JPH08281392A - 溶鋼の清浄化方法 - Google Patents
溶鋼の清浄化方法Info
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- JPH08281392A JPH08281392A JP10799995A JP10799995A JPH08281392A JP H08281392 A JPH08281392 A JP H08281392A JP 10799995 A JP10799995 A JP 10799995A JP 10799995 A JP10799995 A JP 10799995A JP H08281392 A JPH08281392 A JP H08281392A
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- Japan
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- electromagnets
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- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 タンディッシュにおいて溶鋼中の異物の浮上
分離を促進し、その分離効率を高める。 【構成】 タンディッシュ4内を水平方向に流動する溶
鋼1に、その流れに沿って直流電流Jを流す。流れと直
角な方向に静磁界Bを印加する。溶鋼1に重力方向の電
磁力J×Bを作用させ、その反作用力により溶鋼1中の
介在物を強制的に上昇させる。
分離を促進し、その分離効率を高める。 【構成】 タンディッシュ4内を水平方向に流動する溶
鋼1に、その流れに沿って直流電流Jを流す。流れと直
角な方向に静磁界Bを印加する。溶鋼1に重力方向の電
磁力J×Bを作用させ、その反作用力により溶鋼1中の
介在物を強制的に上昇させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼の連続鋳造において
モールドに注入される溶鋼中の異物をタンディッシュに
おいて事前に分離除去する溶鋼の清浄化方法に関する。
モールドに注入される溶鋼中の異物をタンディッシュに
おいて事前に分離除去する溶鋼の清浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造においては、図3および図
4に示すように、取鍋2内の溶鋼1が取鍋ノズル3から
タンディッシュ4内に供給され、タンディッシュ4内を
水平方向に流動してタンディッシュノズル5からモール
ド6内に注入される。このとき溶鋼1は、非金属介在物
やタンディッシュ4内に吹き込まれた気泡、タンディッ
シュ4に持ち込まれた取鍋スラグなどの異物を含む。こ
れらの異物がモールド6に侵入すると、鋼の清浄性が著
しく低下するので、近年の品質要求の高まりにつれタン
ディッシュ4でこれらの異物を事前に強制除去する技術
が重要になってきた。
4に示すように、取鍋2内の溶鋼1が取鍋ノズル3から
タンディッシュ4内に供給され、タンディッシュ4内を
水平方向に流動してタンディッシュノズル5からモール
ド6内に注入される。このとき溶鋼1は、非金属介在物
やタンディッシュ4内に吹き込まれた気泡、タンディッ
シュ4に持ち込まれた取鍋スラグなどの異物を含む。こ
れらの異物がモールド6に侵入すると、鋼の清浄性が著
しく低下するので、近年の品質要求の高まりにつれタン
ディッシュ4でこれらの異物を事前に強制除去する技術
が重要になってきた。
【0003】タンディッシュで異物の分離を促進する技
術としては、ガス吹き込みによる浮上分離、フィルター
による捕捉、堰を用いた流動制御による浮上分離、電磁
力を用いた流動制御による浮上分離などがある。
術としては、ガス吹き込みによる浮上分離、フィルター
による捕捉、堰を用いた流動制御による浮上分離、電磁
力を用いた流動制御による浮上分離などがある。
【0004】ガス吹き込みによる浮上分離は、タンディ
ッシュの底部からポーラスレンガを通してAr等の不活
性ガスを吹き込んでタンディッシュ内の溶鋼に上昇力と
攪拌力を与え、介在物等の肥大化・凝集を図りつつその
浮上分離を促進するものである。
ッシュの底部からポーラスレンガを通してAr等の不活
性ガスを吹き込んでタンディッシュ内の溶鋼に上昇力と
攪拌力を与え、介在物等の肥大化・凝集を図りつつその
浮上分離を促進するものである。
【0005】フィルターによる捕捉は、タンディッシュ
内の溶鋼流路中に耐火物製のフィルターを設定し、介在
物等を捕捉するものである。
内の溶鋼流路中に耐火物製のフィルターを設定し、介在
物等を捕捉するものである。
【0006】堰を用いた流動制御による浮上分離は、図
3に示すように、タンディッシュ4内に溶鋼の流動を抑
制する複数の堰12,12…を設けて上昇流や層流を形
成することにより、介在物等の浮上分離を促進するもの
である。
3に示すように、タンディッシュ4内に溶鋼の流動を抑
制する複数の堰12,12…を設けて上昇流や層流を形
成することにより、介在物等の浮上分離を促進するもの
である。
【0007】電磁力を用いた流動制御による浮上分離
は、図4に示すように、タンディッシュ4の両側に配設
した磁石13,13により溶鋼1に流れと直角な方向の
静磁界Bを印加して、流れと反対方向の電磁制動力を発
生させることにより、流れを均一化し層流化して介在物
等の浮上分離を促進するものであり、その基本技術は特
開昭63−140745号公報に、また改良技術は特開
平4−71759号公報に、それぞれ示されている。
は、図4に示すように、タンディッシュ4の両側に配設
した磁石13,13により溶鋼1に流れと直角な方向の
静磁界Bを印加して、流れと反対方向の電磁制動力を発
生させることにより、流れを均一化し層流化して介在物
等の浮上分離を促進するものであり、その基本技術は特
開昭63−140745号公報に、また改良技術は特開
平4−71759号公報に、それぞれ示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガス吹
き込みによる浮上分離では、高価な不活性ガスが多量に
必要なこと、気泡が溶鋼から離脱するときに飛沫を生
じ、タンディッシュの内壁に溶鋼が付着固化すること、
強い攪拌力により浮上した介在物や気泡が再度溶鋼に巻
き込まれること、吹き込みガスが微細な気泡となって自
ら汚染源となることが問題となる。
き込みによる浮上分離では、高価な不活性ガスが多量に
必要なこと、気泡が溶鋼から離脱するときに飛沫を生
じ、タンディッシュの内壁に溶鋼が付着固化すること、
強い攪拌力により浮上した介在物や気泡が再度溶鋼に巻
き込まれること、吹き込みガスが微細な気泡となって自
ら汚染源となることが問題となる。
【0009】また、フィルターによる捕捉では、小さな
介在物まで除去する場合は、フィルターの細孔径を小さ
くしなければならないため、閉塞により長時間の使用が
できなくなること、タンディッシュの内部にフィルター
を設置するためにタンディッシュの再使用ができなくな
ることが問題になる。
介在物まで除去する場合は、フィルターの細孔径を小さ
くしなければならないため、閉塞により長時間の使用が
できなくなること、タンディッシュの内部にフィルター
を設置するためにタンディッシュの再使用ができなくな
ることが問題になる。
【0010】堰を用いた流動制御による浮上分離でも、
タンディッシュ内に堰を設置するためにタンディッシュ
の再使用ができないことが問題となる。また、効果的な
上昇流を形成するために適切な設置場所を選択する必要
があり、その選択が難しいこと、溶鋼の温度差による熱
対流の影響を受けやすいことなども問題である。
タンディッシュ内に堰を設置するためにタンディッシュ
の再使用ができないことが問題となる。また、効果的な
上昇流を形成するために適切な設置場所を選択する必要
があり、その選択が難しいこと、溶鋼の温度差による熱
対流の影響を受けやすいことなども問題である。
【0011】これに対し、電磁力を用いた流動制御によ
る浮上分離では、タンディッシュ内に何も設定する必要
がないため、タンディッシュの再使用ができる利点があ
る。また、浮上した介在物の再巻き込みが生じにくいと
いう利点もある。しかし、異物の分離を浮力のみにより
行うため、分離能力に限界がある。この限界について以
下に説明する。
る浮上分離では、タンディッシュ内に何も設定する必要
がないため、タンディッシュの再使用ができる利点があ
る。また、浮上した介在物の再巻き込みが生じにくいと
いう利点もある。しかし、異物の分離を浮力のみにより
行うため、分離能力に限界がある。この限界について以
下に説明する。
【0012】図5に示すように、タンディッシュ内の溶
鋼の流れが水平方向に一様であるとし、溶鋼が流入点か
ら流出点に到達するまでの時間(滞留時間)をtm 、タ
ンディッシュ内の溶鋼深さをh、浮上する介在物の上昇
速度をVとすると、流入点でタンディッシュの底部に存
在する介在物が流出点に到達するまでに深さhだけ上昇
すれば、完全な分離除去が可能となる。それには、滞留
時間tm は下式の関係を満足するように設定する必要が
ある。 tm >h/V
鋼の流れが水平方向に一様であるとし、溶鋼が流入点か
ら流出点に到達するまでの時間(滞留時間)をtm 、タ
ンディッシュ内の溶鋼深さをh、浮上する介在物の上昇
速度をVとすると、流入点でタンディッシュの底部に存
在する介在物が流出点に到達するまでに深さhだけ上昇
すれば、完全な分離除去が可能となる。それには、滞留
時間tm は下式の関係を満足するように設定する必要が
ある。 tm >h/V
【0013】上式が浮力に依存する異物分離の限界を示
すものであるが、小さな介在物の浮上速度は非常に小さ
いために極めて大きい滞留時間を確保しなければなら
ず、現実には小さい介在物の完全な分離は不可能であ
る。ちなみに粒子径10μm、密度3000kg/m3
の介在物の浮上速度Vは4.5×10-5m/sであり、深
さhが0.7mのタンディッシュでは滞留時間tmを26
0分とする必要があり、非現実的な値となってしまう。
そのため、小さな介在物が十分に分離されず、その分離
効果の低下を招いているのが現実である。浮力を利用す
る他の分離、例えば堰を用いた流動制御による浮上分離
でも、程度の差はあれ同様のことが大きな問題となる。
すものであるが、小さな介在物の浮上速度は非常に小さ
いために極めて大きい滞留時間を確保しなければなら
ず、現実には小さい介在物の完全な分離は不可能であ
る。ちなみに粒子径10μm、密度3000kg/m3
の介在物の浮上速度Vは4.5×10-5m/sであり、深
さhが0.7mのタンディッシュでは滞留時間tmを26
0分とする必要があり、非現実的な値となってしまう。
そのため、小さな介在物が十分に分離されず、その分離
効果の低下を招いているのが現実である。浮力を利用す
る他の分離、例えば堰を用いた流動制御による浮上分離
でも、程度の差はあれ同様のことが大きな問題となる。
【0014】本発明の目的は、電磁力を用いた浮上分離
において小さな介在物も効果的に分離して、分離効率の
大幅向上を図る溶鋼の清浄化方法を提供することにあ
る。
において小さな介在物も効果的に分離して、分離効率の
大幅向上を図る溶鋼の清浄化方法を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の清浄化方法は、
取鍋から取鍋ノズルを介してタンディッシュに供給され
た溶鋼を、タンディッシュノズルを介してモールドに注
入する鋼の連続鋳造において、取鍋ノズルからタンディ
ッシュノズルへ向けてタンディッシュ内を流動する溶鋼
に重力方向の電磁力が作用するように、その溶鋼に流路
に沿って直流電流Jを流し且つ流路と交差する方向に静
磁界Bを印加するものである。
取鍋から取鍋ノズルを介してタンディッシュに供給され
た溶鋼を、タンディッシュノズルを介してモールドに注
入する鋼の連続鋳造において、取鍋ノズルからタンディ
ッシュノズルへ向けてタンディッシュ内を流動する溶鋼
に重力方向の電磁力が作用するように、その溶鋼に流路
に沿って直流電流Jを流し且つ流路と交差する方向に静
磁界Bを印加するものである。
【0016】
【作用】タンディッシュ内を流動する溶鋼は高い導電性
を有する。この溶鋼にその流路に沿って直流電流Jを流
し、且つ流路と交差する方向、例えば流路に直角な方向
に静磁界Bを印加すると、それぞれの方向に直角な方向
の電磁力J×Bが溶鋼に作用する。ここで電磁力J×B
が重力方向に生じるように直流電流Jの方向および静磁
界Bの方向を選択すると、溶鋼は重力方向の電磁力J×
Bを受ける。一方、非金属介在物、気泡、スラグといっ
た溶鋼中の異物には、ほとんど導電性がないので、電磁
力は作用しない。そのため、溶鋼に作用する電磁力J×
Bの反作用力が、これらの異物に反重力方向の上昇力と
して作用する。そして、この上昇力が本来の浮力に加わ
ることにより、異物の浮上分離が促進される。
を有する。この溶鋼にその流路に沿って直流電流Jを流
し、且つ流路と交差する方向、例えば流路に直角な方向
に静磁界Bを印加すると、それぞれの方向に直角な方向
の電磁力J×Bが溶鋼に作用する。ここで電磁力J×B
が重力方向に生じるように直流電流Jの方向および静磁
界Bの方向を選択すると、溶鋼は重力方向の電磁力J×
Bを受ける。一方、非金属介在物、気泡、スラグといっ
た溶鋼中の異物には、ほとんど導電性がないので、電磁
力は作用しない。そのため、溶鋼に作用する電磁力J×
Bの反作用力が、これらの異物に反重力方向の上昇力と
して作用する。そして、この上昇力が本来の浮力に加わ
ることにより、異物の浮上分離が促進される。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0018】図1に本発明の清浄化方法を実施するのに
適した装置構成を示す。同図は連続鋳造設備の注湯部を
示しており、取鍋2内の溶鋼1は、取鍋ノズル3を介し
てタンディッシュ4内に一端部から供給される。その溶
鋼1は、タンディッシュ4内を他端部へ向けて水平方向
に流動し、タンディッシュノズル5を介してモールド6
内に注入される。
適した装置構成を示す。同図は連続鋳造設備の注湯部を
示しており、取鍋2内の溶鋼1は、取鍋ノズル3を介し
てタンディッシュ4内に一端部から供給される。その溶
鋼1は、タンディッシュ4内を他端部へ向けて水平方向
に流動し、タンディッシュノズル5を介してモールド6
内に注入される。
【0019】タンディッシュ4の一端部においては、溶
鋼1の上面にプラズマトーチ7が上方から対向してい
る。一方、タンディッシュ4の他端側の周壁には導電性
耐火物8が配設されている。そして導電性耐火物8を接
地し、プラズマトーチ7と溶鋼1との間に直流アークを
発生させることにより、タンディッシュ4内の溶鋼1に
はその流れに沿った水平方向の直流電流Jが流れる。
鋼1の上面にプラズマトーチ7が上方から対向してい
る。一方、タンディッシュ4の他端側の周壁には導電性
耐火物8が配設されている。そして導電性耐火物8を接
地し、プラズマトーチ7と溶鋼1との間に直流アークを
発生させることにより、タンディッシュ4内の溶鋼1に
はその流れに沿った水平方向の直流電流Jが流れる。
【0020】また、タンディッシュ4を挟んでその両側
には、一対の電磁石9,9が対向配置されている。電磁
石9,9は極性が異なる直流電磁石であって、磁石間を
流動する溶鋼1に、その流れと直角な水平方向の静磁界
Bを印加する。これにより、電磁石9,9間を流動する
溶鋼1には、鉛直方向の電磁力J×Bが作用する。ここ
で静磁界Bの方向は、電磁力J×Bが重力方向に生じる
ように決められている。
には、一対の電磁石9,9が対向配置されている。電磁
石9,9は極性が異なる直流電磁石であって、磁石間を
流動する溶鋼1に、その流れと直角な水平方向の静磁界
Bを印加する。これにより、電磁石9,9間を流動する
溶鋼1には、鉛直方向の電磁力J×Bが作用する。ここ
で静磁界Bの方向は、電磁力J×Bが重力方向に生じる
ように決められている。
【0021】このような装置構成によると、タンディッ
シュ内を一端部から他端部へ流動する溶鋼1は、電磁石
9,9の間を通過するときに、重力方向の電磁力J×B
を受ける。これにより、導電性を殆ど有しない溶鋼1中
の異物には、電磁力J×Bの反作用として反重力方向の
上昇力が作用する。そのため、現実的な滞留時間内で小
さな介在物も効果的に浮上分離される。
シュ内を一端部から他端部へ流動する溶鋼1は、電磁石
9,9の間を通過するときに、重力方向の電磁力J×B
を受ける。これにより、導電性を殆ど有しない溶鋼1中
の異物には、電磁力J×Bの反作用として反重力方向の
上昇力が作用する。そのため、現実的な滞留時間内で小
さな介在物も効果的に浮上分離される。
【0022】このとき、電磁石9,9の間に溶鋼1が流
入する流入部と、電磁石9,9の間から溶鋼1が流出す
る流出部とにおいては、磁極から離れるに従い、磁場が
大きく減衰するため、溶鋼に働く電磁力にアンバランス
が生じる。そのため、溶鋼1に対流10,10が生じ
る。この対流10,10は分離効率を低下させる原因に
なる。そこで、図2に示す装置構成においては、流入部
および流出部に、溶鋼1の表層部に上方から浸漬される
対流抑制用の堰11,11を設けた。堰11,11はタ
ンディッシュ4の内部に設置される型式でないため、タ
ンディッシュ4の再使用を阻害しない。
入する流入部と、電磁石9,9の間から溶鋼1が流出す
る流出部とにおいては、磁極から離れるに従い、磁場が
大きく減衰するため、溶鋼に働く電磁力にアンバランス
が生じる。そのため、溶鋼1に対流10,10が生じ
る。この対流10,10は分離効率を低下させる原因に
なる。そこで、図2に示す装置構成においては、流入部
および流出部に、溶鋼1の表層部に上方から浸漬される
対流抑制用の堰11,11を設けた。堰11,11はタ
ンディッシュ4の内部に設置される型式でないため、タ
ンディッシュ4の再使用を阻害しない。
【0023】異物の分離効率を上げるため、直流電流J
及び静磁界Bは大きいほど良く、静磁界Bの印加領域に
ついても流れ方向に長いほど良い。
及び静磁界Bは大きいほど良く、静磁界Bの印加領域に
ついても流れ方向に長いほど良い。
【0024】溶鋼へ直流電流Jを供給する手段について
は、溶鋼の流れを阻害しないこと、溶鋼を汚染しないこ
となどから、図1の装置構成において採用されたプラズ
マトーチが望ましい。ただし、これ以外の供給手段(例
えば黒鉛電極による直接通電等)を用いることも可能で
ある。
は、溶鋼の流れを阻害しないこと、溶鋼を汚染しないこ
となどから、図1の装置構成において採用されたプラズ
マトーチが望ましい。ただし、これ以外の供給手段(例
えば黒鉛電極による直接通電等)を用いることも可能で
ある。
【0025】図1および図2に示す装置構成において、
溶鋼深さ0.7m、巾0.6m、長さ2.5mのタンディッシ
ュを用い、プラズマトーチの出力を1000kW(電圧
400V−電流2500A)、静磁界の印加領域を溶鋼
の流れ方向に1m、深さ方向に0.6m、流れ方向中央部
での磁束密度を1000ガウスとして、低炭素アルミキ
ルド鋼を毎分0.6トンでタンディッシュに供給した。こ
のとき、流入点と流出点とで10μm以上の介在物の個
数濃度を調査し、分離効率ηを〔(流入点個数濃度−流
出点個数濃度)/流入点個数濃度〕×100(%)にて
求めた。タンディッシュの外気遮断には通常の注湯で行
われるのと同じようにArガスによるシールドを用い
た。図2の装置構成における対流抑制用の堰について
は、間隔0.8m、浸漬深さ0.2mとした。
溶鋼深さ0.7m、巾0.6m、長さ2.5mのタンディッシ
ュを用い、プラズマトーチの出力を1000kW(電圧
400V−電流2500A)、静磁界の印加領域を溶鋼
の流れ方向に1m、深さ方向に0.6m、流れ方向中央部
での磁束密度を1000ガウスとして、低炭素アルミキ
ルド鋼を毎分0.6トンでタンディッシュに供給した。こ
のとき、流入点と流出点とで10μm以上の介在物の個
数濃度を調査し、分離効率ηを〔(流入点個数濃度−流
出点個数濃度)/流入点個数濃度〕×100(%)にて
求めた。タンディッシュの外気遮断には通常の注湯で行
われるのと同じようにArガスによるシールドを用い
た。図2の装置構成における対流抑制用の堰について
は、間隔0.8m、浸漬深さ0.2mとした。
【0026】比較のために、電磁力も堰も用いない場
合、すなわち、浮上分離を促進しない場合、図3に示す
堰を用いた流動制御により浮上分離を促進する場合、図
4に示す従来の電磁力を用いた流動制御により浮上分離
を促進する場合、すなわち静磁界を印加し直流電流を通
じない場合についても同様の調査を行った。それぞれの
調査結果を表1に示す。
合、すなわち、浮上分離を促進しない場合、図3に示す
堰を用いた流動制御により浮上分離を促進する場合、図
4に示す従来の電磁力を用いた流動制御により浮上分離
を促進する場合、すなわち静磁界を印加し直流電流を通
じない場合についても同様の調査を行った。それぞれの
調査結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】分離効率ηは電磁力も堰も用いない場合は
20%に過ぎない。堰を用いた流動制御の場合は30%
に上がり、従来の電磁力を用いた流動制御の場合は更に
上がるが、それでも50%である。これは10μm近傍
の小さい介在物が有効に除去されていないからである。
しかるに、本発明に従って溶鋼に重力方向の電磁力を作
用させると、分離効率ηは85%と飛躍的に上がり、対
流抑制用の堰を設けた場合は92%に達する。これは溶
鋼に作用する重力方向の電磁力の反作用として介在物が
効果的な上昇力を受け、小さな介在物も限られた滞留時
間(ここでは12分)内に効果的に浮上分離されたこと
による。
20%に過ぎない。堰を用いた流動制御の場合は30%
に上がり、従来の電磁力を用いた流動制御の場合は更に
上がるが、それでも50%である。これは10μm近傍
の小さい介在物が有効に除去されていないからである。
しかるに、本発明に従って溶鋼に重力方向の電磁力を作
用させると、分離効率ηは85%と飛躍的に上がり、対
流抑制用の堰を設けた場合は92%に達する。これは溶
鋼に作用する重力方向の電磁力の反作用として介在物が
効果的な上昇力を受け、小さな介在物も限られた滞留時
間(ここでは12分)内に効果的に浮上分離されたこと
による。
【0029】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明の溶鋼の清浄
化方法は、電磁力を用いるのでタンディッシュの再使用
が可能で、且つ浮上した介在物の再巻き込みが少ない上
に、溶鋼に作用する電磁力の反作用により異物を強制的
に上昇させるので、限られた溶鋼滞留時間内に小さな介
在物も効果的に浮上させることができる。従って、分離
効率を著しく高めることができ、溶鋼の清浄化に大きな
効果を発揮する。
化方法は、電磁力を用いるのでタンディッシュの再使用
が可能で、且つ浮上した介在物の再巻き込みが少ない上
に、溶鋼に作用する電磁力の反作用により異物を強制的
に上昇させるので、限られた溶鋼滞留時間内に小さな介
在物も効果的に浮上させることができる。従って、分離
効率を著しく高めることができ、溶鋼の清浄化に大きな
効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の清浄化方法の実施に適した装置構成を
示す模式図である。
示す模式図である。
【図2】本発明の清浄化方法の実施に適した他の装置構
成を示す模式図である。
成を示す模式図である。
【図3】従来の浮上分離促進法(堰を用いた流動制御)
を示す模式図である。
を示す模式図である。
【図4】従来の他の浮上分離促進法(電磁力を用いた流
動制御)を示す模式図である。
動制御)を示す模式図である。
【図5】従来の浮上分離促進法での分離限界を説明する
ための模式図である。
ための模式図である。
1 溶鋼 2 取鍋 3 取鍋ノズル 4 タンディッシュ 5 タンディッシュノズル 6 モールド 7 プラズマトーチ 8 導電性耐火物 9 電磁石 11 対流抑制用の堰
Claims (1)
- 【請求項1】 取鍋から取鍋ノズルを介してタンディッ
シュに供給された溶鋼を、タンディッシュノズルを介し
てモールドに注入する鋼の連続鋳造において、取鍋ノズ
ルからタンディッシュノズルへ向けてタンディッシュ内
を流動する溶鋼に重力方向の電磁力が作用するように、
その溶鋼に流路に沿って直流電流Jを流し且つ流路と交
差する方向に静磁界Bを印加することを特徴とする溶鋼
の清浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10799995A JPH08281392A (ja) | 1995-04-07 | 1995-04-07 | 溶鋼の清浄化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10799995A JPH08281392A (ja) | 1995-04-07 | 1995-04-07 | 溶鋼の清浄化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08281392A true JPH08281392A (ja) | 1996-10-29 |
Family
ID=14473426
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10799995A Pending JPH08281392A (ja) | 1995-04-07 | 1995-04-07 | 溶鋼の清浄化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH08281392A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100383275B1 (ko) * | 1999-12-29 | 2003-05-12 | 주식회사 포스코 | 위상배열방식의 전자기력을 이용한 턴디쉬내 개재물의분리 및 부상장치 |
CN112974783A (zh) * | 2021-02-07 | 2021-06-18 | 佛山科学技术学院 | 基于静磁场的中间包控流装置 |
-
1995
- 1995-04-07 JP JP10799995A patent/JPH08281392A/ja active Pending
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KR100383275B1 (ko) * | 1999-12-29 | 2003-05-12 | 주식회사 포스코 | 위상배열방식의 전자기력을 이용한 턴디쉬내 개재물의분리 및 부상장치 |
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