JPH0828074B2 - 磁気デイスク記憶装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （Ａ） 発明の技術分野 本発明はコンタクトスタートストップ方式（CSS方
式）の磁気ディスク記憶装置に関する。

（Ｂ） 技術の背景 磁気ディスク記憶装置においては、高速回転する磁気
ディスクと磁気ヘッドとの接触による摩耗および破損等
を免れるため、通常、磁気ディスク回転中は磁気ヘッド
を磁気ヘッド表面から数百μｍないし数μｍ浮上するよ
うに設計されており、その一方式として、磁気ヘッドを
磁気ディスクに接触させたままで磁気ディスクの回転を
起動して磁気ヘッドを浮上させ、また、磁気ヘッドを磁
気ディスクから強制的に引離すことなく、磁気ディスク
の回転を停止する起動停止方式、CSS方式、が広く用い
られている。

（Ｃ） 従来技術と問題点 従来のCSS方式の磁気ディスク記憶装置においては、
磁気ディスクの回転起動時および回転停止時における磁
気ヘッドの磁気ディスクの半径方向に対する位置は同じ
であった。

すなわち、磁気ヘッドは磁気ディスクの回転起動時お
よび回転停止時ともに、磁気ディスク上の同一円周上に
おいて磁気ディスクと接触し、したがって、磁気ディス
クの同一円周に摩耗が生じ、これが磁気ディスクの寿命
を決定する要因となっていた。

（Ｄ） 発明の目的 本発明は、磁気ディスクの回転起動時に磁気ヘッドと
接触する円周と、回転停止時に磁気ヘッドと接触する円
周とを分離することによって磁気ディスクの寿命を延伸
することを目的とする。

（Ｅ） 発明の構成 本発明になる磁気ディスク装置は、コンタクトスター
トストップ方式（CSS方式）の磁気ディスク記憶装置に
おいて、磁気ディスク回転起動時における該磁気ディス
ク半径方向に対する磁気ヘッドの位置と前記磁気ディス
ク回転停止時における前記磁気ディスクの半径方向に対
する磁気ヘッドの位置とを変化させることによって、磁
気ディスクの摩耗部分を分散させ寿命の延伸を図ったも
のである。

（Ｆ） 発明の実施例 以下、本発明の要旨を図示実施例によって具体的に説
明する。

第１図は本発明一実施例の磁気ヘッド移動制御回路を
示し、１は磁気ディスク、２は磁気ヘッドキャリッジ、
３は磁気ヘッドキャリッジ２を駆動するリニアモータ、
４はリニアモータ３の駆動電流を発生する電力増幅器、
５は磁気ヘッドキャリッジ２の位置を検出する位置検出
器、６は電力増幅器４によって得られる前記駆動電流の
値を検出する電流検出器、７は本発明の要部であり電力
増幅器４を介し磁気ヘッド位置決め制御サーボ回路に与
える偏倚信号を発生する電圧作成回路、８は位置検出器
５と電流検出器６の出力信号から磁気ヘッドキャリッジ
２の速度を検出する速度検出器、９は位置検出器５と速
度検出器８の出力信号から得られる磁気ヘッドキャリッ
ジ２の位置誤差信号を増幅する誤差増幅器、10は磁気ヘ
ッドキャリッジ２の速度制御と位置制御との切換えをお
こなう切換スイッチ、11は磁気ヘッドキャリッジ２に対
する移動制御信号を発生する制御論理回路、12は位置検
出器５の出力信号と制御論理回路11の制御信号とから速
度制御における目標速度を発生する目標速度発生器、13
は速度検出器８と目標速度発生器12の出力信号から得ら
れる磁気ヘッドキャリッジ２の速度誤差信号を増幅する
速度誤差増幅器である。

以上のようは構成において、位置検出器５と、電流検
出器６と速度検出器８と目標速度発生器12と誤差増幅器
９と速度誤差増幅器13と切換スイッチ10と電力増幅器４
とリニアモータ３と磁気ヘッドキャリッジ２は磁気ヘッ
ド位置決め制御サーボ回路を構成し、制御論理回路11が
発生する移動制御信号によって磁気ヘッドキャリッジ２
の速度制御と位置制御がおこなわれるのであるが、磁気
ディスク１の回転を停止するときには、電力増幅器４を
介し電圧作成回路７から前記磁気ヘッド位置決め制御サ
ーボ回路に対し、磁気ヘッドキャリッジ２を磁気ディス
ク１に対し外周方向に偏倚させるように偏倚信号が与え
られる。

第２図は磁気ディスク１の部分断面図を示し、11は回
転軸、12は記録媒体、13は磁気ディスク１の外周方向へ
の磁気ヘッドキャリッジ２の移動を制限するアウタスト
ッパ、14は磁気ディスク１の内周方向への磁気ヘッドキ
ャリッジ２の移動を制限するインナストッパである。ま
た、Ａは記録媒体12の情報領域、Ｂは磁気ディスク１の
回転起動時における磁気ヘッド（図示省略）との接触領
域、Ｃは磁気ディスク１の回転停止時における磁気ヘッ
ドとの接触領域を示す。

すなわち、前記磁気ヘッド位置決め制御サーボ回路に
よって磁気ヘッドが移動される範囲は第２図に示すＡと
Ｂの領域であるが、電圧作成回路７から電力増幅器４に
対し偏倚信号が与えられると、磁気ヘッドキャリッジ２
は、アウタストッパ13を点線の位置から実線の位置まで
移動させ、アウタストッパ13のばね反力と平衡する位置
で停止し、磁気ヘッドは接触領域Ｃに移動される。

第３図は、磁気ディスク回転停止信号（ａ）と、リニ
アモータ３に与えられる駆動電流Ｉ（ｂ）と、磁気ディ
スクキャリッジ２に与えられる偏倚×（ｃ）と、磁気デ
ィスク１の回転速度Ｎ（ｄ）の関係を示す。

ここで、磁気ディスクの回転が停止した（Ｎ＝０）
後、偏倚駆動Ｘが消滅すると、ばね反力との平衡が崩
れ、磁気ヘッドはばね反力によって領域Ｃから領域Ｂに
移動させられる。

上記実施例によれば、従来の磁気ヘッド移動制御回路
に電圧作成回路７を付加するのみで、磁気ディスク１の
回転起動時と回転停止時とにおける磁気ヘッド接触領域
を分離することができる。

なお、上記実施例は磁気ディスク１の回転停止時に電
圧作成回路７から偏倚信号を発生させることによって、
回転起動時と回転停止時とにおける磁気ディスク半径方
向に対する磁気ヘッドの位置を変化させたものである
が、磁気ディスク１の回転起動時に電圧作成回路７から
偏倚信号を発生させることによっても、回転起動時と回
転停止時における磁気ディスク半径方向に対する磁気ヘ
ッドの位置を変化させることができる。

（Ｇ） 発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、磁気ディスク
の回転起動時と回転停止とにおける磁気ヘッド接触領域
を分離し、したがって磁気ディスクの摩耗を減少し寿命
を増大させることができる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明一実施例の磁気ディスク記憶装置の磁気
ヘッド移動制御回路、第２図は磁気ディスクの部分断面
図、第３図は磁気ディスクの回転停止時におけるリニア
モータの駆動電流と磁気ディスクキャリッジの偏倚と磁
気ディスクの回転速度の関係を示し、第１図と第２図に
おいて１は磁気ディスク、２は磁気ヘッドキャリッジ、
３はリニアモータ、４は電力増幅器、７は電圧作成回路
である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】コンタクトスタートストップ方式の磁気デ
   ィスク記憶装置において、磁気ディスク回転起動時にお
   ける該磁気ディスク半径方向に対する磁気ヘッドの位置
   と前記磁気ディスク回転停止時における前記ディスク半
   径方向に対する磁気ヘッドの位置とを変化させることを
   特徴とする磁気ディスク記憶装置。
2. 【請求項２】前記第（１）項記載の磁気ディスク記憶装
   置において、磁気ヘッドを収容する磁気ヘッドキャリッ
   ジと該磁気ヘッドキャリッジの移動範囲を限定するスト
   ッパとから構成され、該磁気ヘッドキャリッジには駆動
   する電力増幅器が接続され、該電力増幅器には通常の磁
   気ヘッド移動用信号の他に偏倚信号を印加出来るように
   し、前記磁気ヘッドキャリッジの移動範囲を限定するイ
   ンナストッパ又はアウタストッパの少なくとも１つに弾
   性部材を用い、回転停止時の偏倚信号による偏倚勢力と
   弾性反力との平衡する位置に磁気ヘッドを停止させ、偏
   倚信号の停止によって偏倚勢力が消滅した時は弾性反力
   の回復によって磁気ヘッド位置を停止位置とは異なる位
   置に移動せしめることを特徴とする特許請求の範囲第
   （１）項記載の磁気ディスク記憶装置。