JPH0634929B2 - 改良された陰イオン交換膜 - Google Patents

改良された陰イオン交換膜

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JPH0634929B2 JP62028188A JP2818887A JPH0634929B2 JP H0634929 B2 JPH0634929 B2 JP H0634929B2 JP 62028188 A JP62028188 A JP 62028188A JP 2818887 A JP2818887 A JP 2818887A JP H0634929 B2 JPH0634929 B2 JP H0634929B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子電導性を有する高分子化合物が均一に存
在する改良された陰イオン交換膜に係わり、膜分離技
術,エレクトロニクス,電池などの分野に有用な特性を
付与した膜状物を提供するものである。
〔従来技術およびその問題点〕
従来、陰イオン交換膜については、陰イオン選択透過性
を向上させたり、低下せしめたり、陰イオン間における
選択透過性を変えるために、種々の方法が試みられてき
た。また、陰イオン交換膜にさらに新しい機能を賦与す
るための試みとして、重合可能なビニル単量体を陰イオ
ン交換膜中に含浸重合させる方法が行われ、塩の拡散透
過量の減少,輸率の向上,酸の漏洩量の減少をもたらし
た改良陰イオン交換膜が提案されている。しかし、これ
らの方法は、一般にビニル単量体を陰イオン交換膜内で
重合させる場合が多いため、該陰イオン交換膜自体が該
ビニル単量体によって膨潤し、得られる改良陰イオン交
換膜の機械的強度の低下を招く問題がある。また、縮合
系の単量体を陰イオン交換膜内で縮合させることも報告
されているが、縮合反応を完結させるために、加熱処理
を必要とする場合が多く、膜の性能を損う問題が生ず
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記に鑑み、広く一般に陰イオン交換樹脂
のマトリックス中に別ポリマーのマトリックスを形成す
ることによって、該陰イオン交換体の特性を変え、また
該陰イオン交換体に新しく機能を賦与することが出来な
いか種々検討を重ねた。その結果、陰イオン交換樹脂膜
に重合可能な単量体で重合体が電子電導性を有する化合
物を含浸重合させることにより、該イオン交換膜の特性
を向上させ、また、新たに有用な機能を賦与した改良陰
イオン交換膜を得られる知見に基づき、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は電子電導性を有する高分子
化合物が均一に膜内に存在する改良された陰イオン交換
膜である。我々は先にイオン交換膜の断面に関して不均
一に層状に電子電導性を有する高分子化合物が存在する
改良されたイオン交換膜について提案したが、電子電導
性を有する高分子化合物が特に陰イオン交換膜内に均一
に分布存在する場合には、更に異なった特性を示す知見
から本発明を完成したものである。
本発明の電子電導性を有する化合物としては、従来公知
のものが何ら制限なく用いられる。即ち、触媒,電気分
解等の電気エネルギー、α,β,γなどの電離性放射
性、X線,紫外線,プラズマ,グロー等の放電などによ
って重合して電子電導性を示す化合物が何ら制限なく用
いられる。具体的に挙げると、例えばピロール及びその
誘導体、例えばN−メチルピロール,2−エチルピロー
ルなどのN−アルキルピロール類、チオフエン及び3−
アルキルチオンフエンなどのチオンフエン誘導体、イソ
チアナフテン及びその誘導体、インドール,アズレン,
フラン,アニリン,フエノール,ベンゼン,ナフタリ
ン,フエニレンジアミン類、アセチレン等のそれぞれの
誘導体がそれぞれ一種以上好適に用いられる。特にアニ
リンやピロール,インドール,アズレン,チオフエン,
フランおよびそれらの誘導体などの複素環化合物及びア
セチレンはイオン交換膜と親和性がよく、イオン交換し
て該イオン交換膜に均一に分散する場合があり好まし
い。これらは、上記したエネルギーによって重合し、電
子電導性を有する高分子化合物を与えるものである。
また、この電子電導性を有する高分子化合物を存在させ
る陰イオン交換膜としては、陰イオン交換基を結合した
高分子膜状物であれば、従来公知の陰イオン交換膜が何
ら制限なく用いられる。即ち、有機系のイオン交換膜に
限らず、適当な有機・無機の結合剤によって加熱,加圧
等の手段によって膜状に成型した無機系の陰イオン交換
膜も好適に用いられる。有機系の陰イオン交換膜として
は重合系のイオン交換体、謂ゆるスチレン−ジビニルベ
ンゼン系の共重合体で陰イオン交換基が結合したもの、
縮合系のイオン交換体で陰イオン交換基を結合したもの
が好適に用いられる。かかる陰イオン交換体としては従
来公知の均一系,不均一系の陰イオン交換体を用いるこ
とも出来、また該陰イオン交換体の基本として炭化水素
系のもの、ふっ化炭素系のものの如何に関係なく好適に
用いられる。特に本発明に適した陰イオン交換膜は、乾
燥した該イオン交換膜の1gあたり一般に0.1〜15
ミリ当量の陰イオン交換基を結合しているものであれば
特に限定されない。その陰イオン交換基としては、従来
公知の陰イオン交換基が用いられ、例えば一級,二級,
三級アミン,第四級アンモニウム,第三級スルホニウ
ム,第四級ホスホニウム,コバルチシニウム等のオニウ
ム塩基,金属錯塩で水あるいは極性有機溶媒中で解離し
て正の電荷を帯びるものは何ら制限されない。このよう
な陰イオン交換膜には、一種類の陰イオン交換基のみが
結合しているとは限らず、複数種のイオン交換基が結合
している場合も有効であり、具体的には一級,二級,三
級アミン及びオニウム塩基が一種以上混合して結合して
いる陰イオン交換膜が好適である。さらには、陰イオン
交換基の分布が膜断面に関して異なるもの、例えば膜の
一方の面には陰イオン交換基が密に存在し、他方には疎
に存在する膜、イオン交換膜の表層部には陰イオン交換
膜の交換基とは反対電荷の薄層が存在している膜なども
有効に用いられる。そのほか多孔質の陰イオン交換膜、
即ち、陰イオン交換基が結合した多孔質膜状物が使用目
的によっては極めて有効である。この場合、膜の多孔度
および厚みは使用目的によって適宜選択されるが、それ
ぞれ一般に95%の多孔度およ0.0001〜1.0cm
の厚みが好適である。特に好ましい陰イオン交換膜は、
多孔質の陰イオン交換膜の表層部に0.1〜20ミクロ
ンの緻密な陰イオン交換膜層が存在する場合である。な
お、本発明は、上記した如き予め陰イオン交換基を有す
る膜状物を用いる場合に限らず、陰イオン交換基に容易
に変換することのできる官能基を有する膜状物に電子電
導性を有する化合物を均一に存在させたのちに陰イオン
交換基の導入を実施してもよい。例えば、ハロアルキル
スチレンなどを結合した高分子膜状物に、前記した如き
電子電導性を有する化合物を含浸重合したのち、アミン
類と反応させて陰イオン交換基を導入する方法などが採
用される。
本発明において、電子電導性を有する高分子化合物が、
陰イオン交換膜に均一に存在する態様としては、陰イオ
ン交換膜の高分子鎖の中に電子電導性を有する高分子化
合物が、高分子鎖のからみ合いによって均一に分布する
場合、多孔質陰イオンが交換膜の空洞を充填し且つ陰イ
オン交換基が結合するマトリックス中に高分子鎖のから
み合いによって存在する場合などがあるが、該電子電導
性を有する高分子化合物が一般に陰イオン交換膜の乾燥
重量の10%以上800%まで増加する場合が好まし
い。上記の範囲より少ない場合には電子電導性を有する
高分子化合物を陰イオン交換膜に存在させた効果が弱
く、また上記範囲より多い場合には膜が非常に硬くもろ
くなって好ましくない。なお、陰イオン交換膜には不活
性は織布,不織布,網などの機械的強度を保持する物質
が存在している方が望ましい。
本発明の電子電導性を有する高分子化合物が存在する陰
イオン交換膜の製造は、該電子電導性を有する高分子化
合物が陰イオン交換膜中に出来るだけ均一に存在するよ
うになる最適の方法が採用される。以下、若干の具体的
な例を挙げるが、これらの例によって本発明が拘束され
るものではない。
1) 陰イオン交換膜あるいは容易に陰イオン交換基を導
入することの出来る高分子膜状物(原膜)を、重合して
電子電導性を示す単量体中あるいは単量体と該高分子膜
状物が膨潤する溶媒との混合物中に該単量体が均一に分
布するまで浸漬したのち重合させる方法。
2) 電解酸化,電解還元によって陰イオン交換膜中ある
いはその原膜中に電子電導性を有する化合物を均一に重
合させ、必要に応じてイオン交換基を導入する方法。
3) 重合触媒となる化合物を均一に陰イオン交換膜内に
存在させたのち、重合して電子電導性を示す単量体中、
あるいは適当な溶媒中に溶解したものに浸漬して重合さ
せる方法。
4) 陰イオン交換膜を与える線状高分子あるいは陰イオ
ン交換基を容易に導入出来る高分子と電子電導性を示す
高分子化合物を均一に混合し膜状に成型し、必要に応じ
て陰イオン交換基を導入する方法。
などが挙げられる。
本発明の上記した如き電子電導性を有する高分子化合物
には、ドーパントを存在させて電子電導性を賦与するこ
とも出来る。ドーピングの方法としては、従来公知の方
法が広く採用出来る。即ち、イオン交換膜をドーパント
溶液に浸漬する方法、電気化学的なドーピング,ドーパ
ントの蒸気に接触させる方法、ブレンドする方法などで
ある。またドーパントとしては、従来公知のものが広く
使用され、例えば ClO4 -,PF4 -,AsF4 -,Cl-,F,Br
-,I,FeCl3,スチレンスルホン酸,ポリスチレンス
ルホン酸,パーフルオロカーボンスルホン酸,トルエン
スルホン酸,ベンゼンスルホン酸,ローズベンガル,ア
ントラキノン二硫酸,テトラ(スルホニル)ポルフイリ
ン,テトラスルホフタルシアニン,バソフエナントロリ
ン二硫酸,パソフエナントロリン,ポリビニル硫酸,Pt
Cl4 2-,AuCl4,PdCl4 2-,Fe(CN)6 3-,RuO4 -,MnO4など
の公知のものが何ら制限なく用いられる。これらのうち
で特に好適に用いられるのは、ハロゲンイオン特にCl-
である。
また電子電導性を有する高分子化合物がn−型である場
合にはナトリウム,カリウム,リチウム等の無機陽イオ
ン,或いはテトラアルキルアンモニウムイオンのような
有機陽イオンを用いることが出来る。
本発明においては、これらのドーパントの一種以上が電
子電導性を有する高分子化合物にドーピングされ、ドー
ピングの割合は0.001以上であれば、目的とする陰イオ
ン交換膜を得ることが出来る。
以下、本発明の陰イオン交換膜を製造する代表的な方法
を具体的に例示する。
陰イオン交換膜あるいは容易に陰イオン交換基を導入す
ることのできる高分子膜状物に a) アニリン,ピロール,チオフエン等々の重合して電
子電導性を有する酸化重合可能な単量体または単量体混
合物、単量体を溶媒で希釈または溶媒中に分散した液中
に充分な時間浸漬してとり出し、例えば FeCl3,Fe(NO
3) 3,Fe2(SO4)3,CuCl2,Fe(CN)6 3-,H2O2,NaClO,Fe
(ClO4)3等の酸化剤中に浸漬して重合させる方法。な
お、未反応の単量体は抽出し、必要に応じてドーピング
が行われる。
b) 予め酸化剤を吸着させた陰イオン交換膜を電子電導
性を有する単量体中に浸漬して重合させる方法で一種以
上の酸化剤を出来るだけ均一に存在させることが好まし
い。
c) 白金,ITOなどの電極上に陰イオン交換膜の原料
となるポリマー、例えばポリ−N−メチル−4−ビニル
ピリジニウム,ポリ塩化ビニル,ポリクロロメチルスチ
レンなどを流延法によって薄膜を形成し、これを電解酸
化あるいは電解還元することによって、電子電導性を有
する化合物(単量体)中に浸漬した電極表面で重合させ
たのち、必要に応じて残余のポリマーに陰イオン交換基
を導入する方法。
d) 白金,ITOなどの電極上に線状の陽イオン性高分
子電解質を必要により他の不活性な高分子とともに流延
法によって薄膜として陰イオン交換膜を形成し、次いで
ピロール,チオフエン,アニリン等を含む溶液中に浸漬
して電解酸化あるいは電解還元をして薄膜状の陰イオン
交換膜中に電子電導性を有する高分子化合物を均一に形
成し、必要なら陰イオン交換基を導入する方法。
などが挙げられる。
特に本発明に於いて効果的な製法は、上記した電子導性
を有する酸化重合可能な化合物を酸化剤によって酸化重
合する方法である。具体的には、塩化第二鉄,硫酸第二
鉄,硝酸第二鉄,Fe(ClO4)3等の第二鉄塩,塩化銅など
の二価の銅イオン,フエロシアン化イオン,過酸化水
素,オゾン,塩素酸イオン,次亜塩素酸,過塩素酸,過
臭素酸等の酸化作用のあるハロゲン酸など、塩素,臭
素,過硫酸塩など従来公知の酸化作用のある化合物は全
て有効に用いられる。
〔発明の効果〕
本発明の陰イオン交換膜は電子電導性を有する高分子化
合物が膜内に均一に存在することが重要であり、各種の
新しい機能が陰イオン交換膜に賦与される。例えば、こ
れを電気透析に用いると、通常の陰イオン交換膜にピロ
ールを含浸酸化重合した膜は、非常に陰イオン交換膜を
透過し易い酸の濃度勾配に基づく透過漏洩を防止し、高
濃度の酸を高い電流効率で取得することが出来る。或い
は理由は明確ではないが塩素イオンに対して硫酸イオン
の膜透過量を著しく減少させることが出来る。当然のこ
とながら、酸,塩,非電解質の漏洩が極めて少なく、浸
透水量,電気浸透水量が極めて少ない。
また、分離膜以外としては陰イオン交換膜が基体となっ
ているために、従来の電子電導性高分子の場合と異な
り、機械的に極めて強く可撓性がある電子電導性のある
高分子膜状物が得られ、センサーの素子,電池の電極材
料などとして極めて有用である。
〔実施例〕
以下、実施例に於いては本発明の内容を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例によって制限されるもので
はない。
実施例 1 陰イオン交換膜としてスチレン,ジビニルベンゼンおよ
びクロロメチルスチレンをポリ塩化ビニル微粉末の存在
下に撹拌,加熱して粘稠な液とし、ポリ塩化ビニル製の
布に塗布加熱して重合し高分子膜状物とした。これをト
リメチルアミンの30%の水とアセトンとの1:1の液
に24時間浸漬し、膜状物のクロロメチル基にトリメチ
ルアミンを反応させ第四級アンモニウム塩を有する陰イ
オン交換膜とした。得られた陰イオン交換膜の交換容量
は、2.8meq/g乾燥膜で、厚みは0.16mmであっ
た。
次いで、この陰イオン交換膜をピロールを5%溶解した
水溶液中に24時間浸漬して、充分に膜内に吸着させた
のち、これを10%の Fe(ClO4)3の液中に浸漬し8時間
放置したところ、膜内に含浸したピロールは酸化重合し
て均一に存在し、淡黄色の陰イオン交換膜は黒色となり
硬くなった。これの重量増加を測定したところ320%
であった。また、これを減圧乾燥して両面に銀ペースト
を塗布電気抵抗を測定したところ膜厚0.15mmの膜で
162Ωであった。さらに、これを1.0規定の塩酸に
平衡にして1000サイクルの交流で電気抵抗を測定し
たところ1.8Ω−cm2であった。
ここで得られた改良陰イオン交換膜を70℃で16時間
減圧乾燥して後、無水のエタノール中に浸漬し、更にプ
ロピレンカーボネートに平衡にした。この改良イオン交
換膜を陽極活物質として、不織布に2モルのLiClO4を溶
解したプロピレンカーボネートを充分に含浸したものを
電解質層として用い、陰極活物質としてLiの箔を用いて
リチウム電池を組み立てたところ、開回路電圧は3.2
1Vであった。
実施例 2 分子量が約7600のポリクロロメチルスチレンをメチ
ルエチルケトンに30%となるように溶解したのち、こ
れを白金板上に流延して白金板上に約0.10mm厚みの
フイルムを形成した。次いで、アセトニトリルに0.3
モルのピロール,0.2モルのテトラエチルアンモニウ
ムパークロレートを溶解したものに、このフイルムを白
金板を陽極として浸漬し、陰極として同じく白金板を用
いて2mA/cm2の電流密度で電気分解した。まず、陽極
の白金板上に析出していたピロールの重合体が成長して
溶液側に露出するまで均一に重合させた。次いで、この
フイルムを白金板からはぎとって、トリメチルアミンの
2.0規定のアセトン−水(1:1)の液に浸漬してア
ミノ化処理を施して、膜内のクロロメチル基に陰イオン
交換基を導入した。
上記の得られた厚みが0.13mmのフイルムは、ピロー
ルの含浸重合前のフイルムに比較しての重量増加は62
0%であった。また、これの両面に銀ペーストを塗布し
て電気抵抗を厚み方向と表面について測定した結果、厚
み方向は0.13mmの厚みの陰イオン交換膜で24Ω、
表面抵抗は巾1cmおよび長さ1cmの部分の電気抵抗とし
て陽極に接触している側が620Ω、溶液側が630Ω
であった。さらに、これを実施例1と同様にして、Liの
箔とLiClO4のプロピレンカーボネート溶液を含浸した不
織布を電解質層として電池を組み立てたところ、開回路
電圧は2.99Vであった。
実施例 3 市販の強塩基性陰イオン交換膜(徳山曹達(株)製,ネオ
セプタ AFN)をアニリンとメタノールとの1:1
(重量比)の溶液中に48時間浸漬して、充分に含浸させ
たのち、(NH4)2S2O8の10%溶液中に16時間浸漬して
均一に重合せしめた。膜をとり出して乾燥重量を比較し
たところ、250%の重量増加があった。また、膜の
1.0規定での電気抵抗を比較したところ、原膜のネオ
セプターAFNが0.7Ω−cm2であり、本発明の改良
膜は1.3Ω−cm2であった。次いで、この膜を1規定
の塩酸中に浸漬してCl型とした。これをZnCl2の飽
和水溶液中に浸し正極活物質とし、対極としてZn板を用
いたところ、開回路電圧は1.3Vであった。
実施例 4 ポリ塩化ビニルをテトラヒドロフラン中に溶解して10
%溶液を白金板上に流延し0.2mmのフイルムとした。
これをテトラヒドロフラン40%および水60%の混合
溶液60部に対してアニリン10部およびテトラメチル
アンモニウムパークロレート30部を溶解した液の中に
対極の白金板とともに浸漬し、電流密度2mA/cm2
電流密度で通電して、アニリンをポリ塩化ビニルのマト
リックス中で重合し、溶液側までポリアニリンが露出す
るまで均一に重合した。次いで、これをとり出し水洗,
メタノール洗滌後、トリエチルアミン中に浸漬して90
℃に8時間浸漬して反応させた。白金板上から剥離した
フイルムの重量を測定し、使用したポリ塩化ビニルのフ
イルムと比較して700%の重量増加が認められた。
この膜状物を0.5規定のアンモニウム水に浸漬し、充
分に線滌後、元素分析をして塩素イオンを分析したとこ
ろ、ポリ塩化ビニルのモノマー単位の10ケに1ケの割
合でトリエチルアミンが反応していることが分った。こ
の陰イオン交換膜を陽極活物質として実施例1と同様に
してLiの箔とともに電池を形成したところ、開回路電圧
は3.15Vであった。
実施例 5 ポリ塩化ビニルをジメチルホルムアミド中に10%とな
るように溶解し、これにトリエチルアミンをポリ塩化ビ
ニルの塩化ビニルユニットあたり2倍量加えて90℃で
8時間加熱した。冷却後、褐色となった粘稠な液をガラ
ス板上に流延し、直ちに水中に浸漬して表層部は緻密で
内部が多孔質であるポリ塩化ビニルから誘導された陰イ
オン交換膜とした。この膜の元素分析の結果、陰イオン
交換容量は0.8ミリ当量/グラム乾燥膜であった。
この陰イオン交換膜を24時間ピロールの5%水溶液中
に浸漬してピロール膜内に充分に含浸させたのち、Fe(C
lO4)3の10%水溶液中に浸漬して重合させた。その重
量増加は800%であった。これを実施例1と同様にし
てLi箔とともにLi電池を形成したところ、開回路電圧は
3.2Vであった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子電導性を有する高分子化合物が膜内に
    均一に存在する陰イオン交換膜。
  2. 【請求項2】電子電導性を有する高分子化合物がポリピ
    ロールまたはポリアニリンである特許請求範囲第1項記
    載の陰イオン交換膜。
  3. 【請求項3】陰イオン交換膜が第四級アンモニウム塩基
    を有する特許請求範囲第1項記載の陰イオン交換膜。
  4. 【請求項4】陰イオン交換膜がその一成分としてポリ塩
    化ビニルを含んでいる特許請求範囲第1項記載の陰イオ
    ン交換膜。
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