JPH08276295A - 金属切粉等自動圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホッパー内の金属切粉等をスムーズに圧縮機
構部に搬送し、且つこの金属切粉等を丸型に圧縮固形化
する構成として、機構を簡単にし、製造コストを低くす
る。 【構成】 機体４に金属切粉等を受け入れるホッパー１
０が支承され、該ホッパー１０は外側ホッパー１０ａと
内側ホッパー１０ｂの二重構造と成っており、内側ホッ
パー１０ｂは振動付与手段によって振動可能に構成され
ている。内側ホッパー１０内の金属切粉等は、ゲート５
２が筒体２４の一端部を閉じた状態で、内側ホッパー１
０ｂの振動によって搬送路１８内のコンベアスクリュー
１６に導かれ、このコンベアスクリュー１６によって、
筒体２４内に搬送される。シリンダー２２の駆動によっ
て、押圧板４０が筒体２４内をその一端部方向に駆動さ
れると、筒体２４内の金属切粉等は押圧板４０の駆動力
によって、ゲート５２に押し付けられ、丸型に圧縮固形
化される。圧縮固形化物は筒体２４の一端部から排出さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、各種の切削加工によっ
て発生した金属切粉、あるいは各種生活廃棄物、産業廃
棄物等を圧縮固形化する自動圧縮機に関する。

【０００２】

【従来の技術】旋盤とかボール盤といった各種切削加工
機を用いて金属を加工した場合に発生する略コイル状の
金属切粉を四角い高密度のかたまりに圧縮する装置は、
実公昭６４−７０３７号公報及び実公平３−１８０７５
号公報等に開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】此種の圧縮固形化装置
は、いづれも金属切粉等の被処理物を四角形状に圧縮固
形化している。その為、機構が複雑となり製造コストが
高くなるという欠陥が存した。又、図１２に示すように
ホッパー７０内に切粉７２を入れ、ホッパー７０の底部
の切粉７２をコンベアスクリュー７４によって圧縮機構
部に搬送する構成としたとき、ホッパー７０内におい
て、切粉７２の空洞７６が生じ、コンベアスクリュー７
４が空回りして、スムーズに切粉７２が搬送されないと
いう問題点が存した。本発明の主たる目的は、金属切粉
等の被処理物を四角形ではなく円盤状の丸型に圧縮固形
化することにより、機構の簡単な安価な圧縮機を提供す
ることである。本発明の他の目的は、ホッパー内の被処
理物に空洞化現象が生じるのを防止し、スムーズに被処
理物をホッパーの下方に案内し得るようにすることであ
る。

【課題を解決する手段】

【０００４】上記目的を達成するため、本発明は、機体
と、該機体に支承された外側ホッパー１０ａと、該外側
ホッパー１０ａ内に重ねて配置された内側ホッパー１０
ｂと、該内側ホッパー１０ｂに振動運動を付与する振動
付与手段と、前記内側ホッパー１０ｂ内の金属切粉等
を、前記外側ホッパー１０ａの底部に配設された搬送路
１８に沿って所定方向に送るための、モータ１２により
駆動されるコンベアスクリュー（１６）と、周壁に、前
記搬送路１８内を前記コンベアスクリュー１６により送
られてくる金属切粉等を受け入れるための開口部２６が
形成された筒体２４と、前記筒体２４にスライド自在に
密嵌配置された円盤状の押圧板４０と、前記押圧板４０
を前記筒体２４に沿って駆動するためのシリンダー２２
と、前記筒体２４の一端部に軸方向に対して直角方向に
移動可能に配置された前記筒体２４の一端部を開閉する
為のゲート５２と、前記ゲート５２を開閉方向に駆動す
る駆動手段とを備えたものである。

【０００５】

【作用】ゲート５２が筒体２４の一端部を閉じた状態
で、コンベアスクリュー１６の回転によって、内側ホッ
パー１０内の金属切粉等を筒体２４の内部に導く。この
時、内側ホッパー１０ｂが振動し、内側ホッパー１０ｂ
内の金属切粉等は、確実にコンベアスクリュー１６に導
かれる。シリンダー２２の駆動によって押圧板４０が筒
体２４内をその一端部方向に駆動されると、ゲート５２
と押圧板４０との挾圧力によって、金属切粉等は丸型に
圧縮固形化される。金属切粉等を筒体２４内で圧縮固形
化した後、押圧板４０を後退させ、圧縮固形化物に対す
る圧力を解除した後、ゲート５２を開放方向に駆動し、
しかる後に押圧板４０を再度、筒体２４の一端部方向に
移動させて、圧縮固形化物を筒体２４の一端部から排出
する。

【０００６】

【実施例】以下に本発明の構成を添付図面に示す実施例
を参照して詳細に説明する。第１図において、２は架台
であり、これに自動圧縮機の機体４が支持されている。
前記機体４には、油圧ユニット６と、オイルタンク８が
配置されている。

【０００７】１０は機体４に配設された二重構造のホッ
パーであり、機体４に固設された外側ホッパー１０ａ
と、これに内置された内側ホッパー１０ｂとから構成さ
れている。内側ホッパー１０ｂの上部の一方側は、ヒン
ジ部材７８によって、外側ホッパー１０ａの上部の一方
側に回転自在に軸８０支されている。前記内側ホッパー
１０ｂの上部の他方側にはブラケット８２を介してコロ
８４が回転自在に軸支され、該コロ８４は、円筒状の偏
心カム８６の表面に、内側ホッパー１０ｂの自重によっ
て、載置されている。

【０００８】前記偏心カム８６は、機体４に固設された
減速機付きモータ８８の出力軸に偏心して連結してい
る。前記偏心カム８６の前記モータ８８の出力軸に対す
る偏心量は調整可能に構成されている。偏心カム８６及
びコロ８４は、内側ホッパー１０ｂの上部の他方側を上
下に振動運動させるための、振動付与手段を構成してい
る。前記外側ホッパー１０ａの側部にはブラケット１４
を介してギアードモータ１２が固設されている。

【０００９】前記外側ホッパー１０ａの底部には、断面
半円形で上部に向けて開放された部分１８ａと筒状部分
１８ｂとから成る搬送路１８が斜めに設けられている。
１６は前記搬送路１８内に配置されたコンベアスクリュ
ーであり、これの一端は、前記モータ１２の出力軸に連
結している。

【００１０】２０は架台２に固設された外部筒体であ
り、これの一端に油圧シリンダー２２が固定配置されて
いる。前記外部筒体２０には、図３に示すように、筒体
２４がスライド自在に挿入配置されている。前記筒体２
４の周壁には、開口部２６が形成され、該開口部２６
は、前記外部筒体２０の周壁に斜めに形成された開口部
２８と連通している。前記外部筒体２０の開口部２８に
は、前記搬送路１８の筒状部分１８ａが連結している。

【００１１】前記筒体２４のフランジ２４ａは、図１１
に示すように外部筒体２０に固設されたフランジ２０ａ
の凹入部３０に軸方向にスライド自在に嵌合し、フラン
ジ２４ａの背面と、フランジ２０ａの凹入部３０の垂直
壁面との間に隙間が形成されている。前記フランジ２４
ａの、凹部３２ａを有する４個のボルト挿入孔３２に
は、それぞれボルト３４がスライド自在に挿入され、該
ボルト３４は、フランジ２０ａに形成されたねじ穴３６
に螺合している。

【００１２】前記ボルト３４には、それぞれ、前記凹入
部３０内の隙間に圧縮配置されたコイルばね３８が嵌挿
されている。このコイルばね３８の弾発力によって、筒
体２４は、フランジ２０ａの一端部から突出する方向に
付勢され、この付勢力によって、フランジ２４ａの凹部
３２ａの底面がボルト３４の頭部３４ａに圧接してい
る。前記フランジ２０ａの端面とフランジ２４ａの端面
とは、同一平面上に位置するように、前記ボルト３４
の、ねじ穴３６に対するねじ込み量が予め調整されてい
る。

【００１３】前記ボルト３４は前記筒体２４を係止する
ストッパー面３４ｂを形成している。前記筒体２４内に
は、丸型盤状の押圧板４０が筒体２４の内周面に対して
軸方向にスライド自在に密嵌配置されている。前記押圧
板４０は、シリンダー２２のロッド２２ａに連結されて
いる。

【００１４】次に、筒体２４の一端部を開閉するゲート
機構について説明する。第５，６図において、４２，４
４は、案内部材であり、ボルト４６によってフランジ２
０ａに固定されている。前記案内部材４２，４４の互い
に対向する面に形成された傾斜面４８（一方は図示省
略）とフランジ２０ａ，２４ａの端面は、アリ溝案内部
５０を形成し、該アリ溝案内部５０にゲート５２が昇降
自在に嵌合配置されている。

【００１５】５４，５６は、架台２に支持された一対の
油圧シリンダーであり、これらのロッド５４ａ，５６ａ
に連結金具５８，６０が連結し、該連結金具５８，６０
に昇降板６２が架設されている。前記昇降板６２の中央
部には、前記ゲート５２の上部が固定されている。６４
は多数のパンチ穴が形成されたシュートであり、架台２
に、前記ゲート５２の下方に位置して取り付けられてい
る。６６は架台２に脱着可能に設けられた廃油タンクで
ある。

【００１６】次に本実施例の作用について説明する。内
側ホッパー１０ｂに金属切粉を入れ、コントローラ（図
示省略）の操作盤のスタートスイッチを押すと、モータ
１２及び８８が駆動する。モータ１２の駆動によってコ
ンベアスクリュー１６が回転し、内側ホッパー１０ｂ内
の金属切粉は搬送路１８から外部筒体２０の開口部２８
及び筒体２４の開口部２６を経て、筒体２４内に押し込
まれる。この時、ゲート５２は下降状態にあり、筒体２
４の一端部は、ゲート５２によって図３に示すように遮
蔽されている。又、押圧板４０は、第３図に示すよう
に、開口部２６の後方に位置している。

【００１７】一方、モータ８８の駆動によって、偏心カ
ム８６が回転し、内側ホッパー１０ｂは、枢軸８０を中
心として上下に振動する。内側ホッパー１０ｂの、この
上下振動運動によって、内側ホッパー１０ｂ内の金属切
粉は、スムーズに落下方向に送られ、図１２に示す空洞
化７６が阻止される。内側ホッパー１０ｂの上下振動運
動の振幅量は、偏心カム８６の偏心量を調整することに
より調整することができる。所定時間が経過すると、モ
ータ１２及び８８の駆動が停止する。次にコントローラ
により油圧シリンダー２２が駆動される。油圧シリンダ
ー２２の駆動により、押圧板４０は、筒体２４内の金属
切粉を圧縮しつつ筒体２４の内周面を軸方向にスライド
して、筒体２４の一端に向けて移動する。

【００１８】押圧板４０が開口部２６を通過するとき、
筒体２４の内外部にまたがって位置している長い金属切
粉は、開口部２６によって形成される筒体２４の内周壁
の角部２４Ｋと押圧板４０の押圧面の外周縁部の角部４
０Ｋとによって、切断される。 押圧板４０の押圧力に
よって、金属切粉６８は、ゲート５２と押圧板４０との
間で図１１に示すように円盤状に丸く圧縮成形される。
次に、ロッド２２ａは逆方向に駆動されて若干後退し、
圧縮成型された金属切粉のかたまりに対する、押圧板４
０の押圧力が解除される。

【００１９】次に、シリンダー５４，５６が駆動され
て、昇降板６２が上昇し、ゲート５２が上昇して、筒体
２４の一端部からその軸方向に対して垂直方向にゲート
５２が除去され、筒体２４の端部が開かれる。次に、シ
リンダー２２が駆動されて、ロッド２２ａが突出方向に
所定ストローク移動し、押圧板４０によって、金属切粉
のかたまりは、筒体２４の一端部から外に排出される。

【００２０】次に、シリンダー２２が駆動されて、ロッ
ド２２ａは原位置に復帰するとともに、シリンダー５
４，５６が駆動されてゲート５２が下降し、筒体２４の
一端部を蓋ぐ。これで切粉搬送圧縮排出の一工程が終了
する。上記動作がコントローラの制御によって連続的に
くり返し行われ、ホッパー１０ｂ内に供給された金属切
粉は、第７図に示す、円盤状のかたまり６８となって、
筒体２４の一端部から次々と排出される。

【００２１】尚、ゲート５２が上昇するとき、切粉のか
たまりに対する押圧板４０の押圧力は解除されるが、こ
のかたまりのゲート５２に対する圧着力は、そのまま残
留して、ゲート５２の上昇に対して大きな摩擦力として
作用する。もし、筒体２４にゲート５２に対する後退機
能がなく、筒体２４が外部筒体２０に固定されていると
仮定すると、押圧板４０からの大きな圧力によって筒体
２４の一端部近傍の内周壁面に圧着した切粉のかたまり
は、ゲート５２にも大きな摩擦力として作用し、ゲート
５２がスムーズに上昇できないことになる。

【００２２】しかるに、本実施例は、筒体２４を軸方向
にコイルばね３８の弾発力に抗して後退可能に構成され
ているので、ゲート５２上昇時、ゲート５２から切粉の
かたまりを介して、筒体２４に後退方向に圧力がかかる
と、この圧力によって、筒体２４がコイルばね３８の弾
発力に抗して後退し、ゲート５２の上昇に対して作用す
る切粉のかたまりの摩擦力を減少させる。

【００２３】これにより、ゲート５２は、小さな駆動力
でスムーズに上昇することができる。金属切粉がゲート
５２と押圧板４０間で圧縮されるときに生じる油は、フ
ランジ２４ａ，２０ａとゲート５２との間のわずかな隙
間から下方に落下し、廃油オイルタンク６６内に収納さ
れる。本実施例では、被処理物として金属切粉を用いた
が、他の産業廃棄物や生活廃棄物を処理することが可能
である。

【００２４】

【効果】本発明は上述の如く、金属切粉等を受け入れる
ホッパーを二重構造とし、内側のホッパーを振動させる
ようにしたので、内側ホッパー内の金属切粉等をスムー
ズに下方に送ることができ、金属切粉等のホッパー内に
おける空洞化現象を防止することができ、しかも、金属
切粉等を丸型に圧縮固形化するようにしたので、機構を
簡単にすることができる効果が存する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明である自動圧縮機の一部断面全体側面図
である。

【図２】自動圧縮機の平面図である。

【図３】自動圧縮機の圧縮機構を示す側面断面図であ
る。

【図４】圧縮機構の一部断面図である。

【図５】ゲート機構の正面図である。

【図６】ゲート機構の一部切欠平面図である。

【図７】圧縮固形化した状態の金属切粉の外観図であ
る。

【図８】自動圧縮機の筒体の断面図である。

【図９】図８のＡ−Ａ線断面図である。

【図１０】筒体の平面図である。

【図１１】筒体の逃げ機構を示す断面図である。

【図１２】従来技術の説明的断面図である。

【符号の説明】

２ 架台 ４ 機体 ６ 油圧ユニット ８ オイルタンク １０ ホッパー １０ａ 外側ホッパー １０ｂ 内側ホッパー １２ ギアードモータ １４ ブラケット １６ コンベアスクリュー １８ 搬送路 ２０ 外部筒体 ２２ 油圧シリンダー ２４ 筒体 ２６ 開口部 ２８ 開口部 ３０ 凹入部 ３２ ボルト挿入孔 ３４ ボルト ３６ ねじ穴 ３８ コイルばね ４０ 押圧板 ４２ 案内部材 ４４ 案内部材 ４６ ボルト ４８ 傾斜面 ５０ アリ溝案内部 ５２ ゲート ５４ 油圧シリンダー ５６ 油圧シリンダー ５８ 連結金具 ６０ 連結金具 ６２ 昇降板 ６４ シュート ６６ 廃油タンク ６８ 切粉 ７０ ホッパー ７２ 切粉 ７４ コンベアスクリュ− ７６ 空洞 ７８ ヒンジ部材 ８０ 枢軸 ８２ ブラケット ８４ コロ ８６ 偏心カム ８８ モータ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 機体と、該機体に支承された外側ホッパ
   ー（１０ａ）と、該外側ホッパー（１０ａ）内に重ねて
   配置された内側ホッパー（１０ｂ）と、該内側ホッパー
   （１０ｂ）に振動運動を付与する振動付与手段と、前記
   内側ホッパー（１０ｂ）内の金属切粉等を、前記外側ホ
   ッパー（１０ａ）の底部に配設された搬送路（１８）に
   沿って所定方向に送るための、モータ（１２）により駆
   動されるコンベアスクリュー（１６）と、周壁に、前記
   搬送路（１８）内を前記コンベアスクリュー（１６）に
   より送られてくる金属切粉等を受け入れるための開口部
   （２６）が形成された筒体（２４）と、前記筒体（２
   ４）にスライド自在に密嵌配置された円盤状の押圧板
   （４０）と、前記押圧板（４０）を前記筒体（２４）に
   沿って駆動するためのシリンダー（２２）と、前記筒体
   （２４）の一端部に軸方向に対して直角方向に移動可能
   に配置された前記筒体（２４）の一端部を開閉する為の
   ゲート（５２）と、前記ゲート（５２）を開閉方向に駆
   動する駆動手段とを備えた金属切粉等自動圧縮機。