JPH08282688A - 袋口部封入用ファスナおよびファスナ付き袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シール強度が安定し、経時変化が非常に少な
くしかも静電防止効果の安定性および容易開封性を図っ
た袋口部封止用ファスナの提供を目的とする。 【構成】 粉状物をパックする袋用フイルム４を静電防
止層を挟在させた積層フイルムとし、このフイルム４に
よりパック用袋９を形成すると共に、袋９の開口部にフ
イルム４と同じ積層材からなるファスナ部１０を設けた
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は削り節等の粉状物を封入
するパック等の袋口部封入用ファスナおよびファスナ付
き袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば粉状物（鰹の削り節、小麦粉、カ
レー粉、粉ミルク等）を一定量ずつパックするための袋
を構成するフイルムは、従来図５に拡大断面を示すよう
にＯＰＰ２０等の基材１とシール用してのＰＥ５０等の
シーラント２との間にＥＶＯＨ１２等の中間層（バリア
層）３が積層され、粉状物を充填する際に粉状物がフイ
ルムに付着するのを防ぐため前記基材１およびまたはシ
ーラント２に静電気の帯電を防止する静電防止処理、す
なわち静電防止剤を練り込んだフイルムが用いられてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに上記従来のよ
うに基材１やシーラント２のフイルムに静電防止剤を練
り込むには、そのフイルムの素材に限定を受けるうえ、
静電防止剤を練りこんだフイルムを用いると、シール時
に静電防止剤が滲み出してシールが不完全になりやすい
とともに、経時によりシール強度が低下し、かつフイル
ムの層間強度が低下するなど、パックとしての機能が劣
化するという問題があった。

【０００４】また静電防止剤の性能により湿度依存性が
あり、一般的には乾燥時の性能低下につながるなどの問
題があった。

【０００５】さらにＰＥ５０（ファスナ部）には静防性
がなく、ファスナ外の部分は静防効果はあるが、ファス
ナ部は内容物の静電気による付着があってファスナの溝
に入り込むため容易開封性の妨げとなっている。

【０００６】特にファスナも袋も同じ積層材であるため
内容物の充填時、綴じ口の内面に付着するのは避けられ
ない。

【０００７】本発明はこれに鑑み、シール強度が安定
し、すなわち経時変化が非常に少なくしかも静電防止効
果の安定性および容易開封性を図った袋口部封止用ファ
スナとファスナ付き袋を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記従来の技術か有する
問題点を解決する手段として、本発明は粉状物をパック
する袋用フイルムにおいて、基材とシーラントとの間に
静電防止処理を施した静電防止層を挟在させて積層フイ
ルムとし、このフイルムによりパック用袋を形成すると
ともに、該袋の開口部に前記フイルムと同じ積層材から
なるファスナ部を設けたことを特徴とし、その口部封入
用ファスナの構成材はＯＰＰ２０／静電防止層／ＥＶＯ
Ｈ１２／ＰＥ５０からなる積層体、またはＯＰＰ２０／
ＥＶＯＨ１２／静電防止層／ＰＥ５０からなる積層体と
したことを特徴とする。

【０００９】

【作用】袋およびファスナの構成材を基材とシーラント
との間に静電防止層が挟在する構成材としたため、シー
ラントによるシール部に静電防止剤が滲出することがな
く、経時変化が非常に少ないためシール強度に影響を与
えることがない。その結果、長期にわたる密封性を維持
する。また、ブリードタイプではないので、粉状物の充
填時に粉状物が付着することがなく特にファスナの綴じ
口部分に付着しないことによりシール時におけるシール
性を損なわず、確実なシールを施すことができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例を参照して
説明する。

【００１１】本発明にかかる袋口部封止用ファスナとフ
ァスナ付き袋は図１にその一例の拡大断面を示すよう
に、ＯＰＰ２０からなる基材５と、この基材５に積層さ
れた静電防止層６と、この静電防止層６に積層されるＥ
ＶＯＨ１２からなる中間層７（バリア層）と、この中間
層７に積層されるＰＥ５０からなるシーラント８との４
層構造とされ、上記静電防止層６は、エポキシ系のポリ
マからなるフイルムで、０．２ｇ／ｍ² の塗工、表面抵
抗率１０⁷ 〜１０¹⁰程度のものが用いられている。

【００１２】図２は他の例で、基材５、中間層７、静電
防止層６、シーラント８の積層構造としたものであり、
表裏には静防剤を出さない構造となっている。そのため
いずれにおいても、静電防止層６は基材５とシーラント
８との間に挟在されるもので、フイルム４の表面｛基材
５の面｝およびフイルム４の表面｛シーラント８の面｝
のいずれも静電防止層６の存在により静電気の帯電がな
く、このフイルムにより図３および図４のようにパック
用袋９を形成し、粉状物を充填するため開口部にはフイ
ルムと同一積層からなる凹凸一対の封止用ファスナ部１
０が凹凸部分で離接可能に設けられている。

【００１３】そこで粉状物を充填する際にその粉状物が
フイルム４の表面や内面に付着することがなく、そして
ファスナ部１０も粉状物の静電気による表面や内面に付
着することがない。

【００１４】また、パック用袋９とファスナ部１０との
シール性がよいので、シール性が損なわれることがなく
前述の粉状物の付着がないことと相俟って完全なシール
状態を得ることができる。さらにシール後においても、
静電防止剤の滲出によるシール部の剥離や劣化が生ぜ
す、内容物の品質を長期にわたり維持することができ
る。

【００１５】上記粉状物としては削り節、カレー、各種
香辛料、フレーク、小麦粉、ケーキミックス、粉ミルク
等、静電気により吸引されやすい内容物に対して有効に
作用し、その包装に適する。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、基
材とシーランドとの間に静電防止層を挟在させて積層フ
イルムとし、このフイルムによりパック用袋を形成する
とともに、該袋の開口部に前記フイルムと同じ積層材か
らなるファスナをも受けたことにより静電気の帯電防止
効果を有しながら、基材、シーラントの使用材料に限定
を受けることなく、所望の材料を選択することができ
る。

【００１７】また、シーラントによるシール部すなわち
開口部に静電防止剤が滲出ししないことと充填時に粉状
物が内面に付着しないことから充填後の密封性が損なわ
れることなくファスナ部を完全にシールすることがで
き、静電防止剤の経時的滲出もないのでファスナ部の劣
化がなく、シール強度が維持され、内容物の品質の低下
を招くことがない。

【００１８】これらにより充填時異物が付着混入するこ
とがない上、包装機の高速化に対応することができ、店
頭においてもごみ等の付着がなく、商品価値を損なうこ
とも防がれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるパック用フイルムおよびファスナ
部の一実施例を示す拡大断面図。

【図２】同、他の実施例を示す拡大断面図。

【図３】図１，２をパック用袋としたときのファスナ部
を含む正面図。

【図４】図３の側面図

【図５】従来のパック用フイルムを示す拡大断面図。

【符号の説明】

４ フイルム ５ 基材 ６ 静電防止層 ７ 中間層 ８ シーラント ９ パック用袋 １０ ファスナ部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】粉状物をパックする袋用フイルムにおい
   て、基材とシーラントとの間に静電防止処理を施した静
   電防止層を挟在させて積層フイルムとし、このフイルム
   によりパック用袋を形成するとともに、該袋の開口部に
   前記フイルムと同じ積層材からなるファスナ部を設けた
   ことを特徴とする袋口部封入用ファスナ。
2. 【請求項２】前記袋口部封入用ファスナの構成材をＯＰ
   Ｐ２０／静電防止層／ＥＶＯＨ１２／ＰＥ５０からなる
   積層体、またはＯＰＰ２０／ＥＶＯＨ１２／静電防止層
   ／ＰＥ５０からなる積層体としたことを特徴とする請求
   項１記載のファスナ付き袋。