JPH08269848A - ベロア調丸編地 - Google Patents

ベロア調丸編地

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JPH08269848A
JPH08269848A JP9781195A JP9781195A JPH08269848A JP H08269848 A JPH08269848 A JP H08269848A JP 9781195 A JP9781195 A JP 9781195A JP 9781195 A JP9781195 A JP 9781195A JP H08269848 A JPH08269848 A JP H08269848A
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JP
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yarn
knitted fabric
circular knitted
ground
knit
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JP9781195A
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English (en)
Inventor
Kingo Tanaka
金吾 田中
Kazunori Yamada
和則 山田
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Seiren Co Ltd
Original Assignee
Seiren Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベロア調丸編地の良好な特性を保持しつつ、
しかも縫製加工時のミシン針による損傷に極めて強い好
都合なベロア調丸編地を提供すること。 【構成】 地組織が平編み(11)であるパイル丸編地
のパイル(12)を切り開き立毛させて得られるベロア
調丸編地において、地組織を形成する地糸がニット・デ
・ニット糸であり、地糸の破断強度が7.0g/デニ−
ル以上、且つ地組織の編目密度が20〜50コ−ス/イ
ンチ、10〜30ウェル/インチであるベロア調丸編
地。 【効果】 地糸切れが解消され、裏貼りや、樹脂塗布の
必要性が無くなり、充分な伸縮性や良い風合いが保た
れ、高い生産性を得ることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発産業上の利用分野】本発明は、丸編地に関し、更に
詳しくは、複雑形状のものに極めて良くフィットし、優
れた外観、風合いを有するベロア調丸編地に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、家具として使用される椅子や
ソファ−の座席シ−ト地、或は車両の座席シ−ト地等の
座席部表面被覆材には、織物、経編地、丸編地等が使用
されてきた。これらの座席部表面被覆材はそれぞれ特有
の長所を持つため、その長所を巧く活かしながら適材適
所で使用されている。
【0003】例えば、織物は強度と形態安定性に優れて
いるし、また経編地は強度、形態安定性ともにすぐれし
かも適度な伸びを有することから、両者は、車両の座席
部表面被覆材として多く用いられている。また、丸編地
は、伸縮性に優れており座席形状に良くフィットするの
で施工が容易であること、その高生産性による経済効果
が大きいこと等の点から、特に多く使用されている。
【0004】ところで、最近は、座席にも触感等の風合
いの観点からみて優れたものが要求されており、また一
方では人間工学的見地からも、外形に起伏や湾曲の多い
複雑形状が取り入れられてきている。その意味で伸縮性
や形態自由度に勝り、風合いも豊かなベロア調丸編地が
人気となっている。
【0005】このベロア調丸編地は、平編(11)を地
組織とするパイル丸編地(図1参照)のパイル(12)
を切り開き立毛させて得られるものである。従来からベ
ロア調丸編地は、ストレッチ性、フィット性、バルキ−
性が共に優れ、その組織構造の面から織物、経編地に比
べてより良い伸縮性を有しているが、更に良好な伸縮性
を得るべく地組織の平編(11)にポリエステル等の仮
撚糸を用いて使われている。
【0006】ベロア調丸編地は、このように極めて優れ
た特性を有するが、縫製する際に、やや難点がある。そ
れは、織物、経編に比較して、編地構造から縫製加工時
にミシン針による地糸切れ問題が発生しやすいことであ
る。糸切れが起きると、その箇所から編地がちぎれる、
或は解れるという大きな欠点に結び付く。
【0007】編地がちぎれる現象は、カレンダ−等にミ
シン目を入れた場合ちぎれ易いのと同じ理屈であり、解
れるという現象は、ストッキングに糸切れが生じ、微小
な穴があいた際、たちどころにランがはいるのと同様の
現象であり、これらが丸編地構造の最大の弱点である。
そこで、これらの問題を解決するために、例えば下記の
ような対策が講じられている。
【0008】1、補強のための裏貼をしたり、樹脂を塗
布したりする方法。 2、また、極力、ミシン針による損傷を抑えるために、
ミシン針をその編地に対する適合番手のものよりも細く
して編地と針の接圧を小さくし、摩擦熱の発生を極力抑
えること。 3、また、ミシン針の先端を丸くして針先とフィラメン
ト糸表面の滑りを良くし、針先がフィラメント糸に刺さ
らないように、或は押し潰されないようにすること。 4、また、編密度を下げて糸の逃げを図ること。
【0009】しかし、上記1のごとくベロア調丸編地に
その補強のための裏貼や樹脂塗布等の手段を講ずると、
ベロア調丸編地が本来有するストレッチ性や、フィット
性などが悪くなり、結果的に良好な触感や、外観を損ね
てしまうこととなる。また、余分な処理加工が必要であ
ることからコスト高となり、経済性からも効率が良くな
い。一方、上記2のごとくミシン針を細くする方法は、
針折れの原因となり根本的な解決策には至っていない。
【0010】また、上記3のごとくミシン針の先端を丸
くすることは、耐久性の面で不利である。また、上記4
のごとく編地密度を下げることは、製品性能の点で限界
があり問題解消の決定的手段とはなっていない。
【0011】そこで発明者等は、ベロア調丸編地に使わ
れている仮撚加工糸について分析してみた。先述したよ
うに、一般的には、ベロア調丸編地の平編(11)に
は、断面円形状のポリエステル・マルチ・フィラメント
糸の仮撚加工糸が採用されている。
【0012】これはポリエステル・マルチ・フィラメン
ト糸のウ−リ加工の方法としては仮撚加工法が最も効率
的で生産性がよく経済的であることが大きな要因であ
る。ここで、仮撚加工法は、ポリエステル・マルチ・フ
ィラメント糸等の熱可塑性を有する糸に、ある加熱温度
のもとで張力をかけながら連続的に加撚してクリンプ形
状を付与し、続けて解撚して伸縮性を得る糸加工方法で
ある。従って、その加工の際、あたかも柔らかい餅を重
箱に詰め込むのと同様、その断面形状に変化をもたら
す。
【0013】つまり、断面円形状のポリエステル・マル
チ・フィラメント糸に仮撚加工を施すと、図2に原理的
に示すように、その断面形状は多角形状に変形する。ま
た、そのクリンプ形状は複雑なものになる。
【0014】つまり、仮撚加工糸は、その加工の特徴に
より各フィラメント糸(21)の断面が多角形状にな
り、必然的に糸の側面に平坦部を持つことになる。よっ
て、このような糸群の中にミシン針が挿入されると図3
に原理的に示すように、ミシン針(31)の先端部が前
記平坦部に直角に当たる確率が高くなり、糸を突き刺
す、或は押し潰す結果となる。
【0015】この現象が糸切れの多い原因のひとつにな
るのである。更に、仮撚加工糸は複雑なクリンプ形状を
有し、しかも断面が多角形状の角柱状で強く糸同志が絡
み合っている。このような地糸群の中にミシン針を貫通
させると、フィラメント糸同志の滑りが劣り結果的に糸
の逃げが悪くなり、摩擦熱の増加や糸が押し潰される等
の現象を招き損傷が大きくなる。この現象も糸切れの原
因のひとつである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のベロ
ア調丸編地は織物や経編地に比較して極めて良好な特徴
を有するものの上記の如き問題点があったことに鑑みな
されたもので、ベロア調丸編地の良好な特性を保持しつ
つ、しかも縫製加工時のミシン針による損傷に極めて強
い好都合なベロア調丸編地を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な技術的な課題に対して鋭意研究を進めた結果、従来の
ベロア調丸編地の地糸切れ問題が、主としてベロア調丸
編地の地組織を形成した平編に使用されているポリエス
テル仮撚糸の形状に主として起因するものであることを
見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
【0018】即ち、本発明は、地組織が平編みであるパ
イル丸編地のパイルを切り開き立毛させて得られるベロ
ア調丸編地において、地組織を形成する地糸がニット・
デ・ニット糸であることを特徴とするベロア調丸編地に
存する。そして、地糸の破断強度が7.0g/デニ−ル
以上であるベロア調丸編地に存する。
【0019】そしてまた、地組織の編目密度が20〜5
0コ−ス/インチ、10〜30ウェル/インチであるベ
ロア調丸編地に存する。そしてまた、地糸の破断強度が
7.0g/デニ−ル以上、且つ地組織の編目密度が20
〜50コ−ス/インチ、10〜30ウェル/インチであ
るベロア調丸編地に存する。
【0020】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明のベロア調丸編地は、図1に示すような地組
織が平編(11)である組織よりなる。この組織を編成
する際は、2本の糸が同時に編口に供給され、その一方
が地組織を形成し、他方の糸も平編組織を形成しつつ機
械的にシンカ−ル−プが強制的に引き出される。
【0021】そして、この引き出された部分が、編地の
表面に突出してパイル(12)を形成し、このパイルを
シャ−リングなどの手段で切り開き立毛させてベロア調
丸編地が形成される。
【0022】ベロア調丸編地の物性的特徴は、地組織の
平編(11)が有する物性的特徴によるところが大き
い。そして、平編(11)の伸縮性に関する特性は、平
編構造そのものから派生する特性であるが、同時にその
使用素材によるニット・デ・ニット糸の特性によっても
大きな影響を受ける。
【0023】ここでニット・デ・ニット糸は、ポリエス
テル糸などの熱可塑性を有する糸を筒状の平編地に編成
した後、熱セットし、糸にサインカ−ブの如き平編の形
状を賦型して、その後、編地を解いてウ−リ加工状態を
得るものである。その製法の特徴から、各フィラメント
糸のクリンプはぼぼ同一形状をなし、フィラメント糸同
志が絡み合うことがなく、加えて、断面が加工前の原糸
のまま維持される。
【0024】従って、その断面形状は円形に近く、クリ
ンプ形状も極めて定型的なものとなる。このようにニッ
ト・デ・ニット糸は、各フィラメント糸のクリンプがぼ
ぼ同一形状をなし、フィラメント糸同志が絡み合うこと
がない。また、断面形状が円形でありその側面は曲面で
あるから、ミシン針の先端部から糸が逃げ易くミシン針
の先端部が糸を貫通する現象は極めて少ない。またフィ
ラメント糸同志の滑りが良くなり、糸とミシン針の無理
な接触が回避され糸の損傷は少なくなる。
【0025】因みに、編地にミシン針を貫通させた場
合、地糸がミシン針の外周部に強く接触することになる
(特に編目密度が高い場合にこの傾向が強い)が、地糸
が仮撚加工糸のように、その側面に平坦部を有するもの
だと、地糸とミシン針の外周部とは面接触が多くなり摩
擦熱が発生し易く糸切れが多く起こる(図3参照)。ニ
ット・デ・ニット糸のように側面部が曲面であれば、地
糸と針外周部とは、点接触、或は線接触となり、摩擦熱
の発生は少なくなる(図4参照)。
【0026】以上述べたように、本発明は、仮撚加工糸
の形態に着目し、何故、縫製時の糸切れが生じるかを突
き止めた上で、糸切れの原因となる仮撚加工糸の形態と
は異なった形態を具備するニット・デ・ニット糸を、多
くの加工糸の中から選びベロア調丸編地の地糸に適応し
たのである。
【0027】ここで、本発明にかかるベロア調丸編地に
使用される地糸のニット・デ・ニット糸は、糸切れ数の
観点から破断強度7、0g/デニール以上がより好まし
い。また、地組織の編目密度は20〜50コ−ス/イン
チ、並びに10〜30ウェル/インチであることがより
望ましい。編目密度は20コ−ス/インチ以下だと、組
織が粗くなり外観品位の上で劣り、50コ−ス/インチ
以上だと、糸切れがやや多くなる。
【0028】同様に、編目密度は10コ−ス/インチ以
下だと、組織が粗くなり外観品位の上で劣り、30コ−
ス/インチ以上だと、糸切れがやや多くなる。また、地
糸の繊度は、200〜300デニールがより好ましい。
尚、本発明の地組織に関する上述の各特性は、その地糸
がニット・デ・ニット糸であることを除いて、適宜、選
択的に採用されるものである。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例で更に具体的に説明す
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
最初に、実施例及び比較例で行った縫製性試験方法を示
す。
【0030】縫製性試験方法 (装置)工業用高速度直線本縫ミシン(ブラザーDB2
−B764−3型)
【0031】(各条件) 縫針速度;2500rpm 針;#19,#20,#21,#22,#23,(日本
オルガン針社製DP.17ー#) 縫糸;ポリエステル#8(150デニール×3本相当) 縫目数;20針/10cm 生地重ね;2枚 縫製距離;100cm 縫製方向;横方向
【0032】(縫製の仕方)パイル面を内側にしてベロ
ア調丸編地2枚重にし、上記測定条件にて縫製を行う。 (評価方法)ベロア調丸編地の縫い目に発生した地糸切
れの数を測定することにより級判定を行う。
【0033】ここで級分けは下記の基準とする。 1級;一本の糸内のフィラメントで単糸が殆ど切断され
ている状態 2級;一本の糸内のフィラメントで単糸が約半分切断さ
れている状態 3級;一本の糸内のフィラメントで単糸が殆ど切断され
ない状態 尚、以下、便宜的に、地組織を形成する糸(図1でいう
11の糸)を(イ)の糸とし、パイルを形成する糸(図
1でいう12の糸)を(ロ)の糸と呼ぶ。
【0034】実施例1 福原精機(株)製丸編(タイプ:PL−II16G)を用
い図1の組織図に示す様に(ロ)の糸にポリエステル仮
撚加工糸、300デニール/96フィラメンを用い、
(イ)の糸にポリエステル高強力ニット・デ・ニット
糸、250デニール/48フィラメントで破断強度が8.
0g/デニールの糸を用いて成編した。得られたパイル丸
編地のパイルを、シャーリング機にて切り開いた後、1
50℃でプレセットし、立毛させて、幅190cm、目
付420g/m2 、糸密度42コース/インチ・18ウ
ェール/インチ、全厚み2.0mmのベロア調丸編地を得
た。得られた丸編地で前記の縫製性試験方法にて地糸切
れの数を測定し、又地糸切れ発生状況も確認した。
【0035】実施例2 福原精機(株)製丸編(タイプ:PL−II16G)を用
い図1の組織図に示す様に(ロ)の糸にポリエステル仮
撚加工糸、300デニール/96フィラメンを用い、
(イ)の糸にポリエステル高強力ニット・デ・ニット
糸、200デニール/48フィラメントで破断強度が7.
5g/デニールの糸を用いて成編した。得られたパイル丸
編地のパイルを、シャーリング機にて切り開いた後、1
50℃でプレセットし、立毛させて、幅190cm、目
付520g/m2 、糸密度45コース/インチ・18ウ
ェール/インチ、全厚み2.5mmのベロア調丸編地を得
た。得られた丸編地で前記の縫製性試験方法にて地糸切
れの数を測定し、又地糸切れ発生状況も確認した。
【0036】実施例3 福原精機(株)製丸編(タイプ:PL−II16G)を用
い図1の組織図に示す様に(ロ)の糸にポリエステル仮
撚加工糸、300デニール/96フィラメンを用い、
(イ)の糸にナイロン66ポリアミドニット・デ・ニッ
ト糸、210デニール/34フィラメントで破断強度が
7.5g/デニールの糸を用いて成編した。得られたパイル
丸編地のパイルを、シャーリング機にて切り開いた後、
130℃でプレセットし、立毛させて、幅190cm、
目付430g/m2 、糸密度42コース/インチ・18
ウェール/インチ、全厚み2.0mmのベロア調丸編地を得
た。得られた丸編地で前記の縫製性試験方法にて地糸切
れの数を測定し、又地糸切れ発生状況も確認した。
【0037】実施例4 福原精機(株)製丸編(タイプ:PL−II20G)を用
い図1の組織図に示す様に(ロ)の糸にポリエステル仮
撚加工糸、300デニール/96フィラメンを用い、
(イ)の糸にポリエステル高強力ニット・デ・ニット
糸、250デニール/48フィラメントで破断強度が8.
0g/デニールの糸を用いて成編した。得られたパイル丸
編地のパイルをシャーリング機にて切り開いた後、15
0℃でプレセットし、立毛させて、幅190cm、目付
480g/m2 、糸密度40コース/インチ・24ウェ
ール/インチ、全厚み2.0mmのベロア調丸編地を得た。
得られた丸編地で前記の縫製性試験方法にて地糸切れの
数を測定し、又地糸切れ発生状況も確認した。
【0038】実施例5 福原精機(株)製丸編(タイプ:PL−II20G)を用
い図1の組織図に示す様に(ロ)の糸にポリエステル仮
撚加工糸、300デニール/96フィラメンを用い、
(イ)の糸にポリエステル高強力ニット・デ・ニット
糸、200デニール/48フィラメントで破断強度が7.
5g/デニールの糸を用いて成編した。得られたパイル丸
編地のパイルを、シャーリング機にて切り開いた後、1
50℃でプレセットし、立毛させて、幅190cm、目
付590g/m2 、糸密度42コース/インチ・24ウ
ェール/インチ、全厚み2.5mmのベロア調丸編地を得
た。得られた丸編地で前記の縫製性試験方法にて地糸切
れの数を測定し、又地糸切れ発生状況も確認した。
【0039】実施例6 福原精機(株)製丸編(タイプ:PL−II16G)を用
い図1の組織図に示す様に(ロ)の糸にポリエステル仮
撚加工糸、300デニール/96フィラメンを用い、
(イ)の糸にポリエステル高強力ニット・デ・ニット
糸、250デニール/48フィラメントで破断強度が4.
0g/デニールの糸を用いて成編した。得られたパイル丸
編地を、シャーリング機でシンカーパイルの先端のルー
プを切断し、150℃でプレセットした後、幅190c
m、目付420g/m2 、糸密度が42コース/インチ
・18ウェール/インチ、全厚み2.0mmの丸編地を得
た。得られた丸編地で前記の縫製条件に基づいて地糸切
れの数を測定し、又地糸切れ発生状況も確認した。
【0040】実施例7 福原精機(株)製丸編(タイプ:PL−II20G)を用
い図1の組織図に示す様に(ロ)の糸にポリエステル仮
撚加工糸、300デニール/96フィラメンを用い、
(イ)の糸にポリエステルニット・デ・ニット糸、25
0デニール/48フィラメントで破断強度が6.0g/デニ
ールの糸を用いて成編した。得られたパイル丸編地のパ
イルを、シャーリング機にて切り開いた後、150℃で
プレセットし、立毛させて、幅190cm、目付480
g/m2 、糸密度40コース/インチ・24ウェール/
インチ、全厚み2.0mmのベロア調丸編地を得た。得られ
た丸編地で前記の縫製性試験方法にて地糸切れの数を測
定し、又地糸切れ発生状況も確認した。
【0041】比較例1 実施例と同組織、同条件で(ロ)の糸にポリエステル仮
撚加工糸、300デニール/96フィラメンを用い、
(イ)の糸にポリエステル仮撚加工糸250デニール/
48フィラメントで破断強度が4.0g/デニールの糸を用
いて成編した。得られた丸編地を、シャーリング機でシ
ンカーパイルの先端のループを切断し、150℃でプレ
セットした後、幅190cm、目付540g/m2 、糸
密度52コース/インチ・19ウェール/インチ、全厚
み2.0mmのベロア調丸編地を得た。得られた丸編地で前
記の縫製性試験方法にて地糸切れの数を測定し、又地糸
切れ発生状況も確認した。
【0042】比較例2 実施例と同組織、同条件で(ロ)の糸にポリエステル仮
撚加工糸、300デニール/96フィラメンを用い、
(イ)の糸にポリエステル仮撚加工糸、200デニール
/48フィラメントで破断強度が4.5g/デニールの糸を
用いて成編した。得られた丸編地をシャーリング機でシ
ンカーパイルの先端のループを切断し、150℃でプレ
セットした後、幅190cm、目付670g/m2 、糸
密度55コース/インチ・19ウェール/インチ、全厚
み2.5mmの丸編地を得た。得られた丸編地で前記の縫製
性試験方法にて地糸切れの数を測定し、又地糸切れ発生
状況も確認した。
【0043】比較例3 実施例と同組織、同条件で(ロ)の糸にポリエステル仮
撚加工糸、300デニール/96フィラメンを用い、
(イ)の糸にポリエステル仮撚加工糸、250デニール
/48フィラメントで破断強度が4.0g/デニールの糸を
用いて成編した。得られた丸編地をシャーリング機でシ
ンカーパイルの先端のループを切断し、150℃でプレ
セットした後、幅190cm、目付420g/m2 、糸
密度42コース/インチ・18ウェール/インチ、全厚
み2.0mmの丸編地を得た。得られた丸編地で前記の縫製
性試験方法にて地糸切れの数を測定し、又地糸切れ発生
状況も確認した。
【0044】比較例4 実施例と同組織、同条件で(ロ)の糸にポリエステル仮
撚加工糸、300デニール/96フィラメンを用い、
(イ)の糸にポリエステル仮撚加工糸、200デニール
/48フィラメントで破断強度が4.5g/デニールの糸を
用いて成編した。得られた丸編地をシャーリング機でシ
ンカーパイルの先端のループを切断し、150℃でプレ
セットした後、幅190cm、目付520g/m2 、糸
密度45コース/インチ・18ウェール/インチ、全厚
み2.5mmの丸編地を得た。得られた丸編地で前記の縫製
性試験方法にて地糸切れの数を測定し、又地糸切れ発生
状況も確認した。
【0045】比較例5 実施例と同組織、同条件で(ロ)の糸にポリエステル仮
撚加工糸、300デニール/96フィラメンを用い、
(イ)の糸にポリエステルニット・デ・ニット糸250
デニール/48フィラメントで破断強度が8.0g/デニー
ルの糸を用いて成編した。得られた丸編地をシャーリン
グ機でシンカーパイルの先端のループを切断し、150
℃でプレセットした後、幅190cm、目付550g/
m2 、糸密度52コース/インチ・19ウェール/イン
チ、全厚み2.0mmの丸編地を得た。得られた丸編地で前
記の縫製性試験方法にて地糸切れの数を測定し、又地糸
切れ発生状況も確認した。
【0046】比較例6 実施例と同組織、同条件で(ロ)の糸にポリエステル仮
撚加工糸、300デニール/96フィラメンを用い、
(イ)の糸にポリエステル高強力ニット・デ・ニット糸
200デニール/48フィラメントで破断強度が7.5g/
デニールの糸を用いて成編した。得られた丸編地をシャ
ーリング機でシンカーパイルの先端のループを切断し、
150℃でプレセットした後、幅190cm、目付67
0g/m2 、糸密度55コース/インチ・19ウェール
/インチ、全厚み2.5mmの丸編地を得た。得られた丸編
地で前記の縫製性試験方法にて地糸切れの数を測定し、
又地糸切れ発生状況も確認した。
【0047】比較例7 実施例と同組織、同条件で(ロ)の糸にポリエステル仮
撚加工糸、300デニール/96フィラメンを用い、
(イ)の糸にポリエステル仮撚強力糸200デニール/
48フィラメントで破断強度が7.5g/デニールの糸を用
いて成編した。得られたパイル丸編地のパイルをリング
機にて切り開いた後、150℃でプレセットし立毛させ
て幅190cm、目付520g/m2 、糸密度45コー
ス/インチ・18ウェール/インチ、全厚み2.5mmのベ
ロア調丸編地を得た。得られた丸編地で前記の縫製性試
験方法にて地糸切れの数を測定し、又地糸切れ発生状況
も確認した。
【0048】以上の実施例1〜7、及び比較例1〜7の
評価結果を次の表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】また、次の表2は、実施例及び比較例で使
用した地糸の内容を参考までに一覧で示したものであ
る。
【0051】
【表2】
【0052】各実施例及び各比較例の組み合わせをとっ
て比較することにより、地糸切れにおけるニット・デ・
ニット糸の優位性、及びニット・デ・ニット糸における
強度及び密度の影響が理解できよう。
【0053】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるようなメリットがある。
地糸をニット・デ・ニット糸とすることで、地糸切れが
解消され、裏貼りや、樹脂塗布の必要性が無くなり、充
分な伸縮性や良い風合いが保たれ、しかも高い経済効果
が確保できた。縫製の際のミシン針を細くする必要性が
なくなり、その結果、ミシン針の損耗が少なく、更に針
交換のための無駄な時間が省かれ高い生産性を得ること
ができた。
【0054】編地密度を低く抑えて地糸切れを防ぐ必要
がなくなり、パイル密度の高い高品質のベロア調丸編地
を得ることができた。縫製時に発見されない地糸切れ欠
点が無くなり、製品化後のクレ−ム発生が解消され、製
品の耐久性が格段に向上して、製品に対する信頼性が増
した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、平編を地組織とするパイル丸編地を示
した組織図である。
【図2】図2は、仮撚加工糸の概略断面である。
【図3】図3は、縫製の際の仮撚加工糸とミシン針の概
略接触図である。
【図4】図4は、縫製の際のニット・デ・ニット糸とミ
シン針の概略接触図である。
【符号の説明】
11…平編 12…パイル 21…フィラメント糸 31…ミシン針

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地組織が平編みであるパイル丸編地のパ
    イルを切り開き立毛させて得られるベロア調丸編地にお
    いて、地組織を形成する地糸がニット・デ・ニット糸で
    あることを特徴とするベロア調丸編地。
  2. 【請求項2】 地糸の破断強度が7.0g/デニ−ル以
    上であることを特徴とする請求項1記載のベロア調丸編
    地。
  3. 【請求項3】 地組織の編目密度が20〜50コ−ス/
    インチ、10〜30ウェル/インチであることを特徴と
    する請求項1記載のベロア調丸編地。
  4. 【請求項4】 地糸の破断強度が7.0g/デニ−ル以
    上、且つ地組織の編目密度が20〜50コ−ス/イン
    チ、10〜30ウェル/インチであることを特徴とする
    請求項1記載のベロア調丸編地。
JP9781195A 1995-03-29 1995-03-29 ベロア調丸編地 Pending JPH08269848A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009007711A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Fujii Kk 経編ベロア調パイル布帛

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