JPH0828220B2 - 電 池 - Google Patents

電 池

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JPH0828220B2
JPH0828220B2 JP61287615A JP28761586A JPH0828220B2 JP H0828220 B2 JPH0828220 B2 JP H0828220B2 JP 61287615 A JP61287615 A JP 61287615A JP 28761586 A JP28761586 A JP 28761586A JP H0828220 B2 JPH0828220 B2 JP H0828220B2
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俊勝 佐田
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子電導性を有する高分子化合物が層状に
分布する膜状高分子を二つの電極の間に存在させて構成
した電池に関し、軽量で高性能の電池を提供するもので
ある。
〔従来技術〕
従来から数多くの一次電池、二次電池が開発され工業
化され、更に新しい電池が次々と開発されている。これ
らの電池は、その使用目的に応じてその機能を果してい
る。しかし、電源を必要とする電気製品の多様化ととも
に、電池に対する要求も多様化し、各種の電池が開発さ
れている。
〔発明の構成〕
本発明者らも、上記の電池に対する多様化に鑑み、新
たな機能を求めて鋭意研究した。その結果、電子電導性
を有する高分子化合物が存在する層と該高分子化合物が
実質的に存在しない層とを有する高分子が高い起電力を
発生する知見に基づき、該膜状高分子体に陽極および陰
極を付与して構成することにより、軽量で高機能を有す
る本発明を完成したものである。即ち、本発明は、陽極
と陰極との間に膜状高分子体を介在させた電池であっ
て、該膜状高分子体は、電子電導性を有する高分子化合
物が存在する層と該高分子化合物が存在しない層とより
なり、少なくとも電子導電性を有する高分子化合物が存
在しない層はイオン交換基のうちより選ばれる少なくと
も一種の親水性基を有することを特徴とする電池であ
る。
本発明の電子電導性を有する高分子化合物としては、
従来公知の電子電導性を示す高分子化合物が用いられ
る。このような電子電導性を有する高分子化合物とし
て、具体的にはピロール及びその誘導体、例えばN−メ
チルピロール,2−エチルピロールなどのN−アルキルピ
ロール類、チオフエン及び3−アルキルチオフエンなど
のチオフエン誘導体、イソチアナフテン及びその誘導
体、インドール,アズレン,フラン,アニリン,フエノ
ール,ベンゼン,ナフタリン,フエニレンジアミン類等
のそれぞれの誘導体、アセチレンの単量体化合物の重合
体が挙げられる。特に、ピロール,インドール,チオフ
エン,アニリン,フラン,アセチレン及びそれらの誘導
体などの重合体が好ましく、その単量体が本発明の基体
として用いる膜状高分子体と親和性の良好なものを適宜
選択して用いられる。
また、本発明の基体である膜状高分子体としては、イ
オン交換基を有するか、後処理によりイオン交換基の導
入が可能であれば特に制限されないが後述する製法の面
から、上記した如き電子電導性を有する高分子化合物の
単量体化合物(以下、単に電子電導性を有する化合物と
もいう)と親和性を有する親水性の膜状高分子体が好ま
しい。このような電子電導性を有する化合物と親和性を
有する膜状高分子体としては、例えば陽イオン交換基又
は陰イオン交換基を有する膜状高分子体、水酸基を有す
る膜状高分子体などが特に好ましく用いられる。
上記のイオン交換基を有する膜状高分子体(以下、単
にイオン交換膜体ともいう)としては、従来公知である
所謂スチレン−ジビニルベンゼン系共重合体などの重合
系、あるいは縮合系の重合体に陽イオン交換基及び/ま
たは陰イオン交換基が結合したものである。このような
イオン交換膜としては、従来公知の均一系、不均一系の
イオン交換膜を用いることもでき、また該イオン交換膜
の基体として炭化水素系のもの、ふっ化炭素系のもの、
パーフルオロカーボン系のものの如何に関係なく好適に
用いられる。特に本発明の膜状高分子体として適したイ
オン交換膜は、乾燥した該イオン交換膜の1gあたり一般
に0.1〜15ミリ当量のイオン交換基を結合しているもの
であれば特に限定されない。そのイオン交換基として
は、従来公知の陽イオン交換基であるスルホン酸基,カ
ルボン酸基,リン酸基,亜リン酸基,スルホン酸エステ
ル基,フェノール性水酸基,チオール基,三級のパーフ
ルオロアルコールなどが挙げられ、陰イオン交換基とし
ては、一級,二級,三級アミン,第四級アンモニウム,
第三級スルホニウム,第四級ホスホニウム,コバルチシ
ニウム等のオニウム塩基などがある。なお、このような
イオン交換膜には、一種類のイオン交換基のみが結合し
ているとは限らず、複数種のイオン交換基が結合してい
る場合も有効であり、具体的には一級,二級,三級アミ
ン及びオニウム塩基が一種以上混合して結合している陰
イオン交換膜が好適である。また、カルボン酸基とスル
ホン酸基とを結合しているイオン交換膜、スルホン酸基
と第四級アンモニウム塩基を同時に結合しているイオン
交換膜なども好適に用いられる。さらには、イオン交換
膜としてイオン交換基の分布が膜断面に関して異なるも
の、例えば膜の一方の面にはイオン交換基が密に存在
し、他方には疎に存在する膜、イオン交換膜の表層部に
はイオン交換膜の交換基とは反対電荷の薄層が存在して
いる膜なども有効に用いられる。そのほか多孔質のイオ
ン交換膜、すなわち、陽イオン交換基または/及び陰イ
オン交換基が結合した多孔質膜状物が、電池としての使
用目的によっては極めて有効である。この場合、膜の多
孔度及び厚みは使用目的によって適宜選択されるが、そ
れぞれ一般に95%程度の多孔度及び0.0001〜1.0cmの厚
みが好適である。
本発明において、基体の膜状高分子体に電子電導性を
有する高分子化合物が層状に存在する態様(以下単位不
均一に分布する態様ともいう)としては、一般に該膜状
高分子体の断面に関して該電子電導性を有する高分子化
合物が層状に分布する状態であり、特に膜状高分子体の
片面にのみ電子電導性を有する高分子化合物が存在し、
他方に殆んどあるいは全く存在しない状態が最も好まし
いが、これのみに限定されるものではない。すなわち、
本発明の電池としての使用態様に応じて、電子電導性を
有する高分子化合物が、膜断面に関して複数の電子電導
性を有する高分子化合物の濃淡が存在し、膜の一方の面
の濃度が高く他面が低い場合、両面の濃度が低い場合、
両面の濃度が高い場合などが有効であり、さらにそれら
膜状物の複数枚を積層して用いることもできる。即ち、
本発明においては膜状高分子体のうち、電子電導性を有
する高分子化合物が存在しない層という表現は、該高分
子化合物が全く存在しない場合及び、低濃度には存在す
るが、作用効果上、存在しない場合と同様に見なし得る
場合も包含する。なお、膜状高分子体の長さ方向あるい
は巾方向において、電子電導性の高分子化合物が不均一
に存在する態様も好適であり、即ち、その一辺は電子電
導性を有する高分子化合物の濃度が高く、他辺には該高
分子化合物が全く存在しないか、低濃度で存在する場
合、あるいは膜状物の二辺は該高分子化合物の濃度が高
いが、他の二辺には全く存在しないか、低濃度で存在す
るような場合も好適である。
本発明の上記した膜状高分子体に不均一に分布する電
子電導性を有する高分子化合物の存在割合は、特に限定
的でないが一般に多く存在する場合が好ましい。しかし
ながら、膜状高分子体中において電子電導性を有する高
分子化合物は不均一に分布させる必須要件から、該膜状
高分子体(全重量)の4倍以上不均一に存在させること
はむつかしい。従って、更に過剰に存在させるために
は、一般に電子電導性を示す化合物を高分子膜状物とし
て、これの上に薄膜状に膜状高分子体層を形成する形態
が採用される。この場合、電子電導性を有する高分子膜
状物とイオン交換膜層の厚み、重量比に限定はなく一般
に0.5:1以上であれば多いほど、得られる電池に好結果
を付与することが出来る。特にこの場合、膜状高分子体
層として線状或いは分岐した、溶媒に可溶或いは分散性
のイオン交換基を結合した高分子を用いれば、電子電導
性を有する高分子化合物の膜状物上に薄膜状或いは厚膜
にイオン交換膜を形成することが出来る。また、電子電
導性を有する高分子化合物はそれのみで形成された場合
が望ましいが、他の不活性な高分子マトリックス中で重
合させたもの、或いは微粉状の該化合物を公知の手段に
よってフィルム状その他適当な形状に成型したものであ
ってもよい。
本発明における電子電導性を有する高分子化合物が不
均一に分布して存在する膜状高分子体は、一般に次のよ
うな方法によって得ることが出来る。例えば、 (1) 膜状高分子体中に不均一に電子電導性を有する
化合物(単量体)を存在させて後、重合させる方法 (2) 膜状高分子体中に電子電導性を有する化合物
(単量体)を均一に存在させたあと不均一に重合体が存
在するように重合する方法 (3) 膜状高分子体中に不均一に電子電導性を有する
化合物(単量体)を存在させたのち、不均一に重合反応
を行わせる方法 (4) 膜状高分子体に電子電導性を有する高分子化合
物を積層,塗布,噴霧,コーティング,吸着する方法 (5) 膜状高分子体に電子電導性を有する高分子化合
物を積層,塗布,噴霧,コーティング,吸着させたの
ち、該高分子体と表層部の電子電導性を有する高分子化
合物とを化学的に安定なイオン結合,共有結合,配位結
合等によって一体化結合させる方法 (6) 膜状高分子体に電子電導性を有する高分子化合
物を(4)の方法によって存在させたのちに、例えばエ
ポキシ−アミン,ポリイソシアネートとポリオールなど
の接着剤によってあるいはビニルモノマーを存在させて
重合させて接着させる方法 (7) 電解酸化,電解還元によって膜状高分子体中に
電子電導性を有する化合物を不均一に重合させる方法 (8) 電子電導性を有する膜状物或いは多孔体,不織
布,円筒などの表面に、線状の高分子量のイオン交換体
を適当な溶媒に溶解または分散して塗布,噴霧,浸漬等
の手段によって存在させ、必要に応じて溶媒を飛散させ
る方法 なお、上記した電子電導性を有する化合物(単量体)
には、電子電導性を示さない高分子化合物の共重合可能
な単量体を混合して用いることもできる。また、膜状高
分子体としては、予めイオン交換基を有する膜状物を用
いる場合に限らず、イオン交換基に容易に変換すること
のできる官能基を有する膜状物に電子電導性を有する化
合物を存在させたのちにイオン交換基の導入を実施して
もよい。例えば、ハロアルキルスチレンなどを結合した
高分子膜状物に、前記した如き電子電導性を有する化合
物を含浸重合したのち、アミン類と反応させて陰イオン
交換基を導入する方法などが採用される。
また、重合方法としては、上記した電解酸化,電解還
元による重合に限らず、ラジカル重合,アニオン重合,
カチオン重合,α,β,γ−線などの電離性放射線によ
って重合する方法、X線,紫外線,プラズマ,グロー放
電などによる方法、光増感剤の存在あるいは不存在下に
可視光によって重合する方法、レドックス反応による重
合、酸化重合など従来公知の重合方法が何ら制限なく用
いられる。
さらに、本発明の膜状高分子体には、上記した電子電
導性を有する高分子化合物とともにドーパントを存在さ
せることにより、所望の電子電導性を賦与することが必
要である。このドーピングの方法としては、従来公知の
方法が特に制限なく採用することができる。すなわち、
膜状高分子体をドーパント溶液に浸漬する方法、電気化
学的にドーピング、ドーパントの蒸気に接触させる方
法、ブレンドする方法などである。また、ドーパントと
しては、従来公知のものが広く使用され、例えば、ClO4
-,PF4 -,AsF4 -,Cl-,F-,Br-,I-,FeCl3,NO3 -,SO4 2-,スチレ
ンスルホン酸,ポリスチレンスルホン酸,パーフルオロ
カーボンスルホン酸,トルエンスルホン酸,ベンゼンス
ルホン酸,ローズベンガル,アントラキノン二硫酸,テ
トラ(スルホニル)ボルフィリン,テトラスルホフタル
シアニン,パソフエナントロリン二硫酸,パソフエナン
トロリン,ポリビニル硫酸、PtCl4 2-,AuCl4,PdCl4 2-,
Fe(CN)6 3-,RuO4 -,MnO4などの公知のものが何ら制限な
く用いられるが、一般にハロゲンイオン、特にCl-が好
適である。また、Na+,Li+,K+,Ca++,Mg2+などの陽イオン
も電子電導性を有する高分子化合物の種類によって使用
される。このようなドーパントの存在量は、電子電導性
を示す高分子化合物に対して一般に0.001以上の重量割
合であればよい。
さらに、本発明における電子電導性を有する高分子化
合物が不均一に分布して存在する膜状高分子体につい
て、その具体的な製法を例示する。
陽イオン交換膜、或いは陰イオン交換膜、更には両性
イオン交換膜、モザイクイオン交換膜、バイポーラーイ
オン交換膜などを用いて、 a)これらの膜をピロール、チオール等の酸化重合可能
な化合物(単量体)またはそれら単量体混合物、単量体
を溶媒で希釈したもの、溶媒中に分散したものの中に適
当な時間浸漬してとり出し、例えばFeCl3,CuCl2,Fe(C
N)6 3-、H2O2、NaClO等の酸化剤中に浸漬して重合させ
る方法。この場合、膜の断面に関して不均一に重合体を
存在させるために、単量体への浸漬時間を制御するか、
重合時間を制御する必要がある。未反応の単量体は抽出
し、必要に応じてドーピングが行われる。また、膜の片
面のみに存在させたいときには、一旦単量体を吸着した
イオン交換膜を膜の一方のみが反応出来る装置にセット
して片面のみ適当な時間反応させればよい。
b)イオン交換膜を膜の片面のみがそれぞれ反応出来る
室枠にとりつけて、一方に単量体の溶液或いは単量体の
みを接触させて膜中に吸着させ、他方には上記した如き
酸化剤を満たして、膜を通して相互拡散させて重合体を
形成する方法。この場合も、a)と同様に未反応の単量
体の抽出とドーピングを適宜行えばよい。
c)膜の片面のみ反応出来る装置に膜を組み込み、該膜
の片面と単量体或いは単量体を含む液を接触させ、一定
時間後に単量体を除き洗浄したのちに、酸化剤を注入す
る方法。
d)予め酸化剤を吸着させたイオン交換膜を単量体中に
浸漬して重合させる方法で、酸化剤の吸着量を制御する
ことによって電子電導性を有する高分子化合物を不均一
に存在させることが出来る。或いは単量体の濃度、単量
体との接触時間を制御して、同様の不均一化を図ること
が出来る。
また膜断面に関して、電子電導性を有する高分子化合
物を不均一に存在する状態が、単純な勾配で表面から内
部へ、或いは内部から表面へ、表面から裏面へと存在す
るだけでなく、膜内部に複数層の濃淡が存在する場合
は、上記a)b)c)d)等によって作った膜状物の複
数枚を積層することによって達成されるし、膜状物の内
部に酸化重合を開始させる化合物を存在させて単量体を
外部から供給することも出来る。なお、上記の酸化剤と
して、具体的には塩化第二鉄,硫酸第二鉄,硝酸第二鉄
等の第二鉄塩,塩化銅などの二価の銅イオン、フエロシ
アン化イオン,過酸化水素,オゾン,塩素酸イオン,次
亜塩素酸,過塩素酸,過臭素酸などの作用のあるハロゲ
ン酸など、塩素、臭素、過硫酸塩など従来公知の酸化作
用のある化合物が全て有効に用いられる。
本発明の電池は、上記した電子電導性を有する高分子
化合物が不均一に分散した膜状高分子体を陽極および陰
極の間に存在させることにより構成される。即ち、本発
明の電池は電子電導性を有する高分子化合物が不均一に
分布した膜状高分子体を、陽極および陰極の間に存在さ
せた形態を基本単位とするが、この単位を複数個積層さ
せて構成させてもよい。このような陽極および陰極の間
に上記の膜状高分子体を存在させる形態は、両電極と該
膜状高分子体とを直接密着してもよく、また中間にイオ
ン導電性の物質を介在させてもよい。この両電極と膜状
高分子体との直接密着は、例えば機械的な押圧、真空蒸
着、スパッタリングなどの方法により一体化される。ま
た、イオン導電性の物質が介在する場合、イオン導電性
物質としては従来公知のものが何ら制限なく用いられ
る。例えばポリエチレンオキサイド,エチレンオキサイ
ド,プロピレンカーボネート,ポリプロピレンオキサイ
ド或いはその誘導体とLiClO4、LiClなどの無機の塩類、
ポリスチレンスルホン酸,ポリエチレンイミンなどの高
分子電解質類及びその誘導体、塩類、無機塩類、有機塩
類との混合物、トルエンスルホン酸のテトラエチルアン
モニウム塩などの有機酸の塩、或いは有機塩基の塩など
が好適に用いられる。なお、陽極及び陰極としては如何
なる公知の電子電導性を有する物質も用いることが出来
る。即ち、例えば炭素,鉄,銅,銀,金,白金,鉛,
錫,アルミニウム,亜鉛,マグネシウム,ニッケル,コ
バルト等々の電子電導性を示す金属は如何なるものも用
いることが出来る。
〔作用および効果〕
本発明の電池では、電極において電極反応が発生して
電子の授受が行われ、例えばCl-が電極に白金等を用い
ると電気量に相当する塩素ガスが発生していることにな
る。また、この場合に電極としてアルミニウム金属を用
いれば、塩化アルミニウムが形成されることになり、こ
のとき電位が更に発生し、ガスの発生は防ぐことが出来
る。このようなことから、電極材料としては電子電導性
のある化合物にドーピングされているイオン種と電極材
料の標準電極電位を選択し、これらを積層することによ
って任意の起電力の電池を形成することが出来るし、ま
た膜状物の面積を選択することによって発生する電流量
を制御することが出来る。
〔実施例〕
以下、本発明をより具体的に説明するために実施例を
示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 膜の片面のみ反応出来る装置に陰イオン交換膜(徳山
曹達社製、商品名ネオセプタAM−1)を組み込み、一方
に3%のピロール水溶液を満たし24時間撹拌し、該陰イ
オン交換膜に充分に吸着させた。ついでピロール水溶液
の代りに5%の塩化第二鉄の水溶液を満たし4時間撹拌
した。この処理膜をとり出したところ、ピロールが含浸
し重合した側が著しくカールし、黒変した膜が得られ
た。
この膜の両側に白金板をあてて押圧し、この間の電圧
をエレクトロメーターで測定したところ、0.82Vの起電
力を示した。また、デジタルマルチメーターで電流値を
測定したところ、58μA/cm2の値を示した。
実施例2 分子量が約7600のポリクロロメチルスチレンをメチル
エチルケトンに20%となるように溶解したのち、これを
白金板上に流延し、約0.05mmの厚みのフィルムを形成さ
せた。次いで、アセトニトリルに0.3モルのピロール,0.
2モルのテトラエチルアンモニウムパークロレートを溶
解したものに、上記のフィルムを浸漬して、これを陽極
として、陰極には同じく白金板を用いて、3mA/cm2の電
流密度で15分間電気分解したところ、陽極の白金板の近
傍のみにピロールが重合し、ポリクロロメチルスチレン
の表面に一部含浸した。次いで、これをそのままN,N,
N′,N′−テトラメチルエチレンジアミンとヘキサンの
1:2の液に16時間浸漬してアミノ基を導入した。
これを相対湿度80%の雰囲気で対極として銀板を押し
つけ電池を構成し、白金と銀板の間で起電力を測定した
ところ、0.75Vであり、また電流を実施例1と同様にし
て限定したところ15μA/cm2であった。
実施例3 実施例1で合成した膜の断面に関してピロールの重合
体が不均一に分布している陰イオン交換膜を5枚、間に
銅はくを介して積層して、両側にも銅はくを配して押圧
し電池を構成した。その両端の起電力を測定したところ
3.5Vで、また電流値は40μA/cm2であった。
実施例4 N−メチルピロール0.3モル、テトラブチルアンモニ
ウムパークロレート0.3モルをアセトニトリルに溶解
し、これの中に白金板を二枚入れて陽極と陰極として、
2mA/cm2の電流密度で撹拌下に4時間の電解酸化重合し
た。陽極上に形成されたポリピロールを剥離して、1規
定HClの中に浸漬し、また0.5規定アンモニヤ水に浸漬
し、これを2回行ったあと、2規定の塩酸に平衡にして
水洗後風乾した。
他方、ポリエチレンイミンを農塩酸で中和後、これに
濾紙を浸漬して真空乾燥し、これをくり返して濾紙(セ
ルロールのマトリックス)の中にポリエチレンイミンの
塩酸塩が担持された膜状物を得た。
アルミニウム板と上記で得たポリピロールフィルムを
重ね、この上にポリエチレンイミンを含浸した濾紙を重
ね合わせ、次にアルミニウム板を重ね、次いでポリピロ
ールフィルム,ポリエチレンイミン膜というように三層
に同じ層を積層した。両端には白金板を配して押圧密着
して電池を構成し、起電力を測定したところ2.52Vが得
られた。また、膜面積は4cm2で、無抵抗電流計で電流値
を測定したところ85μA/cm2であった。
実施例5 アクリロニトリルとクロルメチルスチレンとを4:1
(重量比)で水中に分散し、過硫酸アンモニウムと亜硫
酸ソーダとによって50℃に保って重合した。得られたポ
リマーは濾過,水洗,メタノール洗いした。これをジメ
チルホルムアミドに20%となるように溶解し、これを銅
板の上に流延して、ジメチルホルムアミドを飛散させて
フィルムを得た。これをアセトニトリルの中に0.5モル
のイソチアナフテン、0.3モルの(C3H74NBF4を溶解し
た中に浸漬して、窒素雰囲気で2mA/cm2の電流密度で20
分間電解し、表層部の共重合体中にポリイソチアナフテ
ンを含浸重合させた。次いで、これをそのままトリメチ
ルアミンの水溶液中に浸漬し、クロルメチル基に三級ア
ミンを反応させて陰イオン交換基を導入した。さらに、
これを1規定の塩酸中に浸漬して陰イオン交換基及びポ
リイソチアナフテンに塩素イオンを導入した。
上記で得たフィルム−銅板を風乾後、陰イオン交換膜
側に銅板をあてて1cm2のものを5枚積層して電池を構成
したところ、2.5Vの電圧が発生し、40μAの電流が流れ
た。
実施例6 アセトニトリル中に0.3モルとなるようにN−メチル
ピロールと0.2モルとなるように(C2H54NClO4を溶解
して、2mA/cm2で撹拌下に白金板上に電解重合により、
ポリN−メチルピロールを厚みが約0.5mmのフィルムと
して形成した。これを剥離して2.0×2.0cm2の大きさに
切り、1規定の塩酸中に浸漬してドーパントを塩素イオ
ンに変えた。
他方、過硫酸アンモニウムと亜硫酸ソーダを用いてレ
ドックス重合によって得たポリクロルメチルスチレンを
メチルエチルケトンに20%となるように溶解し、トリエ
チルアミンを加えて還流反応させたところ、4級アンモ
ニウム塩基を有するポリマーが析出してきた。次いで、
上澄の溶媒を除き、乾燥後に水を加えて溶解し、透析用
セロファンによって透析精製した。さらに、塩素イオン
型とした陰イオン交換樹脂のカラムに通液して完全に塩
素イオン型とし、減圧乾燥後、30%の水溶液とした。
この得られた陰イオン交換ポリマーを上記の電解重合
により合成したポリN−メチルピロールの薄膜上に厚み
は0.05mmでコーティングした。次いで、減圧乾燥し、相
対湿度60%の雰囲気に平衡したのちに、両側にアルミニ
ウム箔をあてて電池を構成し、電圧を測定したところ1.
03Vであった。さらに、これを5枚積層して構成した電
池は、5.05Vの起電力で、電流値を測定したところ50μA
/cm2であった。
実施例7 アセトニトリル中に0.3モルとなるように2,2′−チエ
ニルピロールを溶解し、さらに(C2H54NClO4を0.2モ
ル溶解し、これを窒素雰囲気(室温)、3mA/cm2の電流
密度で白金板を陽極及び陰極として電気分解した。3時
間の電気分解したところ、陽極板上にポリ(チエニルピ
ロール)が形成された。これを白金板から剥離して2.0c
m×2.0cmの大きさに切りとり、1規定の塩酸中に浸漬し
てドーパントを塩素イオンと交換した。
他方、過硫酸アンモニヤと亜硫酸ソーダを用いて水中
に分散して常法によりレドックス重合によってクロロメ
チルスチレンを重合させて得たポリクロロメチルスチレ
ンを濾過、水洗、メタノール洗浄をしたあと乾燥した。
このポリクロロメチルスチレンをメチルエチルケトンに
10%となるように溶解して、トリエチルアミンをポリク
ロロメチルスチレンのクロロメチル基の2倍当量を添加
して還流反応させた。得られた沈殿物をとり出し乾燥
後、水に溶解して透析用セロファン膜で透析精製して乾
燥し、ポリベンジルトリメチルアンモニウムクロライド
を得た。
このポリベンジルトリメチルアンモニウムクロライド
を先に得たポリ(チエニルピロール)のフィルム(厚さ
0.3mm)に0.05mmとなるように塗布して乾燥した。これ
を相対湿度60%の雰囲気に放置後、両側に白金板をあて
て電池を構成し、起電力を測定したところ620mVであ
り、電流値は1.3mAであった。
実施例8 徳山曹達(株)製の陰イオン交換膜(商品名,ネオセ
プターAFN)を片面のみ反応出来る反応装置に入れて、
膜の片面のみp−フエニレンジアミンの10%水溶液と24
時間撹拌下に接触させた。次いで、溶液を除き水洗した
のち、10%の過硫酸アンモニウム水溶液と4時間接触さ
せて酸化重合させた。次いで、これを1規定の塩酸の中
に平衡にいて、液をとりかえて膜をCl-型とした。上記
の処理膜の両面にアルミニウム(厚さ0.1mm)の板をあ
てたところ、0.95Vの電圧が観察された。そこでアルミ
ニウム(厚み0.1mm)の板の片面のみに真空蒸着によっ
て金を蒸着コーティングしたのち、金を蒸着した面を上
記のp−フエニレンジアミンを含浸重合した膜側に密着
し、またアルミニウム板を膜の含浸重合していない膜側
に密着し、それぞれ11枚を積層し末端の含浸重合してい
ない膜面にアルミニウム板をあて、他端の含浸重合した
膜側には白金板を密着して電池を構成し、この間の起電
力をエレクトロメーターによって測定したところ10.1V
を示した。尚、膜は2cm×5cmであり、無抵抗電流計で電
流値を測定したところ150μAであった。
実施例9 ポリアセチレンのフィルム状をテトラヒドロフラン中
にナトリウムナフタリンを溶解した中に浸漬して、ポリ
アセチレンにナトリウムをドーピングした。このフィル
ムをテトラヒドロフランで洗浄し、風乾後、ビニルスル
ホン酸ソーダを重合して得たポリビニルスルホン酸ソー
ダの30%水溶液を該ポリアセチレンのフィルム上に流延
して乾燥し、ポリビニルスルホン酸ソーダ(厚み0.2m
m)の薄膜をポリアセチレンの上に形成した。
これの両面に白金板をあてて密着して電池を構成し、
エレクトロメーターによって起電力を測定したところ0.
72Vであった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極との間に膜状高分子体を介在さ
    せた電池であって、該膜状高分子体は、電子電導性を有
    する高分子化合物が存在する層と該高分子化合物が存在
    しない層とよりなり、少なくとも電子電導性を有する高
    分子化合物が存在しない層はイオン交換基のうちより選
    ばれる少なくとも一種の親水性基を有することを特徴と
    する電池
  2. 【請求項2】膜状高分子体が陰イオン交換膜である特許
    請求の範囲第1項記載の電池
  3. 【請求項3】膜状高分子体が陽イオン交換膜である特許
    請求の範囲第1項記載の電池
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