JPH08270996A - 換気扇用フィルター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ フィルターで捕集した油分がフィルター取手
から落下するのを防止する。また、フィルターの清掃時
に分解、組立しやすいことを目的とする。 ［構成］ フィルターの取手に近い上方に取手よりも幅
の広い開口部を備えたフィルター。また、フィルターの
通風穴の最下部分を横穴スリットとして、そのスリット
の幅以内で、そのスリットに近い下方に取手を配置した
フィルター。また、複数枚で構成されるフィルターにお
いて、取手を最後段フィルターに接合し、その前段フィ
ルターに取手を通過させる穴を備えたフィルター。 ［効果］ フィルターで捕集した油分がフィルターから
取手へ流れて取手から、レンジフードの下にあるコンロ
や調理なべに落下して汚すことがない。また、フィルタ
ーの清掃時に分解や組立が簡単に行え、さらに取手部分
を紛失することがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、厨房等に設置される
レンジフードのフィルターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１０は、従来のレンジフード用フィル
ターである。図において、１は複数枚で組み立てられた
フィルターで、２ａは前段（風路の風上側をいう）フィ
ルター、２ｂは後段（風路の風下側をいう）フィルタ
ー、３は取手でフィルターを組合せ締め付けるネジ兼フ
ィルター着脱用の取手である。４は後段フィルター２ｂ
に設けられたフィルター２ａと組合せ固定するネジ座、
５は取手３のネジ部が通る通し穴、６はフィルターに設
けられた通風穴である。

【０００３】図９はフィルターがレンジフードに取付け
られた図である。壁面に取り付けられたレンジフード１
１の吸い込み側にフィルター１が設けられて、その奥に
ファン１２が取り付けられている。レンジフード１１の
下にはコンロが１４が設置されている。１１ａは油受
け、１３はフィルタ１に捕集された油である。

【０００４】次に動作について説明する。レンジフード
に吸引された油煙はフィルター１に設けられた通風穴６
を通過する際に、油分はフィルター１の表面に捕集され
る。その捕集された油１３はフィルター１の面に沿って
下方に流れ、最終的にはフィルター１が取り付けられた
レンジフード１１の油受け１１ａに溜る。また、複数枚
のフィルターで構成されるフィルター１はレンジフード
にセットするのに、フィルター２ａと２ｂを組合せ、取
手３のねじ部を通し穴５に通してフィルタ２ａの面を押
えながらネジ座４に締め付け固定する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のフィルターは以
上のように構成されているので、捕集された油分が、下
方に流れる際に取手に伝って取手の先端から下方に落下
し、油受けに受けられずに、コンロ上面や調理なべ等に
落下して汚す問題があった。また、複数枚で構成される
フィルターを分解清掃する際には、取手のネジを緩めて
外す必要があるが、清掃時に取手が油で濡れているため
滑べり易く取り外し難かったり、取り外した取手を落し
て紛失してしまうという問題があった。

【０００６】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、捕集した油煙をフィルターの面
から取手の部分に伝って下方に落下させることなくコン
ロ上面や調理鍋などを汚さないようにすることを目的と
する。また、複数枚を組み合わせたフィルターを分解清
掃する際に簡単に分解でき、取手を落して紛失すること
がないようにするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のレンジフードに
設けた通風穴を有する排気中の油分を除去するフィルタ
ーにおいて、着脱用の取手を前記フィルターの中央より
下方部に設け、この取手の取り付け部の周辺から上方部
にかけて取手の取付部分の幅よりも大きな開口部を設け
たものである。

【０００８】また、レンジフードに設けた通風穴を有す
る排気中の油分を除去するフィルターが複数枚で構成さ
れるフィルターにおいて、フィルター着脱用の取手を風
路における後方のフィルターに設け、前記後方のフィル
ターの前に設けられたフィルターには前記取手を通す通
し穴を設け、前記取手を前記通し穴に通したものであ
る。

【０００９】また、取手の取り付け部の周辺から上方部
にかけて設けた開口部の形状が中央付近が高く端側が低
くなるように形成したものである。

【００１０】また、取手を通す通し穴の形状が中央付近
が高く端側が低くなるように形成されたものである。

【００１１】また、レンジフードに設けた通風穴を有す
る排気中の油分を除去するフィルターにおいて、通風穴
の最下部の少なくとも一つの通風穴が横長のスリット形
状とし、着脱用の取手を前記横長の通風穴の下方部に設
け、この取手が前記横長の通風穴の幅より小さい幅とし
たものである。

【００１２】

【作用】本発明のフィルターによれば、捕集された油分
がフィルター面に沿って下方に流れる際に、取手の取り
付け部周辺から上方部にかけて設けられた取手の取り付
け部分の幅よりも大きな開口部により、取手の上方で左
右に流れが分かれて取手に伝わらず油受けに流れ込む。

【００１３】また、本発明のフィルターは、複数のフィ
ルターを組み合わせるとき後段（風路の風下側をいう）
フィルターに設けた取手を、前段（風路の風下側をい
う）のフィルターに差し込むだけで組合せでき、また、
レンジフードへの着脱時には前方に出た取手を持って操
作できる。さらに清掃時には分解しても取手は後方フィ
ルターに接合されていることにより落して紛失すること
もない。

【００１４】また、本発明のフィルターは、取手の取り
付け部から上方部にかけた開口部の中央部が高くなって
いるため、捕集された油が開口部の上部に溜らずに開口
部の端へ流れて取手には落ちない。油の流れる量が多い
場合も容易に流れる。

【００１５】また、本発明のフィルタ−は、取手の通る
開口部の中央部が高くなっているため、捕集された油が
開口部の上部に溜らずに開口部の端へ流れて取手には落
ちない。油の流れる量が多い場合も容易に流れる。

【００１６】また、本発明のフィルターは、捕集された
油が横長の通風穴の左右の端からフィルター面を伝って
下方に流れる。その際取手は横長通風穴の真下部分に位
置し、かつ、取手の幅が横長通風穴の幅より小さいこと
により、取手に油が伝わらず油受けに流れ込む。

【００１７】

【実施例】

実施例１．図１は本発明の一実施例を示す。図において
２ｃはフィルターで従来例のフィルター１に相当するも
ので本実施例では一枚で使用する。７はフィルター２ｃ
の下方に取り付けられた着脱用の取手、６はフィルター
の通風穴、８は捕集油分を左右に分け流すための開口部
で、取手７の周辺から上方にかけて形成されている。形
状は中央部が高くなった三角形をしている。開口部８の
形状としては、他に図２の周辺が凹部になったもの、図
３の略半円形、図４の五角形等がある。何れも中央部分
が高く、端の方が低くなった形状で開口部の幅は取手の
幅より大きくなっている。

【００１８】次に動作について説明する。レンジフ−ド
に吸引された油煙はフィルター２ｃに設けられた通風穴
６を通過する。その際に、油煙から油や水分が、フィル
ター２ｃの面に捕集される。その捕集された油は多くな
るに従い下方に向ってフィルター面に沿って流れる。油
は通風穴６がある為穴以外の面の部分に沿って流れ、通
風穴が小さい場合には表面張力により面の部分、穴の部
分に拘らず全体的に流れる。下方に設けられた取手７上
方付近まで流れてきた時に、三角形の開口部８によって
流れは左右に分れて下へ流れる。この時取手７よりも開
口部８の幅の方が大きいので、油は取手７には流れずに
フィルタ−２ｃの下方に設けられた油受けに流れ込むこ
とになり、取手が垂れる油で濡れることがなく、また、
取手から油が落ちてコンロ面などを汚すことがない。

【００１９】実施例２．図５に示す実施例は油の捕集効
率を高めるために複数枚のフィルタ−を組み合わせたも
ので、フィルタ−着脱用の取手を後段のフィルター２ｂ
に設け、取手の部分を前段のフィルタ２ａに貫通させた
ものである。図において７は取手でフィルタ２ｂと同じ
材質の板材を打抜いて曲げ加工をして別部品として作ら
れている。先端部７ａは中間部７ｂより幅広く形成さ
れ、後段のフィルター２ｂに溶接又はリベットカシメ等
により固定して設けられている。なお、取手の形状とし
ては図５のほかに図６に示すように丸形形状もあり、取
手１０は先端部１０ａと中間部１０ｂとに形成されてお
り、フィルター２ｂにはカシメ、溶接などにより固定さ
れる。

【００２０】取手７はフィルタ２ｂの略中央の下方に設
けられ、取手７の付近から上方にかけて開口部８が設け
られている。形状は中央部が高くなった三角形をしてい
る。開口部８の形状としては、他に実施例１と同じで図
２、図３、図４等の形状がある。何れも中央部分が高
く、端の方が低くなった形状で開口部の幅は取手の中間
部７ｂの幅より大きいものである。

【００２１】一方フィルター２ａの中央部の下方にはフ
ィルタ２ｂを組み合わせたとき取手７が通ることが出来
る通し穴９が設けられている。通し穴９は取手７の先端
部７ａが通る幅の広い部分９ａと取手７の中間部７ｂが
入る９ｂの部分から構成されている。形状は幅の広い９
ａの上方に幅のせまい９ｂの部分が設けられている。通
し穴９の形状としては図６の取手の形状に合わせて円形
を組み合わせた図７に示すように通し穴１５は幅の広い
部分１５ａと幅のせまい１５ｂもある。何れも中央部分
が高く、端の方が低くなった形状でフィルタ２ａと２ｂ
が組み合わされたとき取手の中間部７ｂと通し穴９との
間には空間があり接触をしないものである。フィルタ２
ａと２ｂを組み合わせるとき取手７は通し穴９の幅の広
い部分１５ａを通してから幅のせまい部分１５ｂに位置
決めされる。

【００２２】次に動作について説明する。レンジフ−ド
に吸引された油煙は、フィルター２ａ、２ｂに設けられ
た通風穴６を通過する。その際に、油煙から油や水分が
フィルター２ａ、２ｂに捕集される。その捕集された油
は多くなるに従い下方に向ってフィルター面に沿って流
れる。油は通風穴６がある為穴以外の面の部分に沿って
流れ、通風穴が小さい場合には表面張力により面の部
分、穴の部分に拘らず全体的に流れる。下方に設けられ
た取手７の上方付近まで流れてきた時に、開口部８及び
通し穴９によって流れは左右に分れて下へ流れる。この
時取手７よりも開口部８及び通し穴９の幅の方が大きい
ので、油は取手７には流れずにフィルタ−２ａ、２ｂの
下方に設けられた油受けに流れ込むことになり、取手か
ら油が流れてコンロ面などに落ちて汚すことがない。

【００２３】又、取手は後段のフィルター２ｂに固定さ
れて前段のフィルター２ａの通し穴９を貫通しているの
で、取り外すとき取手７を持って容易に取り外すことが
出来また、取手７を持っておれば組み合わせたフィルタ
ー１が離れることがなく落ちる心配がない。また、手を
離しても取手７の先端が大きくなっているので通し穴９
の幅の狭い部分９ｂに引っかかり簡単には離れない。ま
た、取手７は後段フィルター２ｂに固定されているので
紛失することがない。実施例３．

【００２４】図８に示す実施例はフィルターの最下部の
通風穴が横長スリットのもので、図において２ｄはフィ
ルター、７は２ｄの下方に取り付けられた着脱用の取
手、１６はフィルターの通風穴で横に細長くスリットが
一定間隔で複数列切られている。取手は最下部横長スリ
ットの真下にその横長スリット幅より小さい幅でかつス
リット両端から真下に延長した線に掛からないように一
定の間隔が保たれるように配置されている。

【００２５】次に動作を説明する。レンジフードファン
で吸引された油煙は、フィルター２ｄに設けられた通風
用の横長スリット１６を通過する。その際に油煙から油
や水分がフィルター２ｄに捕集される。その捕集された
油は多くなるに従い下方に向ってフィルター面に沿って
流れ出す。横長スリット１６をよけるように面の部分に
沿って流れる、取手７は横長スリット幅より小さい幅で
かつスリット両端から真下に延長した線に掛からないよ
うに一定の間隔が保たれているので、油が取手７には流
れることはなく、レンジフード下方に設けられた油受け
に流れ込み、取手７を伝わって油がコンロ面に落ちて汚
すことがない。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、フィルターに設けた取
手の付近から上方に取手より幅の広い開口部を設けたの
で、上からフィルターの面を伝わって流れてきた油は開
口部によって流れが左右に分かれて取手には流れず取手
を伝わってコンロ面などに落ちることがなくなりコンロ
面を油で汚すことがなくなる。

【００２７】又、複数枚で組合わされるフィルターにお
いて、後段フィルターに取手を接合し前段フィルターの
通し穴に通すことにより分解清掃時などに取り外すとき
取手を持って容易に取り外すことができ、また、組み合
わせたフィルターが離れて落ちる心配がない。また、取
手は後段フィルターに固定されているので紛失すること
がない。また、取手の上方にある開口部及び取手の通し
穴によって上から流れてきた油は左右に分れて下へ流
れ、取手には流れず取手から油がコンロ面などに落ちて
汚すことがない。

【００２８】また、取手の上方近傍に設けた開口の形状
が中央付近が高く端側が低くなるように形成したので、
捕集された油分の流れる量が多い場合、油が開口部の上
部に溜らずに開口部の端へ流れて取手には流れず取手か
ら油がコンロ面などに落ちて汚すことがない。

【００２９】また、取手を通す通し穴の形状が中央付近
が高く端側が低くなるように形成したので、捕集された
油分の流れる量が多い場合、油が通し穴の上部に溜らず
に通し穴の端へ流れて取手には流れず、取手から油がコ
ンロ面などに落ちて汚すことがない。

【００３０】又、取手は最下部横長スリットの真下にそ
の横長スリット幅より小さい幅でかつスリット両端から
真下に延長した線に掛からないように一定の間隔が保た
れるように配置したので、フィルターで捕集された油分
等が取手には流れず、取手から油がコンロなどに落ちて
汚すことがない。

【００３１】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１によるフィルターの斜視図で
ある。

【図２】実施例１の開口部の別の形状の部分図である。

【図３】実施例１の開口部の別の形状の部分図である。

【図４】実施例１の開口部の別の形状の部分図である。

【図５】本発明の実施例２による組み合わせフィルター
の斜視図である。

【図６】実施例２の取手の別の形状を示す部分斜視図で
ある。

【図７】実施例２の取手の通し穴の別の形状を示す部分
図である。

【図８】本発明の実施例３のフィルターの斜視図であ
る。

【図９】レンジフードにフィルターが取り付けられた断
面図

【図１０】従来のレンジフードファン用フィルターの斜
視図である。

【符号の説明】

１ フィルター ２ａ 前段フィルター ２ｂ 後段フィルター ７ フィルター着脱用取手 ８ 開口部 ９ 通し穴

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 レンジフードに設けた通風穴を有する排
   気中の油分を除去するフィルターにおいて、着脱用の取
   手を前記フィルターの中央より下方部に設け、この取手
   の取り付け部の周辺から上方部にかけて取手の取付部分
   の幅よりも大きな開口部を設けたことを特徴とするフィ
   ルター。
2. 【請求項２】 レンジフードに設けた通風穴を有する排
   気中の油分を除去するフィルターが複数枚で構成される
   フィルターにおいて、フィルターの着脱用の取手を風路
   における後方のフィルターに設け、前記後方のフィルタ
   ーの前に設けられたフィルターには前記取手を通す通し
   穴を設け、前記取手を前記通し穴に通したことを特徴と
   するフィルター。
3. 【請求項３】 取手の取り付け部の周辺から上方部にか
   けて設けた開口部の形状が中央付近が高く端側が低くな
   るように形成されたことを特徴とする請求項１記載のフ
   ィルター。
4. 【請求項４】 取手を通す通し穴の形状が中央付近が高
   く端側が低くなるように形成されたことを特徴とする請
   求項２記載のフィルター。
5. 【請求項５】 レンジフードに設けた通風穴を有する排
   気中の油分を除去するフィルターにおいて、通風穴の最
   下部の少なくとも一つの通風穴が横長のスリット形状と
   し、着脱用の取手を前記横長の通風穴の下方部に設け、
   この取手が前記横長の通風穴の幅より小さい幅としたこ
   とを特徴とするフィルター。