JPH08274660A - Fmワイヤレスマイク - Google Patents

Fmワイヤレスマイク

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JPH08274660A
JPH08274660A JP10071295A JP10071295A JPH08274660A JP H08274660 A JPH08274660 A JP H08274660A JP 10071295 A JP10071295 A JP 10071295A JP 10071295 A JP10071295 A JP 10071295A JP H08274660 A JPH08274660 A JP H08274660A
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JP
Japan
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phase shift
phase
circuit
signal
capacitor
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JP10071295A
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Tadataka Oe
忠孝 大江
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 集積化が可能であり、構成が簡単なFMワイ
ヤレスマイクを提供すること。 【構成】 発振器2は、2つの移相回路10,30と非
反転回路50とを含んでおり、一巡する信号の位相シフ
ト量が0°となるような周波数の正弦波発振が行われ
る。特に、コンデンサマイク36−2を一方の移相回路
30のキャパシタとして使用しており、このコンデンサ
マイク36−2の静電容量の音圧に応じた変化を直接F
M変調に利用して、アンテナ1からFMキャリアを出力
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声をFM変調して送
信するFMワイヤレスマイクに関する。
【0002】
【従来の技術】FMワイヤレスマイクは、マイクロホン
で集めた音声を増幅した後、FM変調を行い、このFM
変調された信号を増幅してアンテナから送信するもので
あり、そのために、マイクロホン,低周波増幅回路,F
M変調回路,高周波増幅回路,アンテナを含んで構成さ
れている。
【0003】このような構成の中でFM変調回路は、一
般には歪みの少ない正弦波を発生するLC発振器が用い
られている。このLC発振器としては、例えばコルピッ
ツ型等の各種の発振器があり、例えばその内部に含まれ
るLC共振回路のキャパシタをバリキャップ(可変容量
ダイオード)で構成し、そのキャパシタンスを音声出力
の電圧レベルの変動に応じて変化させることにより、F
M変調を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のFMワイヤレスマイクに使用されているFM変調回
路は、一般には上述したLC発振器が用いられており、
大きなインダクタ(例えば100nH程度)を使用して
いる。したがって、インダクタのみは外付け部品にしな
ければならず、集積化が困難であった。
【0005】また、従来からある各種のLC発振器は、
発振周波数を大きく変えると発振出力の電圧レベルも変
化してしまい、そのままでは実用的でなかった。そのた
め、このようなLC発振器を用いた場合には、FMキャ
リアの電圧レベルを一定にする回路が必要であり、構成
が複雑になる。
【0006】そこで、本発明はこのような課題に鑑みて
創作されたものであり、その目的は集積化が可能なFM
ワイヤレスマイクを提供することをにある。本発明の他
の目的は、回路構成が簡単なFMワイヤレスマイクを提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1のFMワイヤレスマイクは、音声を集
音するコンデンサマイクと、前記コンデンサマイクが接
続される発振器と、前記発振器から出力される信号を空
中に出力するアンテナとを含むFMワイヤレスマイクに
おいて、前記発振器は、入力された交流信号を同相およ
び逆相の交流信号に変換して出力する変換手段と、前記
変換手段によって変換された一方の交流信号をキャパシ
タを介して他方の交流信号を抵抗を介して合成する合成
手段とを含む2つの移相回路と、後段に接続された前記
移相回路から出力される交流信号の位相を変えずに所定
の増幅度で増幅して出力する非反転回路と、を備え、前
記非反転回路の出力を前段に接続された前記移相回路の
入力側に帰還させるとともに、前記コンデンサマイクを
前記2つの移相回路のいずれか一方に含まれる前記キャ
パシタとして用いることにより、前記2つの移相回路お
よび前記非反転回路のいずれかからFM変調された信号
を出力することを特徴とする。
【0008】請求項2のFMワイヤレスマイクは、請求
項1のFMワイヤレスマイクにおいて、前記移相回路に
含まれる前記変換手段は、ソースおよびドレインのそれ
ぞれにあるいはエミッタおよびコレクタのそれぞれに抵
抗値がほぼ等しい抵抗が接続されているとともに、ゲー
トあるいはベースに入力信号が入力されるトランジスタ
によって構成されており、前記トランジスタのソース・
ドレイン間あるいはエミッタ・コレクタ間に前記合成手
段を構成する前記キャパシタおよび前記抵抗からなる直
列回路を接続し、これらの前記キャパシタおよび前記抵
抗の接続の仕方を前記2つの移相回路において反対にし
たことを特徴とする。
【0009】請求項3のFMワイヤレスマイクは、音声
を集音するコンデンサマイクと、前記コンデンサマイク
が接続される発振器と、前記発振器から出力される信号
を空中に出力するアンテナとを含むFMワイヤレスマイ
クにおいて、前記発振器は、入力された交流信号を同相
および逆相の交流信号に変換して出力する変換手段と、
前記変換手段によって変換された一方の交流信号をキャ
パシタを介して他方の交流信号を抵抗を介して合成する
合成手段とを含む2つの移相回路と、後段に接続された
前記移相回路から出力される交流信号の位相を反転する
とともに所定の増幅度で増幅して出力する位相反転回路
と、を備え、前記位相反転回路の出力を前段に接続され
た前記移相回路の入力側に帰還させるとともに、前記コ
ンデンサマイクを前記2つの移相回路のいずれか一方に
含まれる前記キャパシタとして用いることにより、前記
2つの移相回路および前記位相反転回路のいずれかから
FM変調された信号を出力することを特徴とする。
【0010】請求項4のFMワイヤレスマイクは、請求
項3のFMワイヤレスマイクにおいて、前記移相回路に
含まれる前記変換手段は、ソースおよびドレインのそれ
ぞれにあるいはエミッタおよびコレクタのそれぞれに抵
抗値がほぼ等しい抵抗が接続されているとともに、ゲー
トあるいはベースに入力信号が入力されるトランジスタ
によって構成されており、前記トランジスタのソース・
ドレイン間あるいはエミッタ・コレクタ間に前記合成手
段を構成する前記キャパシタおよび前記抵抗からなる直
列回路を接続し、これらの前記キャパシタおよび前記抵
抗の接続の仕方を前記2つの移相回路において同じにし
たことを特徴とする。
【0011】請求項5のFMワイヤレスマイクは、請求
項1〜4のいずれかのFMワイヤレスマイクにおいて、
前記コンデンサマイクに直列あるいは並列に静電容量が
固定のキャパシタを接続することを特徴とする。
【0012】請求項6のFMワイヤレスマイクは、請求
項1〜5のいずれかのFMワイヤレスマイクにおいて、
前記2つの移相回路内の前記合成手段の少なくとも一方
に含まれる前記抵抗が可変抵抗であることを特徴とす
る。
【0013】請求項7のFMワイヤレスマイクは、請求
項6のFMワイヤレスマイクにおいて、前記可変抵抗を
電界効果トランジスタのチャネルによって形成し、ゲー
ト電圧を変えてチャネル抵抗を変えることを特徴とす
る。
【0014】請求項8のFMワイヤレスマイクは、請求
項6のFMワイヤレスマイクにおいて、前記可変抵抗を
pチャネル型の電界効果トランジスタとnチャネル型の
電界効果トランジスタとを並列接続することにより形成
し、極性が異なる各電界効果トランジスタのゲート電圧
の大きさを変えてチャネル抵抗を変えることを特徴とす
る。
【0015】請求項9のFMワイヤレスマイクは、請求
項1〜5のいずれかのFMワイヤレスマイクにおいて、
前記2つの移相回路内の前記合成手段の少なくとも一方
に含まれる前記キャパシタが可変容量素子であることを
特徴とする。
【0016】請求項10のFMワイヤレスマイクは、請
求項1〜5のいずれかのFMワイヤレスマイクにおい
て、前記2つの移相回路内の前記合成手段の少なくとも
一方に含まれる前記抵抗として抵抗値が固定の複数の抵
抗を有しており、スイッチ切り換えにより選択的に接続
することを特徴とする。
【0017】請求項11のFMワイヤレスマイクは、請
求項1〜5のいずれかのFMワイヤレスマイクにおい
て、前記2つの移相回路内の前記合成手段の少なくとも
一方に含まれる前記キャパシタとして静電容量が固定の
複数のキャパシタを有しており、スイッチ切り換えによ
り選択的に接続することを特徴とする。
【0018】請求項12のFMワイヤレスマイクは、請
求項1〜11のいずれかのFMワイヤレスマイクにおい
て、前記発振器の各構成部品を半導体基板上に一体形成
したことを特徴とする。
【0019】
【作用】請求項1〜4の発明において、発振器は、一方
のキャパシタとしてコンデンサマイクを使用した2つの
移相回路と、非反転回路あるいは位相反転回路とを含ん
で構成されており、非反転回路あるいは位相反転回路か
ら出力される信号を前段の移相回路の入力側に帰還させ
ている。各移相回路では、所定の位相シフトを行ってお
り、非反転回路あるいは位相反転回路の増幅度を調整し
てループゲインを1以上に設定することにより、発振器
内の閉ループを一巡する信号の位相シフト量が0°とな
る周波数で正弦波発振が行われる。特に、一方のキャパ
シタをコンデンサマイクで構成しているため、集音した
音声の大きさに応じてこのコンデンサマイクの静電容量
が変化し、容易にFM変調された信号を得ることができ
る。
【0020】請求項1〜4の発明では、コンデンサマイ
クの静電容量の変化を利用して直接FM変調が可能であ
り、静電容量の変化を一旦電圧の変化に変換する等の付
加回路が不要となるため、FMワイヤレスマイク全体の
回路構成を簡略化することができる。また、インダクタ
を使用していないため、半導体基板上に一体形成を行う
集積化が容易となる。
【0021】特に、上述した発振器内の各移相回路に含
まれる変換手段が具体的にトランジスタとキャパシタお
よび抵抗によって構成されており、ソース抵抗とドレイ
ン抵抗を調整することにより、あるいはエミッタ抵抗と
コレクタ抵抗を調整することにより入力信号と同相およ
び逆相の交流信号を発生させることができ、これら2つ
の交流信号をキャパシタと抵抗からなる直列回路の両端
に入力することにより、位相が所定量シフトされた交流
信号を得ることができる。このように、各変換手段をト
ランジスタとキャパシタおよび抵抗により、しかも一方
のキャパシタはコンデンサマイクによって兼用すること
により、簡単な構成とすることができ、FMワイヤレス
マイク全体の回路規模の簡素化が可能となる。
【0022】また、請求項5の発明では、コンデンサマ
イクそのものをキャパシタとして使用する代わりに、静
電容量が固定のキャパシタと組み合わせている。したが
って、組み合わせる方法および組み合わせるキャパシタ
の静電容量に応じて、組み合わせ後の全体の静電容量の
変化に占めるコンデンサマイクの静電容量の変化分の割
合を任意に調整することが可能であり、FM変調度を容
易に調整することができる。
【0023】また、請求項6〜8の発明では、発振器内
の移相回路に含まれた抵抗の抵抗値を変化させることに
より、具体的にはFETによって可変抵抗を形成してチ
ャネル抵抗を変化させることにより、移相回路における
位相シフト量が変化するため、送信するFMキャリアの
周波数を任意に変化させることができる。
【0024】特に、FETによって可変抵抗を形成する
場合には、pチャネルFETとnチャネルFETとを並
列接続して用いることにより、FETの非線形領域の改
善を行うことができ、高調波成分を低減した歪みの少な
いFMキャリアを送信することができる。
【0025】また、請求項9の発明では、可変抵抗を用
いる代わりに、キャパシタを可変容量素子によって形成
することにより、移相回路における移相シフト量を変化
させ、これにより送信するFMキャリアの周波数を任意
に変化させることができる。
【0026】また、請求項10または11の発明では、
可変抵抗や可変容量素子のように素子定数自体が可変の
素子を利用する代わりに、抵抗やキャパシタとして素子
定数が異なる複数の素子を用意しておいて、スイッチ切
り換えにより任意の素子を選択して、あるいは任意の素
子を組み合わせて使用する。このため、FMキャリアの
周波数を不連続的に変化させることができる。例えば、
混信を避けるために複数の周波数を用意しておく場合等
に適している。
【0027】また、請求項12の発明では、発振器の全
体を半導体基板上に一体形成しており、集積化による回
路の小型化や製造コスト低減が可能となる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を適用した一実施例のFMワイ
ヤレスマイクについて、図面を参照しながら具体的に説
明する。
【0029】(第1実施例)図1は、本発明を適用した
第1実施例のFMワイヤレスマイクの構成を示す図であ
る。
【0030】同図に示す本実施例のFMワイヤレスマイ
クは、FMキャリアを送信するためのアンテナ1と、F
M変調された信号を出力する発振器2と、この発振器2
とアンテナ1との間に挿入された電力増幅回路3とを含
んで構成されている。なお、電力増幅回路3は、発振器
2の出力に対して電力増幅を行うものであり、FMワイ
ヤレスマイクの出力が小さくてもよい場合には省略する
こともできる。
【0031】上述した発振器2は、それぞれが入力信号
の位相を所定量シフトさせることにより所定の周波数に
おける合計の位相シフト量が0°となる2つの移相回路
10,30と、移相回路30の出力信号の位相を変えず
に所定の増幅度で増幅して出力する非反転回路50と、
非反転回路60の出力を前段の移相回路10の入力側に
帰還させる帰還抵抗70とを含んで構成されている。
【0032】この帰還抵抗70は、0Ωから有限の抵抗
値を有している。また、帰還抵抗70と直列に接続され
たキャパシタ72は、直流電流を阻止するためのもので
あり、そのインピーダンスは動作周波数において極めて
小さく、すなわち大きな静電容量を有している。
【0033】図2は、図1に示した前段の移相回路10
の構成を抜き出して示したものである。同図に示す移相
回路10は、ゲートが入力端22に接続されたFET1
2と、このFET12のソース・ドレイン間に直列に接
続された抵抗14およびキャパシタ16と、FET12
のドレインと正電源との間に接続された抵抗18と、F
ET12のソースとアースとの間に接続された抵抗20
とを含んで構成されている。
【0034】ここで、上述したFET12のソースおよ
びドレインに接続された2つの抵抗20,18の抵抗値
はほぼ等しく設定されており、入力端22に印加される
入力電圧の交流成分に着目すると、位相が一致した信号
がFET12のソースから、位相が反転した信号がFE
T12のドレインからそれぞれ出力されるようになって
いる。
【0035】なお、図1に示した移相回路10内の抵抗
26は、FET12に適切なバイアス電圧を印加するた
めのものである。
【0036】このような構成を有する移相回路10にお
いて、所定の交流信号が入力端22に入力されると、す
なわちFET12のゲートに所定の交流電圧(入力電
圧)が印加されると、FET12のソースにはこの入力
電圧と同相の交流電圧が現れ、反対にFET12のドレ
インにはこの入力電圧と逆相であって、ソースに現れる
電圧と振幅が等しい交流電圧が現れる。このソースおよ
びドレインに現れる交流電圧の振幅をともにEi とす
る。
【0037】このFET12のソース・ドレイン間には
抵抗14とキャパシタ16とにより構成される直列回路
が接続されている。したがって、FET12のソースお
よびドレインに現れる電圧のそれぞれをキャパシタ16
あるいは抵抗14を介して合成した信号が出力端24か
ら出力される。
【0038】図3は、移相回路10の入出力電圧とキャ
パシタ等に現れる電圧との関係を示すベクトル図であ
る。
【0039】FET12のソースとドレインにはそれぞ
れ入力電圧と同相および逆相であって電圧振幅がEi の
交流電圧が現れるため、ソース・ドレイン間の電位差
(交流成分)は2Ei となる。また、抵抗14の両端に
現れる電圧VR1とキャパシタ16の両端に現れる電圧V
C1とは互いに90°位相がずれており、これらをベクト
ル的に合成(加算)したものが、FET12のソース・
ドレイン間の電位差2Ei に等しくなる。
【0040】したがって、図3に示すように、電圧Ei
の2倍を斜辺とし、抵抗14の両端電圧VR1とキャパシ
タ16の両端電圧VC1とが直交する2辺を構成する直角
三角形を形成することになる。このため、入力信号の振
幅が一定(半径に対応するEi が一定)で周波数のみが
変化した場合には、図3に示す半円の円周に沿って抵抗
14の両端電圧VR1とキャパシタ16の両端電圧VC1と
が変化する。
【0041】ところで、抵抗14とキャパシタ16の接
続点とグランドレベルとの電位差を出力電圧Eo として
取り出すものとすると、この出力電圧Eo は、図3に示
した半円においてその中心点を始点とし、電圧VR1と電
圧VC1とが交差する円周上の一点を終点とするベクトル
で表すことができ、その大きさは半円の半径Ei に等し
くなる。しかも、入力信号の周波数が変化しても、この
ベクトルの終点は円周上を移動するだけであるため、周
波数に応じて出力振幅が変化しない安定した出力を得る
ことができる。
【0042】また、図3から明らかなように、電圧VR1
と電圧VC1とは円周上で直角に交わるため、理論的には
FET12のゲートに印加される入力電圧と電圧VR1と
の位相差は、周波数ωが0から∞まで変化するに従って
90°から0°まで変化する。そして、移相回路10全
体の位相シフト量φ1 はその2倍であり、周波数に応じ
て180°から0°まで変化する。
【0043】次に、上述した入出力電圧間の関係を定量
的に検証する。図4は、上述した移相回路10を等価的
に表した図である。
【0044】FET12のソースおよびドレインには、
ゲートに印加される入力電圧と同相あるいは逆相の電圧
がそれぞれ発生するため、これら2つの電圧を発生する
2つの電圧源27,28に置き換えて考えることができ
る。このとき、図4に示す等価回路の閉ループに流れる
電流Iは、抵抗14の抵抗値をR、キャパシタ16の静
電容量をCとすると、
【数1】 となる。また、図4に示す出力端24の電位を出力電圧
Eo として取り出すものとすると、電圧Ei と出力電圧
Eo を加算した電圧が抵抗14の両端電圧に等しいこと
から、
【数2】 の関係が成立する。上述した(2)式に(1)式を代入
して計算すると、
【数3】 となる。ここで、CR回路の時定数をT(=CR)とし
た。
【0045】この(3)式においてs=jωを代入して
変形すると、
【数4】 となる。(4)式から出力電圧Eo の絶対値を求める
と、
【数5】 となる。すなわち、(5)式は、本実施例の移相回路1
0は入出力間の位相がどのように回転しても、その出力
信号の振幅は一定であることを表している。
【0046】また、(4)式から出力電圧Eo の入力電
圧に対する位相シフト量φ1 を求めると、
【数6】 となる。この(6)式から、例えば、ωがほぼ1/T
(=1/(CR))となるような周波数における位相シ
フト量φ1 はほぼ90°となる。
【0047】図5は、図1に示した後段の移相回路30
の構成を抜き出して示したものである。なお、図5にお
いては、図1に示した後段の移相回路30内のキャパシ
タ36−1とコンデンサマイク36−2の全体を等価な
1つのキャパシタ36に置き換えて表している。
【0048】図5に示す後段の移相回路30は、ゲート
が入力端42に接続されたFET32と、このFET3
2のソース・ドレイン間に直列に接続された上記キャパ
シタ36および抵抗34と、FET32のドレインと正
電源との間に接続された抵抗38と、FET32のソー
スとアースとの間に接続された抵抗40とを含んで構成
されている。
【0049】移相回路10と同様に、図5に示したFE
T32のソースおよびドレインに接続された2つの抵抗
40,38の抵抗値はほぼ等しく設定されており、入力
端42に印加される入力電圧の交流成分に着目すると、
位相が一致した信号がFET32のソースから、位相が
反転した信号がFET32のドレインからそれぞれ出力
されるようになっている。
【0050】なお、図1に示した移相回路30内の抵抗
46はFET32に適切なバイアス電圧を印加するため
のものであり、移相回路30と10との間に設けられた
キャパシタ48は、移相回路10の出力から直流成分を
取り除く直流電流阻止用であり、交流成分のみが移相回
路30に入力される。
【0051】このような構成を有する移相回路30にお
いて、所定の交流信号が入力端42に入力されると、す
なわちFET32のゲートに所定の交流電圧(入力電
圧)が印加されると、FET32のソースにはこの入力
電圧と同相の交流電圧が現れ、反対にFET32のドレ
インにはこの入力電圧と逆相であって、ソースに現れる
電圧と振幅が等しい交流電圧が現れる。このソースおら
びドレインに現れる交流電圧の振幅をともにEi とす
る。
【0052】このFET32のソース・ドレイン間には
キャパシタ36と抵抗34とにより構成される直列回路
が接続されている。したがって、FET32のソースお
よびドレインに現れる電圧のそれぞれを抵抗34あるい
はキャパシタ36を介して合成した信号が出力端44か
ら出力される。
【0053】FET32のソースとドレインにはそれぞ
れ入力電圧と同相および逆相であって電圧振幅がEi の
交流電圧が現れるため、ソース・ドレイン間の電位差は
2Ei となる。また、キャパシタ36の両端に現れる電
圧VC2と抵抗34の両端に現れる電圧VR2とは互いに9
0°位相がずれており、これらをベクトル的に加算した
ものが、FET32のソース・ドレイン間の電位差2E
i に等しくなる。
【0054】したがって、図6に示すように、電圧Ei
の2倍を斜辺とし、キャパシタ36の両端電圧VC2と抵
抗34の両端電圧VR2とが直交する2辺を構成する直角
三角形を形成することになる。このため、入力信号の振
幅が一定で周波数のみが変化した場合には、図6に示す
半円の円周に沿ってキャパシタ36の両端電圧VC2と抵
抗34の両端電圧VR2とが変化する。
【0055】抵抗34とキャパシタ36の接続点とグラ
ンドレベルとの電位差を出力電圧Eo として取り出すも
のとすると、この出力電圧Eo は、図6に示した半円に
おいてその中心点を始点とし、電圧VC2と電圧VR2とが
交差する円周上の一点を終点とするベクトルで表すこと
ができ、その大きさは半円の半径Ei に等しくなる。し
かも、入力信号の周波数が変化しても、このベクトルの
終点は円周上を移動するだけであるため、周波数に応じ
て出力振幅が変化しない安定した出力を得ることができ
る。
【0056】また、図6から明らかなように、電圧VC2
と電圧VR2とは円周上で直角に交わるため、理論的には
FET32のゲートに印加される入力電圧と電圧VC2と
の位相差は、周波数ωが0から∞まで変化するに従って
0°から90°まで変化する。そして、移相回路30全
体の位相シフト量φ2 はその2倍であり、周波数に応じ
て0°から180°まで変化する。
【0057】次に、上述した入出力電圧間の関係を定量
的に検証する。図7は、上述した移相回路30を等価的
に表した図である。
【0058】FET32のソースおよびドレインには、
ゲートに印加される入力電圧と同相あるいは逆相の電圧
がそれぞれ発生するため、上述した移相回路10の場合
と同様に、これら2つの電圧を発生する2つの電圧源2
7,28に置き換えて考えることができる。このとき、
図7に示す等価回路の閉ループに流れる電流Iは、キャ
パシタ36の静電容量をC、抵抗34の抵抗値をRとす
ると、上述した(1)式で表すことができる。したがっ
て、図7に示す出力端44の電位を出力電圧Eo として
取り出すものとすると、電圧Ei と出力電圧Eo を加算
した電圧がキャパシタ36の両端電圧に等しいことか
ら、
【数7】 の関係が成立する。上述した(7)式に(1)式を代入
して計算すると、
【数8】 となる。ここで、移相回路10の場合と同様にCR回路
の時定数をTとした。
【0059】この(8)式においてs=jωを代入して
変形すると、
【数9】 となる。
【0060】上述した(8)式および(9)式は、移相
回路10について計算した(3)式および(4)式と符
号のみ異なっている。したがって、出力電圧Eo の絶対
値は(5)式をそのまま適用することができ、移相回路
30は、入出力間の位相がどのように回転しても、その
出力信号の振幅は一定であることを表している。
【0061】また、(9)式から出力電圧Eo の入力電
圧に対する位相シフト量φ2 を求めると、
【数10】 となる。この(10)式から、例えば、ωがほぼ1/T
(=1/(CR))となるような周波数における位相シ
フト量φ2 はほぼ90°となる。
【0062】ところで、一般のコンデンサマイク36−
2は、平行板コンデンサの静電容量の変化を利用したマ
イクロホンであり、平行電極間に数十MΩの抵抗を介し
て所定の直流電圧を印加し、音圧による静電容量の変化
に応じた電圧変化を電気信号として取り出している。し
たがって、通常の使い方をする場合には所定の直流電圧
を印加する必要があるが、本実施例では音圧に応じて静
電容量が変化するキャパシタとしてコンデンサマイク3
6−2を使用しているため、所定の直流電圧を印加する
必要はない。
【0063】このように、キャパシタ36−1とコンデ
ンサマイク36−2はともにキャパシタであって全体を
図5に示した1つのキャパシタ36に置き換えることが
できるため、移相回路30は、基本的に移相回路10と
同じ構成となる。したがって、キャパシタ36−1とコ
ンデンサマイク36−2の全体を1つのキャパシタ36
と考えた場合の静電容量をCとすると、移相回路30
は、上述した(10)式で表されるような位相シフト量
φ2 を有している。したがって、例えばωがほぼ1/T
となるような周波数における位相シフト量φ2 はほぼ9
0°となる。
【0064】このようにして、2つの移相回路10,3
0のそれぞれにおいて位相が所定量シフトされる。しか
も、図3および図6に示すように、各移相回路10,3
0における入出力電圧の相対的な位相関係は反対方向で
あって、所定の周波数において2つの移相回路10,3
0の全体により位相シフト量が0°となる信号が出力さ
れる。
【0065】また、図1に示した非反転回路50は、ド
レインと正電源との間に抵抗54が、ソースとアースと
の間に抵抗56がそれぞれ接続されたFET52と、ベ
ースがFET52のドレインに接続されているとともに
コレクタが抵抗60を介してソースに接続されたトラン
ジスタ58と、FET52に適切なバイアス電圧を印加
するための抵抗62とを含んで構成されている。なお、
図1に示した非反転回路50の前段に設けられたキャパ
シタ64は、移相回路30の出力から直流成分を取り除
く直流電流阻止用であり、交流成分のみが非反転回路5
0に入力される。
【0066】FET52は、ゲートに交流信号が入力さ
れると、逆相の信号をドレインから出力する。また、ト
ランジスタ58は、ベースにこの逆相の信号が入力され
ると、さらに位相を反転した信号、すなわちFET52
のゲートに入力された信号の位相を基準に考えると同相
の信号をコレクタから出力し、この同相の信号が非反転
回路50から出力される。この位相反転回路50の出力
は、出力端子92から発振器2の出力として取り出され
るとともに、帰還抵抗70を介して前段の移相回路10
の入力側に帰還されている。
【0067】また、上述した非反転回路50の増幅度
は、上述した抵抗54,56,60の各抵抗値によって
決まり、これら各抵抗の抵抗値を調整することにより、
図1に構成を示す発振器2のループゲインが1以上に設
定されている。すなわち、実際には信号振幅の減衰が生
じてループゲインが1よりかなり小さくなるため、この
減衰分を非反転回路50による増幅で補うことにより、
ループゲインを1以上に設定することが可能となる。こ
のようにループゲインを1以上に設定することにより、
閉ループを一巡したときに位相シフト量が0°となるよ
うな周波数で正弦波発振が行われる。
【0068】図8は、上述した構成を有する2つの移相
回路10,30の全体を伝達関数K1 を有する回路に置
き換えたシステム図であり、伝達関数K1 を有する回路
と抵抗値R0 の帰還抵抗70とによって閉ループが形成
されている。図9は、図8に示すシステムをミラーの定
理によって変換したシステム図であり、同図に示すよう
に抵抗値R0 を有する帰還抵抗70を入力シャント抵抗
に変換すると、その抵抗値Rs は、
【数11】 で表すことができる。
【0069】この式において、K1 が1より大きい場合
を考えると、入力シャント抵抗Rsは負性抵抗となるこ
とがわかる。
【0070】伝達関数K1 を有する理想的な移相回路
(オール・パス・ネットワーク)で任意の有限な周波数
において位相シフト量が0°である条件を満たすものと
すれば、この周波数において、選択的に負性抵抗を実現
することになり、発振が可能となる。実際には入力シャ
ント抵抗は移相回路の入力インピーダンスと並列接続さ
れた形となり、これらを合成したものが負性抵抗となる
必要があるが、帰還抵抗70の抵抗値R0 を低く設定し
たり、移相回路の入力インピーダンスを高く設定するこ
とは設計上極めて容易であるため、理論上は移相回路の
入力インピーダンスの影響を無視して考えることができ
る。
【0071】ところで、(3)式から明らかなように、
前段の移相回路10の伝達関数K2は、
【数12】 であり、(8)式から明らかなように、後段の移相回路
30の伝達関数K3 は、
【数13】 である。但し、移相回路10および30内の各CR回路
の時定数は異なる場合も想定し、それぞれをT1 ,T2
とした。
【0072】したがって、移相回路10と30を2段縦
続接続した場合の全体の伝達関数K1 は、
【数14】 となる。なお、上述したように実際には2つの移相回路
10,30の後段に非反転回路50を接続してループゲ
インを1以上に設定しているが、(12)式および(1
3)式によって表される伝達関数K2 ,K3 は各移相回
路において信号振幅の減衰が生じないものとして求めた
ものであり、(14)式により求めた伝達関数K1 は、
実際に2つの移相回路10,30に非反転回路50を接
続した全体の伝達関数と同じとなる。
【0073】ここで、計算を簡単にするために、s=j
ω、s2 =−ω2 、A=1+T1 2 2 =1−T1
2 ω2 、B=T1 +T2 とおくと、
【数15】 となる。この(15)式において、移相回路10,30
を2段接続した全体の入出力間の位相差が0°となるに
は、(15)式の右辺の虚数項が0にならなければなら
ないので、次の式が成立する。
【0074】
【数16】 したがって、1−T1 2 ω2 =0またはω=0とな
る。ここで、ω=0の場合は入力信号が直流の場合であ
って位相差が180°となるので、結局他方の条件(1
−T1 2 ω2 =0)を満たすω=1/√(T1 2
のときに位相差が0°となる。この周波数において入力
シャント抵抗Rs は負性抵抗となって、発振電圧条件と
周波数条件を同時に満たすことになる。
【0075】このように、2つの移相回路10,30を
組み合わせることにより、閉ループを一巡する信号の位
相シフト量をある周波数において0°とすることがで
き、このときのループゲインを1より大きくすることに
より正弦波発振が持続される。しかも、2段目の移相回
路30に接続されたコンデンサマイク36−2は、音圧
に応じて静電容量が変化し、移相回路30による移相量
も音圧に応じて変化するため、音声から直接FM変調が
かかった信号をつくって出力端子92から出力すること
ができる。出力端子92から出力されるFM変調された
信号は、電力増幅回路3によって電力増幅された後にア
ンテナ1から空中に放出される。
【0076】このように、本実施例のFMワイヤレスマ
イクは、コンデンサマイク36−2が有する静電容量の
変化を直接FM変調に利用しており、回路構成を簡素化
することができる。特に、コンデンサマイクの出力を増
幅してバリキャップに印加する逆バイアス電圧をつくる
従来のFMワイヤレスマイクに比べると、この逆バイア
ス電圧をつくるための構成が不要であり、その分だけ回
路構成が簡単となる。
【0077】また、本実施例のFMワイヤレスマイク
は、発振器2をFET,抵抗およびキャパシタのみで構
成しておりインダクタを使用していないことから、コン
デンサマイク36−2を除く回路全体の集積化に適して
いる。しかも、インダクタを使用しないため、磁気遮蔽
等の対策をたてる必要もない。
【0078】なお、本実施例のFMワイヤレスマイク
は、2段目の移相回路30にコンデンサマイクを接続し
たが、1段目の移相回路10にコンデンサマイクを接続
するようにしてもよい。
【0079】図10は、本実施例のFMワイヤレスマイ
クに含まれる発振器の変形例を示す図である。同図に示
す発振器2aは、図1に示す後段の移相回路30内のキ
ャパシタ36−1およびコンデンサマイク36−2の全
体を静電容量が固定のキャパシタ36aに置き換えて後
段の移相回路30aを構成するとともに、図1に示す前
段の移相回路10内のキャパシタ16を静電容量が固定
のキャパシタ16a−1とコンデンサマイク36a−2
に置き換えて前段の移相回路10aを構成したものであ
る。2つの移相回路10a,30aのそれぞれの動作
は、基本的に図1に示した移相回路10,30と同じで
あり、前段の移相回路10aに接続されたコンデンサマ
イク16a−2が有する静電容量の変化を直接FM変調
に利用して、FMキャリアをアンテナ1から送出するよ
うになっている。
【0080】また、2つの移相回路10,30あるいは
10a,30aの全体によって位相シフト量の合計が0
°となればよいため、図1において前段の移相回路10
と後段の移相回路30の前後の配置を入れ換えたり、図
10において前段の移相回路10aと後段の移相回路3
0aの前後の配置を入れ換えるようにしてもよい。
【0081】また、上述した実施例では、発振器2ある
いは2aとアンテナ1との間に電力増幅回路3を挿入す
ることにより送信出力を大きくするようにしたが、非反
転回路50に電力増幅の機能を追加するようにしてもよ
い。この場合には、発振器2あるいは2aの後段に挿入
した電力増幅回路3を省略することができる。
【0082】また、上述した本実施例の発振器に含まれ
る非反転回路50は、バイポーラトランジスタ58を含
んで構成したが、これをFETに置き換えて、2段のソ
ース接地回路によって構成するようにしてもよい。この
場合には、発振器2あるいは2aに使用されるトランジ
スタの全てがFETで統一されるため、製造プロセスの
簡略化が可能となる。
【0083】また、非反転回路50は、図1に示すよう
に少なくともトランジスタ2段構成によって構成される
ため、大きな増幅度に設定することができ、出力バッフ
ァとしての使用に適しており、また、2つの移相回路1
0,30によって信号振幅が大きく減衰した場合にそれ
を補うことも容易である。
【0084】(第2実施例)上述した第1実施例のFM
ワイヤレスマイクに含まれる発振器2および2aは、構
成が異なる2つの移相回路10および30を組み合わせ
て構成したが、同じ構成を有する2つの移相回路を組み
合わせて発振器を構成するようにしてもよい。
【0085】図1あるいは図10に示す発振器に含まれ
る一方の移相回路10,10aは図2に示した基本構成
を有しており、移相回路10,10aの入力と出力との
間には(3)式で表される関係が成立する。以下では、
図2に示す構成を有する移相回路10等を(3)式中の
分数の符号を用いて便宜上「−型の移相回路」と称して
説明を行う。また、図1あるいは図8に示す発振器に含
まれる他方の移相回路30,30aは図5に示した基本
構成を有しており、移相回路30,30aの入力と出力
との間には(8)式で表された関係が成立する。以下で
は、図5に示す構成を有する移相回路30等を(8)式
中の分数の符号を用いて便宜上「+型の移相回路」と称
して説明を行う。
【0086】このように各移相回路を便宜上2つのタイ
プに分類した場合には、第1実施例のFMワイヤレスマ
イクに含まれる発振器2,2aは、タイプが異なる2つ
の移相回路10および30を組み合わせることにより、
全体としての位相シフト量が0°となる周波数において
発振動作を行うようになっている。
【0087】ところで、1つの−型の移相回路10の後
段に信号の位相を反転させる位相反転回路を接続した場
合のその全体の入出力間の関係に着目すると、(3)式
において分数の符号「−」を反転して「+」にすればよ
く、1つの−型の移相回路の後段に位相反転回路を接続
した構成が1つの+型の移相回路に等価であるといえ
る。同様に、1つの+型の移相回路30の後段に信号の
位相を反転させる位相反転回路を接続した場合のその全
体の入出力間の関係に着目すると、(8)式において分
数の符号「+」を反転して「−」にすればよく、1つの
+型の移相回路の後段に位相反転回路を接続した構成が
1つの−型の移相回路に等価であるといえる。なお、位
相反転回路を用いた場合にはこの回路に所定の増幅度を
持たせればよいため、図1に示した非反転回路50を省
略することができる。
【0088】したがって、第1実施例においてタイプが
異なる2つの移相回路10および30を組み合わせて発
振器を構成する代わりに、同タイプの2つの移相回路と
位相反転回路を組み合わせて発振器を構成し、これを用
いて第1実施例と同様の特徴を有するFMワイヤレスマ
イクを実現することができる。
【0089】図11は、第2実施例のFMワイヤレスマ
イクの構成を示す図であり、発振器2bの詳細構成が示
されている。
【0090】同図に示す発振器2bは、図1および図8
に示す−型の2つの移相回路10,10aと、後段の移
相回路10aの出力信号の位相をさらに反転する位相反
転回路80と、位相反転回路80の出力を前段の移相回
路10の入力側に帰還させる帰還抵抗70とを含んで構
成されている。
【0091】位相反転回路80は、ドレインと正電源と
の間に抵抗84が、ソースとアースとの間に抵抗86が
それぞれ接続されたFET82と、FET82のゲート
に所定のバイアス電圧を印加する抵抗88とを含んで構
成されている。FET82のゲートに交流信号が入力さ
れると、FET82のドレインからは位相を反転した逆
相の信号が出力される。また、この位相反転回路80
は、2つの抵抗84,86の抵抗比によって定まる所定
の増幅度を有する。
【0092】このような構成を有する位相反転回路80
を用いることにより、入力信号の位相を反転するととも
に、増幅度を調整して発振器2bのループゲインを1よ
り大きく設定することが容易となる。
【0093】ところで、上述した第1実施例で説明した
ように、−型の2つの移相回路10,10aのそれぞれ
は、入力信号の周波数ωが0から∞まで変化するにした
がって位相シフト量が180°から0°まで変化する。
【0094】例えば、2つの移相回路10,10a内の
CR回路の時定数が同じであると仮定し、これをTとお
くと、ω=1/Tの周波数では2つの移相回路10,1
0aのそれぞれにおける位相シフト量が90°となる。
したがって、2つの移相回路10,10aによって位相
が180°シフトされ、さらに後段に接続された位相反
転回路80によって位相が反転され、全体として、位相
が一巡してシフト量が0°となる信号が位相反転回路8
0から出力される。したがって、この位相反転回路80
の出力を帰還抵抗70を介して前段の移相回路10の入
力側に帰還させることにより、周波数ωを有する正弦波
発振が行われる。
【0095】2つの移相回路10,10aの伝達関数K
21は、それぞれの移相回路内のCR回路の時定数をTす
ると、(12)においてT1 をTに置き換えて、
【数17】 となる。したがって、これら2つの移相回路10,10
aを縦続接続した場合の全体の伝達関数K41は、
【数18】 となる。したがって、これら2つの移相回路10,10
aのさらに後段に位相反転回路80を接続した場合の全
体の伝達関数K5 は、
【数19】 となる。この(19)式の右辺は、第1実施例において
(14)式に示した伝達関数K1 のT1 とT2 をTに置
き換えたものに等しい。すなわち、(19)式は第1実
施例において示した2つの移相回路10,30と非反転
回路50とを接続した場合の全体の伝達関数に等しいも
のであり、本実施例において同タイプの2つの移相回路
10,10aと位相反転回路80とを接続した構成が、
第1実施例において図1あるいは図10に示した構成に
等価であることがわかる。
【0096】別の見方をすれば、図11に示した後段の
移相回路10aと位相反転回路80とを接続した場合の
全体の伝達関数は、1つの移相回路10aの伝達関数の
符号を反転したものであるといえる。したがって、(1
2)式に示した移相回路10aの伝達関数K2 の符号
「−」を反転して「+」にしたものが移相回路10aと
位相反転回路80を接続した全体の伝達関数となり、こ
れはとりもなおさずT1=T2 とした場合の(13)式
に示した移相回路30の伝達関数K3 に等しくなる。こ
のように考えても、本実施例において同タイプの2つの
移相回路10,10aと位相反転回路80とを接続した
構成が、第1実施例においてタイプが異なる2つの移相
回路10,30を接続した構成に等価であることがわか
る。
【0097】したがって、本実施例の発振器2bにおい
て、位相反転回路80の増幅度を適切な値にしてループ
ゲインを1以上に設定することにより、一巡したときに
位相シフト量が0°となるような周波数で正弦波発振が
持続される。しかも、2段目の移相回路10aに接続さ
れたコンデンサマイク16a−2は、音圧に応じて静電
容量が変化し、移相回路10aにおける移相量も音圧に
応じて変化するため、音声から直接FM変調がかかった
信号をつくって出力端子92から出力することができ
る。出力端子92から出力されたFM変調された信号
は、電力増幅回路3によって電力増幅された後にアンテ
ナ1から空中に放出される。
【0098】このように、本実施例のFMワイヤレスマ
イクは、第1実施例のFMワイヤレスマイクと同様に、
コンデンサマイク16a−2が有する静電容量の変化を
直接FM変調に利用しており、回路構成を簡素化するこ
とができる。また、本実施例のFMワイヤレスマイク
は、発振器2bをFET,抵抗およびキャパシタのみで
構成しておりインダクタを使用していないことから、コ
ンデンサマイク16a−2を除く回路全体の集積化に適
しており、インダクタを使用する場合の磁気遮蔽等の対
策も不要となる。
【0099】なお、本実施例のFMワイヤレスマイク
は、2段目の移相回路にコンデンサマイクを接続した
が、1段目の移相回路にコンデンサマイクを接続するよ
うにしてもよい。すなわち、図11に示した2つの移相
回路10,10aの配置を入れ換えて発振器を構成する
ようにしてもよい。
【0100】(第3実施例)上述した第2実施例のFM
ワイヤレスマイクでは−型の2つの移相回路10,10
aを2段接続した場合を説明したが、+型の移相回路を
2段接続することにより発振器を構成するようにしても
よい。
【0101】図12は、第3実施例のFMワイヤレスマ
イクの構成を示す図であり、発振器2cの詳細構成が示
されている。
【0102】同図に示す発振器2cは、図1および図1
0に示す+型の2つの移相回路30a,30と、後段の
移相回路30の出力信号の位相をさらに反転する位相反
転回路80と、位相反転回路80の出力を前段の移相回
路30aの入力側に帰還させる帰還抵抗70とを含んで
構成されている。
【0103】位相反転回路80は、第2実施例において
図11に示したものであり、FET82のゲートに交流
信号が入力されると、このFET82のドレインからは
位相を反転した逆相の信号が出力される。
【0104】上述した第1実施例で説明したように、+
型の2つの移相回路30a,30のそれぞれは、入力信
号の周波数ωが0から∞まで変化するにしたがって位相
シフト量が0°から180°まで変化する。例えば、2
つの移相回路30a,30内のCR回路の時定数が同じ
であると仮定し、その値をTとおくと、ω=1/Tの周
波数では2つの移相回路30a,30のそれぞれにおけ
る位相シフト量が90°となる。したがって、2つの移
相回路30a,30によって位相が180°シフトさ
れ、さらに後段に接続された位相反転回路80によって
位相が反転され、全体として、位相が一巡してシフト量
が0°となる信号が位相反転回路80から出力される。
したがって、この位相反転回路80の出力を帰還抵抗7
0を介して前段の移相回路30aの入力側に帰還させる
ことにより、周波数ωを有する正弦波発振が行われる。
【0105】ところで、2つの移相回路30a,30の
伝達関数K31は、それぞれの移相回路内のCR回路の時
定数をTとすると、(18)式においてT2 をTに置き
換えて、
【数20】 となる。この伝達関数K31は(17)式に示した伝達関
数K21の符号「−」を「+」に置き換えたものであり、
2つの移相回路30a,30を縦続接続した場合の全体
の伝達関数K41は、第2実施例において示した(18)
式をそのまま当てはめることができる。したがって、こ
れら2つの移相回路30a,30のさらに後段に位相反
転回路80を接続した場合の全体の伝達関数K5 も、第
2実施例において示した(19)式をそのまま当てはめ
ることができる。
【0106】すなわち、本実施例において同タイプの2
つの移相回路30a,30と位相反転回路80とを接続
した構成が、第1実施例においてタイプが異なる2つの
移相回路10,30と非反転回路50とを接続した構成
や、第2実施例において−型の2つの移相回路10,1
0aと位相反転回路80とを接続した構成に等価である
といえる。
【0107】別の見方をすれば、図12に示した後段の
移相回路30と位相反転回路80とを接続した場合の全
体の伝達関数は、1つの移相回路30の伝達関数の符号
を反転したものであるといえる。したがって、(13)
式に示した移相回路30の伝達関数K3 の符号「+」を
反転して「−」にしたものが移相回路30と位相反転回
路80を接続した全体の伝達関数となり、これはとりも
なおさずT1 =T2 とした場合の(12)式に示した移
相回路10の伝達関数K2 に等しくなる。このように考
えても、本実施例において同タイプの2つの移相回路3
0a,30と位相反転回路80とを接続した構成が、第
1実施例においてタイプが異なる2つの移相回路10,
30と非反転回路50とを接続した構成に等価であるこ
とがわかる。
【0108】したがって、本実施例の発振器2cにおい
て、位相反転回路80の増幅度を適切な値にしてループ
ゲインを1以上に設定することにより、一巡したときに
位相シフト量が0°となるような周波数で正弦波発振が
持続される。しかも、2段目の移相回路30に接続され
たコンデンサマイク36−2は、音圧に応じて静電容量
が変化し、移相回路30における移相量も音圧に応じて
変化するため、音声から直接FM変調がかかった信号を
つくって出力端子92から出力することができる。出力
端子92から出力されたFM変調された信号は、電力増
幅回路3によって電力増幅された後にアンテナ1から空
中に放出される。
【0109】このように、本実施例のFMワイヤレスマ
イクは、第1実施例や第2実施例のFMワイヤレスマイ
クと同様に、コンデンサマイク36−2が有する静電容
量の変化を直接FM変調に利用しており、回路構成を簡
素化することができる。また、本実施例のFMワイヤレ
スマイクは、発振器2cをFET,抵抗およびキャパシ
タのみでで構成しておりインダクタを使用していないこ
とから、コンデンサマイク36−2を除く回路全体の集
積化に適しており、インダクタを使用する場合の磁気遮
蔽等の対策も不要となる。
【0110】なお、本実施例のFMワイヤレスマイク
は、2段目の移相回路にコンデンサマイクを接続した
が、1段目の移相回路にコンデンサマイクを接続するよ
うにしてもよい。すなわち、図12に示した2つの移相
回路30a,30の配置を入れ換えて発振器を構成する
ようにしてもよい。
【0111】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が
可能である。
【0112】例えば、上述した各実施例においては、コ
ンデンサマイクとキャパシタとを直列接続した場合につ
いて説明したが、原理的にはこれら直列接続されたコン
デンサマイクとキャパシタの全体を1つのキャパシタと
して機能させればよいことから、コンデンサマイクに直
列に接続したキャパシタを省略したり、コンデンサマイ
クとキャパシタとを並列接続、あるいはコンデンサマイ
クと複数のキャパシタを並列および直列に組み合わせる
ようにしてもよい。コンデンサマイクを単体で用いる場
合と、コンデンサマイクとキャパシタとを直列または並
列あるいはこれらを組み合わせて接続した場合とを比べ
ると、後者の場合には接続するキャパシタの静電容量の
値を変えることにより全体の静電容量の変化の度合い、
すなわちFM変調度を調整できる利点がある。
【0113】また、上述した各実施例においては、非反
転回路50あるいは位相反転回路80に出力端子92を
接続したが、前段あるいは後段の移相回路10等に出力
端子92を接続し、この出力端子92から出力されるF
M変調された信号を直接アンテナ1に、あるいは電力増
幅回路3によって電力増幅を行った後にアンテナ1に送
るようにしてもよい。
【0114】また、上述した各実施例においては、各移
相回路内の各素子の素子定数を固定して、送信周波数が
固定のFMワイヤレスマイクを実現したが、各素子定数
を可変してキャリア周波数を任意に変更できるようにし
てもよい。例えば図1を例にとって説明すると、移相回
路10あるいは30内の抵抗14,34の少なくとも一
方を可変抵抗に置き換えてこの抵抗値を可変することに
より、あるいは移相回路10あるいは30内のキャパシ
タ16,36−1の少なくとも一方を可変容量素子に置
き換えてこの静電容量を可変することにより、各移相回
路により位相シフト量を変化させてキャリア周波数を変
えることができる。さらに具体的には、上述した可変抵
抗をゲート電圧が変更可能なFETのチャネルによって
形成することができ、可変容量素子をアノード・カソー
ド間に印加する逆バイアス電圧が変更可能な可変容量ダ
イオードによって、あるいはゲート電圧によってゲート
容量が変更可能なFETによって形成することができ
る。
【0115】特に、FETのチャネルを利用して可変抵
抗を形成する場合には、pチャネルのFETとnチャネ
ルのFETとを並列接続して1つの可変抵抗を構成し、
各FETのゲートとサブストレート間に大きさが等しく
極性が異なるゲート電圧を印加するようにしてもよい。
このように、2つのFETを組み合わせて可変抵抗を構
成することにより、FETの非線形領域の改善を行うこ
とができるため、高調波成分を低減した歪みの少ないF
ETキャリアを送信することができる。
【0116】また、上述したように可変抵抗や可変容量
素子を用いる場合の他、素子定数が異なる複数の抵抗あ
るいはキャパシタを用意しておいて、スイッチを切り換
えることにより、これら複数の素子の中から1つあるい
は複数を選ぶようにしてもよい。この場合には、素子定
数を不連続的に切り換えることができることから、FM
ワイヤレスマイクの送信周波数を不連続的に切り換える
ことができる。このため、混信を避けるために周波数を
切り換えるような用途に適している。
【0117】また、各実施例の発振器を集積化する際に
は、例えばSiO2 などの絶縁酸化膜を介して電極を形
成したり、上述したようにFETのゲート容量を利用し
てキャパシタを形成することができる。
【0118】また、上述した各実施例においては、接合
型のFETを用いて移相回路10等を構成する場合を図
示したが、MOS型のFETにより、あるいはバイポー
ラトランジスタによって移相回路を構成するようにして
もよい。
【0119】FETをバイポーラトランジスタに置き換
えた移相回路においては、入力信号がベースに入力され
たときにベース・エミッタ間に電流が流れるため、エミ
ッタに現れる電圧(交流電圧)とコレクタに現れる電圧
(交流電圧)とは正確には同じにはならない。但し、電
流増幅度が数十倍から百倍程度である場合には、その差
は1%から数%であり、事実上無視することができる。
あるいはエミッタ抵抗よりコレクタ抵抗を若干大きく設
定することにより、この差を補正するようにしてもよ
い。
【0120】特に、バイポーラトランジスタを用いて移
相回路を構成した場合には、動作周波数の上限を高くす
ることができ、また、入出力間の信号振幅の減衰を少な
くすることができる。したがって、少なくとも前段の位
相回路10,10a等をバイポーラトランジスタを用い
て構成することが好ましい。但し、2段目の移相回路は
高入力インピーダンスにする必要があるため、FETを
用いて構成することが好ましい。
【0121】
【発明の効果】上述したように、請求項1〜4の発明に
よれば、コンデンサマイクの静電容量の変化を利用して
直接FM変調が可能であり、静電容量の変化を一旦電圧
の変化に変換する等の付加回路が不要となるため、FM
ワイヤレスマイク全体の回路構成を簡略化することがで
きる。また、インダクタを使用していないため、半導体
基板上に一体形成を行う集積化が容易となる。
【0122】特に、各変換手段をトランジスタとキャパ
シタおよび抵抗により、しかも一方のキャパシタはコン
デンサマイクによって兼用することにより、簡単な構成
とすることができ、FMワイヤレスマイク全体の回路規
模の簡素化が可能となる。
【0123】また、請求項5の発明によれば、コンデン
サマイクそのものをキャパシタとして使用する代わりに
静電容量が固定のキャパシタと組み合わせており、組み
合わせる方法および組み合わせるキャパシタの静電容量
に応じてFM変調度を容易に調整することができる。
【0124】また、請求項6〜8の発明によれば、発振
器内の移相回路に含まれた抵抗の抵抗値を変化させるこ
とにより、具体的にはFETによって可変抵抗を形成し
てチャネル抵抗を変化させることにより、移相回路にお
ける位相シフト量が変化するため、送信するFMキャリ
アの周波数を任意に変化させることができる。
【0125】特に、FETによって可変抵抗を形成する
場合には、pチャネルFETとnチャネルFETとを並
列接続して用いることにより、FETの非線形領域の改
善を行うことができ、高調波成分を低減した歪みの少な
いFMキャリアを送信することができる。
【0126】また、請求項9の発明によれば、可変抵抗
を用いる代わりに、キャパシタを可変容量素子によって
形成することにより、移相回路における移相シフト量を
変化させ、これにより送信するFMキャリアの周波数を
任意に変化させることができる。
【0127】また、請求項10または11の発明によれ
ば、可変抵抗や可変容量素子のように素子定数自体が可
変の素子を利用する代わりに、抵抗やキャパシタとして
素子定数が異なる複数の素子を用意しておいて、スイッ
チ切り換えにより任意の素子を選択して、あるいは任意
の素子を組み合わせて使用する。このため、FMキャリ
アの周波数を不連続的に変化させることができる。
【0128】また、請求項12の発明によれば、発振器
の全体を半導体基板上に一体形成しており、集積化によ
る回路の小型化や製造コスト低減が可能となる。
【0129】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施例のFMワイヤレス
マイクの構成を示す図である。
【図2】図1に示した前段の移相回路の構成を抜き出し
て示した図である。
【図3】前段の移相回路の入出力電圧とキャパシタ等に
現れる電圧との関係を示すベクトル図である。
【図4】図2に示した移相回路を等価的に表した図であ
る。
【図5】図1に示した後段の移相回路の構成を抜き出し
て示した図である。
【図6】後段の移相回路の入出力電圧とキャパシタ等に
現れる電圧との関係を示すベクトル図である。
【図7】図5に示した移相回路を等価的に表した図であ
る。
【図8】2つの移相回路および非反転回路の全体を伝達
関数K1 を有する回路に置き換えたシステム図である。
【図9】図8に示すシステムをミラーの定理によって変
換したシステム図である。
【図10】第1実施例のFMワイヤレスマイクの変形例
を示す図である。
【図11】第2実施例のFMワイヤレスマイクの構成を
示す図である。
【図12】第3実施例のFMワイヤレスマイクの構成を
示す図である。
【符号の説明】
1 アンテナ 2 発振器 3 電力増幅回路 10,30 移相回路 12,32,52 電界効果トランジスタ(FET) 14,34 抵抗 16,36−1 キャパシタ 36−2 コンデンサマイク 50 非反転回路 70 帰還抵抗 92 出力端子

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声を集音するコンデンサマイクと、前
    記コンデンサマイクが接続される発振器と、前記発振器
    から出力される信号を空中に出力するアンテナとを含む
    FMワイヤレスマイクにおいて、 前記発振器は、 入力された交流信号を同相および逆相の交流信号に変換
    して出力する変換手段と、前記変換手段によって変換さ
    れた一方の交流信号をキャパシタを介して他方の交流信
    号を抵抗を介して合成する合成手段とを含む2つの移相
    回路と、 後段に接続された前記移相回路から出力される交流信号
    の位相を変えずに所定の増幅度で増幅して出力する非反
    転回路と、 を備え、前記非反転回路の出力を前段に接続された前記
    移相回路の入力側に帰還させるとともに、前記コンデン
    サマイクを前記2つの移相回路のいずれか一方に含まれ
    る前記キャパシタとして用いることにより、前記2つの
    移相回路および前記非反転回路のいずれかからFM変調
    された信号を出力することを特徴とするFMワイヤレス
    マイク。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記移相回路に含まれる前記変換手段は、ソースおよび
    ドレインのそれぞれにあるいはエミッタおよびコレクタ
    のそれぞれに抵抗値がほぼ等しい抵抗が接続されている
    とともに、ゲートあるいはベースに入力信号が入力され
    るトランジスタによって構成されており、前記トランジ
    スタのソース・ドレイン間あるいはエミッタ・コレクタ
    間に前記合成手段を構成する前記キャパシタおよび前記
    抵抗からなる直列回路を接続し、これらの前記キャパシ
    タおよび前記抵抗の接続の仕方を前記2つの移相回路に
    おいて反対にしたことを特徴とするFMワイヤレスマイ
    ク。
  3. 【請求項3】 音声を集音するコンデンサマイクと、前
    記コンデンサマイクが接続される発振器と、前記発振器
    から出力される信号を空中に出力するアンテナとを含む
    FMワイヤレスマイクにおいて、 前記発振器は、 入力された交流信号を同相および逆相の交流信号に変換
    して出力する変換手段と、前記変換手段によって変換さ
    れた一方の交流信号をキャパシタを介して他方の交流信
    号を抵抗を介して合成する合成手段とを含む2つの移相
    回路と、 後段に接続された前記移相回路から出力される交流信号
    の位相を反転するとともに所定の増幅度で増幅して出力
    する位相反転回路と、 を備え、前記位相反転回路の出力を前段に接続された前
    記移相回路の入力側に帰還させるとともに、前記コンデ
    ンサマイクを前記2つの移相回路のいずれか一方に含ま
    れる前記キャパシタとして用いることにより、前記2つ
    の移相回路および前記位相反転回路のいずれかからFM
    変調された信号を出力することを特徴とするFMワイヤ
    レスマイク。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記移相回路に含まれる前記変換手段は、ソースおよび
    ドレインのそれぞれにあるいはエミッタおよびコレクタ
    のそれぞれに抵抗値がほぼ等しい抵抗が接続されている
    とともに、ゲートあるいはベースに入力信号が入力され
    るトランジスタによって構成されており、前記トランジ
    スタのソース・ドレイン間あるいはエミッタ・コレクタ
    間に前記合成手段を構成する前記キャパシタおよび前記
    抵抗からなる直列回路を接続し、これらの前記キャパシ
    タおよび前記抵抗の接続の仕方を前記2つの移相回路に
    おいて同じにしたことを特徴とするFMワイヤレスマイ
    ク。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記コンデンサマイクに直列あるいは並列に静電容量が
    固定のキャパシタを接続することを特徴とするFMワイ
    ヤレスマイク。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかにおいて、 前記2つの移相回路内の前記合成手段の少なくとも一方
    に含まれる前記抵抗が可変抵抗であることを特徴とする
    FMワイヤレスマイク。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記可変抵抗を電界効果トランジスタのチャネルによっ
    て形成し、ゲート電圧を変えてチャネル抵抗を変えるこ
    とを特徴とするFMワイヤレスマイク。
  8. 【請求項8】 請求項6において、 前記可変抵抗をpチャネル型の電界効果トランジスタと
    nチャネル型の電界効果トランジスタとを並列接続する
    ことにより形成し、極性が異なる各電界効果トランジス
    タのゲート電圧の大きさを変えてチャネル抵抗を変える
    ことを特徴とするFMワイヤレスマイク。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれかにおいて、 前記2つの移相回路内の前記合成手段の少なくとも一方
    に含まれる前記キャパシタが可変容量素子であることを
    特徴とするFMワイヤレスマイク。
  10. 【請求項10】 請求項1〜5のいずれかにおいて、 前記2つの移相回路内の前記合成手段の少なくとも一方
    に含まれる前記抵抗として抵抗値が固定の複数の抵抗を
    有しており、スイッチ切り換えにより選択的に接続する
    ことを特徴とするFMワイヤレスマイク。
  11. 【請求項11】 請求項1〜5のいずれかにおいて、 前記2つの移相回路内の前記合成手段の少なくとも一方
    に含まれる前記キャパシタとして静電容量が固定の複数
    のキャパシタを有しており、スイッチ切り換えにより選
    択的に接続することを特徴とするFMワイヤレスマイ
    ク。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかにおいて、 前記発振器の各構成部品を半導体基板上に一体形成した
    ことを特徴とするFMワイヤレスマイク。
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