JPH08276398A - 基板分割方法及び基板分割装置 - Google Patents
基板分割方法及び基板分割装置Info
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- JPH08276398A JPH08276398A JP8398495A JP8398495A JPH08276398A JP H08276398 A JPH08276398 A JP H08276398A JP 8398495 A JP8398495 A JP 8398495A JP 8398495 A JP8398495 A JP 8398495A JP H08276398 A JPH08276398 A JP H08276398A
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- JP
- Japan
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- substrate
- temperature distribution
- forming
- scribe groove
- dividing
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- Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 基板の分割において問題となる切り代を小さ
くして所望のチップ領域に高い位置合わせ精度で基板を
分割できるようにし、また基板分割工程を簡略化できる
基板分割方法及び基板分割装置を提供する。 【構成】 脆性材料からなる基板の表面もしくは裏面に
尖端形状を有するスクライブ手段によりスクライブ溝を
形成し、このスクライブ溝に沿って温度分布を形成して
基板内部に発生した応力に基づいてスクライブ溝に沿っ
て基板を割断することにより、高精度に基板を複数個の
チップに分割する。
くして所望のチップ領域に高い位置合わせ精度で基板を
分割できるようにし、また基板分割工程を簡略化できる
基板分割方法及び基板分割装置を提供する。 【構成】 脆性材料からなる基板の表面もしくは裏面に
尖端形状を有するスクライブ手段によりスクライブ溝を
形成し、このスクライブ溝に沿って温度分布を形成して
基板内部に発生した応力に基づいてスクライブ溝に沿っ
て基板を割断することにより、高精度に基板を複数個の
チップに分割する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は基板分割方法及び基板分
割装置に関するものであり、特に半導体ウェハを始めと
する各種基板を高精度に分割することができる基板分割
方法及び基板分割装置に関するものである。
割装置に関するものであり、特に半導体ウェハを始めと
する各種基板を高精度に分割することができる基板分割
方法及び基板分割装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、実用化されている脆性材料基板の
分割方法としては次の方法がある。すなわち、高速回転
したダイヤモンドブレードにより基板を切断して分割を
行なうダイシング法と、ダイヤモンドスクライバー等の
硬質材料による引っ掻きや、レーザー照射による局所的
溶解、蒸発によりスクライブを行ない、その後に機械的
力をかけてブレーキングを行なうスクライビング法であ
る。
分割方法としては次の方法がある。すなわち、高速回転
したダイヤモンドブレードにより基板を切断して分割を
行なうダイシング法と、ダイヤモンドスクライバー等の
硬質材料による引っ掻きや、レーザー照射による局所的
溶解、蒸発によりスクライブを行ない、その後に機械的
力をかけてブレーキングを行なうスクライビング法であ
る。
【0003】このうち現在例えば半導体集積回路等の基
板分割方法としては、ダイシング法が最も一般的に用い
られている。このダイシング法の問題点としては、第1
に、数10μm以上の薄刃ダイヤモンドブレードを用い
て切削加工するために、このブレード幅以上の切り代が
必要となることが挙げられる。この切り代の存在は、必
然的にウェハ1枚当たりの半導体デバイスチップ等の採
れ数の減少につながり、チップサイズが小さくなるほど
切り代の基板サイズに占める割合が大きくなる。また第
2の問題点としては、切削水の供給、その廃液の処理の
問題が挙げられる。さらに第3の問題点として、スルー
プットが小さいことが挙げられる。すなわち、化合物半
導体基板等で切断の際に発生する切断部分の欠け(チッ
ピング)は半導体デバイスチップに悪影響を及ぼすが、
このチッピングを少なく抑えるためにはウェハ送り速度
を小さくしなければならなく、このために、スループッ
トが小さくなってしまう。
板分割方法としては、ダイシング法が最も一般的に用い
られている。このダイシング法の問題点としては、第1
に、数10μm以上の薄刃ダイヤモンドブレードを用い
て切削加工するために、このブレード幅以上の切り代が
必要となることが挙げられる。この切り代の存在は、必
然的にウェハ1枚当たりの半導体デバイスチップ等の採
れ数の減少につながり、チップサイズが小さくなるほど
切り代の基板サイズに占める割合が大きくなる。また第
2の問題点としては、切削水の供給、その廃液の処理の
問題が挙げられる。さらに第3の問題点として、スルー
プットが小さいことが挙げられる。すなわち、化合物半
導体基板等で切断の際に発生する切断部分の欠け(チッ
ピング)は半導体デバイスチップに悪影響を及ぼすが、
このチッピングを少なく抑えるためにはウェハ送り速度
を小さくしなければならなく、このために、スループッ
トが小さくなってしまう。
【0004】一方、スクライビング法の欠点としては、
ダイヤモンドスクライバーを用いた場合には、スクライ
ブ溝の深さが数μmと小さいために、ブレーキング時に
かかる応力では所望のチップ領域に分割できないことが
ある。すなわち、ブレーキングにおいてはスクライブ溝
を形成した面の反対の面から圧力をかけるが、このとき
にスクライブ溝程度の深さでは残りの基板厚さにクラッ
クを生じさせるだけの応力がかからない場合がある。こ
の傾向は基板厚さが厚いほど、また分割する領域が小さ
いほど大きくなる。ブレーキングをより容易にするため
に、ダイヤモンドスクライバーの荷重を大きくして深い
スクライブ溝を形成した場合には、スクライブラインか
ら基板の面方向に枝状にクラックが発生し、場合によっ
ては基板の一部が剥離してしまう。また、YAGレーザ
ーやCO2レーザーを用いてスクライブ溝を形成するレ
ーザースクライビングの場合には、スクライブ溝周辺に
はレーザー加熱によって基板材料が蒸発し再蒸着したス
プラッシュが形成される。このスプラッシュはチップ上
に形成されるデバイス等に対して悪影響を与える。
ダイヤモンドスクライバーを用いた場合には、スクライ
ブ溝の深さが数μmと小さいために、ブレーキング時に
かかる応力では所望のチップ領域に分割できないことが
ある。すなわち、ブレーキングにおいてはスクライブ溝
を形成した面の反対の面から圧力をかけるが、このとき
にスクライブ溝程度の深さでは残りの基板厚さにクラッ
クを生じさせるだけの応力がかからない場合がある。こ
の傾向は基板厚さが厚いほど、また分割する領域が小さ
いほど大きくなる。ブレーキングをより容易にするため
に、ダイヤモンドスクライバーの荷重を大きくして深い
スクライブ溝を形成した場合には、スクライブラインか
ら基板の面方向に枝状にクラックが発生し、場合によっ
ては基板の一部が剥離してしまう。また、YAGレーザ
ーやCO2レーザーを用いてスクライブ溝を形成するレ
ーザースクライビングの場合には、スクライブ溝周辺に
はレーザー加熱によって基板材料が蒸発し再蒸着したス
プラッシュが形成される。このスプラッシュはチップ上
に形成されるデバイス等に対して悪影響を与える。
【0005】これらの問題を解決するために特開平3−
276662号では、レーザー割断法が提案されてい
る。レーザー割断法は脆性材料基板にレーザー光を照
射、走査することにより発生する熱応力によりクラック
を形成し、このクラックから基板を分割するものであ
る。レーザー割断法を用いた場合には、ダイシング法に
おいて問題であった切り代や切削水の供給が必要ない、
あるいはレーザースクライブ法において問題であったス
プラッシュがない等の長所がある。しかし、レーザー割
断法の短所としては、特開平3−276662号で述べ
られているように、割断クラックの発生位置がレーザー
スポットの中心位置から数100μmずれるという問題
がある。このためダイシング法で実現されている、数μ
mの高い位置合わせ精度で基板を分割することはレーザ
ー割断法では極めて困難である。
276662号では、レーザー割断法が提案されてい
る。レーザー割断法は脆性材料基板にレーザー光を照
射、走査することにより発生する熱応力によりクラック
を形成し、このクラックから基板を分割するものであ
る。レーザー割断法を用いた場合には、ダイシング法に
おいて問題であった切り代や切削水の供給が必要ない、
あるいはレーザースクライブ法において問題であったス
プラッシュがない等の長所がある。しかし、レーザー割
断法の短所としては、特開平3−276662号で述べ
られているように、割断クラックの発生位置がレーザー
スポットの中心位置から数100μmずれるという問題
がある。このためダイシング法で実現されている、数μ
mの高い位置合わせ精度で基板を分割することはレーザ
ー割断法では極めて困難である。
【0006】そこで特開平4−118190号において
は、基板分割工程の前工程で割断予定線を形成すること
により、レーザー割断で高い位置合わせ精度を実現しよ
うとする提案がなされている。すなわち、レーザー割断
工程の前にCVD、PVD、フォトリソグラフィーある
いはエッチング工程を用いて、レーザービーム径より小
さい幅の溝を割断予定線として形成することを提案して
いる。しかしながら、CVD、PVD、フォトリソグラ
フィーあるいはエッチング工程という複雑な工程を有す
ると、形成される割断予定線の幅が必然的に広くなり基
板分割時の切り代となってしまい、半導体デバイスチッ
プ等の採れ数が減少してしまう。さらに、割断予定線の
断面形状は微視的にV字溝とはならずU字溝となり、割
断線が直線にならない。また割断予定線以外の個所に長
いクラックが発生し、そこで割断される場合があった。
は、基板分割工程の前工程で割断予定線を形成すること
により、レーザー割断で高い位置合わせ精度を実現しよ
うとする提案がなされている。すなわち、レーザー割断
工程の前にCVD、PVD、フォトリソグラフィーある
いはエッチング工程を用いて、レーザービーム径より小
さい幅の溝を割断予定線として形成することを提案して
いる。しかしながら、CVD、PVD、フォトリソグラ
フィーあるいはエッチング工程という複雑な工程を有す
ると、形成される割断予定線の幅が必然的に広くなり基
板分割時の切り代となってしまい、半導体デバイスチッ
プ等の採れ数が減少してしまう。さらに、割断予定線の
断面形状は微視的にV字溝とはならずU字溝となり、割
断線が直線にならない。また割断予定線以外の個所に長
いクラックが発生し、そこで割断される場合があった。
【0007】このような従来の技術を用いて、例えば化
合物半導体上に形成された光プリンタ用発光ダイオード
アレイチップを分割する場合の問題点を次に述べる。
合物半導体上に形成された光プリンタ用発光ダイオード
アレイチップを分割する場合の問題点を次に述べる。
【0008】光プリンタ用発光ダイオードアレイデバイ
スの場合には、高精度に基板からチップに分割すること
が必要とされている。例えば、現在主流となっている3
00dpi、400dpi、600dpiの場合には、
ドットピッチは各々84.7μm、63.5μm、4
2.3μmピッチとなり、各発光ダイオードが各々のピ
ッチで形成されている必要がある。そして複数の発光ダ
イオードが形成されたチップを複数個連続して接続する
ことにより発光ダイオードアレイが形成されるが、この
発光ダイオードアレイを用いて良質な画像を得るために
は、隣接するチップのつなぎ目の部分でも他の部分と同
様なピッチとなるようにドットを形成する必要がある。
このように微細かつ高精度なピッチのドット並びとする
ためには、チップの端にある発光ダイオードの端からチ
ップの端までは数μmの余裕しか許されない。
スの場合には、高精度に基板からチップに分割すること
が必要とされている。例えば、現在主流となっている3
00dpi、400dpi、600dpiの場合には、
ドットピッチは各々84.7μm、63.5μm、4
2.3μmピッチとなり、各発光ダイオードが各々のピ
ッチで形成されている必要がある。そして複数の発光ダ
イオードが形成されたチップを複数個連続して接続する
ことにより発光ダイオードアレイが形成されるが、この
発光ダイオードアレイを用いて良質な画像を得るために
は、隣接するチップのつなぎ目の部分でも他の部分と同
様なピッチとなるようにドットを形成する必要がある。
このように微細かつ高精度なピッチのドット並びとする
ためには、チップの端にある発光ダイオードの端からチ
ップの端までは数μmの余裕しか許されない。
【0009】ダイシング法でこのように高精度にチップ
分割するためには、ダイシングを行なうためのダイシン
グストリートの幅を100μm以上広く設ける必要があ
る。なぜならば、ダイシングの進展にともなってダイシ
ングブレードが摩耗し、切り代(所謂カーフ幅)が大き
くなる。このために、基板内で隣合ったチップに対し
て、一本のダイシングストリート内で左右2回ダイシン
グを行なうことで高精度なチップ分割を実現している。
しかしダイシングの場合、チッピングを少なくするため
には、低速度の基板送り速度にする必要があり、しかも
一本のダイシングストリート内で左右2回のダイシング
を行なうためにスループットが非常に悪くなる。また、
ダイシングストリートの幅を広く設ける必要があるため
に、チップの採れ数が減少する。しかも、ダイシング法
の場合には前述した切削水の供給などの問題点も依然と
して存在している。
分割するためには、ダイシングを行なうためのダイシン
グストリートの幅を100μm以上広く設ける必要があ
る。なぜならば、ダイシングの進展にともなってダイシ
ングブレードが摩耗し、切り代(所謂カーフ幅)が大き
くなる。このために、基板内で隣合ったチップに対し
て、一本のダイシングストリート内で左右2回ダイシン
グを行なうことで高精度なチップ分割を実現している。
しかしダイシングの場合、チッピングを少なくするため
には、低速度の基板送り速度にする必要があり、しかも
一本のダイシングストリート内で左右2回のダイシング
を行なうためにスループットが非常に悪くなる。また、
ダイシングストリートの幅を広く設ける必要があるため
に、チップの採れ数が減少する。しかも、ダイシング法
の場合には前述した切削水の供給などの問題点も依然と
して存在している。
【0010】スクライビング法やレーザー割断法を用い
た場合にも、前述したような所望のチップ領域に分割で
きなかったり、高い位置合わせ精度で分割することがで
きないといった問題点がある。
た場合にも、前述したような所望のチップ領域に分割で
きなかったり、高い位置合わせ精度で分割することがで
きないといった問題点がある。
【0011】以上のように、光プリンタ用発光ダイオー
ドアレイチップを従来の基板分割方法によって形成する
場合にはさまざまな問題点があり、これらの問題点によ
り製造コストの上昇も引き起こしてしまう。
ドアレイチップを従来の基板分割方法によって形成する
場合にはさまざまな問題点があり、これらの問題点によ
り製造コストの上昇も引き起こしてしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来
の技術の問題点を解決するためになされたものである。
特に請求項1、2、5、及び6に記載された発明は、従
来の技術のダイシング法で問題となっている切り代を小
さくしてウェハ1枚当たりの半導体デバイスチップ等の
採れ数を増やすことや切削水の供給、廃液の処理を不要
化してスループットを大きくすること、スクライビング
法で問題となっているような所望のチップ領域に分割で
きるようにすること、さらにはレーザー割断法で問題と
なっている切り代を小さくしてウェハ1枚当たりの半導
体デバイスチップ等の採れ数を増やすことや高い位置合
わせ精度を実現すること、分割予定線としてのスクライ
ブ溝の断面形状を微視的にV字溝として割断線を直線に
すること、分割予定線以外の個所に長いクラックが発生
するのを防止すること、また各種前工程を簡略化するこ
とを目的とする。
の技術の問題点を解決するためになされたものである。
特に請求項1、2、5、及び6に記載された発明は、従
来の技術のダイシング法で問題となっている切り代を小
さくしてウェハ1枚当たりの半導体デバイスチップ等の
採れ数を増やすことや切削水の供給、廃液の処理を不要
化してスループットを大きくすること、スクライビング
法で問題となっているような所望のチップ領域に分割で
きるようにすること、さらにはレーザー割断法で問題と
なっている切り代を小さくしてウェハ1枚当たりの半導
体デバイスチップ等の採れ数を増やすことや高い位置合
わせ精度を実現すること、分割予定線としてのスクライ
ブ溝の断面形状を微視的にV字溝として割断線を直線に
すること、分割予定線以外の個所に長いクラックが発生
するのを防止すること、また各種前工程を簡略化するこ
とを目的とする。
【0013】また請求項3及び7に記載された発明は、
請求項1、2、5又は6の発明の目的に加え、それらの
発明において必要であった基板分割工程数を低減するこ
とを目的とする。さらに少し詳しく述べれば、請求項
1、2、5又は6の発明では従来の技術の問題点を解決
しつつも、スクライブ溝を形成する工程と基板を温度分
布を形成する工程が別工程であるために、基板分割工程
が複雑となる。これに対して請求項3及び7の発明で
は、このスクライブ溝を形成する工程と温度分布を形成
する工程をほぼ同時に行なうことにより、基板分割工程
を簡略化すること、スループットをより向上することを
目的としている。
請求項1、2、5又は6の発明の目的に加え、それらの
発明において必要であった基板分割工程数を低減するこ
とを目的とする。さらに少し詳しく述べれば、請求項
1、2、5又は6の発明では従来の技術の問題点を解決
しつつも、スクライブ溝を形成する工程と基板を温度分
布を形成する工程が別工程であるために、基板分割工程
が複雑となる。これに対して請求項3及び7の発明で
は、このスクライブ溝を形成する工程と温度分布を形成
する工程をほぼ同時に行なうことにより、基板分割工程
を簡略化すること、スループットをより向上することを
目的としている。
【0014】さらに請求項8に記載された発明は、請求
項5乃至7の発明の目的に加え、温度分布を形成する工
程を非接触の方法であるレーザー光の照射で行なうこと
により、新たなパーティクルの発生を抑えるとともに、
スクライブ時に発生したパーティクルを再度分散させる
ことなく基板の分割を行なうことを目的とする。
項5乃至7の発明の目的に加え、温度分布を形成する工
程を非接触の方法であるレーザー光の照射で行なうこと
により、新たなパーティクルの発生を抑えるとともに、
スクライブ時に発生したパーティクルを再度分散させる
ことなく基板の分割を行なうことを目的とする。
【0015】さらに請求項9に記載された発明は、請求
項5又は6の発明の目的に加え、請求項5の発明におい
て必要であった装置の部品点数を少なくすることにより
装置を簡略化すること、スクライブ溝と割断を行なうラ
インを正確に一致させることを目的とする。
項5又は6の発明の目的に加え、請求項5の発明におい
て必要であった装置の部品点数を少なくすることにより
装置を簡略化すること、スクライブ溝と割断を行なうラ
インを正確に一致させることを目的とする。
【0016】さらに請求項4及び10に記載された本発
明は、請求項1、2、又は3あるいは5、6、7、8、
又は9の発明の目的に加え、従来の技術のスクライビン
グ法の問題点であったスクライブラインから基板面方向
への枝状のクラックの発生や基板の一部剥離をなくすこ
とを目的とする。
明は、請求項1、2、又は3あるいは5、6、7、8、
又は9の発明の目的に加え、従来の技術のスクライビン
グ法の問題点であったスクライブラインから基板面方向
への枝状のクラックの発生や基板の一部剥離をなくすこ
とを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明の基板分割方法及び基板分割装置におい
ては、脆性材料からなる基板を複数個のチップに分割す
る基板分割方法あるいは基板分割装置において、基板表
面もしくは基板裏面に尖端形状を有するスクラブ手段に
よりスクライブ溝を形成する工程、及びスクライブ溝に
沿って温度分布を形成する工程を有し、温度分布を形成
することにより基板内部に発生した応力により基板が割
断されることを主な特徴とする。
ために、本発明の基板分割方法及び基板分割装置におい
ては、脆性材料からなる基板を複数個のチップに分割す
る基板分割方法あるいは基板分割装置において、基板表
面もしくは基板裏面に尖端形状を有するスクラブ手段に
よりスクライブ溝を形成する工程、及びスクライブ溝に
沿って温度分布を形成する工程を有し、温度分布を形成
することにより基板内部に発生した応力により基板が割
断されることを主な特徴とする。
【0018】また本発明の基板分割方法及び基板分割装
置においては、脆性材料からなる基板を複数個のチップ
に分割する基板分割方法あるいは基板分割装置におい
て、基板表面もしくは基板裏面に尖端形状を有するスク
ラブ手段によりスクライブ溝を形成する工程、スクライ
ブ溝に沿って温度分布を形成する工程、及びスクライブ
溝に沿って基板を割断する工程を有することを主な特徴
とする。
置においては、脆性材料からなる基板を複数個のチップ
に分割する基板分割方法あるいは基板分割装置におい
て、基板表面もしくは基板裏面に尖端形状を有するスク
ラブ手段によりスクライブ溝を形成する工程、スクライ
ブ溝に沿って温度分布を形成する工程、及びスクライブ
溝に沿って基板を割断する工程を有することを主な特徴
とする。
【0019】また本発明の基板分割方法及び基板分割装
置においては、上記のスクライブ溝を形成する工程と温
度分布を形成する工程とがほぼ同時に施されることを主
な特徴とする。
置においては、上記のスクライブ溝を形成する工程と温
度分布を形成する工程とがほぼ同時に施されることを主
な特徴とする。
【0020】さらに本発明の基板分割方法及び基板分割
装置においては、上記のスクライブ溝を形成する工程は
スクライブ手段の基板に対する荷重を30g以下として
形成することを主な特徴とする。
装置においては、上記のスクライブ溝を形成する工程は
スクライブ手段の基板に対する荷重を30g以下として
形成することを主な特徴とする。
【0021】
【作用】本発明によれば、従来の技術のダイシング法や
レーザー割断法で問題となっていた切り代を小さくする
ことができるため、例えばウェハ1枚当たりの半導体デ
バイスチップ等の採れ数を増やすことや高い位置合わせ
精度で基板分割を行なうことができる。また分割予定線
としてのスクライブ溝の断面形状を微視的にV字溝とし
て割断線を直線にすること、また分割予定線以外の個所
に長いクラックが発生することを防止することができ
る。さらにスクライビング法では達成することが困難で
あった所望のチップ領域への分割を行なうことができ
る。
レーザー割断法で問題となっていた切り代を小さくする
ことができるため、例えばウェハ1枚当たりの半導体デ
バイスチップ等の採れ数を増やすことや高い位置合わせ
精度で基板分割を行なうことができる。また分割予定線
としてのスクライブ溝の断面形状を微視的にV字溝とし
て割断線を直線にすること、また分割予定線以外の個所
に長いクラックが発生することを防止することができ
る。さらにスクライビング法では達成することが困難で
あった所望のチップ領域への分割を行なうことができ
る。
【0022】また本発明によれば、温度分布を形成する
工程をレーザー光による加熱を用いて非接触の方法で行
なうことにより、新たなパーティクルの発生を抑えると
ともに、スクライブ時に発生したパーティクルを再度分
散させることなく割断を行なうことが可能となる。した
がって、分割されるべきチップ上に形成された素子を損
傷することがなく、素子の信頼性を増すことができる。
工程をレーザー光による加熱を用いて非接触の方法で行
なうことにより、新たなパーティクルの発生を抑えると
ともに、スクライブ時に発生したパーティクルを再度分
散させることなく割断を行なうことが可能となる。した
がって、分割されるべきチップ上に形成された素子を損
傷することがなく、素子の信頼性を増すことができる。
【0023】さらに本発明によれば、スクライブ溝の形
成は、スクライバーの荷重を30g以下として行なうた
め、分割予定線としてのスクライブ溝から基板面方向へ
の枝状のクラックの発生や基板の一部剥離をなくすこと
ができる。
成は、スクライバーの荷重を30g以下として行なうた
め、分割予定線としてのスクライブ溝から基板面方向へ
の枝状のクラックの発生や基板の一部剥離をなくすこと
ができる。
【0024】
【実施例】以下本発明を実施例を用いてより詳細に説明
する。 (実施例1)図1は請求項1の発明に関する実施例を説
明するための図であり、図1(a)は脆性材料基板のス
クライビング時の全体の斜視図、図1(b)は脆性材料
基板をスクライビングした後の割断中のウェハの上面
図、図1(c)は図1(b)で割断されている領域を含
むウェハのA−A’線における断面図である。なお、図
1(b)では説明のための便宜上、各チップは分割され
ていない状態で示している。ところで脆性材料とは、一
般にはその材料が塑性や延性を欠くもろい性質であるこ
とをいうが、本発明においては厳密にその性質について
限定するものではない。すなわち本発明による効果が達
成可能である材料はすべて含むものとし、これは以下の
実施例に基づく他の発明についても同様とする。
する。 (実施例1)図1は請求項1の発明に関する実施例を説
明するための図であり、図1(a)は脆性材料基板のス
クライビング時の全体の斜視図、図1(b)は脆性材料
基板をスクライビングした後の割断中のウェハの上面
図、図1(c)は図1(b)で割断されている領域を含
むウェハのA−A’線における断面図である。なお、図
1(b)では説明のための便宜上、各チップは分割され
ていない状態で示している。ところで脆性材料とは、一
般にはその材料が塑性や延性を欠くもろい性質であるこ
とをいうが、本発明においては厳密にその性質について
限定するものではない。すなわち本発明による効果が達
成可能である材料はすべて含むものとし、これは以下の
実施例に基づく他の発明についても同様とする。
【0025】まず図1(a)において、脆性材料基板と
してのGaAs基板11上に、ダイヤモンドスクライバ
ー12を用いてスクライブ溝13を形成する。ここでダ
イヤモンドスクライバー12の先端は尖端形状となって
おり、図1(c)に示すようなスクライブ溝13がGa
As基板11上に形成される。このように形成すること
により、スクライブ溝13は、以下の工程でスクライブ
溝13に温度分布15を与えた際に、割断される個所に
応力が集中しやすい形状となる。そして図1(a)にお
いてダイヤモンドスクライバー12を図1(b)に示す
x方向及びy方向に移動させることで、分割予定線とし
て機能するスクライブ溝13を図1(b)に示すように
各チップ14の境界線として形成することができる。こ
こで、x方向及びy方向への移動とは、基板11に対す
るダイヤモンドスクライバー12の相対的な移動であ
り、ダイヤモンドスクライバー12を固定しておき、基
板11を移動させてももちろん良く、これは以下に示す
他の実施例においても同様である。その後、この分割予
定線13を含む領域に温度分布15を生じさせる。図1
(b)及び図1(c)においては温度分布15は同心円
状に示してあり、円の内部ほど温度が高くなっている。
この温度分布15により応力が発生してクラック16が
生じるが、この温度分布15を基板11に対してx方向
及びy方向に各々移動させることにより各チップ14に
分離することができる。ここで、基板の材質や厚さ等に
よっては温度分布を与えただけではクラックは発生する
ものの基板が分割されるには至らない場合も考えられ
る。その場合には、例えばそのクラックの近辺、すなわ
ちスクライブ溝の近辺に機械的力を加える等の割断工程
を追加すれば良い。これは以下に示す他の実施例におい
ても同様である。もっともこの割断工程を用いることが
基板に形成された素子に影響を及ぼすことも考え得るた
め、基板の材質、厚さ等に加えて素子に与える影響の度
合いも考慮の上、スクライブ手段の基板に対する荷重及
び割断工程を用いるか否かを決定するのが良い。なお、
温度分布15を基板11に対してx方向及びy方向に各
々移動させるときには、温度分布15の中心がスクライ
ブ溝13と一致するようにしながら移動することによ
り、応力はスクライブ溝13の下部に集中するようにな
り、各チップに割断するに際してより好適である。
してのGaAs基板11上に、ダイヤモンドスクライバ
ー12を用いてスクライブ溝13を形成する。ここでダ
イヤモンドスクライバー12の先端は尖端形状となって
おり、図1(c)に示すようなスクライブ溝13がGa
As基板11上に形成される。このように形成すること
により、スクライブ溝13は、以下の工程でスクライブ
溝13に温度分布15を与えた際に、割断される個所に
応力が集中しやすい形状となる。そして図1(a)にお
いてダイヤモンドスクライバー12を図1(b)に示す
x方向及びy方向に移動させることで、分割予定線とし
て機能するスクライブ溝13を図1(b)に示すように
各チップ14の境界線として形成することができる。こ
こで、x方向及びy方向への移動とは、基板11に対す
るダイヤモンドスクライバー12の相対的な移動であ
り、ダイヤモンドスクライバー12を固定しておき、基
板11を移動させてももちろん良く、これは以下に示す
他の実施例においても同様である。その後、この分割予
定線13を含む領域に温度分布15を生じさせる。図1
(b)及び図1(c)においては温度分布15は同心円
状に示してあり、円の内部ほど温度が高くなっている。
この温度分布15により応力が発生してクラック16が
生じるが、この温度分布15を基板11に対してx方向
及びy方向に各々移動させることにより各チップ14に
分離することができる。ここで、基板の材質や厚さ等に
よっては温度分布を与えただけではクラックは発生する
ものの基板が分割されるには至らない場合も考えられ
る。その場合には、例えばそのクラックの近辺、すなわ
ちスクライブ溝の近辺に機械的力を加える等の割断工程
を追加すれば良い。これは以下に示す他の実施例におい
ても同様である。もっともこの割断工程を用いることが
基板に形成された素子に影響を及ぼすことも考え得るた
め、基板の材質、厚さ等に加えて素子に与える影響の度
合いも考慮の上、スクライブ手段の基板に対する荷重及
び割断工程を用いるか否かを決定するのが良い。なお、
温度分布15を基板11に対してx方向及びy方向に各
々移動させるときには、温度分布15の中心がスクライ
ブ溝13と一致するようにしながら移動することによ
り、応力はスクライブ溝13の下部に集中するようにな
り、各チップに割断するに際してより好適である。
【0026】(実施例2)図2は請求項2の発明に関す
る実施例を説明するための図であり、図2(a)は脆性
材料基板のスクライビング及び割断時の全体の斜視図、
図2(b)は脆性材料基板をスクライビングした後のウ
ェハの上面図、図2(c)は図2(a)で割断されてい
る領域を含むウェハのB−B’線における断面図であ
る。なお、本実施例においては以下に詳述するように、
スクライビング工程と温度分布形成工程とが同一工程で
行なわれるため、スクライブ溝が形成されるのとほぼ同
時に割断も行なわれて各チップに分割されるものである
が、図2(b)では説明のための便宜上、スクライブラ
インが引かれたのみで、各チップは分割されていない状
態で示している。
る実施例を説明するための図であり、図2(a)は脆性
材料基板のスクライビング及び割断時の全体の斜視図、
図2(b)は脆性材料基板をスクライビングした後のウ
ェハの上面図、図2(c)は図2(a)で割断されてい
る領域を含むウェハのB−B’線における断面図であ
る。なお、本実施例においては以下に詳述するように、
スクライビング工程と温度分布形成工程とが同一工程で
行なわれるため、スクライブ溝が形成されるのとほぼ同
時に割断も行なわれて各チップに分割されるものである
が、図2(b)では説明のための便宜上、スクライブラ
インが引かれたのみで、各チップは分割されていない状
態で示している。
【0027】まず図2(a)において、脆性材料基板と
してのGaAs基板21上に、ダイヤモンドスクライバ
ー22を用いてスクライブ溝23を形成する。このダイ
ヤモンドスクライバー22の支柱29には、尖端形状を
有する温度分布形成用針27が装着されている。温度分
布形成用針27は尖端形状を有しているため、この針に
荷重をかけられるようにしておくことにより、基板の材
質や厚さ等により温度分布を形成しただけでは基板が割
断されない場合に用いる割断工程の割断用針としても用
いることができるが、そのような使い方をしない場合に
は尖端形状を有するものでなくてもよい。温度分布形成
用針27は加熱されており、ダイヤモンドスクライバー
22とは熱的に断熱されている。また、ダイヤモンドス
クライバー22と温度分布形成用針27は、基板に対す
るこれらの移動方向と平行方向に配列されている。その
ためにダイヤモンドスクライバー22がスクライブ溝2
3を形成した後に、このスクライブ溝23に温度分布形
成用針27が接触しながら通ることになる。加熱された
温度分布形成用針27がスクライブ溝23に接触するこ
とにより、図2(c)に示すように、実施例1と同様に
温度分布25が生じる。図2(c)においては温度分布
25は同心円状に示してあり、円の内部ほど温度が高く
なっている。この温度分布25により応力が発生してス
クライブ溝23からクラック26が生じるが、この温度
分布25を発生させる温度分布形成用針27をダイヤモ
ンドスクライバー22の後を追うように基板21に対し
て図2(b)に示すx方向及びy方向に各々移動させる
ことによりクラック26が次々に発生し、各チップ24
に分離することができる。ここで、上述した構成の温度
分布形成用針27付きのダイヤモンドスクライバー22
を用いた場合、当然に温度分布25の中心はスクライブ
溝23と一致しているが、許容できる範囲でずれたもの
であってもかまわない。なお図2(b)において、28
は分割されるべき各チップの境界線であり、スクライブ
溝23と同一のラインである。
してのGaAs基板21上に、ダイヤモンドスクライバ
ー22を用いてスクライブ溝23を形成する。このダイ
ヤモンドスクライバー22の支柱29には、尖端形状を
有する温度分布形成用針27が装着されている。温度分
布形成用針27は尖端形状を有しているため、この針に
荷重をかけられるようにしておくことにより、基板の材
質や厚さ等により温度分布を形成しただけでは基板が割
断されない場合に用いる割断工程の割断用針としても用
いることができるが、そのような使い方をしない場合に
は尖端形状を有するものでなくてもよい。温度分布形成
用針27は加熱されており、ダイヤモンドスクライバー
22とは熱的に断熱されている。また、ダイヤモンドス
クライバー22と温度分布形成用針27は、基板に対す
るこれらの移動方向と平行方向に配列されている。その
ためにダイヤモンドスクライバー22がスクライブ溝2
3を形成した後に、このスクライブ溝23に温度分布形
成用針27が接触しながら通ることになる。加熱された
温度分布形成用針27がスクライブ溝23に接触するこ
とにより、図2(c)に示すように、実施例1と同様に
温度分布25が生じる。図2(c)においては温度分布
25は同心円状に示してあり、円の内部ほど温度が高く
なっている。この温度分布25により応力が発生してス
クライブ溝23からクラック26が生じるが、この温度
分布25を発生させる温度分布形成用針27をダイヤモ
ンドスクライバー22の後を追うように基板21に対し
て図2(b)に示すx方向及びy方向に各々移動させる
ことによりクラック26が次々に発生し、各チップ24
に分離することができる。ここで、上述した構成の温度
分布形成用針27付きのダイヤモンドスクライバー22
を用いた場合、当然に温度分布25の中心はスクライブ
溝23と一致しているが、許容できる範囲でずれたもの
であってもかまわない。なお図2(b)において、28
は分割されるべき各チップの境界線であり、スクライブ
溝23と同一のラインである。
【0028】(実施例3)図3は請求項3の発明に関す
る実施例を説明するための図であり、図3(a)は脆性
材料基板のスクライビング及び割断時の全体の斜視図、
図3(b)は脆性材料基板をスクライビングした後のウ
ェハの上面図、図3(c)は図3(a)で割断されてい
る領域を含むウェハのC−C’線における断面図であ
る。なお、本実施例においては以下に詳述するように、
スクライビング工程と温度分布形成工程とが同時に行な
われるため、スクライブ溝が形成されるのとほぼ同時に
割断も行なわれてチップに分割されるものであるが、図
3(b)では説明のための便宜上、スクライブラインが
引かれたのみで、各チップは分割されていない状態で示
している。
る実施例を説明するための図であり、図3(a)は脆性
材料基板のスクライビング及び割断時の全体の斜視図、
図3(b)は脆性材料基板をスクライビングした後のウ
ェハの上面図、図3(c)は図3(a)で割断されてい
る領域を含むウェハのC−C’線における断面図であ
る。なお、本実施例においては以下に詳述するように、
スクライビング工程と温度分布形成工程とが同時に行な
われるため、スクライブ溝が形成されるのとほぼ同時に
割断も行なわれてチップに分割されるものであるが、図
3(b)では説明のための便宜上、スクライブラインが
引かれたのみで、各チップは分割されていない状態で示
している。
【0029】まず図3(a)において、脆性材料基板と
してのGaAs基板31上に、温度分布形成用針を兼ね
たダイヤモンドスクライバー32を用いてスクライブ溝
33を形成する。温度分布形成用針を兼ねたダイヤモン
ドスクライバー32がさらに割断用針をも兼ねることが
できるのは、実施例2の場合と同様である。この温度分
布形成用針を兼ねたダイヤモンドスクライバー32は加
熱されている。この加熱された温度分布形成用針を兼ね
たダイヤモンドスクライバー32を用いれば、図3
(c)に示すように、スクライブ溝33を形成すると同
時に実施例1及び実施例2と同様に温度分布35を生じ
させることができる。図3(c)においては温度分布3
5は同心円状に示してあり、円の内部ほど温度が高くな
っている。この温度分布35により応力が発生してスク
ライブ溝33からクラック36が生じるが、この温度分
布35を発生させるダイヤモンドスクライバー32を基
板31に対して図3(b)に示すx方向及びy方向に各
々移動させることにより、スクライブ溝33が形成され
ると同時にクラック36が次々に発生し、各チップ34
に分離することができる。なお図3(b)において、3
8は分割されるべき各チップ34の境界線であり、スク
ライブ溝33と同一のラインである。
してのGaAs基板31上に、温度分布形成用針を兼ね
たダイヤモンドスクライバー32を用いてスクライブ溝
33を形成する。温度分布形成用針を兼ねたダイヤモン
ドスクライバー32がさらに割断用針をも兼ねることが
できるのは、実施例2の場合と同様である。この温度分
布形成用針を兼ねたダイヤモンドスクライバー32は加
熱されている。この加熱された温度分布形成用針を兼ね
たダイヤモンドスクライバー32を用いれば、図3
(c)に示すように、スクライブ溝33を形成すると同
時に実施例1及び実施例2と同様に温度分布35を生じ
させることができる。図3(c)においては温度分布3
5は同心円状に示してあり、円の内部ほど温度が高くな
っている。この温度分布35により応力が発生してスク
ライブ溝33からクラック36が生じるが、この温度分
布35を発生させるダイヤモンドスクライバー32を基
板31に対して図3(b)に示すx方向及びy方向に各
々移動させることにより、スクライブ溝33が形成され
ると同時にクラック36が次々に発生し、各チップ34
に分離することができる。なお図3(b)において、3
8は分割されるべき各チップ34の境界線であり、スク
ライブ溝33と同一のラインである。
【0030】(実施例4)図4は請求項4の発明に関す
る実施例を説明するための図であり、図4(a)は脆性
材料基板のスクライビング及び割断時の全体の斜視図、
図4(b)は脆性材料基板をスクライビングした後のウ
ェハの上面図、図4(c)は図4(a)で割断されてい
る領域を含むウェハのD−D’線における断面図であ
る。なお、本実施例においては以下に詳述するように、
スクライビング工程と温度分布形成工程とが同一工程で
行なわれるため、スクライブ溝が形成されるのとほぼ同
時に割断も行なわれて各チップに分割されるものである
が、図4(b)では説明のための便宜上、スクライブラ
インが引かれたのみで、各チップは分割されていない状
態で示している。
る実施例を説明するための図であり、図4(a)は脆性
材料基板のスクライビング及び割断時の全体の斜視図、
図4(b)は脆性材料基板をスクライビングした後のウ
ェハの上面図、図4(c)は図4(a)で割断されてい
る領域を含むウェハのD−D’線における断面図であ
る。なお、本実施例においては以下に詳述するように、
スクライビング工程と温度分布形成工程とが同一工程で
行なわれるため、スクライブ溝が形成されるのとほぼ同
時に割断も行なわれて各チップに分割されるものである
が、図4(b)では説明のための便宜上、スクライブラ
インが引かれたのみで、各チップは分割されていない状
態で示している。
【0031】まず図4(a)において、脆性材料基板と
してのGaAs基板41上に、ダイヤモンドスクライバ
ー42を用いてスクライブ溝43を形成する。そしてス
クライブ溝43を含む領域に、レーザー光源47から出
たレーザー光49をレンズ系50を通してGaAs基板
41上に照射する。ここでレーザー光49の波長は脆性
材料からなる基板が発熱する波長、すなわちレーザー光
49が基板材料に吸収される波長である必要がある。こ
のレーザー光49を照射することにより上述した実施例
と同様に温度分布45を生じさせることができる。図4
(c)においては温度分布45は同心円状に示してあ
り、円の内部ほど温度が高くなっている。この温度分布
45により応力が発生してスクライブ溝43からクラッ
ク46が生じるが、ダイヤモンドスクライバー42と温
度分布45を発生させるレーザー光49及びレンズ系5
0を基板41に対して図4(b)に示すx方向及びy方
向に各々移動させることにより、スクライブ溝43が形
成されるともにクラック46が次々に発生し、各チップ
44に分離することができる。ここで、図4(a)に示
した装置では、レーザー光49の中心、すなわち温度分
布45の中心はスクライブ溝43と一致するように構成
しているが、許容できる範囲でずれたものであってもか
まわない。なお図4(b)において、48は分割される
べき各チップ44の境界線であり、スクライブ溝43と
同一のラインである。
してのGaAs基板41上に、ダイヤモンドスクライバ
ー42を用いてスクライブ溝43を形成する。そしてス
クライブ溝43を含む領域に、レーザー光源47から出
たレーザー光49をレンズ系50を通してGaAs基板
41上に照射する。ここでレーザー光49の波長は脆性
材料からなる基板が発熱する波長、すなわちレーザー光
49が基板材料に吸収される波長である必要がある。こ
のレーザー光49を照射することにより上述した実施例
と同様に温度分布45を生じさせることができる。図4
(c)においては温度分布45は同心円状に示してあ
り、円の内部ほど温度が高くなっている。この温度分布
45により応力が発生してスクライブ溝43からクラッ
ク46が生じるが、ダイヤモンドスクライバー42と温
度分布45を発生させるレーザー光49及びレンズ系5
0を基板41に対して図4(b)に示すx方向及びy方
向に各々移動させることにより、スクライブ溝43が形
成されるともにクラック46が次々に発生し、各チップ
44に分離することができる。ここで、図4(a)に示
した装置では、レーザー光49の中心、すなわち温度分
布45の中心はスクライブ溝43と一致するように構成
しているが、許容できる範囲でずれたものであってもか
まわない。なお図4(b)において、48は分割される
べき各チップ44の境界線であり、スクライブ溝43と
同一のラインである。
【0032】(実施例5)図5は請求項5の発明に関す
る実施例を説明するための図であり、図5(a)は化合
物半導体基板のスクライビング時の全体の斜視図、図5
(b)はダイヤモンドスクライバーの基板に対する荷重
を30g以下として化合物半導体基板をスクライビング
した後の割断中のウェハの上面図、図5(c)は比較の
ための、ダイヤモンドスクライバーの基板に対する荷重
が30gを超えるようにして化合物半導体基板をスクラ
イビングした後の割断中のウェハの上面図である。な
お、図5(b)及び図5(c)では説明のための便宜
上、各チップが分割されていない状態で示している。
る実施例を説明するための図であり、図5(a)は化合
物半導体基板のスクライビング時の全体の斜視図、図5
(b)はダイヤモンドスクライバーの基板に対する荷重
を30g以下として化合物半導体基板をスクライビング
した後の割断中のウェハの上面図、図5(c)は比較の
ための、ダイヤモンドスクライバーの基板に対する荷重
が30gを超えるようにして化合物半導体基板をスクラ
イビングした後の割断中のウェハの上面図である。な
お、図5(b)及び図5(c)では説明のための便宜
上、各チップが分割されていない状態で示している。
【0033】まず図5(a)において、化合物半導体基
板としてのGaAs基板51上に、ダイヤモンドスクラ
イバー52を用いてスクライブ溝53を形成する。この
ときダイヤモンドスクライバー52の基板51に対する
荷重は30g以下である。このスクライブ溝53が形成
された後、例えば上述した実施例1の方法にて基板の分
割を行ない、GaAs基板51を各チップ54に分離す
る。ところで、半導体デバイスを作製するためのGaA
s基板は薄いものであり、一般的にはスクライビングを
行なった後に温度分布を形成すれば割断工程を用いなく
とも基板は分割されると考えられる。ダイヤモンドスク
ライバー52の基板51に対する荷重が30g以下の場
合には、図5(b)に示したように、分割されるべき各
チップ54にはスクライブ溝53からGaAs基板51
の面方向に枝状のクラックを生じることなく基板を分割
することができる。しかし、ダイヤモンドスクライバー
52の基板51に対する荷重が30gを超える場合に
は、図5(c)に示すように、分割されるべき各チップ
54’にはスクライブ溝53’からGaAs基板51の
面方向に枝状のクラック56が生じてしまう。この場合
には、チップ54’に形成されたデバイスを損傷しない
ようにするためには、クラック56の長さが及ぶ範囲を
あらかじめ切り代として考慮しておかなければならな
い。
板としてのGaAs基板51上に、ダイヤモンドスクラ
イバー52を用いてスクライブ溝53を形成する。この
ときダイヤモンドスクライバー52の基板51に対する
荷重は30g以下である。このスクライブ溝53が形成
された後、例えば上述した実施例1の方法にて基板の分
割を行ない、GaAs基板51を各チップ54に分離す
る。ところで、半導体デバイスを作製するためのGaA
s基板は薄いものであり、一般的にはスクライビングを
行なった後に温度分布を形成すれば割断工程を用いなく
とも基板は分割されると考えられる。ダイヤモンドスク
ライバー52の基板51に対する荷重が30g以下の場
合には、図5(b)に示したように、分割されるべき各
チップ54にはスクライブ溝53からGaAs基板51
の面方向に枝状のクラックを生じることなく基板を分割
することができる。しかし、ダイヤモンドスクライバー
52の基板51に対する荷重が30gを超える場合に
は、図5(c)に示すように、分割されるべき各チップ
54’にはスクライブ溝53’からGaAs基板51の
面方向に枝状のクラック56が生じてしまう。この場合
には、チップ54’に形成されたデバイスを損傷しない
ようにするためには、クラック56の長さが及ぶ範囲を
あらかじめ切り代として考慮しておかなければならな
い。
【0034】図6に、スクライブ溝からGaAs基板の
面方向に発生するクラック長の、ダイヤモンドスクライ
バーの基板に対する荷重への依存性を示す。図6におい
て、横軸はダイヤモンドスクライバーの基板に対する荷
重(g)、縦軸はスクライブ溝からGaAs基板の面方
向に発生するクラック長(μm)である。図6から、ダ
イヤモンドスクライバーの基板に対する荷重を30g以
下とすることによりスクライブ溝から基板面方向へのク
ラックの発生を防止できることが理解される。したがっ
て、ダイヤモンドスクライバーの基板に対する荷重を3
0g以下にしてスクライブ溝を形成することにより、基
板面方向へのクラックに起因する素子の破壊、あるいは
チップに形成されたデバイスの信頼性の低下を防止する
ことができる。
面方向に発生するクラック長の、ダイヤモンドスクライ
バーの基板に対する荷重への依存性を示す。図6におい
て、横軸はダイヤモンドスクライバーの基板に対する荷
重(g)、縦軸はスクライブ溝からGaAs基板の面方
向に発生するクラック長(μm)である。図6から、ダ
イヤモンドスクライバーの基板に対する荷重を30g以
下とすることによりスクライブ溝から基板面方向へのク
ラックの発生を防止できることが理解される。したがっ
て、ダイヤモンドスクライバーの基板に対する荷重を3
0g以下にしてスクライブ溝を形成することにより、基
板面方向へのクラックに起因する素子の破壊、あるいは
チップに形成されたデバイスの信頼性の低下を防止する
ことができる。
【0035】なお本実施例においては、上述した各実施
例と同様にGaAs基板に対して本発明を適用している
が、GaAs基板を脆性材料基板としてではなく化合物
半導体基板であるとして説明している。これは、スクラ
イバーの基板に対する荷重を30g以下として溝を形成
する本実施例は、化合物半導体基板に対して適用するこ
とがより好適であるためである。
例と同様にGaAs基板に対して本発明を適用している
が、GaAs基板を脆性材料基板としてではなく化合物
半導体基板であるとして説明している。これは、スクラ
イバーの基板に対する荷重を30g以下として溝を形成
する本実施例は、化合物半導体基板に対して適用するこ
とがより好適であるためである。
【0036】ところで以上の各実施例においてはいずれ
も基板表面にスクライブ溝を形成し、また基板表面から
温度分布を与えているが、これらはいずれも基板裏面か
ら行なうことも可能である。すなわち、例えば基板裏面
にスクライブ溝を形成してさらに基板裏面から温度分布
を与えてもかまわないし、基板表面にスクライブ溝を形
成して基板裏面から温度分布を与えてもかまわない。
も基板表面にスクライブ溝を形成し、また基板表面から
温度分布を与えているが、これらはいずれも基板裏面か
ら行なうことも可能である。すなわち、例えば基板裏面
にスクライブ溝を形成してさらに基板裏面から温度分布
を与えてもかまわないし、基板表面にスクライブ溝を形
成して基板裏面から温度分布を与えてもかまわない。
【0037】(実施例6)図7は各チップとなる領域ご
とに発光ダイオードアレイが形成された化合物半導体基
板に対して請求項3の発明を適用し、実施例5の方法を
用いて基板を分割した例である。図7(a)は各チップ
64に発光ダイオードアレイが形成された化合物半導体
基板を分割した後の上面図、図7(b)は図7(a)の
基板における1つのチップの拡大図を示している。な
お、図7(a)及び図7(b)では説明のための便宜
上、各チップが分離されていない状態で示している。
とに発光ダイオードアレイが形成された化合物半導体基
板に対して請求項3の発明を適用し、実施例5の方法を
用いて基板を分割した例である。図7(a)は各チップ
64に発光ダイオードアレイが形成された化合物半導体
基板を分割した後の上面図、図7(b)は図7(a)の
基板における1つのチップの拡大図を示している。な
お、図7(a)及び図7(b)では説明のための便宜
上、各チップが分離されていない状態で示している。
【0038】図7(b)に示したように、化合物半導体
基板、例えばGaAs基板61上に形成された各チップ
64には、発光ダイオード62が600dpiすなわち
42.3μmピッチで1列に配列している。各発光ダイ
オード62の配列方向の幅xは32.3μmであり、各
発光ダイオード62の間の素子分離領域の配列方向の
幅、すなわち各発光ダイオード62間の間隔yは10μ
mである。そして、1チップ上に発光ダイオード62は
128個形成されている。各発光ダイオード62には電
極63が形成されており、電極63には配線65が、配
線65には外部からの信号導入用のパッド66が各々接
続されている。また、互いに隣接した各チップ64の端
同士の発光ダイオード62’間の間隔zも、チップ64
内の発光ダイオードの間隔yと同様に10μmである。
各発光ダイオード62間及び62’間の間隔は、この発
光ダイオードアレイを光プリンタ用光源として用いた場
合に白筋等、画像品質に悪影響を与えない程度に小さく
することが必要があるが、上述した例えば実施例5の方
法を用いて分割した場合には、スクライビングや割断の
際の切り代が不要となることから、互いに隣接した各チ
ップ64の端同士の発光ダイオード62’間の間隔zも
チップ64内の各発光ダイオード62間の間隔yと同様
に、10μmとすることができるものである。このよう
に上述した各実施例の基板分割方法を用いることにより
高精度なチップの分割が実現できるため、互いに隣接し
た各チップ64の端同士の発光ダイオード62’間の間
隔を例えば10μmと微小にすることができる。したが
って、高画質な光プリンタに供することができる発光ダ
イオードアレイを実現することが可能となる。
基板、例えばGaAs基板61上に形成された各チップ
64には、発光ダイオード62が600dpiすなわち
42.3μmピッチで1列に配列している。各発光ダイ
オード62の配列方向の幅xは32.3μmであり、各
発光ダイオード62の間の素子分離領域の配列方向の
幅、すなわち各発光ダイオード62間の間隔yは10μ
mである。そして、1チップ上に発光ダイオード62は
128個形成されている。各発光ダイオード62には電
極63が形成されており、電極63には配線65が、配
線65には外部からの信号導入用のパッド66が各々接
続されている。また、互いに隣接した各チップ64の端
同士の発光ダイオード62’間の間隔zも、チップ64
内の発光ダイオードの間隔yと同様に10μmである。
各発光ダイオード62間及び62’間の間隔は、この発
光ダイオードアレイを光プリンタ用光源として用いた場
合に白筋等、画像品質に悪影響を与えない程度に小さく
することが必要があるが、上述した例えば実施例5の方
法を用いて分割した場合には、スクライビングや割断の
際の切り代が不要となることから、互いに隣接した各チ
ップ64の端同士の発光ダイオード62’間の間隔zも
チップ64内の各発光ダイオード62間の間隔yと同様
に、10μmとすることができるものである。このよう
に上述した各実施例の基板分割方法を用いることにより
高精度なチップの分割が実現できるため、互いに隣接し
た各チップ64の端同士の発光ダイオード62’間の間
隔を例えば10μmと微小にすることができる。したが
って、高画質な光プリンタに供することができる発光ダ
イオードアレイを実現することが可能となる。
【0039】なお本実施例によれば、各発光ダイオード
アレイチップは、実施例5の方法により各チップに分割
していることから、分割される境界線68から基板面方
向への枝状のクラックは発生していない。また、各発光
ダイオードアレイチップ64の、発光ダイオード62の
配列方向とは直交する方向の長さwは約200μmであ
る。長さwを200μmと小さくできることと、各チッ
プ64の分割用の切り代をなくすことができることによ
り、1枚の化合物半導体基板からのチップの採れ数を多
くすることができる。
アレイチップは、実施例5の方法により各チップに分割
していることから、分割される境界線68から基板面方
向への枝状のクラックは発生していない。また、各発光
ダイオードアレイチップ64の、発光ダイオード62の
配列方向とは直交する方向の長さwは約200μmであ
る。長さwを200μmと小さくできることと、各チッ
プ64の分割用の切り代をなくすことができることによ
り、1枚の化合物半導体基板からのチップの採れ数を多
くすることができる。
【0040】本実施例では本発明を発光ダイオードアレ
イチップが形成された基板に対して適用した例を説明し
たが、これに限定されるものではなく、他の集積回路等
の各種デバイスが搭載された基板、あるいはそれ以外の
基板の分割に用いることができることはもちろんであ
る。
イチップが形成された基板に対して適用した例を説明し
たが、これに限定されるものではなく、他の集積回路等
の各種デバイスが搭載された基板、あるいはそれ以外の
基板の分割に用いることができることはもちろんであ
る。
【0041】
【発明の効果】請求項1、2、5及び6に記載した発明
によれば、スクライビングと温度分布を形成することに
よる応力の利用を組み合わせて脆性材料からなる基板を
割断することにより、切り代を小さくすることが可能と
なる。この結果、ウェハ1枚当たりの半導体デバイスチ
ップ等の採れ数を多くすることができる。しかも分割予
定線としてのスクライブ溝の断面形状は微視的にV字溝
となり、割断線を直線にすることができ、また分割予定
線以外の個所に長いクラックが発生することを防止する
ことができる。さらに、ダイシングに比較してウェハの
送り速度を大きくすることができることから、スループ
ットを大きくできる。つまり、ダイシング法でチッピン
グを抑えるためには、送り速度は数mm/secと低速
にする必要があるが、これに対して本発明の分割方法に
よれば、送り速度は数10mm/secとダイシング法
に比較して数10倍のスループットを得ることができ
る。また、スクライビング時に高精度な位置合わせが可
能なことから、スクライブ溝を高精度に位置決めして形
成することができる。その結果、従来技術のように特に
前工程を複雑化させることなく、高精度なチップ分割が
可能となる。
によれば、スクライビングと温度分布を形成することに
よる応力の利用を組み合わせて脆性材料からなる基板を
割断することにより、切り代を小さくすることが可能と
なる。この結果、ウェハ1枚当たりの半導体デバイスチ
ップ等の採れ数を多くすることができる。しかも分割予
定線としてのスクライブ溝の断面形状は微視的にV字溝
となり、割断線を直線にすることができ、また分割予定
線以外の個所に長いクラックが発生することを防止する
ことができる。さらに、ダイシングに比較してウェハの
送り速度を大きくすることができることから、スループ
ットを大きくできる。つまり、ダイシング法でチッピン
グを抑えるためには、送り速度は数mm/secと低速
にする必要があるが、これに対して本発明の分割方法に
よれば、送り速度は数10mm/secとダイシング法
に比較して数10倍のスループットを得ることができ
る。また、スクライビング時に高精度な位置合わせが可
能なことから、スクライブ溝を高精度に位置決めして形
成することができる。その結果、従来技術のように特に
前工程を複雑化させることなく、高精度なチップ分割が
可能となる。
【0042】また請求項3及び7に記載した発明によれ
ば、請求項1、2、5、及び6の発明に対応する効果に
加え、スクライブ溝を形成する工程と温度分布を形成す
る工程をほぼ同時に行なうことにより、基板分割工程数
を低減することが可能となる。この結果基板分割工程を
簡略化することができ、請求項1、2、5、及び6の発
明以上にスループットを向上させることができる。ま
た、スクライブ手段と温度分布形成手段を同一装置とす
ることができ、装置の簡略化も可能となる。
ば、請求項1、2、5、及び6の発明に対応する効果に
加え、スクライブ溝を形成する工程と温度分布を形成す
る工程をほぼ同時に行なうことにより、基板分割工程数
を低減することが可能となる。この結果基板分割工程を
簡略化することができ、請求項1、2、5、及び6の発
明以上にスループットを向上させることができる。ま
た、スクライブ手段と温度分布形成手段を同一装置とす
ることができ、装置の簡略化も可能となる。
【0043】また請求項8に記載した発明によれば、請
求項5乃至7の発明に対応する効果に加え、レーザー光
を加熱源としているために温度分布形成工程を非接触で
行なうことができる。この結果、基板が割断される際に
パーティクルを発生させることがなく、もしくは請求項
6の場合のように割断工程を用いる場合でもパーティク
ルを発生させることが少なく、かつスクライブ時に発生
して基板に付着したパーティクルを再分散させることも
ないため、パーティクルの少ないクリーンなチップを得
ることができる。
求項5乃至7の発明に対応する効果に加え、レーザー光
を加熱源としているために温度分布形成工程を非接触で
行なうことができる。この結果、基板が割断される際に
パーティクルを発生させることがなく、もしくは請求項
6の場合のように割断工程を用いる場合でもパーティク
ルを発生させることが少なく、かつスクライブ時に発生
して基板に付着したパーティクルを再分散させることも
ないため、パーティクルの少ないクリーンなチップを得
ることができる。
【0044】また請求項9に記載した発明によれば、請
求項5及び6の発明に対応する効果に加え、高精度なチ
ップ分割を歩留まり良く行なうことができる。これは、
基板の分割予定線としてのスクライブ溝と割断を行なう
ラインとを正確に一致させことができるためである。さ
らにスクライブ手段と温度分布形成手段を同一の装置と
することにより、基板分割装置の部品点数を低減して装
置を簡略化することも可能となる。
求項5及び6の発明に対応する効果に加え、高精度なチ
ップ分割を歩留まり良く行なうことができる。これは、
基板の分割予定線としてのスクライブ溝と割断を行なう
ラインとを正確に一致させことができるためである。さ
らにスクライブ手段と温度分布形成手段を同一の装置と
することにより、基板分割装置の部品点数を低減して装
置を簡略化することも可能となる。
【0045】また請求項4及び10に記載した発明によ
れば、請求項1乃至3の発明あるいは請求項5乃至9の
発明に対応する効果に加え、さらに歩留まり良く信頼性
の高いチップを実現することが可能となる。これは、ス
クライバーの基板に対する荷重を30g以下とすること
により、スクライブ溝から基板面方向への枝状のクラッ
クを発生させることがないためである。
れば、請求項1乃至3の発明あるいは請求項5乃至9の
発明に対応する効果に加え、さらに歩留まり良く信頼性
の高いチップを実現することが可能となる。これは、ス
クライバーの基板に対する荷重を30g以下とすること
により、スクライブ溝から基板面方向への枝状のクラッ
クを発生させることがないためである。
【図1】本発明の第1の実施例である基板分割方法を示
す図である。
す図である。
【図2】本発明の第2の実施例である基板分割方法を示
す図である。
す図である。
【図3】本発明の第3の実施例である基板分割方法を示
す図である。
す図である。
【図4】本発明の第4の実施例である基板分割方法を示
す図である。
す図である。
【図5】本発明の第5の実施例である基板分割方法を示
す図である。
す図である。
【図6】スクライブ溝からGaAs基板の面方向に発生
するクラック長の、ダイヤモンドスクライバーの基板に
対する荷重への依存性を示す図である。
するクラック長の、ダイヤモンドスクライバーの基板に
対する荷重への依存性を示す図である。
【図7】本発明の第5の実施例を発光ダイオードアレイ
が形成された基板に対して適用した例である。
が形成された基板に対して適用した例である。
11、21、31、41、51、61 Ga
As基板 12、22、32、42、52 ダイ
ヤモンドスクライバー 13、23、33、43、53、53’ スク
ライブ溝 14、24、34、44、54、54’、64 チッ
プ 15、25、35、45 温度
分布 16、26、36、46、56 クラ
ック 29 ダイヤモン
ドスクライバーの支柱 27 温度
分布形成用針 28、38、48、68 チッ
プの境界線 47 レー
ザー光源 49 レー
ザー光 50 レン
ズ系 62、62’ 発光
ダイオード 63 電極 65 配線 66 信号
導入用パッド
As基板 12、22、32、42、52 ダイ
ヤモンドスクライバー 13、23、33、43、53、53’ スク
ライブ溝 14、24、34、44、54、54’、64 チッ
プ 15、25、35、45 温度
分布 16、26、36、46、56 クラ
ック 29 ダイヤモン
ドスクライバーの支柱 27 温度
分布形成用針 28、38、48、68 チッ
プの境界線 47 レー
ザー光源 49 レー
ザー光 50 レン
ズ系 62、62’ 発光
ダイオード 63 電極 65 配線 66 信号
導入用パッド
Claims (10)
- 【請求項1】脆性材料からなる基板を複数個のチップに
分割する基板分割方法において、基板表面もしくは基板
裏面に尖端形状を有するスクライブ手段によりスクライ
ブ溝を形成する工程、及び前記スクライブ溝に沿って温
度分布を形成工程を有し、前記温度分布を形成すること
により基板内部に発生した応力により基板が割断される
ことを特徴とする基板分割方法。 - 【請求項2】脆性材料からなる基板を複数個のチップに
分割する基板分割方法において、基板表面もしくは基板
裏面に尖端形状を有するスクライブ手段によりスクライ
ブ溝を形成する工程、前記スクライブ溝に沿って温度分
布を形成する工程、及び前記スクライブ溝に沿って基板
を割断する工程を有することを特徴とする基板分割方
法。 - 【請求項3】前記スクライブ溝を形成する工程と前記温
度分布を形成する工程とがほぼ同時に施されることを特
徴とする請求項1又は2に記載の基板分割方法。 - 【請求項4】前記スクライブ溝を形成する工程は前記ス
クライブ手段の基板に対する荷重を30g以下として形
成することを特徴とする請求項1乃至3に記載の基板分
割方法。 - 【請求項5】脆性材料からなる基板を複数個のチップに
分割する基板分割装置において、基板表面もしくは基板
裏面にスクライブ溝を形成する尖端形状を有するスクラ
イブ手段、及び前記スクライブ溝に沿って温度分布を形
成する温度分布形成手段を有することを特徴とする基板
分割装置。 - 【請求項6】脆性材料からなる基板を複数個のチップに
分割する基板分割装置において、基板表面もしくは基板
裏面にスクライブ溝を形成する尖端形状を有するスクラ
イブ手段、前記スクライブ溝に沿って温度分布を形成す
る温度分布形成手段、及び前記スクライブ溝に沿って基
板を割断する割断手段を有することを特徴とする基板分
割装置。 - 【請求項7】前記スクライブ手段及び前記温度分布形成
手段は対向する基板の移動方向に対して平行方向に配列
したことを特徴とする請求項5又は6に記載の基板分割
装置。 - 【請求項8】前記温度分布形成手段はレーザー光源を含
むことを特徴とする請求項5乃至7に記載の基板分割装
置。 - 【請求項9】前記スクライブ手段及び温度分布形成手段
は同一の装置であることを特徴とする請求項5又は6に
記載の基板分割装置。 - 【請求項10】前記スクライブ手段の基板に対する荷重
は30g以下であることを特徴とする請求項5乃至9に
記載の基板分割装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8398495A JPH08276398A (ja) | 1995-04-10 | 1995-04-10 | 基板分割方法及び基板分割装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8398495A JPH08276398A (ja) | 1995-04-10 | 1995-04-10 | 基板分割方法及び基板分割装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08276398A true JPH08276398A (ja) | 1996-10-22 |
Family
ID=13817804
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8398495A Pending JPH08276398A (ja) | 1995-04-10 | 1995-04-10 | 基板分割方法及び基板分割装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08276398A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008010457A1 (fr) * | 2006-07-20 | 2008-01-24 | Takita Research & Development Co., Ltd. | appareil de découpe |
WO2008010303A1 (fr) * | 2006-07-20 | 2008-01-24 | Takita Research & Development Co., Ltd. | Dispositif de coupe |
JP2008028144A (ja) * | 2006-07-21 | 2008-02-07 | Mitsubishi Electric Corp | 窒化ガリウム系半導体発光素子の製造方法 |
US7901967B2 (en) | 2005-11-16 | 2011-03-08 | Denso Corporation | Dicing method for semiconductor substrate |
CN102157367A (zh) * | 2010-02-05 | 2011-08-17 | 株式会社迪思科 | 光器件晶片的加工方法 |
JP2011165767A (ja) * | 2010-02-05 | 2011-08-25 | Disco Abrasive Syst Ltd | 光デバイスウエーハの加工方法 |
JP2011165766A (ja) * | 2010-02-05 | 2011-08-25 | Disco Abrasive Syst Ltd | 光デバイスウエーハの加工方法 |
-
1995
- 1995-04-10 JP JP8398495A patent/JPH08276398A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7901967B2 (en) | 2005-11-16 | 2011-03-08 | Denso Corporation | Dicing method for semiconductor substrate |
WO2008010457A1 (fr) * | 2006-07-20 | 2008-01-24 | Takita Research & Development Co., Ltd. | appareil de découpe |
WO2008010303A1 (fr) * | 2006-07-20 | 2008-01-24 | Takita Research & Development Co., Ltd. | Dispositif de coupe |
JP2008028144A (ja) * | 2006-07-21 | 2008-02-07 | Mitsubishi Electric Corp | 窒化ガリウム系半導体発光素子の製造方法 |
CN102157367A (zh) * | 2010-02-05 | 2011-08-17 | 株式会社迪思科 | 光器件晶片的加工方法 |
JP2011165768A (ja) * | 2010-02-05 | 2011-08-25 | Disco Abrasive Syst Ltd | 光デバイスウエーハの加工方法 |
JP2011165767A (ja) * | 2010-02-05 | 2011-08-25 | Disco Abrasive Syst Ltd | 光デバイスウエーハの加工方法 |
JP2011165766A (ja) * | 2010-02-05 | 2011-08-25 | Disco Abrasive Syst Ltd | 光デバイスウエーハの加工方法 |
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