JPH0828280B2 - 電子蓄積リング - Google Patents

電子蓄積リング

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JPH0828280B2
JPH0828280B2 JP1164033A JP16403389A JPH0828280B2 JP H0828280 B2 JPH0828280 B2 JP H0828280B2 JP 1164033 A JP1164033 A JP 1164033A JP 16403389 A JP16403389 A JP 16403389A JP H0828280 B2 JPH0828280 B2 JP H0828280B2
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electron beam
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electron
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政嗣 西
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高輝度放射光発生装置としての電子蓄積リン
グに係り、特に電子ビームの入射,閉軌道の補正、ある
いは放射光の高輝度化に好適な低エミツタンスの電子蓄
積リングに関する。
〔従来の技術〕
放射光発生装置は、入射装置により電子などの荷電粒
子を真空に排気したビームダクト内に入射し、その後ビ
ームダクト内を一定軌道に沿つて周回させ、荷電粒子が
偏向を受けたときに周回軌道の接線方向に放射される放
射光をビームラインから外部に導出する装置である。
放射光を用いた物質科学の研究は、1980年代に入つて
多くの放射光専用の電子蓄積リングが建設・運転された
結果、飛躍的な発展を遂げてきた。今後のさらなる飛躍
的な発展を遂げるためには、より高輝度の放射光を発生
することが可能な電子蓄積リングを建設することが必要
である。
放射光の輝度を高めるためには、電子蓄積リングに蓄
積された電子ビームの横方向の広がりであるビームサイ
ズを小さくしなければならない。ビームサイズは電子ビ
ームのエミツタンスの平方根に比例するから、ビームサ
イズを小さくすることはエミツタンスを小さくすること
を意味する。エミツタンスを別な言葉で表現すると、横
軸を平衡軌道からのずれΔx、縦軸をビーム進行方向s
に対するビームの傾き(Δx/Δs)とした位相空間いお
けるビームの広がりを意味する。
エミツタンスは次の様に決まる。電子ビームは放射光
を放出した時に放射光の光子から反力を受ける。その結
果、ビームサイズは広がりを持つようになる。この現象
を放射励起という。一方、電子ビームは、放射光放出な
どによるエネルギー損失を補うために加速空胴で加速さ
れる。その結果、進行方向の運動量が進行方向と垂直な
方向と比べて相対的に大きくなり、ビームサイズは縮小
する。この現象を放射減衰という。エミツタンスは、こ
の放射励起と放射減衰の関係で決まる。放射平衡関係に
あるエミツタンスを放射平衡エミツタンスと呼ぶ。高エ
ネルギー電子では、入射直後に放射平衡になるので、以
下放射平衡エミツタンスを単に、エミツタンスと呼ぶ。
このエミツタンスは、電子蓄積リングを構成する磁石系
の配列及びその励起量と、電子ビームのエネルギーに依
存する。
放射光専用の電子蓄積リングの運転には、入射装置か
ら電子蓄積リングにビームを入射する入射時とビームを
入射せずに放射光を取り出す蓄積時とがある。ビーム入
射は、多くの電流を蓄積するため、多数回行なわれる。
この時、既に蓄積された電子ビームを失うことなく次の
電子ビームを入射するために、蓄積された電子ビームと
入射ビームがともに安定した周回軌道をとれるようにビ
ームの安定領域の動的口径(ダイナミツク・アパーチ
ヤ)は、大きくとる必要がある。また、誤差磁場がある
と電子の平衡軌道(閉軌道ともいう)が本来の設計軌道
からずれる。これを閉軌道の歪という。この閉軌道の歪
に伴つてダイナミツク・アパーチヤが小さくなつてしま
う。従つて、設計時におけるダイナミツク・アパーチヤ
は以上のことを考慮して、通常中心から30〜40mmとなる
べく大きめにとられる。
一方、蓄積時は高輝度の放射光を得るために、低エミ
ツタンスに、言い換えればビームサイズを小さくする必
要がある。しかしながら、蓄積時のビームの寿命を装置
の運転時間に対して数倍長くとることを考慮すると、ダ
イナミツク・アパーチヤは、ビームサイズの7倍から10
倍の大きさにとる必要がある。ビームサイズは通常1mm
前後あるいはそれ以下なので、ビームの寿命から要求さ
れるダイナミツク・アパーチヤは、10mm程度あればよい
ことになる。以上の議論から、入射及び閉軌道の歪みか
ら要求されるダイナミツク・アパーチヤは、ビームの寿
命から要求される大きさに比べて3〜4倍大きくなるこ
とがわかる。ダイナミツク・アパーチヤを大きくとるた
めにはエミツタンスの増大をある程度覚悟しなければな
らない。エミツタンスが増大するとビームサイズも増大
して、当初の目的であつた放射光の高輝度化に対して逆
効果となる。
この問題点を解決するための従来法として代表的なも
のに2つある。ひとつは、エミツタンスを小さい状態に
保つたままダイナミツク・アパーチヤを大きくするため
に、従来ある6磁極石とは別の6磁極石(ハーモニツク
6極磁石)を設けるという方法である。これについて
は、1987 アイ・イー・イー・パーテイクル・アクセラ
レータ・コンフアレンスNo.1(1987年)第443頁から第4
45頁(1987年IEEE Particle Accelerator Conference N
o.1(1987)pp443-445)において論じられている。
もうひとつの従来法としては、2つの蓄積リングを用
意して、ひとつを高エミツタンスの蓄積リングとし、も
うひとつを低エミツタンスの蓄積リングとして、初め高
エミツタンスのリングに所定の電流量の電子ビームを貯
え、その後ワンターン入射方式で別の低エミツタンスの
リングに移しかえる方法がある。この方法を用いれば、
ダイナミツク・アパーチヤは電子ビームの寿命から要求
される大きさに誤差磁場による閉軌道の歪の補正のため
の余裕さえあれば良いので、エミツタンスは小さくとれ
る。これについては、ニユークリア・インスツルメンツ
・アンド・メソツズ・イン・フイジツクス・リサーチA2
46(1986年)第4頁から第11頁(Nuclear Instruments
and Methods Physies Research A246(1986)pp4−11)
において論じられる。
上記のいずれの方法においても、蓄積リングを構成す
る磁石の励磁量は、エミツタンスなどのパラメータが入
射時と蓄積時とで一定になるように制御している。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術のうち、前者の方ではハーモニツク6極
磁石という新たな磁石要素が必要であり、また、蓄積時
においてダイナミツク・アパーチヤが30〜40mmと大きい
ので、エミツタンスの大幅な減少は期待できないという
問題があつた。また、後者の方では高エミツタンスリン
グという新たな電子蓄積リング及びそれに付属する電子
ビームの輸送系が必要になるという問題があつた。
本発明の目的は、電子ビームを入射し易く高輝度な放
射光を得ることのできる電子蓄積リングを提供すること
にある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、電子蓄積リング上を周回する電子ビーム
の高放射平衡エミッタンスの状態でリングに電子ビーム
を入射し、電子ビームの放射平衡エミッタンスが高い状
態から低い状態に変化するように、リングを構成する磁
石の励磁量を制御することにより達成される。
〔作用〕
請求項1の発明によれば、制御手段が、磁石の励磁量
を制御することにより、リングを周回する電子ビームの
放射平衡エミッタンスが、蓄積時の前記放射平衡エミッ
タンスよりも高くなるので、既に蓄積された電子ビーム
を失うことなく次の電子ビームを入射することができ、
蓄積された電子ビームと入射ビームがともに安定した周
回軌道をとれ、すなわち、電子ビームを入射しやすい。
蓄積時には、逆に放射平衡エミッタンスは入射時よりも
低くなるので、高輝度放射光を得ることができる。
請求項2の発明によれば、請求項1と同様の作用を得
るとともに、制御手段が、ベータトロン振動周波数検出
手段により検出されたベータトロン振動周波数に基づい
て磁石の励磁量を制御することにより、前記磁石の励磁
量がフィードバック制御されるので、電子ビームがリン
グを安定に周回できる。
請求項3の発明によれば、請求項1と同様の作用を得
るとともに、制御手段が、磁石の励磁量を制御すること
によって、電子ビームのベータトロン振動周波数を所定
の値にするので、電子ビームがリングを安定に周回でき
る。
請求項4の発明によれば、請求項1と同様の作用を得
るとともに、制御手段が、クロマティシティ検出手段に
より検出されたクロマティシティに基づいて磁石の励磁
量を制御することにより、前記磁石の励磁量がフィード
バック制御されるので、電子ビームの安定性を保持でき
る。
請求項5の発明によれば、請求項1と同様の作用を得
るとともに、制御手段が、磁石の励磁量を制御すること
によって、電子ビームのクロマティシティを零付近に維
持するので、電子ビームの安定性を保持できる。
請求項6の発明によれば、制御手段が、蓄積時には4
極磁石の1つの磁石の励磁量が入射時と比べて少なくと
も5%強くなるように前記4極磁石の励磁量を制御する
ことにより、リングを周回する電子ビームの放射平衡エ
ミッタンスが、蓄積時の前記放射平衡エミッタンスより
も高くなるので、電子ビームを入射しやすい。蓄積時に
は、逆に放射平衡エミッタンスは入射時よりも低くなる
ので、高輝度放射光を得ることができる。
請求項7の発明によれば、制御手段が、磁石の励磁量
を制御することにより、リングを周回する電子ビームの
ダイナミック・アパーチャが、蓄積時のダイナミック・
アパーチャよりも大きくなるので、既に蓄積された電子
ビームを失うことなく次の電子ビームを入射することが
でき、蓄積された電子ビームと入射ビームがともに安定
した周回軌道をとれ、すなわち、電子ビームを入射しや
すい。蓄積時には、逆にダイナミック・アパーチャは入
射時よりも小さくなるので、高輝度放射光を得ることが
できる。
請求項8の発明によれば、制御手段が、磁石の励磁量
を制御することにより、リングを周回する電子ビームの
横方向のサイズが、蓄積時の横方向のサイズよりも大き
くなるので、既に蓄積された電子ビームを失うことなく
次の電子ビームを入射することができ、蓄積された電子
ビームと入射ビームがともに安定した周回軌道をとれ、
すなわち、電子ビームを入射しやすい。蓄積時には、逆
に横方向のサイズは入射時よりも小さくなるので、高輝
度放射光を得ることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図から第7図の図面を
用いて説明する。
第1図は、本発明をソルテツクの放射光発生装置など
に応用した場合を示す。ライナツク4で発生した電子
は、シンクロトロン5で加速され、その後入射装置6か
ら電子蓄積リング7に入射され、電子ビームを形成す
る。電子蓄積リングでは、リング上に配置された多数の
電磁石1,2,3より周回軌道を描く。周回中の電子ビーム
が偏向を受けた時に周回軌道の接線方向に放射光を発す
る。発生した放射光は、ビームライン8から外部に取り
出され、露光装置9に導出される。電子ビームに偏向を
与える手段としては、偏向磁石1の他にウイグラやアン
ジユレータといつた挿入光源がある。ウイグラやアンジ
ユレータは直線部に設けられ、電子ビームの軌道を細か
く振動させて放射光を発生させるものである。放射光を
発生すると電子はエネルギーを失う。このエネルギーを
補うために、周回軌道の適当なところにエネルギー付与
用の高周波加速空胴10を設ける。
本実施例における蓄積リング7では、電子ビームの軌
道を決定する偏向磁石1,4極磁石2,6極磁石3などは、周
期的に配置されている。第2図は、磁石が周期的に配置
された蓄積リングの一部を示した図である。磁石は、偏
向磁石1,4極磁石2,21,22,23,6極磁石31,32から構成され
ている。これらの磁石構成は、従来の通りである。本発
明の特徴は、入射時,蓄積時のモードに応じて、これら
磁石の励磁量を変えることによつて、蓄積リングのパラ
メータを制御する制御装置40を設けたことである。本実
施例では、制御装置40は、放射光発生装置を統括的に制
御するマスタコントローラ101とともにオペレータコン
ソール100内に設置されている。
上記本発明の一実施例の動作を述べる。前に、ベータ
トロン振動,クロマテイシテイ及びエネルギー分散関数
とは何かを簡単に説明する。
ベータトロン振動とは、平衡軌道20を中心とした軌道
軸に対する垂直な面内での電子ビームの振動をいう。4
極磁石によつて電子ビームは、平衡軌道に垂直な方向に
力を受け、平衡軌道に収束しようとする。その結果、ベ
ータトロン振動が起る。ベータトロン振動には、共鳴周
波数がありこの共鳴周波数になるとビームは消滅する。
ベータトロン振動は、4極磁石の励磁量を変えることに
よつて制御できる。
クロマテイシテイとは、ベータトロン振動数のエネル
ギー依存性をいう。電子のエネルギーによつてベータト
ロン振動数が変化するかどうかを示す。クロマテイシテ
イが零とは電子のエネルギーが変わつてもベータトロン
振動数が変わらないことをいう。クロマテイシテイは、
6極磁石によつて制御できる。
最後にエネルギー分散関数とは、エネルギー言い換え
れば運動量Pの歪ΔP/Pに対する線形近似による閉軌道
のずれを表わす。エネルギー分散関数は、4極磁石の励
磁量で変化する。
ここで、電子ビームが安定に軌道を周回するための条
件と、6極磁石の励磁量とダイナミツク・アパーチヤの
関係について述べる。
まず前者を説明する。一般に、電子ビームが軌道内を
安定に周回するためには、クロマテイシテイが0である
ことが必要である。なぜなら、クロマテイシテイが0で
なくベータトロン振動数にエネルギー依存性があると、
電子群と真空導体壁間の電磁相互作用に基づく電磁場
(ウエイク場)による横方向の電磁力によつて、ビーム
は頭尾不安定性を引き起こし、大きなビーム損失が生じ
る。6極磁石がなければ、クロマテイシテイは正又は負
の値(大型リングでは常に負の値)をとる。そこで、ク
ロマテイシテイを0にするため6極磁石をエネルギー分
散(関数)が大きなところに設置し、その励磁量を変え
てクロマテイシテイにある変化量Δξを与えている。こ
れにより頭尾不安定性を避けることができるが、その副
作用として、ダイナミツク・アパーチヤが小さくなる。
これは6極磁場成分がベータトロン振動数の振幅依存性
を引き起こし、振幅がある程度大きいとベータトロン振
動が共鳴にひつかかり、それ以上大きい振幅をもつと安
定な振動解は存在しなくなるためである。
次に、6極磁石の励磁量とダイナミツク・アパーチヤ
の関係について述べる。磁石系が偏向磁石及び4極磁石
のみで構成され、磁場成分に2極及び4極成分のみしか
含まれていない場合は、電子ビームのベータトロン振動
を記述する方程式は線形となり、振動解がある限りビー
ムは安定にまわる。ビームダクト等の干渉物によるビー
ムの衝突を無視すれば、ベータトロン振動の振幅がビー
ムダクトよりかなり大きくても、振動方程式の線形性は
近似的に保てるので、ビームは安定に回ることができ
る。こういう意味で、ビームの安定領域の動的口径(ダ
イナミツク・アパーチヤ)はビームダクトの物的口径
(フイジカル・アパーチヤ)よりかなり大きいというこ
とができる。しかし、前述したようにクロマテイシテイ
を補正するために6極磁石が必要である。6極磁石があ
ると6極磁石のもつ磁場の非線形成分によりベータトロ
ン振動を記述する方程式も非線形となる。非線形成分が
大きくなるとベータトロン振動の振幅が発散しやすくな
り、ダイナミツク・アパーチヤは小さくなる。ダイナミ
ツク・アパーチヤが小さくなる効果は、6極磁石の励磁
量が大きくなればなる程大きくなる。
以下、上記の言葉の定義,電子ビームの特性を参考に
して実施例の動作を説明する。本実施例では、上記の磁
石のうち、3種類の4極磁石21,22,23、及び2種類の6
極磁石31,32の励磁量を制御する。4極磁石の励磁量の
制御対象を3種類にしたのは、エネルギー分散関数強い
て言えばエミツタンス,水平方向のベータトロン振動及
び垂直方向のベータトロン振動の3つのパラメータを制
御するためである。また、6極磁石の励磁量の制御対象
を2種類にしたのは、水平方向のクロマテイシテイ及び
垂直方向のクロマテイシテイの2つのパラメータを制御
するためである。
第3図に4極磁石の励磁量の変化の1例を、第4図に
6極磁石の励磁量の変化の1例を示す。第5図には、こ
のときのエミツタンスとダイナミツク・アパーチヤの関
係を模式的に示した閉軌道の垂直な面での断面図であ
る。シンクロトロン5から蓄積リング7に入射される電
子ビーム51は、入射装置6のセプタムマグネツト61によ
りリング内に軌道をずらされる。この時ビームダクト60
には、以前に入射された電子ビーム71も周回している。
このため、入射時には、入射する電子ビーム51と以前に
蓄積された電子ビーム71がともに周回することが必要で
あり、ダイナミツク・アパーチヤが大きいことが望まれ
る。
前述した電子ビームの特性を考えると、入射時には2
つの6極磁石で水平,垂直方向のクロマテイシテイを零
付近に保ちながら、ダイナミツク・アパーチヤを大きく
とる必要がある。このためには、エネルギー分散関数を
大きくする。何故ならば、クロマテイシテイの変化量Δ
ξ,エネルギー分散関数η及び6極磁石の励磁量B6
は、次の関係があるからである。
Δξ∝B6・η …(1) クロマテイシテイの変化量Δξは、ほぼ一定であるか
ら、ダイナミツク・アパーチヤを大きくするにはダイナ
ミツク・アパーチヤを小さくする6極磁石の励磁量B6
を小さくして、第6図(a)に示すように6極磁石31,3
2のところのエネルギー分散関数を大きくする。このエ
ネルギー分散関数を大きくするには、4極磁石21の励磁
量を小さくすることで実現できる。エネルギー分散関数
が大きくなると、電子の放射光放出後における閉軌道の
変化量が大きくなる。従つて、放射励起の効果が大きく
なる。必然的にエミツタンスも増大する。すなわちビー
ム入射時は、電子蓄積リングは高エミツタンスとなる。
この時、ダイナミツク・アパーチヤ70は、ビームダクト
60より広くできる。このようなダイナミツク・アパーチ
ヤが広くできるので誤差磁場によるダイナミツク・アパ
ーチヤの縮みを受けても、ダイナミツク・アパーチヤは
依然として入射可能な大きさを保てる。それに伴つて、
補正電磁石によつて閉軌道の歪を容易に補正できる。閉
軌道の歪は、第1図に示す閉軌道モニタ97より検出す
る。入射時では、4極磁石22,23は、各々水平,垂直方
向のベータトロン振動数が一定となるように励磁されて
いる。
次に、4極磁石と6極磁石の励磁量を変化させて、蓄
積時に必要な状態に電子ビームのクロマテイシテイなど
のパラメータを変化させる。蓄積時には、高輝度の放射
光を得るためには、低エミツタンスの状態にすることが
必要である。すなわち、電子ビームの安定性を保持しな
がら入射時のダイナミツク・アパーチヤ70が大きい状態
から言い換えれば高エミツタンスの状態から低エミツタ
ンスの状態に移行する。電子ビームの安定性を保持する
ためには、クロマテイシテイを0近辺に保持する必要が
あるから6極磁石31,32の励磁量を制御する。低エミツ
タンスにするには、エネルギー分散関数ηを小さくする
必要がある。そこで、4極磁石21の励磁量を入射時に比
して少なくとも5%あげる。
クロマテイシテイの変化量Δξは、入射時と蓄積時と
で大きく変化しないので、また、エネルギー分散関数η
を小さくすると、式(1)から6極磁石31,32の励磁量
6を大きくとる必要がある。その変化の1例は第5図
に示す通りである。6極磁石31,32の励磁量が大きくな
ると非線形効果によりダイナミツク・アパーチヤは小さ
くなるが、エミツタンスも十分に低いので問題はない。
この時、各々垂直,水平のベータトロン振動数が共鳴域
にかからないように、4極磁石22,23の励磁量を変え
る。第4図では、4曲磁石22,23の励磁量とともに減少
させているが少なくとも1つは減少させる必要がある。
この時、各磁石におけるエネルギー分散関数は、第6図
(b)のようになり、その一部が偏平状に0になつてい
る。
ここで制御装置40を第4図に示しておく。制御装置40
は、入射時と蓄積時でエネルギー分散関数を変えるため
に4極磁石21励磁変化量の時間変化パターンを記憶する
記憶装置41と、励磁変化パターンのデータ等を各磁石の
電源30側に送信するデータ送信器42、何時入射時から蓄
積時に変えるかの情報をもち、マスタコントローラ101
から発信されるトリガー信号をつかさどるトリガー受信
機43,ベータトロン振動数モニタ95からベータトロン振
動数のデータを受けとつて、ベータトロン振動数を所定
の値に制御するように4極磁石22,23の励磁量のデータ
を生成するベータトロン振動数フイードバツク制御回路
45,クロマテイシテイ・モニタ96からのクロマテイシテ
イのデータを受けとつて、クロマテイシテイを0あるい
は微小正数値に制御するように6極磁石31,32の励磁量
のデータを生成するクロマテイシテイ・フイードバツク
制御回路46から構成されている。
本実施例では、第4図,第5図に示すように第2図の
4極磁石21の励磁量はプログラム制御され、4極磁石2
2,23及び6極磁石31,32の励磁量がフイードバツク制御
される。また、エミツタンス,クロマテイシテイ,エネ
ルギー分散関数などのパラメータの変化は、オペレータ
コンソール100の表示器102に表示される。
最後に、本発明をビームラインの替りに自由電子レー
ザに用いれば、輝度の高い自由電子レーザシステムが得
られる。
〔発明の効果〕
本発明の第1の特徴によれば、電子ビームを入射しや
すく、高輝度な放射光を得ることができる。
本発明の第2の特徴によれば、電子ビームがリング内
を安定に周回できる。
本発明の第3の特徴によれば、電子ビームの安定性が
保持できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の放射光発生装置の一実施例を示す図、
第2図は本発明の電子蓄積リングの一部の模式図、第3
図は4極磁石の励磁量の変化の1例を示す図、第4図は
6極磁石の励磁量の変化の1例を示す図、第5図は本発
明におけるエミツタンスとダイナミツク・アパーチヤの
関係を示す図、第6図は入射時,蓄積時におけるエネル
ギー分散関数の様子を示す図、第7図は制御装置のブロ
ツク図である。 1……偏向磁石、2,21,22,23……4極磁石、31,32……
6極磁石、4……ライナツク、5……シンクロトロン、
6……入射装置、7……蓄積リング、8……ビームライ
ン、9……露光装置、10……高周波加速空胴、20……電
子ビームの平衡軌道、30……磁石電源、40……制御装
置、60……ビームダクト、70……ダイナミツク・アパー
チヤ、95……ベータトロン振動モニタ、96……クロマテ
イシテイモニタ、97……閉軌道モニタ、100……オペレ
ターズコンソール、101……マスタコントローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−229698(JP,A) 特開 昭62−285400(JP,A) 特開 昭54−95897(JP,A) 特開 昭62−198099(JP,A)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子ビームが周回するリング上に配置され
    前記リング内に前記電子ビームを保持する多数の磁石
    と、 前記磁石の励磁量を制御する制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記リングに外部から電子ビームを入
    射する際には、 前記リングを周回する前記電子ビームの放射平衡エミッ
    タンスが、蓄積時の前記放射平衡エミッタンスよりも高
    くなるように、前記磁石の励磁量を制御するようにした
    ことを特徴とする電子蓄積リング。
  2. 【請求項2】請求項1の電子蓄積リングにおいて、更
    に、前記リングを周回する前記電子ビームのベータトロ
    ン振動周波数を検出するベータトロン振動周波数検出手
    段を有し、 前記制御手段は、前記ベータトロン振動周波数検出手段
    により検出された前記ベータトロン振動周波数に基づい
    て前記磁石の励磁量を制御する電子蓄積リング。
  3. 【請求項3】請求項1の電子蓄積リングにおいて、更
    に、前記リングを周回する前記電子ビームのベータトロ
    ン振動周波数を検出するベータトロン振動周波数検出手
    段を有し、 前記制御手段は、前記ベータトロン振動周波数検出手段
    により検出された前記ベータトロン振動周波数が所定の
    値になるように前記磁石の励磁量を制御する電子蓄積リ
    ング。
  4. 【請求項4】請求項1の電子蓄積リングにおいて、更
    に、前記電子ビームのクロマティシティを検出するクロ
    マティシティ検出手段を有し、 前記制御手段は、前記クロマティシティ検出手段により
    検出された前記クロマティシティに基づいて前記磁石の
    励磁量を制御する電子蓄積リング。
  5. 【請求項5】請求項1の電子蓄積リングにおいて、更
    に、前記電子ビームのクロマティシティを検出するクロ
    マティシティ検出手段を有し、 前記制御手段は、前記クロマティシティ検出手段により
    検出された前記クロマティシティが実質的に零になるよ
    うに前記磁石の励磁量を制御する電子蓄積リング。
  6. 【請求項6】請求項1の電子蓄積リングにおいて、前記
    多数の磁石は、電子ビームの軌道を定める多数の偏向磁
    石と、多数の4極磁石及び多数の6極磁石とを含み、 前記制御手段は、蓄積時には前記4極磁石の1つの磁石
    の励磁量が前記入射時と比べて少なくとも5%強くなる
    ように前記4極磁石の励磁量を制御するようにしたこと
    を特徴とする電子蓄積リング。
  7. 【請求項7】電子ビームが周回するリング上に配置され
    前記リング内に電子ビームを保持する多数の磁石と、前
    記磁石の励磁量を制御する制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記リングに外部から電子ビームを入
    射する際には、前記リングを周回する前記電子ビームの
    ダイナミック・アパーチャが、蓄積時の前記ダイナミッ
    ク・アパーチャよりも大きくなるように、前記磁石の励
    磁量を制御するようにしたことを特徴とする電子蓄積リ
    ング。
  8. 【請求項8】電子ビームが周回するリング上に配置され
    前記リング内に電子ビームを保持する多数の磁石と、前
    記磁石の励磁量を制御する制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記リングに外部から電子ビームを入
    射する際には、前記リングを周回する前記電子ビームの
    横方向サイズが、蓄積時の前記横方向サイズよりも大き
    くなるように、前記記磁石の励磁量を制御するようにし
    たことを特徴とする電子蓄積リング。
  9. 【請求項9】電子ビームが周回するリングと、前記リン
    グ上に配置され前記リング内に電子ビームを保持する多
    数の磁石と、前記磁石の励磁量を制御する制御手段とを
    備える電子蓄積リングにおいて、 放射平衡エミッタンスが蓄積時の放射平衡エミッタンス
    よりも高くなるように前記磁石の励磁量を保った状態で
    前記リング内に電子を注入する第1のステップと、 前記リング内に電子を注入した後、放射平衡エミッタン
    スを注入時よりも下げた状態で電子ビームをリング内で
    周回させる第2のステップとを有することを特徴とする
    電子蓄積リングの運転をする方法。
  10. 【請求項10】請求項9の電子蓄積リングの運転をする
    方法において、 第2のステップにおける前記磁石の前記励磁量が、第1
    のステップにおける前記磁石の前記励磁量よりも少なく
    とも5%強くなるように制御する電子蓄積リングの運転
    をする方法。
  11. 【請求項11】電子ビームが周回するリングと、前記リ
    ング上に配置され前記リング内に電子ビームを保持する
    多数の磁石とを備える電子蓄積リング用の制御装置であ
    って、 前記リングに外部から電子ビームを入射する際には、前
    記リングを周回する前記電子ビームの放射平衡エミッタ
    ンスが、蓄積時の前記放射平衡エミッタンスよりも高く
    なるように前記リング上に配置された磁石の励磁量を制
    御することを特徴とする電子蓄積リングの制御装置。
JP1164033A 1988-06-29 1989-06-28 電子蓄積リング Expired - Lifetime JPH0828280B2 (ja)

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