JPH0827689A

JPH0827689A - 汚染物質を含むパルプの分別装置

Info

Publication number: JPH0827689A
Application number: JP18811991A
Authority: JP
Inventors: Jean-Pierre Lamort; ラモールジャン−ピエール
Original assignee: E&M Lamort Fils SA
Current assignee: Kadant Lamort SAS
Priority date: 1990-07-02
Filing date: 1991-07-02
Publication date: 1996-01-30
Anticipated expiration: 2014-05-31
Also published as: US5407538A; ES2067177T3; JP2898128B2; DE69105058D1; DE69105058T2; FR2663966A1; EP0465312B1; EP0465312A1

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、古紙からパルプを回収するための
パルプの分別装置に関する。【構成】格子（３）により２つのチャンバ−（１、
２）に仕切られたほぼ円筒状の容器からなり、格子
（３）の対向壁面に汚染物質を含むパルプの入口（４）
が設けられ、チャンバ−（２）に抽出されたパルプを排
出するための出口が設けられ、チャンバ−（１）に汚染
物を排出するための出口が設けられ、格子（３）の下流
側近傍に格子の目詰りを防止するためのクリ−ニング羽
根（１１）が設けられ、格子（３）の上流側に汚染物質
を含むパルプを混合するための混合羽根が設けられ、こ
の混合羽根（５）によりその回転軸近傍の液体を該格子
（３）の反対側の方向に向けて推進させるようにしたこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、古紙からパルプを回
収するための施設に用いられるパルプの分別装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、製紙工業において、古紙からのパ
ルプの回収は、ますます重要となっている。しかし、そ
の作業は、古紙に含まれるプラスチックフィルム、線条
物、ガラス片などの汚染物質（異物）の拡散のため、ま
すます複雑になっている。そのため、例えばヨ−ロッパ
特許出願、ＥＰ−Ａ−０１２０７６６には、パルプと汚
染物質との混合物を分別する装置を用い、古紙を裁断
し、その混合物を水に溶かし、主としてパルプ質からな
るベ−スを取出すことが記載されている。この種の装置
はそれ自体広く知られており、回転装置を備えたほぼ密
閉された容器と、この容器内にほぼ垂直に設けられたプ
レ−トからなる壁面と、この壁面を貫通して前方に回転
自在に設けられた攪拌羽根とを有する。

【０００３】この容器内には格子（グリル）が設けら
れ、その反対側にパルプ源混合物を導入するための入口
が設けられている。さらにこの容器には分別されたパル
プ混合物を排出するための出口、汚染物を排出するため
の出口がそれぞれ設けられている。この容器内に満たさ
れたパルプ混合物はパルプの排出路に連通する格子の背
後に設けられたポンプにより吐出される。攪拌羽根は格
子の前方にて放射状に設けられたプレ−ト（フランジ、
リブまたはフィン）相互間に窪みを形成させ、これによ
り格子の開口部が不純物の堆積により詰るの防止してい
る。

【０００４】この公知の装置は西洋梨型の排液装置とし
て知られているが、以下に述べるような欠点があった。
すなわち、汚染物質が断面が小さく、長さが長い場合、
格子の孔に絡み合う虞がある。この場合、攪拌羽根によ
り形成された格子の前の窪みによっても、この汚染物質
を取出すには不十分であった。また逆に攪拌羽根の刃で
汚染物質が非常に細かく裁断された場合、パルプとの分
離が困難となる。また、他の問題としては、攪拌羽根の
存在がもっぱら窪みを形成し、格子の洗浄のみを目的と
し、引きずり込みによる容器内の液体の置換を促進する
ものでないことである。すなわち、原料混合物中の異物
は格子の近傍に来たときポンプにより吸引され、突然的
に攪拌羽根の刃により引込まれ、その極めて急激な加速
により汚染物質が分断される虞がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な従来の装置の欠点を軽減し、パルプと汚染物質との良
好な分別を図ることができる装置を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の装置は、格子か
らなる壁面によりほぼ円筒状の容器を２つのチャンバ−
に仕切った型のパルプ分別装置を提供するものである。
汚染物を含むパルプは上記の仕切り壁と反対側の入口か
ら導入され、汚染物が除去されたパルプは出口通路を介
して排出され、汚染物も容器の出口から排出される。ま
た、攪拌羽根が仕切り壁近傍の上流側に設けられ、クリ
−ニング羽根が仕切り壁近傍の下流側に設けられてい
る。

【０００７】本発明の装置は以下のような技術的手段を
講じている。 (a).攪拌羽根が回転軸近傍の液体を仕切り壁の反対側に
向けて推進させ、この液体はその外周近傍で吸込まれる
ようになっている。 (b).仕切り壁の反対側の容器壁面は湾曲しており、汚染
物を含むパルプの導入口は、攪拌羽根の軸に向けて設け
られている。 (c).クリ−ニング羽根は仕切り壁の下流側表面に圧力を
生じさせる。 (d).クリ−ニング羽根の刃は直線状に形成され、かつ、
広角に開いた２面からなっている。 (e).攪拌羽根およびクリ−ニング羽根は、モ−タ−によ
り駆動され、仕切り壁を貫通する単一の軸上に設けられ
ている。 (f).仕切り壁の上流側に補強用のバ−またはリブが設け
られている。 (g).このバ−は軸から放射状に延びている。

【０００８】

【実施例】以下に、この発明のパルプの分別装置を図示
の実施例を参照して説明する。図１は本発明に係わる装
置を示すものであって、格子からなる仕切り壁３（以
下、単に格子（３）とも呼ぶ）により仕切られた２つの
チャンバ−１、２からなっている。

【０００９】汚染物が混入されたパルプが、図示しない
原料源と接続された入口４を介して、容器１内に導入さ
れる。容器１内において、公知の装置と異なり、仕切り
壁３の上流側表面近傍に攪拌羽根５が設けられペ−スト
状物を強く攪拌し、パルプ繊維と汚染物とを効果的に分
別し得るようになっている。

【００１０】この攪拌羽根５は小さな寸法のものからな
り、ペ−スト状物を強く攪拌することができ、その回転
速度はそれほど重要でない。このペ−スト状物は攪拌羽
根５の速度により引きずり込まれ、刃の通過により壊さ
れる虞はない。好ましくは、攪拌羽根５はこのペ−スト
状液体を、その回転軸の近傍から対向する壁面６に向け
て推進させ、ついで、ペ−スト状液体をその外周から吸
込むようにしている。

【００１１】この攪拌において、汚染物の重い部分は壁
面６の近傍に留まり、紙繊維が格子３を横切り通過する
のを妨げることはない。紙繊維は格子の近傍にて傾いた
方向に導入され、あるいは僅かな窪みの部分に導入され
効果的に吸込まれる。攪拌羽根によりこのペ−スト状液
体を外周に向けて推進した場合は、遠心力により格子を
横切る代わりに格子に対し平行に移動することになる。

【００１２】容器１は公知のものと同様のものであり、
その軸は水平に対し僅かに傾斜していて、汚染物が出口
７から排出されるのを容易にしている。

【００１３】壁面６は湾曲していて、ペ−スト状液体が
導入される入口４に対し、攪拌されるペ−スト状液体の
動きが妨げられないようになっている。また、この入口
４は容器と同軸に設けられ、かつ攪拌羽根５の軸に向け
られて設けられ、ペ−スト状液体の動きが抑制されない
ようになっている。

【００１４】さらに、この装置には、バルブ２１を備え
た水導入部２０と、圧縮空気の供給、排出をおこなうた
めの管８が設けられている。

【００１５】図１に示すように、容器１内に設けられた
格子３の上流側表面にバ−９が一様に設けられている。
このバ−（またはリブ）９は、攪拌羽根５により攪拌さ
れるペ−スト状液体の激しい動きまたは圧力に耐えられ
るように、格子３を補強する役割を果たしている。

【００１６】実際に、攪拌羽根５によりペ−スト状液体
は回転運動するが、このペ−スト状液体の回転運動は、
壁面近傍において、特に格子近傍において層流となって
いる。各々のバ−９は放射状に配置され、攪拌羽根５に
よるペ−スト状液体の攪拌または繊維の攪拌を促進する
ようにしている。

【００１７】チャンバ−２には、汚染物から解放された
パルプを排出するためのポンプを有する排出路の出口１
０が備えられている。さらにチャンバ−２にはクリ−ニ
ング羽根１１が設けられ、その刃１２は格子３の下流側
壁面から僅かに離れて回転する。

【００１８】このクリ−ニング羽根１１はその刃１２の
通過時に格子表面に圧力を生じさせており、孔を塞ぐ虞
のある繊維および汚染物をチャンバ−１内に押し戻しよ
うになっている。したがって、公知の装置と異なり、格
子の洗浄が、格子の上流側に窪みを生じさせておこなわ
れる代わりに、格子の下流側に圧力を形成させることに
よりなされている。

【００１９】この２つの羽根、すなわち攪拌羽根および
クリ−ニング羽根によりペ−スト状液体の紙繊維と汚染
物質への効果的な分別がおこなわれる。このクリ−ニン
グ羽根１１は格子において汚染物を切断する虞はない。
すなわち、この点に関し、この格子の背後における圧力
発生の作用は、公知の格子の上流での羽根の作用と較
べ、著しく有効となる。

【００２０】図２以降の図面に示すようにクリ−ニング
羽根１１は、刃１２がほぼ直線状に延び、格子３を通過
したパルプに遠心力が付与されるのを回避している。こ
のクリ−ニング羽根１１の刃１２は上面が格子３に向か
って傾斜している。すなわち、この刃１２の断面は湾曲
し、または図４から図７に示すように適当な角度に形成
されている。このような格子３方向への刃１２の表面の
傾きは、刃１２の速度で生じる洗浄圧力を得るために好
ましい。

【００２１】このクリ−ニング羽根１１は格子３のごく
近傍に設けられている。すなわち、刃１２の縁部は、格
子３の表面から数ミリ程度離れた位置に配設され、これ
により有効最大限の逆圧を生じさせ、その逆圧が逃げる
ことを防止している。

【００２２】図１に示すように、攪拌羽根５およびクリ
−ニング羽根１１は、２つのチャンバ−１、２を仕切る
壁を横切る単一のシャフト１３上に設けられている。こ
のシャフト１３は図示しない手段により回転可能に接続
されている。

【００２３】さらに、この装置の各入口４、８および出
口７、１０には、ヨ−ロッパ特許出願、ＥＰ−Ａ−０１
２０７６６に記載されているのと同様に電磁弁が設けら
れている。

【００２４】汚染物を含むパルプ混合物が入口４から導
入され、さらにパルプが出口１０から排出されるにつれ
て入口２０から水が供給される。パルプの抽出量が予め
定められた量より少なくなったとき、すべてのパルプが
汚染物から分別されたと見做され、この水の供給が停止
される。このようにして、パルプが分別されたのち、出
口が解放され、汚染物が除去される。

【００２５】

【発明の効果】この発明の装置によれば、攪拌羽根５を
格子３壁面の上流側に配置させたことによりパルプと汚
染物との確実かつ良好な分別がなされ、同時にクリ−ニ
ング羽根１１を格子３壁面の下流側に設けたことによ
り、高速回転においても格子中の汚染物が分割されるこ
とがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のパルプの分別装置の一部断面図であ
る。

【図２】この発明のクリ−ニング羽根の一部断面図であ
る。

【図３】図２を矢線方向から見た平面図である。

【図４】図３のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図５】図３のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。

【図６】図３のＣ−Ｃ線に沿う断面図である。

【図７】図３のＤ−Ｄ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１チャンバ− ２チャンバ− ３格子（仕切り壁）４入口５攪拌羽根６壁面７出口８管（入口）９バ− １０出口１１クリ−ニング羽根１２刃１３シャフト２０水導入部２１バルブ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】格子（３）により２つのチャンバ−
（１、２）に仕切られたほぼ円筒状の容器からなり、該
格子（３）の対向壁面に汚染物質を含むパルプの入口
（４）を有し、チャンバ−（２）に抽出されたパルプを
排出するための出口を設け、チャンバ−（１）に汚染物
を排出するための出口を設け、該格子の下流側近傍にク
リ−ニング羽根（１１）を設け、該格子（３）の上流側
に混合羽根を設け、この混合羽根（５）によりその回転
軸近傍の液体を該格子（３）の反対側の方向に向けて推
進させるようにしたことを特徴とする汚染物質を含むパ
ルプの分別装置。
【請求項２】チャンバ−（１）の格子（３）と対向す
る壁面（６）が湾曲し、汚染物質を含むパルプの導入の
ための入口（４）が混合羽根（５）の軸に対向して設け
られていることを特徴とする請求項１に記載のパルプの
分別装置。
【請求項３】クリ−ニング羽根（１１）の刃（１２）
が直線状をなし、広く開いた角度を有し、上流側の面が
格子（３）に向けて配向されていることを特徴とする請
求項２に記載のパルプの分別装置。
【請求項４】格子（３）の上流側の面に補強用のバ−
またはリブ（９）が設けられていることを特徴とする請
求項３に記載のパルプの分別装置。
【請求項５】該バ−またはリブ（９）が軸（１３）か
ら放射状に延びていることを特徴とする請求項４に記載
のパルプの分別装置。