JPH0827681A - ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤInfo
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- JPH0827681A JPH0827681A JP6154764A JP15476494A JPH0827681A JP H0827681 A JPH0827681 A JP H0827681A JP 6154764 A JP6154764 A JP 6154764A JP 15476494 A JP15476494 A JP 15476494A JP H0827681 A JPH0827681 A JP H0827681A
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- D07B1/06—Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
- D07B1/0606—Reinforcing cords for rubber or plastic articles
- D07B1/062—Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration
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- D07B2501/20—Application field related to ropes or cables
- D07B2501/2046—Tire cords
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- Ropes Or Cables (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ゴム物品補強用のスチールコードにおける、
ラップフィラメントによるフレッティング摩耗を抑制
し、フィラメント断面積の減少に起因したコード強力の
低下を回避するとともに、ラップフィラメントによるコ
ードのフィラメント間拘束力を強化して低内圧コード破
断を回避して、コードの耐久性を向上する。 【構成】 複数本のスチールフィラメントを束ねたコー
ドのまわりにラップフィラメントをスパイラル状に巻き
付けたスチールコードであって、該ラップフィラメント
は、輪郭形状をへん平にしかつへん平面がコードの輪郭
線に沿う配置とする。
ラップフィラメントによるフレッティング摩耗を抑制
し、フィラメント断面積の減少に起因したコード強力の
低下を回避するとともに、ラップフィラメントによるコ
ードのフィラメント間拘束力を強化して低内圧コード破
断を回避して、コードの耐久性を向上する。 【構成】 複数本のスチールフィラメントを束ねたコー
ドのまわりにラップフィラメントをスパイラル状に巻き
付けたスチールコードであって、該ラップフィラメント
は、輪郭形状をへん平にしかつへん平面がコードの輪郭
線に沿う配置とする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、空気入りタイヤや工
業用ベルト等のゴム物品の補強材として使用されるスチ
ールコード及びこのスチールコードからなるカーカスを
骨格とする空気入りラジアルタイヤに関し、特に耐久性
の向上をはかろうとするものである。
業用ベルト等のゴム物品の補強材として使用されるスチ
ールコード及びこのスチールコードからなるカーカスを
骨格とする空気入りラジアルタイヤに関し、特に耐久性
の向上をはかろうとするものである。
【０００２】
【従来の技術】コードを構成するフィラメント間での拘
束力を強めるため、コードのまわりにラップフィラメン
トを螺旋状に巻き回して成るコードが知られている。
束力を強めるため、コードのまわりにラップフィラメン
トを螺旋状に巻き回して成るコードが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】このラップフィラメン
トによって確かにコードにおけるフィラメント間での拘
束力を強めることはできるが、コードのフィラメントと
ラップフィラメントとのフレッティング磨耗によるコー
ド強力の低下という新たな問題が発生する。すなわち、
タイヤの負荷転動中にカーカスが曲げ変形を受けると、
コードのまわりに巻き付けたラップフィラメントとコー
ドの外側のフィラメントとの間にフレッティング磨耗が
生じる。このフレッティング磨耗によりフィラメント断
面積が減少し、特にコード内の一部のフィラメントで断
面積の減少が激しければ、そのフィラメントは衝撃引張
り、繰り返し曲げに対して破断を起こしやすくなる。そ
して、一旦フィラメントが破断すると、他のフィラメン
トの引張り応力が増大し、コードの疲労破壊が促進され
る。
トによって確かにコードにおけるフィラメント間での拘
束力を強めることはできるが、コードのフィラメントと
ラップフィラメントとのフレッティング磨耗によるコー
ド強力の低下という新たな問題が発生する。すなわち、
タイヤの負荷転動中にカーカスが曲げ変形を受けると、
コードのまわりに巻き付けたラップフィラメントとコー
ドの外側のフィラメントとの間にフレッティング磨耗が
生じる。このフレッティング磨耗によりフィラメント断
面積が減少し、特にコード内の一部のフィラメントで断
面積の減少が激しければ、そのフィラメントは衝撃引張
り、繰り返し曲げに対して破断を起こしやすくなる。そ
して、一旦フィラメントが破断すると、他のフィラメン
トの引張り応力が増大し、コードの疲労破壊が促進され
る。
【０００４】また、トラック、バス用又はライトトラッ
ク用タイヤのカーカスプライには、２層あるいは３層の
多層撚りコードを用いているが、比較的太いフィラメン
トからなる多層撚りコードでは、特にタイヤがパンクし
た場合などの低内圧での走行中に、コード最外層のフィ
ラメントに過大な曲げ変形が発生して、ここでのフィラ
メント切れによってコード破断（以下、低内圧コード破
断という）に到る確率が高い。特に、ラップフィラメン
トで拘束力を強めたコードでは、ラップフィラメントと
コード外周フィラメントとの接触部に拘束力が集中して
いるから、低内圧走行中に、この接触部が起点となって
コード破断が発生しやすい。
ク用タイヤのカーカスプライには、２層あるいは３層の
多層撚りコードを用いているが、比較的太いフィラメン
トからなる多層撚りコードでは、特にタイヤがパンクし
た場合などの低内圧での走行中に、コード最外層のフィ
ラメントに過大な曲げ変形が発生して、ここでのフィラ
メント切れによってコード破断（以下、低内圧コード破
断という）に到る確率が高い。特に、ラップフィラメン
トで拘束力を強めたコードでは、ラップフィラメントと
コード外周フィラメントとの接触部に拘束力が集中して
いるから、低内圧走行中に、この接触部が起点となって
コード破断が発生しやすい。
【０００５】従って、この発明は、ゴム物品補強用のス
チールコードにおける、ラップフィラメントによるフレ
ッティング摩耗を抑制し、フィラメント断面積の減少に
起因したコード強力の低下を回避するとともに、ラップ
フィラメントによるコードのフィラメント間拘束力の均
等化にて低内圧コード破断を回避して、コードの耐久性
を向上しようとするものである。
チールコードにおける、ラップフィラメントによるフレ
ッティング摩耗を抑制し、フィラメント断面積の減少に
起因したコード強力の低下を回避するとともに、ラップ
フィラメントによるコードのフィラメント間拘束力の均
等化にて低内圧コード破断を回避して、コードの耐久性
を向上しようとするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記フレッティング磨耗
を抑制する手段について鋭意検討した結果、ラップフィ
ラメントの形状を工夫することにより、ラップフィラメ
ントとこれに接触するコード最外側のフィラメントとの
単位面積当たりの接触圧が低下することを見出し、この
発明を完成するに到った。
を抑制する手段について鋭意検討した結果、ラップフィ
ラメントの形状を工夫することにより、ラップフィラメ
ントとこれに接触するコード最外側のフィラメントとの
単位面積当たりの接触圧が低下することを見出し、この
発明を完成するに到った。
【０００７】この発明は、複数本のスチールフィラメン
トを束ねたコードのまわりにラップフィラメントをスパ
イラル状に巻き付けたスチールコードであって、該ラッ
プフィラメントは、輪郭形状をへん平にしかつへん平面
がコードの輪郭線に沿う配置としたことを特徴とする、
ゴム物品補強用スチールコードである。
トを束ねたコードのまわりにラップフィラメントをスパ
イラル状に巻き付けたスチールコードであって、該ラッ
プフィラメントは、輪郭形状をへん平にしかつへん平面
がコードの輪郭線に沿う配置としたことを特徴とする、
ゴム物品補強用スチールコードである。
【０００８】なお、スチールコードの構造については特
に限定されないが、１本または複数本のスチールフィラ
メントからなる中心基本構造と、この中心基本構造のま
わりに配列した多数本のスチールフィラメントからなる
少なくとも１層の同軸層とを撚り合わせて成るコード、
中でも中心基本構造と同軸層とを同一方向かつ同一ピッ
チで撚り合わせた、いわゆるコンパクトコードにおい
て、とりわけ有効である。さらに、ラップフィラメント
は、断面が楕円形状であり、その長径ａと短径ｂとの比
ａ／ｂが1.2 以上であること、そしてラップフィラメン
トを同軸層の撚り方向とは逆向きに巻き付けることが好
ましい。
に限定されないが、１本または複数本のスチールフィラ
メントからなる中心基本構造と、この中心基本構造のま
わりに配列した多数本のスチールフィラメントからなる
少なくとも１層の同軸層とを撚り合わせて成るコード、
中でも中心基本構造と同軸層とを同一方向かつ同一ピッ
チで撚り合わせた、いわゆるコンパクトコードにおい
て、とりわけ有効である。さらに、ラップフィラメント
は、断面が楕円形状であり、その長径ａと短径ｂとの比
ａ／ｂが1.2 以上であること、そしてラップフィラメン
トを同軸層の撚り方向とは逆向きに巻き付けることが好
ましい。
【０００９】また、この発明は、上記のスチールコード
を、１対のビード部間でトロイド状に延びるカーカスを
骨格とし、さらにカーカスのクラウン部をベルト層で補
強した空気入りラジアルタイヤにおける、該カーカスお
よび／またはベルト層を構成するコードに適用してなる
ものである。
を、１対のビード部間でトロイド状に延びるカーカスを
骨格とし、さらにカーカスのクラウン部をベルト層で補
強した空気入りラジアルタイヤにおける、該カーカスお
よび／またはベルト層を構成するコードに適用してなる
ものである。
【００１０】さて、図１(a) および(b) に、この発明に
従うゴム物品補強用スチールコードの断面を、撚り構造
１×３＋９＋１タイプについて示す。図に斜線で示した
３本のスチールフィラメントが中心基本構造（以下コア
と示す）１であり、このコア１のまわりに互いに隣接し
て配列した、９本のスチールフィラメントで同軸層（以
下シースと示す）２を構成し、さらにシース２のまわり
に、このシースの撚り方向と逆向きのスパイラルに巻付
けたラップフィラメント３をそなえる。
従うゴム物品補強用スチールコードの断面を、撚り構造
１×３＋９＋１タイプについて示す。図に斜線で示した
３本のスチールフィラメントが中心基本構造（以下コア
と示す）１であり、このコア１のまわりに互いに隣接し
て配列した、９本のスチールフィラメントで同軸層（以
下シースと示す）２を構成し、さらにシース２のまわり
に、このシースの撚り方向と逆向きのスパイラルに巻付
けたラップフィラメント３をそなえる。
【００１１】ラップフィラメント３は、輪郭形状をへん
平にしかつへん平面がコードの輪郭線に沿う配置とする
ことが肝要である。すなわち、図１(a) においては、断
面形状が楕円のフィラメントを、楕円の長径が常にコー
ドの輪郭線に沿う配置にて、コードに巻き付けて、ラッ
プフィラメント３とシース２のフィラメントとの接触面
積を、ラップフィラメントが円形断面である在来コード
に比べて、増大する。ここに、ラップフィラメントの輪
郭形状としては、上記楕円のほか、正方形を除く長方形
または楕円に類似する輪郭を有する多角形などが好適で
ある。
平にしかつへん平面がコードの輪郭線に沿う配置とする
ことが肝要である。すなわち、図１(a) においては、断
面形状が楕円のフィラメントを、楕円の長径が常にコー
ドの輪郭線に沿う配置にて、コードに巻き付けて、ラッ
プフィラメント３とシース２のフィラメントとの接触面
積を、ラップフィラメントが円形断面である在来コード
に比べて、増大する。ここに、ラップフィラメントの輪
郭形状としては、上記楕円のほか、正方形を除く長方形
または楕円に類似する輪郭を有する多角形などが好適で
ある。
【００１２】
【作用】スチールコードに巻き付けるラップフィラメン
トの輪郭形状をへん平にしかつへん平面がコードの輪郭
線に沿う配置とすることは、コード最外側のフィラメン
トとラップフィラメントとの接触面積を増大するのに有
効である。すなわち、この接触面積の増大は、まずラッ
プフィラメントによる拘束力の強化に寄与する一方、コ
ード最外側のフィラメントとラップフィラメントとの単
位面積当たりの接触圧を低減し、ここでのフレッティン
グ磨耗の原因となる拘束力の部分的な集中を軽減する。
従って、低内圧コード破断およびコード強力低下はとも
に回避されため、コードの耐久性は格段に向上するので
ある。
トの輪郭形状をへん平にしかつへん平面がコードの輪郭
線に沿う配置とすることは、コード最外側のフィラメン
トとラップフィラメントとの接触面積を増大するのに有
効である。すなわち、この接触面積の増大は、まずラッ
プフィラメントによる拘束力の強化に寄与する一方、コ
ード最外側のフィラメントとラップフィラメントとの単
位面積当たりの接触圧を低減し、ここでのフレッティン
グ磨耗の原因となる拘束力の部分的な集中を軽減する。
従って、低内圧コード破断およびコード強力低下はとも
に回避されため、コードの耐久性は格段に向上するので
ある。
【００１３】さらに、ラップフィラメントの輪郭形状を
へん平化すると、ラップフィラメントの周囲を覆うゴム
中におけるラップフィラメントの回転が抑制されるた
め、該ゴムとラップフィラメントとの接着を維持するの
に有利である。
へん平化すると、ラップフィラメントの周囲を覆うゴム
中におけるラップフィラメントの回転が抑制されるた
め、該ゴムとラップフィラメントとの接着を維持するの
に有利である。
【００１４】なお、ラップフィラメントを巻き付けるコ
ードの構造は特に限定されないが、複撚り構造のコード
では、ラップフィラメントとのフレッティング磨耗より
も、ストランドとストランドとの間のフレッティング磨
耗が問題になるから、特にラップフィラメントとのフレ
ッティング磨耗が問題となる、２〜３層撚りの層撚り構
造のコードに、この発明を適用したときの効果が顕著で
ある。
ードの構造は特に限定されないが、複撚り構造のコード
では、ラップフィラメントとのフレッティング磨耗より
も、ストランドとストランドとの間のフレッティング磨
耗が問題になるから、特にラップフィラメントとのフレ
ッティング磨耗が問題となる、２〜３層撚りの層撚り構
造のコードに、この発明を適用したときの効果が顕著で
ある。
【００１５】中でも、コアとシースとを同一方向かつ同
一ピッチで撚り合わせた、コンパクトコードは、フィラ
メントが緊密に配置されてコードの輪郭形状が円形では
なく角張った多角形になっているため、特に最外層のシ
ースフィラメントとラップフィラメントとの間でフレッ
ティング磨耗が非常に激しいため、この発明がとりわけ
有利に適合する。
一ピッチで撚り合わせた、コンパクトコードは、フィラ
メントが緊密に配置されてコードの輪郭形状が円形では
なく角張った多角形になっているため、特に最外層のシ
ースフィラメントとラップフィラメントとの間でフレッ
ティング磨耗が非常に激しいため、この発明がとりわけ
有利に適合する。
【００１６】ここで、ラップフィラメントの断面形状は
へん平であれば特に制限されるものではないが、かどの
多い断面形状であると、そのかどのゴム接着層に応力が
集中して、ゴムとの接着力が低下するため、断面楕円状
のものが好適である。特に、楕円の短径に対する長径の
比が1.2 未満ではフレッティング磨耗の軽減効果が少な
くなり、一方、この比が2.0 をこえると、コードに曲げ
変形が発生したときにラップフィラメントに局所的な歪
みが生じて破断し易くなるため、比が1.2 以上、より好
ましくは比が1.2 〜2.0 の楕円形状が推奨される。具体
的には、楕円の短径を0.10〜0.175 mmの範囲にすること
が好ましい。なぜなら、ラップフィラメントの短径が0.
175 mmをこえると、ラップフィラメントを巻き付けた部
分のシースに曲げ変形が発生して低内圧コード破断の核
となり、一方0.10mm未満では拘束力が低下して低内圧コ
ード破断をまねく上、単位面積当たりの接触圧の低下が
不十分になってフレッティング磨耗が軽減されない。
へん平であれば特に制限されるものではないが、かどの
多い断面形状であると、そのかどのゴム接着層に応力が
集中して、ゴムとの接着力が低下するため、断面楕円状
のものが好適である。特に、楕円の短径に対する長径の
比が1.2 未満ではフレッティング磨耗の軽減効果が少な
くなり、一方、この比が2.0 をこえると、コードに曲げ
変形が発生したときにラップフィラメントに局所的な歪
みが生じて破断し易くなるため、比が1.2 以上、より好
ましくは比が1.2 〜2.0 の楕円形状が推奨される。具体
的には、楕円の短径を0.10〜0.175 mmの範囲にすること
が好ましい。なぜなら、ラップフィラメントの短径が0.
175 mmをこえると、ラップフィラメントを巻き付けた部
分のシースに曲げ変形が発生して低内圧コード破断の核
となり、一方0.10mm未満では拘束力が低下して低内圧コ
ード破断をまねく上、単位面積当たりの接触圧の低下が
不十分になってフレッティング磨耗が軽減されない。
【００１７】さらに、ラップフィラメントは、最外側シ
ースのフィラメントの撚り方向と逆向きに巻き付けるこ
とが、好ましい。すなわち、コードへシースの撚りがば
らける向きの入力があると、シースのフィラメントは座
屈しようとするが、ここでラップフィラメントがシース
フィラメントの撚り方向と逆向きに巻き付けてあるた
め、シースフィラメントがばらける向きに動くことによ
って、ラップフィラメントによる拘束力は増大するた
め、上記シースフィラメントの座屈は回避され、コード
強力は維持されるのである。
ースのフィラメントの撚り方向と逆向きに巻き付けるこ
とが、好ましい。すなわち、コードへシースの撚りがば
らける向きの入力があると、シースのフィラメントは座
屈しようとするが、ここでラップフィラメントがシース
フィラメントの撚り方向と逆向きに巻き付けてあるた
め、シースフィラメントがばらける向きに動くことによ
って、ラップフィラメントによる拘束力は増大するた
め、上記シースフィラメントの座屈は回避され、コード
強力は維持されるのである。
【００１８】また、この発明のスチールコードは、例え
ば図２に示すタイヤ構造において、カーカス４またはこ
のカーカス４のクラウン部を覆うベルト層５に適用する
ことができる。なお、図２において、６はベルト層５上
に配置したトレッド部および７はビードコアである。
ば図２に示すタイヤ構造において、カーカス４またはこ
のカーカス４のクラウン部を覆うベルト層５に適用する
ことができる。なお、図２において、６はベルト層５上
に配置したトレッド部および７はビードコアである。
【００１９】
【実施例】実施例１ 表１に従うスチールコードを、図２に示したタイヤのカ
ーカスプライに、打ち込み数：28.0 本／５cmのトリー
トとして適用し、タイヤサイズ：11／70R22.514PRのト
ラックバス用ラジアルタイヤを試作した。かくして得ら
れたタイヤについて、そのコード強力保持率、低内圧コ
ード破断に対する耐久性（耐低内圧コード破断性）およ
びラップフィラメントに対するゴム接着性を調査した。
ーカスプライに、打ち込み数：28.0 本／５cmのトリー
トとして適用し、タイヤサイズ：11／70R22.514PRのト
ラックバス用ラジアルタイヤを試作した。かくして得ら
れたタイヤについて、そのコード強力保持率、低内圧コ
ード破断に対する耐久性（耐低内圧コード破断性）およ
びラップフィラメントに対するゴム接着性を調査した。
【００２０】すなわち、コード強力保持率は、各試作タ
イヤに内圧：７kgf ／cm2 を充填後に、トラックに装着
し、JIS 100 ％荷重の下に速度：60km／ｈで走行させ、
100000km毎にトレッドを更生して300000kmまで走行させ
た後、各試作タイヤを解剖して、カーカスよりゴム付ス
チールコードのサンプルを取出し、インストロン形引張
り試験機で引張り強さを測定し、この測定値をタイヤに
適用する前のコードの引張り強さと対比してコード強力
保持率（％）を算出した。この算出結果は、比較例１の
結果を100 としたときの指数で示し、コード強力保持率
の低下度合の小さいものほど指数は大きくなる。
イヤに内圧：７kgf ／cm2 を充填後に、トラックに装着
し、JIS 100 ％荷重の下に速度：60km／ｈで走行させ、
100000km毎にトレッドを更生して300000kmまで走行させ
た後、各試作タイヤを解剖して、カーカスよりゴム付ス
チールコードのサンプルを取出し、インストロン形引張
り試験機で引張り強さを測定し、この測定値をタイヤに
適用する前のコードの引張り強さと対比してコード強力
保持率（％）を算出した。この算出結果は、比較例１の
結果を100 としたときの指数で示し、コード強力保持率
の低下度合の小さいものほど指数は大きくなる。
【００２１】また、耐低内圧コード破断性は、各試作タ
イヤをトラックの複輪に装着して100000km走行後に複輪
のいずれか１本のタイヤを内圧０としてから、さらに20
00km走行させたのち、このタイヤのカーカスから10本の
コードを引き抜き、フィラメントの破断本数を調査し、
全フィラメント本数と対比して破断率を算出し、比較例
１の破断率を100 として破断率の小さいものほど大きく
なるように指数表示した。
イヤをトラックの複輪に装着して100000km走行後に複輪
のいずれか１本のタイヤを内圧０としてから、さらに20
00km走行させたのち、このタイヤのカーカスから10本の
コードを引き抜き、フィラメントの破断本数を調査し、
全フィラメント本数と対比して破断率を算出し、比較例
１の破断率を100 として破断率の小さいものほど大きく
なるように指数表示した。
【００２２】さらに、ゴム接着性は、上記の10本のコー
ドにおいてゴムが接着されていない長さを測定し、比較
例１の長さを100 として接着不良長さが短いほど大きく
なるように指数表示した。これらの調査結果を、表１に
併記する。
ドにおいてゴムが接着されていない長さを測定し、比較
例１の長さを100 として接着不良長さが短いほど大きく
なるように指数表示した。これらの調査結果を、表１に
併記する。
【００２３】
【表１】
【００２４】表１に示すように、比較例２は基準となる
比較例１と同様のコード構造であるが、ラップフィラメ
ントがないため、耐低内圧コード破断性に劣るものであ
る。比較例３は、３＋９構造のシースフィラメントを減
らすことによってゴムペネレーション性を向上した３＋
８構造のコードであるが、耐低内圧コード破断性はや改
善するが、未だ不十分である。これに対して、発明例１
〜４は、断面形状が楕円のラップフィラメントを巻き付
けたコードであり、いずれも優れた耐低内圧コード破断
性を有することがわかる。
比較例１と同様のコード構造であるが、ラップフィラメ
ントがないため、耐低内圧コード破断性に劣るものであ
る。比較例３は、３＋９構造のシースフィラメントを減
らすことによってゴムペネレーション性を向上した３＋
８構造のコードであるが、耐低内圧コード破断性はや改
善するが、未だ不十分である。これに対して、発明例１
〜４は、断面形状が楕円のラップフィラメントを巻き付
けたコードであり、いずれも優れた耐低内圧コード破断
性を有することがわかる。
【００２５】実施例２ 表２に従うスチールコードを、図２に示したタイヤのカ
ーカスプライに、打ち込み数：28.0本／５cmのトリート
として適用し、タイヤサイズ：11／70R22.5 14PR のト
ラックバス用ラジアルタイヤを試作した。かくして得ら
れたタイヤについて、そのコード強力保持率、耐低内圧
コード破断性およびラップフィラメントに対するゴム接
着性を、実施例１と同様に調査した。
ーカスプライに、打ち込み数：28.0本／５cmのトリート
として適用し、タイヤサイズ：11／70R22.5 14PR のト
ラックバス用ラジアルタイヤを試作した。かくして得ら
れたタイヤについて、そのコード強力保持率、耐低内圧
コード破断性およびラップフィラメントに対するゴム接
着性を、実施例１と同様に調査した。
【００２６】
【表２】
【００２７】比較例４〜８では、断面が円形のラップフ
ィラメントをコードに巻き回しているが、耐低内圧コー
ド破断性の改善は難しい。これに対して、発明例５およ
び６は、全ての性能が比較例４に対して向上している。
ィラメントをコードに巻き回しているが、耐低内圧コー
ド破断性の改善は難しい。これに対して、発明例５およ
び６は、全ての性能が比較例４に対して向上している。
【００２８】
【発明の効果】この発明によれば、ラップフィラメント
によりコードのフィラメント間拘束力を高めたスチール
コードにおける、コード強力の維持と耐低内圧コード破
断性の改善とを両立して、コードの耐久性を格段に向上
することができ、従って、このスチールコードをタイヤ
のカーカスおよびベルト層のいずれか一方または両方に
適用することによって、タイヤの耐久性を著しく改善す
ることができる。
によりコードのフィラメント間拘束力を高めたスチール
コードにおける、コード強力の維持と耐低内圧コード破
断性の改善とを両立して、コードの耐久性を格段に向上
することができ、従って、このスチールコードをタイヤ
のカーカスおよびベルト層のいずれか一方または両方に
適用することによって、タイヤの耐久性を著しく改善す
ることができる。
【図１】撚り構造１×３＋９＋１のコードの断面および
側面図である。
側面図である。
【図２】タイヤの断面図である。
１ コア ２ シース ３ ラップフィラメント ４ カーカス ５ ベルト層 ６ トレッド層 ７ ビードコア
Claims (6)
- 【請求項１】 複数本のスチールフィラメントを束ねた
コードのまわりにラップフィラメントをスパイラル状に
巻き付けたスチールコードであって、該ラップフィラメ
ントは、輪郭形状をへん平にしかつへん平面がコードの
輪郭線に沿う配置としたことを特徴とする、ゴム物品補
強用スチールコード。 - 【請求項２】 スチールコードは、１本または複数本の
スチールフィラメントからなる中心基本構造と、この中
心基本構造のまわりに配列した多数本のスチールフィラ
メントからなる少なくとも１層の同軸層とを撚り合わせ
て成る、請求項１に記載のゴム物品補強用スチールコー
ド。 - 【請求項３】 中心基本構造と同軸層とを同一方向かつ
同一ピッチで撚り合わせた請求項２に記載のゴム物品補
強用スチールコード。 - 【請求項４】 ラップフィラメントは、輪郭形状が楕円
であり、その短径に対する長径の比が1.2 以上である請
求項１、２または３に記載のゴム物品補強用スチールコ
ード。 - 【請求項５】 ラップフィラメントを同軸層の撚り方向
とは逆向きに巻き付けた請求項１，２，３または４に記
載のゴム物品補強用スチールコード。 - 【請求項６】 １対のビード部間でトロイド状に延びる
カーカスを骨格とし、さらにカーカスのクラウン部をベ
ルト層で補強した空気入りラジアルタイヤであって、該
カーカスおよび／またはベルト層を構成するコードに、
請求項１に記載のスチールコードを適用してなる空気入
りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6154764A JPH0827681A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6154764A JPH0827681A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0827681A true JPH0827681A (ja) | 1996-01-30 |
Family
ID=15591388
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6154764A Pending JPH0827681A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0827681A (ja) |
-
1994
- 1994-07-06 JP JP6154764A patent/JPH0827681A/ja active Pending
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