JPH08271525A - 酵素免疫反応測定装置 - Google Patents

酵素免疫反応測定装置

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Publication number
JPH08271525A
JPH08271525A JP7096137A JP9613795A JPH08271525A JP H08271525 A JPH08271525 A JP H08271525A JP 7096137 A JP7096137 A JP 7096137A JP 9613795 A JP9613795 A JP 9613795A JP H08271525 A JPH08271525 A JP H08271525A
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JP
Japan
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reagent
microplate
stocker
sample
reaction
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Withdrawn
Application number
JP7096137A
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English (en)
Inventor
Shogo Kida
正吾 木田
Fujiko Kikuchi
富士子 菊地
Yasuhiko Yokomori
保彦 横森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 測定者による試薬の選択の誤りを未然に防止
することができる酵素免疫反応測定装置を提供する。 【構成】 試薬ストッカ11の底板11Lの下面に少な
くとも二つの凸部11Gを設けるとともに、試薬ストッ
カ11が試薬ストッカ設置領域に設置された場合に、底
板11Lの凸部11Gが挿入される少なくとも二つの凹
部11Iを、試薬・検体トレー1表面の試薬ストッカ設
置領域に設ける。また、試薬ストッカ11の底板11L
の下面の四隅近傍に四つの凸部11Gを設けるととも
に、底板11Lの下面に試薬ストッカ11の種類を認識
させるもう一つの認識用凸部11Hを設け、試薬・検体
トレー1の試薬ストッカ設置領域のこれら四つの凸部1
1Gが対応する位置に、各凸部11Gが挿入される四つ
の凹部11Iを備えるとともに、認識用凸部11Hが挿
入されるための認識用凹部11Jを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素免疫反応測定装置
に係り、特に、酵素免疫反応測定に使用される試薬を装
置本体に設置する場合に、適切な試薬が設置されている
か否かを容易に判断することができる酵素免疫反応測定
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】臨床検査における酵素免疫反応測定につ
いては、従来より当該免疫反応を的確に把握するための
手法として、試薬メーカによって種々の手法およびそれ
に使用される各種試薬についての開発が進められてい
る。
【0003】この、酵素免疫反応の測定に際しては、従
来より、その目的に合った試薬を用いて測定を行うが、
通常多数の項目について測定するために、複数種類の試
薬が必要となる。このため、測定項目ごとに箱状で着脱
式の試薬ストッカが設けられ、この試薬ストッカの中に
各種の試薬が配置される。そして、測定者が自ら試薬ス
トッカを酵素免疫反応装置の試薬ストッカ設置部に設置
する。
【0004】また、測定項目がさらに多岐にわたる場合
には、一度に多数の試薬が必要となり、酵素免疫反応装
置の試薬ストッカ設置部に同時に複数の試薬ストッカが
設置できるように構成されている。そして、測定者が自
ら測定に必要な試薬ストッカの種類を選択し、それぞれ
を適切な設置部に試薬ストッカを設置する。このとき、
各試薬ストッカの設置位置は種類毎に予め決められてい
る。これは、測定作業を自動的に行うためであり、当該
酵素免疫反応測定装置内に組み込まれたソフトウェアに
従って、測定作業が進められるからである。
【0005】以上のように試薬ストッカが設置される
と、目的とする測定項目に応じて、当該酵素免疫反応装
置が自動的に各種試薬を選択抽出するとともに、この試
薬を各検体に混合して酵素免疫反応の測定作業がなされ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にあっては、以下のような不都合を生じていた。即
ち、試薬ストッカは、測定者が自ら測定項目に応じて選
択して、試薬ストッカ設置部に設置する。このため、複
数種類の試薬ストッカの間でその形状が相互に近似して
いる場合には、測定者が試薬ストッカの選択を誤る場合
がある。このことは、自動的な測定装置を用いた測定作
業において不適切な試薬が用いられる状態を招来し、測
定結果が当初の目的から大きく逸脱する、という不都合
を生じていた。
【0007】また、同時に複数種類の試薬ストッカを用
いて測定を行う場合にも、各試薬ストッカは、上述の如
く、その種類毎に設置位置が予め決められている。この
ため、測定者が自ら適切な試薬ストッカを選択し、試薬
ストッカ設置部に設置する。このとき、各試薬ストッカ
の間でその形状が相互に近似している場合には、測定者
が試薬ストッカの設置場所を誤る場合がある。例えば、
試薬ストッカを同時に二つ使用する場合に、それぞれの
設置位置を逆にしてしまう場合もある。この場合、上記
と同様に、測定結果が当初の目的を達し得ない、という
不都合を生じていた。
【0008】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、特に、多項目にわたる酵素免疫反応測定をす
る場合に、測定に必要とされる試薬を適切に装置本体に
設置でき、測定者による試薬の選択の誤りを未然に防止
することができる酵素免疫反応測定装置を提供すること
を、その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、複数の試薬を担持する箱
状の試薬ストッカと、この試薬ストッカを設置するため
の試薬ストッカ設置領域を備えた試薬・検体トレーと、
この試薬・検体トレーに併設され複数の反応用凹部を有
するマイクロプレートを免疫反応測定箇所に案内するマ
イクロプレート案内機構と、このマイクロプレート案内
機構に併設されマイクロプレートに所定の走行力を付勢
するマイクロプレート移送機構とを備える。
【0010】そして、マイクロプレート案内機構に沿っ
て、免疫反応測定箇所と、試薬および検体が注入された
マイクロプレートを加振する加振機構と、マイクロプレ
ートの各反応用凹部を免疫反応完了後に個別に洗浄する
マイクロプレート洗浄機構とを配設し、マイクロプレー
ト案内機構の一方の端部に、試薬および検体が注入され
たマイクロプレートを所定の反応温度に一定時間維持す
る恒温槽を配設し、検体又は試薬の所定量を吸引する分
注ノズル部を有し且つ当該分注ノズル部で吸引した検体
又は試薬をマイクロプレートの所定の反応用凹部へ搬送
し注入する試薬・検体分注機構を備える。
【0011】そして更に、試薬ストッカの底板の下面に
少なくとも二つの凸部を設けるとともに、試薬ストッカ
が試薬ストッカ設置領域に設置された場合に、底板の凸
部が挿入される少なくとも二つの凹部を、試薬・検体ト
レー表面の試薬ストッカ設置領域に設ける、という構成
を採っている。
【0012】また、請求項2記載の発明では、試薬スト
ッカの底板の下面の四隅近傍に四つの凸部を設けるとと
もに、底板の下面に試薬ストッカの種類を認識させるも
う一つの認識用凸部を設け、試薬・検体トレーの試薬ス
トッカ設置領域のこれら四つの凸部が対応する位置に、
各凸部が挿入される四つの凹部を備えるとともに、認識
用凸部が挿入されるための認識用凹部を備えるという構
成を採り、その他の構成は請求項1記載の発明と同様で
ある。
【0013】更に、請求項3記載の発明では、試薬スト
ッカを少なくとも二組備えるとともに、試薬・検体トレ
イの試薬ストッカ設置領域に上記各試薬ストッカのそれ
ぞれの凸部が挿入される凹部を設け、認識用凸部を各試
薬ストッカごとに相違する位置に設けるという構成を採
り、その他の構成は請求項2記載の発明と同様である。
【0014】
【作用】免疫反応測定を行う場合の例を説明する。
【0015】まず、測定者は自ら測定項目に対応した試
薬ストッカを選択して、この試薬ストッカを試薬・検体
トレーの試薬ストッカ設置領域に設置する。この時、試
薬ストッカの底板の下面には所定の凸部が設けられてお
り、一方試薬・検体トレーの表面には当該凸部と対応す
るように凹部が設けられている。このため、測定者が選
択し設置した試薬ストッカの種類が正しいものである場
合には、この試薬ストッカは試薬・検体トレーに適切に
設置される。しかし、試薬ストッカが不適正なものであ
る場合には、上記した凸部及び凹部の位置が相互に対応
しないため、適切に試薬ストッカを設置することができ
ない。これによって、測定者が試薬ストッカの選択の誤
りに気づくこととなる。
【0016】また、試薬ストッカを同時に複数使用する
場合には、上記凸部を各試薬ストッカの種類毎に相違す
る位置に設けるように構成されている。このため、測定
者が各試薬ストッカを試薬ストッカ設置領域に設置する
場合、それぞれを適切な位置に設置しなければ、上記と
同様にそれぞれの凸部及び凹部が対応せず、適切に設置
できない。例えば、試薬ストッカを二組使用する場合
に、それぞれを逆の設置領域に設置しても、凸部が凹部
に挿入されない。これによって、測定者が試薬ストッカ
を誤った設置領域に設置したことに気づくこととなる。
【0017】以上のように酵素免疫反応測定装置が準備
されると、まず、マイクロプレートの各反応用凹部に対
して予め所定の試薬を塗布して、これをベルトコンベア
機構上に載置し、ベルトコンベア機構を作動させて試薬
・検体分注機構による試薬および検体の分注可能位置ま
で搬送する。この位置で、試薬・検体分注機構を作動さ
せて前述した検体ストッカ内の検体をマイクロプレート
の各反応用凹部に分注する。
【0018】かかる分注動作が完了すると、ベルトコン
ベア機構はマイクロプレートを加振機構部分に移送し、
マイクロプレートを加振して反応を促進させ、更にその
後に当該マイクロプレートを恒温槽内へ搬入し温度調節
を行って反応を更に促進させる。この恒温槽での反応促
進工程が完了すると、再びベルトコンベア機構を作動さ
せてマイクロプレートをマイクロプレート洗浄機構の位
置まで搬送し、ここで各反応用凹部内の洗浄が行われ
る。
【0019】この洗浄が終了すると、当該マイクロプレ
ートの各反応用凹部には、酵素標識抗体試薬が前述した
試薬ストッカ内から選択され分注される。この酵素標識
抗体試薬の分注後、マイクロプレートは再び恒温槽内へ
搬入されて温度調節される。この恒温槽内での反応完了
後、マイクロプレートの各反応用凹部は再び洗浄され
る。
【0020】この酵素標識抗体試薬の分注,反応,洗浄
の各行程が完了すると、次に、発色気質試薬が、試薬ス
トッカ内から選択され、マイクロプレートの各反応用凹
部に分注される。この分注後、マイクロプレートは再び
恒温槽内へ搬入されて温度調節される。
【0021】この発色気質試薬の分注,反応の各行程が
完了すると、次に、停止液試薬が、試薬ストッカ内から
選択され、マイクロプレートの各反応用凹部に分注され
る。そして、この停止液試薬の分注後、マイクロプレー
トは免疫反応測定箇所に搬送され、ここで前述した免疫
反応測定が実施される。この間、マイクロプレートはケ
ース本体から取り出されることが全くない。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に従って
説明する。
【0023】図3乃至図4に、本実施例における装置全
体の構成を示す。この図3乃至図4に示す実施例は、一
又は二以上の試薬および検体の配置位置が予め特定され
た試薬・検体トレー1と、この試薬・検体トレー1に設
置される各種試薬を担持した試薬ストッカ11,12
と、この試薬・検体トレー1に併設され、複数の反応用
凹部2Aを備えたマイクロプレート2を免疫反応測定箇
所100に案内するマイクロプレート案内機構3と、こ
のマイクロプレート案内機構3に併設されマイクロプレ
ート2に所定の走行力を付勢するマイクロプレート移送
機構としてのベルトコンベア機構4とを備えている。こ
のベルトコンベア機構4では、段付ベルトが使用されて
いる。
【0024】図5乃至図6に複数の反応用凹部2Aを備
えた透明プラスチックからなるマイクロプレート2を示
す。このマイクロプレート2は本実施例では二つ準備さ
れ、一方のマイクロプレート2はマイクロプレート案内
機構3上に載置されて試薬および検体が個別に注入さ
れ、また、他方のマイクロプレート2は試薬・検体トレ
ー1上に液希釈用として予め配設されるようになってい
る。
【0025】また、本装置には、図3または図4に示す
ように、前述したマイクロプレート案内機構3に沿っ
て、免疫反応測定箇所100と、試薬および検体が注入
されたマイクロプレート2を加振する加振機構5と、マ
イクロプレート2の各反応用凹部2A(図5参照)を免
疫反応完了後に個別に洗浄するマイクロプレート洗浄機
構6とが配設されている。
【0026】更に、検体又は試薬の所定量を吸引する分
注ノズル部7(図17参照)を有する試薬・検体分注機
構8が、マイクロプレート案内機構3の上方で当該マイ
クロプレート案内機構3および試薬・検体トレー1を跨
いた状態で配設されている。この試薬・検体分注機構8
は、分注ノズル部7で吸引した検体又は試薬を、前述し
た一方のマイクロプレート2の所定の凹部2Aへ搬送し
注入する機能を備えている。
【0027】また、マイクロプレート案内機構3の一方
の端部(図3の上方側)には、試薬および検体が注入さ
れたマイクロプレート2を所定の反応温度に一定時間維
持する恒温槽装置9が配設されている。符号10は本体
ケースを示す。
【0028】以下、これを更に詳述する。
【0029】図3において、試薬・検体トレー1は、検
査方式により異なる複数の試薬を装備した一又は二以上
の試薬ストッカ11,12を着脱自在に収納する試薬ス
トッカ設置領域13(図2及び図7参照)と、複数の検
体を個別に収納する複数の検体収納部14Aを備えた検
体ストッカ14を収納する検体ストッカ領域15(図7
参照)とを備えている。
【0030】各試薬ストッカ11,12には、検査方式
によって異なった試薬ストッカ11,12が必要とされ
ることから、検査方式に対応した識別情報を設定する識
別手段11A,12Aが装備されている。この識別手段
11A,12Aは、本実施例では、図3,図7,図9及
び図10に示すように各試薬ストッカ11,12の左端
部に一列に設定された高さの異なる四個の円形超音波反
射面11A1 ,11A2 ,11A3 ,11A4 ;12A
1 ,12A2 ,12A3 ,12A4 により構成されてい
る。この高さの相違は、前述した分注ノズル部7に併設
された超音波センサ10Aによって順次検出されて図示
しない制御手段によって識別され、これによって後述す
る各構成部分が当該所定の検査方式に沿って作動するよ
うになっている。詳しくは、識別手段11A,12Aの
結果に応じて、装置内に記憶されている制御プログラム
が選択され、目的の測定項目に応じた制御動作がなされ
る。このため、装置内には多数の種類の測定項目及び試
薬ストッカ11,12に対応した制御プログラムが用意
されており、多岐にわたる測定に柔軟に対応することが
できる。
【0031】各試薬ストッカ11,12には更に、図1
に示すように、その底板11L,12Lの下面の四隅近
傍に四つの凸部11G,12Gを設けられるとともに、
底板11L,12Lの下面に試薬ストッカ11,12の
種類を認識させるもう一つの認識用凸部11H,12H
が設けられている。これは、上記した識別手段11A,
12Aの誤動作や故障を補助し、また、測定者の試薬ス
トッカ11,12の選択の誤りを未然に防止するために
設けられたものである。即ち、試薬ストッカ11,12
の底板11L,12Lの下面の四隅近傍には、後述する
試薬・検体トレー1に設けられた凹部11I,12Iに
挿入されるための、四つの凸部11G,12Gが配設さ
れている。そして、これらの凸部11G,12Gは試薬
ストッカ11,12を上方から見た場合に、略台形形状
となる位置に配設されている(図2参照)。これによ
り、試薬ストッカ11,12の前後左右を誤って設置す
ることが防止できる。ここで、試薬ストッカ11,12
の底板11L,12Lの形状は図のように矩形に限られ
ず、円形形状やその他の多角形形状であってもよい。こ
の場合、試薬ストッカ11,12の設置方向及び向きが
一義的に決定されるように、上記各凸部11G,12G
及び凹部11I,12Iの位置を設定する必要がある。
【0032】また、図1及び図2に示すように、上記四
つの凸部11G,12Gに加え、底板11L,12Lの
下面にはもう一つの認識用凸部11H,12Hが設けら
れている。加えて、この認識用凸部11H,12Hは、
各試薬ストッカ11,12間で相互に相違する位置に配
設されている。そして、試薬・検体トレー1の試薬スト
ッカ設置領域13には、これら各試薬ストッカ11,1
2の四つの凸部11G,12Gが対応する位置に、各凸
部11G,12Gが挿入される凹部11I,12Iが備
えられるとともに、認識用凸部11H,12H及びこれ
に対応した位置に認識用凹部11J,12Jが設けられ
ている。このため、測定者が、試薬ストッカ11,12
を正しい向きで試薬ストッカ設置領域13に設置して
も、それが誤った試薬ストッカである場合には、上記し
た認識用凸部11H,12Hと試薬・検体トレー1の凹
部11J,12Jが対応せず、適切に試薬ストッカ1
1,12を設置できない。従って、測定者は試薬ストッ
カ11,12の選択の誤り気づき、改めて適切な試薬ス
トッカ11,12の選択が可能となる。
【0033】ここで、試薬ストッカ11,12に上記し
た超音波を利用する識別手段11A,12Aに加えて、
当該認識用凸部11H,12Hを配設したのは、詳しく
は、超音波を利用した識別手段11A,12Aだけで
は、周りの空気の温度等の影響を受け易く、誤動作を生
じる場合もあるからである。また、測定者が、試薬スト
ッカ11,12を設置した時点で試薬ストッカ11,1
2の選択の誤りに気づくことができるため、本酵素免疫
反応測定装置を稼動させる前段階で、適切な装置の設定
が可能となるからである。
【0034】また、試薬・検体トレー1の試薬ストッカ
設置領域13で、試薬ストッカ11,12の認識用凸部
11H,12Hに対応する位置に形成されている認識用
凹部11J,12Jには、図示しない所定のスイッチ手
段が設けられている。即ち、適正な試薬ストッカ11,
12が設置されると、この認識用凹部11J,12Jに
認識用凸部11H,12Hが挿入され、当該スイッチ手
段を動作させる。このスイッチ手段により検出された動
作信号により、適切な試薬ストッカ11,12が設置さ
れていることが認識され、以後、装置が測定作業を進め
る。一方、試薬ストッカ11,12が試薬ストッカ設置
領域13に設置されても、それが適切なものでなけれ
ば、上記スイッチ手段は動作されず、測定作業は開始さ
れない。ここで、適切な試薬ストッカ11,12か否か
を認識する手段としては、上記したものの他、試薬・検
体トレー1の下方にレーザ光源及び受光器を設け、認識
用凸部11H,12Hが認識用凹部11J,12Jに挿
入された場合に、レーザ光が遮断されるように構成し、
このレーザ光の遮断を検出して判断してもよい。
【0035】以上に記載した識別手段11A,12A及
びスイッチ手段の結果を同時に利用することにより、試
薬ストッカ11,12の選択についての人為的過誤は防
止される一方で、試薬ストッカ11,12を設置するこ
とにより、測定項目を装置に自動的に認識させることも
可能となる。このことは、測定作業の当初より目的とし
ていた項目についての測定が簡易且つ迅速に行えること
を意味している。
【0036】図8に一方の試薬ストッカ11の斜視図を
示す。また、図11に一方の試薬ストッカ11の一部省
略した分解斜視図を示す。
【0037】各試薬ストッカ11,12には、当該各試
薬ストッカ11,12ごとに特定された検査方式を達成
するための複数の試薬が装備されている。ここで、図3
及び図9に示す試薬ストッカ11,12にあっては、中
央部に大きさの異なる6個の試薬収納部11e,12e
が設けられ、この試薬収納部11e,12eに試薬収納
容器としての試薬ビン11E,12E(図9参照)が収
納されている。また、同図の右側には5個の大きさ同一
の試薬収納部11f,12fが設けられ,この試薬収納
部11f,12fに試薬ビン11F,12Fが収納され
ている。
【0038】ここで、この試薬ストッカ11,12に収
納される各試薬ビン11E,11F,12E,12F
は、その開口部に位置がほぼ同一の水平面に配設されて
いる。これによって当該各試薬ビン11E〜11F,1
2E〜12F内の試薬の残存量を容易に検知することが
可能となっている。また、これにより当該試薬ストッカ
11,12の位置が変化しても、試薬ビン11E〜11
F,12E〜12Fが常に同一の高さであり特に突出し
た高さのものがないことから、前述した分注ノズル部7
が試薬ビン11E〜11F,12E〜12Fに衝突する
不都合を予め有効に回避したものとなっている。
【0039】この試薬の残存量の検出は、実際には前述
した分注ノズル部7に併設された超音波センサ10Aに
よって検出され、これによって試薬不足の場合は(検体
の量の不足の場合も)、その旨が図示しない表示手段に
よって外部表示されるようになっている。また、この試
薬の残存量は、液面データとして捕捉されることから、
かかる情報に基づいて前述した制御手段では、分注ノズ
ル部7の下降量を調整することが出来るようになってい
る。
【0040】更に、各試薬ストッカ11,12上の図7
における下方部の領域には、当該各試薬ストッカ11,
12に収納される各試薬ビンの開口部の大きさに対応し
て前述した分注ノズル部7用の太さの異なる複数種類の
液吸入補助管7E,7Fの複数本が配設されている(図
8参照)。この図8では、比較的太い液吸入補助管7E
が前述した試薬ビン11E,12Eに対応してそれぞれ
6本準備され、また、比較的細い液吸入補助管(ディス
ポチップ)7Fが前述した試薬ビン11F,12F用と
して又検体吸入用として、各試薬ストッカ11,12毎
に10本準備されている。これによって、使用する試薬
の量に応じて試薬および検体を前述したマイクロプレー
ト2に円滑に且つ能率よく分注することができるように
なっている。
【0041】上述した試薬・検体トレー1には、図3及
び図12に示すように、当該試薬・検体トレー1を支持
すると共に該試薬・検体トレー1を前述した試薬・検体
分注機構8の分注ノズル部7の移動方向にほぼ直交する
方向に移送する試薬・検体トレー移送機構21が装備さ
れている。
【0042】ここで、図12における試薬・検体トレー
1は、図示方向が図3のものに比較して反時計方向に9
0°回転した状態となっている。図12(A)は試薬・
検体トレー1が本体ケース10から突出した状態を示
し、図12(B)は試薬・検体トレー1が本体ケース1
0内にほぼ収納された状態の例を示す。
【0043】また、図12に示す試薬・検体トレー移送
機構21は、試薬・検体トレー1の下面側に装備され、
当該試薬・検体トレー1上の各試薬や検体の出し入れを
円滑になし得るようになっている。この試薬・検体トレ
ー移送機構21は、試薬・検体トレー1を図3の上下方
向に移送するY軸方向移送機能を有し、また、前述した
試薬・検体分注機構8が分注ノズル部7を図3の左右方
向に移送する機能、即ち、X軸方向移送機能を有してい
る。これによって、試薬・検体トレー1上の各試薬や検
体を、どの位置からも前述した一方のマイクロプレート
2に(必要に応じて他方のマイクロプレート2にも)対
して自由に且つ迅速に分注し得るようになっている。
【0044】この試薬・検体トレー移送機構21は、図
12に示すように、前述した試薬・検体トレー1を支持
すると共に該試薬・検体トレー1が図3の上下方向に移
動するのを案内するガイド枠体21Aと、このガイド枠
体21Aに沿って配設され試薬・検体トレー1に移動力
を付勢するボールねじ機構部21Bと、このボールねじ
機構部21Bのねじ軸を回転駆動するトレー駆動モータ
21Cとを備えている。符号21Dはトレー駆動モータ
21Cの回転力をボールねじ機構部21Bに伝達するベ
ルト機構部を示す。
【0045】更に、符号21aはガイド枠体21Aに対
応して試薬・検体トレー1に装備されたリニアガイドを
示し、また、符号21Baはボールねじ機構部21Bの
ねじ軸により移送駆動される被駆動部材を示す。この被
駆動部材21Baが試薬・検体トレー1の裏面に装着さ
れ、これによって試薬・検体トレー1が、前述したY軸
方向に走行駆動され、前述したようにマイクロプレート
2に対する各試薬や検体の分注動作が可能となり、同時
に、前述した各試薬ストッカ11,12および検体スト
ッカ14を図12(A)に示すように本体ケース10か
ら突出させることができる。このため、各試薬ストッカ
11,12および検体ストッカ14の搬入搬出作業を、
円滑に且つ迅速に成し得るようになっている。
【0046】マイクロプレート案内機構3は、図3,図
13に示すように、本実施例では前述した試薬・検体ト
レー1の移動方向と平行に配置され、上側が開放された
断面コ字状(図15参照)のものが使用されている。
【0047】このマイクロプレート案内機構3内には、
その左右側壁面に沿って前述したマイクロプレート2に
所定の走行力を付勢するマイクロプレート移送機構とし
ての一対のベルトコンベア機構4,4が装備されてい
る。この各ベルトコンベア機構4のプーリ相互間には、
それぞれベルト支持部材4A,4Aが配設され、これに
よって、マイクロプレート2の高さ位置がその走行過程
において変化するのが有効に防止されている。
【0048】マイクロプレート2は、実際にはマイクロ
プレート保持体24を介して前述した一対のベルトコン
ベア機構4上に載置されている。また、各ベルトコンベ
ア機構4のベルトには、その複数箇所にマイクロプレー
ト保持体24を係止するプレート保持体係止用突起(図
示せず)が設けられ、これによってマイクロプレート保
持体24が係合されて当該ベルトコンベア機構4と一体
的に走行駆動されるようになっている。
【0049】マイクロプレート保持体24は、図14,
図15に示すように前述したマイクロプレート2をその
周囲で直接支持する枠状のマイクロプレート保持板24
Aと、このマイクロプレート保持板24Aを中央部が細
く形成された弾性部材から成る支柱部材24Bを介して
周囲4箇所で支持する保持体ベース部24Cとにより構
成されている。
【0050】また、加振機構5は、マイクロプレート2
内の各反応用凹部2A内に分注入された試薬に対する検
体の反応を促進させるもので、図13に示すように、マ
イクロプレート案内機構3に沿って配設されている。
【0051】この加振機構5は、前述したマイクロプレ
ート保持体24に係合する複数の係合ピン25Aを備え
た揺動ベース25と、この揺動ベース25を水平面内で
揺動駆動する揺動ベース駆動部26と、前述した揺動ベ
ース25をマイクロプレート保持体24に係合させ又は
離脱させる揺動ベース用係脱機構部27とにより構成さ
れている。ここで、係合ピン25Aは本実施例では、前
述したマイクロプレート保持板24Aの貫通穴24Aa
を中五個隔てた間隔で、揺動ベース25に装備されてい
る。
【0052】この内、揺動駆動部26は、揺動ベース2
5を偏心回転軸26Aを介して四箇所で支持する揺動ベ
ース支持板26Bと、この揺動ベース支持板26Bに装
備され前述した偏心回転軸26Aの内の一つを回転駆動
する加振用モータ28とにより構成されている。
【0053】このため、加振用モータ28が作動する
と、当該加振用モータ28に連結された偏心回転軸26
Aがまず回転し、続いて他の従動偏心回転軸26Aが揺
動ベース25を介して同時に偏心回転運動を行う。この
ため、揺動ベース25の全体が原動偏心回転軸26Aに
付勢され且つ同一面内で各偏心回転軸26Aによって支
持された状態のまま偏心動作を繰り返しす。
【0054】このごますり状の偏心動作は、前述した複
数の係合ピン25Aを介してマイクロプレート保持板2
4Aに伝達され、これによってマイクロプレート保持板
24Aがマイクロプレート2と共にX−Y平面内におい
て回転変位動作を繰り返すこととなり、マイクロプレー
ト2は有効に加振される。この間、揺動ベース用係脱機
構部27は、揺動ベース25をマイクロプレート保持体
24に係合させた状態を維持するようになっている。
【0055】一方、前述した揺動ベース用係脱機構部2
7は、図14に示すように、加振用モータ28および揺
動ベース支持板26Bの全体を上下動させる偏心カム部
27Aと,この偏心カム部27Aを回転駆動するカム駆
動モータ27Bとを備えた構成となっている。ここで、
揺動ベース支持板26Bは、図示しないガイド手段によ
って上下動のみが許容されて前述したマイクロプレート
案内機構3の外壁側に配設されている。そして、偏心カ
ム部27Aは、前述した揺動ベース支持板26Bに形成
された長穴26Baに係合され、この長穴26Baを介
して偏心カム部27Aに支持されている。
【0056】このため、カム駆動モータ27Bが作動し
て偏心カム部27Aを180°回転させると、揺動ベー
ス支持板26Bが図14の上方向に持ち上げられ、同時
に加振用モータ28および揺動ベース25も一体となっ
て上方に持ち上げられる(図12ではこの持ち上げられ
た状態を示す)。これによって、マイクロプレート保持
板24Aの貫通穴24Aaと揺動ベース25の係合ピン
25Aとの係合状態が解除され、マイクロプレート2の
加振動作は停止する。
【0057】このマイクロプレート2の加振動作によ
り、マイクロプレート2内の各反応用凹部2A内に分注
入された試薬に対する検体の反応が著しく促進される。
【0058】次に、図3に記載されているマイクロプレ
ート洗浄機構6について、図15及び図16に基づいて
説明する。
【0059】この図15及び図16に示すマイクロプレ
ート洗浄機構6は、マイクロプレート2の各反応用凹部
2A内に注入された検体および試薬の免疫反応が完了し
た場合に作動させて、各反応用凹部2Aを個別に洗浄す
るもので、各反応用凹部2A毎に二本一組で横一列分の
本数(本実施例では6組分12本)の洗浄ノズル6a,
6bを備えている。
【0060】この洗浄ノズル6a,6bは、一方の短い
方の洗浄ノズルが洗浄水吐出ノズル6aを構成し、他方
の長い方の洗浄ノズルが洗浄水吸引ノズル6bを構成し
ている。これによって各反応用凹部2A内に吐出された
洗浄水は、洗浄水吸引ノズル6bによって有効に吸引さ
れる。
【0061】この6組分12本の洗浄ノズル6a,6b
は、洗浄水の吐出および吸引動作を各洗浄ノズル6a,
6bの動作を各反応用凹部2A毎に個別に駆動制御する
と共に当該12本の洗浄ノズル6a,6bを垂下支持す
るノズル作動制御機構33と、マイクロプレート2に向
けて図15及び図16の如く突出配置されたノズル作動
制御機構33を支持する洗浄ノズル支柱部材34と、洗
浄ノズル支柱部材34を常時上方向に付勢する引張ばね
36と、この引張ばね36に抗して作動し洗浄ノズル支
柱部材34を前述した各洗浄ノズル6a,6bを最適洗
浄位置(高さ位置)に設定するギヤー機構37と、この
ギヤー機構37の動作を付勢する洗浄位置設定モータ3
8とを備えている。符号35A,35Bは、洗浄ノズル
支柱部材34が上下動するのを案内する一対のガイド片
を示す。
【0062】ギヤー機構37は、洗浄ノズル支柱部材3
4に装備されたラック37Aと該ラック37Aに噛合す
ると共に前述した洗浄位置設定モータ38に駆動される
ピニオン37Bとにより構成されている。
【0063】更に、洗浄ノズル支柱部材34の図16内
における下端部には、位置センサ39が装備されてい
る。この位置センサ39は光センサにより構成され、発
光部39Aと受光部39Bとの間に設けられた上下方向
にスリット39Cに所定の遮蔽板が挿入された場合にこ
れを検知し所定の信号を出力する。
【0064】この位置センサ39は、洗浄ノズル支柱部
材34が下降して洗浄ノズル6a,6bが前述したマイ
クロプレート2の反応用凹部2A内の底面に当接した場
合にその瞬間を捕捉するためのもので、洗浄ノズル支柱
部材34の下降動作と共にラック37Aに保持された遮
蔽板34Aが下降し、前述したスリット39Cに挿入さ
れるようになっている。
【0065】一方、この位置センサ39の作動と前述し
た洗浄ノズル6a,6bの下降動作とを連動させるた
め、前述したラック37Aは、ガイド部材34Bに案内
されて洗浄ノズル支柱部材34の上下動と同一の方向に
移動可能に装備されている。同時に、このラック37A
は、引っ張りばね34Cによって常時図16の上側に引
っ張られている。ここで、この引っ張りばね34Cの引
張力は、前述した洗浄ノズル支柱部材34用の引張ばね
36の引張力よりも幾分強く設定されている。このた
め、洗浄ノズル6a,6bを各反応用凹部2A内に挿入
するに際しては、まず、ギヤー機構37のラック37A
が降下駆動され、同時に引っ張りばね34Cを介して洗
浄ノズル支柱部材34が前述した引張ばね36に抗して
降下駆動される。
【0066】そして、長い方の洗浄水吸引ノズル6bが
反応用凹部2Aに当接すると、前述した洗浄ノズル支柱
部材34全体の下降動作が停止されるため、引っ張りば
ね34Bに抗してラック37Aのみが降下駆動される。
同時にこのラック37Aに装備された遮蔽板34Aが下
降して前述した位置センサ39のスリット39Cに挿入
され位置センサ39の光路が遮断される。この位置セン
サ39によって遮蔽板34Aが検出されると、その信号
は図示しない制御部に送られ、同時にこの制御部に制御
されて前述した洗浄位置設定モータ38が駆動停止され
るようになっている。
【0067】そして、制御部に制御されて洗浄位置設定
モータ38が正転又は逆転動作し、これにより、マイク
ロプレート2の移動停止動作に対応して洗浄ノズル支柱
部材34の上下動が制御され、その間、マイクロプレー
ト2の各反応用凹部2Aが順次有効に洗浄されるように
なっている。
【0068】この場合、洗浄ノズル6a,6bからの洗
浄水の吐出および吸引は連続的に行うことができ、この
ため、各反応用凹部2A内は、反応済みの膜を除いて残
存する試薬等は成分が薄められて有効に排出される。こ
の結果、洗浄のためにマイクロプレート2を他の場所の
洗浄器まで移動させる手間が不要となり、このため、次
の試薬反応行程に迅速に、また、時間管理をして移行す
ることができ、かかる点において複数の試薬に対する免
疫反応の結果を効率よく且つ迅速に得ることができる。
【0069】マイクロプレート案内機構3の一方の端部
(図3の上方部)には、前述したように試薬および検体
が注入されたマイクロプレート2を所定の反応温度に一
定時間維持する恒温槽機構9が配設されている。また、
この恒温槽機構9内に試薬および検体が注入されたマイ
クロプレート2を送り込むマイクロプレート入出機構4
0が、ベルトコンベア機構4の一方の端部(図3内の上
方向)に装備されている。
【0070】このマイクロプレート入出機構40は、必
要に応じて作動し前述した恒温槽機構9内からマイクロ
プレート2を引き出してベルトコンベア機構4上に載置
する機能をも兼ね備えている。このため、恒温槽9内へ
のマイクロプレート2の出し入れ作業を自動化すること
が可能となり、従来生じていたそのための時間と労力の
浪費を大幅に低減することができ、同時に作業の迅速化
を図ること、及び、時間管理を行うことができるという
利点を備えたものとなっている。
【0071】次に、試薬・検体分注機構8について説明
する。
【0072】図23乃び図24にこれを示す。この図1
7に示す試薬・検体分注機構8は、マイクロプレート案
内機構3および試薬・検体トレー1を跨ぐようにして装
備されたノズル部移送支持体41と、このノズル部移送
支持体41に支持され且つ当該ノズル部移送枠体41に
沿って移送可能に装備された分注ノズル部7と、この分
注ノズル部7に走行力を付勢するノズル部X軸移送手段
43とを備えている。
【0073】分注ノズル部7は、上下動可能に構成され
た二本の分注ノズル7A,7Bと、この分注ノズル7
A,7Bの上下動を案内すると共に該当該分注ノズル7
A,7Bに対してその上下動を個別に付勢するボールね
じ機構44A,44Bと、この各ボールねじ機構44
A,44Bを個別に駆動制御する分注ノズル部下降駆動
モータ45A,45Bとを備えている。
【0074】符号45a,45bは、分注ノズル部下降
駆動モータ45A,45Bの回転力を前述したボールね
じ機構44A,44Bに伝達する弾性部材からなる継ぎ
手を示す。また、符号46はノズル部枠体を示す。この
図17に示す分注ノズル7A,7Bは、一方の分注ノズ
ル7Aが比較的太い液吸入補助管7Eを装備し、他方の
分注ノズル7Bが比較的細い液吸入補助管7Fを装備し
ている。
【0075】これによって、本実施例では、前述したよ
うに試薬ビン11E,11F,12E,12Fの大き
さ,或いは使用する試薬の量などの相違等に対応して、
異なった種々の条件に対応し得るようになっている。
【0076】また、ノズル部X軸移送手段43は、分注
ノズル部7を装備したノズル部枠体46をノズル部移送
枠体41に沿って移送するボールねじ機構43Aと、こ
のボールねじ機構43Aの動作を付勢力するノズル部X
軸移送モータ43Bとを備えている。符号43Cは、ノ
ズル部X軸移送モータ43Bの回転力をボールねじ機構
43Aに伝達するベルト機構部を示す。
【0077】このため、この試薬・検体分注機構8と前
述した試薬・検体トレー移送機構16とが協同すること
により、試薬・検体トレー1上の複数の各試薬および検
体を前述したマイクロプレート2の各反応用凹部2Aに
対して自由に,しかも迅速に且つ高精度に、試薬分注お
よび検体分注をなし得ることが可能となっている。
【0078】次に、上記実施例により免疫反応測定を行
う場合の動作の一例を説明する。
【0079】まず、マイクロプレート2の各反応用凹部
2Aに対して予め所定の試薬を塗布して、これをベルト
コンベア機構4上に載置する。次に、ベルトコンベア機
構4を作動させて当該マイクロプレート2を試薬・検体
分注機構8による試薬および検体の分注可能位置まで搬
送する。
【0080】この位置で、試薬・検体分注機構8を作動
させて前述した検体ストッカ14内の検体をマイクロプ
レート2の各反応用凹部2Aに分注する。この間、試薬
・検体分注機構8は、その分注ノズル部7を検体ストッ
カ14部分に移送し且つ下降制御して所定の検体を吸引
し、再び上昇してマイクロプレート2側に移送され、さ
らに又マイクロプレート2側で下降制御されて検体分注
動作を完了するようになっている。
【0081】かかる分注動作が完了すると、ベルトコン
ベア機構4はマイクロプレート2を加振機構5部分に移
送する。そして加振機構5を作動させて所定時間,マイ
クロプレート2を加振して反応を促進させ、更にその後
に当該マイクロプレート2を恒温槽9内へ搬入し温度調
節を行って反応を更に促進させる。この恒温槽9での反
応促進行程が完了すると、再びベルトコンベア機構4を
作動させてマイクロプレート2をマイクロプレート洗浄
機構6の位置まで搬送し、ここで前述した動作により各
反応用凹部2A内の洗浄が行われる。
【0082】このマイクロプレート洗浄機構6による洗
浄が終了すると、当該マイクロプレート2の各反応用凹
部2Aには、酵素標識抗体試薬が前述した試薬ストッカ
11(又は12)内から選択され分注される。この酵素
標識抗体試薬の分注後、マイクロプレート2は再び恒温
槽9内へ搬入され、ここで温度調節されて反応促進が図
られる。この恒温槽9内での反応完了後、マイクロプレ
ート2の各反応用凹部2Aは再びマイクロプレート洗浄
機構6による洗浄が行われる。
【0083】この酵素標識抗体試薬の分注,反応,洗浄
の各行程が完了すると、次に、発色気質試薬が、試薬ス
トッカ11(又は12)内から選択され、マイクロプレ
ート2の各反応用凹部2Aに分注される。この分注後、
マイクロプレート2は再び恒温槽9内へ搬入されて温度
調節されて反応促進が図られる。
【0084】この発色気質試薬の分注,反応,洗浄の各
行程が完了すると、次に、停止液試薬が、試薬ストッカ
11(又は12)内から選択され、マイクロプレート2
の各反応用凹部2Aに分注される。そして、この停止液
試薬の分注後、マイクロプレート2は免疫反応測定箇所
100に搬送され、ここで前述した免疫反応測定が実施
され、この免疫反応測定箇所100での測定結果に基づ
いて所定の解析がおこなわれ、その結果が判定されるよ
うになっている。
【0085】このように、上記実施例によると、酵素免
疫反応の測定に際しては、分注,反応の各行程の繰り返
してのが多いことから従来より困難視されていた自動化
が可能となり、このため、酵素免疫反応の測定を迅速に
且つ高精度に実施する事が可能となり、試薬メーカー毎
に異なる各種項目の検査を一台の装置で実施することが
できるという利点がある。
【0086】尚、上記実施例では、マイクロプレート移
送機構としてベルトコンベア機構4を使用した場合を例
示したが、マイクロプレート移送機構として機能するも
のであればベルトコンベア機構以外の他の機構を使用し
てもよい。
【0087】また、試薬・検体トレー移送機構16を試
薬・検体トレー1に装備した場合を例示したが、試薬・
検体トレー1を前述した試薬・検体分注機構8に沿った
一列の物を使用することにより、試薬・検体トレー移送
機構16については特に装備しなくてもよい。また、試
薬・検体分注機構8をY軸方向に移動可能に構成しても
よい。
【0088】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成され且つ機
能するので、測定者が自ら試薬ストッカを選択し、この
選択した試薬ストッカを試薬・検体トレーの試薬ストッ
カ設置領域に設置する場合に、不適正な試薬ストッカを
設置しようとしても、適切に設置することができない。
これは、予め、使用される可能性のある試薬ストッカに
のみ対応した試薬ストッカ設置領域を試薬・検体トレー
上に設けるからである。このため、複数種類の試薬スト
ッカの間でその外観形状が相互に近似している場合で
も、測定者が試薬ストッカの選択を誤ることが未然に防
止される、という優れた効果を生じる。
【0089】また、同時に複数種類の試薬ストッカを用
いて測定を行う場合にも、各試薬ストッカは、上述の如
く、その種類毎に設置位置が予め決められている。この
ため、測定者が自ら適切な試薬ストッカを選択し、試薬
ストッカ設置部に設置する。このとき、各試薬ストッカ
の間でその形状が相互に近似している場合でも、認識用
凸部の位置が試薬ストッカ相互間で相違しているので、
不適正な試薬ストッカを設置しようとしても適切に設置
できない。このため、試薬ストッカの選択の誤りを未然
に防止することができる、という優れた効果を生じる。
【0090】さらに、本発明によれば、試薬ストッカと
試薬・検体トレーとを相互に対応させて構成するので、
測定者の目的とする項目に対応した試薬・検体トレーを
適宜選択し配設することにより、装置自体の構造や制御
プログラムを変更することなく一台の装置で、柔軟に多
様な測定項目に対応できる酵素免疫反応測定装置を提供
することができる、という優れた効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る試薬ストッカと試薬・
検体トレーを示す斜視図である。
【図2】図1に開示した試薬・検体トレーの平面図であ
る。
【図3】本発明の一実施例を示す一部省略した平面図で
ある。
【図4】図3内に開示した各構成部材相互間の位置関係
を示す概略斜視図である。
【図5】マイクロプレートを示す平面図である。
【図6】図5に開示したマイクロプレートの正面方向か
ら見た断面図である。
【図7】図3内に開示した試薬・検体トレー部分を示す
詳細説明図である。
【図8】図7の一部省略した正面図である。
【図9】図7の左側面図である。
【図10】図3内に開示した試薬ストッカの例を示す斜
視図である。
【図11】図10に示す試薬ストッカの一部省略した分
解斜視図である。
【図12】図3内に開示した試薬・検体トレーとその駆
動機構(Y軸方向)との関係を示す図で、図12(A)
は図3内の試薬・検体トレー部分を反時計方向に180
°回転した状態を示す平面図を示し、図12(B)は図
12(A)の動作を示す説明図である。
【図13】図3内に開示したベルトコンベア機構,加振
機構およびマイクロプレート用位置決め機構との関係を
示す一部省略した平面図である。
【図14】図13内に開示した加振機構の要部を示す説
明図である。
【図15】図3内に開示した洗浄機構の例を示す一部省
略した正面図である。
【図16】図15の一部省略した右側面図である。
【図17】図3に開示した試薬・検体分注機構の例を示
す一部省略した正面図である。
【符号の説明】
1 試薬・検体トレー 2 マイクロプレート 2A 反応用凹部 3 マイクロプレート案内機構 4 マイクロプレート移送機構としてのベルトコンベア
機構 5 加振機構 6 マイクロプレート洗浄機構 7 分注ノズル部 8 試薬・検体分注機構 9 恒温槽 10 本体ケース 11 試薬ストッカ 11G 凸部 11H 認識用凸部 11I 凹部 11J 認識用凹部 11L 試薬ストッカ底板 12 試薬ストッカ 12G 凸部 12H 認識用凸部 12I 凹部機構 12J 認識用凹部 12L 試薬ストッカ底板 30 マイクロプレート用位置決め機構 40 マイクロプレート入出機構 100 免疫反応測定箇所

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の試薬を担持する箱状の試薬ストッ
    カと、この試薬ストッカを設置するための試薬ストッカ
    設置領域を備えた試薬・検体トレーと、この試薬・検体
    トレーに併設され複数の反応用凹部を有するマイクロプ
    レートを免疫反応測定箇所に案内するマイクロプレート
    案内機構と、このマイクロプレート案内機構に併設され
    前記マイクロプレートに所定の走行力を付勢するマイク
    ロプレート移送機構とを備え、 前記マイクロプレート案内機構に沿って、前記免疫反応
    測定箇所と、前記試薬および検体が注入されたマイクロ
    プレートを加振する加振機構と、前記マイクロプレート
    の各反応用凹部を免疫反応完了後に個別に洗浄するマイ
    クロプレート洗浄機構とを配設し、 前記マイクロプレート案内機構の一方の端部に、前記試
    薬および検体が注入されたマイクロプレートを所定の反
    応温度に一定時間維持する恒温槽を配設し、前記検体又
    は試薬の所定量を吸引する分注ノズル部を有し且つ当該
    分注ノズル部で吸引した検体又は試薬を前記マイクロプ
    レートの所定の反応用凹部へ搬送し注入する試薬・検体
    分注機構を備えた酵素免疫反応測定装置において、 前記試薬ストッカの底板の下面に少なくとも二つの凸部
    を設けるとともに、前記試薬ストッカが前記試薬ストッ
    カ設置領域に設置された場合に、前記底板の凸部が挿入
    される少なくとも二つの凹部を、試薬・検体トレー表面
    の試薬ストッカ設置領域に設けたことを特徴とする酵素
    免疫反応測定装置。
  2. 【請求項2】 前記試薬ストッカの底板の下面の四隅近
    傍に四つの凸部を設けるとともに、前記底板の下面に試
    薬ストッカの種類を認識させるもう一つの認識用凸部を
    設け、試薬・検体トレーの試薬ストッカ設置領域のこれ
    ら各凸部が対応する位置に、前記四つの凸部が挿入され
    る凹部を備えるとともに、前記認識用凸部が挿入される
    認識用凹部を備えたことを特徴とする請求項1記載の酵
    素免疫反応測定装置。
  3. 【請求項3】 前記試薬ストッカを少なくとも二組備え
    るとともに、前記試薬・検体トレイの試薬ストッカ設置
    領域に上記各試薬ストッカのそれぞれの凸部及び認識用
    凸部が挿入される凹部及び認識用凹部を設け、前記認識
    用凸部を前記各試薬ストッカごとに相違する位置に設け
    たことを特徴とする請求項2記載の酵素免疫反応測定装
    置。
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