JPH08275182A - カラーモード・赤外モード共用型テレビカメラ - Google Patents

カラーモード・赤外モード共用型テレビカメラ

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JPH08275182A
JPH08275182A JP7094604A JP9460495A JPH08275182A JP H08275182 A JPH08275182 A JP H08275182A JP 7094604 A JP7094604 A JP 7094604A JP 9460495 A JP9460495 A JP 9460495A JP H08275182 A JPH08275182 A JP H08275182A
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color
light
blue
mode
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JP7094604A
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Takashi Omuro
隆司 大室
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な膜構成より成る色分解光学系を使用す
ることにより、赤外モード撮像時に可視域から離れた波
長領域の赤外光束を用いて可視域の光束と分離して撮像
することができるカラーモード・赤外モード共用型テレ
ビカメラを得ること。 【構成】 被写体からの光束を3つのプリズムブロック
より成る色分解光学系を介して少なくとも青色光、赤色
光、緑色光の3つの色光に色分解し撮像素子へ導くと共
に、赤外線阻止フィルター又は赤外線透過フィルターを
着脱させることにより、カラーモード撮像と赤外モード
撮像との切り替えを行なう際、該被写体からの光束を入
射させるプリズムブロックの透過反射面の一部に青色光
及び赤外光を反射させ、残りの色光を透過させる青反射
ダイクロイック膜を施し、その青反射ダイクロイック膜
の基本膜構成を高屈折率層膜と低屈折率層膜との光学膜
厚比が3:1で12層以上の交互層より構成したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラーモード・赤外モー
ド共用型テレビカメラに関し、特にプリズムとダイクロ
イック膜より成る色分解光学系と3つの撮像素子(CC
D)を使用し、可視光と赤外光の2つの撮影モードで撮
像するようにした、例えばテレビカメラに好適なカラー
モード・赤外モード共用型テレビカメラに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来よりカラーモード・赤外モード共用
型テレビカメラにおいては、例えば特開昭52−129
233号公報や特開平2−82876号公報等で提案さ
れているようにテレビカメラとして通常の可視光による
カラー画像の撮像と赤外光による白黒の赤外画像の撮像
とを1台のカメラで行なう共用型のものが知られてい
る。
【0003】特開昭52−129233号公報ではカラ
ーモードでの撮像時には赤外線を阻止(カット)する赤
外線阻止フィルターを撮像素子の入射光路上に配置し、
赤外モードでの撮像時にはこの赤外線阻止フィルターを
その光路から取り外すことにより共用化している。
【0004】特開平2−82876号公報では赤外線阻
止フィルターと、赤外線阻止機能及び色温度補正機能の
両機能を持ったフィルター及び素通しフィルターをフィ
ルターディスク内に配置し、該フィルターディスクの回
転によるフィルターの切換え操作により共用化してい
る。
【0005】又、同公報では被写体からの光束を複数の
プリズムより成る色分解光学系を介して、例えば青色
光、赤色光、緑色光の3つの色光に色分解し、該分解さ
れた各色光を対応する撮像素子へ導いている。
【0006】しかしながら同公報では色分解光学系を構
成するプリズムの構成やダイクロイック膜の構成及び光
学特性については何ら開示されていなかった。
【0007】図11は色分解光学系として通常使用され
ている3つのプリズムとダイクロイック膜とを用いた従
来のカラーモード・赤外モード共用型テレビカメラの光
学系の要部概略図である。
【0008】同図においてLeは対物レンズ(撮影レン
ズ)、501は色分解光学系、502は青色分解プリズ
ムであり、その透過反射面(青色ダイクロイック蒸着
面)502bには図14に示す分光反射特性を有する青
反射ダイクロイック膜が施されており、青色光を反射さ
せている。この青反射ダイクロイック膜の膜構成を表−
4に示す。
【0009】503は赤色分解プリズムであり、その入
射面503aは青色分解プリズム502と微小な空気間
隙を隔てて配置しており、その透過反射面(赤色ダイク
ロイック蒸着面)503bには図6に示す分光反射特性
を有する赤反射ダイクロイック膜が施されており、赤色
光及び赤外光を反射させている。この赤反射ダイクロイ
ック膜の膜構成を表−3に示す。
【0010】504は緑色分解プリズムであり、その入
射面504aは赤色分解プリズム503の透過反射面5
03bと接着されている。505B,505R,505
Gは各々青色用、赤色用、緑色用の固体撮像素子として
の撮像素子(CCD)であり、それぞれの射出面502
C,503C,504Cと対向して配置している。
【0011】506は着脱可能な赤外線阻止フィルター
であり、赤外線のみを阻止(カット)しており、カラー
モード撮像時には対物レンズLeと色分解光学系501
との間の光路中に挿入している。この赤外線阻止フィル
ター506の赤外線阻止機能は、例えば硝子基板上にダ
イクロイック膜を形成して実現しており、該ダイクロイ
ック膜の構成を表−1に、その分光透過特性を図4に示
す。
【0012】次に図11に示したカラーモード・赤外モ
ード共用型テレビカメラの作用について説明する。
【0013】まずカラーモード撮像においては対物レン
ズLeを通過し、赤外線阻止フィルター506にて赤外
光を除去された被写体からの光束が青色分解プリズム5
02の入射面502aより入射する。そして入射光束の
うち青色分解プリズム502の青反射ダイクロイック膜
を施した透過反射面502bにて青色光Bが分離され、
入射面502aで全反射した後、射出面502cから射
出し、撮像素子505Bに入射する。そして撮像素子5
05Bにて青色光Bを撮像(色再現)している。
【0014】又、青色分解プリズム502の透過反射面
502bを透過した光束(赤色光及び緑色光)は赤色分
解プリズム503の赤反射ダイクロイック膜を施した透
過反射面503bにて赤外光Rが分離され入射面503
aで全反射した後、射出面503cより射出し、撮像素
子505Rに入射する。そして撮像素子505Rにて赤
色光Rを撮像(色再現)している。そして青色、赤色成
分以外の緑色光Gは緑色分解プリズム504を透過し射
出面504cより射出し、撮像素子505Gに入射す
る。そして撮像素子505Gにて緑色光Gを撮像(色再
現)している。
【0015】次に赤外モード撮像においては、前述の赤
外線阻止フィルター506を対物レンズLeの有効光束
外に退避させ、赤外光を含む全ての波長帯域の光束を青
色分解プリズム502の入射面502aより入射させ
る。尚、このとき赤外線阻止フィルター506を退避さ
せた後には、通常、撮像面に合わされたレンズのピント
位置にズレが生じないように所定の厚さの硝子板507
を光路内に挿入している。
【0016】入射面502aから入射した被写体からの
光束は前述と同様に色分解光学系501により青色光B
´、赤色光R´、緑色光G´の3つの色光に分離される
が、青色用の撮像素子505Bと緑色用の撮像素子50
5Gは、この赤外モード撮像時においては各々動作しな
いように設定してあるので、実際に映像信号(赤外画像
信号)として使われるのは赤色用の撮像素子505Rに
入射する赤色光R´のみである。
【0017】図12、図13は各々上記に示した作用を
有する従来のカラーモード・赤外モード共用型テレビカ
メラにおける色分解光学系の総合分光特性図である。図
12は赤外線阻止フィルター506が対物レンズLeと
色分解光学系501との間の光路中に挿入されたときの
カラーモードでの撮像時の総合分光特性を示しており、
図13は赤外線阻止フィルター506が光路内から取り
除かれたときの赤外モードでの撮像時の総合分光特性を
示している。
【0018】又、図8にカラーモード・赤外モード共用
型テレビカメラにて使用できる赤外域にも感度のある撮
像素子の分光感度特性の例を示し、図10にこの撮像素
子の分光感度特性(図8)と赤外モードでの撮像時の総
合分光特性(図13)とを掛け合わせたときの分光特性
を示す。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】図11に示した従来の
カラーモード・赤外モード共用型テレビカメラにおい
て、赤外モード撮像時には赤色用の撮像素子5Rに入射
する赤色光R´にて撮像するが、これは図10に示すよ
うに可視域を含み、それに隣接した近赤外域のみの撮像
が可能であった。
【0020】しかしながら、例えば夜行動物の行動を夜
間や暗所にて被写体に気付かれぬよう目に見えない赤外
照明を施し撮影する場合には、できるだけ可視域より離
れた波長域の光束であることが必要となる。
【0021】又、植物等の生物の生態を調査する為に赤
外域の情報が有用であるが、このような観察の際にも可
視域から離れた波長域の光束を可視域の光束と分離して
取り出すことが必要である。
【0022】しかしながら従来のカラーモード・赤外モ
ード共用型テレビカメラにおける赤色光R´は図10に
示す分光特性からも分かるように波長820nm付近で
急激に透過率が落ち込む為、赤外域にも感度のある撮像
素子を使用しても可視域から離れた波長域の光束を撮像
することが非常に難しかった。又波長600nm付近の
可視域から高い感度特性を持っている為、赤外領域の光
束を可視域の光束と分離して取り出すことも難しかっ
た。
【0023】一般に赤外光R´の透過帯域を可視域から
離れた波長域まで良好に保つ為には赤反射ダイクロイッ
ク膜を構成する高屈折率層膜の物質の屈折率と低屈折率
層膜の物質の屈折率との屈折率比(高屈折率層膜の物質
の屈折率/低屈折率層膜の物質の屈折率)を大きくすれ
ば良い。
【0024】しかしながら表−3に示すように赤反射ダ
イクロイック膜の高屈折率層膜の物質の屈折率は現在一
般的に使われる蒸着物質の中で最も高い屈折率が得られ
るTiO2 (屈折率=2.36)を主成分とした蒸着物
質を想定したものであり、同様に低屈折率層膜の物質の
屈折率は最も低い屈折率が得られるMgF2 (屈折率=
1.38)を主成分とした蒸着物質を想定したものであ
る。従って、従来例に示す赤反射ダイクロイック膜より
更に屈折率比を大きくして赤外光R´の透過帯域を伸ば
すことは非常に難しいという問題点があった。
【0025】又、僅かにズレた2つの基準層膜厚を有す
る赤反射ダイクロイック膜とすることで反射帯域幅を拡
大することも考えられるが、この場合は膜構成が複雑化
し、より多くの層数を必要とするので量産性に欠け高価
なダイクロイック膜となり、システム全体のコストアッ
プにつながるという問題点があった。
【0026】本発明は青色光及び赤外光を反射させる青
反射ダイクロイック膜に用いる蒸着物質及びその膜構成
を適切に設定し、簡単な膜構成より成る色分解光学系を
用いることにより、赤外モード撮像時において、可視域
から離れた波長領域の赤外光束を用いて可視域の光束と
分離して撮像(赤外画像の撮影)することができるカラ
ーモード・赤外モード共用型テレビカメラの提供を目的
とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーモード・
赤外モード共用型テレビカメラは、 (1−1)対物レンズを通過した被写体からの光束を色
分解光学系を介して少なくとも青色光、赤色光、緑色光
の3つの色光に色分解し、該3つの色光に対応する撮像
素子へ導くと共に、該被写体と該撮像素子との間の光路
中に赤外線を阻止する赤外線阻止フィルター又は赤外線
を透過する赤外線透過フィルターを着脱させることによ
り、カラーモード撮像と赤外モード撮像との切り替えを
行なうカラーモード・赤外モード共用型テレビカメラで
あって、該色分解光学系は少なくとも3つのプリズムブ
ロックより成り、該3つのプリズムブロックのうち、該
被写体からの光束を入射させるプリズムブロックは、そ
の透過反射面の一部に青色光及び赤外光を反射させ、残
りの色光を透過させる青反射ダイクロイック膜が施され
ており、該青反射ダイクロイック膜は、その基本膜構成
を高屈折率層膜と低屈折率層膜との光学膜厚比が3:1
で12層以上の交互層より構成されており、該赤外線阻
止フィルターを光路内に挿入したときには、該青色用の
撮像素子から取り出す信号をカラー画像の青色信号とし
て取り出し、該赤外線阻止フィルターを光路内から取り
外し、該赤外線透過フィルターを光路内に挿入したとき
には、該青色用の撮像素子から取り出す信号を赤外画像
の信号として取り出すことにより、カラーモード撮像と
赤外モード撮像との切り替えを行なうようにしたことを
特徴としている。
【0028】(1−2)対物レンズを通過した被写体か
らの光束を色分解光学系を介して少なくとも青色光、赤
色光、緑色光の3つの色光に色分解し、該3つの色光に
対応する撮像素子へ導くと共に、該被写体と該撮像素子
との間の光路中に互いに分光特性が異なる少なくとも2
つのフィルター部材を切り替えて配置することにより、
少なくとも2つのモードで撮像するカラーモード・赤外
モード共用型テレビカメラであって、該色分解光学系は
少なくとも3つのプリズムブロックより成り、該3つの
プリズムブロックのうち、該被写体からの光束を入射さ
せるプリズムブロックは、その透過反射面の一部に青色
光及び赤外光を反射させ、残りの色光を透過させる青反
射ダイクロイック膜が施されており、該青反射ダイクロ
イック膜は、その基本膜構成を高屈折率層膜と低屈折率
層膜との光学膜厚比が3:1で12層以上の交互層より
構成されており、該少なくとも2つのフィルター部材の
うち一方のフィルター部材Aを光路内に挿入したときに
は、該青色用の撮像素子から取り出す信号をカラー画像
の青色信号として取り出し、該フィルター部材Aを光路
内から取り外し、他方のフィルター部材Bを光路内に挿
入したときには、該青色用の撮像素子から取り出す信号
を赤外画像の信号として取り出すことにより、少なくと
も2つのモードで撮像を行なうようにしたことを特徴と
している。
【0029】特に前記2つのモードのうち一方は可視光
によるカラー画像の撮像であり、他方は赤外光による赤
外画像の撮像であることや、前記フィルター部材Aは赤
外線を阻止する赤外線阻止フィルターであることや、前
記フィルター部材Bは赤外線を透過する赤外線透過フィ
ルターであること等を特徴としている。
【0030】
【実施例】図1は本発明の実施例1の要部概略図であ
る。
【0031】同図においてLeは対物レンズ(撮影レン
ズ)、1は色分解光学系であり、後述する3つのプリズ
ムブロック2,3,4より成っている。
【0032】2は青色分解プリズムであり、その透過反
射面(青色ダイクロイック蒸着面)2bの少なくとも光
束有効部をカバーする領域に図5に示す分光反射特性を
有する青反射ダイクロイック膜を施しており、該透過反
射面2bで青色光及び赤外光を反射させている。青反射
ダイクロイック膜はその基本膜構成を高屈折率層膜と低
屈折率層膜との光学膜厚比が3:1となるように交互に
14層積層して構成している。この青反射ダイクロイッ
ク膜の膜構成を表−2に示す。
【0033】本実施例における青反射ダイクロイック膜
を構成する高屈折率層膜の物質の屈折率と低屈折率層膜
の物質の屈折率との屈折率比(高屈折率層膜の物質の屈
折率/低屈折率層膜の物質の屈折率)は1.51であ
り、高屈折率膜層にTiO2 (反射率=2.09)を主
成分とする蒸着物質を使用し、低屈折率膜層にMgF2
(反射率=1.38)を主成分とする蒸着物質を使用し
ている。
【0034】蒸着物質としては、例えば高屈折率層にZ
rO2 ,CeO2 ,SiO,ZnSなどが使用でき、又
低屈折率層にはSiO2 ,Na3 AlF6 ,Al2
2 ,Al23 などが使用できる。尚蒸着膜の物質の屈
折率の調整や蒸着自体を安定させる目的で、それらを混
合して形成しても良い。
【0035】このように構成された青反射ダイクロイッ
ク膜は図5に示すように後述するカラーモード撮像時に
は必要な400〜500nmの波長帯域と、赤外モード
撮像時には必要な可視域より離れた波長帯域(800〜
1100nm)とで高い分光反射特性を得ることができ
る。
【0036】3は赤色分解プリズムであり、その入射面
3aは青色分解プリズム2と微小な空気間隙を隔てて配
置しており、その透過反射面(赤色ダイクロイック蒸着
面)3bの少なくとも光束有効部をカバーする領域に図
6に示す分光反射特性を有する赤反射ダイクロイック膜
を施しており、該透過反射面3bで赤色光及び赤外光を
反射させている。この赤ダイクロイック膜の膜構成を表
−3に示す。
【0037】4は緑色分解プリズムであり、その入射面
4aは赤色分解プリズム3の透過反射面3bと接着して
いる。
【0038】6は着脱可能な赤外線阻止フィルター(フ
ィルター部材A)であり、赤外線のみを阻止(カット)
しており、後述するようにカラーモード撮像時には対物
レンズLeと色分解光学系1との間の光路中に挿入して
いる。この赤外線阻止フィルター6の赤外線阻止機能
は、例えば硝子基板上にダイクロイック膜を形成して実
現している。このダイクロイック膜の構成を表−1に示
し、その分光透過特性を図4に示す。又赤外線阻止フィ
ルター6としては、例えば波長500nm付近にピーク
を持つシアン色の色ガラスを用いることもできる。
【0039】7は着脱可能な赤外線透過フィルター(フ
ィルター部材B)であり、可視域の光束をカットし、赤
外線のみを透過させており、後述するように赤外モード
撮像時には対物レンズLeと色分解光学系1との間の光
路中に挿入している。この赤外線透過フィルター7の分
光透過特性を図7に示す。
【0040】5B,5R,5Gは各々青色用、赤色用、
緑色用の撮像素子(CCD)であり、それぞれの射出面
2C,3C,4Cと対向して配置している。撮像素子面
には、例えばSiやPbSやPbOなどの物質を使用し
て形成している。この各撮像素子5B,5R,5Gの分
光感度特性を図8に示す。
【0041】図2は本発明の実施例1において赤外線阻
止フィルター6を対物レンズLeと色分解光学系1との
間の光路中に配置したときのカラーモード撮像(可視光
によるカラー画像の撮像)時での色分解光学系1の総合
分光特性図である。
【0042】図3は本発明の実施例1における赤外線阻
止フィルター6を対物レンズLeの有効光束内から取り
除き、赤外透過フィルター7を挿入したときの赤外モー
ド撮像(赤外光による赤外(白黒)画像の撮像)時での
色分解光学系1の総合分光特性図である。図3において
実線と破線は、それぞれ図1に示す青色分解プリズム2
の射出面2cと赤色分解プリズム3の射出面3cより射
出する光束の分光特性を示している。
【0043】次に本実施例の作用について図1を用いて
説明する。
【0044】本実施例においてカラーモード撮像時に
は、フィルター着脱機構(不図示)により赤外線阻止フ
ィルター6を対物レンズLeの有効光束内に挿入する。
そして対物レンズLeを通過し、赤外線阻止フィルター
6で赤外光を除去された被写体からの光束が青色分解プ
リズム2の入射面2aより入射する。そして入射光束の
うち青色波長帯の光束は青反射ダイクロイック膜が施さ
れた透過反射面(青色ダイクロイック蒸着面)2bで反
射した後、青色分解プリズム2の入射面2aにて全反射
して射出面2cより射出し、撮像素子5Bに入射する。
そして撮像素子5Bにて青色光Bを撮像(色再現)して
いる。
【0045】又、青色分解プリズム2の透過反射面2b
を透過した青色成分以外の光束(赤色光及び緑色光)
は、該透過反射面2bで屈折し射出する。このとき光束
は青色分解プリズム2と赤色分解プリズム3との微小間
隙を通過し、該透過反射面2bと平行な赤色分解プリズ
ム3の入射面3aに入射屈折してレンズ光軸と平行とな
って赤色分解プリズム3内を通過する。
【0046】そして赤色分解プリズム3に入射した光束
のうち赤色波長帯の光束は赤反射ダイクロイック膜が施
された透過反射面(赤色ダイクロイック蒸着面)3bで
反射し、赤色分解プリズム3の入射面3aにて全反射し
た後、射出面3cより射出して撮像素子5Rに入射す
る。そして撮像素子5Rにて赤色光Rを撮像(色再現)
している。
【0047】一方、透過反射面3bを透過した緑色成分
の光束は緑色分解プリズム4を透過し、射出面4cから
射出して撮像素子5Gに入射する。そして撮像素子5G
にて緑色光Gを撮像(色再現)している。
【0048】次に赤外モード撮像時での作用について説
明する。
【0049】本実施例において赤外モード撮像時にはフ
ィルター着脱機構(不図示)により赤外線阻止フィルタ
ー6を対物レンズLeの有効光束外に退避させ、その代
わりに赤外線透過フィルター7をその光路内に挿入させ
る。
【0050】対物レンズLeを通過した被写体からの光
束は赤外線透過フィルター7により、赤外光だけが青分
解プリズム2の入射面2aより入射する。入射した光束
(赤外光)は青反射ダイクロイック膜が施された透過反
射面2bで反射され、入射面2aで全反射した後、射出
面2cより射出して撮像素子5Bに入射する。そして撮
像素子5Bにて赤外光を撮像(赤外画像の撮影)してい
る。尚、本実施例における赤外モード撮像時には、撮像
素子5Gと撮像素子5Rの動作を抑止しても良い。
【0051】ここで赤外モード撮像時のカメラの感度特
性を論じる為に、該赤外モード撮像時での色分解光学系
の総合分光特性(図3)と撮像素子の分光感度特性(図
8)とを掛け合わせた分光特性を図9に示す。
【0052】一般に赤外モードにおけるテレビカメラの
撮影には、例えば動物の夜の行動パターンを観察すると
言った用途や、生きた植物が赤外線をよく反射すること
から植物の生態系の調査に使用するといった用途が考え
られる。前者の場合、観察対象とする動物は夜行性動物
が多く、暗所にて被写体に観察者の存在を気付かれぬよ
うにする必要がある。その為には照明に使用する光束の
波長は可視域からできるだけ離れていること、そしてそ
の波長域の光束を効率良く捉えることが必要である。
【0053】本実施例におけるテレビカメラの赤外モー
ド撮像時には、図9に示す分光特性(実線)のように感
度のピークはほぼ900nmに有しているため、可視域
から離れた目に見えない波長域の光束を使用しての撮影
ができる。
【0054】又、後者においても植物が反射する赤外線
の情報を有効に取り出すためには、前者と同様に可視域
から離れた波長域にて撮影することが必要である。更に
後者の場合には昼間の撮影も考えられる為、可視域の光
束を阻止するフィルターが必要である。本実施例におけ
るテレビカメラの赤外モード撮像時には赤外線透過フィ
ルターを光路内に配置しているので、可視域から離れた
波長域の光束を可視域の光束と分離して撮影することが
できる。
【0055】本実施例では前述の如く青反射ダイクロイ
ック膜を14層の交互層より構成したが、更に層数を増
やせば波長700nmより長い波長帯域において、より
高い反射率が得られる。しかしながら生産性やコストの
面からみて、青反射ダイクロイック膜の層数は12層以
上で、かつ35層以下にして構成することが望ましい。
これにより波長700nmより長い波長帯域において所
望の反射率が得られ良好なる画質を得ることのできる感
度を確保することができる。12層より少ない層数では
反射率が小さくなり良好なる画質を得ることのできる感
度を確保することが難しくなってくるので良くない。
【0056】又、本実施例では前述の如く青反射ダイク
ロイック膜の屈折率比(高屈折率層膜の物質の屈折率/
低屈折率層膜の物質の屈折率)を1.5よりも大きくな
るように構成している。これにより赤外領域での反射帯
域を広くすることができ、良好なる画質が得られるカラ
ーモード・赤外モード共用型のテレビカメラを得てい
る。屈折率比が1.5より小さくなると赤外領域での反
射帯域が狭くなり、良好なる画質を得ることが難しくな
ってくるので良くない。
【0057】又、本実施例において、例えば月明かりの
ような被写体に気付かれない自然の照明だけで撮像する
ときのように可視域に隣接した波長領域まで使っても高
感度な赤外モード撮像を行なうときには、撮像素子5B
と撮像素子5Rから得られる信号を合成することで、波
長700nmから長波長側の光束を有効に使用すること
もできる。
【0058】又、本実施例においては赤外線透過フィル
ターとして、例えば所定の分光特性を有する黄色フィル
ター、又は赤色フィルター等を被写体から青色光用の撮
像素子までの光路中に配置して該青色用の撮像素子5B
に入射する青色光を除去した場合、従来のカラーモード
・赤外モード共用型のテレビカメラと同様な使用が可能
で、更に長波長側に感度領域を伸ばした、赤外モード撮
像時に高感度のカラーモード・赤外モード共用型のテレ
ビカメラとすることもできる。
【0059】又、この種の3つの撮像素子を用いたカラ
ーモード・赤外モード共用型のテレビカメラにおいて、
通常撮影時(カラーモード撮像時)における青色用の撮
像素子5Bからの信号は、青色光と他の色光との光量バ
ランスから高い信号増幅率が設定されている。この為本
実施例においては赤外モード撮像時には、この青色用の
撮像素子5Bに用いる信号増幅回路をそのまま使うこと
で、より少ない照明下での撮影を可能とし、決定的瞬間
を捉えることも可能とした。従来の他の色光の信号増幅
回路を使うカラーモード・赤外モード共用型テレビカメ
ラで、これを実現させる為には、赤外モード撮像時の為
の信号増幅回路を新たに設なければならず、これは装置
全体の複雑化、かつコストアップにつながる。その点、
本実施例では上述の如く赤外モード撮像時の為の信号増
幅回路を新たに設ける必要がなく、これにより装置全体
の小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0060】尚、本実施例においては色再現性の為の色
分解手段として3つのプリズムを用いて色分解光学系を
構成したが、該プリズムの代わりに複数のダイクロイッ
クミラーと全反射ミラーとを用いて適切に組み合わせて
構成し、対物レンズからの入射光束をそれぞれ複数の波
長帯域の色成分別に色分離し、該分解された光束をそれ
ぞれ対応する撮像素子に導くように構成しても前述の実
施例と同様の効果を得ることができる。この場合は青色
ダイクロイックミラー面に前述した分光特性を有する多
層薄膜より成る青反射ダイクロイック膜を蒸着すれば良
い。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】本発明によれば前述した如く青色光及び
赤外光を反射させる青反射ダイクロイック膜に用いる蒸
着物質及びその膜構成を適切に設定し、簡単な膜構成よ
り成る色分解光学系を使用することにより、赤外モード
撮像時に可視域から離れた波長領域の赤外光束を用いて
可視域の光束と分離して良好に撮像(赤外画像の撮影)
することができるカラーモード・赤外モード共用型テレ
ビカメラを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の要部概略図
【図2】 本発明の実施例1の赤外阻止フィルターを光
路内に配置したときの色分解光学系の総合分光特性図
【図3】 本発明の実施例1の赤外透過フィルターを光
路内に配置したときの色分解光学系の総合分光特性図
【図4】 本発明の実施例1の赤外阻止フィルター透過
特性図
【図5】 本発明の実施例1の青色ダイクロイック膜の
分光特性図
【図6】 本発明の実施例1の赤色ダイクロイック膜の
分光特性図
【図7】 本発明の実施例1の赤外透過フィルターの透
過特性図
【図8】 本発明の実施例1の撮像素子の分光感度特性
【図9】 本発明の実施例1の赤外モード撮像時での色
分解光学系の総合分光特性と撮像素子の分光感度特性を
掛け合わせた分光特性図
【図10】 従来のカラーモード時での色分解光学系と
総合分光特性と撮像素子の分光感度特性を掛け合わせた
分光特性図
【図11】 従来のカラーモード・赤外モード共用型テ
レビカメラの要部概略図
【図12】 従来のテレビカメラにおいて赤外阻止フィ
ルターを光路内に配置したときの色分解光学系の総合分
光特性図
【図13】 従来のテレビカメラにおいて赤外阻止フィ
ルターを光路内から取外したときの色分解光学系の総合
分光特性図
【図14】 従来の青反射ダイクロイック膜の分光特性
【符号の説明】
1 色分解プリズム 2 第1プリズム(青色分解プリズム) 3 第2プリズム(赤色分解プリズム) 4 第3プリズム(緑色分解プリズム) 5B,5R,5G 撮像素子 6 赤外線阻止フィルター 7 赤外線透過フィルター Le 対物レンズ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズを通過した被写体からの光束
    を色分解光学系を介して少なくとも青色光、赤色光、緑
    色光の3つの色光に色分解し、該3つの色光に対応する
    撮像素子へ導くと共に、該被写体と該撮像素子との間の
    光路中に赤外線を阻止する赤外線阻止フィルター又は赤
    外線を透過する赤外線透過フィルターを着脱させること
    により、カラーモード撮像と赤外モード撮像との切り替
    えを行なうカラーモード・赤外モード共用型テレビカメ
    ラであって、 該色分解光学系は少なくとも3つのプリズムブロックよ
    り成り、該3つのプリズムブロックのうち、該被写体か
    らの光束を入射させるプリズムブロックは、その透過反
    射面の一部に青色光及び赤外光を反射させ、残りの色光
    を透過させる青反射ダイクロイック膜が施されており、
    該青反射ダイクロイック膜は、その基本膜構成を高屈折
    率層膜と低屈折率層膜との光学膜厚比が3:1で12層
    以上の交互層より構成されており、 該赤外線阻止フィルターを光路内に挿入したときには、
    該青色用の撮像素子から取り出す信号をカラー画像の青
    色信号として取り出し、 該赤外線阻止フィルターを光路内から取り外し、該赤外
    線透過フィルターを光路内に挿入したときには、該青色
    用の撮像素子から取り出す信号を赤外画像の信号として
    取り出すことにより、 カラーモード撮像と赤外モード撮像との切り替えを行な
    うようにしたことを特徴とするカラーモード・赤外モー
    ド共用型テレビカメラ。
  2. 【請求項2】 対物レンズを通過した被写体からの光束
    を色分解光学系を介して少なくとも青色光、赤色光、緑
    色光の3つの色光に色分解し、該3つの色光に対応する
    撮像素子へ導くと共に、該被写体と該撮像素子との間の
    光路中に互いに分光特性が異なる少なくとも2つのフィ
    ルター部材を切り替えて配置することにより、少なくと
    も2つのモードで撮像するカラーモード・赤外モード共
    用型テレビカメラであって、 該色分解光学系は少なくとも3つのプリズムブロックよ
    り成り、該3つのプリズムブロックのうち、該被写体か
    らの光束を入射させるプリズムブロックは、その透過反
    射面の一部に青色光及び赤外光を反射させ、残りの色光
    を透過させる青反射ダイクロイック膜が施されており、
    該青反射ダイクロイック膜は、その基本膜構成を高屈折
    率層膜と低屈折率層膜との光学膜厚比が3:1で12層
    以上の交互層より構成されており、 該少なくとも2つのフィルター部材のうち一方のフィル
    ター部材Aを光路内に挿入したときには、該青色用の撮
    像素子から取り出す信号をカラー画像の青色信号として
    取り出し、 該フィルター部材Aを光路内から取り外し、他方のフィ
    ルター部材Bを光路内に挿入したときには、該青色用の
    撮像素子から取り出す信号を赤外画像の信号として取り
    出すことにより、 少なくとも2つのモードで撮像を行なうようにしたこと
    を特徴とするカラーモード・赤外モード共用型テレビカ
    メラ。
  3. 【請求項3】 前記2つのモードのうち一方は可視光に
    よるカラー画像の撮像であり、他方は赤外光による赤外
    画像の撮像であることを特徴とする請求項2のカラーモ
    ード・赤外モード共用型テレビカメラ。
  4. 【請求項4】 前記フィルター部材Aは赤外線を阻止す
    る赤外線阻止フィルターであることを特徴とする請求項
    2のカラーモード・赤外モード共用型テレビカメラ。
  5. 【請求項5】 前記フィルター部材Bは赤外線を透過す
    る赤外線透過フィルターであることを特徴とする請求項
    2のカラーモード・赤外モード共用型テレビカメラ。
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