JPH08283472A - 加熱成形用樹脂シート状物及び成形体 - Google Patents

加熱成形用樹脂シート状物及び成形体

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JPH08283472A
JPH08283472A JP9507395A JP9507395A JPH08283472A JP H08283472 A JPH08283472 A JP H08283472A JP 9507395 A JP9507395 A JP 9507395A JP 9507395 A JP9507395 A JP 9507395A JP H08283472 A JPH08283472 A JP H08283472A
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JP
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molding
sheet
resin
layer
thermoforming
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JP9507395A
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Inventor
Mitsuyoshi Nakamura
光由 中村
Yukio Okishio
行雄 沖汐
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Kyowa Leather Cloth Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Leather Cloth Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成型後の収縮率が小さく、成形前後の光沢の
変化が少なく、絞残り及びカッティング性が良好な加熱
成形用樹脂シート状物、及び、このシート状物を用いて
加熱成形によって得られる成形体を提供する。 【構成】 加熱成形用樹脂シート状物において、シート
層を構成する重合体成分が、(A)(1)熱可塑性オレ
フィン系エラストマー単独重合体、又は、(2)熱可塑
性オレフィン系エラストマーと、熱可塑性オレフィン系
ゴム及び/又は熱可塑性オレフィン樹脂より選ばれる少
なくとも1種以上との混合物からなる重合体を60重量
%を超え90重量%未満と、(B)アイオノマー樹脂を
10重量%を超え40重量%未満と、を含有することを
特徴とし、またこのシート状物を多層構造の少なくとも
1層として含む積層構造からなる成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱成形用樹脂シート
状物及びこのシート状物を用いて成形された成形体に関
し、詳しくは、特に、真空成形法、プレス成形法、スタ
ンピング成形法等のシート状物を加熱成形する加熱成形
法に利用されるシート層を含むシート状物、及びこのシ
ート層を表皮層及び/又は多層構造の1層として含む上
記加熱成形法により成形された成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車内装材としてのインストルメント
・パネル・パッドやドア・トリム等の表皮層に用いられ
るシート状物としては、従来、塩化ビニル樹脂とABS
樹脂をブレンドした配合物からなるシート状物が汎用さ
れている。しかし、近年、環境問題による脱PVC、軽
量化、リサイクル等のニーズから塩化ビニル樹脂の代替
材料として熱可塑性オレフィン系エラストマーが注目さ
れている。
【0003】一般的にインストルメント・パネル・パッ
ドは、表面に絞(しぼ)付けしたシート状物を所定の温
度、例えば、180℃前後に加熱し、雄型により真空成
形法によって成形して表皮層とし、この表皮層と芯材と
の間に半硬質ウレタンを注入発泡することによって製造
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱可塑
性オレフィン系エラストマーを用いたシート状物では、
(1)成形後の収縮率が大きく、所望の寸法精度を確保
することが困難であり、(2)成形前後の光沢の変化が
大きく、所望の光沢を確保することが困難であり、ま
た、(3)成形時に絞流れが起こりやすく、所望の絞形
状を維持すること、即ち、絞残りを良くすることが困難
であり、さらに、(4)成形トリミングの際、バリ等の
不具合を生ずる、即ち、カッティング性に劣る等の欠点
を有していた。
【0005】これらの欠点についてさらに説明するに、
(1)成形体を製造する場合、表皮層として用いられる
樹脂シート状物の成形収縮率を見込んで真空成形型(雄
型)は発泡型よりも大きく作製しているが、樹脂シート
状物の材質による収縮率の差が大きいと、これを発泡型
にセットするとき、寸法の不一致が発生し、エッジ部分
のシャープさが低下したり、表皮のあまりジワが発生す
る等の不具合を生じる。このため、表皮の成形収縮率は
10/1000(mm/mm)以下とすることが望まれ
ており、熱可塑性オレフィン系エラストマーを用いたシ
ート状物についても種々の試みがなされていたが、他の
特性ともバランスのとれたシート状物は未だ得られてい
なかった。
【0006】また、(2)光沢度についても、一般に重
合体組成物は成形の前後で光沢度が変化するものである
が、成形後の表面の光沢度は2.0程度以下であること
が望まれている。これを達成するために、表皮の表面に
表面処理剤を塗布することによって光沢度を調整する方
法が一般に行われている。しかし、熱可塑性オレフィン
系エラストマーを用いたシート状物については、成形の
前後での光沢度の変化が大きく、表面処理剤によって所
望の光沢度に調整することが困難な場合がしばしばあっ
た。
【0007】(3)絞残りについては、成形体の製造の
際、加熱成形方法による場合には、予め絞付けをしたシ
ート状物を加熱して軟化させてから成形し、その後、冷
却脱型して所望の形状を得るものであるが、成形時にシ
ート状物を加熱すること、所望の形状に展開して引き伸
ばすこと等によって、絞深さが低下したり、絞外観が変
化する等の所謂”絞流れ”が発生するが、この度合いが
少ないシート状物が望まれている。このような”絞流
れ”はシートを構成する重合体組成物の加熱時の特性に
よるものであるが、オレフィン系エラストマーの如き熱
可塑性エラストマーは上記の特性を満足することは困難
であった。
【0008】以上(1)〜(3)は成形体の外観に重大
な影響を与えるものであるが、さらに、(4)カッティ
ング性については、成形トリミングの際に、シート状物
を複数枚重ねて、打ち抜き型等のカッターによってカッ
ティングするものであるが、熱可塑性オレフィン系エラ
ストマーを含む重合体からなる従来のシート状物におい
ては切断面にバリが発生し易いという欠点があり、成形
体の商品価値を損なう虞があった。
【0009】このように、本発明の目的は、従来の前記
課題を解決し、成形後の収縮率が小さく、成形前後の光
沢の変化が少なく、しかも、絞残りを向上させ、カッテ
ィング性を改良しうる加熱成形用シート状物、及び、こ
のシート状物を用いて真空成形法等の加熱成形によって
得られる成形体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、真空成形
を含めた加熱成形法において、熱可塑性オレフィン系エ
ラストマーを用いたシート状物につき、前記(1)〜
(4)の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発
明に到達したものである。
【0011】即ち、本発明の加熱成形用樹脂シート状物
は、シート層を構成する重合体成分が、(A)(1)熱
可塑性オレフィン系エラストマー単独重合体、又は、
(2)熱可塑性オレフィン系エラストマーと、熱可塑性
オレフィン系ゴム及び/又は熱可塑性オレフィン系樹脂
より選ばれる少なくとも1種以上との混合物からなる重
合体を60重量%を超え90重量%未満と、(B)アイ
オノマー樹脂を10重量%を超え40重量%未満と、を
含有することを特徴とする。
【0012】また、本発明の請求項4記載の成形体は、
前記加熱成形用樹脂シート層を表皮層及び/又は多層構
造の1層として含む積層構造からなることを特徴とす
る。本発明の成形体は、前記の重合体成分からなる加熱
成形用樹脂シート状物を用いて、真空成形法等の加熱成
形法によって成形されてなる成形体である。
【0013】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
において、シート層を構成する重合体成分の必須成分で
ある(A)熱可塑性オレフィン系エラストマーとして
は、特公昭53−21021に記載の如きエチレン−
α−オレフィン共重合ゴムの部分架橋物とオレフィン系
樹脂との逐時混練混合物、特公昭53−34210記
載の如きエチレン−α−オレフィンとオレフィン系樹脂
との同時混練部分架橋物、特公昭62−59139号
に記載の如きエチレン−α−オレフィン共重合ゴムとエ
チレン系樹脂との部分架橋物等が挙げられる。
【0014】また、所望により前記熱可塑性オレフィン
系エラストマーと混合して用いられる熱可塑性オレフィ
ン系ゴムとしては、エチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴ
ム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、プロピレン−1−
ブテン共重合体ゴム等が例示される。
【0015】さらに、熱可塑性オレフィン系樹脂として
は、エチレン、プロピレン等の単独重合体、又は、炭
素数4〜10のα−オレフィン、例えば、1−ブテン、
4−メチル−1−ペンテン等の単独重合体或いは共重合
体、エチレン又はプロピレンを主成分とし、これらと
共重合しうる他のモノマー、例えば、酢酸ビニル、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル等、との共重合
体等が例示される。
【0016】シート層を構成する重合体成分としては、
(A)熱可塑性オレフィン系エラストマー単独重合体、
又は、これと前記熱可塑性オレフィン系ゴム及び/又は
熱可塑性オレフィン系樹脂から選択された少なくとも1
種を含む重合体であり、熱可塑性オレフィン系エラスト
マーと併用される熱可塑性オレフィン系ゴム及び/又は
熱可塑性オレフィン系樹脂は単独で用いられても、複数
種を組み合わせて用いてもよい。これらの混合比は、本
発明の効果を損なわない限りにおいて特に制限はない
が、これら重合体(A)の含有量の合計が全重合体成分
に対して60重量%を超え、90重量%未満となるよう
にすることが、効果の観点から必要である。
【0017】また、本発明において、シート層を構成す
る第2の重合体成分である(B)アイオノマー樹脂は、
エチレンとメタクリル酸等の不飽和カルボン酸との共重
合体のカルボン酸の全部又は一部を金属イオン等により
中和した樹脂を指す。前記共重合体としては、エチレン
−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−不飽和カルボ
ン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体等が挙げら
れ、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸等が汎用される。また、不飽和カルボン酸の中和に
用いられるイオンとしては、ナトリウムイオン(N
+ )、リチウムイオン(Li+ )、マグネシウムイオ
ン(Mg2+)、亜鉛イオン(Zn2+)等の金属イオンが
好ましく挙げられ、これらイオンは1種であっても2種
以上の混合物であってもよい。
【0018】不飽和カルボン酸を中和するイオンとし
て、亜鉛イオンを用いて得られる重合体成分の耐光性が
良好であるため、アイオノマー樹脂中のイオンとして亜
鉛イオンを用いた本発明のシート状物は車両用表皮材と
して好適に用いられる。
【0019】一般に、アイオノマー樹脂中の不飽和カル
ボン酸単位の量が多くなると、重合体の接着性が良好と
なり、剛性が上がり、さらに、収縮率が小さくなるとい
う特徴を有している。このため、本発明のアイオノマー
樹脂中の不飽和カルボン酸単位の量は全重合体に対して
通常、0.5〜15モル%程度であることが好ましく、
1〜6モル%程度であることがさらに好ましい。
【0020】また、(B)アイオノマー樹脂は、シート
層を構成する全重合体成分に対して10重量%を超え、
40重量%未満の量で配合されることが好ましく、15
〜30重量%であることがさらに好ましい。アイオノマ
ー樹脂の配合量が10重量%以下では、シートの加工
性、収縮率の改良が不十分であり、カッティング性にも
劣る。一方、アイオノマー樹脂の配合量が40重量%以
上であると、絞残り性が悪化し、成形後の光沢の変化が
増加し、さらに、成形時のドローが大きくなり成形体の
外観が悪化し、本発明の効果を達成しえない。
【0021】本発明のシート状物には、前記の重合体成
分の他、シート状物の特性を改良するために、本発明の
効果を損なわない範囲で、必要に応じて任意の配合成分
を添加することができる。任意成分としては、例えば、
紫外線吸収剤、HALS(ヒンダードアミン系光安定
剤)の如き光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、酸化防止
剤、着色剤等を挙げることができる。
【0022】本発明の加熱成形用樹脂シート状物は、前
記の重合体成分を押出成形、カレンダー成形等によって
シート状に加工して得られるシート層を含んでなるもの
であるが、前記の重合体成分を含む押出成形、カレンダ
ー成形等によって形成されたシート状物に対して表にプ
ライマー処理してから表面処理し、或いは、裏面にプラ
イマー処理してから裏面処理したシート状物も本発明に
包含される。
【0023】次に、本発明の成形体について説明する。
本発明の請求項4記載の成形体は、前記シート層を表皮
層及び/又は多層構造の1層として含む積層構造からな
り、該積層構造を真空成形等の加熱成形法によって成形
されることを特徴とするものであるが、前記シート層が
成形体を構成する積層構造の表皮層に用いられる場合に
は、加熱成形用樹脂シート状物は、加飾された表面を有
することが好ましい。ここで、加飾された表面とは、絞
等の模様の型付け、着色、意匠の印刷等、公知の加飾方
法を施した表面を全て指すものとする。
【0024】本発明のシート層とともに積層構造を構成
する他の層は、加熱成形法によって成形するに適する配
合、構成であれば特に制限はなく、産業上のコストメリ
ットがあるもの、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、及び、これらを分子内に含む熱可塑性オレフィン系
エラストマー等、を選択することができる。また、各層
の厚み比率も加熱成形用シートとして問題のない範囲で
あればいずれでもよいが、好ましくは、本発明のシート
状物で形成される層の厚みが、積層構造体の厚み全体に
対して、厚み比率で50%以上であることが好ましく、
さらに、厚み比率で60%以上であることが好ましい。
【0025】本発明の前記加熱成形用樹脂シート状物が
含まれるシート層は、成形体を構成する積層構造の少な
くとも1層に含まれればよく、表皮層であっても、中間
層であっても、裏面層であってもよく、さらに、積層構
造の2層以上に本発明の加熱成形用樹脂シート状物が用
いられていてもよい。
【0026】一般に、多層のシート層を積層してなる積
層構造の表皮層には、成形後の絞残りが良好で、光沢変
化の少ない配合が選択され、また、裏面層には成形収縮
率を抑えるためのアイオノマー樹脂を含んだ配合が選択
される。このため、いずれの層にも前記本発明の加熱成
形用樹脂シート状物を好適に用いることができるが、こ
れらに制限されるものではない。
【0027】しかしながら、本発明の前記加熱成形用樹
脂シート状物は、光沢度、絞残り性に優れているため、
加熱成形用樹脂成形体の表皮層として用いることによ
り、特に、好ましい外観を有する成形体を得ることがで
きる。
【0028】本発明の成形体は、上記加熱成形用樹脂シ
ート状物を含む積層構造を用いて、真空成形等の加熱成
形法によって成形されるものであり、自動車内装用真空
成形体、例えば、インストルメント・パネル・パッドや
ドア・トリム等の用途に特に有用であるが、その他の自
動車用内装材、例えば、天井、ピラー、コンソールボッ
クス、グラブボックス等の自動車用内装材としても適用
することができる。
【0029】本発明を適用しうる対象は自動車用内装材
に限定されるものではなく、真空成形法、プレス成形
法、又は、スタンピング成形法等の加熱成形法によって
成形される鞄、日用雑貨品等のシート状物及び前記シー
ト層を含む積層構造により構成される成形体に適用する
ことができる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明を具体例を挙げて詳述する
が、本発明はこの実施例に制限されるものではない。 (実施例1〜4)下記表1及び表3に記載した配合にし
たがって重合体組成物を調整し、絞押しロールユニット
付き押出機を用いて、1.0mmの厚さの絞付きシート
層を作製し、シート状物、成形体に加工して実施例1〜
4とした。各々のシート層について、下記の基準に従っ
て、シート加工性、成形加熱時のドロー性を、成形体に
ついて、真空成形後の絞残り、光沢変化、成形後収縮
率、及び、カッティング性について評価し、結果を下記
表2及び表4に示した。 (比較例1〜5)また、本発明の範囲外の重合体組成物
を下記表1及び表3に従って調整し、実施例1と同様に
シート層、シート状物及び成形体を作製し、比較例1〜
5とし、実施例1と同様の評価を行ない、結果を表2及
び表4に示した。
【0031】(シート加工性の評価)押出機を用いてシ
ート層を成形する際に、押出成形時及び後加工時におけ
る熱成形加工性を観察し、成形加工上支障がない場合を
○、実質的にシートが成形加工できない場合を×とし
た。
【0032】(成形加熱時のドロー量)シート状物を加
熱成形する時にシートが垂れ下がる量を観察し、表皮温
度を180℃まで上げた時点で、成形体に影響を与えな
い量を○、成形体に余りシワ等の不具合が発生する量を
×とした。
【0033】(絞残り)表面温度180℃で真空成形し
た成形体の絞深さを、触針式表面粗さ形状測定器(東京
精密(株)製)を使用して測定し、粗さ曲線の最大高さ
をRt(μm)として、Rt≧80を○、80>Rt≧
60を△、Rt<60を×とした。
【0034】(成形後の光沢度)表面温度180℃で真
空成形した成形体について、デジタル変角光沢計(スガ
試験機(株)製)を使用し、各試料の表面の60°光沢
度(G)を測定した。G≦2.0を○、2.0<G≦
4.0を△、G>4.0を×とした。
【0035】(成形後収縮率)真空成形型に等間隔(間
隔=X0 mm)で目印を付け、表面温度180℃で真空
成形した成形体を20℃で24時間静置した後、目印間
の距離X1 を測定し、下記式に従って収縮率を算出し
た。
【0036】 収縮率(1/1000)=〔(X0 − X1 )/ X0 〕×1000 各試料の収縮率(C)を測定し、10/1000≧Cを
○、10/1000<C≦12/1000を△、C>1
2/1000を×とした。
【0037】(カッティング性)厚み1.0mmの成形
されたシートを5枚重ね、打ち抜き型にてカッティング
し、その断面を目視で観察し、バリの出ていない場合を
○、バリが出ている場合を×とした。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】表2及び表4に示す如く、本発明の実施例
1〜3の加熱成形用樹脂シート状物及び該シート状物か
らなる成形体は、シート加工性、成形加熱時のドロー
性、真空成形後の絞残り、光沢変化、成形後収縮率、及
び、カッティング性の全てについて良好であり、特に、
アイオノマー樹脂量が好適な範囲である実施例1及び2
は全ての項目において優れていた。一方、アイオノマー
樹脂を含まないか又は含有量の少ない比較例1及び2
は、シート加工性が悪く、実質的に好ましい外観を有す
るシートが成形できず、収縮率、カッティング性に劣っ
ており、アイオノマー樹脂の含有量が多いか又は熱可塑
性オレフィン系エラストマーを含まない比較例3〜5
は、特に、成形時のドロー性、絞残り、光沢変化に劣っ
ていた。また、さらに、合成ゴムを併用した本発明の実
施例4も同様に全ての項目において優れていたが、アイ
オノマー樹脂に換えてポリエチレンを用いた比較例6
は、特に収縮率、カッティング性に劣り、アイオノマー
樹脂に換えて合成ゴムを用いた比較例7は全ての項目で
劣っており、比較例はいずれも所望の外観を有するシー
ト状物を得られないことがわかった。 (実施例5〜7)下記表5に記載した配合に従って、絞
押しロールユニット付き押出機を用いて、表皮層、裏面
層各0.5mmの厚さの絞付きシート層を作製し、絞押
し機にて表皮層と裏面層とを貼り合わせながら絞押しを
行ない、二層からなる積層構造を有する加熱成形用シー
ト状物を調整し、真空成形法によって成形体を得て、実
施例5〜7とした。これらの裏面層についてシート加工
性を、積層構造を有するシート状物についての加熱時の
ドロー量を、さらに、真空成形後の成形体の絞残り、光
沢度、収縮率、カッティング性について、それぞれ、実
施例1におけるのと同様の方法で評価し、結果を下記表
6に示した。 (比較例8)また、本発明の範囲外の重合体組成物を下
記表5に従って調整し、実施例5〜7と同様にシート
層、シート状物及び成形体を作製し、比較例6として、
実施例5〜7と同様の評価を行ない、結果を表6に示し
た。
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】表6に示す如く、本発明のシート層を多層
構造の1層として含む加熱成形用樹脂シート状物を用い
た実施例5〜7の成形体は、シート加工性、成形加熱時
のドロー性、真空成形後の絞残り、好ましい光沢度を維
持しながら、成形後収縮率及びカッティング性にも優れ
ていたが、本発明のシート層を含まない比較例8は、成
形後収縮率及びカッティング性に劣ることがわかった。 (実施例8及び9)実施例5と同様の層構成で、表7に
示すように表皮層と裏面層との厚み比率を変えた成形体
を実施例5〜7と同様にして作成し、実施例5〜7と同
様の評価を行った。結果を表8に示す。
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】表8に示す如く、本発明のシート層を多層
構造の1層として、好ましい厚み範囲で含む加熱成形用
樹脂シート状物を用いた実施例8及び9の成形体は、シ
ート加工性、成形加熱時のドロー性、真空成形後の絞残
り、好ましい光沢度を維持しながら、成形後収縮率及び
カッティング性が良好であり、全ての項目について優れ
た結果を示した。
【0049】
【発明の効果】このように、本発明によれば、成形後の
収縮率が小さく、成形前後の光沢の変化が少なく、しか
も、絞残りを向上させ、さらに、カッティング性の良好
な加熱成形用樹脂シート状物、及び、このシート状物を
用いて真空成形法等の加熱成形によって得られる成形体
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 23:00 B29L 9:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱成形用樹脂シート状物において、シ
    ート層を構成する重合体成分が、 (A)(1)熱可塑性オレフィン系エラストマー単独重
    合体、又は、(2)熱可塑性オレフィン系エラストマー
    と、熱可塑性オレフィン系ゴム及び熱可塑性オレフィン
    系樹脂より選ばれる少なくとも1種以上との混合物から
    なる重合体を60重量%を超え90重量%未満と、 (B)アイオノマー樹脂を10重量%を超え40重量%
    未満と、 を含有することを特徴とする加熱成形用樹脂シート状
    物。
  2. 【請求項2】 重合体成分が、(B)アイオノマー樹脂
    を15重量%〜30重量%含有することを特徴とする請
    求項1記載の加熱成形用樹脂シート状物。
  3. 【請求項3】 (B)アイオノマー樹脂が、分子内に亜
    鉛イオンによって中和された不飽和カルボン酸を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の加熱成形用樹脂
    シート状物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のシート状物を表皮層及び
    /又は多層構造の少なくとも1層として含む積層構造か
    らなることを特徴とする成形体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のシート状物を、積層構造
    全体に対する厚み比率50%以上の割合で含む積層構造
    からなることを特徴とする請求項4記載の成形体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の加熱成形用樹脂シート状
    物が加飾された表面を有し、且つ、シート層を表皮層と
    して含む積層構造からなることを特徴とする請求項4又
    は5記載の成形体。
JP9507395A 1995-04-20 1995-04-20 加熱成形用樹脂シート状物及び成形体 Pending JPH08283472A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009202374A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Kyowa Leather Cloth Co Ltd 自動車用内装材及びその製造方法
JP2009256686A (ja) * 1997-10-10 2009-11-05 E I Du Pont De Nemours & Co 熱可塑性ポリマーアロイ組成物

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