JPH082788B2 - 発癌プロモーター抑制剤 - Google Patents

発癌プロモーター抑制剤

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JPH082788B2
JPH082788B2 JP2068366A JP6836690A JPH082788B2 JP H082788 B2 JPH082788 B2 JP H082788B2 JP 2068366 A JP2068366 A JP 2068366A JP 6836690 A JP6836690 A JP 6836690A JP H082788 B2 JPH082788 B2 JP H082788B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はマツ科モミ属植物であるオオシラビソ、シラ
ビソ、モミの樹皮成分から単離したトリテルペノイドか
ら誘導されるトリテルペノイド化合物、トウダイグサ科
植物のコバンノキの樹脂成分から単離したトリテルペノ
イド、およびトウダイグサ科植物のコニシキソウから単
離したトリテルペノイドを有効成分として含有する発癌
プロモーター抑制剤に関するものである。
(従来の技術) 発癌の過程にはイニシエーシヨンとプロモーシヨンと
いう二段階の独立した過程の存在が一般に認められてお
り、イニシエーシヨンはイニシエーターによって細胞の
遺伝子レベルにおける非可逆的な変化が誘起されるが、
そのままでは癌化には至らない変化の過程であり、一
方、プロモーシヨンとは上記のようにイニシエーターに
よって誘起されて変化をうけた細胞が癌化する長期的な
過程であって、その際に作用する物質が発癌プロモータ
ーである。この発癌プロモーターとして従来から知られ
たものにクロトン油の成分である12−O−テトラデカノ
イルホルボール−13−アセテート(以下TPAと略称す
る)があるが、この他にTPAと同様に発癌プロモーター
としてTPAと同様の作用機序によって作用する多数の化
合物が報告されており、さらにこのTPAとは別異の機序
によって作用する化合物(non−TPAタイププロモーター
と呼ばれる)も知られるようになった。
従って発癌の防止および抑制にはこの両過程のいずれ
かを抑制することが有力な手段となりうるもので、かか
る観点からこれまでに多くの発癌プロモーシヨン過程を
抑制する効果のある物質の検索が行なわれており、緑黄
色野菜や果物に含まれているフラボノイド、カロチノイ
ド、トリテルペノイドなど、またレチノイン酸、フルオ
ロシノロンアセトナイド、ジフルオロメチルオルニチ
ン、インドメタシンなどに抗プロモーシヨン作用のある
ことが認められている(西野輔翼Minophagen Medical R
eview 1988 Jul.33〔4〕,pp,1〜8)。さらにオレアナ
ン系トリテルペン化合物に属する一群の化合物に発癌プ
ロモーターの抑制作用のあることも知られている(特開
昭63−77830号公報)。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、未利用天然資源から得られ、発癌プロモー
ターを抑制する作用を有する新たな化合物群を解明し、
もって発癌の防止および抑制のための有効な手段を提供
すると共に、かかる化合物群の化合物の1つまたは複数
のものを含む発癌プロモーター抑制剤を開発しようとす
るものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは上記した課題解明のために鋭意研究の結
果、マツ科モミ属植物であるオオシラビソ、シラビソ、
モミの樹皮成分から単離した四環性の9β−H−ラノス
タン型トリテルペノイドである3α−メトキシ−9β−
H−ラノスタ−7,24−ジエン−27,23R−オリド、すなわ
ちアビエスラクトン(AVB−I)またはデメチル−3−
オキソアビエスラクトン(AVB−III)をケン化するか、
ケン化後メチル化するか、または酸化することによって
得られる後記するトリテルペノイド誘導体(I)、(I
I)、(III)並びに、トウダイグサ科植物のコバンノキ
の樹皮成分から単離した後記するオレアナン型トリテル
ペノイド(IV)、およびトウダイグサ科植物のコニシキ
ソウから単離した後記するスピロスピナン型炭素骨格を
有するトリテルペノイド(V)が著しい発癌プロモータ
ー抑制作用を有することを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、 次式(I) で示されるメチル3α−メトキシ−23−オキソ−9β−
H−ラノスト−7−エン−27−オエート(化合物(I)
と呼ぶ)、 で示される25,26,27−トリスノル−23R−ヒドロキシ−
3α−メトキシ−9β−H−ラノスト−7−エン−24−
オイツク酸(化合物(II)と呼ぶ)、 で示される3,23−ジオキソ−9β−H−ラノスト−7−
エン−27−オイツク酸(化合物(III)と呼ぶ)、 で示されるオレアン−12−エン−3β,15α−ジオール
(化合物(IV)と呼ぶ)および 次式(V) で示される3S,7S−ジヒドロキシ−7(8→9)アベオ
−9S−D:C−フリード−B′:A′−ネオガンマセラン−
8−オン(化合物(V)と呼ぶ)からなる群より選択さ
れるトリテルペノイド化合物の少なくとも1種を有効成
分として含有する発癌プロモーター抑制剤に関する。
化合物(I)はAVB−Iをケン化し、ケン化生成物を
メチル化することによって得られる。このケン化反応お
よびメチル化反応は、この技術分野における周知の方法
によって行なうことが可能である。例えばこのケン化反
応をエタノール性水酸化カリウムを用いて行ない、ケル
化生成物のメチル化をジアゾメタンを用いて行なう場合
の反応工程を反応式で表わすと次のとおりである。
化合物(II)はAVB−Iを酸化することによって得ら
れる。この酸化反応はこの技術分野における周知の酸化
手段、例えば過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウ
ム、過酸化水素、過酸、例えば過酢酸、オゾンなどを酸
化剤とする反応によって行なうことが可能である。この
酸化反応を過マンガン酸カリウムを用いて行なう場合を
例にして反応式で表わすと次のとおりである。
化合物(III)はAVB−IIIをケン化することによって
得られる。このケン化反応もさきの化合物(I)を製造
した場合と同様にこの技術分野における周知の方法で行
なうことが可能であり、通常アルカリを用いるケン化反
応によって行なわれるが、触媒的または酵素的ケン化に
よってもよい。このケン化反応をエタノール性水酸化カ
リウムを用いて行なう場合を例にして反応式で表わすと
次のとおりである。
化合物(IV)はトウダイグサ科植物のコバンノキの樹
皮を溶媒で抽出し、抽出物を精製処理に付して得られた
オレアナン型天然トリテルペノイドである。
また化合物(V)はトウダイグサ科植物のコニシキソ
ウを溶媒で抽出し、抽出物を精製処理に付して得られた
スピロスピナン型炭素骨格をもつ天然トリテルペノイド
である。
本発明者らは、これらの化合物(I)〜(V)につい
てその発癌プロモーター抑制作用を測定した。
発癌プロモーシヨン過程の機構は現在なお不明な点が
多いが、同プロモーシヨン過程において細胞のリン脂質
代謝の亢進が認められている。従って抗プロモーシヨン
作用の有無の検定に発癌プロモーターによる細胞のリン
脂質代謝亢進を被検定物質が抑制するか否かを調べる方
法が使用可能となる。
そこで細胞としてHeLa細胞を用い、これを発癌プロモ
ーターのTPAおよび放射性無機リン酸塩の存在下に培養
し、その後細胞のリン脂質を抽出し、その中にとり込ま
れた放射性リンの放射活性を測定することによりTPAに
よる放射性リン取込み亢進を測定し、他方被検定物質を
存在させることによる放射性リン取込み亢進の抑制作用
を測定して被検定物質の抗プロモーシヨン作用を検討し
た。
その結果、化合物(I)〜(V)の夫々が25〜100μ
g濃度でTPAによる放射性リン取込み亢進を著しく抑制
する効果を有することを見出した。
このようにインビトロにおいて発癌プロモーター抑制
作用を有することが分った本発明の化合物について更に
インビボにおいても抗プロモーター作用を検討した。
すなわち、マウスの皮膚に7,12−ジメチルベンズ
〔a〕アントラセンを塗布してイニシエーシヨンをか
け、TPAを塗布してプロモーシヨンをかけた場合におい
て、被検定物質の存在によってTPAによるプロモーシヨ
ン抑制作用を測定した。そしてこの場合においても本発
明の化合物は強力な抗プロモーター作用を18週間以上の
長期間に亘って示すことが明らかになった。
従って本発明によれば上記した化合物(I)〜(V)
は顕著な発癌プロモーター抑制作用を示し、発癌プロモ
ーター抑制剤として使用可能である。
上記した化合物(I)〜(V)には急性毒性はみられ
ないことが確認された。
従って、本発明の化合物(I)〜(V)は経口および
非経口のいずれでも投与可能な発癌プロモーター抑制剤
として利用可能である。
本発明の化合物(I)〜(V)の投与量は、経口また
は非経口の投与方法、患者の年令、症状などによって異
なるが、一般には経口投与では1日当り50〜800mgの範
囲の量で用いることができ、かつ非経口投与の場合の投
与量は一般に経口投与での量の20〜80%程度の量で用い
られる。
本発明の化合物(I)〜(V)を経口投与用の剤型に
製剤化する場合、その剤型は散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣
剤、ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤、トローチそ
の他の剤型のものとすることができ、製剤化のための周
知の賦形剤または増量剤、例えば乳糖、シヨ糖、ブドウ
糖、澱粉、デキストリン、炭酸カルシウム、白土、ベン
トナイトなど、滑沢剤、例えばステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウムなど、甘味料、例えばシ
ヨ糖、サツカリン塩、ジペプチド系甘味料、ステピオサ
イドなど、香味料、例えばメントール、果実フレーバー
など、着色料、例えば天然または合成色素などを添加し
任意の手段で成型される。
非経口投与の場合の剤型としては、注射剤、軟膏剤、
坐剤などが挙げられ、そして注射剤の調製に当っては、
可溶化剤または乳化剤としての界面活性剤、例えばレシ
チン、高級脂肪酸モノグリセリド、高級脂肪酸モノグリ
セリドのポリオキシエチレン付加物、水素添加ヒマシ油
のポリオキシエチレン付加物、CMCなどを用いて化合物
(I)〜(V)を水中に乳化または可溶化することが行
なわれる。この際張度調整の目的で、食塩、グリセリン
などを添加することもできる。
以下に実施例によって本発明の化合物(I)〜(V)
の調製方法、同化合物の発癌プロモーター抑制効果、お
よび製剤例について説明することにする。
実施例 1 オオシラビソ葉、樹皮からのアビエスラクトン(AVB
−I)の単離 山形県米沢産Abies mariesii Mest.(オオシラビソ、
別名アオモリトドマツ)の粗切風乾樹皮12.3kgを酢酸エ
チル(以下、EtOAcと略す)50で24hr煮沸抽出し、冷
後過、液を約10に濃縮して放冷し、析出する赤褐
色樹脂を傾斜去してえた母液を約3に濃縮一夜放置
すると稜柱晶の粗結晶が析出した。吸して粗晶を集
め、液をさらに1.5に濃縮して再び結晶を析出させ
た。この濃縮操作を反復して母液を1とし、取した
粗結晶を集め、クロロホルム(以下、CHCl3と略す)1
で温浸して不溶性の赤褐色樹脂を分離し、母液からCH
Cl3を留去して赤褐色油状物を含有した粗結晶を得た。
これにメタノール(以下、MeOHと略す)200mlを加えて
温浸し、油状物の大部分を温時MeOH中に溶解させたのち
過し、難溶性の結晶を分離した。ここにえた粗結晶を
MeOH少量で洗滌後EtOAcから3回再結晶して、アビエス
ラクトン(AVB−I)の無色稜柱晶29.5gを得た。
m.p.252〜253゜。
▲〔α〕20 D▼−113゜(c:100,CHCl3中)。
TLC Rf 0.30(CHCl3),Rf 0.63(CHCl3:エーテル=20:
1)。
またオオシラビソ葉の風乾品4.8kgを上記した樹皮の
抽出法と同様の抽出処理に付してAVB−Iを10.8g得た。
実施例 2 シラビソ樹皮および葉からのアビエスラクトン(AVB
−I)およびデメチル−3−オキソアビエスラクトン
(AVB−III)の単離 岐阜県高根村(野麦峠)産シラビソ(Abies veitchi
i)の樹皮を細切、風乾し、その7.9kgをエーテル10で
室温浸出し、抽出液を約2.3に濃縮したところ器底に
結晶塊が析出した。これを取し、少量のエーテルおよ
びNeOHで洗滌後乾燥し、56.5gの類白色粗結晶を得た。
本品をMerck社製シリカゲル60(1.5kg)のカラムクロマ
トグラフイーに付し、n−ヘキサン−CHCl3(1:1)溶出
部から無色結晶性固形物37.2g(風乾樹皮の0.47%)を
得た。EtOAc−CHCl3から再結晶すると、HRMS:m/z468.35
96〔M+〕(C31H48O3〕,m.p.249〜251゜,▲〔α〕23 D
−111.2゜(c:1.25,CHCl3中);Rf0.46(Kieselgel HF
2540.25mm;CHCl3)の無色稜柱晶となる。本品はさきに
オオシラビソ(アオモリトドマル)樹皮および葉から単
離したAbies lactone(1)(AVB−I)と全ての点で一
致した。
さらに上記カラムクロマトグラフイーを続行するとn
−ヘキサン−CHCl3(1:1)溶媒から無色結晶性固形物
(A)862mg,n−ヘキサン−CHCl3(1:1)およびCHCl3
媒から無色結晶性固形物(B)235mgが溶出した。
(B)をMeOH−CHCl3から再結晶して、m.p.245〜248
゜,▲〔α〕23 D▼+27.5(c:0.96,CHCl3中),HRMS:m/z
422.3268(M+,C30H44O3)を示すデメチル−3−オキソ
アビエスラクトン(AVB−III)(5)182mgを得た。
またシラビソ葉の風乾品3.2kgをエーテルで室温で浸
出後上記と同様に処理し、濃縮エーテル溶液から粗結晶
10.21gを得た。これをシリカゲルクロマトグラフイーに
付してAVB−I(m.p.251〜253℃)5.571gおよびABV−II
I(m.p.245〜248℃)148mgを得た。
実施例 3 モミ樹皮および葉からのデメチル−3−オキソ−アビ
エスラクトン(AVB−III)の単離 岐阜県谷汲村産モミの樹皮を細切、風乾し、その2.96
kgをエーテル10で冷浸5回、エーテル溶液を約1.2
に濃縮後放置したところ器底に結晶塊を析出した。これ
を取して少量のエーテルついでMeOHで洗滌し、中性の
無色粗結晶5.238g(0.181%)を得た。本品をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフイーに付し、ベンゼン−CHCl3
(1:1)溶離液から溶出する画分より無色結晶4.161gを
得た。EtOAcから再結晶して、m.p.245〜248゜,▲
〔α〕23 D▼+27℃(c:0.66,CHCl3中)の無色稜柱晶を
得た。Rf 0.56(Merck SiO2 HF2540.25mm;ベンゼン−CH
Cl3−EcOAc(1:1:1)、本品は混融,co−TLC,IR,1Hおよ
13CNHR,EI−MSの比較により、先にシラビソから単離
したデメチル−3−オキソ−アビエスラクトン(AVB−I
II)と同一物質であることが認められた。
さらにクロマトグラフイーを続行するとCHCl3溶出液
からデメチル−3β−ヒドロキシアビエスラクトン(AV
B−IIIの3β−OH体)81mgを得た。MeOHから再結晶し
て、m.p.239〜241゜,▲〔α〕23 D▼−58.9゜(c:0.21,
CHCl3中)の無色稜柱晶を得た。
なおモミ樹皮の主成分はAVB−IIIでありAVB−Iは含
まないことが分った。
またモミの葉の風乾物9.6kgをエーテル10で同様処
理し、エーテル抽出液を濃縮すると粗結晶26.15gを得
た。
実施例 4 メチル3α−メトキシ−23−オキソ−9β−H−ラノ
スト−7−エン−27−オエート(化合物(I))の製造 a) AVB−Iのケン化反応 オオシラビソ及びシラビソの樹皮、葉から抽出、単離
して得たAVB−I500mgをN/4エタノール性水酸化カリウム
20mlと水浴上煮沸、1.5時間後内容物を減圧濃縮して約5
mlとし、水50mlを加えると白色のカルボン酸カリウム塩
が析出した。これを希塩酸で中和、酸性とし、エーテル
50mlと振盪抽出し、エーテル層を水洗、Na2SO4で乾燥後
エーテルを留去して無色飴状物質500mgを得た。これを
シリカゲル20g及びCHCl3で調製したカラムクロマトグラ
フイーに付し、無色固形物481mgを得た。石油ベンジン
(bp50〜60゜)から4回再結晶し、m.p.133〜134.5゜,
▲〔α〕20 D▼−72.3゜(c:1.01,CHCl3中)を示す化合
物(2)の無色稜柱晶を得た。
1HNHR(60MHz):δ0.91〜1.27(21H,Me×7),2.83(1
H,diffused t,J=1.8Hz,H−3β),3.29(3H,s,OMe),
5.52(1H,m,H−7) b) ケン化生成物のエステル化 上記のケン化生成物500mgをジアゾメタン(以下、CH2
N2と略す)のエーテル溶液10mlでメチル化し、過剰のCH
2N2−エーテル溶液を減圧留去後、残留物をn−ヘキサ
ンに溶かしシリカゲルカラムを用いてクロマトグラフイ
ーで展開溶出させ、n−ヘキサン−ベンゼン(5:1→3:
1)で溶出する画分から無色固形物483mgを得た。これを
無水MeOHから3回再結晶し、m.p.72〜74゜,▲〔α〕21
D▼−19.7゜(c:0.97,CHCl3中)を示す化合物(1)の
無色羽毛状晶を得た。
実施例 5 25,26,27−トリスノル−23R−ヒドロキシ−3α−メ
トキシ−9β−H−ラノスト−7−エン−24−オイツク
酸(化合物(II))の製造 AVB−I438mgを酢酸(以下、HOAcと略す)100mlに加温
して溶解させ、50℃で過マンガン酸カリウム(以下、KM
nO4と略す)のHOAc溶液(KMnO4717mg,HOAc10ml中)を徐
々に滴下した。室温に8hr攪拌後、稀酸性亜硫酸ナトリ
ウム溶液少量を加えて過剰のKMnO4および二酸化マンガ
ンを分解し、HOAcを減圧で留去した。残留物をエーテル
30mlに溶解し、5%水酸化ナトリウム100mlと振盪して
酸性部分をアルカリ水層に移し、分液後稀塩酸で水層を
酸性に戻し析出する固形のカルボン酸をエーテル100ml
で抽出エーテル層を水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後
エーテルを留去して黄褐色飴状の酸性物質389mgを得
た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフイーに付
し、CHCl3で溶出する画分から無色結晶108mgを得た。ベ
ンゼン−アセトンから3回再結晶して、m.p.225〜227
゜,▲〔α〕28 D▼+58.0゜(c:0.89,CHCl3中)の無色
針状晶の化合物(II)を得た。
実施例 6 3,23−ジオキソ−9β−H−ラノスト−7−エン−27
−オイツク酸(化合物(III))の製造 シラビソ、あるいはモミから単離したAVB−III(5)
の100mgを0.1Mエタノール性水酸化カリウム25mlと水浴
上1.5hr煮沸後、EtOHを減圧留去し、残渣に25mlの水を
加え、白濁するカリウム塩を10%塩酸で中和、酸性にし
た。析出するカルボン酸をエーテルと振とうして抽出
し、エーテル層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、エーテルを留去し、無色飴状の生成物を得た。これ
をn−ヘキサン−CHCl3から再結晶して、純品の化合物
(III),m.p.179〜181℃の無色稜柱晶94mgを得た。
実施例 7 コバンノキ樹皮からのオレアン−12−エン−3β,15
α−ジオール(化合物(IV))の単離 岐阜県関ヶ原山中で採集したトイダイグサ科植物コバ
ンノキの樹皮を細切風乾しその3.75kgをエーテル10を
用いて抽出し、抽出液を約3に濃縮後稀炭酸ナトリウ
ム、稀水酸化ナトリウムおよび稀塩酸の順に酸・アルカ
リ処理を施し、酸性および塩基性成分を除去、エーテル
層を濃縮して中性の粗エキス28.4gを得た。これをシリ
カゲルカラムクロマトグラフイーに付し(シリカゲル:
1.5kg)n−ヘキサン、n−ヘキサン−ベンゼン、ベン
ゼンおよびベンゼン−CHCl3(10:1→1:1)の溶媒を用い
て溶出し、ベンゼン−CHCl3(1:1)の溶出液を、減圧濃
縮して残留物684mgを得た。この残留物を再クロマトグ
ラフイーに付し、化合物(IV)597mgを得た。本品をMeO
H−CHCl3から再結晶して、m.p.245〜246.5゜、▲〔α〕
23 D▼+82.5゜(c:1.21,CHCl3中)の無色針状晶を得
た。
実施例 8 コニシキソウからの3S,7S−ジヒドロキシ−7(8→
9)アベオ−9S−D:C−フリード−B′:A′−ネオガン
マセラン−8−オン(化合物(V))の単離 松原市、藤井寺市近郊および大阪市南港周辺で採集し
たコニシキソウを風乾、細切し、全草10.0kgをベンゼン
36で抽出5回、ベンゼン抽出液を約10に濃縮後5%
炭酸ナトリウム、5%水酸化ナトリウム、5%塩酸で順
次振とう洗滌して酸性フエノール性および塩基性成分を
除きbenzene層を減圧濃縮、乾固して中性エキス1.15kg
を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフイーで
粗分画してパラフイン、ワツクスアルコール、トリテル
ペンエーテル、ステロイドなどを分離した。上記カラム
クロマトグラフイーを続行し、ベンゼン−CHCl3(10:1
→1:1)、CHCl3、CHCl3−EtOAc(10:1)溶出物を合併し
て、86.0gの黄褐色飴状残渣を得た。本品を反復3回シ
リカゲルおよびアルミナカラムクロマトグラフイーに通
し、ベンゼン−CHCl3(3:1→1:1)溶出部からTLC上スポ
ツトを示す画分5.013gを得た。本品をシリカゲルカラム
クロマトグラフイーに付し、ベンゼン−CHCl3(3:1→1:
1)溶出部から無色結晶性固形物2.804gを得た。これをE
tOAcから再結晶しC30H50O3、m.p.249.5〜251℃、▲
〔α〕23 D▼−10.5゜(c:1.03,CHCl3中)を示す無色稜
柱晶1351mgを得た。本化合物は化合物(V)の9R−エピ
マーである。
上記カラムクロマトグラフイーを続行してベンゼン−
CHCl3(1:1)から無色結晶性固形物1.302mgを得た。本
品をEtOAcから再結晶してm.p.248〜250℃、▲〔α〕23 D
▼−3.8゜(c:0.69,CHCl3中)を示す無色稜柱晶521mgを
得た。元素分析の結果はC30H50O3・CH3COOC2H5となり結
晶溶媒として1分子のEtOAcを結合する。減圧200゜で乾
燥して結晶溶媒を含まない化合物(V)を得。
実施例 9 発癌プロモーター抑制作用の測定 TPAによって引き起される細胞のリン脂質代謝の亢進
を抑制する能力について培養細胞を用いてインビトロで
測定した。
使用した細胞はヒト子宮けい癌細胞のHeLa細胞で、イ
ーグルMEM 10%仔牛血清で培養し、培養器に単層に生え
たものを実験に供した。
被検定化合物をジメチルスルホキシドに溶解し培養液
中に加えた。対照にはジメチルスルホキシドのみを同量
添加した。1時間後に発癌プロモーターのTPA(50nM)
および放射性無機リン酸32Pi(4μCi/デイツシユ)を
加え、更に4時間培養を続けた。その後細胞のリン脂質
を抽出し、その中へとり込まれた32Piの放射活性を測定
した。
その結果を以下の表に示す。
上表から、これらの化合物は32Pi取り込み抑制作用を
濃度依存性に抑制することが明らかである。
特に化合物(I)の場合は、50μg/ml、25μg/mlおよ
び10μg/mlの濃度において、それぞれ100%、90%およ
び53%抑制率が得られた。この結果を第1図に示す。
実施例 10 発癌プロモーター抑制作用のインビボでの試験 マウス〔ICR種雌(8週令)、1群(15匹)〕の背部
皮膚に、それ単独では腫瘍を発生させない量の7,12−ジ
メチルベンズ〔α〕アントラセンを塗布することによっ
てイニシエーシヨンをかけたのち、対照群にはTPAを1
回当り1μgの量で週2回塗布し続けることによってプ
ロモーシヨンをかけた。また処置群には上記TPAの溶液
中に化合物(I)を0.5mg添加し、これを上記と同様に
塗布した。
上記試験結果に基づき、化合物(I)の発癌プロモー
ター抑制作用を、腫瘍発生マウス(%)および1マウス
当りの腫瘍発生数について、それぞれ第2図および第3
図に示す。
この結果から化合物(I)はTPAによる発癌プロモー
シヨン作用を18週間以上完全に抑制し、非常に優れた制
癌剤となり得ることが分った。
以下に本発明の発癌プロモーター抑制剤を製剤化する
場合の例を示すことにする。
製剤例1 錠剤(1錠) 化合物(I) 10mg 乳糖 67mg 結晶セルロース 15mg トウモロコシデンプン 7mgステアリン酸マグネシウム 1mg 100mg 各成分を均一に混合し直打用粉末とした。これをロー
タリー式打錠機で直径6mm、重量100mgの錠剤に成型し
た。
製剤例2 顆粒剤(1分包) Aの成分を均一に混合した後、Bの溶液を加えて練合
し、押出造粒法で整粒し、次いで50℃の乾燥機で乾燥し
た。乾燥上がり顆粒を、粒度297μm〜1460μmにふる
い分けたものを顆粒剤とした。1分包量を200mgとし
た。
製剤例3 シロツプ剤 化合物(II) 1.000g 白糖 30.000g D−ソルビトール70w/v% 25.000g パラオキシ安息香酸エチル 0.030g パラオキシ安息香酸プロピル 0.015g 香味料 0.200g グリセリン 0.150g 96%エタノール 0.500g蒸留水 適量 全量 100ml 白糖、D−ソルビトール、パラオキシ安息香酸メチ
ル、パラオキシ安息香酸プロピルおよび上記の有効成分
を温水60gに溶解した。冷却後、グリセリンおよびエタ
ノールに溶解した香味料の溶液を加えた。次に、この混
合物に水を加えて100mlにした。
製剤例4 注射液 化合物(III) 1mg CMC 2mg 蒸留水 1mg CMCおよび有効成分に蒸留水を加て懸濁し注射液を調
製した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、インビトロにおける化合物(I)の32Pi取り
込み抑制作用を示す図である。 第2図は、インビボにおける化合物(I)の発癌プロモ
ーター抑制作用を腫瘍発生マウス(%)により示す図で
ある。 第3図は、インビボにおける化合物(I)の発癌プロモ
ーター抑制作用を1マウス当りの腫瘍発生数により示す
図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07J 9/00 7433−4C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 で示されるメチル3α−メトキシ−23−オキソ−9β−
    H−ラノスト−7−エン−27−オエート、 で示される25,26,27−トリスノル−23R−ヒドロキシ−
    3α−メトキシ−9β−H−ラノスト−7−エン−24−
    オイツク酸、 で示される3,23−ジオキソ−9β−H−ラノスト−7−
    エン−27−オイツク酸、 で示されるオレアン−12−エン−3β,15α−ジオール
    および で示される3S,7S−ジヒドロキシ−7(8→9)アベオ
    −9S−D:C−フリード−B′:A′−ネオガンマセラン−
    8−オンからなる群より選択されるトリテルペノイド化
    合物の少なくとも1種を有効成分として含有する発癌プ
    ロモーター抑制剤。
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