JPH08273111A - 磁気ヘッドコアおよびその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドコアおよびその製造方法

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JPH08273111A
JPH08273111A JP7211195A JP7211195A JPH08273111A JP H08273111 A JPH08273111 A JP H08273111A JP 7211195 A JP7211195 A JP 7211195A JP 7211195 A JP7211195 A JP 7211195A JP H08273111 A JPH08273111 A JP H08273111A
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JP
Japan
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magnetic
core
film
substrate
gap
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Application number
JP7211195A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Ota
俊彦 大田
Takaya Matsuda
享也 松田
Tsutomu Imamura
力 今村
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Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Publication date
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 インダクタンスが小さく、チップ強度の大き
い磁気ヘッドコアおよびその製造方法を提供すること。 【構成】 磁性体フェライト1からなる巻線溝6を有す
る側のコアと、非磁性体フェライト2からなる巻線溝6
のない側のコアとを、2つのコアの接合面にそれぞれ磁
性膜3を付着させて、図示しない非磁性体を介在させ
て、接合ガラス7にて接合して構成されている。また、
このMIGヘッドが磁気記録媒体に対向するABS面5
は、該MIGヘッドが使用されるHDD所定の記録トラ
ック幅となるように、切り欠き面44で斜めに切り落と
された構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ヘッドに係り、特に
コア材料にフェライトを用い、ギャップ近傍に高Bs
(高飽和磁束密度)の金属薄膜材料を配した、高密度・
高帯域特性を有する複合型ヘッドである、MIG(Meta
l-In-Gap)ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の高密度化がすすみ、コ
ンピュータ等の外部記憶装置として使用されるハードデ
ィスクドライブ(HDD)などでは、記録トラック幅が
5μm以下のようなHDDシステムが商品化されてい
る。磁気特性に優れるハードディスクの性能を引き出す
には、磁気ヘッドに、それなりの微細の寸法と、安定な
非接触走行を実現するための高い精度が要求される。従
来のHDDにおける磁気ヘッドとしては、主に2種類有
り、1つは磁性フェライトで磁気回路を構成し、これに
巻線したバルクヘッドと、薄膜形成技術によりコアを形
成した、薄膜ヘッド(film head)とがある。以下に、
HDDにおける磁気ヘッドとして、最も一般的に使用さ
れている薄膜ヘッドについて簡単に説明する。
【0003】図6は従来のハードディスクドライブにお
ける薄膜ヘッドおよびそれが取り付けられるスライダを
示した図である。
【0004】図6に示すように、ハードディスクドライ
ブにおける薄膜ヘッド40は、スライダ38に付着され
たパーマロイ等の磁性体からなる下部コア33上に、絶
縁層39で覆われたコイル35が配置され、さらにその
上に、前記下部コア33と同様なパーマロイ等の磁性体
からなる上部コア31が配置され、この上部コア31と
前記下部コア33が、図示しない非磁性体を介在してな
るギャップ32および上部・下部コア接続点36の間に
コイル35をはさむように構成されている。また、トラ
ック幅34は前記上部コア31の形状により決定され、
図示しない磁気記録媒体への前記ギャップ32からのリ
ード・ライトは、前記コイル35のリード線37,45
を介して行われるようになっている。
【0005】以上のように構成された従来(一般)の薄
膜ヘッドでは、絶縁層に有機物が用いられるため、薄膜
磁気ヘッドのコアとしては低温プロセスが可能なNiF
eメッキコアが用いられている。ところが、前記NiF
eメッキコアは、Bs(飽和磁束密度)が 0.8テスラ程
度と小さいために、あまり強い磁界を発生することがで
きない。そのため、Hc(抗磁力)が、2000 Oe 以
上になる磁気記録媒体に前記薄膜磁気ヘッドが使用され
るた場合、オーバーライトが不十分になるという問題が
あった。
【0006】また、一般に薄膜磁気ヘッドのポール厚4
6(図6参照)は、数μmと小さいために、磁気記録媒
体からのデータリード時にポールエッジで取り込まれた
偽信号とギャップで取り込んだ主信号とが干渉(いわゆ
るコンター効果)を起こし、波形がゆがみS/N比を低
下させてしまうという問題があった。
【0007】このような、薄膜磁気ヘッドの有する問題
を解決したものとして、コアにフェライトを用いギャッ
プの近傍にFe系の微結晶膜を配置したバルク型の磁気
ヘッドがある。
【0008】図7は従来のMIG磁気ヘッドを示す図で
ある。
【0009】図7に示すMIG(Metal-In-Gap)磁気ヘ
ッド(以降MIGヘッドともいう)は、磁性体フェライ
ト1からなる巻線溝6を有する側のコアと、同じく磁性
体フェライト1からなる巻線溝6のない側のコアとを、
2つのコアの接合面にそれぞれ磁性膜3を付着させ、図
示しない非磁性体を介在させて接合ガラス7にて接合し
て構成されている。また、このMIGヘッドが磁気記録
媒体に対向するABS(エア・ヘ゛アリンク゛・サーフェイス)面5は、
該MIGヘッドが使用されるHDD所定の記録トラック
幅となるように、切り欠き面44で斜めに切り落とされ
ている。
【0010】このヘッドに用いられている磁性膜3は、
前記したとおりFe系の微結晶膜で構成されていて、該
磁性膜3の有する飽和磁束密度Bsは 1.5テスラと大き
く、抗磁力Hcが、2500 Oe 程度の磁気記録媒体で
も十分オーバーライトが可能となっている。このMIG
ヘッドをHDDのリード・ライト用に使用した例を以下
に示す。
【0011】図8は従来のMIG磁気ヘッドチップをH
DDスライダ用に加工した例を示した図である。
【0012】一般にHDDは、耐摩耗状の条件が過酷で
あるため、ヘッドと磁気記録媒体との非接触走行が装置
構成上の必須の条件となっている。周知のとおり、この
条件は、同図に示すスライダ38と一体となった浮動ヘ
ッド(flying head)によって実現されている。浮動ヘ
ッドは、媒体走行(回転)に伴う空気流がスライダ38
の浮上面41と磁気記録媒体との間に形成されるくさび
状の隙間内に押し込まれるときに発生する圧力(動圧
力)により磁気記録媒体面上に浮上するようになってい
る。これは潤滑油を用いたすべり軸受けと同じ流体潤滑
の原理(流体の持つ粘性を利用した圧力発生)に基づく
軸受けの一種で、動圧空気軸受けと呼ばれている。これ
は、ベルヌーイの原理(流体の持つ慣性を利用した圧力
発生)に基づく航空機の飛行とは、浮上力発生のメカニ
ズムが基本的に異なることを示している。
【0013】また、ハードディスクにおける耐摩耗上必
須の隙間は、逆に記録密度を制限することになるため、
隙間を可能な限り小さくすることが必要であり、0.2 μ
m程度の微小隙間が実現されている。
【0014】このように構成されたスライダ38におい
て、MIG磁気ヘッドチップ42は図8(a)に示すよ
うに、前記スライダ38の側面に配置されていて、MI
G磁気ヘッドチップ42の磁気記録媒体に対向するAB
S(エア・ヘ゛アリンク゛・サーフェイス)面5は、図8(b)に示すよ
うに、該MIGヘッドが使用されるHDD所定の記録ト
ラック幅となるよう、切り欠き面44で斜めに切り落と
されている。
【0015】一方、この従来におけるMIGヘッドは、
前記薄膜ヘッドに比べてインダクタンスが大きく、高周
波でのS/N比が低下するという問題があった。インダ
クタンスを小さくするには、前記MIG磁気ヘッドチッ
プ42のコアの断面積を小さくすればよいことは知られ
ているが、断面積を小さくするとコアの強度が低下し
て、巻線43を施す工程においてMIG磁気ヘッドチッ
プ42が破損してしまうという問題があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、HDDス
ライダに取り付けられる磁気ヘッドに、従来のMIG磁
気ヘッドチップを採用した場合、薄膜ヘッドに比べてイ
ンダクタンスが大きくなり、高周波でのS/N比が低下
するという問題があった。また、インダクタンスを小さ
くするために、前記MIG磁気ヘッドチップのコアの断
面積を小さくすると、コアの強度が低下してしまうとい
う問題があった。
【0017】そこで、本発明はこのような問題に鑑み
て、インダクタンスが小さく、チップ強度の大きい磁気
ヘッドコアおよびその製造方法を提供することを目的と
するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
る磁気ヘッドコアは、磁性フェライト等からなる第1の
コアと、非磁性フェライト等からなる第2のコアと、前
記第1あるいは第2のコアのいづれか一方又は両方に形
成された巻線溝と、前記第1のコアの接合面に均一に付
着した、高透磁率の第1の金属磁性膜と、前記第2のコ
アの接合面に均一に付着した、高透磁率の第2の金属磁
性膜と、前記第1および第2の金属磁性膜の接合面に均
一に付着して磁気ギャップ面を形成し、該磁気ギャップ
面に所定のギャップ長を形成する第1の非磁性体と、前
記第1および又は第2のコアが有する巻線溝に充填さ
れ、巻線を通すための穴の空いたガラス等からなる、前
記第1および第2のコアを接合する第2の非磁性体と、
前記第1および第2のコアを磁気記録媒体に対向するA
BS面から斜めに切り落とし形成された所定のトラック
幅を有するトラック面とを具備したことを特徴とする。
【0019】請求項2記載の発明による磁気ヘッドコア
は、請求項1記載の磁気ヘッドコアにおいて、前記第1
の金属磁性膜が磁気ギャップを形成する側の面と、その
反対側の前記第1の金属磁性膜と前記第1のコアとによ
り形成される付着面とは平行で、前記第2の金属磁性膜
が磁気ギャップを形成する側の面と、その反対側の前記
第2の金属磁性膜と前記第2のコアとにより形成される
付着面とは平行でないことを特徴とする。
【0020】請求項3記載の発明による磁気ヘッドコア
は、請求項1記載の磁気ヘッドコアにおいて、前記第1
のコアは、非磁性フェライト等で構成され、前記第1の
金属磁性膜が磁気ギャップを形成する側の面と、その反
対側の前記第1の金属磁性膜と前記第1のコアとにより
形成される付着面とは平行でなく、かつ、前記第2の金
属磁性膜が磁気ギャップを形成する側の面と、その反対
側の前記第2の金属磁性膜と前記第2のコアとにより形
成される付着面とは平行でないことを特徴とする。
【0021】請求項4記載の発明による磁気ヘッドコア
は、請求項1,2または3記載の磁気ヘッドコアにおい
て、前記第1および又は第2のコアは、略一軸磁気異方
性を有し、その磁化容易軸の方向がほぼ磁気記録媒体面
と直交し、かつ、該磁気記録媒体面の摺動方向と直角で
あることを特徴とする。
【0022】請求項5記載の発明による磁気ヘッドコア
の製造方法は、非磁性基板に該非磁性基板面と平行でな
い面を有する溝をエッチングや機械加工等により複数形
成して、前記溝の表面に磁性膜を10μm程度の厚さに
なるように形成し、前記磁性膜の表面にガラスを充填
し、該ガラス面を研磨除去して前記溝底部に前記磁性膜
が残され前記溝上部にガラスが充填された状態の鏡面基
板を形成し、該鏡面基板の研磨面全面に、前記鏡面基板
の研磨面と平行でかつ前記複数の溝の垂直断面と平行な
方向が磁化容易軸となるように一軸磁気異方性を付与し
た磁性膜を形成してなる非磁性基板ブロックと、鏡面仕
上げのされた磁性基板表面に周期的に巻線溝をもうけ、
該巻線溝側の面に磁性膜を形成してなる磁性基板ブロッ
クとを、ギャップスペーサ膜を挟んでガラス接合し、列
分割を行った後スライスして、MIG磁気ヘッドチップ
コアを得ることを特徴とする。
【0023】請求項6記載の発明による磁気ヘッドコア
の製造方法は、非磁性基板に該非磁性基板面と平行でな
い面を有する溝をエッチングや機械加工等により形成
し、前記溝の表面に磁性膜を10μm程度の厚さになる
ように形成し、前記形成された磁性膜の下の、前記非磁
性基板が露出しない程度に磁性膜表面の研磨除去を行っ
て鏡面基板を形成し、該鏡面基板の研磨面全面に、前記
鏡面基板の研磨面と平行でかつ前記複数の溝の垂直断面
と平行な方向が磁化容易軸となるように一軸磁気異方性
を付与した磁性膜を形成してなる非磁性基板ブロック
と、鏡面仕上げのされた磁性基板表面に周期的に巻線溝
をもうけ、該巻線溝側の面に磁性膜を形成してなる磁性
基板ブロックとを、ギャップスペーサ膜を挟んでガラス
接合し、列分割を行った後スライスして、MIG磁気ヘ
ッドチップコアを得ることを特徴とする。
【0024】請求項7記載の発明による磁気ヘッドコア
の製造方法は、請求項5または6記載の磁気ヘッドコア
の製造方法において、前記磁性基板ブロックに対して施
される加工に加えて、前記非磁性基板ブロックに施され
る加工と同様な加工を施すことを特徴とする。
【0025】
【作用】請求項1記載の発明によれば、薄膜磁気ヘッド
のかわりに、一方のコアが非磁性体であるMIG磁気ヘ
ッドを用いるようにしたので、強い磁界を発生すること
ができ、抗磁力の比較的大きい磁気記録媒体であっても
十分オーバーライトが可能である。また、換算インダク
タンスを低下させて、薄膜ヘッド並の換算インダクタン
スとしたので、高周波でのS/N比の低下を防止するこ
とが可能となる。さらに、換算インダクタンスを上げる
ことなく高強度のMIG磁気ヘッドを作成することがで
きる。
【0026】請求項2から7に記載の発明によれば、M
IG磁気ヘッドのギャップと、非磁性体コア側のポール
エッジとを非平行としたので、請求項1の有する作用に
加えて、ポールエッジで取り込まれた偽信号とギャップ
で取り込んだ主信号とが干渉(いわゆるコンター効果)
を起こすことが無くなり、波形のゆがみに起因するS/
N比の低下を防止することができる。
【0027】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図
1は本発明であるインダクタンスの小さいMIG磁気ヘ
ッドチップの一実施例を示す図である。
【0028】従来例として図8で説明した、従来のMI
G磁気ヘッドチップ42をHDDスライダ38用に加工
したものでは、巻線43を施した部分のコア断面積を、
チップ強度が、巻線43に耐えられる限界の 50μm
×70μm=3500μm2と小さくされていて、イン
ダクタンスを巻数の2乗で割った換算インダクタンスは
0.8 nH程度まで小さくなってはいるが、前記薄膜磁気
ヘッドと比べて遜色のない程度まで小さくしたい。ま
た、もっと強度的に余裕が欲しい。
【0029】図1(a)に示す本発明におけるMIG磁
気ヘッドチップは、磁性体フェライト1からなる巻線溝
6を有する側のコアと、非磁性体フェライト2からなる
巻線溝6のない側のコアとを、2つのコアの接合面にそ
れぞれ磁性膜3を付着させ、図示しない非磁性体を介在
させて、接合ガラス7にて接合して構成されている。ま
た、このMIGヘッドが磁気記録媒体に対向するABS
面5は、該MIGヘッドが使用されるHDD所定の記録
トラック幅8となるように、切り欠き面44で斜めに切
り落とされた構成となっている。
【0030】このような構成によれば、MIG磁気ヘッ
ドチップコアの片側、即ち非磁性体フェライト2からな
る巻線溝6のない側のコアは、磁性膜3のみで磁気回路
が構成されることになり、図1(b)に示すように、ス
ライダ10に実装されたMIG磁気ヘッドチップコア
の、巻線を施した部分では、例えば磁性膜3の厚さを5
μm,磁性膜3の長さを100μmとすると、磁性体の
断面積は500μmとなり、この結果、換算インダクタ
ンスは 0.4nH程度まで低下することになる。これは、
前記薄膜ヘッドの有するインダクタンスと比べて、まっ
たく遜色の無い値である。
【0031】しかしながら、同図に示すとおり、ポール
エッジ48が、磁気ギャップ4と平行であるため、前記
ポールエッジ48で取り込まれた偽信号とギャップ4で
取り込んだ主信号とが干渉(いわゆるコンター効果)を
起こし、波形がゆがみS/N比を低下させる場合が発生
し得る。そこで、コンター効果の発生しないMIG磁気
ヘッドの実施例を以下に示す。
【0032】図2はギャップ4と、非磁性体フェライト
2からなる巻線溝6のない側のコアに付着された磁性膜
3との接合部(ポールエッジ)48とが非平行に形成さ
れるように構成されたMIG磁気ヘッドチップの他の実
施例を示す図である。
【0033】図2(a)に示す、本発明におけるMIG
磁気ヘッドチップは、磁性体フェライト1からなる巻線
溝6を有する側のコアと、非磁性体フェライト2からな
る巻線溝6のない側のコアとを、2つのコアの接合面に
それぞれ磁性膜3を付着させて、図示しない非磁性体を
介在させて、接合ガラス7にて接合してできたギャップ
4と、前記非磁性体フェライト2からなる巻線溝6のな
い側のコアに付着された側の磁性膜3のポールエッジ4
8とが、非平行に形成されるように構成されている。ま
た、このMIGヘッドが、磁気記録媒体に対向するAB
S面5は、図2(b)に示すように、該MIGヘッドが
使用されるHDD所定の記録トラック幅8となるよう
に、切り欠き面44で斜めに切り落とされた構成となっ
ている。
【0034】以上のようにMIG磁気ヘッドチップを構
成することにより、前述のポールエッジ48が、磁気ギ
ャップ4と非平行であるため、前記ポールエッジ48で
取り込まれた偽信号と、ギャップ4で取り込んだ主信号
とが干渉(いわゆるコンター効果)を起こすことによ
る、波形がゆがみS/N比が低下する不具合を防止する
ことができる。
【0035】次に、このような、ポールエッジ48と磁
気ギャップ4とが非平行であるようなMIG磁気ヘッド
チップの製造法について説明を行う。図3および図4
は、ポールエッジ48と磁気ギャップ4とが非平行であ
るようなMIG磁気ヘッドチップの製造方法の一例を示
した図である。
【0036】先ず、図3(a)に示すような非磁性基板
(亜鉛フェライト,CaTiO3等のウエハ)21を用
意し、図3(b)に示すように、前記ウエハ面と平行で
ない面を有する溝49を、エッチングや機械加工等によ
り前記加工前のウエハ面上に形成する。次に、図3
(c)に示すように、前記溝49の表面にFeZrNや
FeTaN等の磁性膜22を10μm程度の厚さになる
ように形成し、図3(d)に示すように、前記磁性膜2
2の表面(溝)にガラス23を充填し、次に前記ガラス
面23を研磨除去し、前記溝底部に前記磁性膜22が残
され前記溝上部にガラスが充填された、図3(e)に示
すような鏡面基板を形成する。尚、このとき、図3
(e)に示す点線部まで研磨除去し、前記ガラス23を
全て取り除いても良い。また、図3(d)の工程を行わ
ず、図3(c)の状態から研磨除去を行い、図3(e)
のに示す点線部まで研磨除去された鏡面基板を形成する
ようにしても良い。
【0037】次に、図3(f)に示すように、上記研磨
面50全面に、磁性膜51を形成する。このとき、磁性
膜51に一軸磁気異方性を付与するように、即ち、前記
図2で、ABS面5に対して平行で、かつ膜面に平行な
方位が磁化容易軸となるように、磁性膜51に異方性を
付与することで、インダクタンスの虚数部分を少なくで
き、高周波でのノイズの少ないヘッドが得ることができ
る。
【0038】一方、鏡面仕上げのされた磁性体フェライ
ト24に図4(g)に示すように、周期的に巻線溝52
をもうけ、巻線溝52側の面に磁性膜53を形成する。
次に図4(h)に示すように、加工された非磁性基板2
1のブロックと、同じく加工されたフェライト24のブ
ロックを、図示しないギャップスペーサ膜を挟んでガラ
ス接合する。そして、図4(h)の点線部に沿って列分
割を行い、図4(i)に示すブロックを得る。続いて、
図4(i)の点線部に沿って該ブロックをスライスし
て、MIG磁気ヘッドチップ54を得る。尚、本工程に
おけるブロックのスライス面は、MIG磁気ヘッドチッ
プ側面を研磨除去した後、図2に示すように、端面付近
の磁性膜厚が均一にならないように、即ち、ポールエッ
ジ48と磁気ギャップ4とが平行にならないように(非
平行であるように)、前記スライス面の位置が調整され
ている。
【0039】このようにしてできたMIG磁気ヘッドチ
ップ54を、例えば前記図2(b)に示すようにHDD
スライダ10の側面に張り付け、媒体面を仕上げた後、
ABS面5に露出する部分のトラック幅8の加工を施す
ことで、磁性膜端面をギャップと非平行に(ポールエッ
ジ48と磁気ギャップ4とが平行にならないように)し
たスライダ10が得られる。
【0040】以上のように作成された、MIG磁気ヘッ
ドチップ54の、換算インダクタンスは、0.5 nH程度
となり、図1で示したMIG磁気ヘッドチップの有する
換算インダクタンスと比べると若干大きいが、従来のM
IG磁気ヘッドチップよりははるかに小さく、前記薄膜
ヘッドの有する換算インダクタンスに匹敵する程度に小
さな値に仕上がっている。
【0041】以上の実施例では、MIG磁気ヘッドチッ
プの片側のコアに磁性フェライトを用いず、磁性膜のみ
で磁気回路を構成する例を取り上げたが、両側のコアと
も磁性フェライトを用いず、磁性膜のみで磁気回路を構
成する方法も考えられる。なお、この場合、第1のポー
ルエッジ(ポールエッジ48)の他に第2のポールエッ
ジが生じるため、ギャップ4と前記第2のポールエッジ
との間にコンター効果が発生しないように、ギャップ4
と前記第2のポールエッジとが非平行に形成されるよう
に構成することが望ましい。
【0042】図5はギャップ4と、非磁性体フェライト
2からなる巻線溝6のない側のコアに付着された磁性膜
3との接合部(ポールエッジ)48および同じく非磁性
体フェライト2からなる巻線溝6を有する側のコアに付
着された磁性膜3との接合部(ポールエッジ)とが非平
行に形成されるように構成されたMIG磁気ヘッドチッ
プの実施例を示す図である。
【0043】図5に示す本発明におけるMIG磁気ヘッ
ドチップは、非磁性体フェライト2からなる巻線溝6を
有する側のコアと、同じく非磁性体フェライト2からな
る巻線溝6のない側のコアとを、2つのコアの接合面に
それぞれ磁性膜3を付着させて、図示しない非磁性体を
介在させて接合ガラス7にて接合してできたギャップ4
と、前記非磁性体フェライト2からなる巻線溝6のない
側のコアに付着された磁性膜3のポールエッジ48およ
び同じく前記非磁性体フェライト2からなる巻線溝6を
有する側のコアに付着された磁性膜3のポールエッジ1
2とが非平行に形成されるように構成されている。ま
た、このMIGヘッドが、磁気記録媒体に対向するAB
S面5は、該MIGヘッドが使用される、HDDのトラ
ック幅が所定の記録トラック幅8となるように、切り欠
き面44で斜めに切り落とされた構成となっている。
尚、前記図3および図4において、ポールエッジ48と
磁気ギャップ4とが非平行であるようなMIG磁気ヘッ
ドチップの製造法について説明したが、この製造工程に
おいて、磁性フェライト24に対して非磁性基板21に
施したと同様の加工を行うことで、ポールエッジ48お
よびポールエッジ12と磁気ギャップ4とが非平行であ
るようなMIG磁気ヘッドチップの製造が可能である。
【0044】以上のようにMIG磁気ヘッドチップを構
成することにより、前述のポールエッジ48およびポー
ルエッジ12が、磁気ギャップ4と非平行でとなり、前
記ポールエッジ48およびポールエッジ12で取り込ま
れた偽信号と、ギャップ4で取り込んだ主信号とが干渉
(いわゆるコンター効果)を起こすことによる、波形が
ゆがみS/N比が低下する不具合を防止することができ
る。尚、前記ポールエッジ48とポールエッジ12が平
行であっても良い(問題ない)。
【0045】尚、上記実施例では、MIG磁気ヘッドチ
ップをHDDスライダに取り付けてHDD用磁気ヘッド
として使用する場合について説明したが、本発明はこれ
に限定されず、磁気ヘッドにより、磁気記録媒体に対す
る読み出しまたは書き込みを行う機能を有するあらゆる
装置に応用することが可能である。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、従来
のMIGヘッドよりインダクタンスの小さいバルクヘッ
ドが得られるので、高周波データのリード・ライトであ
っても波形のゆがみやS/N比の低下を生じることがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明であるインダクタンスの小さいMIG磁
気ヘッドチップの一実施例を示す図である。
【図2】ギャップと、非磁性体フェライトからなる巻線
溝のない側のコアに付着された磁性膜との接合部(ポー
ルエッジ)とが非平行に形成されるように構成されたM
IG磁気ヘッドチップの他の実施例を示す図である。
【図3】ポールエッジと磁気ギャップとが非平行である
ようなMIG磁気ヘッドチップの製造方法の一例を示し
た図である。
【図4】ポールエッジと磁気ギャップとが非平行である
ようなMIG磁気ヘッドチップの製造方法の一例を示し
た図である。
【図5】ギャップと、非磁性体フェライトからなる巻線
溝のない側のコアに付着された磁性膜との接合部(ポー
ルエッジ)および同じく非磁性体フェライトからなる巻
線溝を有する側のコアに付着された磁性膜との接合部
(ポールエッジ)とが非平行に形成されるように構成さ
れたMIG磁気ヘッドチップの他の実施例を示す図であ
る。
【図6】従来のハードディスクドライブにおける薄膜ヘ
ッドおよびそれが取り付けられるスライダを示した図で
ある。
【図7】従来のMIG磁気ヘッドを示す図である。
【図8】従来のMIG磁気ヘッドチップをHDDスライ
ダ用に加工した例を示した図である。
【符号の説明】
1…磁性フェライト 2…非磁性フェライト 3…磁性膜 4…ギャップ 5…ABS面 6…巻線溝 7…接合ガラス 8…トラック幅 9…巻線 10…スライダ 44…切り欠き面 48…ポールエッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/60 G11B 5/60 C (72)発明者 今村 力 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性フェライト等からなる第1のコアと、 非磁性フェライト等からなる第2のコアと、 前記第1あるいは第2のコアのいづれか一方又は両方に
    形成された巻線溝と、 前記第1のコアの接合面に均一に付着した、高透磁率の
    第1の金属磁性膜と、 前記第2のコアの接合面に均一に付着した、高透磁率の
    第2の金属磁性膜と、 前記第1および第2の金属磁性膜の接合面に均一に付着
    して磁気ギャップ面を形成し、該磁気ギャップ面に所定
    のギャップ長を形成する第1の非磁性体と、 前記第1および又は第2のコアが有する巻線溝に充填さ
    れ、巻線を通すための穴の空いたガラス等からなる、前
    記第1および第2のコアを接合する第2の非磁性体と、 前記第1および第2のコアを磁気記録媒体に対向するA
    BS面から斜めに切り落とし形成された所定のトラック
    幅を有するトラック面とを具備したことを特徴とする磁
    気ヘッドコア。
  2. 【請求項2】前記第1の金属磁性膜が磁気ギャップを形
    成する側の面と、その反対側の前記第1の金属磁性膜と
    前記第1のコアとにより形成される付着面とは平行で、
    前記第2の金属磁性膜が磁気ギャップを形成する側の面
    と、その反対側の前記第2の金属磁性膜と前記第2のコ
    アとにより形成される付着面とは平行でないことを特徴
    とする請求項1記載の磁気ヘッドコア。
  3. 【請求項3】前記第1のコアは非磁性フェライト等で構
    成され、前記第1の金属磁性膜が磁気ギャップを形成す
    る側の面と、その反対側の前記第1の金属磁性膜と前記
    第1のコアとにより形成される付着面とは平行でなく、
    かつ、前記第2の金属磁性膜が磁気ギャップを形成する
    側の面と、その反対側の前記第2の金属磁性膜と前記第
    2のコアとにより形成される付着面とは平行でないこと
    を特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドコア。
  4. 【請求項4】前記第1および又は第2のコアは、略一軸
    磁気異方性を有し、その磁化容易軸の方向がほぼ磁気記
    録媒体面と直交し、かつ、該磁気記録媒体面の摺動方向
    と直角であることを特徴とする請求項1,2または3記
    載の磁気ヘッドコア。
  5. 【請求項5】非磁性基板に該非磁性基板面と平行でない
    面を有する溝をエッチングや機械加工等により複数形成
    し、前記溝の表面に磁性膜を10μm程度の厚さになる
    ように形成し、前記磁性膜の表面にガラスを充填し、該
    ガラス面を研磨除去して前記溝底部に前記磁性膜が残さ
    れ前記溝上部にガラスが充填された状態の鏡面基板を形
    成し、該鏡面基板の研磨面全面に、前記鏡面基板の研磨
    面と平行でかつ前記複数の溝の垂直断面と平行な方向が
    磁化容易軸となるように一軸磁気異方性を付与した磁性
    膜を形成してなる非磁性基板ブロックと、鏡面仕上げの
    された磁性基板表面に周期的に巻線溝をもうけ、該巻線
    溝側の面に磁性膜を形成してなる磁性基板ブロックと
    を、ギャップスペーサ膜を挟んでガラス接合し、列分割
    を行った後スライスして、MIG磁気ヘッドチップコア
    を得ることを特徴とする磁気ヘッドコアの製造方法。
  6. 【請求項6】非磁性基板に該非磁性基板面と平行でない
    面を有する溝をエッチングや機械加工等により形成し、
    前記溝の表面に磁性膜を10μm程度の厚さになるよう
    に形成し、前記形成された磁性膜の下の前記非磁性基板
    が露出しない程度に磁性膜表面の研磨除去を行って鏡面
    基板を形成し、該鏡面基板の研磨面全面に、前記鏡面基
    板の研磨面と平行でかつ前記複数の溝の垂直断面と平行
    な方向が磁化容易軸となるように一軸磁気異方性を付与
    した磁性膜を形成してなる非磁性基板ブロックと、鏡面
    仕上げのされた磁性基板表面に周期的に巻線溝をもう
    け、該巻線溝側の面に磁性膜を形成してなる磁性基板ブ
    ロックとを、ギャップスペーサ膜を挟んでガラス接合
    し、列分割を行った後スライスして、MIG磁気ヘッド
    チップコアを得ることを特徴とする磁気ヘッドコアの製
    造方法。
  7. 【請求項7】前記磁性基板ブロックに対して施される加
    工に加えて、前記非磁性基板ブロックに施される加工と
    同様な加工を施すことを特徴とする請求項5または6記
    載の磁気ヘッドコアの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109212611A (zh) * 2018-08-31 2019-01-15 中国石油化工股份有限公司 一种基于井约束匹配追踪的砂砾岩有效储层预测方法

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