JPH08276180A - イオン交換純水の脱臭精製方法 - Google Patents

イオン交換純水の脱臭精製方法

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JPH08276180A
JPH08276180A JP7081188A JP8118895A JPH08276180A JP H08276180 A JPH08276180 A JP H08276180A JP 7081188 A JP7081188 A JP 7081188A JP 8118895 A JP8118895 A JP 8118895A JP H08276180 A JPH08276180 A JP H08276180A
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exchange resin
ion
acidic cation
cation exchange
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JP7081188A
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Muneyuki Iwabuchi
宗之 岩渕
Hiroshi Shimizu
博 清水
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N G K FUIRUTETSUKU KK
NGK Insulators Ltd
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N G K FUIRUTETSUKU KK
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】イオン交換純水中の臭気物質を除去して無臭と
するイオン交換純水の脱臭精製方法を提供する。 【構成】複床式純水製造装置、混床式純水製造装置など
の純水製造装置1により生成されるイオン交換純水中の
臭気物質を、水素型弱酸性カチオン交換樹脂2を用いて
通水処理することで、臭気のない精製純水を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複床式純水製造装置や
混床式純水製造装置で原水を処理して得られるイオン交
換純水中に含まれる臭気物質を除去するためのイオン交
換純水の脱臭精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、上水道水等の原水を純水製造
装置で処理して純水を得ることが、特に半導体製造や食
品製造の分野において行われている。純水製造装置とし
ては、原水を強酸性カチオン交換樹脂を通過させて処理
した後強塩基性アニオン交換樹脂を通過させて処理する
構成の複床式純水製造装置や、原水を強酸性カチオン交
換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂との混合物を通過さ
せて処理する構成の混床式純水製造装置が用いられてい
る。
【0003】これらの純水製造装置では、イオン交換樹
脂を使用するため、処理後のイオン交換純水中にイオン
交換樹脂より漏出する臭気物質を含むことがあった。こ
のようなイオン交換純水中への臭気物質の混入は、半導
体製造等の分野では特に問題とならないが、食品製造等
の分野では製品に臭いがつく等の不具合があるため大き
な問題であった。この問題を解決するため、従来例えば
「活性炭水処理技術と管理」、日刊工業新聞社(1978)、
第130 頁において開示されているように、活性炭を用い
てイオン交換純水を処理し脱臭する方法が行われてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した活性
炭を用いた従来方法には、以下の(1)〜(3)のよう
な欠点があった。 (1)塩分やアルカリ分による処理水の汚染:イオン交
換純水を活性炭で処理する際、活性炭より塩分やアルカ
リ分等の不純物が処理水中に溶出して処理水を汚染し、
脱イオンしたイオン交換純水の純度を低下させる。 (2)微生物による処理水の汚染:活性炭は多孔質構造
を有し、微生物の絶好な住居となるため、活性炭中では
多くの微生物が繁殖する。したがって、活性炭でイオン
交換純水を処理すると、処理水中にこれらの微生物が混
入して汚染されるため、その処理水は不衛生なものとな
り、食品製造等の用途には使用できない。 (3)頻繁な活性炭の回生処理や殺菌処理:活性炭の臭
気除去能力を回復し、また活性炭中で繁殖した微生物を
殺菌するためには、活性炭を焼成したり、高温スチーム
で処理するなどの必要があり、かつそれらの回生処理や
殺菌処理を頻繁に行わなければならない。
【0005】本発明の目的は上述した課題を解消して、
イオン交換純水中の臭気物質を除去して無臭とするイオ
ン交換純水の脱臭精製方法を提供しようとするものであ
る。また、本発明の他の目的は、イオン交換純水中の臭
気物質を除去すると同時に、イオン交換純水を高純度に
するイオン交換純水の脱臭精製方法を提供しようとする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン交換純水
の脱臭精製方法は、イオン交換純水中の臭気物質を、水
素型弱酸性カチオン交換樹脂を用いて処理することによ
り除去することを特徴とするものである。
【0007】
【作用】強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交
換樹脂とを組み合わせた複床式純水製造装置または混床
式純水製造装置により生成されるイオン交換純水中に
は、強塩基性アニオン交換樹脂より発生するアミン類に
基づく臭気物質が存在する。これらの臭気物質は、主と
して強塩基性アニオン交換樹脂より発生する微量の溶出
物や、第四アンモニウム基の分解産物であるアミン類で
あって、アミン臭気を発生する。本発明では、水素型弱
酸性カチオン交換樹脂を用いて、これらのアミン臭気を
発生する物質をイオン交換純水から除去して、イオン交
換純水を無臭としている。
【0008】また、複床式純水製造装置を用いて製造し
たイオン交換純水は、上記のように臭気物質を含む他、
原水中の塩類に基づく塩基性(アルカリ性)物質を含
む。本発明では、そのイオン交換純水を水素型弱酸性カ
チオン交換樹脂で処理することで塩基性物質を中和除去
することができ、イオン交換純水の脱臭とともにそのpH
を中性に近づけ、かつ電気伝導率を減少させて、イオン
交換純水を高純度としている。さらに、水素型弱酸性カ
チオン交換樹脂を使用することで、その回生や再生が容
易になるばかりか、その際に熱苛性ソーダ処理や塩酸ま
たは硫酸等の鉱酸処理を行うので、水素型弱酸性カチオ
ン交換樹脂の殺菌、消毒も行うことができ、処理純水の
微生物汚染をも防止することができる。
【0009】
【実施例】図1は本発明のイオン交換純水の脱臭精製方
法の一例を説明するための図である。図1において、上
水道水等の原水を純水製造装置1により処理してイオン
交換純水を得た後、そのイオン交換純水を水素型弱酸性
カチオン交換樹脂2により処理して、脱臭精製した処理
水を得ている。純水製造装置1としては、従来から公知
のイオン交換樹脂を使用した装置、例えば上述した複床
式純水製造装置や混床式純水製造装置を使用することが
できる。以下、本発明で使用する各構成の技術的要件に
ついて詳述する。
【0010】(1)イオン交換純水:例えば、強酸性カ
チオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂とを組み合
わせた複床式純水製造装置または混床式純水製造装置に
原水を通水して得られる純水をいう。
【0011】複床式純水製造装置のイオン交換純水は、
原水を先ずH型(水素型)に再生した強酸性カチオン交
換樹脂の充填塔に通水し、その処理水をそのまま又は脱
炭酸塔又は真空脱気塔等に通して炭酸および酸素などの
気体を除去した後、OH型(水酸基型)に再生した強塩
基性アニオン交換樹脂の充填塔に通水して、イオン交換
純水としている。
【0012】複床式純水製造装置により生成されるイオ
ン交換純水は、強塩基性アニオン交換樹脂の溶出物や第
四アンモニウム基の分解により発生したトリメチルアミ
ンやジメチルエタノールアミンなどのアミン化合物を含
み、アミン臭を呈する。また、H型強酸性カチオン交換
樹脂の原水とのカチオン交換反応は、大部分が中性塩分
解反応によるものであるから、反応効率があまり良くな
く、カチオン交換処理水中には未反応の塩が存在する。
そのため、その処理水をOH型強塩基性アニオン交換樹
脂で処理すると、それらの未反応の塩が相当する苛性ア
ルカリとなって、処理水のpHを上昇させ、電気伝導率の
低下を阻害する結果となり、生成されるイオン交換純水
の純度は低いものとなる。
【0013】混床式純水製造装置のイオン交換純水は、
原水をH型に再生した強酸性カチオン交換樹脂と、OH
型に再生した強塩基性アニオン交換樹脂との混合物を充
填した混床塔に通水して、イオン交換純水としている。
【0014】混床式純水製造装置においては、強塩基性
アニオン交換樹脂より生じた溶出物や第四アンモニウム
基の分解により発生したトリメチルアミンやジメチルエ
タノールアミンなどのアミン化合物が、隣接するH型強
酸性カチオン交換樹脂によって大部分が吸着除去される
ので、生成されるイオン交換純水はアミン臭が複床式純
水製造装置のイオン交換純水よりは少なく、純度も高
い。しかし、混床塔の下部に存在する強塩基性アニオン
交換樹脂より生じたアミン臭物質は、隣接する強酸性カ
チオン交換樹脂と接触する機会と時間が少ないので、相
当量のアミン臭が処理水中に残存する結果となる。
【0015】(2)強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性
アニオン交換樹脂:複床式純水製造装置および混床式純
水製造装置に充填して使用される強酸性カチオン交換樹
脂と強塩基性アニオン交換樹脂は、汎用される通常のイ
オン交換樹脂が全て使用される。
【0016】(3)弱酸性カチオン交換樹脂:弱酸性カ
チオン交換樹脂としては、イオン交換樹脂の交換基とし
てカルボキシル基などの弱酸性基を有するカチオン交換
樹脂で、例えばメタクリル酸やアクリル酸などを有する
高分子化合物が使用される。
【0017】交換基の酸性度は、酸解離指数(pKa) とし
て 4〜6 程度のものが望ましい。アミン臭物質の吸着力
は pKaが小さい方がよいが、 pKaが 4未満であると、処
理水のpHが下がりすぎて酸性となり、また電気伝導率が
上昇して純度が悪くなる欠点を生ずる。一方、 pKaが 6
を越えると、pHが酸性となる危険性は少ないが、アミン
臭物質の除去効率が低下する欠点を生ずる。そのため、
処理すべきイオン交換純水の性質に応じて、弱酸性カチ
オン交換樹脂の pKaを 4〜6 の範囲から選ぶことが好ま
しい。
【0018】弱酸性カチオン交換樹脂は、種類によって
低重合物を不純物として含むものがあり、処理水に樹脂
に基づく異臭を与えることがあるので注意が必要であ
る。かかる場合は、使用前に40〜80℃の熱苛性アルカリ
水溶液で処理し、次いで40〜80℃の熱水で十分に洗浄す
ることが必要である。
【0019】弱酸性カチオン樹脂の再生は、 1〜10% 程
度の塩酸や硫酸などの鉱酸を使用して行うが、吸着した
アミン物質が十分に脱着出来ないときは、40〜80℃の苛
性アルカリ水溶液で回生処理を行った後、鉱酸による所
定の再生操作を行う必要がある。
【0020】本発明で使用するイオン交換純水の無臭化
材である水素型カチオン交換樹脂は、上述した方法で回
生や再生が行われるので、その際に殺菌・消毒され、次
いで行われるイオン交換純水の無臭化工程の際に、無臭
化処理水が微生物で汚染されることを防止する。
【0021】以下、実際の例により本発明を詳細に説明
する。実施例1 強酸性カチオン交換樹脂とII型強塩基性アニオン交換樹
脂との複床式純水製造装置により生成したイオン交換純
水を、メタクリル酸型H型弱酸性カチオン交換樹脂で処
理して脱臭精製した。なお、イオン交換純水の製造、H
型弱酸性カチオン交換樹脂の調整およびH型弱酸性カチ
オン交換樹脂によるイオン交換純水の脱臭精製処理は、
以下の通りであった。
【0022】(1)イオン交換純水の製造:スチレンと
ジビニルベンゼンの共重合物にスルホン酸基を有する強
酸性カチオン交換樹脂1単位体積量を充填したカチオン
交換樹脂塔と、脱炭酸塔と、スチレンとジビニルベンゼ
ンの共重合物に第四アンモニウム基としてジメチルエタ
ノールアンモニウム基を有するII型強塩基性アニオン交
換樹脂2単位体積量を充填したアニオン交換樹脂塔とを
組み合わせた複床式純水製造装置を使用し、これに上水
道水を活性炭で処理して無臭とした原水を通水して、イ
オン交換純水を製造した。
【0023】すなわち、原水を先ずH型に再生したカチ
オン交換樹脂塔に通水し、その処理水を脱炭酸塔に通水
し、脱炭酸塔下部より空気を吹き込んで遊離炭酸を大部
分除去し、次いでその脱炭酸水をOH型に再生したアニ
オン交換樹脂塔に通水して、イオン交換純水を製造し
た。通水流量は、アニオン交換樹脂量に対して空間速度
(SV)が20/hとなるように調節した。生成したイオン交換
純水の水質は、ほぼ定常状態となった時点で、pHは 8.0
〜8.1 、電気伝導率は 1.5〜1.4 μS/cm(25 ℃) 、水温
25℃で、アミン臭のような芳香性臭気を有していた。
【0024】(2)H型弱酸性カチオン交換樹脂の調
整:メタクリル酸をイオン交換樹脂の交換基として有す
る弱酸性カチオン交換樹脂である米国のSybron社製のIo
nac CCを使用した。Ionac CCの酸性度は、pKa5.8であ
る。Ionac CCは、樹脂中に存在する低重合物などの不純
物により処理水に異臭を与えることがないように、使用
前に60℃の4%熱苛性ソーダ水溶液を通して流出液の臭気
が殆どなくなるまで処理し、さらに60℃の熱水で流出水
が無臭となるまで十分に洗浄し、最後に常温水で洗浄し
て冷却する一連の前処理を行って精製し、使用に供し
た。
【0025】弱酸性カチオン交換樹脂の回生と再生を行
うには、先ず60℃の4%苛性ソーダ水溶液を樹脂層に通液
して吸着した臭気物質を除去し、60℃の熱水で残留苛性
ソーダ水溶液を置換した後、常温水で洗浄・冷却して回
生処理を行った。その後、5%塩酸を通液し、水洗してH
型に再生した。
【0026】(3)H型弱酸性カチオン交換樹脂による
イオン交換純水の脱臭精製処理:(2)項で調整された
H型弱酸性カチオン交換樹脂150mL を、内径22mmの樹脂
筒に充填する。樹脂層高さは39.5mmとなる。この樹脂筒
に(1)項で製造したイオン交換純水を通水した。通水
量流は6L/hで、H型弱酸性カチオン交換樹脂に対する空
間速度(SV)は40/hとした。イオン交換純水の脱臭精製結
果を以下の表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果から、メタクリル酸型H型カチ
オン交換樹脂による処理により、イオン交換純水中のア
ミン臭的芳香性臭気は除去されて無臭となり、またイオ
ン交換純水のpH 8.0〜8.1 は中性に近づいてpH7.2 とな
り、さらに電気伝導率(導電率)は 1.5〜1.4 μS/cm
(25℃) が 0.8μS/cm (25℃) に低下し、無臭かつ中性
で電気伝導率も良好な精製純水を得られることがわかっ
た。
【0029】実施例2 強酸性カチオン交換樹脂とII型強塩基性アニオン交換樹
脂との複床式純水製造装置により生成したイオン交換純
水を、アクリル酸型H型弱酸性カチオン交換樹脂で処理
して脱臭精製した。なお、イオン交換純水の製造、H型
弱酸性カチオン交換樹脂の調整およびH型弱酸性カチオ
ン交換樹脂によるイオン交換純水の脱臭精製処理は、以
下の通りであった。
【0030】(1)イオン交換純水の製造:実施例1と
同様である。ただし、水温は21℃であった。
【0031】(2)H型弱酸性カチオン交換樹脂の調
整:アクリル酸をイオン交換樹脂の交換基として有する
弱酸性カチオン交換樹脂である三菱化学(株)製のダイ
ヤイオンWK20を使用した。ダイヤイオンWK20の酸性度
は、pKa5.3である。ダイヤイオンWK20は、実施例1の場
合と同様に一連の前処理を行って精製して使用した。ま
た、弱酸性カチオン交換樹脂の回生と再生は、実施例1
の場合と同様にして行った。
【0032】(3)H型弱酸性カチオン交換樹脂による
イオン交換純水の脱臭精製処理:(2)項で調整された
H型弱酸性カチオン交換樹脂を、実施例1と同様の樹脂
筒に 150mL充填した。この樹脂筒に(1)項で製造した
イオン交換純水を通水した。通水流量は実施例1と同様
の6L/hで、H型弱酸性カチオン交換樹脂に対する空間速
度(SV)は40/hとした。イオン交換純水の脱臭精製処理結
果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】表2の結果から、アクリル酸型H型カチオ
ン交換樹脂による処理により、イオン交換純水中のアミ
ン臭的芳香性臭気は除去されて無臭となり、またイオン
交換純水のpH 8.0〜8.1 〜8.0 は中性に近づいてpH 7.2
〜7.1 〜7.2 となり、さらに電気伝導率(導電率)は
1.6〜1.4 μS/cm (25℃) が 0.8 〜0.9 〜0.8 μS/cm
(25℃) に低下し、無臭かつ中性で電気伝導率も良好な
精製純水を得られることがわかった。
【0035】実施例3 強酸性カチオン交換樹脂とI型強塩基性アニオン交換樹
脂との複床式純水製造装置により生成したイオン交換純
水を、アクリル酸型H型弱酸性カチオン交換樹脂で処理
して脱臭精製した。なお、イオン交換純水の製造、H型
弱酸性カチオン交換樹脂の調整およびH型弱酸性カチオ
ン交換樹脂によるイオン交換純水の脱臭精製処理は、以
下の通りであった。
【0036】(1)イオン交換純水の製造:実施例1と
同様であるが、強塩基性アニオン交換樹脂としては、ス
チレンとジビニルベンゼンの共重合物に第四アンモニウ
ム基としてトリメチルアンモニウム基を有するI型強塩
基性アニオン交換樹脂を充填したアニオン交換樹脂塔を
使用し、このアニオン交換樹脂塔とカチオン交換樹脂塔
および脱炭酸塔とを組み合わせた複床式純水製造装置を
使用し、これに実施例1と同様に上水道水を活性炭で処
理して無臭とした原水を通水してイオン交換純水を製造
した。生成したイオン交換純水の水質は、ほぼ定常状態
となった時点で、pH9.0 、電気伝導率(導電率) 1.6μ
S/cm(25 ℃) 、水温22℃で、アミン臭のような芳香性臭
気を有していた。
【0037】(2)H型弱酸性カチオン交換樹脂の調
整:アクリル酸をイオン交換樹脂の交換基として有する
弱酸性カチオン交換樹脂である米国のPurolite社製のPu
rolite 105E を使用した。Purolite 105E の酸性度pKa
は 3.8である。Purolite 105E は、実施例1と同様に一
連の前処理を行って使用に供した。また、弱酸性カチオ
ン交換樹脂の回生と再生は、実施例1の場合と同様にし
て行った。
【0038】(3)H型弱酸性カチオン交換樹脂による
イオン交換純水の脱臭精製処理:(2)項で調整された
H型弱酸性カチオン交換樹脂を、実施例1と同様の樹脂
筒に 150mL充填した。この樹脂筒に、(1)項で製造し
たイオン交換純水を通水した。通水流量は実施例1と同
様の6L/hで、H型弱酸性カチオン交換樹脂に対する空間
速度(SV)は40/hとした。イオン交換純水の脱臭精製結果
を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】表3の結果から、アクリル酸型H型カチオ
ン交換樹脂による処理により、イオン交換純水中のアミ
ン臭的芳香性臭気は除去されて無臭となり、またイオン
交換純水のpH9.0 は中性に近づいてpH 6.7となり、さら
に電気伝導率(導電率)は1.6 μS/cm (25℃) が 0.7μ
S/cm (25℃) に低下し、無臭かつ中性で電気伝導率も良
好な精製純水を得られることがわかった。
【0041】実施例4 強酸性カチオン交換樹脂とI型強塩基性アニオン交換樹
脂との混床式純水製造装置により生成したイオン交換純
水を、メタクリル酸型H型弱酸性カチオン交換樹脂で処
理して脱臭精製した。なお、イオン交換純水の製造、H
型弱酸性カチオン交換樹脂の調整およびH型弱酸性カチ
オン交換樹脂によるイオン交換純水の脱臭精製処理は、
以下の通りであった。
【0042】(1)イオン交換純水の製造:使用する強
酸性カチオン交換樹脂とI型強塩基性アニオン交換樹脂
は、実施例3と同じ種類のものとし、強酸性カチオン交
換樹脂1単位体積とI型強塩基性アニオン交換樹脂2単
位体積とを混合した混床式純水製造装置として用い、こ
れに実施例1の場合と同様に調整した原水を通水してイ
オン交換純水を製造した。通水流量は、アニオン交換樹
脂量に対して空間速度(SV)で20/hとした。生成したイオ
ン交換純水の水質は、ほぼ定常状態においてpH7.0 、電
気伝導率(導電率)は約0.07μS/cm (25℃) 、水温25℃
で、アミン臭のような芳香性臭気を少し有していた。
【0043】(2)H型弱酸性カチオン交換樹脂の調
整:メタクリル酸をイオン交換樹脂の交換基として有す
る弱酸性カチオン交換樹脂である米国Sybron社製のIona
c CC(pKa5.8)を使用した。Ionac CCは、実施例1の場合
と同様に一連の前処理を行って使用に供した。また、弱
酸性カチオン交換樹脂の回生と再生は、実施例1の場合
と同様にして行った。
【0044】(3)H型弱酸性カチオン交換樹脂による
イオン交換純水の脱臭精製処理:(2)項で調整された
H型弱酸性カチオン交換樹脂を、実施例1と同様の樹脂
筒に150mL 充填した。この樹脂筒に(1)項で製造した
イオン交換純水を通水した。通水流量は実施例1と同様
の6L/hで、H型弱酸性カチオン交換樹脂に対する空間速
度(SV)は40/hとした。イオン交換純水の脱臭精製結果
は、メタクリル酸型H型弱酸性カチオン交換樹脂による
処理によって、イオン交換純水中に存在したアミン臭的
芳香製臭気は完全に除去された無臭になり、またイオン
交換純水のpH7.0 は殆ど変化せず、さらにイオン交換純
水の電気伝導率(導電率)約0.07μS/cm (25℃) も殆ど
変化せず、完全に無臭の高純度純水を得ることができ
た。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明に
よれば、複床式純水製造装置、混床式純水製造装置など
により生成されるアミン臭を有するイオン交換純水を、
弱酸性カチオン交換樹脂で通水処理しているため、アミ
ン臭気を発生する物質をイオン交換純水から除去して、
イオン交換純水を無臭とすることができる。
【0046】また、複床式純水製造装置を用いて製造し
たイオン交換純水は、上記のように臭気物質を含む他、
原水中の塩類に基づく塩基性(アルカリ性)物質を含
む。本発明では、そのイオン交換純水を水素型弱酸性カ
チオン交換樹脂で処理することで塩基性物質を中和除去
することができ、イオン交換純水の脱臭とともにそのpH
を中性に近づけ、かつ電気伝導率を減少させて、イオン
交換純水を高純度水に精製することができる。さらに、
水素型弱酸性カチオン交換樹脂を使用することで、その
回生や再生が容易になるばかりか、その際に熱苛性ソー
ダ処理や塩酸または硫酸等の鉱酸処理を行うので、水素
型弱酸性カチオン交換樹脂の殺菌、消毒も行うことがで
き、処理純水の微生物汚染をも防止することができる。
【0047】そのため、本発明のイオン交換純水の脱臭
精製方法は、飲料の製造における割り水や希釈水用の無
臭純水の製造、自動販売機用純水の製造、ミネラルウォ
ーター用基準無臭純水の製造などに好適に使用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン交換純水の脱臭精製方法の一例
を説明するための図である。
【符号の説明】
1 純水製造装置、2 水素型弱酸性カチオン交換樹脂

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン交換純水中の臭気物質を、水素型弱
    酸性カチオン交換樹脂を用いて処理することにより除去
    することを特徴とするイオン交換純水の脱臭精製方法。
  2. 【請求項2】前記イオン交換純水が、強酸性カチオン交
    換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂よりなる複床式純水
    製造装置の処理水である請求項1記載のイオン交換純水
    の脱臭精製方法。
  3. 【請求項3】前記イオン交換純水の脱臭とともに、イオ
    ン交換純水中の塩基性物質を中和して除去することによ
    り、イオン交換純水のpHを中性に近づけ、同時にイオン
    交換純水の電気伝導率を減少させる請求項2記載のイオ
    ン交換純水の脱臭精製方法。
  4. 【請求項4】前記イオン交換純水が、強酸性カチオン交
    換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂の混合物よりなる混
    床式純水製造装置の処理水である請求項1記載のイオン
    交換純水の脱臭精製方法。
JP7081188A 1995-04-06 1995-04-06 イオン交換純水の脱臭精製方法 Pending JPH08276180A (ja)

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