JPH08282567A - 異形断面部を有するアルミ製部材の製法 - Google Patents

異形断面部を有するアルミ製部材の製法

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JPH08282567A
JPH08282567A JP2572496A JP2572496A JPH08282567A JP H08282567 A JPH08282567 A JP H08282567A JP 2572496 A JP2572496 A JP 2572496A JP 2572496 A JP2572496 A JP 2572496A JP H08282567 A JPH08282567 A JP H08282567A
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straight portion
manufacturing
straight
punch die
shaped
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JP2572496A
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Hiroki Makino
博喜 槙野
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 袋状中空部を有するパイプ状部材を有利に成
形する。 【解決手段】 まずA・Bの第1の工程において、成形
空間21へ必要量のアルミ素材26を投入し、第1のパ
ンチ型27でプレスすると、前方押し出し成形により主
としてエンドピース部8を成形する。続くCの第2の工
程では、第1の工程で成形された一次成形品28を第2
のパンチ型29でインパクトし、中空部6を伴うストレ
ート部7を後方押し出し成形で形成する。これにより異
形断面が連続する製品を容易に成形できる。しかも成形
品の組織が緻密になりかつ強度等が向上するので軽量化
でき、アルマイト処理も可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は自動2輪車のリヤ
フォーク用アーム部やフロントフォーク用ボトムケース
などのようなアルミ製パイプ状部材の成形に好適な製法
に関する。
【0002】実開平4−41486号には、自動2輪車
用リヤフォークのアルミ製アーム部を深絞り鍛造で先細
り状をなすように成形することが開示されている。
【従来の技術】
【0003】また、自動2輪車のアルミ製フロントフォ
ーク用ボトムケースの一般的な成形方法として、アルミ
ダイキャストまたはアルミ鋳造により全体を一回で成形
する一段法と、予め押し出し成形された筒部にステーな
どを溶接する二段法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記実開平
で示された鍛造方法は特殊なテーパー状をなすことが必
要になるなど深絞りできるための条件が極めて限定さ
れ、自由度の少ないものになる。
【0005】さらに、前記一段法では全長変更やステー
取付部の変更がある度に金型を新規に作成し直す必要が
あり、多品種少量生産には極めて不利である。そのうえ
表面が荒れるためアルマイト処理が困難になる。また、
二段法では成形原理が異なる複数の工程を必要とし、そ
のための工程及び部品点数も増大する。
【0006】しかも、溶接部において溶接する2部品を
重ねるから、この部分によって重量が増加する。また、
溶接部の強度や外観品質等を安定させるために厳格な工
程管理が要求されコストアップになる。そこで本願発明
は係る問題を解決するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る異形断面部を有するアルミ製部材の製
法は、長さ方向へ略一様な太さをなすストレート部と、
その先端側へ一体に延出してストレート部と異なる断面
に形成された異形先端部とを備えた長尺部材であって、
前記ストレート部には長さ方向へ延びて前記異形先端部
近傍で先端が止まる行き止まり状凹部が形成されたアル
ミ製部材の製法において、成形空間内へ必要量のアルミ
素材を投入し、このアルミ素材を第1のパンチ型でプレ
スすることにより、少なくとも一部に前記異形先端部の
外形部を有する一次成形品を前方押し出し成形する第1
の工程と、その後、この一次成形品を第2のパンチ型で
後方押し出しすることにより、前記行き止まり状凹部を
含むストレート部を異形先端部と一体に成形する第2の
工程とを備えたことを特徴とする。
【0008】ここで異形先端部のストレート部と異なる
異形断面とは、単に断面形状がストレート部と異なる場
合のみならず、パイプ径が太径から細径へ変化するよう
な断面係数が異なる場合も含むものとする。
【0009】また、ストレート部を一端を開放され他端
を閉じられた有底のパイプ状とし、行き止まり状凹部を
袋状の中空部にすることができる。このとき、前記異形
先端部は、少なくとも長さ方向一端側を中実にしたり、
外形のうち少なくとも一部が長さ方向へテーパー状に形
成されているテーパー部にすることができる。なお、こ
こで中実とは、成形時に軸方向へ延びる中空部が存在せ
ず、パイプ状になっていない状態をいう。また、パイプ
形状は円形断面や角形断面等任意である。
【0010】そのうえ、異形先端部をテーパー部にする
場合には、第1のパンチ型により前記テーパー部の外形
が略等しい一次成形品を形成し、続いて第2のパンチ型
により一次成形品をインパクトすることにより、テーパ
ー部と一体に中空のストレート部を形成するとともに、
テーパー部の少なくとも一部にストレート部の中空部と
連続する中空部を形成することができる。
【0011】さらに、第1の工程又は第2の工程もしく
は両方の工程において、パンチ方向に対して略直交する
方向へ突出する側方突出部を一体に形成させることもで
きる。
【0012】また、これらの製法において、ストレート
部を自動2輪車用リヤフォークのパイプ状をなすアーム
部とし、異形先端部の少なくとも一部が後輪の車軸を支
持するためのエンドピース部をなすようにもできる。
【0013】さらには、ストレート部を自動2輪車用フ
ロントフォークのパイプ状部材とし、異形先端部の少な
くとも一部が前記パイプ状部材の一端へ一体に形成され
て前輪の車軸を支持するための車軸支持部をなすように
もできる。
【0014】
【発明の効果】まず第1の工程において、成形空間へ必
要量のアルミ素材を投入し、第1のパンチ型でプレスす
ると、異形先端部が前押し出し成形され、続く第2の工
程では第1の工程で成形された一次成形品を第2のパン
チ型で後方押し出すると、行き止まり状凹部を含むスト
レート部が、異形先端部とは異なる断面でかつ長さ方向
にほぼ一様な太さで形成される。
【0015】したがって、ストレート部が長さ方向へ略
一様な太さで有底のパイプ状をなし異形先端部が中実状
又はテーパー状に変化するような、異形断面部が長さ方
向へ一体に連続して形成される長尺部材でも容易に成形
できる。
【0016】このため、ストレート部を自動2輪車にお
けるリヤフォークのアーム部又はフロントフォークのパ
イプ状部とし、異形先端部を同エンドピース又は前輪の
車軸支持部とすれば、これらの自動2輪車用部品を容易
に成形できる。
【0017】また、異形先端部がテーパー部として形成
され、その外形のうち少なくとも一部が長さ方向へテー
パー状をなしていても同様に成形できる。特に、テーパ
ー部が長い場合でも、第1のパンチ型により前記テーパ
ー部の外形が略等しい一次成形品を形成し、続いて第2
のパンチ型により一次成形品をインパクトすることによ
り、テーパー部の少なくとも一部にストレート部の中空
部と連続する中空部を形成することができる。
【0018】したがって、テーパー部の外形を第1の工
程で先に形成し、中空のパイプ部分を後から第2の工程
として分けて成形することにより、従来では困難であっ
たテーパー付きの長尺パイプ部材をパンチ型だけで成形
できるようになった。
【0019】さらに、第1の工程又は第2の工程もしく
は両方の工程において、パンチ方向に対して略直交する
方向へ突出する側方突出部を一体に形成し、側方突出部
を利用して長さ方向へ延びる補強リブや他部品の取付部
にすることもできる。
【0020】これら2回の加圧工程によって成型品の表
面を含む組織が緻密になり、アルマイト処理が可能にな
る。また、従来の鋳造法などと比べて強度や伸びが著し
く向上するため、薄肉化が可能になり、軽量化できる。
しかも、肉厚を漸次変化させたり、部分的に変化させる
などの肉厚変化が自由になる。
【0021】そのうえ全長を変更する場合は、アルミ素
材の投入量を調節し、かつ第1のパンチ型及び第2のパ
ンチ型を変更するだけで金型は共通使用できる場合が多
くなる。また側方突出部を設けると、本願発明の成形後
において側方突出部における部品の取付位置を変更する
だけで部品の取付を変更できるから、やはり金型を共通
に使用できる場合が多くなる。したがって生産性が高く
かつ多品種少量生産に適した経済的に有利な製法とな
る。
【0022】
【発明の実施の形態】図1乃至図3に基づいて自動2輪
車用リヤフォークのアーム部を製造するための第1の実
施形態を説明する。図1は製造工程を説明する図、図2
はこの製法により製造されたアーム部を用いたリヤフォ
ークの平面形状、図3はその右側面形状をそれぞれを示
す。
【0023】これらの図においてこのリヤフォークは、
左右に対をなして前後方向へ延びるアーム部1、2と、
それぞれの各前端部間を車幅方向に連結するクロスメン
バ部3を備える。クロスメンバ部3には前方へ突出する
一対のピボット連結部4が形成されている。
【0024】左右のアーム部1、2はアルミ製中空部材
であり、それぞれ中間部に屈曲部1a、2aを有する
が、この部分は以下に説明する中空部の成形後に屈曲形
成される。以後は右アーム部1について説明する。但し
左アーム部2もアーム部1と同様である。
【0025】右アーム部1は先端が行き止まりの底壁5
をなす行き止まり状凹部である袋状の中空部6を有する
ストレート部7と、そのさらに先端側(図右側、車体取
付時後方側)へ一体に形成された異形先端部である中実
のエンドピース部8が形成され、さらに底壁5の近傍か
つ前方側には側方突出部であるブレーキストッパ9が形
成されている。
【0026】エンドピース部8は従来のようなアーム部
の後端へ溶接された別体部品でなく、右アーム部1の本
体部と一体の延出部として形成され、上下のリブ10に
挟まれた平面部11には長穴12が前後方向へ長く形成
され、車軸(図示せず)を通してその前後位置を調節自
在に支持するようになっている。
【0027】車体内側へ突出するブレーキストッパ9は
従来別体で形成されて溶接されていたところを右アーム
部1のストレート部7と一体に形成され、かつ図3に示
すように間隔をとって上下2段に形成されている。
【0028】次に図1に基づいてこの右アーム部1の製
法を説明する。ABは第1の工程における成形前と後を
示し、Cに第2の工程を示す。なお、左アーム部2は構
造及び製法ともブレーキストッパ9を除いてほぼ右アー
ム部1と同様である。
【0029】まず、ABにおいて、使用する金型20は
右アーム部1の外形に相当する袋状の成形空間を有し、
この成形空間はパイプ状本体成形部21、成形段部22
及び23並びに成形面24及び側方凹部25を有する。
【0030】パイプ状本体成形部21はストレート形状
かつ行き止まり状をなし、成形段部22と23はそれぞ
れ底壁5とエンドピース部8における平面部11を形成
し、成形面24はリブ10を成形するための斜め状をな
し、側方凹部25はブレーキストッパ9を成形するた
め、パイプ状本体成形部21の軸方向に略直交して側方
へ食い込んでいる。
【0031】そこで、必要量のアルミ素材26を金型2
0内のパイプ状本体成形部21内へ投入し、ほぼ同寸で
嵌合する第1のパンチ型27でプレスすると、Bに示す
ような一次成形品28が前方押し出しで成形され、底壁
5、エンドピース部8、リブ10及び平面部11並びに
ブレーキストッパ9を含む部分が形成される。
【0032】続いてCに示す第2の工程において、第1
の工程における金型20内にある一次成形品28に対し
て第2のパンチ型29でインパクトする。この第2のパ
ンチ型29は中空部6にほぼ等しい形状であり、先端部
は成形段部22との間に底壁5を形成するための間隙を
なすようになっている。
【0033】この第2のパンチ型29によるインパクト
で、一次成形品28は後方押し出し成形され、内側に中
空部6を有するストレート部7が成形されてほぼ製品と
同様になる。但し、この段階ではエンドピース部8の平
面部11には長穴12は形成されていないので後から機
械加工で形成し、さらに右アーム部1全体も前記屈曲部
1aにおいて屈曲成形されて完成品になる。
【0034】このように本実施例の製法によれば、同一
の金型20を用いて第1の工程と第2の工程を併用でき
るので、従来のパイプ押し出し成形では不可能であった
ストレート部7やブレーキストッパ9を一体に有するパ
イプ状部材を容易に製造できる。しかも表面が押し出し
成形によって緻密になるのでアルマイト処理が可能にな
り、外観品質が向上する。
【0035】そのうえ、全体が第1の工程及び第2の工
程によって加圧成形されるため、従来の鋳造法などと比
べて強度や伸びが著しく向上して薄肉化が可能になり、
その結果全体をより軽量化できる。しかも、部分的な肉
厚変化が自由にできる。
【0036】しかも従来別体であったエンドピース部8
やブレーキストッパ9などの側方突出部を一体に形成で
きるから、成形後に溶接する工程が不要になり、かつ溶
接部が無くなるのでその分だけ軽量化でき、かつ外観も
向上する。そのうえ取付精度や強度を確保するための厳
格な工程管理をしなくて済むのでコストダウンを実現で
きる。
【0037】さらに、従来の一般的な鋳造で成形する場
合は断面形状がオープン形状にならざるを得ないことが
多く、本実施例と同一断面係数を得るには、肉厚を大き
くしたりリブを追加しなければならないため重量アップ
を招いていたが、本実施例によればこのような問題が解
決される。
【0038】また、右アーム部1は肉厚を漸次変化させ
たり、断面形状を丸、角、多角形並びに楕円など種々に
変形できる。
【0039】さらにまた、アーム部の全長を変更する場
合は、アルミ素材26の投入量を調節し、かつ第1のパ
ンチ型27及び第2のパンチ型29を変更すれば金型2
0は共通使用できる場合が多くなる。必要により金型2
0をスライドできるようにもできる。したがって生産性
が高くかつ多品種少量生産に適した経済的に優れた製法
になる。
【0040】図4は第1の実施形態と同様な自動2輪車
のリヤフォークを成形するための第2の実施形態におけ
る製法を示す図であり、Aとして図1と同様部位の断
面、BとしてA中に示したB−B線に沿う断面を同時に
示す図である。なお、本実施形態におけるリヤフォーク
は、エンドピース部を一部に形成した比較的長いテーパ
ー部をストレート部と連続一体に成形する点が異なるだ
けであり、他の構成は第1の実施形態と同様であるか
ら、共通する部分には同一符号を用いるものとする(以
下の図5の場合も同様)。
【0041】まず、第1の工程において、金型20は角
パイプ状をなすストレート部7とテーパー部15に相当
する成形空間を有し、ストレート部7に相当するパイプ
状本体成形部21へ嵌合された第1のパンチ型27によ
って、テーパー部15に相当する部分を成形するための
成形空間内に中実の一次成形品28が成形されている。
【0042】この一次成形品28は、外形及び長さがテ
ーパー部15とほぼ同一であり、上下各部がテーパー面
16になっており、その一端で第1のパンチ型27に接
する部分は接続部17をなし、後述する第2の工程でス
トレート部7と連続する。
【0043】また、一次成形品28のパンチ方向先端側
の略半分にエンドピース部8をなす平面部11やリブ1
0が成形され、かつ平面部11と接続部17の間が余肉
部18になっている。
【0044】続く第2の工程において、一次成形品28
の余肉部18を第2のパンチ型29でインパクトする。
このパンチ型29は、ストレート部7の内側空間である
袋状の中空部6に等しい形状をし、先端にテーパー部2
9aを形成してある。
【0045】これにより、第2のパンチ型29のテーパ
ー部29aが余肉部18内へ接続部17を越えてLなる
寸法だけ侵入するので、一次成形品28は後方押し出し
成形され、内側に中空部6を有するストレート部7が接
続部18から連続一体に成形され、かつテーパー部15
の長さ方向略中間部に底壁5が形成される。
【0046】したがって、ストレート部7の中空部6が
実質上テーパー部15の内側まで延長し、テーパー部1
5のストレート部7側略半分が中空のパイプ状部分にな
る。このため、異形先端部であるテーパー部15は、単
なるエンドピース部分だけでなく、パイプ状部分の一部
なすまでに比較的長く形成される。
【0047】このように、異形先端部として比較的長い
テーパー部15をストレート部7と連続一体に有するも
のであっても、テーパー部15とストレート部7に分け
て成形することにより、従来は困難であったパンチによ
る成形を比較的容易に行うことができる。
【0048】図5はテーパー部を第2の実施形態と若干
異ならせただけの第3の実施形態に関するものであり、
テーパー面16を上部片側だけに形成し、かつ第2のパ
ンチ型29のテーパー部29aもこれに対応させて上部
片側だけに設けた点を除き、前実施形態と同じ構成であ
り、このようにしても同様に成形できる。
【0049】図6は第4の実施形態である自動2輪車の
アルミ製フロントフォーク用ボトムケースの半断面図を
示し、図7はその製法を示す。このボトムケースのスト
レート部30は内側に一端から軸心方向に向かって行き
止まり状凹部である袋状の空間部31が形成され、図示
しない正立型フロントフォークのアウターチューブを嵌
合するようになっている。
【0050】空間部31の開口端32側は複数の段部3
3が形成され、端部32へ向かって間口が拡大するよう
になっている。また開口端32に近い部分の内周面には
シール部材を嵌合するリング溝34が機械加工で形成さ
れている。
【0051】この空間部31が形成されたストレート部
30の外周にはほぼ同じ長さで軸線方向へ延びる側方突
出部であるリブ35が一体に形成されている。このリブ
35の適宜位置に部品の取付穴36が形成されている。
【0052】ボトムケースの他端部は中実の異形先端部
である車軸支持部37が形成され、ここに車軸穴38と
車軸支持用ボルトの通し穴39がそれぞれ中実の車軸支
持部37の横断方向かつ互いに直交して形成されてい
る。通し穴39の形成部分は小径部40となっている。
【0053】中実の車軸支持部37の端部から軸心方向
へ延びて空間部31へ通じる割溝41が形成され、この
割溝41と連通する空間部31の底部に凹部42が形成
された底壁43になっている。
【0054】底壁43近傍のストレート部30外周部に
はリブ35と連続し、リブ35よりさらに大きく、かつ
ストレート部30の軸線方向に対し略直交して側方へ略
山形に突出する側方突出部である部品取付部44が形成
され、ここに部品取付穴45が設けられている。
【0055】図7は、このボトムケースの製法を示す図
であり、A及びBは第1の工程、C及びDは第2の工程
をそれぞれ示す。また、ACは成形前、BDは成形後の
状態をそれぞれ示す。
【0056】Aに明らかなように、金型50はボトムケ
ースの車軸支持部37側部分外形にほぼ等しい袋状の成
形空間51を有し、この成形空間は一端側に、車軸支持
部37の小径部40を成形するためのテーパー部52及
び小径行き止まり部53を備え、他端側が開口端54に
なっている。
【0057】まず、このA段階ではボトムケースを成形
するに必要な量だけ予め計測されたアルミ素材55を成
形空間51内へ投入する。続いて成形空間51の大径部
と略等しい第1のパンチ型56を開口端54から成形空
間51内へ押し込んでプレス成形する。
【0058】すると、アルミ素材55は第1のパンチ型
56によって成形空間51内の成形面へ押しつけられ、
Bに示す中実で先端側外形が車軸支持部37の外形をな
す一次成形品57になる。すなわち、第1のパンチ型5
6による前方押し出し成形で先端が小径部40をなして
車軸支持部37の外形相当部を有する一次成形品57が
プレス成形される。
【0059】続いて、この一次成形品57をCに示す別
の金型60へ投入する。この金型の成形空間には、パイ
プ状本体成形部61、リブ成形部62、側方突出部用成
形部63、車軸支持部用嵌合部64を備える。側方突出
部用成形部63は部品取付部44の成型用凹部をなす。
また一端は開口端65になっている。
【0060】この金型60は側方突出部用成形部63の
ような押し出し方向に対してアンダーカットになる部分
を有するため、リブ成形部62及び側方突出部用成形部
63等を挟むようにパイプ状本体成形部61の軸直交方
向から合わさる分割型をなす。ただし、このようなアン
ダーカット部分の無い全長で一様な形状の場合には単一
型にもできる。
【0061】次のDでは、ボトムケースの空間部31と
ほぼ等しい形状の第2のパンチ型66を開口端65から
挿入して一次成形品57をインパクトする。このとき第
2のパンチ型66の先端部には凹部42を成形するため
の階段状突部67も一体に形成されている。
【0062】また、図示を省略してあるが、第2のパン
チ型66の基部側には段部33のための大径部が階段状
に形成されている。
【0063】この第2のパンチ型66のインパクトによ
って、一次成形品57が後方押し出し成形され、パイプ
状本体成形部61と第2のパンチ型66の間隙にストレ
ート部30が形成される。同時に、リブ成形部62や側
方突出部成形部63にもアルミ素材が入り込むため、リ
ブ35や部品取付部44が一体に形成される。
【0064】また、階段状突部67による凹部42が前
方押し出し成形され、かつ図示しないが開口端65側に
も段部33を形成するための端部へ向かって肉厚を漸減
するよう部分的に薄肉成形される。なお、本実施例では
車軸支持部用嵌合部64が成形に関与する面になってい
ないが、必要によっては多少の凹凸などの適宜形状をス
トレート部30の成形と同時に前方押し出し成形できる
ように構成してもよい。
【0065】続いて、第2のパンチ型66を後退させ、
かつ金型60を開いて成型品を脱型するとほぼボトムケ
ースの完成品に近いものが得られる。その後、ボトムケ
ースの開口端32側、リング溝34、車軸穴38、通し
穴39及び割溝41等を機械加工すれば完成品となる。
【0066】このように本実施形態の製法によれば、前
記第1の実施形態と同様な効果が得られるばかりでな
く、本製法の第2工程では後方押し出しのみならず前方
押し出しを伴う複合的な成形が可能になり、より複雑な
形状の成形が可能になる。
【0067】また、リブ35は補強のみならず部品の取
付部として役立ち、しかもボトムケースに取付けられる
他部品の取付位置を変更する場合、リブ35の新たな取
付対象位置に取付穴36を形成すれば容易に変更できる
ので、金型を共通に使用できる場合が多くなる。したが
って、生産性が高くかつ多品種少量生産に適した経済的
に優れた製法になる。
【0068】なお、本願発明は前記実施例に限定されず
種々に応用可能であり、例えばこの製法で成形可能な部
材は前記以外の種々な用途のものが対象になる。そのう
え成形対象の形状は、ストレート部がパイプ状に限ら
ず、コ字状断面などオープンな断面形状や、さらにはT
字状、H字状もしくはI字状断面のものなども成形可能
である。この場合、オープン形状の断面をなす凹部がス
トレート部の長さ方向へ形成されるので、この凹部が本
願発明における行き止まり状凹部になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の製法を工程別に示す断面図
【図2】 第1の実施形態で得られたアーム部を用いた
リヤフォークの平面図
【図3】 同上の右側面図
【図4】 第2の実施形態の製法を工程別に示す断面図
【図5】 第3の実施形態の製法を工程別に示す断面図
【図6】 第4の実施形態の製法で得られたボトムケー
スの一部切欠き側面図
【図7】 第4の実施形態の製法を工程別に示す図
【符号の説明】
1:右アーム部、5:底壁、6:空間部、7:ストレー
ト部、8:エンドピース部、9:ブレーキストッパ、2
0:金型、21:成形空間、22:成形段部、23:成
形段部、24:成形面、25:側方凹部、26:アルミ
素材、27:第1のパンチ型、28:一次成形品、2
9:第2のパンチ型、30:ストレート部、31:空間
部、37:車軸支持部、44:部品取付部、50:金
型、57:一次成形品、60:金型、66:第2のパン
チ型

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向へ略一様な太さをなすストレー
    ト部と、その先端側へ一体に延出してストレート部と異
    なる断面に形成された異形先端部とを備えた長尺部材で
    あって、前記ストレート部には長さ方向へ延びて前記異
    形先端部近傍で先端が止まる行き止まり状凹部が形成さ
    れたアルミ製部材の製法において、成形空間内へ必要量
    のアルミ素材を投入し、このアルミ素材を第1のパンチ
    型でプレスすることにより、少なくとも一部に前記異形
    先端部の外形部を有する一次成形品を前方押し出し成形
    する第1の工程と、その後、この一次成形品を第2のパ
    ンチ型で後方押し出しすることにより、前記行き止まり
    状凹部を含むストレート部を異形先端部と一体に成形す
    る第2の工程と、を備えたことを特徴とする異形断面部
    を有するアルミ製部材の製法。
  2. 【請求項2】 ストレート部が一端を開放され他端を閉
    じられた有底のパイプ状をなし、行き止まり状凹部が袋
    状の中空部であるとともに、前記異形先端部の少なくと
    も長さ方向一端側が中実に形成されていることを特徴と
    する請求項1記載の異形断面部を有するアルミ製部材の
    製法。
  3. 【請求項3】 ストレート部が一端を開放され他端を閉
    じられた有底のパイプ状をなし、行き止まり状凹部が袋
    状の中空部であるとともに、前記異形先端部はその外形
    のうち少なくとも一部が長さ方向へテーパー状に形成さ
    れているテーパー部をなすことを特徴とする請求項1記
    載の異形断面部を有するアルミ製部材の製法。
  4. 【請求項4】 第1のパンチ型により前記テーパー部の
    外形が略等しい一次成形品を形成し、続いて第2のパン
    チ型により一次成形品をインパクトすることにより、テ
    ーパー部と一体に中空のストレート部を形成するととも
    に、テーパー部の少なくとも一部にストレート部の中空
    部と連続する中空部を形成したことを特徴とする請求項
    3記載の異形断面部を有するアルミ製部材の製法。
  5. 【請求項5】 第1の工程又は第2の工程もしくは両方
    の工程において、パンチ方向に対して略直交する方向へ
    突出する側方突出部を一体に形成することを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれかに記載した異形断面部を有す
    るアルミ製部材の製法。
  6. 【請求項6】 ストレート部が自動2輪車用リヤフォー
    クのパイプ状をなすアーム部であり、異形先端部の少な
    くとも一部が後輪の車軸を支持するためのエンドピース
    部であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに
    記載した異形断面部を有するアルミ製部材の製法。
  7. 【請求項7】 ストレート部が自動2輪車用フロントフ
    ォークのパイプ状部材であり、異形先端部の少なくとも
    一部が車軸を支持するために前記パイプ状部材の一端へ
    一体に形成された前輪の車軸支持部であることを特徴と
    する請求項2乃至5のいずれかに記載した異形断面部を
    有するアルミ製部材の製法。
JP2572496A 1995-02-13 1996-02-13 異形断面部を有するアルミ製部材の製法 Pending JPH08282567A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015058464A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 昭和電工株式会社 鍛造装置

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JP2015058464A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 昭和電工株式会社 鍛造装置

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