JPH11224865A - 酸化物単結晶基板のレーザによる切断方法 - Google Patents

酸化物単結晶基板のレーザによる切断方法

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JPH11224865A
JPH11224865A JP10172162A JP17216298A JPH11224865A JP H11224865 A JPH11224865 A JP H11224865A JP 10172162 A JP10172162 A JP 10172162A JP 17216298 A JP17216298 A JP 17216298A JP H11224865 A JPH11224865 A JP H11224865A
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oxide single
single crystal
substrate
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Kenji Kato
賢治 加藤
Yoshimasa Kondo
好正 近藤
Takashi Yoshino
隆史 吉野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工効率が高く、しかも加工後の表裏面にチ
ッピング等の欠陥の発生がない酸化物単結晶基板のレー
ザによる切断方法を提供する。 【解決手段】 酸化物単結晶基板2の切断予定面3に短
パルスレーザ1を照射し、切断予定面3の酸化物単結晶
基板2を加熱して、酸化物単結晶基板2を昇華・除去し
て酸化物単結晶基板2の切断予定面3に溝4を形成する
と同時に溝4の底部を蓄熱させ、蓄熱された溝4の底部
に発生する熱応力により酸化物単結晶基板2を切断予定
面に沿って割断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、酸化物単結晶基
板をレーザを用いて切断する方法に係り、更に詳しく
は、加工効率と製品歩留の向上を可能ならしめるととも
に、レーザの照射エネルギ、照射方向を制御するとによ
って平滑な割断面を得ることを可能とする酸化物単結晶
基板のレーザ切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来から、酸化物単結晶基板(以下、
単に「基板」という。)の切断方法としては、ダイヤモ
ンドスクライブ、ダイシング、レーザスクライブ等の方
法が利用されている。このうち、ダイヤモンドスクライ
ブは、ダイヤモンドポイントにより切断予定面の表裏に
溝入れ加工を行い、その後ブレーキング用の刃を溝の一
面に当接させた状態で刃に基板方向の力を加えて割断す
ることで、基板の切断を行う方法である。レーザスクラ
イブも、基本的にダイヤモンドスクライブと同じ方法で
あり、例えばYAG4次レーザを基板に照射して切断予
定面の表裏に溝入れ加工を行い、その後ブレーキング用
の刃を用いて基板を割断することで、基板の切断を行う
方法である。また、ダイシングは、ダイヤモンドホイー
ルを用いて切断面を砥石加工することで、基板の切断を
行う方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 上述した従来の方法
のうち、ダイヤモンドスクライブ及びレーザスクライブ
では、ブレーキングによる溝と溝との間の割断が必須で
あるため、ダイヤモンドポイント又はレーザによる溝入
れ工程の他にブレーキングのための後工程が必要とな
り、加工効率が悪くなる問題があった。また、ダイシン
グでは、サファイア等の硬度の高い基板を切断しようと
すると、砥石による切断が不可能か、あるいは可能であ
っても砥石の摩耗が早く、加工コストが高くなる問題が
あった。一方、レーザを照射させて基板の切断予定面に
蓄熱させ、その熱による熱応力により切断させる方法も
考えられるが、この方法では、割断面においては精度の
良い加工面を得ることができる反面、表裏面にクラック
やチッピング等の欠陥が発生し、加工精度が悪くなる問
題があった。
【0004】 本発明の目的は上述した課題を解消し
て、加工効率が高くしかも加工後の表裏面におけるチッ
ピング等の欠陥の発生が抑制された酸化物単結晶基板の
レーザによる切断方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明によ
れば、酸化物単結晶基板の切断予定面に短パルスレーザ
を照射し、切断予定面の酸化物単結晶基板を加熱して、
酸化物単結晶基板を昇華・除去して酸化物単結晶基板の
切断予定面に溝を形成すると同時に溝の底部を蓄熱さ
せ、蓄熱された溝の底部に発生する熱応力により酸化物
単結晶基板を切断予定面に沿って切断することを特徴と
する酸化物単結晶基板のレーザによる切断方法、が提供
される。
【0006】 本発明の酸化物単結晶基板のレーザによ
る切断方法においては、短パルスレーザとして、短パル
スCO2レーザが好適に使用され、そのパルス幅を30
0μsec以下とすることが好ましく、更に、短パルス
CO2レーザの加工周波数は500Hz以上であること
が好ましい。また、短パルスCO2レーザの投入エネル
ギは0.05J〜0.4Jの範囲内とすることが好まし
い。
【0007】 このような本発明の酸化物単結晶基板の
レーザによる切断方法は、厚み0.3mm〜0.5mm
の単結晶サファイア基板の切断に好適に用いられ、短パ
ルスレーザの照射によって酸化物単結晶基板に生ずる切
断面の亀裂真直度は±10μmの範囲に抑えることがで
き、この場合、短パルスレーザの照射によって酸化物単
結晶基板に生ずる溝の深さは、酸化物単結晶基板の基板
厚みの10%以上であることが好ましく、さらに溝の深
さが、酸化物単結晶基板の基板厚みの20%以上50%
以下であると、より好ましい。
【0008】 なお、本発明の酸化物単結晶基板のレー
ザによる切断方法においては、短パルスレーザを、酸化
物単結晶基板の劈開面に平行に照射すると、良好な割断
面を得ることができ、特に好ましい。すなわち、切断予
定面を劈開面と平行にすることで、加工精度の良好な切
断面を得ることができ、その面をそのまま用いれば、種
々の発光素子、例えば青色LD等の発光面として使用す
ることができ、好ましい。そこで、実際の素子やデバイ
スの作製に当たっては、酸化物単結晶基板の平板面にお
いて、まず短パルスレーザを、酸化物単結晶基板の劈開
面に垂直な方向に照射して基板を切断した後、劈開面に
平行な方向に照射して基板を切断すると、良好な形状精
度及び割断面を有する素子等を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】 上述した本発明の酸化物単結晶
基板のレーザによる切断方法によれば、短パルスレーザ
の照射により、切断予定面の酸化物単結晶基板を昇華・
除去して切断予定面に溝を形成すると同時に溝の底部を
加熱して蓄熱させ、蓄熱された溝の底部に発生する熱応
力により切断予定面に沿って割断することで、加工工程
をレーザ照射工程の一工程のみにすることができ、加工
効率を高くできるとともに、加工後の表裏面のチッピン
グ等の欠陥の発生を抑制し、精度の良い加工を行うこと
ができる。
【0010】 図1は本発明の酸化物単結晶基板のレー
ザによる切断方法の一例を工程順に示す図である。図1
に従って本発明を説明すると、まず、図1(a)に示す
ように短パルスレーザ光1(以下、「レーザ光1」と記
す。)を酸化物単結晶基板2(以下、「基板2」と記
す。)の切断予定面3に照射する。照射したレーザ光1
は紙面に垂直な方向に一定の速度で送られる。レーザ光
1の照射を連続すると、図1(b)に示すように、基板
2の切断予定面3に、紙面に垂直な方向に延在する溝4
が形成されると同時に、溝4の底部がレーザ光1の照射
により加熱され、溝4の底部に蓄熱される。この蓄熱さ
れた熱により、溝4の底部と基板2の切断予定面3にお
けるレーザ光1の照射側の反対側面との間に熱勾配が発
生し、この熱勾配に起因する熱応力によって、図1
(c)に示すように、基板2の連続している切断予定面
3の部分が割断され、その結果、基板2の切断予定面3
で切断できる。最後に、必要に応じて切断面を加工し
て、最終的な切断加工が終了する。
【0011】 本発明の特徴は、レーザ光1を基板2に
照射することで、切断予定面3の基板2を加熱して、基
板2の表面部分を昇華・除去して基板2の切断予定面3
に溝4を形成すると同時に溝4の底部を蓄熱させ、蓄熱
された溝の底部に発生する熱応力により基板2を切断予
定面3に沿って割断することである。以下、そのメカニ
ズムについて、図2を参照して説明する。
【0012】 図2は本発明のレーザ加工のメカニズム
の概念を示す図である。図2に示すように、レーザ光1
として基板2に照射されたレーザエネルギをEとする
と、レーザエネルギEは基板2の照射された部分で吸収
・加熱される。そのうちの一部のエネルギE1が基板2
を溶融し除去するために使用されるとともに、残りのエ
ネルギE2が溝4の底部に蓄熱され熱応力を発生させ
る。そして、溝4が一定の深さ以上になり、かつ熱応力
が一定のレベルより高くなったある状態で、基板2の切
断予定面3に残った部分で割断が発生する。ここで、本
発明では、レーザ光1のパルス幅を最適の短パルスにす
ることで、熱応力に起因するレーザエネルギE2の発生
を最小限すなわち基板2の切断に必要な分だけにするこ
とができる。その結果、基板2の切断面と接する表裏の
部分におけるチッピング等の欠陥を無くすことができ
る。
【0013】 図3は本発明のレーザ加工のメカニズム
を一般的なレーザ加工技術と対比して説明する図であ
る。図3に示す例において、短パルスレーザの例がパル
ス幅の短い本発明例を、一般的なCO2レーザの例がパ
ルス幅の長い従来例をそれぞれ示している。まず、短パ
ルスレーザの本発明例では、短パルスのレーザ光である
ため1回の照射により加わるエネルギEは小さく、1回
の照射では溝となる除去部及び蓄熱部はそれほど形成さ
れず、同じ部分に2回目、3回目と続けて照射されるに
伴い、溝が深くなるとともに蓄熱部の熱容量も大きくな
り、数回照射したある状態で蓄熱部の熱に起因する熱応
力が溝以外の基板の残っている部分を割断可能となり、
その状態で割断が発生する。そのため、切断すべき基板
の深さは溝が深くなった分だけ少なくて済み、その結果
割断に必要なエネルギE2を最小にすることができる。
【0014】 一方、一般的なCO2レーザの従来例で
は、長パルスのレーザ光であるため1回の照射により加
わるエネルギは大きく、1回の照射で、すなわち溝がほ
とんどできていない状態で蓄熱部の熱に起因する熱応力
が溝以外の基板を割断できる大きさとなるため、数回の
照射で割断が発生してしまう。そのため、割断時の亀裂
進展方向の制御が困難になるとともにチッピングが発生
しやすくなる。
【00l5】 本発明の切断の対象となる基板2として
は、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニ
オブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、ランガサ
イト(La3Ga5SiOl4)、サファイア等が挙げられ
る。その中でも硬度の高いサファイア基板の切断に本発
明は好適に適用することができ、特に、厚さ0.3mm
〜0.5mmの基板の割断に本発明は効果的である。ま
た、本発明では短パルスレーザとして短パルスCO2
ーザを使用することが好ましい。但し、割断する基板の
使用するレーザの波長における吸光係数が大きい、すな
わち、レーザ光が基板に吸収されやすい条件を満足する
ならば、他の種類のレーザ光を用いることもできる。
【0016】 更に、短パルスCO2レーザとしては、
パルス幅が300μsec以下、加工周波数が500H
z以上、投入エネルギが0.05J〜0.4Jの範囲に
おいて使用することが好ましい。すなわちパルス幅を3
00μsec以下とすることで、一度の照射により熱が
拡散する領域を100μm以下とすることができ、広い
領域での熱応力の発生を抑えることができる。また、加
工周波数を500Hz以上、すなわちレーザパルスの照
射間隔を2msec以下とすると、その直前に照射され
たレーザパルスの熱が十分に冷めきらないうちに、次の
レーザパルスが照射されることとなり、これにより徐々
に熱応力を大きくすることができるため好ましい。
【0017】 次に、実際に加工した結果について説明
する。図4はパルス幅の大きい従来例のCO2レーザと
パルス幅の短い本発明例の短パルスCO2レーザを用
い、それぞれについてサファイア基板の切断加工を実施
して得られた切断面の組織を示す写真を対比して示した
説明図である。図4に示されるように、パルス幅の大き
いCO2レーザを使用した場合は端面のチッピングによ
り加工精度が150μm程度であるのに対し、本発明例
の短パルスCO2レーザを使用した例では10μmの範
囲の加工精度を得ることができた。このことから、SA
W基板の加工精度として必要な±0.1mmの加工精度
を、本発明例では達成できるが従来例では達成できない
ことがわかった。
【0018】 また、本発明の短パルスCO2レーザを
使用した例では、亀裂真直度が±10μmの範囲内に納
まっており、良好な割断面が得られた。亀裂真直度と
は、図5に示すように、レーザ光がレーザ走査中心線5
上を紙面に垂直な方向に走査されるときに、レーザ光の
照射によって基板6の一表面に生じた溝7の底部から基
板6の対向面へ進展する亀裂8が、レーザ走査中心線5
からどの程度の幅9の中に納まっているかを表すもので
あり、この値が小さいほど形状加工精度がよく、割断面
が平滑であるということができる。
【0019】 なお、このような良好な割断面を得るに
当たっては、短パルスCO2レーザの照射によって酸化
物単結晶基板に生ずる溝の深さが、酸化物単結晶基板の
基板厚みの10%以上であることが好ましく、さらに溝
の深さが、酸化物単結晶基板の基板厚みの20%以上5
0%以下の範囲にあることがより好ましいことがわかっ
た。これは、短パルスCO2レーザによって形成される
溝の深さがこのような範囲よりも浅い場合には、亀裂の
発生と進展に必要なエネルギが蓄積されないために、割
断を行うことが困難となる一方、溝の深さを深くする
と、割断面において基板材料が昇華した面が広くなるた
めに、平滑性が損なわれ易くなることに起因すると考え
られる。
【0020】 続いて、本発明例のうち好適例を求め
た。図6はパルス福100μsecの短パルスCO2
ーザ加工における投入エネルギと加工深さとの関係を示
すグラフである。ここで、投入エネルギとは同一場所に
照射したエネルギ等のことをいい、投入エネルギ=パル
スエネルギ×等価ショット数(J)の関係にある。
【0021】 図6において、○□△×はエネルギ密度
を示し、各エネルギ密度において等価ショット数を変化
させた条件で加工を行い各データを求めた。なお、等価
ショット数は、あるスポット径(D)のパルスレーザ
が、ある周波数(f)で、vの加工スピード(材料とレ
ーザ光の相対速度)で移動する時に、材料のある1点に
照射されるパルスレーザの回数、すなわち、等価ショッ
ト数=(D/v)×f、で表される。
【0022】 図6に示される通り、簡単に亀裂の進展
による破断が発生し、これによりクラックのないきれい
な破断面が得られた領域は、投入エネルギが0.05J
〜0.4Jの範囲にあり、この範囲が好ましいことがわ
かった。
【0023】 更に、図7は加工方向が異なる場合のサ
ファイア基板の切断面の組織を対比して示した写真であ
り、図7(a)はレーザ光をサファイア基板の平板面で
あるR(1 −1 0 2)面上を、一側面であるa
(1 1 −2 0)面に平行な方向に照射して得られ
た切断面を、図7(b)はR面上をa面に垂直な方向に
照射して得られた切断面の例を示す。図7の結果を得た
加工条件は、1パルスのパルスエネルギが5.2mJ、
パルス幅が100μsec、加工速度が150mm/m
inである。
【0024】 図7に示されるように、R面サファイア
基板を用いた場合には、a面に平行な方向にレーザ光を
走査した場合に加工精度の良好な割断面が得られること
が明らかとなった。このことから、得られた割断面をそ
のまま種々の光学素子、例えば青色LD、青色LED等
の発光面として使用することができると考えられる。
【0025】 なお、サファイアには、R面及びc(0
0 0 1)面に結晶化学的な弱い劈開性があること
が報告されているが、a面に劈開性があることはこれま
で報告されていない。実際、割断面の平滑性を観察する
と、結晶化学的な原子レベルでの平滑性が得られる劈開
面とは言い難いため、本発明に係る試験結果から、a面
においても劈開性があるということはできない。しかし
ながら、本発明のレーザによる切断方法を用いてサファ
イア基板を切断する場合には、a面は加工上の劈開面で
あると定義することができる。
【0026】 この結果を受けて、実際にサファイアに
おいて劈開面と報告されているc面に平行な方向にレー
ザ光を照射した場合の割断特性を調べるために、c面サ
ファイア基板の平面上をa面に平行な方向に走査して基
板を割断したところ、割断面における亀裂真直度は良好
であり、また、割断面は前述したR面サファイア基板に
おいてa面に平行にレーザ光を走査した場合よりも更に
平滑な性状を有していた。
【0027】 以上のことから、結晶化学的な劈開面、
及び加工特性から定義される劈開面のいずれの場合に
も、良好な割断面が得られることが明らかとなった。す
なわち、本発明において、劈開面とはこれら結晶化学的
な及び加工上の二種類の劈開面を意味するものである。
【0028】 こうした結果を考慮すれば、割断面を素
子やデバイスの機能する面として使用するような場合に
おけるこれら素子やデバイスの作製においては、酸化物
単結晶基板の平板面において、まず短パルスレーザを基
板の劈開面に垂直な方向に照射して基板を切断した後、
次に劈開面に平行な方向に照射して基板を切断すること
が好ましい。こうして、割断面をそのまま使用すること
ができ、かつ、形状精度が良好な素子等を作製すること
ができる。
【0029】 以上、本発明の実施の形態について説明
してきたが、本発明は上述した実施例にのみ限定される
ものでなく、幾多の変更、変形が可能である。例えば、
上述した例では短パルスレーザとして短パルスCO2
ーザを使用したが、短パルスCO2レーザは短パルスレ
ーザの一例であって他の短パルスレーザでも同様の結果
を得ることができることは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】 上述の通り、本発明によれば、酸化物
単結晶基板の切断予定面に短パルスレーザを照射してい
るため、及び、この短パルスレーザの照射により、切断
予定面の酸化物単結晶基板を昇華・除去して切断予定面
に溝を形成すると同時に溝の底部を加熱して蓄熱させ、
蓄熱された溝の底部に発生する熱応力により切断予定面
に沿って切断しているため、加工工程をレーザ照射工程
の一工程のみにでき加工効率を高くできるとともに、短
パルスレーザの使用で加工後の表裏面のチッピング等の
欠陥を無く加工精度の良い加工を行うことができる優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の酸化物単結晶基板のレーザによる切
断方法の一例を工程順に示す図である。
【図2】 本発明のレーザ加工のメカニズムの概念を示
す図である。
【図3】 本発明のレーザ加工のメカニズムを一般的な
レーザ加工技術と対比して説明する図である。
【図4】 本発明例と従来例についてレーザ切断加工を
実施して得られたサファイア基板の切断面の形状及び組
織を示す写真を対比して示した説明図である。
【図5】 亀裂真直度の定義を示す説明図である。
【図6】 本発明のレーザ加工における投入エネルギと
加工深さとの関係を示すグラフである。
【図7】 加工方向が異なる場合のサファイア基板の切
断面の組織を対比して示す写真である。
【符号の説明】
1…短パルスレーザ、2…酸化物単結晶基板、3…切断
予定面、4…溝、5…レーザ走査中心線、6…基板、7
…溝、8…亀裂、9…幅。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物単結晶基板の切断予定面に短パル
    スレーザを照射し、切断予定面の酸化物単結晶基板を加
    熱して、酸化物単結晶基板を昇華・除去して酸化物単結
    晶基板の切断予定面に溝を形成すると同時に溝の底部を
    蓄熱させ、蓄熱された溝の底部に発生する熱応力により
    酸化物単結晶基板を切断予定面に沿って割断することを
    特徴とする酸化物単結晶基板のレーザによる切断方法。
  2. 【請求項2】 前記短パルスレーザとして、短パルスC
    2レーザを使用することを特徴とする請求項1記載の
    酸化物単結晶基板のレーザによる切断方法。
  3. 【請求項3】 前記短パルスCO2レーザのパルス幅が
    300μsec以下であることを特徴とする請求項2記
    載の酸化物単結晶基板のレーザによる切断方法。
  4. 【請求項4】 前記短パルスCO2レーザの加工周波数
    が500Hz以上であることを特徴とする請求項2又は
    3記載の酸化物単結晶基板のレーザによる切断方法。
  5. 【請求項5】 前記短パルスCO2レーザの投入エネル
    ギを0.05J〜0.4Jの範囲内とすることを特徴と
    する請求項2〜4のいずれか一項に記載の酸化物単結晶
    基板のレーザによる切断方法。
  6. 【請求項6】 前記酸化物単結晶基板として、厚み0.
    3mm〜0.5mmの単結晶サファイア基板を用いるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の酸
    化物単結晶基板のレーザによる切断方法。
  7. 【請求項7】 前記短パルスレーザの照射によって前記
    酸化物単結晶基板に生ずる切断面の亀裂真直度が±10
    μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれか一項に記載の酸化物単結晶基板のレーザによる切
    断方法。
  8. 【請求項8】 前記短パルスレーザの照射によって前記
    酸化物単結晶基板に生ずる溝の深さが、前記酸化物単結
    晶基板の基板厚みの10%以上であることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の酸化物単結晶基板
    のレーザによる切断方法。
  9. 【請求項9】 前記溝の深さが、前記酸化物単結晶基板
    の基板厚みの20%以上50%以下であることを特徴と
    する請求項8記載の酸化物単結晶基板のレーザによる切
    断方法。
  10. 【請求項10】 前記短パルスレーザを、前記酸化物単
    結晶基板の劈開面に平行に照射することを特徴とする請
    求項1〜9のいずれか一項に記載の酸化物単結晶基板の
    レーザによる切断方法。
  11. 【請求項11】 前記酸化物単結晶基板の平板面におい
    て、前記短パルスレーザを、前記酸化物単結晶基板の劈
    開面に垂直な方向に照射して前記基板を切断した後、前
    記劈開面に平行な方向に照射して前記基板を切断するこ
    とを特徴とする請求項10記載の酸化物単結晶基板のレ
    ーザによる切断方法。
JP10172162A 1997-12-03 1998-06-04 酸化物単結晶基板のレーザによる切断方法 Pending JPH11224865A (ja)

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Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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