JPH08274036A - 気相反応被膜作製方法 - Google Patents

気相反応被膜作製方法

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JPH08274036A
JPH08274036A JP8032876A JP3287696A JPH08274036A JP H08274036 A JPH08274036 A JP H08274036A JP 8032876 A JP8032876 A JP 8032876A JP 3287696 A JP3287696 A JP 3287696A JP H08274036 A JPH08274036 A JP H08274036A
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reaction chamber
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良質な薄膜を形成する時に、大気が反応炉へ
逆流することを防止し、また隣接反応炉からの不純物の
影響を除くこと。 【構成】 ターボ分子ポンプを設けた反応室に、ターボ
分子ポンプを設けたバッファ室を接続させて半導体層を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は気相反応被膜作製装置お
よび作製方法に関する。本発明は反応性気体を用いて被
膜作製を行うに際し、非酸化物の被膜を作製するに関し
て、排気系においてタ−ボ分子ポンプを用いて気相反応
(以下CVD という)を行なわしめることにより、被膜中
の酸素の混入量を1 ×1019cm-3以下の濃度とさせる気相
反応装置およびその作製方法に関する。本発明は非酸素
系被膜の作製において、その排気系よりの大気の逆流を
防ぐため、油回転方式のロ−タリ−ポンプ、メカニカル
ブ−スタ−ポンプ等の不連続回転方式の真空ポンプ(以
下単に真空ポンプまたはVPという)のみを用いるのでは
なく、連続排気方式のタ−ボ分子ポンプ(以下単にタ−
ボ分子ポンプまたはTPという)を反応容器と真空ポンプ
との間に介在させて、排気系からの大気の逆流を防止し
たことを特徴とする。
【0002】本発明の非酸化物被膜例えば非単結晶珪素
を、反応性気体であるシラン(SinH2n+2 n≧1)を用
いて形成するに際し、その被膜中の酸素の量を5×1018
cm-3以下好ましくは1×1018cm-3以下とするため、排気
系からの逆流を防ぐことを目的としている。
【0003】本発明はかかる排気系をTPを反応室とVPと
の間に反応中の圧力調整用のバルブを経て介在させるこ
とにより、反応室内は0.05〜10torrの間の圧力範囲でプ
ラズマ気相反応(PCVDという、光CVD (Photo CVD とい
う)またはこれらを併用した方法(以下単にCVD 法とし
て総称する)を用いて被膜形成を行い、かつ圧力調整バ
ルブ下は1×10-2torr以下(一般には10-4〜10-6torr)
の圧力として保持し、TPを作用させるため、反応系はこ
の排気系よりも高い圧力(1×10-2torr以上即ち0.05〜
10torr)で保持して被膜形成を行うことを目的としてい
る。
【0004】さらに本発明はかかるプラズマCVD 装置を
反応室を複数ケ連結し、それぞれの反応室にてP型非単
結晶半導体、I型非単結晶半導体およびN型非単結晶半
導体を基板上に積層して、PIN 接合を構成する半導体装
置の作製方法に関する。
【0005】
【従来の技術】従来、CVD 装置例えばPCVD装置において
は、反応系の圧力が0.05〜10torrと高い圧力のため、そ
の排気系等はVPのみが用いられ、それ以上の真空度を発
生させるTP等を設けることが全く不可能とされていた。
しかし本発明人はかかるPCVD装置において、排気系がVP
のみではこのVPが不連続の回転運動をするため、空気と
接触している大気圧の排気系からの大気(特に酸素)が
逆流し、さらにこの大気の一部が油中に混入し、ここか
ら再気化することにより反応容器内に逆流してしまうこ
とが判明した。さらにこのため、この逆流により酸素が
形成する被膜内に混入し、例えば珪素膜を作製する場合
その被膜内に酸素が3×1019〜2×1020cm-3の濃度に混
入してしまった。
【0006】このため、かかる被膜に水素または弗素が
添加されて、珪素半導体であるべきものが低級酸化珪素
といってもよいようなものになってしまった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる欠点を
防ぐことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1にその装
置の概要を示す。即ち、反応性気体を導入するド−ピン
グ系(50)反応容器(51)排気系(52)を有する。反応
容器は内側に絶縁物で内面が形成された反応空間を有す
る二重反応容器型として半導体層を形成し、さらに加え
てP型半導体(図面では系A),I型半導体(図面では
系C)およびN型半導体と積層して接合を基板上に形成
するに際し、それぞれの反応容器を分離部(図面では系
B)を介して連結せしめたマルチチャンバ方式のPCVD法
を図1に示すごとくに提案するにある。
【0009】本発明は水素またはハロゲン元素が添加さ
れた非単結晶半導体層の形成により、再結合中心密度の
小さなP,IおよびN型の導電型を有する半導体層を形成
し、その積層境界にてPIN 接合を形成するとともに、そ
れぞれの半導体層に他の隣接する半導体層からの不純物
が混入して接合特性を劣化させることを防ぎ、またそれ
ぞれの半導体層を形成する工程間に、大気特に酸素に触
れさせて、半導体の一部が酸化されることにより層間絶
縁物が形成されることのないようにした連続生産を行う
ためのプラズマ気相反応に関する。
【0010】さらに本発明は、かかる反応容器をそれぞ
れの反応においては独立として多数連結したマルチチャ
ンバ方式のプラズマ反応方法において、一度に多数の基
板を同時にその被膜成長速度を大きくしたいわゆる多量
生産方式に関する。本発明は10cm×10cmまたは電極方向
に10〜50cm例えば40cmを有するとともに、巾15〜120 cm
例えば60cmの基板(40cm×60cmまたは20cm×60cmを1バ
ッチ20枚配設)を用いた。
【0011】図1、図2においては、反応性気体の導入
手段、排気手段を有し、これらを供給ノズル、排気ノズ
ルを設け、この絶縁フ−ドよりも内側に相対させて一対
の電極(61),(51)または(62),(52)および反応性気体の
供給ノズル(17),(18)および排気ノズル(17' ),(18')
を配設した。即ち、電極の外側をフ−ドの絶縁物で包む
構造(39),(39') とした。さらにこのフ−ド間の反応空
間を閉じ込めるため、外側周辺を絶縁物(38),(38') で
取り囲んだ。
【0012】また、図2に図1の断面を示す図面を示す
が、反応容器の前(図面左側) 後(図面右側)に開閉扉
を設け、この扉の内面にハロゲンランプ等による加熱手
段(13),(13')を設けた。以下に本発明の実施例を図面
に従って説明する。
【0013】
【実施例】
〔実施例1〕図1、図2に従って本発明のプラズマ気相
反応装置の実施例を説明する。 この図面は、PIN 接
合、PIP 接合、NIN 接合またはPINPIN・・・PIN 接合等
の基板上の半導体に、異種導電型でありながらも、形成
される半導体の主成分または化学量論比の異なる半導体
層をそれぞれの半導体層をその前工程において形成され
た半導体層の影響(混入)を受けずに積層させるための
多層に自動かつ連続的に形成するための装置である。
【0014】図面においてはPIN 接合を構成する複数の
反応系の一部を示している。即ち、P,IおよびN型の半
導体層を積層して形成する3つの反応系の2つ(A、
C)とさらに第1の予備室および移設用のバッファ室
(B)を有するマルチチャンバ方式のプラズマ気相反応
装置の装置例を示す。図面における系A、B、Cは、2
つの各反応容器(101 ),(103)およびバッファ室(102
)を有し、それぞれの反応容器間に分離部(44),(45),
(46),(47)を有している。またそれぞれ独立して、反応
性気体の供給ノズル(17),(18 )と排気ノズル(17'),
(18')とを有し、反応性気体が供給系から排気系に層流
になるべく設けている。
【0015】この装置は入り口側には第1の予備室(10
0 )が設けられ、まず扉(42)より基板ホルダ(2)の
2つの面に2つの被形成面を有する2枚の基板(1)を
挿着した。さらにこのホルダ(3)を外枠冶具(外周辺
のみ(38),(38') として示す)により互いに所定の等距
離を離間して配設した。即ちこの被形成面を有する基板
は被膜形成を行わない裏面を基板ホルダ(2)に接し、
基板2枚および基板ホルダとを一つのホルダ(3)とし
て6cm±0.5cm の間隙を有して絶縁物の外枠冶具内に林
立させた。その結果、40cm×60cmの基板を20枚同時に被
膜形成させることができた。かくして高さ55cm、奥行80
cm、巾80cmの反応空間(6),(8)は上方、下方を絶縁
物(39),(39') で囲まれ、また側周辺は絶縁外枠冶具
(38),(38') で取り囲んだ。
【0016】第1の予備室(100 )を圧力調整バルブ
(71)を全開とし、TP(86)を経て真空ポンプ(35)に
より真空引きをした。この後、圧力調整バルブ (72)
を全開とし、TPにより3×10-8torr以下にまで予め真空
引きがされている反応容器(101 )との分離用のゲ─ト
弁(44)を開けて、外枠冶具(38)に保持された基板を
移した。例えば、予備室(100 )より第1の反応容器
(101 )に移し、さらにゲ─ト弁(44)を閉じることに
より基板を第1の反応容器(101 )に移動させたもので
ある。この時、第1の反応容器(101 )に保持されてい
た基板(1)等は、予めまたは同時にバッファ室(102
)に、またバッファ室(102 )に保持されていた冶具
および基板(2)は第2の反応容器(103 )に、また第
2の反応容器(103 )に保持されていた基板は第2のバ
ッファ室(104 )に、さらに図示が省略されているが、
第3の反応室の基板および冶具は出口側の第2の予備室
にゲ─ト弁(45),(46),(47)を開けて移動させることが
可能である。この後ゲ─ト弁(44),(45),(46),(47 )を
閉めた。
【0017】即ちゲ─ト弁の動きは、扉(42)が大気圧
で開けられた時は分離部のゲ─ト弁(44),(45),(46),(4
7 )は閉じられ、各チャンバにおいてはプラズマ気相反
応が行われている。また逆に、扉(42)が閉じられてい
て予備室(100 )が十分真空引きされた時は、ゲ─ト弁
(44),(45),(46),(47 )が開けられ、各チャンバの基
板、冶具は隣のチャンバに移動する機構を有し、外気が
反応室(101),(102 )に混入しないようにしている。
【0018】系Aにおける第1の反応容器(101 )でP
型半導体層をPCVD法により形成する場合を以下に示す。
反応系A(反応容器(101 )を含む)は0.01〜10torr好
ましくは0.01〜1torr 例えば0.08torrとした。即ち、圧
力調整バルブを閉として、反応容器 (101 )内の圧力
は0.05〜1torr であり、またこのバルブ下は1 ×10-2to
rr以下一般には1×10-4〜1×10-7torrとなり、この真
空度をTP(87)を回転させて成就させている。またこの
連続排気方式のTPを動作させているため、VP(36)のポ
リマ化した油の逆拡散、また油中に含浸した排気用の大
気特に酸素を逆流させることを初めて防ぐことができ
た。
【0019】反応性気体は系Aのド−ピング系(50)よ
り供給した。即ち珪化物気体(24)としては精製されて
さらにステンレスボンベに充填されたシラン(SinH2n+2
n>1特にSiH4またはSi2H6 フッ化珪素(SiF2または
SiF4)を用いた。ここでは、取扱いが容易な超高純度シ
ラン(純度99.99 %、但し水、酸素化物は0.1PPM以下)
を用いた。
【0020】本実施例のSixC1-x (0<x<1 )を形成す
るため、炭化物気体(25)としてDMS (ジメチルシラン
(SiH2(CH3)2 純度99.99 %)を用いた。炭化珪素(Si
xC1-x 0<x<1)に対しては、P型の不純物としてボ
ロンを前記したモノシラン中に同時に0.5 %の濃度に混
入させ(24)よりシランとともに供給した。
【0021】必要に応じ、水素(純度7N以上)または窒
素 (純度7N以上)を反応室を大気圧とする時(23)よ
り供給した。これらの反応性気体はそれぞれの流量計
(33)およびバルブ(32)を経、反応性気体の供給ノズ
ル(17)より高周波電源(14)の負電極(61)を経て反
応空間(6)に供給された。反応性気体はホルダ(38)
に囲まれた筒状空間(6)内に供給され、この空間を構
成する基板(1)に被膜形成を行った。さらに負電極
(61)と正電極(51)間に電気エネルギ例えば13.56MHz
の高周波エネルギ(14)を加えてプラズマ反応せしめ、
基板上に反応生成物を被膜形成せしめた。基板は100 〜
400 ℃例えば200 ℃に図2に示す反応容器(103 )の容
器の前後に配設された赤外線ヒ─タと同じ手段により加
熱した。
【0022】この赤外線ヒ─タは、近赤外用ハロゲンラ
ンプ(発光波長1〜3μ)ヒ─タまたは遠赤外用セラミ
ックヒ─タ(発光波長8〜25μ)を用い、この反応容器
内におけるホルダにより取り囲まれた筒状空間を200 ±
10℃好ましくは±5℃以内に設置した。この後、前記し
たが、この容器に前記した反応性気体を導入し、さらに
10〜500W例えば100Wに高周波エネルギ(14)を供給して
プラズマ反応を起こさせた。かくしてP型半導体層はB2
H6/SiH4=0.5 %, DMS /(SiH4+DMS)=10%の条件に
て、この反応系Aで平均膜厚30〜300 Å例えば約100 Å
の厚さを有する薄膜として形成させた。Eg=2.05eVσ=
1×10-6〜3×10-5( Ωcm) -1であった。基板は導体基
板(ステンレス、チタン、アルミニュ─ム、その他の金
属),半導体(珪素、ゲルマニュ─ム),絶縁体(ガラス、
有機薄膜)または複合基板(ガラスまたは透光性有機樹
脂上に透光性導電膜である弗素が添加された酸化スズ、
ITO 等の導電膜が単層またはITO 上にSnO2が形成された
2層膜が形成されたもの)を用いた。本実施例のみなら
ず本発明のすべてにおいてこれらを総称して基板とい
う。勿論この基板は可曲性であってもまた固い板であっ
てもよい。
【0023】かくして1〜5分間プラズマ気相反応をさ
せて、P型不純物としてホウ素が添加された炭化珪素膜
を約100 Åの厚さに作製した。さらにこの第1の半導体
層が形成された基板をゲ−ト(45)を開け前記した操作
順序に従ってバッファ室(102 )に移動し、ゲ−ト(4
5)を閉じた。このバッファ室(102 )は予め10-8torr
以下例えば4×10-1 torr にクライオポンプ(88)にて
真空引きがされている。
【0024】またこの基板は系Cに同様にTP(89)によ
り、1×10-7torr以下に保持された反応容器にゲ−ト
(46)の開閉を経て移設された。即ち図1における反応
系Cにおいて、半導体の反応性気体として超高純度モノ
シランまたはジシランを(水または酸化珪素、酸化物気
体の濃度は0.1PPM以下)(28)yより、また、1017cm-3以下
のホウ素を添加するため、水素、シラン等によって0.5
〜30PPM に希釈したB2H6を(27)より、またキャリアガ
スを必要に応じて(26)より供給した。反応性気体は基
板(1)の被形成面にそって上方より下方に流れ、TP
(88)に至る。系Cにおいて出口側よりみた縦断面図を
図2に示す。
【0025】図2を概説する。図2は図1の反応系 の
縦断面図を示したものである。図面において、ランプヒ
─タ(13),(13') は棒状のハロゲンランプを用いた。反
応空間はヒ─タにより100 〜400 ℃例えば250 ℃とし
た。基板(1)が基板ホルダ(2)に保持され、外枠冶
具(38),(38') で閉じ込め空間(8)を構成している。
5000Åの厚さにSiH460cc/分、被膜形成速度2.5 Å/
秒、基板(20cm×60cmを20枚、延べ面積24000 cm2
で圧力0.1 torrとした。Si2H6 を用いた場合、被膜形成
速度28Å/秒を有していた。
【0026】かくして第1の反応室にてプラズマ気相法
によりP型半導体層を形成した上にPCVD法によりI型半
導体層を形成させてPI接合を構成させた。また系Cにて
約7000Åの厚さに形成させた後、基板は前記した操作に
従って、隣のバッファ室(102 )に移され、さらにその
隣の反応室に移設して同様のPCVD工程によりN型半導体
層を形成させた。このN型半導体層は、PCVD法によりフ
ォスヒンをPH3 /SiH4=1.0 %としたシランとキャリア
ガスの水素をSiH4/H2=20%として供給して、系Aと同
様にして約200 Åの厚さにN型の微結晶性または繊維構
造を有する多結晶の半導体層を形成させて、さらにその
上面に、炭化珪素をDMS /(SiH4+DMS)=0.1 としてSi
xC1-x (0<x<1 )で示されるN型半導体層を10〜200
Åの厚さ例えば50Åの厚さに積層して形成させたもので
ある。その他反応装置については系Aと同様である。
【0027】かかる工程の後、第2の予備室より外にPI
N 接合を構成して出された基板上に100 〜1500Åの厚さ
のITO をさらにその上に反射性または昇華性金属電極例
えばアルミニュ─ム電極を真空蒸着法により約1μの厚
さに作り、ガラス基板上に(ITO+SnO2)表面電極─(PI
N 半導体)─(裏面電極)を構成させた。その光電変換
装置としての特性は7〜9%平均8%を10cm×10cmの基
板でAM1(100mW /cm2 )の条件下にて真性効率特性
として有し、集積化してハイブリッド型にした40cm×60
cmのガラス基板においても、5.5 %を実効効率で得るこ
とができた。その結果、1つの素子で開放電圧は0.85〜
0.9V(0.87±0.02V )であったが、短絡電流は18±2 mA
/cm2 と大きく、またFFも0.60〜0.70と大きく、かつ
そのばらつきもパネル内、バッチ内で小さく、工業的に
本発明方法はきわめて有効であることが判明した。
【0028】図3は本発明および従来方法により作られ
たPIN 型光電変換装置における半導体内の酸素および炭
素の不純物の濃度分布を示す。図面はアルミニュ−ム裏
面電極(94),N型半導体(93),I型半導体(92),P型半
導体(91),基板上の酸化スズ透光性導電膜(90)をそれ
ぞれ示す。 従来方法の排気系を回転ポンプまたはメカ
ニカルブ−スタ−ポンプのみによる排気方法において
は、連続排気方式のTPを用いないため、炭素は曲線(9
5),酸素は曲線(96)に示される高い濃度の不純物を含
有していた。
【0029】特に酸素は、5×1019〜2×1020cm-3をI
型半導体(92)において有していた。図面は5×1019cm
-3の酸素を含んだ場合である。加えて油回転ポ4×1020
cm-3を有していた。図面は1×1020cm-3を有する場合で
ある。他方、本発明に示すごとき排気系においては炭素
濃度は1×1017〜5×1018cm-3を有し、一般には1×10
18cm-3以下しか含まれない。加えて酸素も5×1018cm -3
以下好ましくは1×1018cm-3以下であり、図面2では2
×1018cm-3の場合を示す。
【0030】図3において、裏面電極(94)のアルミニ
ュ−ムには3〜6×1020cm-3の酸素を有している。この
ため、この酸素がSIMS(二次イオン分析法)(カメカ社
3F型を使用)の測定において、バックグラウンドの酸素
となり、N型半導体(93)中の酸素は1018〜1020cm-3
なってしまったものと考えられる。さらにP型半導体中
の酸素、DMS 中に含まれる水の成分があるため不純物が
あり、この出発材料をシランを精製して0.1PPM以下の酸
素または酸化物とすることによりさらに酸素濃度を下げ
ることの可能性が推定できる。形成させる半導体の種類
に関しては、Siのみならず他は4族のGe,SixC 1-x (0
<x<1, SixG1-x (0<x<1) SixSn 1-x ( 0<x
<1)単層または多層であっても、またこれら以外にGa
As,GaAlAs,BP,CdS等の化合物半導体等の非酸素化物であ
ってもよいことはいうまでもない。
【0031】本発明は3つの反応容器を用いてマルチチ
ャンバ方式でのPCVD法を示した。しかしこれを1つの反
応容器とし、そこでPCVD法により窒化珪素をシラン(Si
H4またはSi2H6 )とアンモニア(NH3 )とのPCVD反応に
より形成させることは有効である。 本発明で形成され
た非単結晶半導体被膜は、絶縁ゲイト型電界効果半導体
装置におけるN(ソ─ス)I(チャネル形成領域)N
(ドレイン)接合またはPIP 接合に対しても有効であ
る。さらに、PIN ダイオ─ドであってエネルギバンド巾
がW─N─W(WIDE-NALLOW-WIDE)またはSixC1-x ─Si
─SixC1-x (0<x<1)構造のPIN 接合型の可視光レ
─ザ、発光素子または光電変換装置を作ってもよい。特
に光入射光側のエネルギバンド巾を大きくしたヘテロ接
合構造を有するいわゆるW(PまたはN型)─N(I
型)(WIDE TO NALLOW)と各反応室にて導電型のみではな
く生成物を異ならせてそれぞれに独立して作製して積層
させることが可能になり、工業的にきわめて重要なもの
であると信ずる。
【0032】
【発明の効果】本発明において、分離部は単にゲイト弁
のみではなく、2つのゲ─ト弁と1つのバッファ室とを
系2として設けてP型半導体の不純物のI型半導体層中
への混入をさらに防ぎ、特性を向上せしめることは有効
であった。
【0033】この本発明のプラズマCVD 装置を他の構造
のシングルチャンバまたはマルチチャンバ方式に応用で
きることはいうまでもない。
【0034】また本発明の実施例は図1に示すマルチチ
ャンバ方式であり、そのすべての反応容器にてPCVD法を
供給した。しかし必要に応じ、この一部または全部をを
プラズマを用いない光CVD 法、LT CVD法(HOMO CVD法と
もいう) 、減圧CVD 法を採用して複合被膜を形成しても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのプラズマ気相反応用被
膜製造装置の概略を示す。
【図2】本発明を実施するためのプラズマ気相反応用被
膜製造装置の概略を示す。
【図3】本発明および従来方法によって作られた半導体
装置中の不純物の分布を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 気相反応被膜作製方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は良質な被膜を形成する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、CVD 装置例えばPCVD装置
においては、反応系の圧力が0.05〜10torrと
高い圧力のため、その排気系等はVPのみが用いられ、
それ以上の真空度を発生させるTP等を設けることが全
く不可能とされていた。
【0003】
【従来の技術の問題点】しかし上記技術におけるPCV
D装置において、排気系がVPのみであり、しかもこの
VPが不連続の回転運動をするため、空気と接触してい
る大気圧の排気系からの大気(特に酸素)が逆流し、さ
らにこの大気の一部が油中に混入し、ここから再気化す
ることにより反応容器内に逆流してしまうことが判明し
た。さらにこのため、この逆流により酸素が形成する被
膜内に混入し、例えば珪素膜を作製する場合その被膜内
に酸素が3×1019〜2×1020cm−3の濃度に
混入してしまった。このため、かかる被膜に水素または
弗素が添加されて、珪素半導体であるべきものが低級酸
化珪素といってもよいようなものになってしまった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
において良質な被膜形成を行おうとする際問題であっ
た、反応炉への排気系からの大気の逆流を防止すること
を、目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の気相反応被膜作
製方法は、減圧状態に保持された反応系に置かれた基板
上に被膜を互いに積層させる方法において、前記被膜を
形成させるための反応室に、前記被膜形成中はゲート弁
により各反応室から独立させることができる構造のもの
であって、しかも反応ガス導入手段と、真空または減圧
にするための不連続回転方式の真空ポンプ及び連続排気
方式のターボ分子ポンプとを備えているものを使用し、
かつ反応室には基板移設用のバッファ室が接続されてお
り、また前記バッファ室は反応ガス導入手段と真空また
は減圧にするための不連続回転方式の真空ポンプ及び連
続排気方式のターボ分子ポンプとを備えているものであ
り、前記反応室を出た基板をバッファ室を介して他の反
応室に移動させることにより前記非単結晶半導体層の各
々の層を独立の反応室で形成させることにある。また反
応容器内で気相反応法により反応性気体を反応せしめて
非酸素系被膜を形成するに際し、反応性気体中の水、酸
化物を0.1ppm以下とし、被膜形成中における反応
容器から排気を連続排気方式のターボ分子ポンプにより
実施し、酸素または炭素が5×1018cm−3以下の
濃度である非酸素系被膜を基板上に形成することも可能
である。さらに相異なる反応室内で気相反応法により反
応性気体を反応せしめて第1層、第2層、第3層からな
る非酸素系被膜を作製する方法において、第2層を珪素
の半導体被膜に形成するに際し、減圧状態に保持された
反応室に、水、酸化物を0.1ppm以下にした反応性
気体を導入し、前記第2層の形成中の反応室はゲート弁
により他の反応室から独立させ、被膜形成中における該
反応室からの反応性気体や反応生成物を連続排気方式の
ターボ分子ポンプを用いて排出することもできる。
【0006】本発明は非酸素系被膜の作製において、そ
の排気系よりの大気の逆流を防ぐため、油回転方式のロ
ータリーポンプ、メカニカルブースターポンプ等の不連
続回転方式の真空ポンプ(以下単に真空ポンプまたはV
Pという)のみを用いるのではなく、連続排気方式のタ
ーボ分子ポンプ(以下単にターボ分子ポンプまたはTP
という)を反応容器と真空ポンプとの間に介在させて、
排気系からの大気の逆流を防止している。
【0007】このことにより、非酸化物被膜例えば非単
結晶珪素を、反応性気体であるシラン(Si
2n+2n≧1)を用いて形成するに際し、その被膜中
の酸素の量を5×1018cm3以下好ましくは1×
1018cm−3以下にしようとするものである。本発
明はかかる排気系をTPを反応室とVPとの間に反応中
の圧力調整用のバルブを経て介在させることにより、反
応室内は0.05〜10torrの間の圧力範囲でプラ
ズマ気相反応(PCVDという、光CVD (Phot
o CVDという)またはこれらを併用した方法(以下
単にCVD法として総称する))を用いて被膜形成を行
い、かつ圧力調整バルブ下は1×10−2torr以下
(一般には10−4〜10−6torr)の圧力として
保持し、TPを作用させるため、反応系はこの排気系よ
りも高い圧力(1×10−2torr以上即ち0.05
〜10torr)で保持して被膜形成を行うことを目的
としている。さらに本発明はかかるプラズマCVD装置
を反応室を複数ケ連結し、それぞれの反応室にてP型非
単結晶半導体、I型非単結晶半導体およびN型非単結晶
半導体を基板上に積層して、PIN接合を構成する半導
体装置の作製方法に関する。
【0008】本発明は、図1にその装置の概要を示す。
即ち、反応性気体を導入するドーピング系(50)反応
容器(51)排気系(52)を有する。反応容器は内側
に絶縁物で内面が形成された反応空間を有する二重反応
容器型として半導体層を形成し、さらに加えてP型半導
体(図面では系A),I型半導体(図面では系C)およ
びN型半導体と積層して接合を基板上に形成するに際
し、それぞれの反応容器を分離部(図面では系B)を介
して連結せしめたマルチチャンバ方式のPCVD法を図
1に示すごとくに提案するにある。
【0009】本発明は水素またはハロゲン元素が添加さ
れた非単結晶半導体層の形成により、再結合中心密度の
小さなP,IおよびN型の導電型を有する半導体層を形
成し、その積層境界にてPIN接合を形成するととも
に、それぞれの半導体層に他の隣接する半導体層からの
不純物が混入して接合特性を劣化させることを防ぎ、ま
たそれぞれの半導体層を形成する工程間に、大気特に酸
素に触れさせて、半導体の一部が酸化されることにより
層間絶縁物が形成されることのないようにした連続生産
を行うためのプラズマ気相反応に関する。
【0010】さらに本発明は、かかる反応容器をそれぞ
れの反応においては独立として多数連結したマルチチャ
ンバ方式のプラズマ反応方法において、一度に多数の基
板を同時にその被膜成長速度を大きくしたいわゆる多量
生産方式に関する。本発明は10cm×10cmまたは
電極方向に10〜50cm例えば40cmを有するとと
もに、巾15〜120cm例えば60cmの基板(40
cm×60cmまたは20cm×60cmを1バッチ2
0枚配設)を用いた。
【0011】図1、図2においては、反応性気体の導入
手段、排気手段を有し、これらを供給ノズル、排気ノズ
ルを設け、この絶縁フードよりも内側に相対させて一対
の電極(61),(61’)または(62),(6
2’)および反応性気体の供給ノズル(17),(1
8)および排気ノズル(17’),(18’)を配設し
た。即ち、電極の外側をフードの絶縁物で包む構造(3
9),(39’)とした。さらにこのフード間の反応空
間を閉じ込めるため、外側周辺を絶縁物(38),(3
8’)で取り囲んだ。
【0012】また、図2に図1の断面を示す図面を示す
が、反応容器の前(図面左側)後(図面右側)に開閉扉
を設け、この扉の内面にハロゲンランプ等による加熱手
段(13),(13’)を設けた。以下に本発明の実施
例を図面に従って説明する。
【0013】
【実施例】 〔実施例1〕図1、図2に従って本発明のプラズマ気相
反応装置の実施例を説明する。 この図面は、PIN接
合、PIP接合、NIN接合またはPINPIN・・・
PIN接合等の基板上の半導体に、異種導電型でありな
がらも、形成される半導体の主成分または化学量論比の
異なる半導体層をそれぞれの半導体層をその前工程にお
いて形成された半導体層の影響(混入)を受けずに積層
させるための多層に自動かつ連続的に形成するための装
置である。
【0014】図面においてはPIN接合を構成する複数
の反応系の一部を示している。即ち、P,IおよびN型
の半導体層を積層して形成する3つの反応系の2つ
(A、C)とさらに第1の予備室および移設用のバッフ
ァ室(B)を有するマルチチャンバ方式のプラズマ気相
反応装置の装置例を示す。図面における系A、B、C
は、2つの各反応容器(101 ),(103)および
バッファ室(102)を有し、それぞれの反応容器間に
ゲート弁(44),(45),(46),(47)を有
している。またそれぞれ独立して、反応性気体の供給ノ
ズル(17),(18)と排気ノズル(17’),(1
8’)とを有し、反応性気体が供給系から排気系に層流
になるべく設けている。
【0015】この装置は入り口側には第1の予備室(1
00)が設けられ、まず扉(42)より基板ホルダ
(2)の2つの面に2つの被形成面を有する2枚の基板
(1)を挿着した。さらにこのホルダ(3)を外枠冶具
(外周辺のみ(38),(38’)として示す)により
互いに所定の等距離を離間して配設した。即ちこの被形
成面を有する基板は被膜形成を行わない裏面を基板ホル
ダ(2)に接し、基板2枚および基板ホルダとを一つの
ホルダ(3)として6cm±0.5cmの間隙を有して
絶縁物の外枠冶具内に林立させた。その結果、40cm
×60cmの基板を20枚同時に被膜形成させることが
できた。かくして高さ55cm、奥行80cm、巾80
cmの反応空間(6),(8)は上方、下方を絶縁物
(39),(39’)で囲まれ、また側周辺は絶縁外枠
冶具(38),(38’)で取り囲んだ。
【0016】第1の予備室(100)を圧力調整バルブ
(71)を全開とし、TP(86)を経て真空ポンプ
(35)により真空引きをした。この後、圧力調整バル
ブ(72)を全開とし、TPにより3×10−8tor
r以下にまで予め真空引きがされている反応容器(10
1)との分離用のゲート弁(44)を開けて、外枠冶具
(38)に保持された基板を移した。例えば、予備室
(100)より第1の反応容器(101)に移し、さら
にゲート弁(44)を閉じることにより基板を第1の反
応容器(101)に移動させたものである。この時、第
1の反応容器(101)に保持されていた基板(1)等
は、予めまたは同時にバッファ室(102)に、またバ
ッファ室(102)に保持されていた冶具および基板
(2)は第2の反応容器(103)に、また第2の反応
容器(103)に保持されていた基板は第2のバッファ
室(104)に、さらに図示が省略されているが、第3
の反応室の基板および冶具は出口側の第2の予備室にゲ
ート弁(45),(46),(47)を開けて移動させ
ることが可能である。この後ゲート弁(44),(4
5),(46),(47)を閉めた。
【0017】即ちゲート弁の動きは、扉(42)が大気
圧で開けられた時は分離部のゲート弁(44),(4
5),(46),(47)は閉じられ、各チャンバにお
いてはプラズマ気相反応が行われている。また逆に、扉
(42)が閉じられていて予備室(100)が十分真空
引きされた時は、ゲート弁(44),(45),(4
6),(47)が開けられ、各チャンバの基板、冶具は
隣のチャンバに移動する機構を有し、外気が反応室(1
01),(102)に混入しないようにしている。
【0018】以下系Aにおける第1の反応容器(10
1)でP型半導体層をPCVD法により形成する場合を
以下に示す。反応系A(反応容器(101)を含む)は
0.01〜10torr好ましくは0.01〜1tor
r例えば0.08torrとした。即ち、圧力調整バル
ブ(72)を閉として、反応容器(101)内の圧力は
0.05〜1torrであり、またこのバルブ下は1×
10−2torr以下一般には1×10−4〜1×10
−7torrとなり、この真空度をTP(87)を回転
させて成就させている。またこの連続排気方式のTPを
動作させているため、PCVD反応により発生する粉末
状生成物を反応容器(101)から排出できると共に、
VP(36)のポリマ化した油の逆拡散、また油中に含
浸した排気用の大気特に酸素を逆流させることを初めて
防ぐことができた。
【0019】反応性気体は系Aのドーピング系(50)
より供給した。即ち珪化物気体(24)としては精製さ
れてさらにステンレスボンベに充填されたシラン(Si
2n+2n>1)特にSiHまたはSi
フッ化珪素(SiFまたはSiF)を用いた。ここ
では、取扱いが容易な超高純度シラン(純度99.99
%、但し水、酸素化物は0.1PPM以下)を用いた。
本実施例のSi1−x(0<X<1)を形成する
ため、炭化物気体(25)としてDMS (ジメチルシ
ラン(SiH(CH純度99.99%)を用い
た。炭化珪素(Si1−x0<x<1)に対して
は、P型の不純物としてボロンを前記したモノシラン中
に同時に0.5%の濃度に混入させ(24)よりシラン
とともに供給した。
【0020】必要に応じ、水素(純度7N以上)または
窒素 (純度7N以上)を反応室を大気圧とする時(2
3)より供給した。これらの反応性気体はそれぞれの流
量計(33)およびバルブ(32)を経、反応性気体の
供給ノズル(17)より高周波電源(14)の負電極
(61)を経て反応空間(6)に供給された。反応性気
体はホルダ(38)に囲まれた筒状空間(6)内に供給
され、この空間を構成する基板(1)に被膜形成を行っ
た。さらに負電極(61)と正電極(51)間に電気エ
ネルギ例えば13.56MHzの高周波エネルギ(1
4)を加えてプラズマ反応せしめ、基板上に反応生成物
を被膜形成せしめた。基板は100〜400℃例えば2
00℃に図2に示す反応容器(103)の容器の前後に
配設された赤外線ヒータと同じ手段により加熱した。
【0021】この赤外線ヒータは、近赤外用ハロゲンラ
ンプ(発光波長1〜3μ)ヒータまたは遠赤外用セラミ
ックヒータ(発光波長8〜25μ)を用い、この反応容
器内におけるホルダにより取り囲まれた筒状空間を20
0±10℃好ましくは±5℃以内に設置した。この後、
前記したが、この容器に前記した反応性気体を導入し、
さらに10〜500W例えば100Wに高周波エネルギ
(14)を供給してプラズマ反応を起こさせた。かくし
てP型半導体層はB/SiH=0.5%,DM
S/(SiH+DMS)=10%の条件にて、この反
応系Aで平均膜厚30〜300Å例えば約100Åの厚
さを有する薄膜として形成させた。Eg=2.05e
V)、σ=1×10−6〜3×10−5(Ωcm)−1
であった。
【0022】基板は導体基板(ステンレス、チタン、ア
ルミニューム、その他の金属),半導体(珪素、ゲルマ
ニューム),絶縁体(ガラス、有機薄膜)または複合基
板(ガラスまたは透光性有機樹脂上に透光性導電膜であ
る弗素が添加された酸化スズ、ITO等の導電膜が単層
またはITO上にSnOが形成された2層膜が形成さ
れたもの)を用いた。本実施例のみならず本発明のすべ
てにおいてこれらを総称して基板という。勿論この基板
は可曲性であってもまた固い板であってもよい。
【0023】かくして1〜5分間プラズマ気相反応をさ
せて、P型不純物としてホウ素が添加された炭化珪素膜
を約100Åの厚さに作製した。さらにこの第1の半導
体層が形成された基板をゲート(45)を開け前記した
操作順序に従ってバッファ室(102)に移動し、ゲー
ト(45)を閉じた。このバッファ室(102)は予め
10−8torr以下にクライオポンプ(88)にて真
空引きがされている。バッファ室(102)は、CVD
反応を行わないから、ターボ分子ポンプでなく、クライ
オポンプを使用できる。
【0024】またこの基板は系Cに同様にTP(89)
により、1×10−7torr以下に保持された反応容
器にゲート(46)の開閉を経て移設された。即ち図1
における反応系Cにおいて、半導体の反応性気体として
超高純度モノシランまたはジシランを(水または酸化珪
素、酸化物気体の濃度は0.1PPM以下)(28)よ
り、また、1017cm−3以下のホウ素を添加するた
め、水素、シラン等によって0.5〜30PPMに希釈
したBを(27)より、またキャリアガスを必要
に応じて(26)より供給した。反応性気体は基板
(1)の被形成面にそって上方より下方に流れ、TP
(89)に至る。系Cにおいて出口側よりみた縦断面図
を図2に示す。
【0025】図2を概説する。図2は図1の反応系Cの
縦断面図を示したものである。図面において、ランプヒ
ータ(13),(13’)は棒状のハロゲンランプを用
いた。反応空間はヒータにより100〜400℃例えば
250℃とした。基板(1)が基板ホルダ(2)に保持
され、外枠冶具(38),(38’)で閉じ込め空間
(8)を構成している。図2に示す反応室(103)に
おいてI層を5000Åの厚さに以下の条件、SiH
60cc/分、被膜形成速度2.5Å/秒、基板(2
0cm×60cmを20枚、延べ面積24000c
)、圧力0.1torrで形成した。反応ガスとし
てSiを用いた場合、被膜形成速度28Å/秒で
あった。
【0026】かくして第1の反応室にてプラズマ気相法
によりP型半導体層を形成した上にPCVD法によりI
型半導体層を形成させて円接合を構成させた。つぎに系
Cにて約5000Åの厚さに形成させた後基板を前記し
た操作に従って、隣のバッファ室(104)に移し、さ
らにその隣の反応室に移設して同様のPCVD工程によ
りN型半導体層を形成させた。このN型半導体層は、P
CVD法によりフォスヒンをPH/SiH=1.0
%としたシランとキャリアガスの水素をSiH/H
=20%として供給して、系Aと同様にして約200Å
の厚さにN型の微結晶性または繊維構造を有する多結晶
の半導体層を形成させて、さらにその上面に、炭化珪素
をDMS/(SiH+DMS)=0.1としてSi
1−x(0<x<1)で示されるN型半導体層を10
〜200Åの厚さ例えば50Åの厚さに積層して形成さ
せたものである。その他反応装置については系Aと同様
である。
【0027】かかる工程の後、第2の予備室より外にP
IN接合を構成して出された基板上に100〜1500
Åの厚さのITOをさらにその上に反射性または昇華性
金属電極例えばアルミニューム電極を真空蒸着法により
約1μの厚さに作り、ガラス基板上に(ITO+SnO
)表面電極−(PIN半導体)−(裏面電極)を構成
させた。その光電変換装置としての特性は7〜9%平均
8%を10cm×10cmの基板でAMI(100mW
/cm)の条件下にて真性効率特性として有し、集積
化してハイブリッド型にした40cm×60cmのガラ
ス基板においても、5.5%を実効効率で得ることがで
きた。その結果、1つの素子で開放電圧は0.85〜
0.9V(0.87±0.02V)であったが、短絡電
流は18±2mA/cmと大きく、またFFも0.6
0〜0.70と大きく、かつそのばらつきもパネル内、
バッチ内で小さく、工業的に本発明方法はきわめて有効
であることが判明した。
【0028】図3は本発明および従来方法により作られ
たPIN型光電変換装置における半導体内の酸素および
炭素の不純物の濃度分布を示す。図面はアルミニューム
裏面電極(94),N型半導体(93),I型半導体
(92),P型半導体(91),基板上の酸化スズ透光
性導電膜(90)をそれぞれ示す。従来方法の排気系を
回転ポンプまたはメカニカルブースターポンプのみによ
る排気方法においては、連続排気方式のTPを用いない
ため、炭素は曲線(95),酸素は曲線(96)に示さ
れる高い濃度の不純物を含有していた。特に酸素は、5
×1019〜2×1020cm−3をI型半導体(9
2)において有していた。図面は5×1019cm−3
の酸素を含んだ場合である。加えて油回転ポンプからの
油成分の逆流により炭素が5×1020〜4×1020
cm−3を有していた。図面は1×1020cm−3
有する場合である。
【0029】他方、本発明に示すごとき排気系において
は炭素濃度は曲線(98)で示される如く1×1017
〜5×1018cm−3を有し、一般には1×1018
cm−3以下しか含まれない。加えて酸素濃度も曲線
(97)で示されるごとく5×1018cm−3以下好
ましくは1×1018cm−3以下であり、図3では2
×1018cm−3の場合を示している。図3におい
て、裏面電極(94)のアルミニュームには3〜6×1
20cm−3の酸素を有している。このため、この酸
素がSIMS(二次イオン分析法)(カメカ社3F型を
使用)の測定において、バックグラウンドの酸素とな
り、N型半導体(93)中の酸素は1018〜1020
cm−3となってしまったものと考えられる。
【0030】さらにP型半導体中の酸素、DMS中に含
まれる水の成分があるため不純物があり、この出発材料
をシランを精製して0.1PPM以下の酸素または酸化
物とすることによりさらに酸素濃度を下げることの可能
性が推定できる。形成させる半導体の種類に関しては、
Siのみならず他は4族のGe,Si1−x(0<
x<1,Si Ge1−x (0<x<1)Si
Sn1−x(0<x<1)単層または多層であっても、
またこれら以外にGaAs,GaAlAs,BP,Cd
S等の化合物半導体等の非酸素化物であってもよいこと
はいうまでもない。
【0031】本発明は3つの反応容器を用いてマルチチ
ャンバ方式でのPCVD法を示した。しかしこれを1つ
の反応容器とし、そこでPCVD法により窒化珪素をシ
ラン(SiHまたはSi)とアンモニア(NH
)とのPCVD反応により形成させることは有効であ
る。本発明で形成された非単結晶半導体被膜は、絶縁ゲ
イト型電界効果半導体装置におけるN(ソース)I(チ
ャネル形成領域)N(ドレイン)接合またはPIP接合
に対しても有効である。さらに、PINダイオードであ
ってエネルギバンド巾がW−N−W(WIDE−NAL
LOW−WIDE)またはSi1−x−Si−Si
1−x(0<x<1)構造のPIN接合型の可視光
レーザ、発光素子または光電変換装置を作ってもよい。
特に光入射光側のエネルギバンド巾を大きくしたヘテロ
接合構造を有するいわゆるW(PまたはN型)−N(I
型)(WIDE TO NALLOW)と各反応室にて
導電型のみではなく生成物を異ならせてそれぞれに独立
して作製して積層させることが可能になり、工業的にき
わめて重要なものであると信ずる。
【0032】本発明において、分離部は単にゲイト弁の
みではなく、2つのゲート弁と1つのバッファ室とを系
Bとして設けてP型半導体の不純物のI型半導体層中へ
の混入をさらに防ぎ、特性を向上せしめることは有効で
あった。この本発明のプラズマCVD装置を他の構造の
シングルチャンバまたはマルチチャンバ方式に応用でき
ることはいうまでもない。また本発明の実施例は図1に
示すマルチチャンバ方式であり、そのすべての反応容器
にてPCVD法を供給した。しかし必要に応じ、この一
部または全部をプラズマを用いない光CVD法、LT
CVD法(HOMO CVD法ともいう)、減圧CVD
法を採用して複合被膜を形成してもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明は、相異なる反応室でプラズマ気
相反応法により反応性気体を反応せしめて、第1層、第
2層、第3層からなり少なくとも1層が珪素を含む半導
体被膜を作製する方法において、前記少なくとも1層を
形成するに際し、減圧状態に保持された反応室に、水、
酸化物を0.1ppm以下にした反応性気体を導入し、
前記第2層の形成中の反応室はゲート弁により他の反応
室から独立させ、被膜形成中における該反応室からの反
応性気体や反応生成物を連続排気方式のターボ分子ポン
プを用いて排出するために、前記ターボ分子ポンプと反
応容器との間に設けたバルブの調整により、反応容器内
の圧力を0.01〜10torrとすることにより、従
来の技術において良質な被膜形成を行おうとする際問題
であった、反応炉への排気系からの大気の逆流を防止し
て、良質な被膜の作製が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのプラズマ気相反応用被
膜製造装置の概略を示す。
【図2】本発明を実施するためのプラズマ気相反応用被
膜製造装置の概略を示す。
【図3】本発明および従来方法によって作られた半導体
装置中の不純物の分布を示す。
【符号の説明】 (50) 反応性気体を導入するドーピング系 (51) 反応容器 (52) 排気系 (61)(61’)(62)(62”) 電極 (17)(18) 反応性気体の供給ノズル (17’)(18’) 反応性気体の排気ノズル (14)(15) 高周波エネルギー源 (38)(38’)(39)(39’) 絶縁物 (13)(13’) ハロゲンランプ等の加熱手段 (101)(103) 反応容器 (102)(104) バッファ室容器 (44)(45)(46)(47) ゲート弁 (100) 予備室 (42) 予備室扉 (5) 予備室空間 (2) 基板ホルダー (1) 基板 (6) 第1の反応室の反応空間 (8) 第2の反応室の反応空間 (7)(9) バッファ室空間 (71)(72)(73)(74) 圧力調整バルブ (86)(87)(88)(89) ターボ分子ポンプ (34)(35)(36)(37) 真空ポンプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧状態に保持された反応系に置かれた
    基板上に被膜を互いに積層させる方法において、前記被
    膜を形成させるための反応室に、前記被膜形成中はゲー
    ト弁により各反応室から独立させることができる構造の
    ものであって、しかも反応ガス導入手段と、真空または
    減圧にするための不連続回転方式の真空ポンプ及び連続
    排気方式のターボ分子ポンプとを備えているものを使用
    し、かつ反応室には基板移設用のバッファ室が接続され
    ており、また前記バッファ室は反応ガス導入手段と真空
    または減圧にするための不連続回転方式の真空ポンプ及
    び連続排気方式のターボ分子ポンプとを備えているもの
    であり、前記反応室を出た基板をバッファ室を介して他
    の反応室に移動させることにより前記非単結晶半導体層
    の各々の層を独立の反応室で形成させることを特徴とす
    る気相反応被膜作製方法。
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