JPH0828039A - コンクリート型枠用金属板 - Google Patents

コンクリート型枠用金属板

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JPH0828039A
JPH0828039A JP18663694A JP18663694A JPH0828039A JP H0828039 A JPH0828039 A JP H0828039A JP 18663694 A JP18663694 A JP 18663694A JP 18663694 A JP18663694 A JP 18663694A JP H0828039 A JPH0828039 A JP H0828039A
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JP
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resin
metal plate
epoxy resin
concrete
weight
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Application number
JP18663694A
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English (en)
Inventor
Takeo Kobayashi
健男 小林
Toshio Nagase
敏夫 永瀬
Mizuyoshi Fujiike
瑞芳 藤池
Tatsuo Tsukagoshi
達雄 塚越
Masaaki Watanabe
公明 渡辺
Sadanobu Ishikawa
定宣 石川
Toshio Kawai
利雄 川合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】合成樹脂表面層を有するコンクリート型枠用金
属板において、合成樹脂表面層2が、(a)エポキシ樹
脂と、(b)該エポキシ樹脂に室温で不溶であって混和
分散し、80〜250℃において該エポキシ樹脂の浸透
をうけて均質化する粉末状の熱可塑性樹脂と、(c)エ
ポキシ樹脂用熱活性型硬化剤とを必須成分とし、該粉末
状の熱可塑性樹脂の配合量が該エポキシ樹脂100重量
部に対して20〜100重量部である樹脂組成物を加熱
硬化したものからなることを特徴とするコンクリート型
枠用金属板1。 【効果】本発明のコンクリート型枠用金属板は、型枠に
求められるコンクリートとの剥離性、耐衝撃性、表面層
の平滑性、及び耐キズ性などの諸特性にすぐれ、耐久性
にもすぐれているため繰り返して使用しうる回数が多
く、表面層にキズがついた場合でも補修を容易に行うこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木建築工事に用いら
れるコンクリート型枠用金属板に関する。さらに詳しく
は、本発明は、耐久性が良好で多数回繰り返し使用する
ことができ、コンクリートの剥離性及び表面平滑性にも
すぐれたコンクリート型枠用金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】土木及び建築工事におけるコンクリート
の打込みのための型枠には、従来から合板が多量に使用
され、消費されている。しかし、地球環境保護及び森林
資源の回復のために、木材の使用量を極力減少すること
が求められ、コンクリート型枠用合板の長寿命化が試み
られ、さまざまな提案がなされている。例えば、特開平
3−293472号公報には、合板に無溶剤ウレタンを
塗布する方法が提案されている。この方法は、塗布作業
環境がよく、得られた合板のコンクリート非付着性もよ
いが、無溶剤ウレタンが合板の水分と反応し気泡を生じ
るという欠点を有している。特開平2−39315号公
報には、合板に接着性ポリオレフィン粉末を散布し加熱
ロールで圧延後、非接着性ポリオレフィンを散布し圧延
する方法が提案されている。このポリオレフィンで被覆
した合板は、耐衝撃性が良好であるが、製造工程が長
く、そのため製造コストが高い。特開平4−1143号
公報及び特開平3−159702号公報には、合板に溶
剤型塗料を含む多重塗布を行う方法が提案されている。
この方法により製造される合板は、表面平滑性にすぐれ
ているが、製造時の有機溶剤の揮散による労働環境問題
の発生は避けられず、かつ生産性が低い。特開平3−1
07065号公報及び特開平2−43464号公報に
は、合板の表面に光重合性樹脂層を設けることが提案さ
れている。表面に光重合性樹脂層を有する合板は、コン
クリート非付着性及び表面平滑性にすぐれているが、製
造に特殊な設備を必要とし、かつ一旦破損すれば修理が
不能であるという問題を有している。特開昭61−25
804号公報、特開昭61−76321号公報、特開昭
63−83374号公報及び特開平2−189353号
公報には、合板に塩化ビニリデンラテックスを塗布、処
理する方法が提案されている。合板の処理時に溶剤を使
用しないことは、この方法のすぐれた点であるが、塗膜
の厚さが薄く、キズに弱いという欠点がある。このよう
に、コンクリート型枠用合板の表面を樹脂層で被覆し保
護することにより、合板の表面性を改良するとともに、
合板の寿命を延ばそうとするさまざまな試みが提案され
ているが、それぞれ一長一短を有する上に、材料として
合板を使用する限りは木材を消費することは避けられ
ず、自然環境の保護という本質的な問題を解決すること
はできない。そのため、合板の代わりに金属板を使用す
ることにより、木材を消費せず、森林資源を本格的に保
護しようという運動がなされるようになった。金属板を
コンクリート型枠として使用するためには、錆の発生を
防ぎ、繰り返し使用を可能としなければならず、そのた
め、金属板にアクリル塗料、ウレタン塗料、エポキシ塗
料、フッ素塗料などの塗料を塗装することが行われてい
る。しかし、これらの塗装においては、塗装時の溶剤揮
散による環境問題の発生が避けられず、かつ、得られた
塗膜はおおむね薄くキズがつきやすく、また、いったん
塗膜にキズがつき金属が露出すると、その部分にセメン
トが付着しやすいという問題がある。また、実開昭59
−98997号公報には、鋼板に溶射によりセラミック
ス層を形成し、あるいは、さらにセラミックスの多孔部
に樹脂を含浸する方法が提案されている。この方法によ
り得られる鋼板は、防錆性の問題は解決されているもの
の、製造コストが高く、また、コンクリートからの剥離
が困難な場合があるという問題がある。このため、耐久
性にすぐれ、良好なコンクリート硬化物を得ることがで
き、かつ、生産性のよいコンクリート型枠用金属板の開
発が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
のもとで、アルミニウムやスチールなどの金属板に表面
処理をすることにより、コンクリートの硬化反応を阻害
せず、コンクリート面が平滑に仕上げられ、型枠の剥離
が容易で、かつ耐久性にすぐれ、生産性のよい、コンク
リート型枠用金属板を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有するコンクリート型枠用金属板を開発す
べく鋭意研究を重ねた結果、金属板に特定の粉末状の樹
脂を配合したエポキシ樹脂塗膜を被覆することにより、
その目的が達成されることを見いだし、その知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1)合成樹脂表面層を有するコンクリート型枠用金属
板において、合成樹脂表面層が、(a)エポキシ樹脂
と、(b)該エポキシ樹脂に室温で不溶であって混和分
散し、80〜250℃において該エポキシ樹脂の浸透を
うけて均質化する粉末状の熱可塑性樹脂と、(c)エポ
キシ樹脂用熱活性型硬化剤とを必須成分とし、該粉末状
の熱可塑性樹脂の配合量が該エポキシ樹脂100重量部
に対して20〜100重量部である樹脂組成物を加熱硬
化したものからなることを特徴とするコンクリート型枠
用金属板、(2)樹脂組成物を硬化剤によって硬化する
温度以下の温度に加熱することによりゲル状の疑似硬化
シートを形成し、これを金属板に貼りつけて加熱硬化す
ることを特徴とする第(1)項記載のコンクリート型枠用
金属板、(3)樹脂組成物を金属板に塗布し、これを加
熱硬化することを特徴とする第(1)項記載のコンクリー
ト型枠用金属板、及び、(4)粉末状の熱可塑性樹脂が
塩化ビニル樹脂又はメチルメタクリレート樹脂である第
(1)、(2)又は(3)項記載のコンクリート型枠用金属
板、を提供するものである。
【0005】本発明において、(a)成分として用いら
れるエポキシ樹脂は、常温で液状又はペースト状のエポ
キシ樹脂であり、このようなエポキシ樹脂としては、例
えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ヒダントイン系
エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポ
キシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、NBR変性エ
ポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂などの広い種類
のエポキシ樹脂が含まれる。特に好ましい例としては、
ビスフェノールA又はビスフェノールFにエピクロルヒ
ドリンなどのエポキシ基含有化合物を反応させて得られ
る初期縮合物が挙げられる。また、ビスフェノールAに
エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを2〜20モ
ル付加した化合物から誘導されるエポキシ樹脂も使用す
ることができる。本発明において、(b)成分として用
いられる粉末状の熱可塑性樹脂は、液状の前記エポキシ
樹脂に室温で不溶であって混和分散し、80〜250℃
の温度において該エポキシ樹脂の浸透をうけて均質化す
る性質を有するものである。ここで均質化するとは、該
熱可塑性樹脂粒子が前記エポキシ樹脂を吸収、膨潤して
一体化してゲル状態になるか、さらに進んで溶解して均
一な溶液になることをいう。この熱可塑性樹脂は、後に
述べる硬化剤によって硬化する温度以下の温度、100
〜200℃に加熱することにより、前記エポキシ樹脂の
浸透によりゲル状になり(以下、この状態を疑似硬化と
いう。)、シート形状を保持することができる。したが
って、該熱可塑性樹脂粒子は、室温での混合、保存時に
はエポキシ樹脂に不溶であって、エポキシ樹脂中に混和
分散した状態にあり、かつ、硬化温度以下の温度での加
熱によりエポキシ樹脂を吸収してゲル状となり疑似硬化
し、またより高温においては溶液化することもあり得る
が、採用された硬化剤に固有の硬化温度(100〜25
0℃)においてエポキシ樹脂と一体となって硬化しうる
ものである。このような熱可塑性樹脂としては、例え
ば、塩化ビニル系樹脂、メタクリル系樹脂、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重
合体などが挙げられるが、利用しうる可塑剤の種類、入
手の容易さとともに、疑似硬化シートへの成形の容易さ
などを考慮すると、特に塩化ビニル系樹脂及びメタクリ
ル系樹脂が好適である。ここで、塩化ビニル系樹脂とし
ては、塩化ビニル単独重合体や、塩化ビニルと酢酸ビニ
ル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、マレイン酸、フマル酸、塩化ビ
ニリデン、ビニルエーテルなどとの共重合体を挙げるこ
とができる。この塩化ビニル系樹脂は、乳化重合や懸濁
重合などの公知の重合方法により製造したものを使用す
ることができるが、特にペースト加工用の乳化重合又は
微細懸濁重合により製造した単一粒子の平均粒径が0.
2〜5μmの球状の樹脂粒子は、表面積が大きく疑似硬
化の容易さ、均一分散の容易さの点から好適に使用する
ことができる。一方、メタクリル系樹脂としては、メチ
ルメタクリレート単独重合体や、メチルメタクリレート
を主成分とし、エチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート、アクリロニトリルなどの共重合可能な単量体との
共重合体を挙げることができる。
【0006】本発明において、(b)成分として用いら
れる粉末状の熱可塑性樹脂は、樹脂組成物中に均一に分
散する必要があるため、平均粒子径として、通常300
μm以下、好ましくは1〜100μmの範囲のものを使
用する。熱可塑性樹脂の平均粒子径が300μmを超え
ると、樹脂組成物中に均一分散しにくくなる。(b)成
分として使用する粉末状の熱可塑性樹脂は、1種類用い
てもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよく、
また、その配合量は、前記(a)成分のエポキシ樹脂1
00重量部に対して、20〜100重量部、好ましくは
50〜100重量部の範囲で選ぶことが必要である。粉
末状の熱可塑性樹脂の配合量がエポキシ樹脂100重量
部に対して20重量部未満であると、疑似硬化状態のシ
ート表面の粘着性が強くて扱いにくく、又、加熱成形後
の被覆層は脆くて衝撃に弱いので好ましくない。また、
粉末状の熱可塑性樹脂の配合量がエポキシ樹脂100重
量部に対して100重量部を超えると、可塑剤やその他
の液状添加剤の添加量を多くしないと取扱いができず、
そうすると、有効なコンクリートとの剥離性を有する表
面層を形成しにくいので好ましくない。本発明におい
て、(c)成分として用いられるエポキシ樹脂用熱活性
型硬化剤は、エポキシ樹脂との組み合わせにおいて、発
熱ピーク温度、即ち硬化温度が130〜250℃の範囲
にあるものが好ましく、このようなものとしては、例え
ば、ジシアンジアミド、4,4'−ジアミノジフェニルス
ルホン、2−n−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミ
ダゾール誘導体、イソフタル酸ジヒドラジド、N,N'−
ジアルキルチオ尿素誘導体、テトラヒドロ無水フタル酸
などの酸無水物、イソホロンジアミン、N−アミノエチ
ルピペラジン、三フッ化ホウ素錯化合物などが挙げられ
る。これらの硬化剤は1類種用いてもよいし、2種類以
上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、
前記(a)成分のエポキシ樹脂100重量部に対して、
通常0.5〜30重量部、好ましくは3〜20重量部の
範囲で選ばれる。熱活性型硬化剤の配合量が、エポキシ
樹脂100重量部に対して0.5重量部未満であると、
エポキシ樹脂の硬化反応が不十分となるおそれがあり、
この場合はコンクリート型枠用表面層としての十分な硬
度が得られない。また、熱活性型硬化剤の配合量が、エ
ポキシ樹脂100重量部に対して30重量部を超える
と、その添加量の割には硬度の向上が計れない。硬化条
件としては、上記発熱ピーク温度にて10〜40分加熱
する。本発明に用いられる樹脂組成物においては、必要
に応じて可塑剤を添加することができる。可塑剤は、熱
可塑性樹脂をエポキシ樹脂中に安定に混和分散するとと
もに、樹脂組成物の疑似硬化の硬さを調整する役割を持
つものであり、その種類については特に制限はなく、使
用する熱可塑性樹脂(b)と相溶するものを用いること
ができる。したがって、その種類は、使用する熱可塑性
樹脂(b)の種類により異なるが、一般的には、ジオク
チルフタレート、ジブチルフタレートなどのフタル酸エ
ステル類、トリクレジルホスフェートなどのリン酸エス
テル類、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート
などの脂肪酸エステル類、アジピン酸とトリエチレング
リコールとの縮合体などのポリエスエル類、塩素化パラ
フィン、アルキルベンゼンなどの公知の可塑剤を単独ま
たは2種以上を混合して使用することができる。その配
合量については、特に制限はないが、(b)成分の熱可
塑性樹脂100重量部に対して0〜50重量部、好まし
くは10〜30重量部の割合で用いられる。配合する可
塑剤の量が熱可塑性樹脂100重量部に対して10重量
部未満であると、樹脂組成物を均質に混和分散すること
が難しい。配合する可塑剤の量が熱可塑性樹脂100重
量部に対して100重量部を超えると、加熱硬化により
得られる合成樹脂表面層の硬度が低くなり、所望するコ
ンクリート型枠用表面材としての特性を得ることが困難
となる。
【0007】本発明に用いられる樹脂組成物において
は、初期の混合分散を容易にしたり、後述する添加剤な
どの配合量を増加させるなどの目的で、必要に応じてエ
ポキシ樹脂用希釈剤を添加することができる。このよう
な希釈剤としては、例えば、ブチルグリシジルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエ
ーテル、フェニルグリシジルエーテルなどの反応性希釈
剤や、アロマチックプロセルオイル、パインオイルなど
の非反応性希釈剤などを挙げることができる。これらの
希釈剤の配合量は、通常(a)成分のエポキシ樹脂10
0重量部に対して10〜100重量部の範囲で選ばれ
る。本発明に用いられる樹脂組成物においては、コンク
リートとコンクリート型枠との剥離性をさらに良好なも
のとし、コンクリートからの型枠取り外し作業を容易に
し、ひいては耐久性などの特性を向上させるために、離
型剤を添加することができる。このような離型剤として
は、例えば、ポリ四フッ化エチレンなどのフッ素系樹脂
粉末、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン
系樹脂粉末、シリコン系樹脂などのプラスチック、ゴム
粉末類、グラファイト、二硫化モリブデンなどの無機粉
末類、パラフィンワックス、流動パラフィン、ポリエチ
レンワックスなどのパラフィン及び炭化水素樹脂、ジメ
チルポリシロキサン、ステアリン酸、ヒドロキシステア
リン酸などの脂肪酸、ステアロアミド、メチレンビスア
ミドなどの脂肪酸アミド、ブチルステアレート、メチル
ヒドロキシステアレートなどの脂肪酸エステル、その他
脂肪族ケトン、脂肪族アルコール、あるいはステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛などの
金属石鹸類などが挙げられる。これらの離型剤の配合量
は、その離型性能、粒径、樹脂組成物との相溶性、ある
いは、型枠となる金属との接着性の阻害程度などにより
その最大添加量を、また要求される剥離性の向上レベル
によりその最低添加量を、それぞれ決めることができ
る。硬化剤による硬化温度を下げる目的で硬化促進剤を
樹脂組成物に配合することもできる。該硬化促進剤とし
ては、例えばアルコール系、フェノール系、メルカプタ
ン系、ジメチルウレア系、脂環族系、さらにはイミダゾ
ールなどが挙げられる。これらの添加により硬化剤
(c)に固有な硬化温度を50〜100℃程度引下げる
ことができる。そのような場合にあっても疑似硬化を起
こさせるにはそれより低温に置く必要がある。本発明に
用いられる樹脂組成物には、加工性、粘度などの塗布特
性の調整や、コスト低減の目的で、必要に応じてチクソ
トロープ剤や充填剤、顔料などを配合することができ
る。チクソトロープ剤としては、例えば、無水ケイ酸な
どのケイ酸類、有機ベントナイト類などを添加すること
ができる。また、充填剤としては、例えば、炭酸カルシ
ウム、タルク、クレー、アスベスト、シリカなどが挙げ
られる。本発明においては、上記(a)〜(c)成分及
び必要により添加されるその他の成分を混合することに
より得られたゾル状の樹脂組成物を、コンクリート型枠
用金属板にそのまま塗布し、硬化剤により硬化する条件
での加熱によりエポキシ樹脂成分を硬化させることによ
りコンクリート型枠用金属板を得ることができる。ある
いは、樹脂組成物を、あらかじめ硬化剤によって硬化す
る温度以下の温度に加熱してゲル状の疑似硬化シートを
形成し、これを金属板に貼りつけて加熱することによ
り、該疑似硬化シート中のエポキシ樹脂を硬化させると
ともに、該疑似硬化シートとコンクリート型枠表面との
接着面を一体的に接着することにより、実用に供するこ
とのできる樹脂表面層を備えたコンクリート型枠用金属
板を得ることができる。樹脂組成物を加熱して疑似硬化
シートとするに必要な温度は、樹脂組成物を構成する成
分、特に熱活性型硬化剤の種類と配合量により影響され
るが、通常は比較的低温の80〜150℃が選ばれる。
【0008】本発明においては、樹脂組成物を疑似硬化
シートとして使用することが好ましい。樹脂組成物を疑
似硬化シートとすることにより、樹脂組成物の保存など
の取扱性や、成形性を大幅に向上させることができる。
取扱性の点でいえば、例えば、該樹脂組成物を離型紙上
に所定厚みになるようにコーティングし、これを加熱に
より疑似硬化したものは巻物状にしたり、カット板とし
て保管することができる。成形性から言えば、例えば、
金属板に疑似硬化シートを貼りつける作業は、塗布に比
べれば作業が容易であるほか、作業環境を清浄に保つこ
とができる。さらに、成形性の点からは、次に記すよう
に大幅な利点を得ることが可能である。すなわち、コン
クリート型枠用金属板は、一般にはその表面は平面状で
あることが多いが、デザイン的には曲面や凹凸面も使用
される。このような場合、液状の樹脂組成物をコンクリ
ート型枠表面に塗付するには、液状樹脂組成物の粘度が
非常に低い場合は、塗布や吹き付けが可能であるが、そ
の粘度が高い場合には、均質な厚みに塗布することは非
常に困難である。また、塗布や吹き付けによりコンクリ
ート型枠表面の処理ができたとしても、その塗布可能な
厚みは、非常に限られたものでしかない。コンクリート
型枠用金属板の表面が曲面又は凹凸面であっても、本発
明に係る樹脂組成物による疑似硬化シートを貼り付け
て、簡単に一定の厚みで金属板の表面を覆うことができ
る。疑似硬化シートの表面は弱い粘着性を帯びているの
で、金属板表面が曲面や凹凸面であっても全面にわたっ
て密着させることができる。また例え貼着時に疑似硬化
シートと金属板の間に気泡が入っても容易に剥して貼り
直すことができる。次に疑似硬化シートが貼着された金
属板を100〜250℃に加熱することにより、硬いエ
ポキシ樹脂系被覆層をもつ本発明のコンクリート型枠用
金属板が得られる。コンクリート型枠用表面層の厚み
は、使用する基板となる面材の種類、予定する繰り返し
使用回数などにもよるが、一般的には0.1〜3mmであ
り、好ましくは0.3〜1mmである。表面層の厚みが0.
1mm未満であると、コンクリート型枠の組み立て時や解
体、搬送時にかかる衝撃や摩擦などの作用により、樹脂
の表面層が剥がれ易くなるため、基板となる面材が露出
するおそれがあり、これらの露出面がコンクリートとの
剥離性を悪化させる。また、表面層の厚みが3mmを超え
ると、コンクリート型枠自体の重量が大きくなって取扱
性が悪化し、経済性などにおいても問題が生じるにもか
かわらず、コンクリートとの剥離性や耐久性は殆ど向上
しない。このようにして得られる本発明のコンクリート
型枠用金属板は、表面層に靭性の高い合成樹脂層を有し
ているため、衝撃や落下などによる耐キズ性は非常に改
善されたものであるが、仮に、キズが生じた場合でも、
同質の樹脂組成物をキズ部分に塗布あるいは埋め込み、
へらなどにより表面を平滑にしたのち、樹脂組成物中の
エポキシ樹脂を硬化させることにより、補修を簡単に行
うことが可能である。この場合、補修用の樹脂組成物と
しては、キズの程度にもよるが、必ずしも本発明に用い
られる樹脂組成物と全く同一である必要はなく、常温硬
化型エポキシ樹脂などの本発明に用いられる合成樹脂組
成物と接着、融合し、コンクリートとの剥離性が保たれ
る組成のものであれば、なんら制限されることなく使用
することができる。
【0009】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものでない。 実施例1〜6、比較例1、2 1,000mm×1,000mm×厚さ3mm及び1,000mm
×106mm×厚さ3mmのアルミニウム板(JIS H 4
000)又は冷間圧延鋼板(JIS G 3141 SP
CC)の片面に、第1表に示す各種の表面層を施し、コ
ンクリート型枠用金属板を製作した。なお、金属板に表
面層を付ける方法としては次のいずれかによった。 (表面層施工法1)金属板の表面に第1表の樹脂組成物
を300μmの厚さにロールで塗布し、175℃で30
分間加熱して硬化した。 (表面層施工法2)ポリエチレンテレフタレートフイル
ム上に、第1表の樹脂組成物を300μmの厚さにロー
ルで塗布し、120℃で1分間加熱して表面が粘着性の
疑似硬化シートを得、これを金属板に貼りつけて175
℃で30分間加熱して硬化する。硬化後ポリエチレンテ
レフタレートフイルムをはがす。このようにして得られ
た2種類の寸法の金属板各2枚を用いて図1に示す型枠
を組み、その中にコンクリートを流し込み、4日間放置
後型枠を取外した。この操作を10回繰返し、金属板の
コンクリート面からの剥離の容易さ、表面層にキズがつ
く迄の回数及び10回終了後の表面層の平滑性の観察を
行った。結果を第1表に示す。 比較例3 実施例1と同じアルミニウム板にアクリル樹脂塗料[ユ
ニパールNo.160、大橋化学(株)製]による塗装
を、塗膜厚み30μmで行った。得られたアルミニウム
板を用いて実施例1と同じ試験を行った。結果を第1表
に示す。なお、実施例1〜6及び比較例1〜3に用いた
コンクリートの配合及び評価方法は下記のごとくであ
る。 (1)コンクリート配合 普通ポルトランドセメント 1重量部 細骨材(径2.5mm以下の砂) 2.9重量部 粗骨材(径2.5mmより大きく25mm以下の砂利) 3.8重量部 水 0.6重量部 (2)コンクリート剥離性 ×:1〜3回で剥離不良(型枠剥離困難、又はコンクリ
ートの付着がある。) △:3〜10回で剥離不良(型枠剥離困難、又はコンク
リートの付着がある。) ○:10回で剥離良好(ただし剥離時に若干の剥離力を
要する、又は僅かのコンクリートの付着がある。) ◎:10回で剥離良好(コンクリートの付着が全くな
い。) (3)耐キズ性 ×:1〜3回で型枠コンクリート接触表面層に著しいキ
ズが発生する。 △:3〜10回で型枠コンクリート接触表面層に著しい
キズが発生する。 ○:10回で若干のキズが見られる。 ◎:10回で全くキズが無い。 (4)表面層の平滑性 ×:ざらついた表面。 △:艶消し表面。 ○:殆ど鏡面であるが、艶消し状態の部分もある。 ◎:鏡面。
【0010】
【表1】
【0011】[注] 1)エポキシ樹脂:エピコート828、油化シェルエポ
キシ(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂。 2)塩化ビニル樹脂:ゼオン25、日本ゼオン(株)製、
塩化ビニル単独重合体、単一平均粒径1.1μm、平均
重合度1100(JIS K 6721による)。 3)メチルメタクリレート樹脂:ゼオンF320、日本
ゼオン(株)製、メチルメタクリレート単独重合体、単一
平均粒径1.0μm、重量平均分子量400万。 4)硬化促進剤:D.Pハードナー、丸和バイオケミカ
ル(株)製。 5)フッ素樹脂:ポリ4フッ化エチレン、ファインパウ
ダー。 比較例1の、本発明の(b)成分を配合しない通常のエ
ポキシ樹脂の表面層で被覆した金属板は、コンクリート
剥離性が悪くキズがつきやすい。これに対し、実施例1
〜6の、粉末状熱可塑性樹脂が配合された樹脂組成物か
らなる表面層を備えた金属板は、コンクリート剥離性、
表面平滑性がすぐれており、またキズが付きにくいいこ
とが分かる。さらに、実施例1及び2を比較すると、こ
れらの長所は樹脂組成物をあらかじめ加熱して疑似硬化
シートを作り、それを金属板に貼りつけて加熱硬化させ
る方が一層顕著であることが分かる。実施例5から、樹
脂組成物に可塑剤が添加されると、ややキズがつき易い
傾向があり、また、実施例2及び実施例6から、本発明
のコンクリート型枠用金属板は、10回の繰返し実験の
範囲では、コンクリートからの剥離性改良のためのフッ
素樹脂を添加した表面層を有するものと比較しても差が
ないほど、コンクリート剥離性、耐キズ性、表面層の平
滑性がすぐれていることが分かる。また、比較例2か
ら、配合する粉末状熱可塑性樹脂の量が多すぎると、取
扱い上可塑剤の必要量も多くなり、表面硬度が低下して
キズがつきやすくなることが分かる。
【0012】
【発明の効果】本発明のコンクリート型枠用金属板は、
型枠に求められるコンクリートとの剥離性、耐衝撃性、
表面層の平滑性、及び耐キズ性などの諸特性にすぐれ、
耐久性にもすぐれているため繰り返して使用しうる回数
が多く、表面層にキズがついた場合でも補修を容易に行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例及び比較例に用いられ
るコンクリート型枠の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施例において製作されたコ
ンクリート型枠用金属板の一態様の断面図である。
【符号の説明】
1 金属板 2 合成樹脂塗膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤池 瑞芳 東京都港区三田三丁目13番12号 日本軽金 属株式会社内 (72)発明者 塚越 達雄 東京都港区三田三丁目13番12号 日本軽金 属株式会社内 (72)発明者 渡辺 公明 東京都港区三田三丁目13番12号 日本軽金 属株式会社内 (72)発明者 石川 定宣 静岡県庵原郡蒲原町蒲原一丁目34番1号 株式会社日軽技研内 (72)発明者 川合 利雄 静岡県庵原郡蒲原町蒲原一丁目34番1号 株式会社日軽技研内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂表面層を有するコンクリート型枠
    用金属板において、合成樹脂表面層が、(a)エポキシ
    樹脂と、(b)該エポキシ樹脂に室温で不溶であって混
    和分散し、80〜250℃において該エポキシ樹脂の浸
    透をうけて均質化する粉末状の熱可塑性樹脂と、(c)
    エポキシ樹脂用熱活性型硬化剤とを必須成分とし、該粉
    末状の熱可塑性樹脂の配合量が該エポキシ樹脂100重
    量部に対して20〜100重量部である樹脂組成物を加
    熱硬化したものからなることを特徴とするコンクリート
    型枠用金属板。
  2. 【請求項2】樹脂組成物を硬化剤によって硬化する温度
    以下の温度に加熱することによりゲル状の疑似硬化シー
    トを形成し、これを金属板に貼りつけて加熱硬化するこ
    とを特徴とする請求項1記載のコンクリート型枠用金属
    板。
  3. 【請求項3】樹脂組成物を金属板に塗布し、これを加熱
    硬化することを特徴とする請求項1記載のコンクリート
    型枠用金属板。
  4. 【請求項4】粉末状の熱可塑性樹脂が塩化ビニル樹脂又
    はメチルメタクリレート樹脂である請求項1、2又は3
    記載のコンクリート型枠用金属板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002322337A (ja) * 2001-04-27 2002-11-08 Nippon Zeon Co Ltd アクリル樹脂プラスチゾル及びアクリル樹脂成形品
KR101105882B1 (ko) * 2011-05-09 2012-01-16 서보산업 주식회사 알루미늄을 포함하는 금속제 거푸집 패널 제조 방법 및 이 방법에 의해 제조된 금속제 거푸집 패널

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002322337A (ja) * 2001-04-27 2002-11-08 Nippon Zeon Co Ltd アクリル樹脂プラスチゾル及びアクリル樹脂成形品
JP4588915B2 (ja) * 2001-04-27 2010-12-01 ガンツ化成株式会社 アクリル樹脂プラスチゾル及びアクリル樹脂成形品
KR101105882B1 (ko) * 2011-05-09 2012-01-16 서보산업 주식회사 알루미늄을 포함하는 금속제 거푸집 패널 제조 방법 및 이 방법에 의해 제조된 금속제 거푸집 패널

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