JPH0828227A - エンジンのオートデコンプ装置 - Google Patents

エンジンのオートデコンプ装置

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JPH0828227A
JPH0828227A JP6160317A JP16031794A JPH0828227A JP H0828227 A JPH0828227 A JP H0828227A JP 6160317 A JP6160317 A JP 6160317A JP 16031794 A JP16031794 A JP 16031794A JP H0828227 A JPH0828227 A JP H0828227A
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cam
decompression
valve
engine
camshaft
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行雄 石内
Hiroyuki Kakinuma
弘之 柿沼
Yuji Ono
雄司 小野
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L13/00Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations
    • F01L13/08Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations for decompression, e.g. during starting; for changing compression ratio

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Abstract

(57)【要約】 【目的】エンジンの圧縮行程時にカム面を動弁カムのベ
ース円部よりも突出させて排気弁あるいは吸気弁を強制
開弁させる強制開弁位置と、エンジン回転数が比較的高
い状態で重錘部に作用する遠心力によりカム面を前記ば
ねのばね力に抗して動弁カムのベース円部よりも内方側
に退避させる退避位置との間での移動を可能として、デ
コンプカムが動弁カムに隣接してカムシャフトに支承さ
れるエンジンのオートデコンプ装置において、デコンプ
カムおよびカムシャフト間にオイルが停滞することを回
避し、低温始動時にも円滑なデコンプ作用を発揮させ
る。 【構成】デコンプカム42の内周面の周方向に間隔をあ
けた複数個所には、カムシャフト19の軸線に直交する
平面内でのデコンプカム42の移動範囲を規制する複数
の突部51〜54を相互間に形成する凹部46〜49が
設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排気弁あるいは吸気弁
に連動、連結されたカムフォロアを従動させる動弁カム
が設けられるカムシャフトと;動弁カムに隣接してカム
シャフトを囲繞するリング状に形成されるとともに動弁
カムのベース円部に対応する位置で前記カムフォロアに
当接可能なカム面、ならびに前記カムフォロアとの当接
を回避する形状に形成されて前記カムシャフトの軸線に
関してカム面とはほぼ反対側に配置される重錘部とを有
するデコンプカムと;該デコンプカムをそのカム面が動
弁カムのベース円部から突出する方向に付勢してカムシ
ャフトおよびデコンプカム間に縮設されるばねと;を備
え、デコンプカムは、エンジンの圧縮行程時に前記カム
面を動弁カムのベース円部よりも突出させて排気弁ある
いは吸気弁を強制開弁させる強制開弁位置と、エンジン
回転数が比較的高い状態で前記重錘部に作用する遠心力
によりカム面を前記ばねのばね力に抗して動弁カムのベ
ース円部よりも内方側に退避させる退避位置との間での
移動を可能として、カムシャフトに支承されるエンジン
のオートデコンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる装置は、たとえば特公平3
−39167号公報等により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
リング状に形成されるデコンプカムにカムシャフトの外
径よりもわずかに大きな内径を有する嵌合孔が設けられ
ており、カムシャフトが該嵌合孔に遊嵌されることによ
り、強制開弁位置と退避位置との間でのデコンプカムの
移動が可能とされている。しかるに、カムシャフトおよ
びデコンプカム間には、その全周にわたって比較的小さ
な間隙しかあいておらず、エンジンの停止時にオイルが
前記間隙に停滞し、気温の低下とともに停滞したオイル
の粘性が高められる。このため、低温状態でのエンジン
の始動時にはオイルの粘性抵抗によりデコンプカムの作
動が不円滑となることがある。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、デコンプカムおよびカムシャフト間にオイル
が停滞することを回避し、低温始動時にも円滑なデコン
プ作用を発揮するようにしたエンジンのオートデコンプ
装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、排気弁あるいは吸気弁に連
動、連結されたカムフォロアを従動させる動弁カムが設
けられるカムシャフトと;動弁カムに隣接してカムシャ
フトを囲繞するリング状に形成されるとともに動弁カム
のベース円部に対応する位置で前記カムフォロアに当接
可能なカム面、ならびに前記カムフォロアとの当接を回
避する形状に形成されて前記カムシャフトの軸線に関し
てカム面とはほぼ反対側に配置される重錘部とを有する
デコンプカムと;該デコンプカムをそのカム面が動弁カ
ムのベース円部から突出する方向に付勢してカムシャフ
トおよびデコンプカム間に縮設されるばねと;を備え、
デコンプカムは、エンジンの圧縮行程時に前記カム面を
動弁カムのベース円部よりも突出させて排気弁あるいは
吸気弁を強制開弁させる強制開弁位置と、エンジン回転
数が比較的高い状態で前記重錘部に作用する遠心力によ
りカム面を前記ばねのばね力に抗して動弁カムのベース
円部よりも内方側に退避させる退避位置との間での移動
を可能として、カムシャフトに支承されるエンジンのオ
ートデコンプ装置において、デコンプカムの内周面の周
方向に間隔をあけた複数個所には、カムシャフトの軸線
に直交する平面内でのデコンプカムの移動範囲を規制す
る複数の突部を相互間に形成する凹部が設けられること
を特徴とする。
【0006】また請求項2記載の発明によれば、上記請
求項1記載の発明の構成に加えて、カムシャフトの軸線
に沿う少なくとも一端側でデコンプカムの凹部が外部に
開放される。
【0007】さらに請求項3記載の発明によれば、上記
請求項2記載の発明の構成に加えて、デコンプカムは、
動弁カムと、エンジン本体に設けられる支持部およびカ
ムシャフト間に介装される軸受とで軸方向の移動を規制
されてカムシャフトに支承され、動弁カムおよび軸受間
にわたって形成される重錘部には、該重錘部の内周面に
設けられる凹部に内端を通じさせるとともに外端を重錘
部の外周面に開口させたオイル排出路が設けられる。
【0008】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明する。
【0009】図1ないし図7は本発明の一実施例を示す
ものであり、図1はエンジンの要部縦断面図、図2は図
1の2−2線拡大断面図、図3はエンジン運転中での図
2の3−3線に沿う拡大断面図、図4は図3の4−4線
断面図、図5はデコンプカムの斜視図、図6はエンジン
始動直後の図3に対応する断面図、図7はエンジン始動
時であって図6の状態から回転が進行した状態での図6
に対応する断面図である。
【0010】先ず図1および図2において、このエンジ
ンは単気筒エンジンであり、そのエンジン本体5は、ク
ランクケース6と、クランクケース6上に結合されるシ
リンダブロック7と、シリンダブロック7上に結合され
るシリンダヘッド8とで構成され、クランクケース6内
に延びてシリンダブロック7に結合されたスリーブ9に
摺動自在に嵌合されるピストン10と、シリンダヘッド
8との間には燃焼室11が形成される。而してシリンダ
ヘッド8には燃焼室11の天井面に臨む排気弁口12
と、該排気弁口12に連なる排気ポート13と、図示は
しないが前記天井面に臨む吸気弁口ならびに該吸気弁口
に連なる吸気ポートとが設けられる。
【0011】シリンダヘッド8には、排気弁口12を開
閉可能な排気弁14の開閉作動を案内するガイド筒15
が嵌合、固定され、ガイド筒15から突出した排気弁1
4の上端に設けられるリテーナ16と、シリンダヘッド
8との間には、排気弁14を上方すなわち閉弁方向に付
勢する弁ばね17が縮設される。
【0012】クランクケース6内には、ピストン10に
コンロッド18を介して連結されるクランクシャフト
(図示せず)と平行な軸線を有するカムシャフト19が
収納さており、クランクケース6に設けられた一対の支
持部20,21に軸受22,23を介してカムシャフト
19が回転自在に支承される。しかも一方の支持部20
から突出したカムシャフト19の端部にはスプロケット
ホイル24が固設されており、上記クランクシャフトか
らの回転動力が該スプロケットホイル24に巻掛けられ
るチェーン25を介してカムシャフト19に1/2の減
速比で伝達される。また両支持部20,21間でカムシ
ャフト19には、排気側動弁カム26および吸気側動弁
カム27が軸方向に間隔をあけて一体に固設される。
【0013】排気側動弁カム26に対応する部分で、ク
ランクケース6にはカムシャフト19の軸線と直交する
方向に延びる案内孔28が設けられており、排気側動弁
カム26に当接するカムフォロアとしてのタペット29
が該案内孔28に摺動自在に嵌合される。またクランク
ケース6、シリンダブロック7およびシリンダヘッド8
には、前記案内孔28に連なる貫通孔30が設けられて
おり、軸方向移動可能として該貫通孔30に収納される
プッシュロッド31の下端に固設されるボール32がタ
ペット29に当接される。またシリンダヘッド8に固設
されたロッカアーム軸33で揺動可能に支承されるロッ
カアーム34の一端には前記プッシュロッド31の上端
に固設されるボール35が当接され、進退位置を調整可
能としてロッカアーム34の他端に螺合されるタペット
ねじ36が排気弁14の上端に当接される。
【0014】図3を併せて参照して、排気側動弁カム2
6は、カムシャフト19の軸線からの距離を同一したベ
ース円部26aと、該ベース円部26aよりも半径方向
外方に張出した高位部26bとを外周に有するものであ
り、タペット29がベース円部26aに当接されている
状態では排気弁14は閉弁状態にあるが、タペット29
が高位部26bに当接して案内孔28内を上方に摺動す
ると、プッシュロッド31はタペットねじ36によって
排気弁14を開弁作動せしめる側にロッカアーム34を
揺動作動せしめることになる。
【0015】吸気側動弁カム27に対応する部分で、ク
ランクケース6にはカムシャフト19の軸線と直交する
方向に延びる案内孔37が設けられており、吸気側動弁
カム27に当接するタペット38が該案内孔37に摺動
自在に嵌合される。また上下に延びるプッシュロッド3
9の下端に固設されるボール40がタペット38に当接
され、該プッシュロッド39の上端は、排気弁14と同
様にして、図示しないロッカアームを介して吸気弁に連
動、連結される。
【0016】軸受22と排気側動弁カム26との間でカ
ムシャフト19には、該カムシャフト19を囲繞するリ
ング状に形成されたデコンプカム42が支承され、該デ
コンプカム42およびカムシャフト19間にはばね43
が縮設される。
【0017】図4および図5を併せて参照して、デコン
プカム42は、排気側動弁カム26寄りの部分で比較的
狭い幅を有してカムシャフト19をほぼ半周にわたって
囲む円弧部42aと、排気側動弁カム26および軸受2
2間にわたる比較的広い幅を有してカムシャフト19の
残余の略半周を囲むとともに前記円弧部42aの周方向
両端に連設される重錘部42bと、軸受22側に向けて
円弧部42aから延設される一対の支持腕部42c,4
2cとを備える。
【0018】デコンプカム42に隣接する排気側動弁カ
ム26のベース円部26aに対応する部分で円弧部42
aの外周にはタペット29に当接可能なカム面44が設
けられ、円弧部42aのカム面44を含む外周面は排気
側動弁カム26のベース円部26aにほぼ対応した形状
に形成され、重錘部42bの排気側動弁カム26寄りの
部分の外周面は、排気側動弁カム26の高位部26bに
ほぼ対応するが該高位部26bよりも外方に突出するこ
とのない形状、すなわちタペット29への当接を回避し
得る形状に形成される。さらに重錘部42bの軸受22
寄りの部分の外周面は、クランクケース6の支持部20
への当接を回避し得る形状に形成され、したがって重錘
部42bは、排気側動弁カム26および軸受22間の略
中央部が両側よりも外方に突出した形状に形成される。
【0019】このデコンプカム42の内周面の周方向に
間隔をあけた複数たとえば4個所には、カムシャフト1
9の回転方向45に沿って順に凹部46,47,48,
49が設けられ、凹部46,47間、凹部47,48
間、凹部48,49間、ならびに凹部49,46間には
突部51,52,53,54がそれぞれ形成される。而
して各突部51〜54は、カムシャフト19の外径より
もわずかに大きな直径を有する仮想円上に先端がそれぞ
れ位置するようにして形成され、これにより、カムシャ
フト19の軸線に直交する平面内でのデコンプカム42
の移動範囲が、各突部51〜54のカムシャフト19へ
の当接により規制されることになる。
【0020】凹部46,47は、デコンプカム42の円
弧部42aにカムシャフト19の軸線に沿う両端間にわ
たって設けられる。而してデコンプカム42を排気側動
弁カム26および軸受22間に配置した状態で、凹部4
6,47の排気側動弁カム26側の端部は該排気側動弁
カム26で閉鎖された状態となるが、凹部46,47の
軸受22側の端部は、円弧部42aが排気側動弁カム2
6寄りで比較的狭い幅を有するものであるので、軸受2
2および円弧部42a間の空間に開放されることにな
る。
【0021】一対の支持腕部42c,42cは、両凹部
46,47間に形成される突部51を相互間に挟む位置
で円弧部42aに連設されて、カムシャフト19の軸線
と平行に延び、両支持腕部42c,42cの軸受22側
の先端には、前記各突部51〜54の先端を規制する仮
想円と同一径の仮想円に沿うようにして支持突部55,
55が設けられる。しかも前記突部51は、デコンプカ
ム42の回転方向45への回転に応じてタペット29に
対応する部分をカム面44が通過した後に、タペット2
9に対応する部分を前記突部51が通過するようにし
て、デコンプカム42の周方向に沿ってカム面44とは
間隔をあけた位置で円弧部42aに形成される。
【0022】また凹部48,49は、デコンプカム42
の重錘部42bにおいて、カムシャフト19の軸線に沿
う幅が円弧部42aよりも大きいがデコンプカム42を
排気側動弁カム26および軸受22間に配置した状態で
軸受22との間に空間が生じる部分に設けられるもので
あり、それらの凹部48,49の排気側動弁カム26側
の端部は該排気側動弁カム26で閉鎖された状態となる
が、軸受22側の端部は軸受22とデコンプカム42と
の間の空間に開放された状態となる。しかも重錘部42
bの排気側動弁カム26への対向面には、内端を凹部4
8,49に通じさせるとともに外端を重錘部42bの外
周面に開口させる溝状のオイル排出路62,63が設け
られる。
【0023】而してカムシャフト19の軸線に関して円
弧部42a側の突部51とほぼ反対側に位置するように
して突部53が両凹部48,49間に形成され、該突部
53には、その突部53を回転方向45の前後2つの部
分53a,53bに分ける支持凹部56が、カムシャフ
ト19の軸方向に沿う両端間にわたって設けられる。一
方、カムシャフト19には、前記支持凹部54の幅より
もわずかに小さい外径を有する支持ピン57がカムシャ
フト19の軸線と直交する軸線を有するようにして植設
され、該支持ピン57の先端部が支持凹部56に遊嵌さ
れる。これによりデコンプカム42は、支持ピン57の
軸線に沿う方向すなわちカムシャフト19の軸線と直交
する方向の移動を可能とするとともに、支持ピン57が
支持凹部54の両側面で規制される範囲でのカムシャフ
ト19に対する相対回動が可能である。
【0024】ところで、支持凹部56の両端は排気側動
弁カム26および軸受22でほぼ閉塞されるものであ
り、支持凹部56内に滞留したオイルの排出を円滑に行
なうために、重錘部42bの排気側動弁カム26への対
向面には、支持凹部56の一端に内端を通じさせるとと
もに外端を外部に開放したオイル排出溝64が設けら
れ、重錘部42bの軸受22への対向面には、支持凹部
56の他端に内端を通じさせるとともに外端を外部に開
放したオイル排出溝65が設けられる。
【0025】一方、円弧部42a側の突部51には、そ
の突部51を回転方向45の前後2つの部分51a,5
1bに分ける嵌合凹部58が、カムシャフト19の軸方
向に沿う両端間にわたって設けられる。カムシャフト1
9には、前記嵌合凹部58に嵌合する小径嵌合部59a
をカムシャフト19の外面から突出させるようにして規
制ピン59が植設される。また突部51における2つの
部分51a,51bのうちカム面44側の部分51a
と、嵌合凹部58との連設部には、嵌合凹部58から脱
出した規制ピン59の小径嵌合部59aを係合させ得る
係合段部60が設けられる。
【0026】ばね43は、カムシャフト19に設けられ
たばね受け凹部61の閉塞端と凹部46との間に縮設さ
れるものであり、このばね43のばね力により、デコン
プカム42は、そのカム面44を排気側動弁カム26の
ベース円部26aよりも突出してタペット29に当接さ
せる方向に付勢される。
【0027】このようなデコンプカム42は、エンジン
停止時には、ばね43のばね力によりカム面44を排気
側動弁カム26のベース円部26aよりも突出させた強
制開弁準備位置に在る。この状態でエンジンを始動させ
ると、カムシャフト19の回転方向45への回転に応じ
てデコンプカム42も回転するが、その始動直後の1回
目の圧縮行程では、図6で示すように、排気側動弁カム
26のベース円部26aよりも突出しているデコンプカ
ム42のカム44にタペット29が当接し、タペット2
9側からの反力が作用することによりデコンプカム42
は、図7で示すように、カムシャフト19に対して相対
回動し、規制ピン59の小径嵌合部59aを係合段部6
0に係合させた強制開弁位置となる。
【0028】その後、カムシャフト19がさらに回転す
ると、デコンプカム42の強制開弁位置が規制ピン59
の前記係合段部60への係合によって保持されることに
より、ベース円部26aよりも突出した状態に在るカム
面44でプッシュロッド31が押され、排気弁14が強
制的に開弁され、燃焼室11内の圧縮圧力が減圧される
ことになる。
【0029】その後、タペット29をカム面44が通過
すると、タペット29により押されてデコンプカム42
は再び図6で示す状態へと戻り、カムシャフト19の回
転数が増加することにより重錘部42bに作用する遠心
力がばね43のばね力に打ち勝つことによってデコンプ
カム42は、図3で示したように、規制ピン59の小径
嵌合部59aを嵌合凹部58に嵌合させる位置、すなわ
ちカム面44を排気側動弁カム26のベース円部26a
よりも内方に退避されせた退避位置に戻り、エンジン始
動後の通常運転中には、デコンプカム42が退避位置に
保持されることになり、排気弁14は排気側動弁カム2
6のカムプロフィルで規定される作動特性で開閉駆動さ
れることになる。
【0030】次にこの実施例の作用について説明する
と、デコンプカム42の内周面の周方向に間隔をあけた
複数たとえば4個所には、カムシャフト19の軸線に直
交する平面内でのデコンプカム42の移動範囲を規制す
る突部51〜54を相互間に形成する凹部46〜49が
設けられており、カムシャフト19およびデコンプカム
42との間に生じる間隙は、各突部51〜54に対応す
る部分を除くと比較的大きくなる。このため、カムシャ
フト19およびデコンプカム42間の全周にわたってオ
イルが滞留することが極力防止される。しかも各凹部4
6〜49の軸受22側の端部はいずれも外部に開放され
るものであり、その開放端部からのオイルの排出が可能
であるので、各凹部46〜49へのオイルの滞留がより
効果的に防止される。
【0031】このため、エンジンの再始動時に、オイル
を介してカムシャフト19にデコンプカム42が貼り付
くことが回避される。しかもオイル滞留を防止すること
により、カムシャフト19およびデコンプカム42間の
間隙の容積が強制開弁位置から退避位置へのデコンプカ
ム42の移動によって増減することに伴うオイルのポン
プ作用が生じることも回避し、デコンプカム42の作動
をより円滑とすることができる。したがって、セルスタ
ータあるいはリコイルスタータ等の始動装置の簡素化お
よび小型化を図ることが可能となる。
【0032】またデコンプカム42の重錘部42bは、
カムシャフト19の軸線に沿う幅を比較的大きくして形
成されるものであり、その重錘部42bに設けられる凹
部48,49は、軸受22側の端部を外部に開放しては
いるものの比較的長いものである。しかるに排気側動弁
カム26側で重錘部42bには凹部48,49を外部に
開放させるオイル排出路62,63が設けられているの
で、比較長い凹部48,49からのオイル排出をより効
果的にすることができる。
【0033】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0034】たとえば、吸気側動弁カム27に隣接して
配設されたデコンプカム42で、吸気弁を圧縮行程で強
制的に開弁せしめるようにオートデコンプ装置に本発明
を適用することも可能であり、また排気弁14あるいは
吸気弁に連動、連結されるロッカアームがカムフォロア
としてデコンプカム42に当接されるようにしたもので
あってもよい。
【0035】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、デコンプカムの内周面の周方向に間隔をあけた複数
個所には、カムシャフトの軸線に直交する平面内でのデ
コンプカムの移動範囲を規制する複数の突部を相互間に
形成する凹部が設けられるので、カムシャフトおよびデ
コンプカム間に生じる間隙を比較的大きくしてオイルの
滞留を極力防止し、低温始動時に円滑なデコンプ作用を
発揮せしめることができる。
【0036】また請求項2記載の発明によれば、上記請
求項1記載の発明の構成に加えて、カムシャフトの軸線
に沿う少なくとも一端側でデコンプカムの凹部が外部に
開放されるので、各凹部からのオイルの排出を促し、オ
イルの滞留をより効果的に防止することができる。
【0037】さらに請求項3記載の発明によれば、上記
請求項2記載の発明の構成に加えて、デコンプカムは、
動弁カムと、エンジン本体に設けられる支持部およびカ
ムシャフト間に介装される軸受とで軸方向の移動を規制
されてカムシャフトに支承され、動弁カムおよび軸受間
にわたって形成される重錘部には、該重錘部の内周面に
設けられる凹部に内端を通じさせるとともに外端を重錘
部の外周面に開口させたオイル排出路が設けられるの
で、重錘部に設けられる凹部の端部が動弁カムあるいは
軸受で閉鎖されていてもオイルをオイル排出路から効果
的に排出可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの要部縦断面図である。
【図2】図1の2−2線拡大断面図である。
【図3】エンジン運転中での図2の3−3線に沿う拡大
断面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】デコンプカムの斜視図である。
【図6】エンジン始動直後の図3に対応する断面図であ
る。
【図7】エンジン始動時であって図6の状態から回転が
進行した状態での図6に対応する断面図である。
【符号の説明】
5・・・エンジン本体 14・・・排気弁 19・・・カムシャフト 20・・・支持部 22・・・軸受 26・・・排気側動弁カム 26a・・・ベース円部 29・・・カムフォロアとしてのタペット 42・・・デコンプカム 42b・・・重錘部 43・・・ばね 44・・・カム面 46〜49・・・凹部 51〜54・・・突部 62,63・・・オイル排出路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気弁(14)あるいは吸気弁に連動、
    連結されたカムフォロア(29)を従動させる動弁カム
    (26)が設けられるカムシャフト(19)と;動弁カ
    ム(26)に隣接してカムシャフト(19)を囲繞する
    リング状に形成されるとともに動弁カム(26)のベー
    ス円部(26a)に対応する位置で前記カムフォロア
    (29)に当接可能なカム面(44)、ならびに前記カ
    ムフォロア(29)との当接を回避する形状に形成され
    て前記カムシャフト(19)の軸線に関してカム面(4
    4)とはほぼ反対側に配置される重錘部(42b)とを
    有するデコンプカム(42)と;該デコンプカム(4
    2)をそのカム面(44)が動弁カム(26)のベース
    円部(26a)から突出する方向に付勢してカムシャフ
    ト(19)およびデコンプカム(42)間に縮設される
    ばね(43)と;を備え、デコンプカム(42)は、エ
    ンジンの圧縮行程時に前記カム面(44)を動弁カム
    (26)のベース円部(26a)よりも突出させて排気
    弁(14)あるいは吸気弁を強制開弁させる強制開弁位
    置と、エンジン回転数が比較的高い状態で前記重錘部
    (42b)に作用する遠心力によりカム面(44)を前
    記ばね(43)のばね力に抗して動弁カム(26)のベ
    ース円部(26a)よりも内方側に退避させる退避位置
    との間での移動を可能として、カムシャフト(19)に
    支承されるエンジンのオートデコンプ装置において、デ
    コンプカム(42)の内周面の周方向に間隔をあけた複
    数個所には、カムシャフト(19)の軸線に直交する平
    面内でのデコンプカム(42)の移動範囲を規制する複
    数の突部(51〜54)を相互間に形成する凹部(46
    〜49)が設けられることを特徴とするエンジンのオー
    トデコンプ装置。
  2. 【請求項2】 カムシャフト(19)の軸線に沿う少な
    くとも一端側でデコンプカム(42)の凹部(46〜4
    9)が外部に開放されることを特徴とする請求項1記載
    のエンジンのオートデコンプ装置。
  3. 【請求項3】 デコンプカム(42)は、動弁カム(2
    6)と、エンジン本体(5)に設けられる支持部(2
    0)およびカムシャフト(19)間に介装される軸受
    (22)とで軸方向の移動を規制されてカムシャフト
    (19)に支承され、動弁カム(19)および軸受(2
    2)間にわたって形成される重錘部(42b)には、該
    重錘部(42b)の内周面に設けられる凹部(48,4
    9)に内端を通じさせるとともに外端を重錘部(42
    b)の外周面に開口させたオイル排出路(62,63)
    が設けられることを特徴とする請求項1記載のエンジン
    のオートデコンプ装置。
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