JPH08270635A - ピストン支持装置 - Google Patents

ピストン支持装置

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JPH08270635A
JPH08270635A JP7183595A JP7183595A JPH08270635A JP H08270635 A JPH08270635 A JP H08270635A JP 7183595 A JP7183595 A JP 7183595A JP 7183595 A JP7183595 A JP 7183595A JP H08270635 A JPH08270635 A JP H08270635A
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JP
Japan
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connecting rod
intermediate member
piston
press
steel
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JP7183595A
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Hajime Kono
肇 河野
Toshiro Kimura
敏郎 木村
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム合金から形成されたコネクティ
ングロッドを使用し、高温、高負荷に耐え得ると共に静
寂性に優れたピストン支持装置を提供する。 【構成】 アルミ製コンロッド30と鋼製ピストンピン
31とを固定する一方、ピストン32と鋼製ピストンピ
ン31とを相対的に回転自在に取り付けるピストン支持
装置であって、鋼から形成され、鋼製ピストンピン31
が圧入されて固定されると共にコンロッド貫通穴33内
に圧入される中間部材34を有する。この中間部材34
の外周面40には、当該中間部材34とコンロッド30
とが相対的に回転するのを止める回転抑止手段41とし
ての凸部42を設けてある。また、ピストン作動時の温
度域において熱膨張量の違いからコンロッド30と中間
部材34との間に生じる隙間寸法に対応した圧入代で、
中間部材34をコンロッド貫通穴33内に圧入してあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム合金から
形成されたコネクティングロッドと鋼から形成されたピ
ストンピンとを固定する一方、ピストンと前記ピストン
ピンとを相対的に回転自在に取り付けるピストン支持装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関においては、シリンダ内のピス
トンの往復運動をクランク軸の回転運動に変えるため
に、ピストンとクランク軸とがコネクティングロッド
(以下、「コンロッド」とも略称する)を介して連結さ
れている。クランク軸はコンロッドの大端部に連結さ
れ、ピストンはコンロッドの小端部にピストンピンを介
して連結されている(特開平2−266162号公報お
よび特開平3−61712号公報参照)。
【0003】ピストンを支持する方式には、ピストンピ
ンとコンロッド小端部との嵌合方法の違いによって、図
6(A)に示される圧入方式と、同図(B)に示される
フローティング方式とがある。なお、これらの図におい
ては、理解を容易にするために、軸受隙間を拡大して示
してある。
【0004】圧入方式は、鋼製のコンロッドに適用され
る方式であって、図6(A)に示すように、鋼製コンロ
ッド10と鋼製ピストンピン11とを固定する一方、ピ
ストンピン11とピストン12とを相対的に回転自在に
取り付けてある。ピストンピン11とコンロッド10と
を固定するのは、これら両者10,11が相対的に回転
するのを止めるためであり、ピストンピン11をコンロ
ッド小端部10aの貫通穴13に圧入することによって
両者が固定される。圧入する際の圧入代は、16μmか
ら33μmである。
【0005】一方、フローティング方式は、二輪車用エ
ンジンや産業用エンジンなどにおいてアルミ合金製のコ
ンロッドを使用する場合に適用される方式であって、図
6(B)に示すように、ピストン12と鋼製ピストンピ
ン11とを固定する一方、ピストンピン11とアルミ製
コンロッド20とを相対的に回転自在に取り付けてあ
る。このフローティング方式にあっては、前記公報(特
開平3−61712号公報)に開示されているように、
コンロッド小端部20aの貫通穴23にブッシュ24を
スキマバメし、このブッシュ24によりアルミ素材を保
護している。アルミ製コンロッド20を使用すれば、軽
量化が図られて、高回転型のエンジンに適するという利
点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ピスト
ン支持方式を上述したフローティング方式とすると、ブ
ッシュ24によりアルミ素材を保護しているものの、貫
通穴23内周面とブッシュ24外周面との間およびブッ
シュ24内周面とピストンピン11外周面との間に隙間
Sが存在することから、高温、高負荷時におけるコンロ
ッド20の破損を完全に防止するには十分ではなかっ
た。また、前記隙間Sがエンジンの振動や騒音の原因と
なることから、二輪車用エンジンなどではさほど問題と
はならないものの、静粛性が要求される乗用車のエンジ
ンに適用することは事実上できなかった。
【0007】したがって、アルミ製コンロッド20を乗
用車用エンジンなどで使用するためには、ピストン支持
方式を、アルミ製コンロッド20と鋼製ピストンピン1
1とを固定した圧入方式とする必要がある。ところが、
鋼製ピストンピン11をアルミ製コンロッド20にその
まま圧入したのでは次のような問題が生じる。
【0008】つまり、ピストンピン11の素材である鋼
の熱膨張係数と、コンロッド20の素材であるアルミニ
ウム合金の熱膨張係数との差から、エンジン稼働時の高
温域(例えば、150℃)において、コンロッド小端部
20aが拡開して、貫通穴23内周面とピストンピン1
1外周面との間に隙間(30μm)が開いてしまう。こ
の隙間は上述した振動などの原因となるので無くす必要
があるが、このためには、鋼製ピストンピン11を圧入
する際に、大きな圧入代(58μmから75μm)が必
要となる。この大きな圧入代を見込むことによって圧入
力が高くなり過ぎてしまい、常温域において高負荷に耐
えられなくなり、コンロッド20の破壊を招くおそれが
ある。
【0009】この不具合の原因は、鋼製ピストンピン
11とアルミ製コンロッド20との回転防止と、鋼製
ピストンピン11とアルミ製コンロッド20との熱膨張
量の差によって生じ得る隙間の除去とを、圧入のみによ
って解決しようとしたことにある。
【0010】本発明者らは、アルミニウム合金から形成
されたコネクティングロッドを使用し、高温、高負荷に
耐え得ると共に静粛性に優れたピストン支持装置を提供
すべく鋭意研究した結果、上記、の問題点を圧入の
みによって解決するのではなく、上記とを別々の手
段に役割分担させればよいことを見い出して本発明を完
成するに至った。
【0011】そこで、本発明の目的は、アルミニウム合
金から形成されたコネクティングロッドを使用し、高
温、高負荷に耐え得ると共に静粛性に優れたピストン支
持装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るピストン支持装置は、アルミニウム合
金から形成されたコネクティングロッドと鋼から形成さ
れたピストンピンとを固定する一方、ピストンと前記ピ
ストンピンとを相対的に回転自在に取り付けるピストン
支持装置であって、鋼から形成され、前記ピストンピン
が圧入されて固定されると共に前記コネクティングロッ
ドに形成した貫通穴内に圧入される中間部材を有し、当
該中間部材の外周面に、当該中間部材と前記コネクティ
ングロッドとが相対的に回転するのを止める回転抑止手
段を設け、ピストン作動時の温度域において熱膨張量の
違いから前記コネクティングロッドと前記中間部材との
間に生じる隙間寸法に対応した圧入代で、前記中間部材
を前記コネクティングロッドの前記貫通穴内に圧入して
なる。
【0013】前記回転抑止手段は、前記中間部材の外周
面から径方向外方に突出するように形成した凸部より構
成することが好ましい。
【0014】
【作用】本発明のピストン支持装置の構成によれば、 鋼製ピストンピンとアルミ製コネクティングロッドと
の回転防止と、 鋼製ピストンピンとアルミ製コネクティングロッドの
熱膨張量の差によって生じ得る隙間の除去と、 を、圧入のみによって解決するのではなく、上記の役
割を中間部材に設けた回転抑止手段に分担させ、上記
の役割を中間部材のコネクティングロッドへの圧入代を
所定の値にすることに分担させてある。
【0015】ピストン作動時の温度域においては、鋼製
中間部材およびアルミ製コネクティングロッドの熱膨張
により中間部材の圧入力がほぼ零となるが、中間部材の
外周面に設けた回転抑止手段が当該中間部材とコネクテ
ィングロッドとの相対的な回転を止めている。また、ピ
ストンピンおよび中間部材はともに同じ素材から形成さ
れているため熱膨張量に差がなく、両者の間に隙間が生
じることはなく、圧入による固定状態が維持されてい
る。このようにして、鋼製中間部材を介して、アルミ製
コネクティングロッドと鋼製ピストンピンとが固定され
ている。
【0016】ピストン不作動時の常温域においては、中
間部材をコネクティングロッド貫通穴内に圧入する際の
圧入代が所定の値に設定されていることから、中間部材
の圧入力が高くなり過ぎることはなく、許容応力振幅が
高く、高負荷にも耐えることができる。
【0017】よって、軽量性に優れたアルミニウム合金
から形成されたコネクティングロッドを使用し、高温、
高負荷に耐え得ると共に静粛性に優れたピストン支持装
置となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1(A)は、本発明の一実施例を示す断面
図、図1(B)は、図1(A)のB−B線に側断面図、
図2は、図1に示されるピストンピン、中間部材および
コンロッドを示す分解斜視図である。なお、図1におい
ては、理解を容易にするために、軸受隙間を拡大して示
してある。
【0019】図1に示すように、本実施例におけるピス
トン支持方式は圧入方式であり、コンロッド30とピス
トンピン31とが固定される一方、ピストンピン31と
ピストン32とが相対的に回転自在に取り付けられてい
る。つまり、コンロッド30の小端部30aに形成され
た貫通穴33に略円筒形状の中間部材34が圧入され、
この中間部材34に形成された中心穴35にピストンピ
ン31が圧入され、これにより、コンロッド30とピス
トンピン31とを中間部材34を介して固定してある。
また、コンロッド30に固定されたピストンピン31
は、ピストン32のボス部に形成されたピン穴36に、
相対的に回転自在に取り付けられている。ピン穴36と
ピストンピン31との間には、8〜25μmの軸受隙間
を設けてある。
【0020】コンロッド30はアルミニウム合金から形
成され、例えば、アルミニウム合金パウダを圧縮成形し
て製作される。一方、ピストンピン31は鋼から形成さ
れ、中間部材34も同じく鋼から形成されている。前記
中間部材34は、図1(A)に示すように、コンロッド
貫通穴33の軸線方向に沿う長さ寸法と同じ幅寸法を有
している。さらに、図1(B)および図2に示すよう
に、中間部材34の外周面40には、当該中間部材34
とコンロッドと30が相対的に回転するのを止め、引い
ては、当該中間部材34に固定されたピストンピン31
とコンロッド30とが相対的に回転するのを止める回転
抑止手段41が設けられている。図示する実施例では、
前記回転抑止手段41は、中間部材34の外周面40か
ら径方向外方に突出するように形成した凸部42より構
成されている。この凸部42は、軸線方向と平行に形成
され、中間部材34の幅寸法と同じ長手寸法を有する。
【0021】なお、凸部42は図示した方向ないし長さ
に限定されるものではなく、中間部材34とコンロッド
30とが相対的に回転するのを止める機能さえ発揮でき
れば、適宜変更可能である。例えば、軸線方向に対して
傾斜させたり、長手寸法を中間部材34の幅寸法よりも
短くしたり、クロスハッチ状にしたりして、形成しても
よい。
【0022】また、回転抑止手段41は図示した断面凸
型の形状に限定されるものでもなく、断面山型、断面半
円型あるいは断面半楕円型など種々の形状とすることが
できる。鋼製中間部材34の中心穴35に鋼製ピストン
ピン31を圧入する際の圧入代として、16μm〜33
μmを設定してある。この圧入代は、鋼製コンロッド1
0に鋼製ピストンピス11を圧入する際に従来より設定
されていた圧入代と同じである。中間部材34の厚さ寸
法は約1mmであるが、鋼製ピストンピン31を圧入し
ても、中間部材34は弾性範囲内にあり、破損などの支
障は何ら生じない。
【0023】アルミ製コンロッド貫通穴33に鋼製中間
部材34を圧入する際の圧入代として、30μmを設定
してある。この圧入代は、エンジン稼働時の高温域にお
ける鋼製中間部材34とアルミ製コンロッド30の熱膨
張量の違いにより生じる隙間寸法に対応しており、この
隙間寸法と略同じ寸法である。貫通穴33に圧入する際
も、中間部材34は弾性範囲内にあり、支障は何ら生じ
ない。
【0024】コンロッド30、ピストンピン31および
ピストン32を組み立てるには、まず、鋼製中間部材3
4を、熱膨張によりできる隙間の大きさに等しい30μ
mの圧入代で、アルミ製コンロッド貫通穴33に圧入す
る。ここに、貫通穴33の内面は平滑面に加工され、中
間部材34に設けた凸部42の形状に対応した凹部は形
成されていないが、中間部材34を貫通穴33に圧入す
ることにより、凸部42が貫通穴33内面に食い込むこ
とにより、中間部材34とコンロッド30とが相対的に
回転するのが抑止される。また、中間部材34を圧入す
る際の圧入代(30μm)には、中間部材34とコンロ
ッド30とが回転するのを止めるために必要な寸法が含
まれていないので、大きな圧入代を見込む必要がなく、
常温域においてコンロッド30の破壊を招く虞もない。
【0025】そして、コンロッド小端部30aをピスト
ン32のボス部に配置した後、鋼製中間部材34に、1
6μmから33μmの圧入代で、鋼製ピストンピン31
を圧入する。これにより、ピストンピン31と中間部材
34とが固定され、結果的に、鋼製ピストンピン31と
アルミ製コンロッド30とが中間部材34を介して固定
されることになる。ここに、ピストンピン31と中間部
材34は、両者とも鋼製であるので、熱膨張量の違いに
よる隙間が発生することがなく、ピストンピンと中間部
材34との間のガタを原因とするエンジンの振動や騒音
は生じない。
【0026】次に、本実施例の作用を、鋼製ピストンピ
ンをアルミ製コンロッドに圧入のみによって固定するよ
うにした比較例と比較しつつ説明する。図3は、初期応
力の温度依存性を示したグラフである。常温域の20℃
において、回転抑止手段41を中間部材34に設けた本
実施例の場合には、圧入により生じる応力(初期応力)
は、P1 =4.4kgf/mm 2 である。このP1 は熱
膨張による緩みを抑えるのに必要な圧力Pa に相当す
る。これに対し、圧入のみによって固定する比較例の場
合は、熱膨張による緩みを抑えるのに必要な圧力P
b と、ピストンピンおよびコンロッドの相対的な回転止
めに必要な圧力Pc とを得るために圧入代を大きく取っ
ており、初期応力は、P 2 =24.6kgf/mm2
あった。
【0027】本実施例の場合には、高温域の150℃で
の熱膨張量の違いから中間部材34とコンロッド貫通穴
33との間に生じる隙間寸法に対応した圧入代で、中間
部材34をコンロッド貫通穴33内に圧入してある。し
たがって、150℃において、本実施例の場合には、圧
入による初期応力はゼロとなる。このとき、回転力は、
中間部材34に設けた回転抑止手段41としての凸部4
2が受けている。これに対し、比較例の場合は、初期応
力が11.0kgf/mm2 であった。
【0028】このように、本実施例のピストン支持装置
によれば、常温域および高温域ともに初期応力が下がる
ことから、比較例に比べて、より大きい荷重に耐えるこ
とが可能となる。本実施例における耐力の温度依存性
は、図4のグラフに示すとおりである。
【0029】エンジンが回転するためにアルミ製コンロ
ッド小端部が受ける応力(応力振幅)は、7.3kgf
/mm2 である。比較例では、7.6kgf/mm2
ある。以上の結果をまとめると、図5に示す耐久限度線
図のようになる。このグラフから明らかなように、圧入
のみの比較例では、常温域および高温域において破壊の
虞があるが、本実施例によれば、高温域で安全率1.5
程度、常温域で安全率2.0程度を見込むことができ
た。
【0030】次に、回転抑止手段41の高さの範囲につ
いて考察する。アルミ製コンロッド小端部30aにかか
るトルクは、(1)ピストンピン31の慣性力に起因する
もの、(2)ピストン32とピストンピン31の摩擦に起
因するもの、の2つが考えられる。
【0031】上記(1)のトルクは、コンロッド小端部3
0aとピストンピン31が同じ運動をするのに必要なも
のである。実施例では、7.5×10-4kgf・mであ
る。上記(2)のトルクは、ピストンピン31とピストン
32が自由に動けるために必要なものである。最も大き
くかかるのは、爆発行程においてである。このとき、回
転しているピストンピン31は、爆発力の大きさでピス
トン32によって上から押さえ付けられている。この力
による摩擦力が、ピストンピン31の回転を止めようと
するトルクとなる。回転抑止手段41が、このトルクで
回転しないことが必要である。
【0032】爆発力をF、動摩擦係数をμ、ピストンピ
ン半径をRとすると、トルクTは、 T=R・μ・F となる。実施例では、2.2×10-1kgf・mであ
る。(1)のトルクは、(2)のトルクに比べて無視できる大
きさである。
【0033】コンロッド30の厚さをt、回転抑止手段
41の歯数をn、歯の高さをh、アルミ製コンロッドの
許容応力から爆発時に発生した応力を引いたものをσと
すると、 R・t・n・h・σ≧R・μ・F となる。
【0034】よって、歯の高さの範囲としては、 h≧μ・F/(t・n・σ) となる。本実施例における回転抑止手段41としての凸
部42はスプラインではないが、スプライン(JIS B 16
01(1976))よりもローレット目(JIS B 0951(1962))の
方が歯の高さが低い。そこで、最も高さの低いローレッ
ト目の歯数を凸部の数として用いると、 μ・F/(t・n・σ)=0.03 [mm] となる。この値は、最も高さの低いローレット目の歯の
高さ0.132mmよりも小さい値となる。
【0035】したがって、歯の高さの上限値は、小端部
外径、材料強度によって大きくかわってくるものの、下
限値としては、h≧μ・F/(t・n・σ) となり、
実施例の0.03mm以上が好ましい。なお、上限値
は、スプライン(JIS B 1601(1976))の高さ程度以下で
十分であると考えられる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のピストン
支持装置によれば、 鋼製ピストンピンとアルミ製コネクティングロッドと
の回転防止と、 鋼製ピストンピンとアルミ製コネクティングロッドの
熱膨張量の差によって生じ得る隙間の除去と、 を、圧入のみによって解決するのではなく、上記の役
割を中間部材に設けた回転抑止手段に分担させ、上記
の役割を中間部材のコネクティングロッドへの圧入代を
所定の値にすることに分担させてある。
【0037】このため、ピストン作動温度に達したとき
には、熱膨張により中間部材の圧入力がほぼ零になると
共に回転抑止部材が回転の力を受けることになり、高
温、高負荷時の耐久性が高められ、静粛性も良好にな
る。また、ピストン不作動時の低温時には、疲労強度が
高いため、高負荷も問題とはならない。
【0038】よって、アルミニウム合金から形成された
コネクティングロッドを使用し、高温、高負荷に耐え得
ると共に静粛性に優れ、高回転型の乗用車エンジンに好
適に適用できるピストン支持装置を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は、本発明の一実施例を示す断面
図、図1(B)は、図1(A)のB−B線に沿う断面図
である。
【図2】 図2は、図1に示されるピストンピン、中間
部材およびコンロッドを示す分解斜視図である。
【図3】 図3は、本実施例の初期応力の温度依存性
を、比較例とともに示したグラフである。
【図4】 図4は、本実施例における耐力の温度依存性
を示したグラフである。
【図5】 図5は、本実施例の耐久限度線図を、比較例
とともに示したグラフである。
【図6】 図6(A)は、圧入方式による一般的なピス
トン支持装置を示す断面図、図6(B)は、フローティ
ング方式による一般的なピストン支持装置を示す断面図
である。
【符号の説明】
30…アルミ製のコネクティングロッド(コンロッド) 31…鋼製のピストンピン 32…ピストン 33…貫通穴 34…鋼製の中間部材 35…中心穴 40…中間部材の外周面 41…回転抑止手段 42…凸部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金から形成されたコネク
    ティングロッド(30)と鋼から形成されたピストンピ
    ン(31)とを固定する一方、ピストン(32)と前記
    ピストンピン(31)とを相対的に回転自在に取り付け
    るピストン支持装置であって、 鋼から形成され、前記ピストンピン(31)が圧入され
    て固定されると共に前記コネクティングロッド(30)
    に形成した貫通穴(33)内に圧入される中間部材(3
    4)を有し、 当該中間部材(34)の外周面(40)に、当該中間部
    材(34)と前記コネクティングロッド(30)とが相
    対的に回転することを止める回転抑止手段(41)を設
    け、 ピストン作動時の温度域において熱膨張量の違いから前
    記コネクティングロッド(30)と前記中間部材(3
    4)との間に生じる隙間寸法に対応した圧入代で、前記
    中間部材(34)を前記コネクティングロッド(30)
    の前記貫通穴(33)内に圧入してなるピストン支持装
    置。
  2. 【請求項2】 前記回転抑止手段(41)は、前記中間
    部材(34)の外周面(40)から径方向外方に突出す
    るように形成した凸部(42)より構成されてなる請求
    項1に記載のピストン支持装置。
JP7183595A 1995-03-29 1995-03-29 ピストン支持装置 Pending JPH08270635A (ja)

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