JPH08276438A - フレネルレンズ用金型及びその製造方法 - Google Patents

フレネルレンズ用金型及びその製造方法

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JPH08276438A
JPH08276438A JP10306595A JP10306595A JPH08276438A JP H08276438 A JPH08276438 A JP H08276438A JP 10306595 A JP10306595 A JP 10306595A JP 10306595 A JP10306595 A JP 10306595A JP H08276438 A JPH08276438 A JP H08276438A
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JP
Japan
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mold
fresnel lens
lens
molding
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JP10306595A
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English (en)
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Tadamasa Fuchida
忠正 渕田
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Nippon Steel Texeng Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フレネルレンズを樹脂成形により形成する際
に使用する成形金型において、レンズ成形面の境界部分
の曲率を小さくして形状精度の高い金型を製作するとと
もに、成形時の樹脂の充填不足やガス焼けの防止を図る
ことの可能な新規の金型構造を実現する。 【構成】 固定側コア4は、中心軸部材41と、これに
外嵌された複数の管状部材42,43,44,45,4
6とを重ね合わせて形成され、これらの軸線と交差する
方向に穿設された貫通孔4aに固定ピン47を軽圧入す
ることにより相互に固定されている。中心軸部材41、
管状部材42,43,44,45,46の端面には、そ
れぞれフレネルレンズ1の成形面10に対応するレンズ
成形面41a,42a,43a,44a,45a,46
aが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフレネルレンズ用金型及
びその製造方法に係り、特に、フレネルレンズを高精度
に成形するための改良された金型構造に関する。
【0002】
【従来の技術】フレネルレンズは、レンズの厚さが薄い
ために空間占有率を低くできる利点があることから各種
用途に広く使用されている。特に大口径非球面フレネル
レンズの有用性は高い。しかし、フレネルレンズの形状
は複雑であるため、一般的には製造が困難である。この
場合、フレネルレンズをプラスチック成形により形成す
る場合には、ガラスの切削・研磨による方法よりも軽量
にかつ廉価に製作できるという利点がある。また、フレ
ネルレンズの場合にはレンズ体の厚さが全面的にほぼ同
様の厚さになるため、樹脂の硬化時間を短くすることが
できるので、通常のレンズよりも成形サイクルを短縮す
ることができ、成形技術的にも製作が容易である。
【0003】図8(a)には、太陽光の集光用や照明用
に使用されるグルーブ・ダウン(Groove-down )タイプ
のフレネルレンズ1の断面形状を示す。このフレネルレ
ンズ1のレンズ面10は、中心部の円形状の成形面10
aと、この周囲に配置されたリング状の成形面10b,
10c,10d,10e,10fとから構成される。こ
れらの複数の成形面はそれぞれ球面で形成されることが
理想であるが、実際には後述する金型の製作を容易にす
るために単純なテーパ面で構成される場合が多い。
【0004】上記フレネルレンズ1を樹脂成形で形成す
る場合に用いられる金型の固定側コア2の断面形状を図
8(b)に示す。この金型を製作する方法は、図8
(b)に示すように加工機によりレンズ面10に対応す
るキャビティ内面20をバイト3で旋削し、所定の形状
に加工した後熱処理を施し、キャビティ内面を研磨して
鏡面仕上げを行う方法と、図8(a)に示すフレネルレ
ンズ1と同形のブランク材を真鍮、銅又はアルミニウム
等のアモルファスをダイアモンドバイトで旋削加工して
所望の形状とし、これを研磨して表面を仕上げ、このブ
ランク材をマスターとして、電解ニッケルメッキを施す
ことにより電鋳キャビティを形成する方法と、鋼のブラ
ンク材をバイトで旋削して所定の形状に加工した後、熱
処理を施し、その加工面に無電解ニッケルメッキを施
し、これを熱処理して硬度を高め(約700Hv程
度)、この面をダイヤモンドバイトで旋削し、所望の形
状の鏡面に仕上げる方法とがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記金
型の製作方法には以下のような問題点がある。まず、金
型をバイトで直接製作する方法においては、 熱処理により変形してレンズ面の形状精度が低下す
る。 手作業でせざるを得ない研磨工程に多大の労力がかか
る。 手作業によるため研磨工程における屈折面の精度維持
が困難である。 特にバイト先端が当接する金型の凹部の最奥部では、
金型に対してバイトを送る動作が不可能であるために切
削面が粗くなるとともに、研磨も困難であるため、鏡面
にすることが極めて困難である。 レンズ面を球面とする場合には、金型の成形面形状の
高精度化はさらに困難になる。
【0006】一方、ブランク材の形状を転写して電鋳キ
ャビティを製作する方法では、 ブランク材の形成面を電鋳に転写する際に完全な転写
性を望むことは不可能であるうえに電解ニッケルメッキ
自体がアモルファスではないため、その転写された成形
面は、ブランク材に対して形状精度及び面精度共に低下
する。 メッキを厚く形成する必要があるために、金型製作に
長時間を要する。
【0007】さらに、加工したブランク材に無電解メッ
キを施して熱処理後再び加工する方法においては、レン
ズ成形面(円形状若しくはリング状)の境界部分にメッ
キが付着しにくく、その部分の形状精度が低下する。こ
の部分を精度良く仕上げるには、当該境界部分の凸部を
R形状にしておき、ここにメッキを厚く施した後、旋削
によって精度良く加工する必要がある。
【0008】また、従来の方法では上記問題点以外にも
以下のような共通の問題点がある。すなわち、 加工を行うバイトの先端は半径0.2mm程度の曲率
に形成されているため、直接金型を加工する場合にはレ
ンズ成形面の境界部の凹部にその曲率が反映され、電鋳
で製作する場合にはレンズ成形面の境界部の凸部にその
曲率が反映される。このバイトの曲率が反映された部分
は、図9に示すように、成形されたフレネルレンズのレ
ンズ面の境界部分11,12に曲率を生じさせるため、
この境界部分において光が散乱され、かげりを生ずるこ
とがある。なお、バイトの先端を鋭くする方法も考えら
れるが、この場合は、バイト先端の磨耗による変形が大
きくなるとともに、バイト先端での加工部分が点切削に
なるために加工面の粗度が悪化する。 フレネルレンズの樹脂成形の際、キャビティの凹形状
の先端部にキャビティ内の雰囲気が残留し、この部分に
樹脂が充填されないため、金型転写性が悪化し、レンズ
の形状精度が低下する。 キャビティ内に残留した雰囲気は樹脂充填時に圧縮さ
れて高温になるため、これに接触する樹脂表面が炭化さ
れるガス焼けの発生する危険性がある。
【0009】以上のような問題点に起因して成形したフ
レネルレンズに形状精度の低下した部分が発生すると、
入射光の理想的な集光ができなくなり、像が暗くなった
り明るさのむらが発生する。特に輪帯の間隔が細かいも
のでは上記金型の形状精度の低下は極めて大きな影響を
もたらす。
【0010】そこで本発明は上記問題点を解決するもの
であり、その課題は、レンズ成形面の境界部分の曲率を
小さくして形状精度の高い金型を製作するとともに、成
形時の樹脂の充填不足やガス焼けの防止を図ることの可
能な新規の金型構造を実現し、その製造方法を得ること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明が講じた手段は、複数の屈折面を有するフレ
ネルレンズを成形するためのフレネルレンズ用金型であ
って、複数の型部材を相互に重ね合わせた状態で固定
し、前記型部材の端面に前記屈折面に対応するレンズ成
形面をそれぞれ形成するものである。
【0012】ここで、前記型部材を、相互に同芯状に配
置された円柱状及び円筒状に形成することが好ましい。
【0013】また、前記型部材を相互に重ね合わせた状
態で穿設した貫通孔に固定ピンを嵌合して、前記型部材
を固定することが好ましい。
【0014】さらに、前記レンズ成形面が前記屈折面毎
に複数対応するように形成することが好ましい。
【0015】複数の屈折面を有するフレネルレンズを成
形するためのフレネルレンズ用金型の製造方法について
は、複数の型部材を相互に重ね合わせた状態で、それら
の端面に前記屈折面に対応する複数のレンズ成形面を一
体的に形成し、この後、複数の型部材を相互に移動させ
て前記端面をその出没方向に所定量だけ相互にずらし、
フレネルレンズに対応するようにレンズ成形面を配列さ
せ、この配列状態で前記型部材を相互に固定するもので
ある。
【0016】ここで、前記配列状態に前記型部材を重ね
合わせた状態で穿設した貫通孔に固定ピンを嵌合して、
前記型部材を相互に固定することが好ましい。
【0017】この場合にはさらに、前記レンズ成形面を
一体的に形成する工程において、前記貫通孔とは異なる
方向に伸びる他の貫通孔を穿設して、該他の貫通孔に固
定ピンを嵌合して、前記型部材を固定した状態とするこ
とが望ましい。
【0018】
【作用】請求項1によれば、複数の型部材を相互に重ね
合わせた状態で固定し、型部材の端面にレンズ成形面を
それぞれ形成することにより、レンズ成形面の境界部分
の加工も容易になるので、高精度なキャビティ内面を形
成できるとともに、成形時のガスも上記境界部分から流
出させることができるので、樹脂の充填性が向上し、ガ
ス焼けも防止される等、成形性も向上する。
【0019】請求項2によれば、型部材を相互に同芯状
に配置された円柱状及び円筒状に形成することにより、
フレネルレンズの輪帯に対応したレンズ成形面を容易に
形成することができる。
【0020】請求項3及び請求項6によれば、型部材を
相互に重ね合わせた状態で穿設した貫通孔に固定ピンを
嵌合することにより、簡易かつ高精度に型部材を位置決
め固定することができる。
【0021】請求項4によれば、レンズ成形面が前記屈
折面毎に複数対応するように形成することにより、成形
時にキャビティ内に発生したガスを屈折面毎に複数形成
されたレンズ成形面の境界部分から流出させることがで
きるため、ガス抜き性をさらに向上させることができ
る。
【0022】請求項5によれば、複数の型部材を相互に
重ね合わせた状態で、それらの端面に前記屈折面に対応
する複数のレンズ成形面を一体的に形成するため、レン
ズ成形面を容易に加工することができるとともに、この
後、複数の型部材を相互に移動させて前記端面をその出
没方向に所定量だけ相互にずらし、フレネルレンズに対
応するようにレンズ成形面を配列させ、この配列状態で
前記型部材を相互に固定するようにしたので、レンズ成
形面の境界部分も高精度に形成することができるため、
高精度のフレネルレンズを低コストで製造することが可
能になる。
【0023】請求項7によれば、レンズ成形面を一体的
に形成する工程において、貫通孔とは異なる方向に伸び
る他の貫通孔を穿設して、他の貫通孔に固定ピンを嵌合
して型部材を固定した状態とすることにより、レンズ成
形面の加工工程においても固定ピンにより型部材を容易
に位置決め固定することができる。
【0024】
【実施例】次に、図面を参照して本発明に係るフレネル
レンズ用金型及びその製造方法に関する複数の実施例を
順次説明する。
【0025】〔実施例1〕図1は本発明に係るフレネル
レンズ用金型の実施例1の主要構造を示す縦断面図であ
る。図1には、フレネルレンズ1を成形するための金型
のうち、固定側コア4の断面構造を示す。固定側コア4
は、中心に配置された略円柱形状の中心軸部材41と、
その周囲に複数外嵌された略円筒形状の管状部材42,
43,44,45,46とを、これらの軸線と交差する
貫通孔4aに固定ピン47を軽圧入させることによって
相互に固定したものである。
【0026】中心軸部材41、環状部材42,43,4
4,45,46の端面には、それぞれフレネルレンズ1
のレンズ面10を成形するためのレンズ成形面41a,
42a,43a,44a,45a,46aが形成されて
いる。
【0027】図2は固定側コア4を収容した金型の全体
構成を示すものである。この金型は、上記の固定側コア
4と、この固定側コア4に対向する可動側コア5と、固
定側コア4を収容固定する固定側コア板6と、可動側5
を収容固定する可動側コア型板7と、固定側型板8と、
可動側型板9とを有する。固定側コア4と可動側コア5
との間には、フレネルレンズを成形するためのキャビテ
ィCが形成される。可動側コア5及び可動側型板9には
エジェクタピン91,92が出没自在に挿通され、成形
後にフレネルレンズを型内より突き出すようになってい
る。固定側コア板6と可動側コア板7の間には樹脂を通
すためのランナ7aが形成され、このランナ7aの先端
にはゲート5aが形成されている。
【0028】図3は上記金型の固定側コア4の製造方法
を示す工程図(a)〜(d)である。金型の製造にあた
っては、まず、固定側コア4の中心を構成する中心軸部
材41と、管状部材42,43,44,45,46とを
それぞれ鋼材により形成し、これを焼き入れして硬度を
高める。次に、これらの中心軸部材41の外径の寸法及
び管状部材42,43,44,45,46の内外径の寸
法をそれぞれ研削により精度良く形成し、相互に隙間無
く嵌合するように調整して、組み立てる。この組み立て
た状態で、中心軸部材41、管状部材42,43,4
4,45,46の図3(a)の右側の端面を揃えて、全
てを貫通する貫通孔4bを穿設し、この貫通孔4bに固
定ピン48を軽圧入して、各部材を相互に固定する。
【0029】固定ピン48により相互に固定された組立
体における図3(a)の右側の端面を平面研削により平
面に仕上げて基準面とし、この基準面を基準として、逆
の左側の端面を切削及び/又は研削により光学設計通り
の曲率半径Rを備えた球面に加工する。この球面に表面
研磨を施して鏡面とすることによりレンズ成形面41
a,42a,43a,44a,45a,46aを形成
し、図3(a)に示すコアブロックを完成させる。
【0030】次に、図3(a)に示すコアブロックから
固定ピン48を引き抜き、中心軸部材41と管状部材4
2,43,44,45を、それぞれ管状部材46に対し
てそれらの軸線方向に所定量だけ移動させ、図3(b)
に示すようにフレネルレンズのレンズ面に対応したキャ
ビティ形状を構成する。この状態で、さらに、図3
(c)に示すように各部材を貫通する貫通孔4aを穿設
し、最後に、固定ピン47を軽圧入して、中心軸部材4
1、管状部材42,43,44,45,46を相互に固
定する。
【0031】以上の説明はフレネルレンズの複数のレン
ズ面が相互に連続した球面である場合についてのもので
あるが、光学設計上、複数のレンズ面が不連続な曲面で
ある場合やレンズ面が非球面である場合には、図3
(a)の球面の研磨を行う前に、切削等により形成した
球面上に無電解ニッケルメッキを被着し、熱処理を施し
て硬度を高め、メッキ表面をダイヤモンドバイトで所望
の面形状に加工する。
【0032】以上説明した金型構造によれば、各レンズ
成形面41a,42a,43a,44a,45a,46
aの境界部分は従来のような曲率を有することなく高精
度に形成できるため、境界部分の精度低下による光学的
な悪影響を回避することができる。また、金型のコアを
複数の分割された部材の重ね合わせにより形成している
ので、成形時のキャビティ内ガスの外部流出がスムーズ
になり、樹脂の充填性が向上して成形の転写性が良くな
るとともに、ガス焼けの心配も無くなる。この効果は、
本実施例においてはキャビティの凹部先端に部材の境界
部分が存在するために特に大きなものとなっている。
【0033】上記実施例の金型製造方法では、金型のキ
ャビティ内面の形成が容易になるために製造コストを低
減することができる。特に、上記のようにコアのキャビ
ティ内面を一時に形成することができるため、加工方法
に依らず高精度の加工が可能であるとともに加工時間を
著しく短縮することができる。
【0034】〔実施例2〕図4は本発明に係るフレネル
レンズ用金型の固定側コア4’を示すものである。固定
側コア4’は、上記実施例1の構造とほぼ同様の構造を
持つものであるが、中心軸部材41に外嵌される、各レ
ンズ成形面を端面に形成された管状部材42,43,4
4,45,46がそれぞれ厚さ方向に2分割され、管状
部材42b,42c,43b,43c,44b,44
c,45b,45c,46b,46cで構成されている
点にある。
【0035】この構造により、各レンズ成形面には、ほ
ぼ中央部に管状部材の境界部分が存在することとなり、
成形時のガス流出をさらに容易にしている。したがっ
て、フレネルレンズの各レンズ面の形状精度をより向上
させることができる。本実施例によれば、特に、大口径
のフレネルレンズを成形する場合にも、品質の良い、高
精度の屈折面を備えた成形品を形成できるという効果が
ある。
【0036】〔実施例3〕この実施例3では、図5に示
すように、金型内に実施例1と同様の固定側コア4を収
容固定しているが、これに対向する可動側コア5’は、
実施例1のものとは異なり、円柱形状の中心軸部材51
と、円筒形状の管状部材52,53,54,55,56
を相互に挿嵌させて組立てられている。これらの各部材
は、穿設された貫通孔5aに固定ピンを軽圧入すること
により、一体に構成されている。
【0037】この実施例によれば、キャビティの固定側
と可動側の両面に分割された型が配置されるため、成形
品の表裏両側にガス抜き流路が形成され、成形時におけ
るガスの流出をスムーズに行うことができる。
【0038】〔実施例4〕図6は、本発明に係る成形金
型の実施例4を示す縦断面図である。この実施例4にお
いては、両凸形のフレネルレンズを成形するためのキャ
ビティ構造を備えており、固定側コア4’及び可動側コ
ア5”を共に実施例1で説明した方法で製作し、それぞ
れは実施例2の固定側コアと同様に、各レンズ成形面の
中間に境界部分が存在するように、各々のレンズ成形面
が2つの管状部材の端面によって構成されている。
【0039】この実施例4によれば、キャビティの固定
側と可動側の両面に、フレネルレンズのレンズ面に対応
するレンズ成形面の境界部分で分割された型が配置され
るため、成形時におけるガスの流出がよりスムーズに行
われる。
【0040】〔実施例5〕図7は、本発明に係るフレネ
ルレンズ用金型及びその製造方法の実施例5を示す縦断
面図である。この実施例5においては、最終的に金型を
完成した状態で、可動側コア4”の背面49が平面にな
るように構成されている。この金型構造によれば、中心
軸部材41、管状部材42,43,44,45,46の
背面部を予め移動量だけずらして配置した状態で固定
し、この状態でキャビティ内面の加工を行う。キャビテ
ィ内面の加工が完了した時点で各部材間の固定を解除し
て、可動側コア4”の背面49を平面に揃え、この状態
で貫通孔4aを穿設して、この貫通孔4aに固定ピン4
7を軽圧入する。
【0041】この実施例では、予め中心軸部材41、管
状部材42,43,44,45,46の相対的移動量を
計算しておくことが可能であり、この移動量によって、
各部材の背面部の位置をずらしておくため、製造工程の
後半における部材の位置決めが容易になる。
【0042】なお、上記各実施例においては、平面円形
の凸形状のフレネルレンズの成形金型を例にして説明し
たが、本発明は、凹形状のレンズ、平面矩形のレンズ
等、種々の形状のフレネルレンズの成形に対応した金型
に対しても適用できる。また、上記実施例では、中心軸
部材と管状部材との重ね合わせによる金型構造を示した
が、本発明は、平板状の部材を相互に重ね合わせた場合
等、種々の形状を備えた部材を重ねることによっても有
用な金型を製作することができるものである。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高精度なキャビティ内面を形成できるとともに、成形時
のガスもスムーズに流出させることができるので、樹脂
の充填性が向上し、ガス焼けも防止される等、成形性も
向上する。したがって、高精度なフレネルレンズを低コ
ストで成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフレネルレンズ用金型の実施例1
における成形したフレネルレンズ及び金型の要部構造を
示す縦断面図である。
【図2】同実施例1の金型構造を示す縦断面図である。
【図3】同実施例1の金型を製造する方法を示す工程図
である。
【図4】本発明に係るフレネルレンズ用金型の実施例2
における金型の要部構造を示す縦断面図である。
【図5】本発明に係るフレネルレンズ用金型の実施例3
における金型構造を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係るフレネルレンズ用金型の実施例4
における金型構造を示す縦断面図である。
【図7】本発明に係るフレネルレンズ用金型の実施例5
における金型の要部構造を示す縦断面図である。
【図8】従来のフレネルレンズの構造(a)及び金型の
構造(b)を示す縦断面図である。
【図9】フレネルレンズの拡大断面図である。
【符号の説明】
1 フレネルレンズ 4,4’,4” 固定側コア 5,5’,5” 可動側コア 41,51 中心軸部材 42,43,44,45,46,52,53,54,5
5,56 管状部材 41a,42a,43a,44a,45a,46a レ
ンズ成形面 4a,5a 貫通孔 47,48 固定ピン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の屈折面を有するフレネルレンズを
    成形するためのフレネルレンズ用金型であって、複数の
    型部材を相互に重ね合わせた状態で固定し、前記型部材
    の端面に前記屈折面に対応するレンズ成形面をそれぞれ
    形成したことを特徴とするフレネルレンズ用金型。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記型部材を、相互
    に同芯状に配置された円柱状及び円筒状に形成すること
    を特徴とするフレネルレンズ用金型。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記型部材を相互に
    重ね合わせた状態で穿設した貫通孔に固定ピンを嵌合し
    て、前記型部材を固定したことを特徴とするフレネルレ
    ンズ用金型。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記レンズ成形面が
    前記屈折面毎に複数対応するように形成したことを特徴
    とするフレネルレンズ用金型。
  5. 【請求項5】 複数の屈折面を有するフレネルレンズを
    成形するためのフレネルレンズ用金型の製造方法であっ
    て、 複数の型部材を相互に重ね合わせた状態で、それらの端
    面に前記屈折面に対応する複数のレンズ成形面を一体的
    に形成し、この後、複数の型部材を相互に移動させて前
    記端面をその出没方向に所定量だけ相互にずらし、フレ
    ネルレンズに対応するようにレンズ成形面を配列させ、
    この配列状態で前記型部材を相互に固定することを特徴
    とするフレネルレンズ用金型の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記配列状態に前記
    型部材を重ね合わせた状態で穿設した貫通孔に固定ピン
    を嵌合して、前記型部材を相互に固定することを特徴と
    するフレネルレンズ用金型の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記レンズ成形面を
    一体的に形成する工程においては、前記貫通孔とは異な
    る方向に伸びる他の貫通孔を穿設して、該他の貫通孔に
    固定ピンを嵌合して、前記型部材を固定した状態とする
    ことを特徴とするフレネルレンズ用金型の製造方法。
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