JPH08277724A - ガスタービン発電システムにおける吸入空気冷却装置及びその運転方法 - Google Patents

ガスタービン発電システムにおける吸入空気冷却装置及びその運転方法

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JPH08277724A
JPH08277724A JP7875195A JP7875195A JPH08277724A JP H08277724 A JPH08277724 A JP H08277724A JP 7875195 A JP7875195 A JP 7875195A JP 7875195 A JP7875195 A JP 7875195A JP H08277724 A JPH08277724 A JP H08277724A
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中村  清
Takamitsu Ishii
孝光 石井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 需要電力量と供給電力量とが変動するガスタ
ービン発電システムにおいて、需要量が減少したときに
発電量を減少し、一方、需要量が増大したときに発電量
を増大することができる構成で、かつ、運転が簡単で経
済的な吸入空気冷却装置及びその運転方法を提供する。 【構成】 圧縮機2を導出した圧縮空気の一部を抽気す
る抽気経路22、該抽気空気を断熱膨張して寒冷を発生
させる膨張タービン24、該膨張タービン24で発生し
た低温空気の寒冷を蓄積する蓄冷器26、該蓄冷器26
から寒冷を取出して供給し、低温空気として圧縮機2の
吸入空気に混合させる寒冷供給経路27を設け、電力需
要量減少時に蓄冷運転を行って寒冷を蓄積することによ
り発電量を減少し、一方、電力需要量増大時に蓄積され
ている寒冷を取出して供給する寒冷供給運転を行うこと
により発電量を増大させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービン発電シス
テムにおける吸入空気冷却装置及びその運転方法に関
し、詳しくは、ガスタービン発電システムにおける圧縮
機の吸入空気を冷却して発電機出力を向上させるための
吸入空気冷却装置及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】比較的小容量の発電所や自家発電用等の
用途に、ガスタービンを使用した発電システムが使用さ
れている。このようなガスタービン発電システムは、例
えば図3に示すように、フィルター1,圧縮機2、燃焼
器3,ガスタービン4,発電機5及び排ガス利用設備6
等により構成されている。
【0003】フィルター1で大気中の塵を除去された空
気は、大気吸入導管7を経由して圧縮機2に導入され、
該圧縮機2で所定の圧力に圧縮された後、導管8から燃
焼器3に導入され、該燃焼器3に導管9から供給される
燃料、例えばLNG,LPG等を燃焼させて燃焼ガスと
なる。この燃焼ガスは、導管10からガスタービン4に
導入されて略大気圧まで膨張し、タービン軸を回転させ
る。このタービン軸を回転させる機械的な仕事が、前記
ガスタービン4と軸11,12を介して連結された前記
圧縮機2を駆動するとともに、発電機5を駆動すること
により、該発電機5から電力として取出される。ガスタ
ービン4を導出する高温の排ガスは、導管13から廃ガ
スボイラー等の排ガス利用設備6に導かれ、熱源として
利用された後に排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のガスタービ
ン発電システムは、その特性上、回転数を一定にして運
転しなければならず、一方、圧縮機には、大風量の処理
に適したターボ型が使用されるため、大気温度の変動に
伴って圧縮機吸入空気量(質量流量)が変動し、その結
果、発電機出力も変動する。すなわち、大気温度が上昇
すると、ガスタービン発電システムの圧縮機に吸入され
る吸入空気の密度が小さくなるために実質的な空気処理
量が減少し、これに伴い発電機を駆動するガスタービン
の処理量も減少するので、発電機から取出す電力も減少
する。
【0005】一方、電力の需要量は、夏期の昼間、即ち
大気温度が高い時間帯に集中することが知られており、
図4に示すように、電力需要が増加する時間帯にガスタ
ービン発電システムからの電力供給能力が逆に減少する
という不都合がある。
【0006】このため、ガスタービン発電システムを使
用した小規模発電所においては、最低供給能力が最大需
要量に見合った大容量の設備としなければならないため
に設備費が増加し、また、自家発電設備等では、需要量
が増大したときの供給能力不足分を外部からの買電によ
り補給しなければならず、電力料金が高い時間帯の電気
を外部から購入することになり、いずれの場合も不経済
な方法であった。
【0007】また、上記不都合を改善するため、吸収式
冷凍機や冷水プール、冷水ポンプ、熱交換式冷却器等か
らなる冷却装置でガスタービン発電システムの圧縮機吸
入空気を冷却する方法も採用されているが、設備費や運
転費の面から効率的な方法ではなく、また、好ましくな
いフロン等の冷媒を使用している。
【0008】さらに、電力需要減少時の余剰電力を利用
して液体空気を製造・貯蔵しておき、電力需要増大時
に、貯蔵されている液体空気を圧送気化してガスタービ
ンの圧縮空気として用いたり、液体空気を圧縮機の吸入
空気中に噴霧して吸入空気温度を下げたりすることも行
われている。しかし、この場合も、空気液化装置,液化
空気貯槽,液化ポンプ及び気化器や熱交換器等が必要で
あり、設備費が増大するだけでなく、運転が複雑になる
などの問題があった。
【0009】本発明は、以上の点に鑑みなされたもの
で、フロン等の好ましくない冷媒を使用せずに、効率よ
く吸入空気を冷却することができ、吸入空気温度の変動
に伴うガスタービン発電量の変動を防止し、かつ、設備
構成を単純化して運転を容易にするとともに、設備費,
運転費を低減したガスタービン発電システムにおける吸
入空気冷却装置及びその運転方法を提供することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のガスタービン発電システムにおける吸入空
気冷却装置は、圧縮機,燃焼器,ガスタービン,発電機
等から構成されるガスタービン発電システムにおいて、
前記圧縮機から導出する圧縮空気の一部を抽気する抽気
経路と、該抽気経路に抽気した空気を冷却する冷却手段
と、冷却した抽気空気を断熱膨張させて低温空気を生成
する膨張タービンと、該発生した低温空気を導出する低
温空気導出経路と、該低温空気導出経路から導入された
低温空気の寒冷を蓄冷材に吸収して蓄積する蓄冷器と、
前記蓄冷材に蓄積された寒冷を蓄冷器に導入した空気に
伝達して低温空気として取出し、前記圧縮機の大気吸入
導管に合流させる寒冷供給経路とを備えたことを特徴と
している。
【0011】さらに、本発明装置は、前記膨張タービン
が、該膨張タービンで発生する動力により発電する発電
機あるいは前記抽気空気をさらに昇圧する制動ブロワと
連結していることを特徴とし、また、前記抽気空気の冷
却手段が、蓄冷運転時に前記蓄冷器を導出する低温空気
を冷却源とする熱交換器であること、前記寒冷供給経路
に、大気吸入量と供給低温空気量との混合比を調節する
吸入空気温度調節手段を設けたことを特徴としている。
【0012】また、本発明のガスタービン発電システム
における吸入空気冷却装置の運転方法は、上記構成の吸
入空気冷却装置の運転方法であって、電力需要の減少時
には、前記圧縮機を導出する圧縮空気の一部を抽気して
発電量を減ずるとともに、該抽気空気を断熱膨張により
寒冷を発生させ、該寒冷を前記蓄冷器に蓄積する蓄冷運
転を行い、電力需要の増大時には、前記蓄冷器に蓄積さ
れた寒冷を放出供給して圧縮機吸入空気温度を所定の設
定温度に下げることにより、発電量を増大させる寒冷供
給運転を行うことを特徴とし、さらに、前記蓄冷運転を
夜間に行い、前記寒冷供給運転を昼間に行うことを特徴
としている。
【0013】加えて、前記寒冷供給運転時には、前記圧
縮機の吸入空気温度を検出して設定された一定の温度に
なるように、大気から導入する空気量と蓄冷器から供給
する低温空気量との混合比を制御することを特徴とし、
寒冷を蓄冷器に蓄積する蓄冷運転時には、蓄冷材を冷却
して導出する低温空気になお残る冷熱を、抽気空気の冷
却源として用いることを特徴としている。
【0014】
【作 用】上記構成によれば、電力需要量が変動するガ
スタービン発電システムにおいて、例えば、電力需要量
が減少する夜間時には、圧縮機を導出する圧縮空気の一
部を抽気して膨張タービンで断熱膨張により寒冷を発生
させ、該寒冷を蓄冷器に蓄積しておき、一方、電力需要
量が増大する昼間時には、先に蓄積した寒冷を取出して
圧縮機の吸入空気温度を下げることにより、発電量を増
加することができる。
【0015】したがって、ガスタービン発電システムに
おける需要変動を、吸入空気の冷却により吸収すること
ができるから、ガスタービン発電システムを、平均の電
力需要に対応する容量で構成することにより、最大電力
需要量で構成されていた従来のガスタービン発電システ
ムに比べてシステム自体を小型化したり、需要増大時の
外部からの買電を不要としたりすることができる。
【0016】さらに、昼夜間時における大気温度若しく
は電力需要量の緩やかな変動にも、また、一時的な尖頭
的電力需要変動にも対処することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を、図面に示す実施例に基づい
てさらに詳細に説明する。なお、前記従来例と同一要素
のものには同一符号を付して、その詳細な説明は省略す
る。
【0018】図1は、本発明のガスタービン発電システ
ムにおける吸入空気冷却装置の第1実施例を示すもの
で、ガスタービン発電システムとしては、前記図3に示
したシステムと同様に、フィルター1,圧縮機2,燃焼
器3,ガスタービン4,発電機5及び排ガス利用設備6
と、これらを接続する導管7,7a,8,10,13
と、燃料供給用の導管9と、ガスタービン4と圧縮機2
及び発電機5とをそれぞれ連結する軸11,12とによ
り構成したものを用いている。
【0019】このようなガスタービン発電システムに付
設される吸入空気冷却装置は、前記圧縮機2から導出す
る圧縮空気の一部を抽気弁21を介して抽気する抽気経
路22と、該抽気経路22に抽気した空気を冷却水等に
より冷却する冷却手段であるアフタークーラー23と、
冷却した抽気空気を断熱膨張させて寒冷を発生し、低温
空気を生成する膨張タービン24と、該発生した低温空
気を導出する低温空気導出経路25と、該低温空気導出
経路25から導入された低温空気の寒冷を蓄冷材26a
に吸収して蓄積する蓄冷器26と、前記蓄冷材26aに
蓄積された寒冷を蓄冷器26に導入した大気に伝達して
低温空気として取出し、前記圧縮機2の大気吸入導管
7,7aに合流させる寒冷供給経路27と、該寒冷供給
経路27と大気吸入導管7との合流点に設けられてフィ
ルター1からの大気と寒冷供給経路27からの低温空気
との混合比を調節する吸入空気温度調節弁28と、圧縮
機2の吸入空気温度を温度検出端29aで検出して前記
吸入空気温度調節弁28を制御するための温度調節器2
9と、前記膨張タービン24で発生する動力を軸30を
介して回収し、電力として取出す膨張タービン用発電機
31とにより構成されている。
【0020】前記蓄冷器26は、蓄冷運転時に膨張ター
ビン24から低温空気導出経路25を介して低温空気を
導入するための経路と、寒冷供給運転時に低温空気を寒
冷供給経路27に導出するための経路とが共通の経路3
2により形成され、また、蓄冷運転時の排気経路と寒冷
供給運転時の大気吸入経路とが共通の経路33により形
成されている。さらに、蓄冷材26aは,これら空気中
の水分が氷結して空気通路を閉鎖しないように、また、
蓄冷器26から大気を吸入するときに、空気中の塵を濾
過できるように、その形状と配設位置が考慮されてい
る。なお、蓄冷器26に加えてフィルターやドライヤー
を別途設けることもできる。
【0021】次に、上記構成による吸入空気冷却装置を
付加したガスタービン発電システムを、例えば、電力需
要の減少する夜間に蓄冷器26に寒冷を蓄積する蓄冷運
転を行い、電力需要の増大する昼間に蓄冷器26に蓄積
されている寒冷を取出して供給する寒冷供給運転を行う
ことにより、電力需要増大時に圧縮機の吸入空気温度を
下げて発電量を増加するようにした運転方法について説
明する。
【0022】ここで説明するガスタービン発電システム
は、吸気温度が35℃、処理空気量152000Nm3
/h、圧縮機吐出圧力6.3kg/cm2 Gの条件にお
いて15000KWの定格発電容量を有するものであ
る。前記したように、ガスタービン発電システムの発電
能力は、圧縮機2の吸入質量流量に略比例(即ち、吸入
空気の絶対温度に反比例)するので、吸入空気温度が5
℃下がると発電量は500KW増加する。表1に、大気
温度と、圧縮機吸入空気温度と、該吸入空気温度におけ
る圧縮機吸入空気量と、その時の発電量との関係を示
す。
【0023】
【表1】
【0024】まず、大気温度30℃で、吸入空気を冷却
しない場合、フィルター1から温度30℃で吸入した1
54500Nm3 /hの空気は、大気吸入導管7,7a
を経由して、その全量が圧縮機2に吸入され、6.3k
g/cm2 Gに圧縮されて約257℃に昇温し、その全
量が燃焼器3に導入され、相当する燃料を燃焼して燃焼
ガスとなり、ガスタービン4を駆動し、これにより発電
機5から15500KWの電力が得られる。
【0025】次に、吸入空気冷却装置を使用して蓄冷運
転を行う場合について説明する。この蓄冷運転は、電力
の供給量が需要量を上回り、余剰電力が発生するとき、
すなわち、大気温度が低いときに行うので、大気温度が
25℃の場合について説明する。
【0026】ガスタービン発電システムの運転を継続し
ながら、圧縮機2から燃焼器3に至る導管8の途中か
ら、抽気弁21を開度調節して圧縮空気の一部7700
Nm3/hを抽気経路22に抽気する。この結果、燃焼
器3に導入される圧縮空気量が抽気した分減少して14
6800Nm3 /hになるので、これに相当して導管9
からの燃料も減量される。結果として、ガスタービン4
に導管10から導入される燃焼ガスが減少し、発電機5
から取出される発電量が減少して15216KWとな
る。
【0027】一方、抽気弁21,抽気経路22で抽気さ
れた圧力6.3kg/cm2 G,温度約248℃の抽気
空気7700Nm3 /hは、アフタークーラー23で冷
却されて略常温で膨張タービン24に導入され、該膨張
タービン24で断熱膨張することにより寒冷を発生し、
圧力0.1kg/cm2 G、温度−70℃の低温空気と
なる。このとき時発生する動力は、軸30を介して膨張
タービン用発電機31から220KWの電力として回収
される。したがって、大気温度25℃における蓄冷運転
中の発電システム全体の発電量は、15216+220
で15436KWとなる。
【0028】前記膨張タービン24を導出した低温空気
は、低温空気導出経路25から経路32を経て蓄冷器2
6に導入され、該蓄冷器26に充填された蓄冷材26a
に寒冷を与え、自身は昇温して経路33から大気に放出
され、このとき、蓄冷材26aに付着している水分や塵
を逆洗する。このように、蓄冷運転中は、圧縮機2から
導出される圧縮空気の一部を抽気し、該抽気空気を膨張
タービン24で断熱膨張させることにより寒冷を発生
し、発生した寒冷で蓄冷材26aを常温から略−70℃
まで冷却することにより蓄冷器26に寒冷を蓄積する。
【0029】一方、電力需要量が増大して電力供給能力
を超える昼間時には、蓄冷器26に蓄積した寒冷を取出
して供給し、この寒冷でガスタービン発電システムの大
気吸入導管7aから圧縮機2に吸入される圧縮機吸入空
気温度を下げ、発電量を増大する寒冷供給運転を行う。
ここでは、大気温度が30℃、冷却された後の圧縮機吸
入空気温度が25℃の場合について説明する。
【0030】抽気弁21を閉として抽気を停止し、大気
吸入導管7aに設置された温度調節器29の設定温度を
25℃に設定する。これにより、吸入空気温度調節弁2
8は、圧縮機吸入空気温度が設定された温度になるよう
にその開度が調節され、フィルター1からの大気温度の
吸入空気流れが吸入空気温度調節弁28で絞られるとと
もに、寒冷供給経路27からの低温空気の供給が行われ
る。
【0031】すなわち、蓄冷器26の経路33から大気
温度30℃で吸入された空気が、蓄冷器26内で蓄冷材
26aにより塵を濾過されるとともに、蓄冷材26aに
蓄積された寒冷により略−70℃に冷却され、低温空気
として蓄冷器26から経路32に導出し、寒冷供給経路
27を経て吸入空気温度調節弁28においてフィルター
1からの大気温度の吸入空気流れと合流混合する。両者
の混合比は、合流後の圧縮機2の吸入空気温度が温度検
出端29aで検出され、この温度が設定温度25℃にな
るように温度調節計29からの信号で吸入空気温度調節
弁28を開度調節することにより行われる。したがっ
て、低温空気の温度が低い寒冷供給運転の初期において
は、フィルター1から導入される大気の流量が多くなる
ように、また、蓄冷器26から寒冷供給経路27を経て
合流する寒冷供給用の低温空気の流量が少なくなるよう
に開度調節される。そして、寒冷供給運転が継続される
のに伴い、寒冷供給用の低温空気の温度が上昇すると、
フィルター1から導入される大気の流量は減量され、蓄
冷器26から寒冷供給経路27を経て合流する寒冷供給
用の低温空気の流量は増量される。
【0032】表2に、大気温度を30℃として、圧縮機
吸入空気温度を25℃に設定した場合の寒冷供給用の低
温空気の温度と流量及び大気吸入空気の流量を示す。
【0033】
【表2】
【0034】表2に示すように、いずれの場合も、圧縮
機2に吸入される空気は、温度25℃,流量15710
0Nm3 /hに保持される。そしてこの場合、表1に示
したように、ガスタービン発電システムから発生する電
力は16000KWであり、大気温度30℃でそのまま
冷却せずに吸入したときの発電量15500KWに対
し、圧縮機吸入空気温度を5℃下げることにより、発電
量を500KW向上させることができる。
【0035】前記蓄冷器26の容量や抽気空気量は、電
力需要量と供給能力のバランスに応じて適宜決定される
もので、上記説明は、夜間(22:00〜8:00の1
0時間)の大気温度が25℃のときに余剰電力で蓄冷運
転を行い、昼間(8:00〜22:00の14時間)の
大気温度が30℃のときに需要量に対して不足する供給
量を、先に夜間の蓄冷運転で蓄積した寒冷により圧縮機
吸入空気温度を下げ、発電量を増加することにより補填
する場合を示したもので、蓄冷材26aとして空間率2
0%を有する鋼球を使用したときには、約35m3 の容
量を持つ蓄冷器26となる。
【0036】上記説明は、需要量及び/又は供給量の変
動が比較的に緩やかな場合について説明したが、上記容
量の蓄冷器26においても、例えば大気温度が35℃の
とき、蓄積されている寒冷を約2.4時間で取出して供
給すれば、圧縮機吸入空気温度を15℃に冷却すること
ができ、定格15000KWに対し2000KW多い1
7000KWの発電をすることができる(表1参照)。
すなわち、尖頭的な負荷変動に対しても対処できる。
【0037】また、前記吸入空気温度調節弁28は、圧
縮機2の大気吸入導管7と寒冷供給経路27の合流部に
3方弁形式で形成され、温度制御のためになされる流量
分配に対して最も簡便な方法であるが、大気吸入導管7
及び寒冷供給経路27にそれぞれ別個に弁を設け、それ
ぞれの弁を導出した後で合流するように構成してもよ
い。
【0038】さらに、図示しないが、蓄冷運転時に蓄冷
材26aを冷却した後、経路33から導出する空気にな
お残る寒冷を、アフタークーラー23を出て膨張タービ
ン24に導入する抽気空気の冷却に利用し、発生寒冷量
をさらに増加させるように構成してもよい。また、寒冷
供給運転時の蓄冷器26における圧力損失を補填するた
め、経路33にブロワーを設置してもよい。
【0039】図2は、本発明の第2実施例を示すもの
で、膨張タービン24で駆動される膨張タービン用発電
機31に代えて軸30に膨張タービン用制動ブロワ41
を連結し、抽気経路22に抽気した抽気空気を膨張ター
ビン用制動ブロワ41でさらに昇圧して膨張タービン2
4に導入する前の空気を、蓄冷運転中に蓄冷器26から
導出する低温空気と熱交換器42で熱交換することによ
り冷却し、膨張タービン24で発生する寒冷を増加して
蓄積することにより、第1実施例における吸入空気冷却
装置よりもさらに大きな電力需要変動に対応できるよう
にしたものである。
【0040】すなわち、第1実施例に示した吸入空気冷
却装置に対して、膨張タービン用発電機31に代わる膨
張タービン用制動ブロワ41と、制動ブロワ用アフター
クーラー43を有する制動ブロワ導出経路44と、熱交
換器42と、膨張タービン導入経路45と、空気濾過器
46と、大気導入経路47と、切換弁48と、熱交換器
用低温空気経路49とを追加した構成を有している。
【0041】まず、本実施例装置における蓄冷運転方法
を説明する。抽気弁21、抽気経路22で抽気した抽気
空気をアフタークーラー23で常温まで冷却した後、膨
張タービン24の回転力で駆動される膨張タービン用制
動ブロワ41に導入し、該制動ブロワ41でさらに昇圧
した後、制動ブロワ導出経路44に設けられた制動ブロ
ワ用アフタークーラー43で圧縮熱を除去して熱交換器
42に導入する。昇圧抽気空気は、該熱交換器42で蓄
冷運転中に蓄冷器26から経路33に導出されて切換弁
48及び熱交換器用低温空気経路49を経て熱交換器4
2に導入される常温以下の空気と熱交換させ、常温より
低い温度まで冷却した後に膨張タービン導入経路45か
ら膨張タービン24に導入し、該膨張タービン24で断
熱膨張により寒冷を発生して低温空気となる。該膨張タ
ービン24で断熱膨張する際の動力は、軸30を介して
膨張タービン用制動ブロア41を駆動し、前記したよう
に抽気空気をさらに昇圧することにより回収される。
【0042】前記膨張タービン24で発生した低温空気
は、低温空気導出経路25及び経路32を流れて蓄冷器
26に導入され、充填された蓄冷材26aを冷却して寒
冷を蓄積する。蓄冷材26aを冷却した後、なお寒冷を
有する常温以下の空気は、蓄冷器26から経路33に導
出され、該経路33に設けられた切換弁48において流
路を変えて流れ、熱交換器用低温空気経路49を介して
前記熱交換器42に導入され、前記膨張タービン24に
導入される前の昇圧抽気空気を常温以下まで冷却するた
めの冷却源として使用された後、大気に放出される。
【0043】一方、寒冷供給運転時には、第1実施例と
同様に抽気弁21が閉じられ、温度調節器29の設定温
度により吸入空気温度調節弁28において寒冷供給経路
27からの流路が開かれるので、大気が大気導入経路4
7から空気濾過器46及び切換弁48を経て経路33に
流れ始め、蓄冷器26に導入されて前記同様に蓄冷器2
6で蓄冷材26aから寒冷を取出して低温空気となり、
蓄冷器26から経路32に導出し、寒冷供給経路27を
通って吸入空気温度調節弁28でフィルター1からの大
気温度の空気と混合され、圧縮機2の吸入空気温度を設
定温度に冷却する。
【0044】このように、抽気した空気を膨張タービン
用制動ブロワ41でさらに昇圧し、かつ、熱交換器42
で常温以下まで冷却して断熱膨張することにより、膨張
タービン24で発生する寒冷は増加し、該膨張タービン
24を導出する低温空気を、より低温として蓄冷するこ
とができるとともに、断熱膨張する際の動力は抽気空気
を昇圧することにより回収し、電力として回収しないか
ら、電力需要減少時には、ガスタービン発電システム全
体の発電量をさらに減少させることができ、一方、電力
需要増大時には、多量に蓄積された寒冷を取出して供給
することにより、さらに多くの電力を発生させて電力供
給能力を高めることができ、前記第1実施例の吸入空気
冷却装置に比べ、より大きな電力需要変動に対応するの
に適している。また、電力変動吸収量を同じとすれば、
発生寒冷が増加した分、蓄冷器26を含めた吸入空気冷
却装置を小型化できる。
【0045】上記両実施例において、図示していない
が、膨張タービン24には、その安全な停止のために周
知のバイパス経路や吸入遮断弁等を備えていることはい
うまでもない。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガスタービン発電システムにおいて、構成が簡素、運転
が容易、好ましくないフロン等の冷媒を使用しない吸入
空気冷却装置で電力需要変動に経済的に対応することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示すガスタービン発電
システムにおける吸入空気冷却装置の系統図である。
【図2】 本発明の第2実施例を示すガスタービン発電
システムにおける吸入空気冷却装置の系統図である。
【図3】 ガスタービン発電システムの一例を示す系統
図である。
【図4】 ガスタービン発電システムにおける大気温度
と電力供給能力と電力需要量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…フィルター、2…圧縮機、3…燃焼器、4…ガスタ
ービン、5…発電機、21…抽気弁、22…抽気経路、
23…アフタークーラー、24…膨張タービン、25…
低温空気導出経路、26…蓄冷器、27…寒冷供給経
路、28…吸入空気温度調節弁、29…温度調節器、3
1…膨張タービン用発電機、41…膨張タービン用制動
ブロワ、43…制動ブロワ用アフタークーラー、44…
制動ブロワ導出経路、42…熱交換器、45…膨張ター
ビン導入経路、46…空気濾過器、47…大気導入経
路、48…切換弁、49…熱交換器用低温空気経路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機,燃焼器,ガスタービン,発電機
    等から構成されるガスタービン発電システムにおいて、
    前記圧縮機から導出する圧縮空気の一部を抽気する抽気
    経路と、該抽気経路に抽気した空気を冷却する冷却手段
    と、冷却した抽気空気を断熱膨張させて低温空気を生成
    する膨張タービンと、該発生した低温空気を導出する低
    温空気導出経路と、該低温空気導出経路から導入された
    低温空気の寒冷を蓄冷材に吸収して蓄積する蓄冷器と、
    前記蓄冷材に蓄積された寒冷を蓄冷器に導入した空気に
    伝達して低温空気として取出し、前記圧縮機の大気吸入
    導管に合流させる寒冷供給経路とを備えたことを特徴と
    するガスタービン発電システムにおける吸入空気冷却装
    置。
  2. 【請求項2】 前記膨張タービンは、該膨張タービンで
    発生する動力により発電する発電機と連結していること
    を特徴とする請求項1記載のガスタービン発電システム
    における吸入空気冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記膨張タービンは、該膨張タービンに
    導入する前記抽気空気をさらに昇圧する制動ブロワと連
    結していることを特徴とする請求項1記載のガスタービ
    ン発電システムにおける吸入空気冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記抽気空気の冷却手段は、蓄冷運転時
    に前記蓄冷器を導出する低温空気を冷却源とする熱交換
    器であることを特徴とする請求項1記載のガスタービン
    発電システムにおける吸入空気冷却装置。
  5. 【請求項5】 前記寒冷供給経路は、大気吸入量と供給
    低温空気量との混合比を調節する吸入空気温度調節手段
    を有していることを特徴とする請求項1記載のガスター
    ビン発電システムにおける吸入空気冷却装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のガス
    タービン発電システムにおける吸入空気冷却装置の運転
    方法であって、電力需要の減少時には、前記圧縮機を導
    出する圧縮空気の一部を抽気して発電量を減ずるととも
    に、該抽気空気を断熱膨張により寒冷を発生させ、該寒
    冷を前記蓄冷器に蓄積する蓄冷運転を行い、電力需要の
    増大時には、前記蓄冷器に蓄積された寒冷を放出供給し
    て圧縮機吸入空気温度を所定の設定温度に下げることに
    より、発電量を増大させる寒冷供給運転を行うことを特
    徴とするガスタービン発電システムにおける吸入空気冷
    却装置の運転方法。
  7. 【請求項7】 前記蓄冷運転を夜間に行い、前記寒冷供
    給運転を昼間に行うことを特徴とする請求項6記載のガ
    スタービン発電システムにおける吸入空気冷却装置の運
    転方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002097970A (ja) * 2000-09-11 2002-04-05 General Electric Co <Ge> ガスタービン発電設備における圧縮機吐出ブリード空気回路及び関連の方法
JP2008095686A (ja) * 2006-10-09 2008-04-24 General Electric Co <Ge> 発電プラントエミッションを低減するためのシステム
JP2010507743A (ja) * 2007-01-19 2010-03-11 ナックハムキン,マイケル コンプレッサの上流に冷空気を噴射することによる燃焼タービンの出力増大
JP2017527728A (ja) * 2014-06-17 2017-09-21 シーメンス アクティエンゲゼルシャフト ガスタービン発電機の冷却

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