。 (2)耐寒性 JIS K6723に準拠して低温脆化試験を実施し
た。結果を表1〜3に示す。表中、「良」とは−20℃
以下の耐寒性とは500回以上の耐摩耗性を言い、「不
良」とは−20℃以上の耐寒性を言う。 (3)耐摩耗性 JAOS D608−92に示されるブレード往復法に
よる耐摩耗試験で、荷重:9N、先端のR:0.225
mmの条件で行った。結果を表1〜3に示す。表中、
「良」とは500回以上の耐摩耗性を言い、「不良」とは5
00回未満の耐摩耗性を言う。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】表1〜3から明らかなように、従来の被覆
用組成物を用いた電線は熱老化後溶接できない。一方本
発明の組成物を用いて得た電線では溶接強度の平均値が
25Nで、バラツキも±5と小さく、また耐摩耗性、耐
寒性の低下もない。
【0024】
【発明の効果】本発明の組成物で被覆した電線によれ
ば、穏やかな溶接条件によっても、従来の組成物より得
られた電線に比べて、大きい溶接強度が得られ、耐摩耗
性、耐寒性の低下もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は溶接強度試験に用いた溶接前の電線
を示し、(b)は溶接後の電線を示す。
【図2】 溶接強度測定方法を示す。
【符号の説明】 1 被覆部 2 導線部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/05 KGT C08K 5/05 KGT 5/10 5/10 5/103 KGY 5/103 KGY 5/20 KHF 5/20 KHF 5/3477 KHL 5/3477 KHL 5/57 KJB 5/57 KJB H01B 7/00 301 H01B 7/00 301 7/34 7/34 A //(C08L 27/06 67:00 91:00) (72)発明者 伊藤 靖 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリ塩化ビニル 100重量部、 (b1)モノマータイプの可塑剤 5〜100重量部、 (b2)高分子タイプの可塑剤 5〜100重量部、 (c)炭化水素系、脂肪族アミド系、エステル系および脂肪族アルコール系滑剤 よりなる群から選択される少なくとも1つの滑剤 0.5〜5重量部、 (d)熱安定剤 1〜20重量部、 (e)架橋助剤 1〜10重量部、および (f)吸油性充填剤 5〜100重量部 を含んでなるワイヤーハーネス用電線被覆用ポリ塩化ビ
    ニル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱安定剤が金属石けん、無機酸塩類およ
    び有機すず化合物よりなる群から選択される1以上の化
    合物である請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 架橋助剤がメタクリレート化合物、アク
    リレート化合物およびイソシアヌネート化合物よりなる
    群から選択される1以上の化合物である請求項1または
    2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 導線を、電子線照射により架橋させた請
    求項1〜3のいずれかに記載の組成物で被覆してなるワ
    イヤーハーネス用電線。
JP7095424A 1995-04-20 1995-04-20 電線被覆用ポリ塩化ビニル樹脂組成物 Pending JPH08283506A (ja)

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