JPH08283328A - オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法

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JPH08283328A
JPH08283328A JP7222642A JP22264295A JPH08283328A JP H08283328 A JPH08283328 A JP H08283328A JP 7222642 A JP7222642 A JP 7222642A JP 22264295 A JP22264295 A JP 22264295A JP H08283328 A JPH08283328 A JP H08283328A
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JP
Japan
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catalyst
compound
organoaluminum oxy
oxy compound
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JP7222642A
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English (en)
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Masaaki Ougisawa
澤 雅 明 扇
健 ▼吉▲次
Takeshi Yoshiji
Toshiyuki Tsutsui
井 俊 之 筒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合時に微粉重合体の発生が少なく、粒子性
状に優れたオレフィン(共)重合体が得られるオレフィ
ン重合用触媒を提供すること。 【解決手段】 オレフィン重合用触媒を、微粒子状担体
に、(A)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を
含む周期律表第IVB族の遷移金属化合物と、(B)有機
アルミニウムオキシ化合物と、(C)有機アルミニウム
化合物とが担持されてなる固体触媒であって、嵩密度が
0.3g/cm3 以上であり、かつ流動性指数が45以
上のものとする。前記オレフィン重合用触媒の存在下に
オレフィンを重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒子性状に優れた
オレフィン重合体が得られるようなオレフィン重合用触
媒および該触媒を用いるオレフィンの重合方法に関する
ものである。
【0002】
【発明の技術的背景】従来からエチレン重合体、プロピ
レン重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体などの
オレフィン(共)重合体を製造するための触媒として、
遷移金属化合物と有機金属化合物とからなるオレフィン
重合用触媒が知られている。なかでも、高い重合活性で
オレフィン(共)重合体を製造することのできる触媒と
して、ジルコノセンなどの遷移金属化合物と有機アルミ
ニウムオキシ化合物(アルミノキサン)とからなるオレ
フィン重合触媒が知られており、このような触媒を用い
たオレフィン(共)重合体の製造方法が、たとえば特開
昭58−19309号公報、特開昭60−35005号
公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−3
5007号公報、特開昭60−35008号公報等に提
案されている。
【0003】また、遷移金属化合物および有機アルミニ
ウムオキシ化合物の少なくとも一方の成分をシリカ、ア
ルミナ、シリカ・アルミナなどの多孔性無機酸化物担体
に担持させた固体触媒を用いて、懸濁重合系または気相
重合系においてオレフィンを重合する方法が、たとえば
前記特開昭60−35006号公報、特開昭60−35
007号公報および特開昭60−35008号公報に提
案されている。特開昭61−108610号公報および
特開昭61−296008号公報には、メタロセンなど
の遷移金属化合物およびアルミノキサンを無機酸化物な
どの担体に担持した固体触媒の存在下に、オレフィンを
重合する方法が記載されている。
【0004】さらに、ジルコノセン化合物、アルミノキ
サン、有機アルミニウム化合物およびシリカなどの担体
の存在下にオレフィンを予備重合する方法が特開昭63
−280703号公報に記載されている。
【0005】ところで、前記のような遷移金属化合物と
有機アルミニウムオキシ化合物と担体とからなる固体触
媒または予備重合触媒を用いてオレフィン(共)重合体
を製造した場合、粒子径が100μm以下の重合体(微
粉重合体)が多く生成したり、粒子性状の良好な重合体
が得られないなどの問題が発生することがあった。
【0006】また、前記のような遷移金属化合物と有機
アルミニウムオキシ化合物と担体とからなる固体触媒ま
たは予備重合触媒を用いてプロピレン(共)重合体を製
造した場合、粒子性状が必ずしも良好ではなく、生成し
た重合体が重合器の壁面に付着することがあった。さら
に、低分子量成分の割合が多いため、得られた重合体の
機械的特性などが不充分となることがあった。
【0007】本発明者らは、このような従来技術に鑑み
鋭意検討した結果、固体触媒および予備重合触媒の性状
が、得られる重合体の性状等に影響を与えることを見出
すとともに、有機アルミニウムオキシ化合物中のアルキ
ル基とアルミニウム原子とのモル比が、オレフィン重合
活性、得られる重合体の性状等に影響を与えることを見
出した。
【0008】本発明者らは、このような知見に基づきさ
らに検討を重ねた結果、嵩密度および流動性指数が特定
の範囲にある固体触媒および予備重合触媒、ならびにア
ルキル基とアルミニウム原子とのモル比が特定の範囲に
ある有機アルミニウムオキシ化合物と、微粒子状担体
と、遷移金属化合物とを含み、かつ嵩密度および流動性
指数が特定の範囲にある固体触媒および予備重合触媒
は、オレフィン重合時に微粉重合体の発生が少なく、か
つ粒子性状に優れたオレフィン重合体が得られることを
見出した。
【0009】
【発明の目的】本発明は、重合時に微粉重合体の発生が
少なく、粒子性状に優れたオレフィン(共)重合体が得
られるオレフィン重合用触媒を提供することを目的とす
るとともに、このオレフィン重合用触媒を用いたオレフ
ィンの重合方法を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】本発明に係るオレフィン重合用触媒は、
微粒子状担体に、(A)シクロペンタジエニル骨格を有
する配位子を含む周期律表第IVB族の遷移金属化合物
と、(B)有機アルミニウムオキシ化合物と、必要に応
じて(C)有機アルミニウム化合物とが担持されてなる
固体触媒であって、嵩密度が0.3g/cm3 以上、好
ましくは0.4g/cm3 以上であり、かつ流動性指数
が45以上であることを特徴としている。
【0011】また、本発明に係るオレフィン重合用触媒
は、微粒子状担体と、(A)シクロペンタジエニル骨格
を有する配位子を含む周期律表第IVB族の遷移金属化合
物と、(B)有機アルミニウムオキシ化合物と、必要に
応じて(C)有機アルミニウム化合物と、予備重合によ
り生成するオレフィン重合体とからなる予備重合触媒で
あって、嵩密度が0.3g/cm3 以上、好ましくは
0.4g/cm3 以上であり、かつ流動性指数が45以
上であることを特徴としている。
【0012】本発明のオレフィン重合触媒は、重合時に
微粉重合体の生成量が少なく、粒子性状に優れた重合体
が得られる。本発明では、前記(B)有機アルミニウム
オキシ化合物は、アルキル基とアルミニウム原子とのモ
ル比(アルキル基/アルミニウム原子)(以下「R/A
l比」と記載することがある。)が1.3以上かつ1.
7未満の範囲にあることが望ましい。
【0013】また、本発明では、前記(B)有機アルミ
ニウムオキシ化合物は、有機アルミニウムオキシ化合物
と、水および/または無機化合物とを接触させてR/A
l比を1.7〜2.1の範囲に調整したものであること
が望ましい。特に、R/Al比が2.1を超える有機ア
ルミニウムオキシ化合物と水とを接触させることにより
R/Al比を1.7〜2.1の範囲に調整したものであ
ることが望ましく、R/Al比が1.7未満の有機アル
ミニウムオキシ化合物と、実質的に水を含まない無機化
合物とを接触させることによりR/Al比を1.7〜
2.1の範囲に調整したものであることが望ましい。
【0014】R/Al比が1.3以上かつ1.7未満の
範囲にある有機アルミニウムオキシ化合物、またはR/
Al比を1.7〜2.1の範囲に調整した有機アルミニ
ウムオキシ化合物を含み、嵩密度および流動性指数が上
記のような範囲にある固体触媒および予備重合触媒は、
重合時に微粉重合体の生成量が少なく、粒子性状に優れ
た重合体が得られる。
【0015】本発明に係るオレフィンの重合方法は、上
記のようなオレフィン重合用触媒の存在下にオレフィン
を重合または共重合することを特徴としている。本発明
のオレフィンの重合方法は、重合時に微粉重合体の生成
量が少なく、粒子性状に優れた重合体が得られる。ま
た、重合時に重合器壁、攪拌器等へのポリマーの付着が
少ない。
【0016】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るオレフィン重
合用触媒およびオレフィンの重合方法について具体的に
説明する。
【0017】なお、本明細書において「重合」という語
は、単独重合だけでなく、共重合をも包含した意味で用
いられることがあり、「重合体」という語は、単独重合
体だけでなく、共重合体をも包含した意味で用いられる
ことがある。
【0018】本発明に係るオレフィン重合用触媒におけ
る好ましい態様は、微粒子状担体に、(A)シクロペン
タジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IVB族
の遷移金属化合物と、(B)有機アルミニウムオキシ化
合物と、必要に応じて(C)有機アルミニウム化合物と
が担持されてなる固体触媒であって、嵩密度が0.3g
/cm3 以上、好ましくは0.4g/cm3 以上であ
り、かつ流動性指数が45以上であるオレフィン重合用
触媒である。
【0019】また、本発明における他の好ましい態様
は、微粒子状担体と、(A)シクロペンタジエニル骨格
を有する配位子を含む周期律表第IVB族の遷移金属化合
物と、(B)有機アルミニウムオキシ化合物と、必要に
応じて(C)有機アルミニウム化合物と、予備重合によ
り生成するオレフィン重合体とからなる予備重合触媒で
あって、嵩密度が0.3g/cm3 以上、好ましくは
0.4g/cm3 以上であり、かつ流動性指数が45以
上であるオレフィン重合用触媒である。
【0020】まず、このようなオレフィン重合用触媒を
形成する各成分について説明する。本発明のオレフィン
重合用触媒を形成する微粒子状担体は、無機あるいは有
機の化合物であって、粒径が10〜300μm、好まし
くは20〜200μmの顆粒状ないしは微粒子状の固体
である。
【0021】このうち無機化合物としては多孔質酸化物
が好ましく、具体的にはSiO2、Al23、MgO、
ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、
ThO2など、またはこれらの混合物、たとえばSiO2
-MgO、SiO2-Al23、SiO2-TiO2、SiO
2-V25、SiO2-Cr23、SiO2-TiO2-MgO
などを例示することができる。これらの中でSiO2
よびAl23 からなる群から選ばれた少なくとも1種
の成分を主成分とするものが好ましい。
【0022】なお、上記無機酸化物は、少量のNa2
3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4
Al2(SO43、BaSO4、KNO3、Mg(NO3
2、Al(NO33、Na2O、K2O、Li2Oなどの炭
酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していてもよ
い。
【0023】このような微粒子状担体は、その種類およ
び製法により性状は異なるが、本発明に好ましく用いら
れる微粒子状担体は、比表面積が50〜1000m2
g、好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり、
細孔容積が0.3〜2.5cm3/gの範囲にあること
が望ましい。この微粒子状担体は、必要に応じて100
〜1000℃、好ましくは150〜700℃の温度で焼
成して用いられる。
【0024】このような微粒子状担体では、吸着水量が
1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%未満である
ことが望ましく、表面水酸基が1.0重量%以上、好ま
しくは1.5〜4.0重量%、特に好ましくは2.0〜
3.5重量%であることが望ましい。
【0025】ここで、微粒子状担体の吸着水量(重量
%)および表面水酸基量(重量%)は下記のようにして
求められる。 [吸着水量]200℃の温度で、常圧、窒素流通下で4
時間乾燥させたときの重量減を求め、乾燥前の試料重量
に対する百分率として示す。 [表面水酸基量]200℃の温度で、常圧、窒素流通下
で4時間乾燥して得られた担体の重量をX(g)とし、
さらに該担体を1000℃で20時間焼成して得られた
表面水酸基が消失した焼成物の重量をY(g)として、
下記式により計算する。
【0026】 表面水酸基量(重量%)={(X−Y)/X}×100 本発明のオレフィン重合用触媒を形成する(A)シクロ
ペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV
B族の遷移金属化合物は、下記一般式(I)で表される
遷移金属化合物である。
【0027】M1 x … (I) 上記一般式(I)において、M1 は周期律表第IVB族か
ら選ばれる遷移金属原子を示し、具体的には、ジルコニ
ウム原子、チタン原子またはハフニウム原子であり、好
ましくはジルコニウム原子である。
【0028】xは遷移金属原子M1 の原子価であり、遷
移金属原子M1 に配位する配位子Lの個数を示す。Lは
遷移金属原子に配位する配位子を示し、少なくとも1個
のLはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であ
り、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のL
は、炭素原子数が1〜12の炭化水素基、アルコキシ
基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、SO3
1 基(ただしR1 はハロゲンなどの置換基を有していて
もよい炭素原子数が1〜8の炭化水素基)、ハロゲン原
子または水素原子である。
【0029】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、たとえばシクロペンタジエニル基、メチルシ
クロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル
基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチル
シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジ
エニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メチルエチ
ルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエ
ニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、ブチ
ルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタ
ジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基などのア
ルキル置換シクロペンタジエニル基あるいはインデニル
基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル
基などを例示することができる。これらの基は、ハロゲ
ン原子、トリアルキルシリル基などで置換されていても
よい。
【0030】エチレンを多数モノマー成分として含むエ
チレン系重合体を製造する場合には、これらの遷移金属
原子に配位する配位子のうちでは、アルキル置換シクロ
ペンタジエニル基が好ましい。
【0031】上記一般式(I)で表される化合物がシク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以上含む場
合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有
する配位子同士は、アルキレン基、特にエチレン、プロ
ピレンなどの炭素原子数が1〜3のアルキレン基、置換
アルキレン基、特にイソプロピリデン、ジフェニルメチ
レンなどの連結部の炭素原子数が1〜3の置換アルキレ
ン基、シリレン基、またはジメチルシリレン基、ジフェ
ニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基などの置換
シリレン基などの結合基を介して結合されていてもよ
い。
【0032】これらの結合基のうち、特にアルキレン基
および置換アルキレン基が好ましい。特に、プロピレン
系重合体を製造する場合には、このような結合基によっ
て2個以上のシクロペンタジエニル骨格を有する基が架
橋されていることが好ましい。
【0033】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子Lとしては、具体的に下記のようなものが
挙げられる。炭素原子数が1〜12の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基などが挙げられ、より具体的には、アルキル基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基などが例示され、シクロアルキル基と
しては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが例
示され、アリール基としては、フェニル基、トリル基な
どが例示され、アラルキル基としては、ベンジル基、ネ
オフィル基などが例示される。
【0034】またアルコキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、ブトキシ基などが例示され、アリーロキシ
基としては、フェノキシ基などが例示され、トリアルキ
ルシリル基としては、トリメチルシリル基などが例示さ
れ、SO31 で表される配位子としては、p-トルエン
スルホナト基、メタンスルホナト基、トリフルオロメタ
ンスルホナト基などが例示される。
【0035】ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素などが例示される。このようなシクロペンタジエ
ニル骨格を有する配位子を含む遷移金属の化合物は、た
とえば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的に
は下記一般式(I')で示される。
【0036】R2 3 4 5 1 … (I') 式中、M1 は、前記と同様の周期律表第IVB族から選ば
れる遷移金属原子を示し、好ましくはジルコニウム原子
である。
【0037】R2 は、シクロペンタジエニル骨格を有す
る基(配位子)を示し、R3 、R4 およびR5 は、互い
に同一でも異なっていてもよく、シクロペンタジエニル
骨格を有する基(配位子)、アルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリ
ーロキシ基、トリアルキルシリル基、SO31 基、ハ
ロゲン原子または水素原子を示す。
【0038】本発明では上記一般式(I')で示される遷
移金属化合物において、R3 、R4およびR5 のうち少
なくとも1個がシクロペンタジエニル骨格を有する基
(配位子)である化合物、たとえばR2 およびR3 がシ
クロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)である化
合物が好ましく用いられる。このように上記一般式
(I')で表される化合物がシクロペンタジエニル骨格を
有する基(配位子)を2個以上含む場合には、そのうち
2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)
同士は、前記と同様の(置換)アルキレン基、(置換)
シリレン基などを介して結合されていてもよい。また、
2 およびR3 がシクロペンタジエニル骨格を有する基
(配位子)である場合、R4 およびR5 はシクロペンタ
ジエニル骨格を有する基、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリー
ロキシ基、トリアルキルシリル基、SO31 、ハロゲ
ン原子または水素原子である。
【0039】以下に、前記一般式(I)で表され、M1
がジルコニウムである遷移金属化合物について具体的な
化合物を例示する。ビス(インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジブロミ
ド、ビス(インデニル)ジルコニウムビス(p-トルエン
スルホナト)、ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムジブロミド、エチレンビス(インデニル)ジ
メチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジフ
ェニルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)メチ
ルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、エチレン
ビス(インデニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスル
ホナト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビ
ス(トリフルオロメタンスルホナト)、エチレンビス
(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジク
ロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデ
ン(シクロペンタジエニル-メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ジメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリ
レンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオ
ロメタンスルホナト)、ジメチルシリレンビス(4,5,6,
7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブ
ロミド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニ
ウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)エチ
ルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)シクロヘキシルジルコニウムモノクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムモノク
ロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコ
ニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シク
ロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノハイドライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウ
ム、ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニ
ウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコ
ニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメ
トキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムエトキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムビス(p-トルエンス
ルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムエトキシクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスル
ホナト)、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(メチルエチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(プロピルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メ
チルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(メチルブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホ
ナト)、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0040】なお上記例示において、シクロペンタジエ
ニル環の二置換体は、1,2-および1,3-置換体を含み、三
置換体は、1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。またプロ
ピル、ブチルなどのアルキル基は、n-、i-、sec-、tert
-などの異性体を含む。
【0041】また上記のようなジルコニウム化合物にお
いて、ジルコニウム原子を、チタン原子またはハフニウ
ム原子に置換えた化合物を挙げることもできる。次に、
本発明のオレフィン重合用触媒を形成する(B)有機ア
ルミニウムオキシ化合物について説明する。
【0042】有機アルミニウムオキシ化合物(B)は、
従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平
2-78687号公報に例示されているようなベンゼン
不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよ
い。
【0043】本発明で用いられる有機アルミニウムオキ
シ化合物(B)の好ましい態様の1つは、有機アルミニ
ウムオキシ化合物中のアルキル基とアルミニウム原子と
のモル比(R/Al比)が1.3以上かつ1.7未満、
好ましくは1.4以上かつ1.7未満の範囲にある有機
アルミニウムオキシ化合物である。
【0044】ここでR/Al比について説明する。有機
アルミニウムオキシ化合物は、下記式(i)または(i
i)
【0045】
【化1】
【0046】(式中、Rはアルキル基であり、n≧1で
ある。)で表されるアルキルアルミニウムオキシ化合物
を主成分とし、トリアルキルアルミニウムなどの有機ア
ルミニウム化合物を少量含んでいると考えられる。よっ
て、本明細書において有機アルミニウムオキシ化合物中
のアルキル基とは、アルキルアルミニウムオキシ化合物
中のアルキル基(R' )と、有機アルミニウム化合物中
のアルキル基(R'')の合計であり、有機アルミニウム
オキシ化合物中のアルミニウム原子とは、アルキルアル
ミニウムオキシ化合物中のアルミニウム原子(Al' )
と、有機アルミニウム化合物中のアルミニウム原子(A
l'')との合計である。すなわち本明細書におけるR/
Al比は、前記アルキル基(R' +R'')と前記アルミ
ニウム原子(Al' +Al'')との比である。
【0047】次に、R/Al比の求め方を、Rがメチル
基の場合を例に挙げて説明する。充分に窒素置換したフ
ラスコに、アルミニウム原子に換算して2ミリモルの有
機アルミニウムオキシ化合物の溶液を装入する。この
際、溶液の総量が40mlとなるようにトルエンを加え
調整する。系内を10℃に冷却後、0.5Nの硫酸水溶
液10mlを滴下する。この操作により発生するメタン
ガスをガスビュレットで捕集する。完全にメタンガスの
発生が止まったことを確認した後、メタンガスの発生量
(aミリリットル)とガスの温度(t℃)を測定し、下
記式により求める。
【0048】R/Al=(a×273)/{22.4×
(t+273)×2)} なお、有機アルミニウムオキシ化合物中のアルミニウム
原子の量は、プラズマ発光分光分析法(ICP)によ
り、以下のように測定する。 容量50mlの三角フラスコに試料1mlを採取す
る。ピペット内部はトルエンで数回洗浄し、洗浄液は、
三角フラスコに一緒に入れる。 6N−H2SO4 20mlを前記三角フラスコに添
加して、マグネチックスターラーで15分以上攪拌し、
アルミニウムを希硫酸に抽出する。 希硫酸相で1mlを取り、6N−H2SO4 10m
lを添加して、蒸留水で全量を100mlにメスアップ
する。 ICP法によりアルミニウムを定量する。(アルミ
ニウム標準溶液,20ppm) R/Al比が1.3以上、かつ1.7未満の範囲内にあ
る有機アルミニウムオキシ化合物を含むオレフィン重合
用触媒は、重合時に粒子径が100μm以下の重合体
(微粉重合体)の生成量が少なく、粒子性状に優れたオ
レフィン重合体が得られる。また、有機アルミニウムオ
キシ化合物を含むオレフィン重合用触媒に予備重合を行
うと、粒子形成に優れた予備重合触媒を調製することが
できる。
【0049】このようなR/Al比が1.3以上、かつ
1.7未満の範囲内にある有機アルミニウムオキシ化合
物は、市販のアルミノキサンでR/Al比が前記の範囲
にあるものを用いてもよく、また、後述するようなR/
Al比が1.7〜2.1の範囲にある有機アルミニウム
オキシ化合物を調製する方法と同様の方法、すなわち (a)従来公知の有機アルミニウムオキシ化合物、たと
えば市販のアルミノキサンと、水とを接触させてR/A
l比を調節する方法 (b)従来公知の有機アルミニウムオキシ化合物、たと
えば市販のアルミノキサンと、実質的に水を含まない無
機化合物と接触させてR/Al比を調節する方法 (c)従来公知の有機アルミニウムオキシ化合物、たと
えば市販のアルミノキサンの溶液から、溶媒を一旦蒸発
させ、有機アルミニウムオキシ化合物を乾固させ、再び
溶媒に溶解させてR/Al比を調節する方法 または、これらを組み合わせる方法などによって調製す
ることができる。
【0050】このような方法により有機アルミニウムオ
キシ化合物中のR/Al比が1.3以上かつ1.7未満
の範囲にある有機アルミニウムオキシ化合物を調製する
場合には、後述するR/Al比が1.7〜2.1の範囲
にある有機アルミニウムオキシ化合物を調製する場合と
同様の条件を採用することができる。
【0051】本発明で用いられる(B)有機アルミニウ
ムオキシ化合物の他の好ましい態様は、有機アルミニウ
ムオキシ化合物中のアルキル基とアルミニウム原子との
モル比(R/Al比)が1.7〜2.1、好ましくは
1.8〜2.1、より好ましくは1.9〜2.1の範囲
にある有機アルミニウムオキシ化合物である。
【0052】R/Al比が1.7〜2.1の範囲内にあ
る有機アルミニウムオキシ化合物を含むオレフィン重合
用触媒は、重合時に粒子径が100μm以下の重合体
(微粉重合体)の生成量が少なく、粒子性状に優れたオ
レフィン重合体が得られる。また、有機アルミニウムオ
キシ化合物を含むオレフィン重合用触媒に予備重合を行
うと、粒子性状に優れた予備重合触媒を調製することが
できる。
【0053】このようなR/Al比が1.7〜2.1の
範囲内にある有機アルミニウムオキシ化合物は、たとえ
ば下記のような方法により調製することができる。 (a)従来公知の有機アルミニウムオキシ化合物、たと
えば市販のアルミノキサンと、水とを接触させてR/A
l比を調節する方法 (b)従来公知の有機アルミニウムオキシ化合物、たと
えば市販のアルミノキサンと、実質的に水を含まない無
機化合物と接触させてR/Al比を調節する方法 (c)従来公知の有機アルミニウムオキシ化合物、たと
えば市販のアルミノキサンの溶液から、溶媒を一旦蒸発
させ、有機アルミニウムオキシ化合物を乾固させ、再び
溶媒に溶解させてR/Al比を調節する方法 なお、アルミノキサンは、通常溶液として市販されてい
るが、この場合はこの溶液のまま用いることができる。
また、上記アルミノキサンの溶液は、反応に悪影響を及
ぼさない限り、他の成分を含んでいてもよい。
【0054】以下、R/Al比を調節する有機アルミニ
ウムオキシ化合物を、原料有機アルミニウムオキシ化合
物ということがある。前記(a)の方法では、原料有機
アルミニウムオキシ化合物と水とを接触させることによ
り、原料有機アルミニウムオキシ化合物中の有機アルミ
ニウム化合物と水とが反応するためR/Al比を調節す
ることができる。この場合、R/Al比が2.1を超え
る原料有機アルミニウムオキシ化合物と水とを接触させ
R/Al比が1.7〜2.1である原料有機アルミニウ
ムオキシ化合物を調製することができ、またR/Al比
を1.7〜2.1に調整した(原料)有機アルミニウム
オキシ化合物と水とを接触させR/Al比を1.7〜
2.1の範囲内の特定の値に調整してもよい。
【0055】原料有機アルミニウムオキシ化合物と接触
させる水は、液体、蒸気または固体のいずれの状態でも
用いることができる。具体的には、たとえば、シリカ、
アルミナ、水酸化アルミニウムなどの無機化合物または
ポリマーなどに吸着した吸着水、ベンゼン、トルエン、
ヘキサンなどの炭化水素溶媒、テトラヒドロフランなど
のエーテル溶媒、トリエチルアミンなどのアミン溶媒な
どに溶解あるいは分散させた水、塩化マグネシウム、硫
酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸ニッ
ケル、硫酸鉄、塩化第1セリウムなどの塩の結晶水など
を挙げることができる。これらのうち、無機化合物に吸
着した吸着水を用いることが望ましい。
【0056】本発明では、上述した微粒子状担体の吸着
水を原料有機アルミニウムオキシ化合物と接触させる水
として用いることもできる。原料有機アルミニウムオキ
シ化合物と接触させる水として吸着水または結晶水を用
いる場合、原料有機アルミニウムオキシ化合物と水との
接触は、通常有機媒体中で行われる。
【0057】この際用いられる有機媒体としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香
族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンな
どの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロオクタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環
族炭化水素;ガソリン、灯油、軽油などの石油留分など
の炭化水素溶媒;あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族
炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩
素化物、臭素化物などのハロゲン化炭化水素;エチルエ
ーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類などを挙
げることができる。
【0058】これらの有機媒体のうちでは、芳香族炭化
水素が特に好ましい。原料有機アルミニウムオキシ化合
物と水との接触に用いられる水は、原料有機アルミニウ
ムオキシ化合物中のアルミニウム原子1モルに対して
0.01〜0.3モル、好ましくは0.02〜0.2モ
ル、より好ましくは0.03〜0.15モルの割合で用
いられる。反応系内の原料有機アルミニウムオキシ化合
物の濃度は、原料有機アルミニウムオキシ化合物中のア
ルミニウム原子に換算して、通常1×10-3〜5グラム
原子/リットル(溶媒)、好ましくは1×10-2〜3グ
ラム原子/リットル(溶媒)の範囲であることが望まし
く、また反応系内の水の濃度は、通常0.01〜1モル
/リットル(溶媒)、好ましくは0.02〜0.5モル
/リットル(溶媒)の濃度であることが望ましい。
【0059】原料有機アルミニウムオキシ化合物と、水
との接触は、通常−50〜150℃、好ましくは0〜1
20℃、より好ましくは20〜100℃の温度で行なわ
れる。また接触時間は、接触温度によっても大きく変わ
るが、通常0.5〜300時間、好ましくは1〜150
時間程度である。
【0060】原料有機アルミニウムオキシ化合物と、水
とを接触させるには、具体的には下記のようにすればよ
い。 (1)原料有機アルミニウムオキシ化合物と、吸着水を
含有する化合物とを混合して、原料有機アルミニウムオ
キシ化合物と吸着水とを接触させる方法。(なお、吸着
水を含有する化合物は、上記微粒子状担体であってもよ
い) (2)原料有機アルミニウムオキシ化合物と、結晶水を
含有する化合物とを混合して、原料有機アルミニウムオ
キシ化合物と結晶水とを接触させる方法。 (3)原料有機アルミニウムオキシ化合物と、水を含有
(溶解または分散)した炭化水素溶媒とを接触させる方
法。 (4)原料有機アルミニウムオキシ化合物の溶液に、水
蒸気を吹込むなどして、原料有機アルミニウムオキシ化
合物と水蒸気とを接触させる方法。 (5)原料有機アルミニウムオキシ化合物と、水または
氷を直接接触させる方法。
【0061】(b)の方法では、R/Al比が1.7未
満、あるいは2.1を超える原料有機アルミニウムオキ
シ化合物と実質的に水を含まない無機化合物とを接触さ
せ、R/Al比が1.7〜2.1の範囲にある有機アル
ミニウムオキシ化合物を調製する。なお、本発明におい
て実質的に水を含まないとは、無機化合物の吸着水量が
0.1重量%以下であることを意味する。
【0062】実質的に水を含まない無機化合物と原料有
機アルミニウムオキシ化合物とを接触させることによ
り、原料有機アルミニウムオキシ化合物中の特定の成
分、たとえば特定のR/Al比を有するアルキルアルミ
ニウムオキシ化合物が無機化合物に吸着され分離される
ことなどが寄与し、R/Al比が変化するものと考えら
れる。したがって無機化合物としては、実質的に水を含
まないものが使用されるが、このような無機化合物の中
でも表面水酸基を有するものは、当該水酸基の働きによ
ってR/Al比を変えることもできる。この場合原料有
機アルミニウムオキシ化合物と接触させる無機化合物と
しては、具体的には、シリカ、アルミナ、水酸化アルミ
ニウムなどが挙げられる。この無機化合物の表面水酸基
量は、1.0重量%以上、好ましくは1.5〜4.0重
量%、特に好ましくは2.0〜3.5重量%であり、吸
着水量は、0.1重量%以下、好ましくは0.01重量
%以下であることが望ましい。
【0063】また、無機化合物の粒径は10〜300μ
m、好ましくは20〜200μmの範囲にあることが好
ましく、比表面積は50〜1000m2/g、好ましく
は100〜700m2/gの範囲にあることが好まし
い。
【0064】ここで、無機化合物の吸着水量(重量%)
および表面水酸基量(重量%)は、前記微粒子状担体と
同様にして求められる。原料有機アルミニウムオキシ化
合物と、実質的に水を含まない無機化合物との接触は、
通常有機媒体中で行なわれる。この際用いられる有機媒
体としては、上記のような炭化水素、ハロゲン化炭化水
素、エーテル類などを挙げることができる。これらの有
機媒体のうちでは、芳香族炭化水素が特に好ましい。
【0065】原料有機アルミニウムオキシ化合物との接
触に用いられる実質的に水を含まない無機化合物は、原
料有機アルミニウムオキシ化合物中のアルミニウム原子
に対して1〜50モル%、好ましくは5〜45モル%、
より好ましくは10〜40モル%の割合で用いられる。
反応系内の原料有機アルミニウムオキシ化合物の濃度
は、原料有機アルミニウムオキシ化合物中のアルミニウ
ム原子に換算して、通常1×10-3〜5グラム原子/リ
ットル(溶媒)、好ましくは1×10-2〜3グラム原子
/リットル(溶媒)の範囲であることが望ましい。
【0066】原料有機アルミニウムオキシ化合物と実質
的に水を含まない無機化合物との接触は、通常−50〜
150℃、好ましくは0〜120℃、より好ましくは2
0〜100℃の温度で行なわれる。また接触時間は、接
触温度によっても大きく変わるが、通常0.5〜300
時間、好ましくは1〜150時間程度である。
【0067】(c)の方法では、R/Al比が2.1を
超える原料有機アルミニウムオキシ化合物の溶液から、
溶媒を一旦蒸発させ、有機アルミニウムオキシ化合物を
乾固させた後、再び溶媒に溶解させてR/Al比が1.
3〜1.7である有機アルミニウムオキシ化合物を調製
する。溶媒を蒸発させる際の温度は、10〜100℃、
好ましくは20〜50℃であり、圧力は2〜100mm
Hg、好ましくは5〜40mmHgであることが望まし
い。乾固した有機アルミニウムオキシ化合物を溶解させ
る溶媒としては、前記(a)の方法で用いた有機媒体を
挙げることができ、芳香族炭化水素が好ましい。
【0068】さらに、本発明では、(a)の方法と
(b)の方法と(c)の方法を組み合わせてR/Al比
が1.7〜2.1の範囲にある有機アルミニウムオキシ
化合物を調製してもよい。
【0069】具体的には、たとえば、(a)の方法によ
りR/Al比を1.7〜2.1の範囲に調整した(原
料)有機アルミニウムオキシ化合物のR/Al比を、
(b)の方法により1.7〜2.1の範囲内の特定の値
に調整してもよく、また、(b)の方法によりR/Al
比を1.7〜2.1の範囲に調整した(原料)有機アル
ミニウムオキシ化合物のR/Al比を、(a)の方法に
よりR/Al比を1.7〜2.1の範囲内の特定の値に
調整してもよい。
【0070】このようなR/Al比が1.7〜2.1の
範囲にある有機アルミニウムオキシ化合物は、該有機ア
ルミニウムオキシ化合物中の有機アルミニウム化合物の
割合が特定の範囲にあることが好ましい。たとえば有機
アルミニウムオキシ化合物が、トリメチルアルミニウム
を含むメチルアルミノキサンである場合には、 1H−N
MRから求めたトリメチルアルミニウム(TMA)中の
プロトンに由来するピーク面積とメチルアルミノキサン
中のプロトンに由来するピーク面積との和に対するトリ
メチルアルミニウム中のプロトンに由来するピーク面積
の比(TMA(Area))が、0.25〜0.40、好ま
しくは0.27〜0.40、より好ましくは0.30〜
0.40の範囲にあることが好ましい。
【0071】なお、メチルアルミノキサン中のプロトン
に由来するピーク面積およびトリメチルアルミニウム
(TMA)中のプロトンに由来するピーク面積は、下記
のように測定される。すなわち、内径5mmの試料管中
で、0.5〜1.5モル/リットルの有機アルミニウム
オキシ化合物のトルエン溶液0.5mlおよび重水素化
ベンゼン0.1mlを混合してサンプル調整を行い、そ
1H-NMRスペクトルを常温、測定周波数500M
Hz、スペクトル幅7507.5Hz、パルス繰り返し
時間6.2秒、パルス幅45°の条件にて測定した。−
0.6ppmから0.3ppm付近に見られるブロード
なピークはメチルアルミノキサン中のプロトンに由来す
るピークとして、−0.28ppm付近の鋭いピークは
トリメチルアルミニウム(TMA)中のプロトンに由来
するピークとして帰属される(図2参照)。ピーク面積
は、ローレンツ関数を使ったカーブフィッティング(図
3参照)により求める。
【0072】本発明のオレフィン重合用触媒は、前記微
粒子状担体と、前記(A)遷移金属化合物と、前記
(B)有機アルミニウムオキシ化合物とを必須成分とし
て含んでいるが、必要に応じて後述するような(C)有
機アルミニウム化合物を含んでいてもよい。
【0073】必要に応じて用いられる(C)有機アルミ
ニウム化合物としては、たとえば下記一般式(II)で表
される有機アルミニウム化合物を例示することができ
る。 Ra nAlX3-n … (II) (式中、Ra は炭素原子数が1〜12の炭化水素基を示
し、Xはハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜
3である。) 上記一般式(II)において、Ra は炭素原子数が1〜1
2の炭化水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル
基またはアリール基であるが、具体的には、メチル基、
エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル
基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキ
シル基、ヘプチル基、ノニル基、オクチル基などのアル
キル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシ
クロアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール
基である。
【0074】このような有機アルミニウム化合物(C)
として具体的には、以下のような化合物が挙げられる。
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ト
リイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシ
ルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;イソ
プレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウム
クロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイ
ソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウム
ブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;メチ
ルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセ
スキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリ
ド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセス
キハライド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルア
ルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジク
ロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキル
アルミニウムジハライド;ジメチルアルミニウムハイド
ライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジヒドロ
フェニルアルミニウム、ジイソプロピルアルミニウムハ
イドライド、ジ-n-ブチルアルミニウムハイドライド、
ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジイソヘキシ
ルアルミニウムハイドライド、ジフェニルアルミニウム
ハイドライド、ジシクロヘキシルアルミニウムハイドラ
イド、ジ-sec-ヘプチルアルミニウムハイドライド、ジ-
sec-ノニルアルミニウムハイドライドなどのアルキルア
ルミニウムハイドライドなど。
【0075】また有機アルミニウム化合物(C)とし
て、下記一般式(III)で表される化合物を用いること
もできる。 Ra nAlY3-n … (III) (式中、Ra は上記と同様であり、Yは−ORb 基、−
OSiRc 3 基、−OAlRd 2 基、−NRe 2 基、−S
iRf 3 基または−N(Rg )AlRh 2 基であり、nは
1〜2であり、Rb 、Rc 、Rd およびRh はメチル
基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基などであり、Re は水素原子、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、ト
リメチルシリル基などであり、Rf およびRg はメチル
基、エチル基などである。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、以下のような化合物が挙げられる。 (1)Ra nAl(ORb3-n で表される化合物、たと
えばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミ
ニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシ
ドなど、 (2)Ra nAl(OSiRc 33-n で表される化合物、
たとえばEt2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2
l(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiE
3)など; (3)Ra nAl(OAlRd 23-n で表される化合物、
たとえば、Et2AlOAlEt2 、(iso-Bu)2Al
OAl(iso-Bu)2 など; (4)Ra nAl(NRe 23-n で表される化合物、たと
えばMe2AlNEt2、Et2AlNHMe、Me2Al
NHEt、Et2AlN(SiMe32、(iso-Bu)2
AlN(SiMe32 など; (5)Ra nAl(SiRf 33-n で表される化合物、た
とえば(iso-Bu)2AlSiMe3 など; (6)Ra nAl(N(Rg )AlRh 23-n で表される
化合物、たとえばEt2AlN(Me)AlEt2、(is
o-Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2 など。
【0076】上記一般式(II)および(III)で表され
る有機アルミニウム化合物の中では、一般式Ra 3Al、
a nAl(ORb3-n 、Ra nAl(OAlRd 23-n
で表される化合物が好ましく、特にRa がイソアルキル
基であり、n=2である化合物が好ましい。
【0077】なお、本発明のオレフィン重合用触媒は、
上記のような各成分以外にもオレフィンの重合に有用な
他の成分を含むことができる。本発明に係るオレフィン
重合用触媒における好ましい態様の1つは、前記微粒子
状担体に、前記(A)遷移金属化合物と、前記(B)有
機アルミニウムオキシ化合物と、必要に応じて前記
(C)有機アルミニウム化合物が担持されている固体触
媒(成分)である。
【0078】このようなオレフィン重合用触媒(固体触
媒)は、上記微粒子状担体、(A)遷移金属化合物およ
び(B)有機アルミニウムオキシ化合物、必要に応じて
(C)有機アルミニウム化合物を不活性炭化水素溶媒中
で混合接触させることにより調製することができる。図
1に、本発明に係るオレフィン重合触媒の調製工程を示
す。
【0079】この際の混合順序は任意に選ばれ、微粒子
状担体と(B)有機アルミニウムオキシ化合物とを混合
接触させ、次いで(A)遷移金属化合物を混合接触させ
る方法もあるが、特に、(B)有機アルミニウムオキシ
化合物と(A)遷移金属化合物との混合物と、微粒子状
担体とを混合接触させることが望ましい。
【0080】オレフィン重合用触媒の調製に用いられる
不活性炭化水素溶媒として具体的には、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペン
タン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂
環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジ
クロロメタンなどのハロゲン化炭化水素あるいはこれら
の混合物などを挙げることができる。
【0081】上記各成分を混合するに際して、(A)遷
移金属化合物は、微粒子状担体1g当たり、通常5×1
-6〜5×10-4モル、好ましくは10-5〜2×10-4
モルの量で用いられ、(A)遷移金属化合物の濃度は、
約10-4〜2×10-2モル/リットル(溶媒)、好まし
くは2×10-4〜10-2モル/リットル(溶媒)の範囲
である。(B)有機アルミニウムオキシ化合物中のアル
ミニウム原子(Al)と、(A)遷移金属化合物中の遷
移金属原子(M)との原子比(Al/M)は、通常10
〜500、好ましくは20〜200である。必要に応じ
て用いられる(C)有機アルミニウム化合物は、(A)
遷移金属化合物中の遷移金属原子1グラム原子当たり5
00モル以下、好ましくは5〜200モルの割合で用い
られることが望ましい。
【0082】上記各成分を混合する際の混合温度は、通
常−50〜150℃、好ましくは−20〜120℃であ
り、接触時間は1〜1000分間、好ましくは5〜60
0分間である。また、混合接触時には混合温度を変化さ
せてもよい。
【0083】本発明に係るオレフィン重合用触媒(固体
触媒)は、嵩密度が0.3g/cm3 以上、好ましくは
0.4g/cm3 以上の下限を有するとともに、通常た
とえば、0.5g/cm3 以下、好ましくは0.45g
/cm3 以下の上限を有し、さらに、流動性指数は45
以上、好ましくは50〜70の範囲にある。
【0084】固体触媒の流動性指数は、成分(A),
(B)および任意成分(C)を接触させて得た混合物か
ら上澄み液を除去して触媒を分離し、ヘキサンで2回洗
浄した後、固体成分をグラスフィルター(G3)にて濾
別し、減圧下常温にて、2時間乾燥した固体触媒を用い
て測定する。
【0085】本明細書における流動性指数は、Carr, R.
L. (Chem. Eng., 72, (2)163, (3)69(1965)等による流
動性評価法での流動性指数を算出するために指数化され
る圧縮度、安息角、スパチュラ角および凝集度の内、圧
縮度、安息角及びスパチュラ角の三つの特性の各指数を
合計した値である。また、流動性指数の評価に関して
は、化学工学便覧(第253 〜255 頁、化学工学協会編
第5版 丸善(株)(1988))の「実質的力学的、機械
的特性測定方法」に関する記述も参照できる。これら特
性の測定は、(株)センシン企業製の「多機能型粉体物
性測定器」であるマルチテスター(MT−1000)を
用い、窒素雰囲気下で測定することができる。
【0086】以下、指数化されるべき圧縮度、安息角及
びスパチュラ角の各々を、具体的に説明する。圧縮度(Cp 圧縮度は、ゆるみ嵩密度(ρa)と固め嵩密度(ρp)か
ら以下の式を用いて求められる。
【0087】Cp =100×(ρp −ρa )/ρp (ゆるみ嵩密度(ρa)は、一定容器に粉体を静かに充
填し、容器の口から盛り上がった部分を取り除いた後
の、粉体の重量(W1)と容器の体積(V1 )との比で
あらわす。
【0088】ρa =W1 /V1 一方、固め嵩密度(ρp)は、粉体を入れた容器を一定
条件(タッピングストロークは18mm、タッピング回数
は180回)で上下にタッピングして粉体を容器に密充
填し、容器の口から盛り上がる部分と取り除いた後の密
度で表す。
【0089】ρp =W2 /V2 (W2 :粒体の重量、V
2 :容器の体積)安息角(θr マルチステターで注入角法を用いて安息角(θr)を測
定する。
【0090】注入角法では、上部ロートから粉体を落下
で安息角テーブル上に堆積させた粉体の山の角度を安息
角(θr)としている。スパチュラ角(θs スパチュラ(平板状)を粉体で埋めた後、スパチュラを
上方に引き上げ、スパチュラ上に堆積した粉体の山の角
度をスパチュラ角(θs)とする。(ただし、スパチュ
ラ角はスパチュラを単に引き上げたときの角度(θs1
と、スパチュラに衝撃を与えて不安定な粉体を除いたと
きの角度(θs2)との平均値で表す。
【0091】θs=(θs1+θs2)/2 これらの測定は、すべて3回試行し、それらの平均値を
採用する。) 以上説明した圧縮度、安息角及びスパチュラ角は、以下
に示されるCarrの数値表に従って指数化する。
【0092】なお、添付された表1からも明らかなよう
に、本明細書での流動性指数は、最高値が75となる。
【0093】
【表1】
【0094】このような本発明に係るオレフィン重合用
触媒(固体触媒)は、100μm以下の微粉重合体の生
成量が少なく、粒子性状に優れたオレフィン重合体を製
造することができる。また、R/Al比が1.3以上か
つ1.7未満の範囲にある有機アルミニウムオキシ化合
物、またはR/Al比を1.7〜2.1の範囲に調整し
た有機アルミニウムオキシ化合物を含み、嵩密度および
流動性指数が上記のような範囲にあるオレフィン重合用
触媒(固体触媒)は、さらに重合時に微粉重合体の生成
量が少なく、粒子性状に優れた重合体が得られる。
【0095】本発明に係るオレフィン重合用触媒におけ
る他の好ましい態様は、前記微粒子状担体と、前記
(A)遷移金属化合物と、前記(B)有機アルミニウム
オキシ化合物と、必要に応じて前記(C)有機アルミニ
ウム化合物と、予備重合により生成するオレフィン重合
体とから形成されている予備重合触媒である。
【0096】このようなオレフィン重合用触媒は、前記
微粒子状担体、(A)遷移金属化合物および(B)有機
アルミニウムオキシ化合物の存在下、必要に応じて
(C)有機アルミニウム化合物の共存下、不活性炭化水
素溶媒中にオレフィンを導入することにより調製するこ
とができる。なお、微粒子状担体、(A)遷移金属化合
物および(B)有機アルミニウムオキシ化合物から固体
触媒(成分)が形成されていることが好ましい。この場
合、固体触媒(成分)に加えて、さらに(B)有機アル
ミニウムオキシ化合物を添加してもよい。
【0097】予備重合の際に用いられるオレフィンとし
ては、炭素数2〜20のα−オレフィン、たとえばエチ
レン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1
-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ド
デセン、1-テトラデセンなどを例示することができる。
これらの中では、エチレン、またはエチレンと重合の際
に用いられるα−オレフィンとの組み合わせが特に好ま
しい。
【0098】予備重合の際に用いられる不活性炭化水素
溶媒としては、前記固体触媒の調製に用いられる不活性
炭化水素溶媒と同様の炭化水素が用いられる。予備重合
に際しては、(A)遷移金属化合物は、該(A)遷移金
属化合物中の遷移金属原子に換算して、通常10-6〜2
×10-2モル/リットル(溶媒)、好ましくは5×10
-5〜10-2モル/リットル(溶媒)の量で用いられ、
(A)遷移金属化合物は、微粒子状担体1g当たり、通
常5×10-6〜5×10-4モル、好ましくは10-5〜2
×10-4モルの量で用いられ、(B)有機アルミニウム
オキシ化合物中のアルミニウム原子(Al)と、(A)
遷移金属化合物中の遷移金属原子(M)との原子比(A
l/M)は、通常10〜500、好ましくは20〜20
0である。(C)有機アルミニウム化合物のアルミニウ
ム原子(Al-C)と(B)有機アルミニウムオキシ化合
物のアルミニウム原子(Al-B)との比(Al-C/Al
-B)は、通常0.02〜3、好ましくは0.05〜1.
5の範囲である。予備重合温度は−20〜80℃、好ま
しくは0〜50℃であり、また予備重合時間は0.5〜
100時間、好ましくは1〜50時間程度である。
【0099】予備重合によって生成する重合体量は、微
粒子状担体1g当たり約0.1〜500g、好ましくは
0.3〜300g、特に好ましくは1〜100gの範囲
であることが望ましい。また、予備重合触媒には、微粒
子状担体1g当たり約5×10-6〜5×10-4グラム原
子、好ましくは10-5〜2×10-4グラム原子の遷移金
属原子が担持され、(B)有機アルミニウムオキシ化合
物および(C)有機アルミニウム化合物に由来するアル
ミニウム原子が約10-3〜5×10-2グラム原子、好ま
しくは2×10-3〜2×10-2グラム原子の量で担持さ
れていることが望ましい。
【0100】本発明に係るオレフィン重合用触媒(予備
重合触媒)は、嵩密度が0.3g/cm3 以上、好まし
くは0.4g/cm3 以上の下限を有するとともに、通
常たとえば、0.5g/cm3 以下、好ましくは0.4
5g/cm3 以下の上限を有し、さらに、流動性指数は
45以上、好ましくは50〜70の範囲にある。
【0101】なお、予備重合触媒の流動性指数は、上述
した固体触媒の流動性指数と同様にして測定決定され
る。このような本発明に係るオレフィン重合用触媒(予
備重合触媒)は、粒子形状に優れている。このような触
媒を用いてオレフィンを重合すると、100μm以下の
微粉重合体の生成量が少なく、粒子性状に優れたオレフ
ィン重合体を製造することができる。また、R/Al比
が1.3以上かつ1.7未満の範囲にある有機アルミニ
ウムオキシ化合物、またはR/Al比を1.7〜2.1
の範囲に調整した有機アルミニウムオキシ化合物を含
み、嵩密度および流動性指数が上記のような範囲にある
オレフィン重合用触媒(予備重合触媒)は、さらに重合
時に微粉重合体の生成量が少なく、粒子性状に優れた重
合体が得られる。
【0102】なお、本発明に係るオレフィン重合用触媒
は、上記のような各成分以外にもオレフィン重合に有用
な他の成分を含むことができる。次に、本発明に係るオ
レフィンの重合方法について説明する。
【0103】本発明では、上記のオレフィン重合用触媒
の存在下にオレフィンの重合、あるいは2種以上のオレ
フィンの共重合を行う。重合は懸濁重合などの液相重合
法あるいは気相重合法のいずれにおいても実施できる。
【0104】液相重合法では上述した触媒調製の際に用
いた不活性炭化水素溶媒と同じものを用いることがで
き、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
本発明のオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンの重
合を行うに際して、上記のような触媒は、重合系内の
(A)遷移金属化合物中の遷移金属原子の濃度として、
通常10-8〜10-3グラム原子/リットル、好ましくは
10-7〜10-4グラム原子/リットルとなるような量で
用いられることが望ましい。この際、担体に担持されて
いる(B)有機アルミニウムオキシ化合物、(C)有機
アルミニウム化合物に加えて、担持されていない有機ア
ルミニウムオキシ化合物および/または有機アルミニウ
ム化合物を用いてもよい。
【0105】オレフィンの重合温度は、スラリー重合法
を実施する際には、通常−50〜100℃、好ましくは
0〜90℃の範囲であることが望ましく、液相重合法を
実施する際には、通常0〜250℃、好ましくは20〜
200℃の範囲であることが望ましい。また、気相重合
法を実施する際には、重合温度は通常0〜120℃、好
ましくは20〜100℃の範囲であることが望ましい。
重合圧力は、通常、常圧〜100kg/cm2 、好まし
くは常圧〜50kg/cm2 の条件下であり、重合反応
は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法において
も行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2
段以上に分けて行うことも可能である。
【0106】得られるオレフィン重合体の分子量は、重
合系に水素を存在させるか、あるいは重合温度を変化さ
せることによって調節することができる。本発明に係る
オレフィン重合用触媒により重合することができるオレ
フィンとしては、炭素数が2〜20のα−オレフィン、
たとえばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテ
ン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1
-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセ
ン、1-オクタデセン、1-エイコセン;炭素数が5〜20
の環状オレフィン、たとえばシクロペンテン、シクロヘ
プテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テ
トラシクロドデセン、2-メチル1,4,5,8-ジメタノ-1,2,
3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどを挙げるこ
とができる。さらにスチレン、ビニルシクロヘキサン、
ジエンなどを用いることもできる。
【0107】
【発明の効果】本発明のオレフィン重合触媒は、重合時
に微粉重合体の生成量が少なく、粒子性状に優れた重合
体が得られる。
【0108】本発明のオレフィンの重合方法は、重合時
に微粉重合体の生成量が少なく、粒子性状に優れた重合
体が得られる。また、オレフィン重合体が重合器の壁面
に付着することがない。
【0109】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0110】
【実施例1】 [メチルアルミノキサン(MAO)のCH3/Alモル
比の調整]充分に窒素置換したガラス製フラスコにメチ
ルアルミノキサン(CH3/Alモル比;2.23、T
MA(Area);0.42)のトルエン溶液(Al;1.
44モル/リットル)100mlを装入した。
【0111】系内を0℃まで冷却した後、0.26gの
水を含有するシリカ1.8gを30分間で滴下した。そ
の際、系内の温度を0〜2℃に保った。滴下終了後、0
℃で30分間反応を行った。
【0112】引き続き、系内の温度を30分間かけて4
0℃まで昇温し、その温度で6時間反応させた。その
後、系内を室温まで冷却し、上澄み液を回収した。この
ようにして得られたメチルアルミノキサンのトルエン溶
液は、無色透明な均一液であり、該メチルアルミノキサ
ンのCH3/Alモル比は2.00であり、TMA(Are
a)は0.32であった。
【0113】[固体触媒の調製]充分に窒素置換したガ
ラス製フラスコに250℃で10時間乾燥したシリカ
(比表面積;357m2/g、平均粒径;47μm)
6.9gおよびトルエン100mlを装入した後、0℃
まで冷却した。その後、上記で調製したメチルアルミノ
キサンのトルエン溶液(Al;0.830モル/リット
ル)64mlを30分間で滴下した。この際、系内の温
度を0〜3℃に保った。引き続き、0℃で20分間反応
させ、次いで、1時間かけて95℃まで昇温し、その温
度で4時間反応させた。その後、60℃まで降温し、上
澄み液をデカンテーション法により除去した。
【0114】このようにして得られた固体成分をトルエ
ンで2回洗浄した後、全容量が125mlとなるように
トルエンを加え再懸濁した。この懸濁液の内、50ml
を別のガラス製フラスコへ移し、そこへビス(1,3-n-ブ
チルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リドのトルエン溶液(Zr;23.8ミリモル/リット
ル)6.4mlを室温で添加し(反応系でAl/Zr=
130モル比となるように添加)、更に80℃で2時間
反応させた。その後、上澄み液を除去し、残留物をヘキ
サンで2回洗浄することにより、1g当たり3.5mg
のジルコニウムと138mgのアルミニウムを含有する
固体触媒(a-1)を得た。
【0115】[予備重合触媒の調製]7.7ミリモルの
トリイソブチルアルミニウムを含有する130mlのヘ
キサンに、上記で得られた固体触媒(a-1)3.9gお
よび1-ヘキセン0.53mlを加え、35℃で2時間エ
チレンの予備重合を行った。上澄み液を除去し、残留物
をヘキサンで2回洗浄した後、固体成分をグラスフィル
ター(G3)にて濾別した後、真空ポンプにて室温で2
時間乾燥することにより、固体触媒(a-1)1g当たり
ジルコニウム3.3mgおよびポリマー3gを含有する
予備重合触媒(b-1)を得た。
【0116】この際、反応器や攪拌羽への予備重合触媒
(b-1)の付着は認められず、得られた予備重合触媒
(b-1)は良好な形状をしていた。この予備重合触媒
(b-1)の嵩密度は0.40g/cm3 であり、流動性
指数は55であった。予備重合触媒(b-1)の粒子構造
を表した図(電子顕微鏡写真)を図4に示す。
【0117】[重合]充分に窒素置換した内容積2リッ
トルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リット
ル装入し、系内をエチレンで置換した。その後、1-ヘキ
セン40mlを装入し、系内を70℃に昇温した。引き
続き、トリイソブチルアルミニウム0.75ミリモルお
よび上記で調製した予備重合触媒(b-1)をジルコニウ
ムとして、0.005ミリモルをエチレンで圧入するこ
とにより重合を開始した。
【0118】その後、連続的にエチレンを供給しなが
ら、8kg/cm2-G 、80℃で1.5時間重合を行っ
た。濾過によりポリマーを回収し、減圧下、80℃で一
晩乾燥することにより、190℃、2.16kg荷重下
で測定したメルトフローレート(MFR)が0.15g
/10分であり、密度が0.924g/cm3 であり、嵩
密度が0.45g/cm3 であり、平均粒径が600μ
mであるエチレン・1-ヘキセン共重合体346gを得
た。
【0119】この際、重合器壁や攪拌羽へのポリマーの
付着は認められなかった。
【0120】
【比較例1】 [固体触媒の調製]実施例1において、CH3/Alモ
ル比が2.00のメチルアルミノキサンに代えて、CH
3/Alモル比が2.23、TMA(Area)が0.42
のメチルアルミノキサンを使用した以外は、実施例1と
同様にして固体触媒(a-2)を調製した。この固体触媒
(a-2)1gには、アルミニウムが115mgおよびジ
ルコニウムが3.0mg含有されていた。
【0121】[予備重合触媒の調製]6.4ミリモルの
トリイソブチルアルミニウムを含有する130mlのヘ
キサンに、上記で得られた固体触媒(a-2)3.9gお
よび1-ヘキセン0.53mlを加え、35℃で2時間エ
チレンの予備重合を行った。上澄み液を除去し、残留物
をヘキサンで2回洗浄した後、固体成分をグラスフィル
ター(G3)にて濾別した後、真空ポンプにて室温で2
時間乾燥することにより、固体触媒(a-2)1g当たり
ジルコニウム2.7mgおよびポリマー3gを含有する
予備重合触媒(b-2)を得た。
【0122】この際、反応器および攪拌羽に予備重合触
媒(b-2)の付着が認められ、得られた予備重合触媒
(b-2)の表面には綿状のポリマーの付着が認められ
た。この予備重合触媒の嵩密度は0.33g/cm3
あり、流動性指数は41であった。予備重合触媒(b-
2)の粒子構造を表した図(電子顕微鏡写真)を図5に
示す。
【0123】[重合]実施例1の重合において、予備重
合触媒(b-1)に代えて、予備重合触媒(b-2)をジル
コニウムとして0.005ミリモル用いた以外は実施例
1と同様にエチレンと1-ヘキセンとを重合して、MFR
が0.17g/10分であり、密度が0.925g/cm
3 であり、嵩密度が0.44g/cm3 であり、平均粒
径が540μmであるエチレン・1-ヘキセン共重合体3
04gを得た。
【0124】なお、重合器壁や攪拌羽にポリマーの付着
が認められた。
【0125】
【比較例2】 [メチルアルミノキサンのCH3/Alモル比の調整]
充分に窒素置換したガラス製フラスコにメチルアルミノ
キサン(CH3/Alモル比;2.23、TMA(Are
a);0.42)のトルエン溶液(Al;1.44モル
/リットル)100mlを装入した。
【0126】系内を0℃まで冷却した後、0.65gの
水を含有するシリカ3.0gを45分間で滴下した。そ
の際、系内の温度を0〜2℃に保った。滴下終了後、0
℃で30分間反応を行った。
【0127】引き続き、系内の温度を30分間かけて4
0℃まで昇温し、その温度で6時間反応させた。その
後、系内を室温まで冷却し、上澄み液を回収した。この
ようにして得られたメチルアルミノキサンのトルエン溶
液は、無色透明な均一液であり、該メチルアルミノキサ
ンのCH3/Alモル比は1.69であり、TMA(Are
a)は0.24であった。
【0128】[固体触媒の調製]実施例1で調製したC
3/Alモル比が2.00のメチルアルミノキサンに
代えて、上記で得たCH3/Alモル比が1.69のメ
チルアルミノキサンを使用した以外は、実施例1と同様
にして固体触媒(a-3)を調製した。この固体触媒(a
-3)1gには、アルミニウムが143mgおよびジルコ
ニウムが3.6mg含有されていた。
【0129】[予備重合触媒の調製]7.6ミリモルの
トリイソブチルアルミニウムを含有する130mlのヘ
キサンに、上記で得られた固体触媒(a-3)3.8gお
よび1-ヘキセン0.50mlを加え、35℃で1.7時
間エチレンの予備重合を行った。上澄み液を除去し、残
留物をヘキサンで2回洗浄した後、固体成分をグラスフ
ィルター(G3)にて濾別した後、真空ポンプにて室温
で2時間乾燥することにより、固体触媒(a-3)1g当
たりジルコニウム3.5mgおよびポリマー3gを含有
する予備重合触媒(b-3)を得た。
【0130】この際、反応器や攪拌羽への予備重合触媒
(b-3)の付着は認められなかったが、得られた予備重
合触媒(b-3)の形状は悪かった。この予備重合触媒
(b-3)の嵩密度は0.31g/cm3 であり、流動性
指数は44であった。
【0131】[重合]実施例1の重合において、予備重
合触媒(b-1)に代えて、予備重合触媒(b-3)をジル
コニウムとして0.005ミリモル用いた以外は実施例
1と同様にエチレンと1-ヘキセンとを重合して、MFR
が0.14g/10分であり、密度が0.924g/cm
3 であり、嵩密度が0.40g/cm3 であり、平均粒
径が470μmであるエチレン・1-ヘキセン共重合体2
72gを得た。
【0132】なお、重合器壁や攪拌器にポリマーの付着
は認めらなかったが、ポリマーの微粉化が認められた
(実施例1においては、100μm以下の微粉ポリマー
量が0.01重量%以下であったが、本比較例において
は、0.23重量%であった)。
【0133】
【実施例2】 [メチルアルミノキサンのCH3/Alモル比の調整]
充分に窒素置換したガラス製フラスコにメチルアルミノ
キサン(CH3/Alモル比;2.13、TMA(Are
a);0.42)のトルエン溶液(Al;1.56モル
/リットル)100mlを装入した。
【0134】系内を0℃まで冷却した後、0.15gの
水を含有するシリカ1.7gを30分間で滴下した。そ
の際、系内の温度を0〜2℃に保った。滴下終了後、0
℃で30分間反応を行った。
【0135】引き続き、系内の温度を30分間かけて4
0℃まで昇温し、その温度で6時間反応させた。その
後、系内を室温まで冷却し、上澄み液を回収した。この
ようにして得られたメチルアルミノキサンのトルエン溶
液は、無色透明な均一液であり、該メチルアルミノキサ
ンのCH3/Alモル比は2.03であり、TMA(Are
a)が0.37であった。
【0136】[固体触媒の調製]実施例1で調製したC
3/Alモル比が2.00のメチルアルミノキサンに
代えて、上記で得たCH3/Alモル比が2.03のメ
チルアルミノキサンを使用した以外は、実施例1と同様
にして固体触媒(a-4)を調製した。この固体触媒(a
-4)1gには、アルミニウムが140mgおよびジルコ
ニウムが3.5mg含有されていた。
【0137】[予備重合触媒の調製]7.6ミリモルの
トリイソブチルアルミニウムを含有する130mlのヘ
キサンに、上記で得られた固体触媒(a-4)3.9gお
よび1-ヘキセン0.53mlを加え、35℃で1.7時
間エチレンの予備重合を行った。上澄み液を除去し、残
留物をヘキサンで2回洗浄した後、固体成分をグラスフ
ィルター(G3)にて濾別した後、真空ポンプにて室温
で2時間乾燥することにより、固体触媒(a-4)1g当
たりジルコニウム3.4mgおよびポリマー3gを含有
する予備重合触媒(b-4)を得た。
【0138】この際、反応器や攪拌羽への予備重合触媒
(b-4)の付着は認められず、得られた予備重合触媒
(b-4)は良好な形状をしていた。この予備重合触媒
(b-4)の嵩密度は0.39g/cm3 であり、流動性
指数は53であった。
【0139】[重合]実施例1の重合において、予備重
合触媒(b-1)に代えて、予備重合触媒(b-4)をジル
コニウムとして0.005ミリモル用いた以外は実施例
1と同様にエチレンと1-ヘキセンとを重合して、MFR
が0.13g/10分であり、密度が0.925g/cm
3 であり、嵩密度が0.44g/cm3 であり、平均粒
径が640μmであるエチレン・1-ヘキセン共重合体3
62gを得た。
【0140】なお、重合器壁や攪拌器へのポリマーの付
着は認められなかった。
【0141】
【実施例3】 [メチルアルミノキサンのCH3/Alモル比の調整]
充分に窒素置換したガラス製フラスコにメチルアルミノ
キサン(CH3/Alモル比;2.11、TMA(Are
a);0.41)のトルエン溶液(Al;1.77モル
/リットル)100mlを装入した。
【0142】系内を0℃まで冷却した後、0.16gの
水を含有するシリカ1.7gを30分間で滴下した。そ
の際、系内の温度を0〜2℃に保った。滴下終了後、0
℃で30分間反応を行った。
【0143】引き続き、系内の温度を30分間かけて4
0℃まで昇温し、その温度で6時間反応させた。その
後、系内を室温まで冷却し、上澄み液を回収した。この
ようにして得られたメチルアルミノキサンのトルエン溶
液は、無色透明な均一液であり、該メチルアルミノキサ
ンのCH3/Alモル比は1.97であり、TMA(Are
a)は0.35であった。
【0144】[固体触媒の調製]実施例1で調製したC
3/Alモル比が2.00のメチルアルミノキサンに
代えて、上記でえたCH3/Alモル比が1.97のメ
チルアルミノキサンを使用した以外は、実施例1と同様
にして固体触媒(a-5)を調製した。この固体触媒(a
-5)1gには、アルミニウムが137mgおよびジルコ
ニウムが3.6mg含有されていた。
【0145】[予備重合触媒の調製]7.6ミリモルの
トリイソブチルアルミニウムを含有する130mlのヘ
キサンに、上記で得られた固体触媒(a-5)3.9gお
よび1-ヘキセン0.53mlを加え、35℃で1.8時
間エチレンの予備重合を行った。上澄み液を除去し、残
留物をヘキサンで2回洗浄した後、固体成分をグラスフ
ィルター(G3)にて濾別した後、真空ポンプにて室温
で2時間乾燥することにより、固体触媒(a-5)1g当
たりジルコニウム3.5mgおよびポリマー3gを含有
する予備重合触媒(b-5)を得た。
【0146】この際、反応器や攪拌羽への予備重合触媒
(b-5)の付着は認められず、得られた予備重合触媒
(b-5)は良好な形状をしていた。この予備重合触媒
(b-5)の嵩密度は0.39g/cm3 であり、流動性
指数は53であった。
【0147】[重合]実施例1の重合において、予備重
合触媒(b-1)に代えて、予備重合触媒(b-5)をジル
コニウムとして0.005ミリモル用いた以外は実施例
1と同様にエチレンと1-ヘキセンとを重合して、MFR
が0.16g/10分であり、密度が0.924g/cm
3 であり、嵩密度が0.44g/cm3 であり、平均粒
径が610μmであるエチレン・1-ヘキセン共重合体3
46gを得た。
【0148】なお、重合器壁や攪拌器へのポリマーの付
着は認められなかった。
【0149】
【実施例4】 [メチルアルミノキサンのCH3/Alモル比の調整]
充分に窒素置換したガラス製フラスコにメチルアルミノ
キサン(CH3/Alモル比;1.68、TMA(Are
a);0.24)のトルエン溶液(Al;1.56モル
/リットル)100mlを装入した。
【0150】系内を0℃まで冷却した後、吸着水量が
0.005重量%であり表面水酸基量が3.0重量%で
あるシリカ2.4gを30分間で滴下した。その際、系
内の温度を0〜2℃に保った。滴下終了後、0℃で30
分間反応を行った。
【0151】引き続き、系内の温度を30分間かけて4
0℃まで昇温し、その温度で6時間反応させた。その
後、系内を室温まで冷却し、上澄み液を回収した。この
ようにして得られたメチルアルミノキサンのトルエン溶
液は、無色透明な均一液であり、該メチルアルミノキサ
ンのCH3/Alモル比は1.72であり、TMA(Are
a)が0.32であった。
【0152】[固体触媒の調製]実施例1で調製したC
3/Alモル比が2.00のメチルアルミノキサンに
代えて、上記で得たCH3/Alモル比が1.72のメ
チルアルミノキサンを使用した以外は、実施例1と同様
にして固体触媒(a-6)を調製した。この固体触媒(a
-6)1gには、アルミニウムが138mgおよびジルコ
ニウムが3.4mg含有されていた。
【0153】[予備重合触媒の調製]7.5ミリモルの
トリイソブチルアルミニウムを含有する130mlのヘ
キサンに、上記で得られた固体触媒(a-6)3.9gお
よび1-ヘキセン0.53mlを加え、35℃で1.7時
間エチレンの予備重合を行った。上澄み液を除去し、残
留物をヘキサンで2回洗浄した後、固体成分をグラスフ
ィルター(G3)にて濾別した後、真空ポンプにて室温
で2時間乾燥することにより、固体触媒(a-6)1g当
たりジルコニウム3.3mgおよびポリマー3gを含有
する予備重合触媒(b-6)を得た。
【0154】この際、反応器や攪拌羽への予備重合触媒
(b-6)の付着は認められず、得られた予備重合触媒
(b-6)は良好な形状をしていた。この予備重合触媒
(b-6)の嵩密度は0.39g/cm3 であり、流動性
指数は53であった。
【0155】[重合]実施例1の重合において、予備重
合触媒(b-1)に代えて、予備重合触媒(b-6)をジル
コニウムとして0.005ミリモル用いた以外は実施例
1と同様にエチレンと1-ヘキセンとを重合して、MFR
が0.15g/10分であり、密度が0.925g/cm
3 であり、嵩密度が0.44g/cm3 であり、平均粒
径が620μmであるエチレン・1-ヘキセン共重合体3
57gを得た。
【0156】なお、重合器壁や攪拌器へのポリマーの付
着は認められなかった。
【0157】
【実施例5】 [予備重合触媒の調製]実施例1においてビス(1,3-n-
ブチルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリドに代えて、ビス(1,3-n-プロピルメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを用いた以外
は、実施例1と同様の条件で予備重合触媒の調製を行っ
た。
【0158】その結果、固体触媒(a-7)1g当たりジ
ルコニウム3.2mgおよびポリマー3gを含有する予
備重合触媒(b-7)を得た。この予備重合触媒(b-7)
の嵩密度は0.39g/cm3 であり、流動性指数は5
1であった。
【0159】[重合]実施例1において予備重合触媒
(b-1)に代えて、予備重合触媒(b-7)を用いた以外
は実施例1と同様にしてエチレンと1-ヘキセンとを重合
した。
【0160】その結果、MFRが0.17g/10分であ
り、密度が0.926g/cm3 であり、嵩密度が0.
43g/cm3 であり、平均粒径が650μmであるエ
チレン・1-ヘキセン共重合体363gを得た。
【0161】
【実施例6】 [予備重合触媒の調製]実施例1においてビス(1,3-n-
ブチルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリドに代えて、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリドを用いた以外は、実施例
1と同様の条件で予備重合触媒の調製を行った。
【0162】その結果、固体触媒(a-8)1g当たりジ
ルコニウム3.1mgおよびポリマー3gを含有する予
備重合触媒(b-8)を得た。この予備重合触媒(b-8)
の嵩密度は0.37g/cm3 であり、流動性指数は4
7であった。
【0163】[重合]実施例1において予備重合触媒
(b-1)に代えて、予備重合触媒(b-8)を用いた以外
は実施例1と同様にしてエチレンと1-ヘキセンとを重合
した。
【0164】その結果、MFRが0.01g/10分以下
であり、密度が0.923g/cm3 であり、嵩密度が
0.40g/cm3 であり、平均粒径が650μmであ
るエチレン・1-ヘキセン共重合体313gを得た。
【0165】以上の結果を表2にまとめた。
【0166】
【表2】
【0167】
【実施例7】 [メチルアルミノキサンのCH3/Alモル比の調整]
充分に窒素置換したステンレス製反応器にメチルアルミ
ノキサン(CH3/Alモル比;2.23、TMA(Are
a);0.42)のトルエン溶液(Al;1.44モル
/リットル)47.8kg(Alとして77.5モル)
を装入した。
【0168】系内を0℃まで冷却した後、140gの水
を含有するシリカ775gを65分間で滴下した。その
際、系内の温度を0〜5℃に保った。滴下終了後、0℃
で30分間反応を行った。
【0169】引き続き、系内の温度を1時間かけて40
℃まで昇温し、その温度で6時間反応させた。その後、
系内を室温まで冷却し、上澄み液を回収した。このよう
にして得られたメチルアルミノキサンのトルエン溶液
は、無色透明な均一液であり、該メチルアルミノキサン
のCH3/Alモル比は2.00であり、TMA(Are
a)は0.32であった。
【0170】[固体触媒の調製]250℃で10時間乾
燥したシリカ(比表面積;307m2/g、平均粒径;
45μm)4.4kgを80リットルのトルエンで懸濁
状にした後、0℃まで冷却した。その後、上記で調製し
たCH3/Alモル比が2.00のメチルアルミノキサ
ンのトルエン溶液(Al;1.36モル/リットル)2
4.7リットルを1時間で滴下した。この際、系内の温
度を0〜5℃に保った。引き続き、0℃で30分間反応
させ、次いで、1.5時間かけて95℃まで昇温し、そ
の温度で4時間反応させた。その後、60℃まで降温
し、上澄み液をデカンテーション法により除去した。
【0171】このようにして得られた固体成分をトルエ
ンで2回洗浄した後、トルエン80リットルで再懸濁し
た。この系へビス(1,3-n-ブチルメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Z
r;29.9ミリモル/リットル)8.6リットルを8
0℃で30分間かけて滴下し、更に80℃で2時間反応
させた。その後、上澄み液を除去し、残留物をヘキサン
で2回洗浄することにより、1g当たり3.6mgのジ
ルコニウムを含有する固体触媒(a -9)を得た。
【0172】[予備重合触媒の調製]2.9モルのトリ
イソブチルアルミニウムを含有する80リットルのヘキ
サンに、上記で得られた固体触媒(a -9)1.47kg
および1-ヘキセン132gを加え、35℃で4時間エチ
レンの予備重合を行うことにより、固体触媒(a -9)1
g当たり3gのポリマーが予備重合された予備重合触媒
(b-7)を得た。
【0173】この予備重合触媒(b-7)の嵩密度は0.
39g/cm3 であり、流動性指数は50であった。 [重合]連続式流動床気相重合装置を用い、全圧20k
g/cm2-G 、重合温度80℃でエチレンと1-ヘキセン
との共重合を行った。上記で調製した予備重合触媒(b
-7)をジルコニウム原子換算で0.11ミリモル/h、
トリイソブチルアルミニウムを5ミリモル/hの割合で
連続的に供給し、重合の間、一定のガス組成を維持する
ためにエチレン、1-ヘキセン、水素、窒素を連続的に供
給した(ガス組成;1-ヘキセン/エチレン=0.024
(モル/モル)、水素/エチレン=2.5×10-4(モ
ル/モル)、エチレン濃度=47%)。このようにして
得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体の収量は、8.
3kg/hrであり、MFRが1.10g/10分であ
り、密度が0.918g/cm3 であった。
【0174】さらに、表3に示すように、重合条件を変
更し、MFRおよび密度が異なるエチレン・1-ヘキセン
共重合体を合成した。この間、重合は非常に安定してお
り、1週間の連続運転後、重合装置内を点検したとこ
ろ、器壁へのポリマー付着は認められなかった。
【0175】
【表3】
【0176】
【実施例8】 [触媒の調製]充分に窒素置換したガラス製フラスコに
トルエン107ml、メチルアルミノキサン(CH3
Alモル比;1.69)のトルエン溶液(Al;1.3
3モル/リットル)32mlおよびビス(1,3-n-ブチル
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
のトルエン溶液(Zr;22ミリモル/リットル)15
mlを装入した後、40℃まで昇温し、その温度で1時
間反応させた。
【0177】その後、250℃で10時間乾燥したシリ
カ(比表面積;321m2/g、平均粒径;54μm)
6.4gを添加し、さらに60℃まで昇温して2時間反
応させた。その後、上澄み液を除去し、残留物をヘキサ
ンで2回洗浄することにより、1g当たり3.2mgの
ジルコニウムを含有する固体触媒(a -10)を得た。
【0178】次に、1.1ミリモルのトリイソブチルア
ルミニウムを含有する130mlのヘキサンに、上記で
得られた固体触媒(a -10)3.0gおよび1-ヘキセン
0.8mlを加え、35℃で2時間エチレンの予備重合
を行うことにより、固体触媒(a -10)1g当たりジル
コニウム2.8mgおよびポリマー3gを含有する予備
重合触媒(b-10)を得た。
【0179】この際、反応器や攪拌羽への予備重合触媒
(b-10)の付着は認められず、得られた予備重合触媒
(b-10)は良好な形状をしていた。この予備重合触媒
(b-10)の嵩密度は0.37g/cm3 であり、流動
性指数は46であった。
【0180】[重合]充分に窒素置換した内容積2リッ
トルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リット
ル装入し、系内をエチレンで置換した。その後、1-ヘキ
セン40mlを装入し、系内を70℃に昇温した。引き
続き、トリイソブチルアルミニウム0.75ミリモルお
よび上記で調製した予備重合触媒(b-10)をジルコニ
ウムとして0.005ミリモルをエチレンで圧入するこ
とにより重合を開始した。その後、連続的にエチレンを
供給しながら、8kg/cm2-G 、80℃で1.5時間
重合を行った。
【0181】濾過によりポリマーを回収し、減圧下、8
0℃で一晩乾燥することにより、エチレン・1-ヘキセン
共重合体387gを得た。この際、重合器壁や攪拌羽へ
のポリマーの付着は認められなかった。
【0182】得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体
は、190℃、2.16kg荷重下で測定したMFRが
0.16g/10分であり、密度が0.925g/cm3
であり、嵩密度が0.35g/cm3 であり、平均粒径
が740μmであった。
【0183】
【実施例9】 [触媒の調製]実施例8の「触媒の調製」において、C
3/Alモル比が1.69であるメチルアルミノキサン
に代えて、CH3/Alモル比が1.63であるメチルア
ルミノキサンを用いた以外は実施例8と同様にして予備
重合触媒(b-11)を調製した。
【0184】この際、反応器や攪拌羽への予備重合触媒
(b-11)の付着は認められず、得られた予備重合触媒
(b-11)は良好な形状をしていた。この予備重合触媒
(b-11)の嵩密度は0.36g/cm3 であり、流動
性指数は45であった。
【0185】[重合]実施例8の「重合」において、予
備重合触媒(b-10)に代えて予備重合触媒(b-11)を
用いた以外は実施例8と同様にしてエチレン・1-ヘキセ
ン共重合体を重合した。この際、重合器壁や攪拌羽への
ポリマーの付着は認められなかった。
【0186】
【実施例10】 [触媒の調製]実施例8の「触媒の調製」において、C
3/Alモル比が1.69であるメチルアルミノキサン
に代えて、CH3/Alモル比が1.57であるメチルア
ルミノキサンを用いた以外は実施例8と同様にして予備
重合触媒(b-12)を調製した。
【0187】この際、反応器や攪拌羽への予備重合触媒
(b-12)の付着は認められず、得られた予備重合触媒
(b-12)は良好な形状をしていた。この予備重合触媒
(b-12)の嵩密度は0.36g/cm3 であり、流動
性指数は46であった。
【0188】[重合]実施例8の「重合」において、予
備重合触媒(b-10)に代えて予備重合触媒(b-12)を
用いた以外は実施例8と同様にしてエチレン・1-ヘキセ
ン共重合体を重合した。この際、重合器壁や攪拌羽への
ポリマーの付着は認められなかった。 以上の結果を表
4に示す。
【0189】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製工程
を示す説明図である。
【図2】本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化
合物の 1H−NMRスペクトルチャートの一例を示す図
である。
【図3】ローレンツ関数を使ったカーブフィッティング
の説明図である。
【図4】実施例1で調製した予備重合触媒の粒子構造を
示す図(電子顕微鏡写真)である。
【図5】比較例1で調製した予備重合触媒の粒子構造を
示す図(電子顕微鏡写真)である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微粒子状担体に、(A)シクロペンタジエ
    ニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IVB族の遷移
    金属化合物と、(B)有機アルミニウムオキシ化合物
    と、(C)有機アルミニウム化合物とが担持されてなる
    固体触媒であって、嵩密度が0.3g/cm3 以上であ
    り、かつ流動性指数が45以上であることを特徴とする
    オレフィン重合用触媒。
  2. 【請求項2】 前記(B)有機アルミニウムオキシ化合
    物は、アルキル基とアルミニウム原子とのモル比(アル
    キル基/アルミニウム原子)が1.3以上かつ1.7未
    満の範囲にある請求項1に記載のオレフィン重合用触
    媒。
  3. 【請求項3】 前記(B)有機アルミニウムオキシ化合
    物は、有機アルミニウムオキシ化合物と、水および/ま
    たは無機化合物とを接触させてアルキル基とアルミニウ
    ム原子とのモル比(アルキル基/アルミニウム原子)を
    1.7〜2.1の範囲に調整したものである請求項1に
    記載のオレフィン重合用触媒。
  4. 【請求項4】 前記(B)有機アルミニウムオキシ化合
    物は、アルキル基とアルミニウム原子とのモル比(アル
    キル基/アルミニウム原子)が2.1を超える有機アル
    ミニウムオキシ化合物と水とを接触させることによりア
    ルキル基とアルミニウム原子とのモル比を1.7〜2.
    1の範囲に調整したものである請求項1に記載のオレフ
    ィン重合用触媒。
  5. 【請求項5】 前記(B)有機アルミニウムオキシ化合
    物は、アルキル基とアルミニウム原子とのモル比(アル
    キル基/アルミニウム原子)が1.7未満の有機アルミ
    ニウムオキシ化合物と、実質的に水を含まない無機化合
    物とを接触させることによりアルキル基とアルミニウム
    原子とのモル比を1.7〜2.1の範囲に調整したもの
    である請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載のオレフィン重合用
    触媒の存在下にオレフィンを重合または共重合すること
    を特徴とするオレフィンの重合方法。
  7. 【請求項7】微粒子状担体と、(A)シクロペンタジエ
    ニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IVB族の遷移
    金属化合物と、(B)有機アルミニウムオキシ化合物
    と、必要に応じて(C)有機アルミニウム化合物と、予
    備重合により生成するオレフィン重合体とからなる予備
    重合触媒であって、嵩密度が0.3g/cm3 以上であ
    り、かつ流動性指数が45以上であることを特徴とする
    オレフィン重合用触媒。
  8. 【請求項8】 前記(B)有機アルミニウムオキシ化合
    物は、アルキル基とアルミニウム原子とのモル比(アル
    キル基/アルミニウム原子)が1.3以上かつ1.7未
    満の範囲にある請求項7に記載のオレフィン重合用触
    媒。
  9. 【請求項9】 前記(B)有機アルミニウムオキシ化合
    物は、有機アルミニウムオキシ化合物と、水および/ま
    たは無機化合物とを接触させてアルキル基とアルミニウ
    ム原子とのモル比(アルキル基/アルミニウム原子)を
    1.7〜2.1の範囲に調整したものである請求項7に
    記載のオレフィン重合用触媒。
  10. 【請求項10】 前記(B)有機アルミニウムオキシ化
    合物は、アルキル基とアルミニウム原子とのモル比(ア
    ルキル基/アルミニウム原子)が2.1を超える有機ア
    ルミニウムオキシ化合物と水とを接触させることにより
    アルキル基とアルミニウム原子とのモル比を1.7〜
    2.1の範囲に調整したものである請求項7に記載のオ
    レフィン重合用触媒。
  11. 【請求項11】 前記(B)有機アルミニウムオキシ化
    合物は、アルキル基とアルミニウム原子とのモル比(ア
    ルキル基/アルミニウム原子)が1.7未満の有機アル
    ミニウムオキシ化合物と、実質的に水を含まない無機化
    合物とを接触させることによりアルキル基とアルミニウ
    ム原子とのモル比を1.7〜2.1の範囲に調整したも
    のである請求項7に記載のオレフィン重合用触媒。
  12. 【請求項12】 請求項7〜11に記載のオレフィン重
    合用触媒の存在下にオレフィンを重合または共重合する
    ことを特徴とするオレフィンの重合方法。
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JP2012504641A (ja) * 2008-10-03 2012-02-23 ユニベーション・テクノロジーズ・エルエルシー 触媒組成物並びにその製造方法及び使用方法

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