JPH08271901A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH08271901A
JPH08271901A JP9760695A JP9760695A JPH08271901A JP H08271901 A JPH08271901 A JP H08271901A JP 9760695 A JP9760695 A JP 9760695A JP 9760695 A JP9760695 A JP 9760695A JP H08271901 A JPH08271901 A JP H08271901A
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crystal display
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JP9760695A
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Takashi Miyashita
崇 宮下
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広視野角の液晶表示素子を提供することであ
る。 【構成】 画素電極22と対向電極31とその間に介在
された液晶13間で形成される各画素を、2分割して強
アンカリング部分画素A1と弱アンカリング部分画素A
2を形成する。一方の部分画素の輝度の極大値と他方の
部分画素の輝度の極小値が同一電圧で発生して極大と極
小が相殺し合い、両部分画素の平均的な電圧−輝度特性
が単調上昇カーブ、又は、単調下降カーブを描くように
2つの部分画素のアンカリングの強度を設定する。これ
によって、隣接する階調間での階調の反転を抑え、視野
角を広くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は広視野角の液晶表示素
子に関し、特に、各画素内に異なったアンカリング強度
の部分画素を備え、視野角が広い液晶表示素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】液晶表示
素子は、薄型軽量化が可能であり、種々の電子機器の表
示装置として使用されている。しかし、液晶表示素子は
CRT等に比べて視野角が狭く、中間調表示時の視野角
依存性が顕著であるという欠点を有する。例えば、TN
(ツイストネマティック)液晶セルを一対の偏光板で挟
んで構成するTN液晶表示素子においては、白黒2値表
示時には実用上十分な視野角特性を持つものの、8階調
以上の中間調表示時には視野角依存性が大きいという欠
点を持つ。
【0003】この点を図面を参照して具体的に説明す
る。まず、TN液晶表示素子の角度の定義(上下左右方
向の定義)を図4に示す。
【0004】TN液晶表示素子を構成する一対の基板の
対向面には、直交する方向にラビング等の配向処理が施
されている。この配向処理に対応して、TN液晶は下側
の基板から上側の基板に向かって時計回りに90°(−
90°)ツイストしている。TN液晶セルを挟んで配置
された、一対の偏光板の一方はその光学軸(透過軸又は
吸収軸)が、配向処理の方向の一方に平行又は直交する
ように配置され、他方の偏光板は、その光学軸が一方の
偏光板の光学軸に直交又は平行となるように配置されて
いる。
【0005】このような構成のTN液晶表示素子の8階
調表示時の中間調視野角特性を図18〜図23に示す。
図18〜図21は、図4に定義する上、下、右、左の各
方向からTN液晶表示素子を観察したときのY−V曲線
及びlogY−V曲線(Y:輝度、V:液晶への印加電
圧)を視角θ別に示し、図22、図23は、上下、左右
の各方向からTN液晶表示素子を観察したときの典型的
なY−θ曲線及びlogY−θ曲線を印加電圧別に示
す。
【0006】なお、図20〜図23に示す特性は、液晶
表示素子がポジタイプ(ノーマリーホワイト)で、入射
側偏光板の透過軸と入射側基板の配向処理の方向とがほ
ぼ90°で交差するように配置し、配向膜のアンカリン
グを強アンカリング(外挿長deが0.00)とした際
に得られたものである。
【0007】図18(A)及び図20(A)に示すよう
に、上方向では、視角θの増加と共に輝度Yが増加して
黒レベルが白くなってしまうものの、階調の逆転現象は
目立たない(logY−V曲線が単調減少関数である限
り階調の逆転現象は起こらない)。しかし、図18
(B)及び図20(B)に示すように、下方向では、例
えば、視角θ=50゜の場合、印加電圧が2.2V程度
で輝度Yが極小となり、印加電圧が3V程度で輝度Yが
極大となって階調の逆転現象が起こる。
【0008】図19(A)、(B)及び図21(A)、
(B)に示すように、左右方向の特性は互いに対称であ
り、視角θ=50゜の場合、輝度Yは印加電圧が3V程
度の時極小となり、印加電圧が6V程度で極大となっ
て、階調の逆転現象が起こってしまう。
【0009】次に、8階調の各階調の表示電圧を以下の
ように定義する。(1)明状態電圧を1.5Vに固定す
る。(2)暗状態電圧を6.0Vに固定する。(3)6
つの中間調電圧を1.5Vでの輝度Yを7等分割した値
をとる電圧とする。そして、8つの電圧を低い方からV
0、……、V7と呼ぶことにする。
【0010】図22、図23に電圧をV0、……、V7
固定した時の輝度Y0、……、Y7の視角θに対する変化
を示す。図22、図23から、正面で8階調の順序が正
しく取れていても、上下左右各方向に視角θを変化させ
ると、階調の順序が乱れることが理解できる。8階調の
輝度順序が正しく取れる視角θの範囲(即ち、視野角)
は、上下方向で−23°〜+23゜(−:下方向、+:
上方向)、左右方向で−34〜+34゜(−:左方向、
+:右方向)である。このように、従来のTN液晶表示
素子では、中間調が正常に表示できる視角θの範囲が狭
い、即ち、視野角が狭い。
【0011】視野角を広くする手法として各画素を複数
に分割し、部分画素の一方に制御容量を液晶容量と直列
に接続する方法が提案されている。この方法では、制御
容量を接続された部分画素では液晶に印加される電圧が
降下するため、各画素に異なった配向状態の領域ができ
ることになり、視野角が広くなる。
【0012】しかし、この手法では、制御容量をTFT
が形成された基板に形成するため、TFT基板の歩留ま
りを低下させる。さらに制御容量は金属で画素内部に形
成されるため、開口率が減少し、表示画像が暗くなると
いう欠点を有する。
【0013】この発明は上記実状に鑑みてなされたもの
で、歩留まり率が高く、開口率が高く、広視野角の液晶
表示素子を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかる液晶表示素子は、対向面に電極と
配向膜が形成され、対向して配置された一対の基板と、
前記一対の基板間に配置された液晶とから構成される液
晶セルと、該液晶セルの少なくとも一方に配置された偏
光板と、より構成される液晶表示素子において、前記電
極の対向部分で定義される各画素領域を第1と第2の部
分画素を含む複数の部分画素に分割し、前記第1の部分
画素のアンカリング強度と前記第2の部分画素のアンカ
リング強度を異なった値とした、ことを特徴とする。
【0015】前記第1と第2の部分領域は、アンカリン
グの強度を示す外挿長deと前記液晶の層の厚さdの比
de/dが0.00〜0.01、第2の部分領域のde/
dは0.07〜0.10に設定される。
【0016】前記第1と第2の部分領域のアンカリング
強度を、第1の部分画素の印加電圧と輝度との特性カー
ブの極大と第2の部分画素の印加電圧と輝度との特性カ
ーブの極小とを実質的に同一電圧で発生させる値に設定
することが望ましい。
【0017】また、弱いアンカリングの部分領域の面積
を1画素の面積の30〜50%に設定することが望まし
い。
【0018】
【作用】前記構成において、各部分領域は異なったアン
カリング強度を有しているので、異なった電圧−輝度特
性を示す。従って、例えば、一方の領域の印加電圧−輝
度特性における極大と他の領域における印加電圧−輝度
特性における極小とが同一電圧で発生するようにすれ
ば、平均的な電圧−輝度特性が単調上昇カーブ又は単調
下降カーブをえがき、これにより、隣接する階調間での
階調の反転を抑え、視野角を広くすることができる。
【0019】
【実施例】以下、この発明の実施例を、TFT液晶表示
素子を例に図面を参照して説明する。図1はこの発明の
一実施例にかかるTN液晶表示素子の断面構造を示し、
図2はTFT基板の平面構造を示す。
【0020】図1に示すように、この液晶表示素子は、
シール材SCにより接合された一対の透明基板11、1
2と、一対の透明基板11、12間に封止されたTN
(ツイストネマティック)液晶13とより構成される液
晶セル16と、液晶セル16を挟んで配置された偏光板
14、15と、より構成される。
【0021】下側の透明基板(以下、TFT基板)11
の上面には、図1及び図2に示すように、アクティブ素
子としてのTFT(薄膜トランジスタ)21と画素電極
22がマトリクス状に配置され、これらの上に配向膜2
3が配置されている。
【0022】各TFT21のソース電極は対応する画素
電極22に接続され、各行のTFT21のゲート電極は
対応するゲートラインGLに接続され、各列のTFT2
1のドレイン電極は対応するデータラインDLに接続さ
れている。画素電極22は、ITO等からなる透明導電
膜から形成される。
【0023】他方の透明基板(以下、対向基板)12の
TFT基板11と対向する面には、対向電極31が形成
されている。対向電極31はITOから形成され、接地
電圧等の所定の電圧が印加されている。
【0024】TFT基板11のTFT21と画素電極2
2とを覆ってポリイミド等から構成された配向膜23が
形成されている。また、対向基板12の対向電極31を
覆って配向膜33が配置されている。
【0025】図3(A)に断面で、図3(B)に平面で
示すように、各画素(画素電極22と対向電極31とそ
の間の液晶13とから構成される)は、2つの部分画素
A1とA2に2分割されている。一方の部分画素A1と他
方の部分画素A2は液晶13の液晶分子のアンカリング
の強度が異なるように構成されている。
【0026】望ましくは、部分画素A1は、外挿長de
とセルギャップdの比de/dで表されるアンカリング
強度(de/dが小さい程アンカリング強度が強い)が
0.00〜0.01に設定され、部分画素A2は、アン
カリング強度de/dが0.07〜0.10に設定され
る。なお、外挿長deは、配向膜界面近傍の液晶分子の
動きやすさにより、セル厚がd+2deに実質的に厚く
なったと見なせることを意味する定数である。
【0027】アンカリング強度の差を2つの部分画素A
1とA2に与えるため、配向膜23と35との各部分画素
の領域には異なった表面処理が施され、或いは、上下配
向膜23と35との各部分画素の領域は異なったアンカ
リング強度を与える材料から構成されている。例えば、
配向膜23と35との強アンカリングの部分画素A1の
領域は通常のポリイミド等から構成され、弱アンカリン
グの部分画素A2の領域は極性力が小さい材質の膜から
形成されている。極性力の小さい材料としては、LB
(ラングミラーブロジェット)膜、アルキル基又はF基
を有する配向膜等を使用できる。また、ポリイミド等の
膜の上にシランカップリング材を塗布して、弱アンカリ
ング領域としてもよい。
【0028】下配向膜23には、図4の破線で示す方向
(0°の方向)にラビング等の配向処理が施され、上配
向膜33には、図4の実線で示す方向(90°の方向)
に配向処理が施されている。
【0029】液晶13はカイラル剤が添加されたネマテ
ィック液晶から構成され、配向処理に従って下基板11
から上基板12に向けて時計回り方向に90°(0°〜
−90°)ツイストして配向している。
【0030】下側(光入射側)の偏光板14は、その透
過軸が下側の配向膜23に施された配向処理の方向に垂
直に設定され、上側(光出射側)の偏光板15は、その
透過軸が下側の偏光板14の透過軸に直交するように配
置されている。
【0031】この様な構成の液晶表示素子において、液
晶分子は、強アンカリングに構成された部分画素A1で
は、印加電圧に応じて垂直配向しにくく、弱アンカリン
グに構成された部分画素A2では、印加電圧に応じて垂
直配向しやすい。このため、画素電極22と対向電極3
1との間に任意の電圧を印加したときに、強アンカリン
グに構成された部分画素A1の液晶分子のチルトは小さ
く、弱アンカリングに構成された部分画素A2の液晶分
子のチルトは大きくなる。
【0032】このため、各画素内に異なった配向状態の
2つの部分画素A1とA2とが形成され、これらの部分画
素A1とA2の光学特性がその面積S1とS2に応じて平均
化される。このため、視野角が広くなる。
【0033】例えば、部分画素A1のアンカリング強度
de/dを0.00とすると、部分画素A1は図18〜
図21に示した光学特性を有する。下方向について考え
ると、部分画素A1は図18(B)及び図20(B)に
示す光学特性を有する。そこで、本発明の作用の概念的
に示した図5のように、部分画素A1のY−V特性の極
小及び極大が部分画素A2のY−V特性の極大及び極小
とほぼ同一の電圧で発生するように部分画素A2のアン
カリング強度de/dを設定すれば、それぞれの特性が
平均化され、画素の光学特性がなだらかになる。従っ
て、輝度の逆転現象が防止又は低減され、視野角が広く
なる。また、この方法によれば、制御容量を配置する構
成と異なり開口率が小さくなることはない。
【0034】次に、この実施例の液晶表示素子の視野角
特性を数値に基づいてより具体的に説明する。初めに、
アンカリング強度を表す物理量について説明する。ま
ず、液晶と配向膜の表面エネルギーを数1のように表
す。数1は配向ベクトルが配向膜23、35の平面と表
面容易軸角をなす状態からチルト角θ(0)とθ(d)
に変化する時の単位面積当たりの界面自由エネルギーの
増加分を表す。但し、チルト方向のアンカリングのみを
考慮し、ツイスト方向のアンカリングは無視する。
【0035】
【数1】(1/2)A・sin2(θe−θ(0))+
(1/2)A・sin2(θe−θ(d))
【0036】数1において、θeは表面容易軸角であり
配向膜の表面に固有な一定角度である。θ(0)、θ
(d)はそれぞれTFT基板11の界面(下配向膜23
の表面)、対向基板12の界面(上配向膜35の表面)
近傍での液晶分子のチルト角を示し、電圧の印加ととも
に増大する。表面エネルギーが無限大の場合には、θ
(0)、θ(d)はθeに一致する。Aは束縛の強度を
表す係数である。
【0037】ホモジニアスセル、TNセル、STNセル
の外挿長deは数2で求められる。ここで、外挿長de
は、配向膜界面での液晶分子の動きを考慮した場合に、
液晶層の厚さdがd+2deに伸長したことに等価であ
る。
【数2】de=K1/A ここでK1は、スプレイ変形の弾性定数である。
【0038】さらに、アンカリング強度を表す物理量を
規格化するため、外挿長deとセルギャップ(液晶13
の層の厚さ)dとの比de/dを求め、de/dをアン
カリングの強度を示す値(無単位)とする。de/d値
が小さいほどアンカリング強度は強く(大きく)、de
/d値が大きいほどアンカリング強度は弱い(小さ
い)。
【0039】図6〜図11に、アンカリング強度de/
dを、0.00、0.01、0.03、0.05、0.
07、0.10と変化させた場合のθm=θ(d/
2)、θo=θ(0)の電圧依存性を示す。θmは、液
晶セル16の厚み方向の中点(d/2)でのチルト角を
示す。図6〜図11から、弱アンカリングになる程、即
ち、de/dの値が大きくなるほど、θm及びθoが増
大し、同一印加電圧に対して、液晶分子が立ちやすく
(垂直配向しやすく)なることがわかる。
【0040】従って、アンカリング強度が異なる部分画
素A1とA2では、画素電極22と対向電極31間に電圧
を印加した場合に、液晶分子の配向状態が異なり、その
光学特性も異なる。
【0041】そこで、部分画素A1とA2の個々の光学特
性について具体的に検討する。部分画素A1とA2の配向
処理方向は図4に示すように同一であり、表面容易軸角
も同一であるとする。さらに、各部分画素A1とA2内の
上配向膜35と下配向膜23のアンカリング強度も同一
であるとする。
【0042】液晶13としては、以下の物性を有するT
N(ツイストネマティック)液晶を使用する。 弾性定数比 K3/K1=1.57 K3/K2=1.89 K1=10.6×10-12N 誘電率異方性比:Δε/ε⊥=1.29 ε⊥=3.48
【0043】
【表1】屈折率波長依存性 プレチルト角θ0=3° ツイスト角φ0=−90° セルギャップd=5μm リターディションΔn・d=300〜600nm(λ=
589nm)
【0044】上記物性を有するネマティック液晶に次の
物性を有するカイラル剤を1%添加する。 d/p比 d/p=0.052 p=97μm
【0045】また、偏光板14、15としては以下に示
す特性のものを使用する。
【表2】屈折率波長依存性 偏光子の厚さdpol=35μm 平行透過率 T‖=34.12 直交透過率 T⊥=0.019
【0046】de/d=0.07(弱アンカリング)
で、上下左右方向に視角θを変化させた場合の輝度Yと
印加電圧Vの関係を図12〜図15に示す(θは液晶表
示素子の画面の垂線と視線のなす角)。この特性は部分
画素A2の光学特性に相当する。
【0047】図12〜図15に示す特性を、図18〜図
21に示す強アンカリング時の特性と比較すると、曲線
群が低電圧側にシフトしている。即ち、弱アンカリング
になると同一の電圧に対し液晶分子が立ちやすくなるた
め、光学的閾値電圧が低下して白レベルの輝度が減少す
るとともに黒レベルの輝度も減少する。そのため、コン
トラスト比が増大する。
【0048】具体的には、上方向では、視角θの増加と
共に輝度が増加して黒レベルが白くなってしまうもの
の、階調の逆転現象は目立たない。
【0049】下方向では、視角50゜のY−V曲線は、
1.7V程度の電圧において一度暗くなり、2.2V程
度の電圧でY−V曲線にバンプが現れて階調の逆転現象
が起こる。さらに3.3V程度の電圧において再度暗く
なり、6V程度の電圧でY−V曲線に大きなバンプが現
れて、階調の逆転現象が起こる。(Y−V曲線のバンプ
の様子はlogY−V曲線上で顕著である)。
【0050】左右方向の特性は互いに対称であり、視角
θ=50゜の場合、輝度Yは印加電圧が2.3V程度の
時極小となり、印加電圧が6V程度で極大となって、階
調の逆転現象が起こる。
【0051】次に、分割画素A1とA2の全体の表示特性
を考える。画素全体の表示特性は、強アンカリング部分
画素A1と弱アンカリング部分画素A2の表示特性の面積
平均で定まる。1画素の全面積S1+S2に対する弱アン
カリング部分画素A2の面積S2の比をSとすれば、面積
比Sは数3で与えられる。
【数3】S≡S2/(S1+S2) 今、部分画素A1のアンカリング強度がde/d=0.
00(強アンカリング)、部分画素A2のアンカリング
強度がde/d=0.07(弱アンカリング)、弱アン
カリング部分画素の面積比S=50%の場合を考える。
【0052】画素全体の表示特性は、部分画素A1の表
示特性と部分画素A2の表示特性の面積平均である。こ
こで、下方向視角θ=50゜のときの部分画素A1と部
分画素A2のY−V曲線の相対関係に注目する。
【0053】弱アンカリングの部分画素A2のY−V曲
線は、図14(B)に示すように、中間調電圧VMAX=
2.2Vでバンプの極大値をとる。一方、図20(B)
に示すように、強アンカリングの部分画素A1のY−V
曲線に1度目の極小値を与える電圧VMINも2.2Vで
あり、両者を平均すると極大と極小が負に干渉してバン
プが消滅する。同様に、弱アンカリング部分画素A2の
Y−V曲線に2度目の極小値を与える電圧VMIN2と強ア
ンカリング部分画素A1のY−V曲線に極大値を与える
電圧VMAXは共にほぼ同一であり、特性曲線は負に干渉
してバンプが消滅する。
【0054】このため、この実施例の画素の下方向の視
角θ=50°でのY−V曲線は単調減少関数に近くな
り、階調の逆転現象が緩和される。このため、視野角が
広くなる。
【0055】図16と図17に、下方向に視角θを振っ
た場合のlogY−V曲線の変化をde/d=0.00、
0.01、0.03、0.05、0.07、0.10の
場合について示す。下方向視角θ=50゜のときのVMA
X、VMIN、VMIN2がアンカリング強度の減少とともに単
調に減少している。
【0056】これらの特性より、例えば、部分画素A1
のアンカリング強度が0.03の時に、部分画素A2の
アンカリング強度を0.10程度とすれば良いことが判
別できる。
【0057】なお、上記実施例では、視角θが最も問題
となる下方向の視野角を広げる場合を例にこの発明を説
明したが、上記実施例により、左右方向の視野角も改善
される。
【0058】以上説明したように、この実施例によれ
ば、異なったアンカリング強度の部分画素を用いること
により、各部分画素の印加電圧−輝度特性の極大及び極
小をほぼ相殺させて、全体の印加電圧−輝度特性を単純
減少(又は単純増加)関数として、階調の反転現象を防
止することができる。従って、広視野角の液晶表示素子
が得られる。
【0059】なお、弱アンカリング部分画素A2の面積
比Sを増加させると、コントラスト比が増加するが、視
野角が狭くなる。このため、面積比Sは30〜50%が
妥当である。
【0060】上記実施例においては、TFT液晶表示素
子を例にこの発明を説明したが、この発明は、MIMを
アクティブ素子とする液晶表示素子にも適用可能であ
る。また、アクティブ素子を使用しないパッシブマトリ
クス方式の液晶表示素子にも適用可能である。また、上
記実施例では、各画素を2つに分割する例を示したが、
3つ以上の領域に分割し、それぞれのアンカリング強度
を異ならせるようにしてもよい。
【0061】さらに、分割画素毎に配向処理の方向や程
度を異ならせる等の、他の広視野角技術と上記実施例の
技術を組み合わせて使用してもよい。
【0062】この発明は、TN(ツイストネマティッ
ク)液晶表示素子に限らず、STN液晶表示などにも同
様に適用可能である。また、透過型液晶表示素子に限ら
ず、反射膜を備えた反射型液晶表示素子にも適用可能で
ある。この場合、反射膜側の偏光板を省略してもよい。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、視野角が広く、開口率が高い液晶表示素子を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかるTN液晶表示素子
の構成を示す断面図である。
【図2】TFT基板の平面構造を示す図である。
【図3】各画素の構成を説明するための図であり、
(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図4】液晶表示素子の配向処理の方向と上下左右方向
及び角度の定義を示す図である。
【図5】視野角が広くなる理由を説明するための図であ
る。
【図6】アンカリング強度が0.00の場合の液晶分子
のチルト角の電圧依存性を示す図である。
【図7】アンカリング強度が0.01の場合の液晶分子
のチルト角の電圧依存性を示す図である。
【図8】アンカリング強度が0.03の場合の液晶分子
のチルト角の電圧依存性を示す図である。
【図9】アンカリング強度が0.05の場合の液晶分子
のチルト角の電圧依存性を示す図である。
【図10】アンカリング強度が0.07の場合の液晶分
子のチルト角の電圧依存性を示す図である。
【図11】アンカリング強度が0.10の場合の液晶分
子のチルト角の電圧依存性を示す図である。
【図12】アンカリング強度de/d=0.07(弱ア
ンカリング)の場合のY−印加電圧特性を示す図であ
り、(A)は上方向、(B)は下方向の特性を示す図で
ある。
【図13】アンカリング強度de/d=0.07(弱ア
ンカリング)の場合のY−印加電圧特性を示す図であ
り、(A)は右方向、(B)は左方向の特性を示す図で
ある。
【図14】アンカリング強度de/d=0.07(弱ア
ンカリング)の場合のlogY−印加電圧特性を示す図
であり、(A)は上方向、(B)は下方向の特性を示す
図である。
【図15】アンカリング強度de/d=0.07(弱ア
ンカリング)の場合のlogY−印加電圧特性を示す図
であり、(A)は右方向、(B)は左方向の特性を示す
図である。
【図16】(A)〜(C)は、アンカリング強度de/
dが0.00、0.01、0.03の場合に、下方向か
ら液晶表示素子を観察した時のlogY−印加電圧特性を
視角別にそれぞれ示す図である。
【図17】(A)〜(C)は、アンカリング強度de/
dが0.05、0.07、0.10の場合に、下方向か
ら液晶表示素子を観察した時のlogY−印加電圧特性を
視角別にそれぞれ示す図である。
【図18】アンカリング強度de/d=0.00(強ア
ンカリング)の場合のY−印加電圧特性を示す図であ
り、(A)は上方向、(B)は下方向の特性を示す図で
ある。
【図19】アンカリング強度de/d=0.00(強ア
ンカリング)の場合のY−印加電圧特性を示す図であ
り、(A)は右方向、(B)は左方向の特性を示す図で
ある。
【図20】アンカリング強度de/d=0.00(強ア
ンカリング)の場合のlogY−印加電圧特性を示す図
であり、(A)は上方向、(B)は下方向の特性を示す
図である。
【図21】アンカリング強度de/d=0.00(強ア
ンカリング)の場合のlogY−印加電圧特性を示す図
であり、(A)は右方向、(B)は左方向の特性を示す
図である。
【図22】上下、左右の各方向からTN液晶表示素子を
観察したときの典型的なY−θ曲線を印加電圧別に示
す。
【図23】上下、左右の各方向からTN液晶表示素子を
観察したときの典型的なlogY−θ曲線を印加電圧別
に示す。
【符号の説明】
11・・・TFT基板、12・・・対向基板、13・・・液晶、
14・・・偏光板、15・・・偏光板、16・・・液晶セル、2
1・・・TFT、22・・・画素電極、23・・・配向膜、31・
・・対向電極、33・・・配向膜、SC・・・シール材、GL・・
・ゲートライン、DL・・・データライン、A1・・・部分画素
(強アンカリング画素)、A2・・・部分画素(弱アンカリ
ング画素)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向面に電極と配向膜が形成され、対向し
    て配置された一対の基板と、前記一対の基板間に配置さ
    れた液晶とから構成される液晶セルと、該液晶セルの少
    なくとも一方に配置された偏光板と、より構成される液
    晶表示素子において、 前記電極の対向部分で定義される各画素領域を第1と第
    2の部分画素を含む複数の部分画素に分割し、前記第1
    の部分画素のアンカリング強度と前記第2の部分画素の
    アンカリング強度を異なった値とした、ことを特徴とす
    る液晶表示素子。
  2. 【請求項2】前記第1と第2の部分画素のうちの第1の
    部分画素のアンカリング強度を示す外挿長deと前記液
    晶の層の厚さdの比de/dは0.00〜0.01であ
    り、第2の部分画素のアンカリング強度を示す比de/
    dは0.07〜0.10であることを特徴とする請求項
    1に記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】前記第1と第2の部分画素のアンカリング
    強度は、第1の部分画素の印加電圧と輝度との特性カー
    ブの極大と第2の部分画素の印加電圧と輝度との特性カ
    ーブの極小とを実質的に同一電圧で発生させる値に設定
    されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    液晶表示素子。
  4. 【請求項4】前記配向膜の対向部分のアンカリング強度
    は同一に設定されていることを特徴とする請求項1、2
    又は3に記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】1画素に占める弱いアンカリングの領域の
    面積が1画素の面積の30〜50%に設定されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の
    液晶表示素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001042278A (ja) * 1999-08-03 2001-02-16 Minolta Co Ltd 液晶素子
EP1821137A1 (en) * 2006-02-17 2007-08-22 Optrel Ag Glare protection device

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EP1821136A1 (en) * 2006-02-17 2007-08-22 Optrel Ag Glare protection device

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