JPH08273929A - 自己保持型ソレノイド装置 - Google Patents

自己保持型ソレノイド装置

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JPH08273929A
JPH08273929A JP10001895A JP10001895A JPH08273929A JP H08273929 A JPH08273929 A JP H08273929A JP 10001895 A JP10001895 A JP 10001895A JP 10001895 A JP10001895 A JP 10001895A JP H08273929 A JPH08273929 A JP H08273929A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可動鉄心を永久磁石の磁束を良好に利用して
所定位置に大きな吸引力で保持させるようにした自己保
持型ソレノイド装置を提供することにある。 【構成】 コイルボビン14の中空円筒状の巻芯aに電
磁コイル13を巻回し、このコイルボビン14をその下
側に補助ヨーク23を介して磁気ヨーク11の空所内に
収容し、前記巻芯aの中空部内には、永久磁石19を補
助ヨーク23側に近接させて内蔵した可動鉄心18を上
下動可能に収納し、この可動鉄心18の上部側の巻芯a
内には固定鉄心15を、下部側の巻芯a内には鉄心保持
座22をそれぞれ配置して自己保持型ソレノイド装置を
構成し、可動鉄心18をその上昇時は固定鉄心15に、
降下時は鉄心保持座22に、それぞれ永久磁石19の磁
束を有効利用して吸引保持させるようにしたことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安定状態の保持及び前
記安定状態からの変位を電磁的に変位させる装置、例え
ば、電磁バルブを円滑に駆動させる際に用いる自己保持
型ソレノイド装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から可動鉄心を吸引方向に付勢動作
させると、その付勢力を解いても吸引状態が保持でき、
又、逆に、可動鉄心の原位置復帰に際しては、前記と逆
方向の付勢力を付与して復帰させるようにした、所謂自
己保持型のソレノイド装置は、今日種々の構造のものが
提案され、例えば、電磁弁等の駆動源として幅広く使用
されている。
【0003】そして、前記自己保持型ソレノイド装置に
おいて、例えば、特公平2−36043号公報に示され
ているものがよく知られている。図4によりその概略構
造を説明する。図4において、磁性材料からなる固定鉄
心1は、磁極面S側を固定鉄心1側に固定した永久磁石
2の磁束Φxの作用により、同じく磁性材料からなる可
動鉄心3をそれぞれ互いに相対応する磁極面4,5とで
吸引して機械的安定状態にある。そして、前記固定鉄心
1に巻回した2つの電磁コイル6a,6bのうち、一方
の電磁コイル6aに通電を行い、永久磁石2に対して反
撥する磁束Φyを、可動鉄心3→永久磁石2→固定鉄心
1からなる磁路内に誘起させ、前記可動鉄心3と固定鉄
心1との磁極面4,5を互いに反撥させて、可動鉄心3
の他方の磁極面7を、該可動鉄心3と相対応する固定鉄
心1の他方の磁極面8と吸引できる方向に移動させる。
可動鉄心3はその移動後、電磁コイル6aへの通電を断
っても、永久磁石2の磁束Φxの作用によって吸引状態
が保持される。つづいて、この機械的安定状態から可動
鉄心3を前記磁極面4,5と吸引する方向に復帰させる
場合は、電磁コイル6bに通電を行うことにより、可動
鉄心3を前記と同様に作動させて原位置に容易に復帰さ
せることができるようにした、即ち、機械的双安定状態
で構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然るに、前記構成の自
己保持型ソレノイド装置においては、該ソレノイド装置
の製作にあたり、電磁コイル6a,6bはそれぞれ個別
のコイルボビン6a1 ,6b1 を用いてコイルの巻回作
業を行っており、又、永久磁石2は前記電磁コイル6
a,6b間に介挿した状態で、電磁コイル6a,6b及
び永久磁石2を固定鉄心1の内側に組込んでソレノイド
装置の製作を行っていたので、ソレノイド装置の組立は
非常に手間と時間がかかり、その生産性を阻害する大き
な要因となっていた。
【0005】又、永久磁石2の着磁は事前に磁性部材を
電磁コイル6a,6b間に挿入し電磁コイル6a,6b
に大電流を流して行うことは、電磁コイル6a,6bの
焼損につながり事実上困難であるため、事前に着磁した
ものを用いる。しかし、前記のように電磁コイル6a,
6bの間に永久磁石2を介挿して電磁コイル6a,6b
を固定鉄心1に組込んだ場合、永久磁石2と固定鉄心1
とが接触しているので、固定鉄心1自体が永久磁石の役
目を果すことになるため、ソレノイド装置の組立にあた
り、固定鉄心が他の固定鉄心と吸着し合っていると、そ
の都度吸着を解除してソレノイド装置の組立を行わなけ
ればならないので、非常に手間がかかり面倒であるとと
もに、前記永久磁石2の組付後、電磁コイル6a,6b
の内径等を検査して製品の品質管理を行う際、測定治具
等が永久磁石2の漏洩磁束により着磁され、その使用が
困難な場合があった。
【0006】更に、ソレノイド装置を長年月にわたり使
用していると、可動鉄心3は固定鉄心1の吸着部に対し
て数10万回にわたり接触を繰返すことになるため、吸
着時に摩耗粉が生成されて前記永久磁石2の表面に被着
する。この場合、永久磁石2に吸着した摩耗粉を除去し
ないと、永久磁石2の吸引力が低下して可動鉄心3の通
電解除後における保持機能が低下することがあるため、
ソレノイド装置を定期的に分解して清掃を行う必要があ
った。しかし、ソレノイド装置は、可動鉄心3を除去し
てもその内部は人間の小指も侵入できないほど非常に狭
隘であるので、前記永久磁石2に付着した摩耗粉を円滑
に除去することは極めて困難であった。
【0007】その上、電磁コイル6a,6bを巻回する
コイルボビン6a1 ,6b1 を前記の如く、個々に設け
ることなく、前記電磁コイル6a,6bを1つのコイル
ボビンを用いて巻装することも考えられるが、この場
合、コイルボビン自体は2分割することなく一個のコイ
ルボビンでよいものの、永久磁石2は円板状のままでは
電磁コイル6a,6bの間に介在させることができず、
例えば、半円状に切断して電磁コイル6a,6bの間に
挿入することになるため、ソレノイド装置の製作に手間
がかかるとともに、その製造コストを高くするという問
題があった。
【0008】本発明は、前記の種々な問題点に鑑み、電
磁コイルの通電解除後に可動鉄心を所定位置に吸引保持
させる永久磁石をソレノイド装置の可動鉄心側に具備さ
せるとともに、この永久磁石は可動鉄心をソレノイド装
置に組込む直前に着磁させることにより、永久磁石の存
在によってソレノイド装置の組立時に生じる弊害を確実
に排除した、吸引保持力及び省エネ効果に優れた自己保
持型ソレノイド装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、縦断面をほぼ
コ字形に曲成した一対のヨーク片を矩形状に枠組して形
成した磁気ヨークと、この磁気ヨーク内に収容されてコ
イルボビンの上部及び下部鍔部との間の巻芯に吸引と反
撥の2つのコイルを一体的に巻装した電磁コイルと、コ
イルボビン上部の巻芯中空部内に嵌挿されて磁気ヨーク
の上端面において固定した固定鉄心と、この固定鉄心の
下側に永久磁石を内蔵してコイルボビンの中空部に上下
動可能に遊嵌した可動鉄心と、この可動鉄心の下側にお
いて、前記コイルボビンの下部と一体的に形成されて磁
気ヨーク下端面の貫通孔から下方に突出する筒状の案内
ガイドと、前記案内ガイドの下部開口端に圧入又は接着
剤等による固定手段を用いて嵌合止着した磁性材料から
なる鉄心保持座と、コイルボビンの下部鍔部と磁気ヨー
クの下端面との間に介挿した補助ヨークとからなり、前
記磁気ヨークと電磁コイルとを絶縁性に優れた合成樹脂
によりモールド成形してソレノイド本体を構成する。
【0010】そして、前記ソレノイド本体は、例えば、
圧縮空気の流入路と送出路とを同一方向に有し、排気路
を反対側に設けて例えば、気密に2分割して設けた弁本
体上に図示しないねじ等を用いて、前記ソレノイド本体
を直立させて固定し、この弁本体内に形成した弁室に上
下動可能に遊嵌した弁体を、弁棒を介して前記可動鉄心
と連動可能に当接させることにより、弁体駆動用の自己
保持型ソレノイド装置を構成したことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明は、可動鉄心に内蔵した永久磁石が、可
動鉄心を鉄心保持座に吸引保持させて弁体により弁室の
弁口を閉鎖しているときは、前記可動鉄心の下端縁を、
補助ヨークの板厚中央部分の位置と合致させ、又、可動
鉄心の上動によりこれを固定鉄心に吸引保持させ、これ
により弁体を上動させて弁口を開口したときは、前記永
久磁石の下端縁と、補助ヨークの上端面とを一致させた
状態で、前記永久磁石を可動鉄心に取付けるように構成
したので、電磁コイルへの通電により可動鉄心を上動さ
せる場合、前記通電によってソレノイド本体の磁路内に
誘起された磁束は、永久磁石の下端面が補助ヨークの板
厚の中間位置に存在していることにより、即ち、永久磁
石の一部が補助ヨークとラップしているので、該補助ヨ
ークの有効断面積を良好に利用できず、その流れが抑制
されることとなるので可動鉄心を急激に駆動させること
なく、ソフト的に上昇させて固定鉄心に吸引することが
できるので、可動鉄心が固定鉄心に衝撃的に吸引するこ
とによって発生する衝撃音等を効果的に抑制することが
可能となる。
【0012】可動鉄心を固定鉄心に吸引したあと電磁コ
イルへの通電を断つと、永久磁石はその下端面が補助ヨ
ークの上端面と一致するように設定してあり、かつ、可
動鉄心を鉄心保持座との間に間隙が形成できるようにな
っているため、永久磁石の磁束はその大部分が補助ヨー
クを伝って可動鉄心を固定鉄心に吸引させる方向に流れ
ることになる結果、可動鉄心は電磁コイルへの通電を断
っても、永久磁石の磁束を効果的に利用して大きな保持
力で固定鉄心に吸引保持することができるので、ソレノ
イド本体が外部から大きな衝撃を受けたり、停電事故等
に際して、可動鉄心の固定鉄心との吸引が解かれるとい
うことは全くない。
【0013】又、電磁コイルへの通電を前記とは逆方向
に行って可動鉄心を鉄心保持座に吸引させたときは、永
久磁石の下端縁が補助ヨークの上端面と一致するように
設定されているので、通電により誘起されてソレノイド
本体内の磁路を流れる磁束は、永久磁石が補助ヨークと
ラップしない位置に存在していることにより、前記補助
ヨークの断面積を有効に利用して流れることとなる結
果、可動鉄心は大きな反撥力で固定鉄心との吸着が解れ
降下して鉄心保持座に吸引させることができる。そし
て、可動鉄心の吸引後、電磁コイルへの通電を断つと、
永久磁石の漏洩磁束は、鉄心保持座に可動鉄心が吸着さ
れているので、可動鉄心を吸引保持する方向に良好に流
れ、可動鉄心を所定の吸引保持力で鉄心保持座に吸着さ
せることができるため、可動鉄心はソレノイド本体に大
きな衝撃が加えられても鉄心保持座から離脱することな
く、良好に吸引保持させることができる
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図3に基
づいて説明する。図1において10はソレノイド本体を
示し、11はソレノイド本体10の磁気ヨークである。
この磁気ヨーク11は例えば、縦断面をほぼコ字形に曲
成した一対のヨーク片12を図1で示すように、箱形状
に枠組みして形成されており、この磁気ヨーク11の内
部には電磁コイル13が収容されている。前記電磁コイ
ル13は図1,3で示すように、磁気ヨーク11内に収
容される中空円筒状の巻芯aの長さ方向に所定の間隔を
保って一対の鍔部を形成したコイルボビン14に、巻芯
側(内側)に吸引コイル13aを、この吸引コイル13
aの外側に反撥コイル13bを、それぞれコイル導線を
所定回数巻回して形成されており、この電磁コイル13
を磁気ヨーク11の内部に収容する場合は、前記コイル
ボビン14に吸引,反撥コイル13a,13bを巻回し
て電磁コイル13を設けたら、この電磁コイル13の外
側から一対のヨーク片12を図1のように、箱形となる
ように押し当ててコイルボビン14の上部鍔部と一対の
ヨーク片12とを、例えば、ネジ止め等にて固定するこ
とにより、磁気ヨーク11を内部に電磁コイル13を収
容した状態で組立る。
【0015】15はコイルボビン14の上部において、
巻芯aの中空部に挿入した円柱状の固定鉄心で、この固
定鉄心15は図1のように、磁気ヨーク11の上端面に
開口した透孔16を貫通する例えば、締付ねじ17のね
じ部分に螺着されて、前記磁気ヨーク11内の上部側に
固定保持される。18は前記固定鉄心15の下側におい
て、コイルボビン14の巻芯a中空部内に上下動可能に
遊嵌した可動鉄心で、この可動鉄心18の長さ方向の中
心よりやや下方位置には、着磁が容易で、かつ、減磁し
にくい、例えば、ネオジム系の磁性材料を用いて所定の
板厚で円板状に形成した永久磁石19が介挿保持されて
いる。20は磁気ヨーク11下端面に透孔16と対応し
て形成した貫通孔21から一定の長さ下方に垂下する案
内ガイドで、この案内ガイド20は図1のように、コイ
ルボビン13の下部鍔部と一体的に形成され可動鉄心1
8の先端部分を収容した状態で、磁気ヨーク11の貫通
孔21からその下方に向けて垂設されており、その下部
開口端には、可動鉄心18を吸引保持するための鉄心保
持座22が、圧入による固定、あるいは、接着剤による
接着等の固定手段により前記開口部を閉鎖した状態で嵌
着保持されている。
【0016】23はコイルボビン14の下部鍔部と磁気
ヨーク11の下端面内側との間に介在させた補助ヨーク
である。そして、この補助ヨーク23と前記した可動鉄
心18に介挿保持した永久磁石19との取付位置の関係
を次に説明する。先づ、永久磁石19は図1で示すよう
に、可動鉄心18に介挿する場合、永久磁石19の下端
縁を、補助ヨーク23の上端面から可動及び固定鉄心1
8,15の間隙gに相当する寸法分だけ下方に下げた状
態で介挿する。そして、永久磁石19の介挿に際して
は、永久磁石19の板厚を考慮して可動鉄心18の下部
を長さ方向と直交する方向に切断し、これら切断した一
対の可動鉄心18のそれぞれの切断面からその軸方向に
一定の長さ移動した地点で切欠溝24を周設する。
【0017】前記切欠溝24を形成したら図1で示すよ
うに、可動鉄心18の一対の切断面の間に円板状の永久
磁石19を介在させ、この状態で、前記永久磁石19を
外部から被う黄銅等よりなる非磁性体製のパイプからな
る覆筒25を可動鉄心18の上部から圧入し、覆筒25
の両端部が可動鉄心18の切欠溝24の位置と合致した
ら、前記覆筒25の両端部を、それぞれ特殊なプレス装
置を用いて、可動鉄心18を回転させながら切欠溝24
内に圧入してかしめ(ローリングかしめ)ることによ
り、前記覆筒25を可動鉄心18に嵌着して永久磁石1
9を可動鉄心18に挟着保持させる。この結果、永久磁
石19は図1に示すように、その下端縁と補助ヨーク2
3の上端面との間隔hは、固定鉄心15と可動鉄心18
との間の間隙gと同寸法の間隔を保って可動鉄心18に
取付けることができるものである。なお、前記永久磁石
19は可動鉄心18に磁性材料を装着し、かつ、これを
図示しない着磁装置により着磁して永久磁石19を形成
するものである。
【0018】つづいて、図1において26はコイルボビ
ン14の案内ガイド20内側の上端と可動鉄心18下端
の鍔縁との間に介挿したコイルばねで、可動鉄心18を
常時鉄心保持座22の方向に付勢する。27は電磁コイ
ル13と磁気ヨーク11とを合成樹脂により樹脂モール
ドを行って、前記磁気ヨーク11の外側を外部と遮蔽し
て包埋した樹脂絶縁層である。
【0019】次に、図1で示す30は例えば2分割方式
で形成した弁本体であり、前記ソレノイド本体10は、
弁本体30の上部に凹設した取付穴31に、案内ガイド
20を挿入してその底面近くの係止段部32に鉄心保持
座22を係止させることにより、弁本体30上に垂直に
乗載され、この状態で、2分割した弁本体30を固定し
た後図示しない締付ねじ等を用いて前記弁本体30に固
定することにより、弁本体30上に直立状態で保持され
る。33は前記取付穴31に対して小径な流通孔34を
介して弁本体30内に形成した弁室であり、この弁室3
3の底面中央には図示しない圧縮空気の生成手段と連通
する空気の流入路35を内部に有して上端に弁口36を
開口した円錐形の弁支体37が一体的に形成されてい
る。
【0020】そして、前記弁支体37の弁口36上部に
は、この弁口36を開閉する弁体38が、流通孔34及
び鉄心保持座22に設けた通孔39をそれぞれ貫通して
可動鉄心18の下方端と当接する弁棒40に取付けられ
て、前記弁室33内に上下動可能に収容されている。4
1は弁支体37に挿入されて弁体38を常時上方に付勢
する圧縮ばねで、可動鉄心18を下方に押圧するコイル
ばね26のばね荷重よりやや弱いばね荷重にて形成され
ている。42は弁室33と連通して設けた圧縮空気の送
出路を示し、43は取付穴31と連通して形成した空気
の排気路である。又、図3において、44はソレノイド
本体10を吸引・開放する操作スイッチであり、45は
ソレノイド本体10の駆動電源である。
【0021】次に、動作について説明する。図1におい
て、電磁コイル13に通電を行っていない場合、即ち、
図3に示す操作スイッチ44が「断」の位置にあると
き、前記電磁コイル13の吸引コイル13aへの通電に
よって生ずる図1に2点鎖線で示す磁束Φiはソレノイ
ド本体10に流れない。この結果、可動鉄心18は鉄心
保持座22と接触している関係上、永久磁石19の漏洩
磁束Φrのみが、図1に1点鎖線で示すように、可動鉄
心18→鉄心保持座22→磁気ヨーク11→補助ヨーク
23によって形成される磁路を良好に流れ、可動鉄心1
8をコイルばね26の付勢力とともに鉄心保持座22に
強固に吸引保持させる。このため、弁体38の弁棒40
は下方に降下し弁体38を圧縮ばね41のばね荷重に抗
して押動して圧縮空気の流入路35と連通する弁本体3
0の弁口36を閉鎖する。前記弁口36の閉鎖に伴い圧
縮空気の送出路42と排気路43は、弁室33→流通孔
34→取付穴31を介して連通し、送出路42の端末に
接続されて圧縮空気の流入が断れた図示しない流路切換
弁とかエアシリンダ内の空気を排出路43より排出し、
前記流路切換弁等の切換操作を行わせる。
【0022】前記の状態で、可動鉄心18を上昇させて
圧縮空気を空気の流入路35から送出路42に給送する
場合について説明する。この場合は最初に図3で示す操
作スイッチ44を「ON」端子側に切換接続し、電磁コ
イル13の吸引コイル13aに通電を行う。吸引コイル
13aが通電されると、電流i1 は例えば、コイル13
a内を時計方向に流れ、図1で示すように、可動鉄心1
8→補助ヨーク23→磁気ヨーク11→固定鉄心15に
よる磁路が形成され、この磁路には可動鉄心18を鉄心
保持座22に吸引保持させている永久磁石19の漏洩磁
束Φrによる吸引力に打勝って、吸引コイル13aへの
通電により誘起された磁束Φiが図1に2点鎖線で示す
ように流れて、可動鉄心18を鉄心保持座22から引き
離して固定鉄心15に吸引させる。
【0023】前記吸引コイル13aはその通電によって
生ずる磁束Φiが、永久磁束の漏洩磁束Φrによる吸引
力及び可動鉄心18を下方に付勢するコイルばね26の
付勢力に打勝って可動鉄心18を上昇させることができ
るように巻回形成されているので、前記可動鉄心18
は、永久磁石19と補助ヨーク23とが図1で示すよう
に、所定のラップ幅hにてラップした状態に位置してい
ることにより、前記磁束Φiの流れがやや抑制されるも
のの、ソフト的に上昇して固定鉄心15に吸引保持させ
ることができるので、可動鉄心18が固定鉄心15に急
速に吸引することによって生ずる衝撃音や振動等を良好
に軽減することができる。
【0024】そして、可動鉄心18が固定鉄心15に吸
引したら、操作スイッチ44を「断」の位置に戻して吸
引コイル13aの通電を断つ。この結果、ソレノイド本
体10には図2に示すように、永久磁束19の磁束Φm
が吸引コイル13aに通電を行ったときと同じ磁路を流
れて、可動鉄心18をコイルばね26の付勢力に打勝っ
て固定鉄心15に吸引保持させる。
【0025】この場合、永久磁石19と補助ヨーク23
は図2で示すように、可動鉄心18の上動に伴い可動鉄
心18に設けた永久磁石19の下端縁と補助ヨーク23
の上端面とが一致し、これにより永久磁石19と補助ヨ
ーク23とのラップ状態を解消するとともに、可動鉄心
18と鉄心締付座22との間に間隙が生じているので、
永久磁石19の前記磁束Φmは、可動鉄心18から補助
ヨーク23→磁気ヨーク11にかけて円滑・良好に流
れ、可動鉄心18を吸引コイル13aへの通電を断って
も大きな吸引力で固定鉄心15に保持させる。従って、
可動鉄心18はソレノイド本体10に大きな衝撃力が加
えられたときのショックや、停電時においても可動鉄心
18を良好に吸引保持することができる。
【0026】前記可動鉄心18の上動により弁棒40
は、弁体38を介して圧縮ばね41の付勢力によってそ
の上端が弁本体30の取付穴31(コイルボビン14の
案内ガイド20)内の空所に進入するため、弁体38は
図2に示すように、弁口36を開口して流通孔34を閉
鎖する。この結果、圧縮空気の流入路35と送出路42
とを弁室33内において連通させ、圧縮空気を送出路4
2に給送する一方前記流通孔34の閉鎖により排気路4
3と送出路42はその連通が断れる。このため、圧縮空
気は送出路42に円滑に給送され、その端末に接続した
図示しない流路切換弁等の切換操作を行う。
【0027】つづいて、図2において可動鉄心18を降
下させて鉄心保持座22に吸引させる場合は、操作スイ
ッチ44を図3に示す「断」の位置から「OFF」端子
側に切換接続し、電磁コイル13の反撥コイル13bに
通電を行い、反撥コイル13bに図3で示すように、吸
引コイル13aへの通電時とは逆方向(反時計方向)の
電流i2 を流す。このため、ソレノイド本体10には可
動鉄心18→固定鉄心15→磁気ヨーク11→補助ヨー
ク23による磁路が形成され、この磁路に図2に示す永
久磁石19の磁束Φmと逆方向に流れる磁束Φi(2点
鎖線で示す)が流れ、可動鉄心18を固定鉄心15から
引き離す。そして、可動鉄心18をコイルばね26の付
勢力の助力をも得て鉄心保持座22側にソフト的に降下
させながら、図1のように鉄心保持座22に吸引保持さ
せる。
【0028】このため、可動鉄心18は鉄心保持座22
の通孔39から案内ガイド20の空所内に突出していた
弁棒40の頭部を押圧してこれを下方に押下げる。この
結果、弁体38は降下し弁支体37に開口する弁口36
を閉鎖し、流入路35から送出路42への圧縮空気の給
送を中止する。前記のように、可動鉄心18を反撥コイ
ル13bへの通電により降下させて鉄心保持座22に吸
引保持させたあと、操作スイッチ44を「断」の位置に
戻して反撥コイル13bへの通電を断つと、可動鉄心1
8は永久磁石19の漏洩磁束Φrが、前記のように、可
動鉄心18→鉄心保持座22→磁気ヨーク11→補助ヨ
ーク23を流れることによって、鉄心保持板22に良好
に吸引状態が維持され、弁体38により弁口36を閉鎖
して圧縮空気の流入路35を円滑に閉鎖することができ
る。
【0029】このように、本発明においては電磁コイル
13に通電を行っていないとき、可動鉄心18を降下さ
せて鉄心保持座22に吸引させた場合、可動鉄心18は
その内部に介挿した永久磁石19の漏洩磁束Φrが可動
鉄心18から該可動鉄心18と接触している鉄心保持座
22に円滑に流れて、可動鉄心18を良好に吸引保持さ
せることができる。
【0030】又、逆に、可動鉄心18を上動して固定鉄
心15に吸引させたときも、永久磁石19の磁束Φm
は、可動鉄心18と鉄心保持座22との間に間隙が形成
されていることにより、可動鉄心18と磁気ヨーク11
との間を図1に2点鎖線で示すように、磁束Φiと同様
に良好に流れ、可動鉄心18を固定鉄心15に強固に吸
引保持させる。この結果、可動鉄心18は降下した場合
は鉄心保持座22に、逆に、上動したときは固定鉄心1
5にそれぞれ吸引保持されているので、電磁コイル13
への通電を断っても良好に吸引保持状態を維持し、外部
から衝撃あるいは停電等が生じても吸引状態が良好に保
持できるため、弁本体30の弁口36が不意に開閉して
図示しない流路切換弁とかシリンダーを誤動作させると
いった事故を未然に回避することができる。
【0031】前記のように、可動鉄心18を電磁コイル
13への非通電時において、永久磁石19の漏洩磁束Φ
rや磁束Φmによって鉄心保持座22、あるいは、固定
鉄心15に良好に吸引保持されているのは、可動鉄心1
8に介挿した永久磁石19の取付位置が補助ヨーク23
の位置に対して漏洩磁束Φr等が良好に流れるように設
定してあることと、可動鉄心18の降下時これを下方に
付勢するコイルばね26の付勢力に加えて、可動鉄心1
8を吸引保持する鉄心保持座22が、ソレノイド本体1
0に取付けられて前記ソレノイド本体10を構成したこ
とに他ならない。従って、可動鉄心18は電磁コイル1
3の非通電時においても、永久磁石19の吸引力を最大
限に利用して、弁口36の閉鎖状態を確実に維持させる
ことができるので、省エネ効果に優れた自己保持型ソレ
ノイド装置を提供することができる。
【0032】その上、永久磁石19は可動鉄心18に組
付けた状態での着磁が容易で、しかも、減磁しにくい、
例えばネオジム系の磁性材料を介挿保持させ、この磁性
材料を、ソレノイド本体10に可動鉄心18を組込む前
に着磁装置により着磁させて永久磁石19を得るように
形成されているので、永久磁石19の生成にあたり、そ
の着脱は円柱状の可動鉄心18を着磁装置に簡単に挿入
できることと相まって、着磁作業が容易に行えるととも
に、可動鉄心18の吸引作動によって摩耗粉が可動鉄心
18に付着しても、ソレノイド本体10は弁本体30と
の固定を解くことにより可動鉄心18の取出しが容易に
行えるため、可動鉄心18に摩耗粉が付着してもこれを
簡単に清掃することができるので、ソレノイド本体10
を長期にわたり円滑・良好に使用することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、可動鉄心
に内蔵する永久磁石を、可動鉄心の上昇時は永久磁石の
下端縁を補助ヨークの上端面と一致させ、可動鉄心の降
下時は永久磁石の下端縁を可動鉄心と固定鉄心の間隙分
だけ補助ヨークとラップさせた状態で可動鉄心に取付け
るようにしたので、可動鉄心がその昇,降時において、
固定鉄心、あるいは鉄心保持座に吸引保持されている場
合、前記永久磁石の磁束等が可動鉄心と磁気ヨークとの
間を大きな吸引力が得られるように流れるため、可動鉄
心を大きな吸引力で固定鉄心あるいは鉄心保持座に吸引
保持させることが可能となり、この結果、可動鉄心を電
磁コイルへの非通電時においても、良好に吸引保持させ
ることができる。
【0034】又、可動鉄心は、固定鉄心に吸引されてい
るときは鉄心保持座との間に間隙が生じ、逆に、可動鉄
心が鉄心保持座と吸引しているときは固定鉄心との間に
間隙が生じるようにソレノイド装置を構成したので、本
発明のソレノイド装置は電磁コイルへの非通電時、永久
磁石からの磁束を効率的に利用して可動鉄心を吸引保持
させることができるため、省エネ効果にすぐれた自己保
持型のソレノイド装置を提供することができる。
【0035】更に、本発明は永久磁石の取付けに際して
は、補助ヨークとの取付位置関係を、可動鉄心と固定鉄
心との間隙をベースにして設定すればよいので、その取
付位置の設定が容易であるとともに、永久磁石を可動鉄
心に取付けることにより、永久磁石の製造のための着磁
作業が簡易に行い得、しかも、可動鉄心に摩耗粉が付着
してもその清掃はソレノイド装置を分解して可動鉄心を
取り出すことによって容易に行える等、自己保持型ソレ
ノイド装置を簡素な構成で経済的に製作できる利点も備
えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自己保持型ソレノイド装置において、
可動鉄心を鉄心保持座に吸引させた状態を示す縦断面図
である。
【図2】本発明の自己保持型ソレノイド装置において、
可動鉄心を固定鉄心に吸引させた状態を示す縦断面図で
ある。
【図3】本発明の自己保持型ソレノイド装置の概略的な
電気回路図である。
【図4】従来の自己保持型ソレノイド装置の構成を概略
的に示す説明図である。
【符号の説明】
10 ソレノイド本体 11 磁気ヨーク 13 電磁コイル 14 コイルボビン 15 固定鉄心 18 可動鉄心 19 永久磁石 22 鉄心締付座 23 補助ヨーク 30 弁本体 36 弁口 38 弁体 a 巻芯

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルボビンの中空円筒状の巻芯にコイ
    ル導線を所定回数巻回して電磁コイルを設け、この電磁
    コイルを備えたコイルボビンを、その下側縁に補助ヨー
    クを介在させて磁気ヨーク内に収容固定し、前記コイル
    ボビンの中空状の巻芯内には、永久磁石を内蔵した可動
    鉄心を上下動可能に収納し、前記中空状の巻芯内の上部
    には、可動鉄心が上昇したときこれを吸引保持する固定
    鉄心を取付け、中空円筒状の巻芯の下部には、可動鉄心
    が降下したときこれを吸引保持する鉄心保持座を取付け
    たことを特徴とする自己保持型ソレノイド装置。
  2. 【請求項2】 前記可動鉄心に内蔵する永久磁石は、そ
    の下端縁を、可動鉄心の上昇時は補助ヨークの上端面と
    一致させ、可動鉄心の降下時は、可動鉄心と固定鉄心と
    の間隙寸法にて補助ヨークとラップさせた状態で、可動
    鉄心に取付けるようにしたことを特徴とする請求項1記
    載の自己保持型ソレノイド装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000300672A (ja) * 1999-04-22 2000-10-31 E Phillips Robert 活動に応答する供給システム
JP2009156312A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Nachi Fujikoshi Corp ソレノイドバルブ

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JP2000300672A (ja) * 1999-04-22 2000-10-31 E Phillips Robert 活動に応答する供給システム
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