JPH08283193A - 凝固剤用酢酸カルシウム及びその製造方法 - Google Patents

凝固剤用酢酸カルシウム及びその製造方法

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JPH08283193A
JPH08283193A JP11264595A JP11264595A JPH08283193A JP H08283193 A JPH08283193 A JP H08283193A JP 11264595 A JP11264595 A JP 11264595A JP 11264595 A JP11264595 A JP 11264595A JP H08283193 A JPH08283193 A JP H08283193A
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acetic acid
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隆俊 久保
Jun Nakauchi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂成形外観を損わない品質良好な重合体を
有機高分子重合体ラテックスから回収できる凝固剤を提
供する。 【構成】 鉄含有量が0.3ppm以下である有機高分
子重合体ラテックス凝固用酢酸カルシウム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機高分子重合体ラテ
ックスから重合体を回収する際に凝固剤として用いる酢
酸カルシウム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
に、乳化重合物である重合体ラテックスから重合体を回
収する方法としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニ
ウムや硫酸マグネシウムなどの無機塩を添加する方法、
あるいは硫酸等の酸を添加する方法などがある。
【0003】しかしながら使用する無機塩の種類によっ
ては回収された重合体が影響を受け、その重合体からな
る樹脂組成物を成形した成形物の外観(以下、単に成形
物の外観または成形外観という。)を損なうことがあ
る。このため比較的少量の凝固剤の添加で重合体を回収
でき、且つ、その重合体を他の樹脂に添加した際に得ら
れる樹脂組成物の物性を低下させないことが望ましい。
さらには、回収時に得られる凝固粉(湿潤状の重合体)
の含水率が低い方が乾燥効率に優れていて望ましい。
【0004】さきに、本発明者らは、このような条件を
満足する重合体ラテックスの回収方法について、特定の
構造を有する乳化剤を用いて得られるラテックスを酢酸
カルシウム水溶液と凝固させる方法が有効な手段である
と提案した。本発明者らはこの酢酸カルシウムを凝固剤
として用いたときの特性及び合成方法について検討を重
ねた結果、原料の消石灰から鉄が特定濃度以上に混入し
た酢酸カルシウムは、アクリル系樹脂の凝固剤として用
いたときに得られる樹脂組成物の成形物の外観が損なわ
れやすいことが問題点となることがわかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、こ
のような状況に鑑み、凝固剤として使用したときに良好
な成形外観が得られる酢酸カルシウム及びその製造方法
について検討した結果、酢酸カルシウムの鉄含量を0.
3ppm以下にすることで良好な成形外観が維持でき、
また、消石灰に酢酸を反応させ酢酸カルシウムを合成さ
せるときにケイ酸ナトリウム等ケイ素含有化合物を作用
させることで安定的に鉄の混入を抑制できる方法を見い
だした。
【0006】本発明において使用される酢酸カルシウム
は、水溶液あるいは粉末のいずれであっても良い。ただ
し、水溶液である場合の濃度は20重量%以下であるこ
とが望ましい。20重量%を超えると温度変化により飽
和して酢酸カルシウムが析出してくることがあり好まし
くない。粉末では150℃までは安定であるが、150
℃以上になるとアセトンと炭酸ガスに徐々に分解する。
また、この酢酸カルシウムは84℃までは2水和物、8
5℃〜100℃までは1水和物、100℃で結晶水に溶
けて無水物として存在する。
【0007】また、本発明の酢酸カルシウムを水溶液と
したときのpHは7〜8がよい。pH7以下ではフリー
の酢酸含量が多くなり水溶液の酢酸臭が強くなる、ま
た、pH8以上では凝固後に得られる重合体を賦形する
時に重合体のアルカリ加水分解が起こり、得られる樹脂
組成物の成形外観が損なわれやすいことがある。
【0008】酢酸カルシウムを合成する際に原料となる
消石灰は、工業用途、食添用途など特に限定されるもの
ではない。また、消石灰の代わりに生石灰を用いてもよ
い。酢酸も工業用途、食添用途など特に限定されるもの
ではない。
【0009】酢酸カルシウム中に混入する鉄含量は0.
3ppm以下であれば、それを用いて凝固して得られる
アクリル系重合体を添加して得られる樹脂組成物の成形
外観は良好である。鉄含量が0.3ppmを超えると成
形外観が黄味を帯び、損なわれることがある。なお、鉄
含量の変動により凝固状態および凝固粉性状が変わるこ
とはない。
【0010】問題となる鉄は、原料の消石灰中に不純物
として含まれるものであり、合成条件によって酢酸と反
応し溶出する。また、この現象は消石灰中に含まれる鉄
以外のSiO2 等の不純物の量と密接に関係して起こ
り、酢酸カルシウム合成中にケイ素含有化合物を添加す
ることにより安定的に鉄の混入が防止でき、着色のない
清澄液が得られる。
【0011】用いるケイ素含有化合物としては、ケイ酸
ナトリウム、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウムが挙げら
れ、特にケイ酸ナトリウムが好ましい。このケイ酸ナト
リウムは無水物であっても水和物であっても良い。これ
らケイ素含有化合物の添加量は、後述する合成方法にお
いてケイ酸ナトリウムでは消石灰に対してSi量で0.
05〜0.10重量%、ケイ酸カルシウムでは消石灰に
対してSi量で0.05〜0.10重量%、二酸化ケイ
素では消石灰に対してSi量で0.5〜1.0重量%で
ある。いずれの場合においても最小量未満では溶出した
鉄が完全に除去されないことがあり、また、最大量を超
えるとケイ素含有化合物が塩基性であるためpHが8を
超えることがあり好ましくない。ただし、この場合、再
度酢酸を添加し水溶液のpHを7〜8に調整すれば問題
ない。
【0012】ケイ素含有化合物を用いた際の鉄の混入の
抑制効果は、添加量以外にも添加後の温度及び放置時間
に関係する。そのためケイ素含有化合物添加後の温度及
び放置時間は45℃以上で30分以上、好ましくは50
℃以上で60分以上撹拌しながら放置することが望まし
い。
【0013】本発明で用いる酢酸カルシウムの合成は、
次の方法で行うことが好ましい。 (1)水100部に対し消石灰10部を添加しよく撹
拌、分散する。 (2)酢酸をゆっくりV1 量(理論中和量の90%以
上)添加し、溶液のpH(pH1 )を10〜11にす
る。 (3)このとき、未反応の消石灰の固形分を抜液する。 (4)さらに、酢酸をV2 量添加しpH7〜8(pH
2 )に調整する。 (5)ケイ酸ナトリウムを、消石灰に対してSi量で
0.05〜0.1%の量を少量の純水で溶解して添加
し、50℃以上に保って1時間以上撹拌する。 (6)撹拌を停止し、濾過により消石灰の残渣を除く。 (7)得られる清澄な酢酸カルシウム水溶液はこのまま
凝固剤として用いられる。場合によっては蒸留し乾燥粉
末として取り出してもよい。
【0014】消石灰は、酢酸と速やかに反応するがその
際、消石灰の一部が継粉(ままこ)となって残りやす
く、この状態では継粉の影響でpHの変動が大きくなり
pH7〜8への中和操作が難しい。そのため、継粉を抜
液あるいはホモミキサー等の強力な剪断力で微小粉砕し
中和操作の安定化を図る必要がある。また、前述したよ
うに酢酸カルシウム溶液の最終的なpH(pH2 )は7
〜8にする必要がある。
【0015】消石灰中の鉄の溶出は、中和反応の際の消
石灰中のSiO2 等の不純物(残渣)量、および最初に
消石灰を中和する酢酸量(V1 量)と関係する。そのた
め不純物(残渣)を抜液せずに残渣を残した状態で酢酸
カルシウム溶液をpH7〜8(pH2 )に調整する。或
いは最初に消石灰を中和する酢酸のV1 量を理論中和量
の95%以上添加する場合には鉄の混入が抑制されやす
い。
【0016】本発明によって得られる酢酸カルシウムを
凝固剤として用いる対象となる有機高分子重合体乳化ラ
テックスは、特に限定されないが、アクリル系の多層構
造重合体の乳化ラテックスに用いるのが好ましい。酢酸
カルシウムは、カルシウムイオンの凝折力が比較的大き
いため、特に高グラフトでガラス転移温度の比較的高い
重合体の乳化ラテックスを凝固するのに用いるのが効果
的であり、比較的含水率の低い乾燥効率の優れた凝固粉
が得られる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
説明中の「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を
それぞれ表す。
【0018】実施例中の評価に供したサンプルは、得ら
れた酢酸カルシウムを用いて凝固した重合体を下記の条
件で射出成形したものを用いた。 射出成形機:(株)日本製鋼所製、V−17−65型ス
クリュー式自動射出成形機 射出成形条件:シリンダー温度250℃、射出圧700
kg/cm2 試験片サイズ:110mm×110mm×2mm(厚
さ)
【0019】また、評価項目及びその測定方法は以下の
通りである。 [中和操作の安定性]酢酸カルシウム溶液の合成の際の
中和操作において、pHの変動がほとんどなく中和操作
が安定を○、pHの変動が激しく中和操作が不安定を×
とした。
【0020】[酢酸カルシウム溶液の色調](APH
A)塩化白金カリウム(PtCl4 ・2KCl)1.2
45gと結晶塩化コバルト1.009gを塩酸100m
lに溶かし水で希釈し1000mlとし原液とした。こ
の原液10,20,30,50及び100mlをそれぞ
れ希釈し500mlとし色調(APHA)の標準溶液と
した。(この標準溶液はAPHAの10,20,30,
50及び100にそれぞれ相当する。)この標準溶液を
分光光度計((株)島津製作所製、UV−160A)を
用いて417nmの吸収を求め、各色調(APHA)と
吸収の検量線を作成した。試料となる酢酸カルシウム水
溶液の色調は同様に417nmの吸収を求め、検量線か
ら求めた。
【0021】[Fe含量]Fe含量の定量は、プラズマ
発光分析(ICP)装置(日本ジャーレル・アッシュ
製、ICAP−575 MK−II)を用いて行った。
【0022】[全透](全光線透過率) ASTM−D−1003に準拠して測定した。
【0023】[曇価]ASTM−D−1003に準拠し
て測定した。
【0024】[YI価]ASTM−D−1925に準拠
して測定した。
【0025】[成形外観]成形板について目視判断によ
り極めて良好を◎、良好を○、若干不良を×とした。
【0026】[実施例1]2リットル容量のガラスビー
カーに850mlの純水を採り、消石灰96g((株)
カルシード製、特号S、以下同じ。)を分散させ、スタ
ーラーで撹拌しながら酢酸(和光純薬工業(株)製、特
級、以下同じ。)を中和理論量の90%に当たる137
gをゆっくり添加し、5分間撹拌放置した。後、分液ロ
ートに移液し3分間放置し消石灰の残渣及び白色の継粉
を沈降させた後、底辺からこの残渣等を200ml抜液
した。このとき残った溶液の温度50℃、pH1 10.
9であった。再度、残った溶液をガラスビーカーに移液
し、スターラーで撹拌しながらさらに酢酸を添加し、p
2 7.0とした。このときの中和操作は安定してお
り、pH2 7.0への中和は速やかに行うことができ
た。
【0027】次に、ケイ酸ナトリウム(アデカメタ珪酸
ソーダ5水塩)を消石灰に対してSi量で0.05%
(400mg)を10mlの純水に溶解させて添加し、
50℃以上に保って1時間撹拌しながら放置した。その
後、残渣の分離をガラス繊維濾紙(ワットマンGF/
F)を用いて減圧濾過を行い、清澄な酢酸カルシウム溶
液(Ca−Acと称す。)を得た。この溶液は濃度1
8%、pH7.4であった。得られた酢酸カルシウム溶
液のAPHAおよびFe含量を表1に示す。
【0028】[応用例]実施例1で得た酢酸カルシウム
溶液Ca−Acを用いてアクリル系多層構造重合体ラ
テックスの凝固を行い、得られた重合体を添加して得ら
れる樹脂組成物の成形外観を調べた。
【0029】(1)アクリル系多層構造重合体ラテック
スの製造 (A)ステンレススチール製反応容器に脱イオン水30
0部を仕込んだ後、加熱し内温が80℃になった時点で
下記組成割合の混合物を系中に投入した。 脱イオン水 5部 ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート 二水塩(以下、ロンガリットという。) 0.48部 硫酸第1鉄 0.4×10-6部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 1.2×10-6
【0030】15分間保持後、あらかじめ窒素置換して
おいた下記組成割合の混合物を2時間かけて滴下し、8
0℃に保ったまま1時間重合した。得られたラテックス
の重合率は99%以上であった。 メタクリル酸メチル54.0%,スチレン5.0%および アクリル酸ブチル41.0%からなるモノマー混合物 40部 1,3−ブチレンジメタクリレート 1.1部 マレイン酸ジアリル 0.14部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.08部 モノ−n−ペンチルフェニルヘキサオキシ エチレンリン酸ナトリウムとジ−n−ペン チルフェニルヘキサオキシエチレンリン酸 ナトリウムの1:1混合物(以下、乳化剤Aという。) 1.20部
【0031】(B)引き続き上記反応容器内に下記組成
割合の混合物(イ)を投入し15分間保持した後、あら
かじめ窒素置換しておいた下記組成割合の混合物(ロ)
を3時間かけて滴下し、さらに3時間重合した。得られ
たラテックスの重合率は99%以上で粒子径は0.25
μmであった。 (イ)ロンガリット 0.2部 脱イオン水 5部 (ロ)スチレン 10.0部 アクリル酸ブチル 50.0部 1,3−ブチレンジメタクリレート 0.2部 マレイン酸ジアリル 1.0部 クメンハイドロパーオキサイド 0.17部 乳化剤A 1.8部
【0032】(C)次に、上記反応容器内に下記組成割
合の混合物(ハ)を投入し30分間保持した後、あらか
じめ窒素置換しておいた下記組成割合の混合物(ニ)を
4時間かけて滴下し、さらに1時間重合した。得られた
ラテックスの重合率は99%以上で粒子径は0.27μ
mであった。 (ハ)ロンガリット 0.2部 脱イオン水 5部 (ニ)メタクリル酸メチル 57部 アクリル酸メチル 3部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.1部 ノルマルオクチルメルカプタン 0.2部
【0033】(2)重合体ラテックスの凝固 ステンレス製容器に凝固剤(回収剤)として実施例1で
得た1.8%酢酸カルシウム水溶液Ca−Acを仕込
み、撹拌下90℃に昇温し、上記(1)の方法で製造し
たラテックスを線速度0.5m/sec以下で連続的に
添加し、その後30分保持した。室温まで冷却した後重
合体を脱イオン水で洗浄しながら遠心脱水機で濾別して
白色の湿潤重合体を得た。これを流動乾燥機にて乾燥さ
せて重合体を得た。
【0034】(3)樹脂組成物の形成 上記(2)で得た凝固、回収した重合体粉体1280g
と、メタクリル樹脂(PL25:(米国,PLASKO
LITE社製)2720gとの混合物を、外形40mm
φのスクリュー型押出機((株)日本製鋼所製、P−4
0−26AB−V型、L/D=26)を使用し、シリン
ダー温度200〜260℃、ダイ温度250℃で溶融混
練してペレットとなし、多層構造アクリル弾性体の含有
率20%の耐衝撃性メタクリル樹脂組成物を得た。成形
板の全透、曇価、YIの評価結果を表2に示す。
【0035】[実施例2]残渣等を200ml抜液する
迄は実施例1と同様に操作した。抜液後残った溶液の温
度48℃、pH1 11.1であった。この残った溶液を
ガラスビーカーに移液し、スターラーで撹拌しながらさ
らに酢酸を添加し、pH2 7.0とした。このときの中
和操作は安定しており、pH2 7.0への中和は速やか
に行うことができた。
【0036】次に、二酸化ケイ素(99.9%、和光純
薬工業(株)製)を消石灰に対して1.5%(1440
mg)を添加し、50℃以上に保って1時間撹拌放置し
た。その後、残渣の分離をガラス繊維濾紙(ワットマン
GF/F)を用いて減圧濾過を行い、清澄な酢酸カルシ
ウム溶液(Ca−Acと称す。)を得た。この溶液は
濃度18%、pH1 7.3であった。得られた酢酸カル
シウム溶液のAPHAおよびFe含量を表1に示す。
【0037】得られた酢酸カルシウム溶液Ca−Ac
を用いて応用例と同様に凝固を行い、得られたアクリル
系重合体を添加して得た樹脂組成物の成形外観を調べ
た。得られた成形板の全透、曇価、YIの評価結果を表
2に示す。
【0038】[実施例3]残渣等を200ml抜液する
迄は実施例1と同様に操作した。抜液後残った溶液の温
度51℃、pH1 11.0であった。この残った溶液を
ガラスビーカーに移液し、スターラーで撹拌しながらさ
らに酢酸を添加し、pH2 7.0とした。このときの中
和操作は安定し、pH2 7.2への中和は速やかに行え
た。
【0039】次に、ケイ酸カルシウム(ナカライテスク
(株)製)0.4gを添加し、50℃以上に保って1時
間撹拌放置した。その後、残渣の分離をガラス繊維濾紙
(ワットマンGF/F)を用いて減圧濾過を行い、清澄
な酢酸カルシウム溶液(Ca−Acと称す。)を得
た。この溶液は濃度18%、pH7.3であった。得ら
れた酢酸カルシウム溶液のAPHAおよびFe含量を表
1に示す。
【0040】得られた酢酸カルシウム溶液Ca−Ac
を用いて応用例と同様に凝固を行い、得られるアクリル
系重合体を添加して得た樹脂組成物の成形外観について
調べた。得られた成形板の全透、曇価、YIの評価結果
を表2に示す。
【0041】[実施例4]2リットル容量のガラスビー
カーに850mlの純水を採り、消石灰96gを分散さ
せ、スターラーで撹拌しながら酢酸を中和理論量の90
%に当たる137gをゆっくり添加し5分間撹拌放置し
た。その後スターラーの撹拌を停止し、代わりにホモミ
キサー(特殊機化工業(株)製 M型)を用いて500
0rpmで5分間回転させて、消石灰の残渣及び白色の
継粉を微小粉砕させた。このとき溶液の温度52℃、p
1 10.8であった。再度、スターラーを用いて撹拌
しながら酢酸を添加し、pH2 7.0とした。このとき
の中和操作は安定し、pH27.0への中和は速やかに
行えた。ここにケイ酸ナトリウム(アデカメタ珪酸ソー
ダ5水塩)を消石灰に対してSi量で0.05%(40
0mg)を10mlの純水に溶解させて添加し、50℃
以上に保って1時間撹拌しながら放置した。
【0042】その後、残渣の分離をガラス繊維濾紙(ワ
ットマンGF/F)を用いて減圧濾過を行い、清澄な酢
酸カルシウム溶液(Ca−Acとする)を得た。この
溶液は濃度19重量%、pH7.3であった。得られた
酢酸カルシウム溶液のAPHAおよびFe含量を表1に
示す。
【0043】得られた酢酸カルシウム溶液Ca−Ac
を用いて応用例と同様に凝固を行い、得られるアクリル
系重合体を添加して得た樹脂組成物の成形外観について
調べた。得られた成形板の全透、曇価、YIの評価結果
を表2に示す。
【0044】[比較例1]残渣等を200ml抜液する
迄は実施例1と同様に操作した。抜液後残った溶液の温
度49℃、pH1 10.9であった。この残った溶液を
ガラスビーカーに移液し、スターラーで撹拌しながらさ
らに酢酸を添加し、pH2 7.2とした。このときの中
和操作は安定し、pH2 7.2への中和は速やかに行え
た。その後、残渣の分離をガラス繊維濾紙(ワットマン
GF/F)を用いて減圧濾過を行い、清澄な酢酸カルシ
ウム溶液(Ca−Acと称す。)を得た。この溶液は
濃度18%、pH7.2であった。得られた酢酸カルシ
ウム溶液のAPHAおよびFe含量を表1に示す。
【0045】得られた酢酸カルシウム溶液Ca−Ac
を用いて応用例と同様に凝固を行い、得られるアクリル
系重合体を添加して得た樹脂組成物の成形外観について
調べた。得られた成形板の全透、曇価、YIの評価結果
を表2に示す。
【0046】[比較例2]消石灰の残渣及び白色の継粉
を微小粉砕させる迄は実施例4と同様に操作した。この
とき溶液の温度50℃、pH1 10.6であった。再び
スターラーを用いて撹拌しながら酢酸を添加し、pH2
7.0とした。このときの中和操作は安定しpH2 7.
0への中和は速やかに行えた。その後、残渣の分離をガ
ラス繊維濾紙(ワットマンGF/F)を用いて減圧濾過
を行い、清澄な酢酸カルシウム溶液(Ca−Acと称
す。)を得た。この溶液は濃度19重量%、pH7.0
であった。得られた酢酸カルシウム溶液のAPHAおよ
びFe含量を表1に示す。
【0047】得られた酢酸カルシウム溶液Ca−Ac
を用いて応用例と同様に凝固を行い、得られるアクリル
系重合体を添加して得た樹脂組成物の成形外観を調べ
た。得られた成形板の全透、曇価、YIの評価結果を表
2に示す。
【0048】[比較例3]2リットル容量のガラスビー
カーに850mlの純水を採り消石灰96gを分散さ
せ、スターラーで撹拌しながら酢酸を中和理論量の95
%に当たる145gをゆっくり添加し5分間撹拌放置し
た。その後分液ロートに移液し3分間放置し消石灰の残
渣及び白色の継粉を沈降させ、底辺からこの残渣等を2
00ml抜液した。このとき残った溶液の温度50℃、
pH1 10.2であった。再度、残った溶液をガラスビ
ーカーに移液した。スターラーで撹拌しながら酢酸を添
加し、pH2 7.2とした。このときの中和操作は安定
し、pH2 7.2への中和は速やかに行えた。その後、
残渣の分離をガラス繊維濾紙(ワットマンGF/F)を
用いて減圧濾過を行い、清澄な酢酸カルシウム溶液(C
a−Acと称す。)を得た。この溶液は濃度18.2
%、pH7.2であった。得られた酢酸カルシウム溶液
のAPHAおよびFe含量を表1に示す。
【0049】得られた酢酸カルシウム溶液Ca−Ac
を用いて応用例と同様に凝固を行い、得られるアクリル
系重合体を添加して得た樹脂組成物の成形外観を調べ
た。得られた成形板の全透、曇価、YIの評価結果を表
2に示す。
【0050】[比較例4]2リットル容量のガラスビー
カーに850mlの純水を採り消石灰96gを分散さ
せ、スターラーで撹拌しながら酢酸を中和理論量の97
%に当たる148gをゆっくり添加し、さらにスターラ
ーで撹拌しながら酢酸を添加し続け、pH27.2とし
た。このとき継粉が影響しpHの変動が大きくなるため
pH2 7.2への中和に苦労し時間を要した。その後、
残渣の分離をガラス繊維濾紙(ワットマンGF/F)を
用いて減圧濾過を行い、清澄な酢酸カルシウム溶液(C
a−Acと称す。)を得た。この溶液は濃度18.5
%、pH7.2であった。得られた酢酸カルシウム溶液
のAPHAおよびFe含量を表1に示す。
【0051】得られた酢酸カルシウム溶液Ca−Ac
を用いて応用例と同様に凝固を行い、得られるアクリル
系重合体を添加して得た樹脂組成物の成形外観を調べ
た。得られた成形板の全透、曇価、YIの評価結果を表
2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明によると簡易に、鉄の混入量が極
めて少ない酢酸カルシウムが合成でき、それを有機高分
子重合体ラテックスの凝固剤として用いることで品質上
良好な重合体を重合体ラテックスから回収できる。
フロントページの続き (72)発明者 久保 隆俊 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内 (72)発明者 中内 純 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄含量が0.3ppm以下であることを
    特徴とする有機高分子重合体ラテックス凝固用酢酸カル
    シウム。
  2. 【請求項2】 消石灰と酢酸を中和反応させて酢酸カル
    シウムを製造するに当り、ケイ素含有化合物を添加する
    ことを特徴とする請求項1記載の酢酸カルシウムの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 (a)水に消石灰を分散させ、これに酢
    酸を添加して酢酸カルシウム水溶液のpHを10〜11
    に調整した後、未反応の消石灰固形分を除去する工程
    と、(b)さらに酢酸を添加し酢酸カルシウム水溶液の
    pHを7〜8に調整した後、ケイ素含有化合物を添加
    し、次いで濾過する工程からなることを特徴とする請求
    項2記載の酢酸カルシウムの製造方法。
  4. 【請求項4】 ケイ素含有化合物が、ケイ酸ナトリウ
    ム、ケイ酸カルシウム及び二酸化ケイ素からなる群から
    選択されることを特徴とする請求項2または3に記載の
    酢酸カルシウムの製造方法。
  5. 【請求項5】 ケイ酸ナトリウムの添加量が消石灰に対
    してSi量で0.05〜0.10重量%であることを特
    徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の酢酸カルシウ
    ムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101305589B1 (ko) * 2011-02-28 2013-09-09 양정목 부산물 초산을 이용한 초산칼슘 제조방법 및 제조장치

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