JPH0826938B2 - 車両用静油圧式無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用静油圧式無段変速機の変速制御装置

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JPH0826938B2
JPH0826938B2 JP61097731A JP9773186A JPH0826938B2 JP H0826938 B2 JPH0826938 B2 JP H0826938B2 JP 61097731 A JP61097731 A JP 61097731A JP 9773186 A JP9773186 A JP 9773186A JP H0826938 B2 JPH0826938 B2 JP H0826938B2
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shift
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昭男 小林
誠 菊井
卓 川内
勉 林
充 齋藤
圭宏 吉田
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1)産業上の利用分野 本発明は、斜板式油圧ポンプと斜板式油圧モータとの
間に油圧閉回路が形成され、油圧ポンプの斜板および油
圧モータの斜板の少なくとも一方には、それを傾動し得
る変速駆動装置が連結される、車両用静油圧式無段変速
機の変速制御装置に関する。
(2)従来の技術 従来、かかる変速制御装置はたとえば特公昭60−5947
2号公報によって公知である。
(3)発明が解決しようとする問題点 ところで、上記従来の技術では、油圧モータのモータ
斜板をサーボモータで傾動するようにし、エンジンの絞
り弁開度に比例した制御力と、エンジンの回転数に比例
した制御力とで作動せしめるようにしている。すなわち
変速比が絞り弁開度とエンジン回転数とで一義的に定ま
ってしまう。しかるに、変速比を自動的に制御するにし
ても、運転者によって望ましい変速比が異なることがあ
り、従来のものではそのような要望に対処できない。更
に従来では、自動変速と手動変装とを随時に切換えるこ
とも困難であった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
変速比の制御の自由度を大きくすると共に、自動変速と
手動変速とを随時容易に切換え可能にした、車両用静油
圧式無段変速機の変速制御装置を提供することを目的と
する。
B.発明の構成 (1)課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明によれば、変速駆動
装置に接続した電子制御装置が、車両の走行状態を検出
する検出部と、設定変速比を入力するための設定器と、
前記検出部の検出信号及び変速マップに基づいて目標エ
ンジン回転数と実際のエンジン回転数との回転数偏差を
演算する回転数偏差演算手段と、前記検出部の検出信号
および設定器の出力信号に基づいて設定変速比と実際の
変速比との変速比偏差を演算する変速比偏差演算手段
と、前記両偏差演算手段に切換器を介して選択的に接続
され、それら偏差演算手段が演算した偏差と比較設定値
との比較に基づいて増速、減速および定速のいずれか1
つの制御信号を出力する制御信号発生回路と、この制御
信号発生回路の出力に応じて変速駆動装置に作動信号を
出力する駆動制御部とを有し、前記制御信号発生回路
が、前記回転数偏差演算手段との接続時にはその接続時
に固有の一定値を前記比較設定値として用い、また前記
変速比偏差演算手段との接続時にはその接続時に固有の
一定値を前記比較設定値として用いるように構成され
る。
(2)作用 制御信号発生回路は、これが切換器を介して回転数偏
差演算手段に接続された状態では、該手段で演算された
回転数偏差と比較設定値(即ち第1設定値)との比較に
基づいて、増速、減速および定速のいずれか1つの制御
信号を駆動制御部に出力し、この出力に応じて駆動制御
部が変速駆動装置に作動信号をすることにより、変速駆
動装置は走行状態に応じて増速、減速および定速のいず
れか1つに選択的に変速制御され、かくして自動変速が
なされる。この場合、回転数偏差演算手段での制御マッ
プの設定を変えれば自動変速の変速制御条件を容易に変
化する。
また制御信号発生回路は、これが切換器を介して変速
比偏差演算手段に接続された状態では、該手段で演算さ
れた変速比偏差と比較設定値(即ち第2設定値)との比
較に基づいて、増速、減速および定速のいずれか1つの
制御信号を駆動制御部に出力し、この出力に応じて駆動
制御部が変速駆動装置に作動信号をすることにより、変
速駆動装置は増速、減速および定速のいずれか1つに選
択的に変速制御され、かくして運転者が変速比を任意に
設定する手動変速がなされる。
(3)実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明す
る。先ず第1図および第2図において、自動二輪車のエ
ンジンEの動力は、そのクランク軸1からチエン式1次
減速装置2、静油圧式無段変速機Tおよびチエン式2次
減速装置3を順次経て図示しない後車輪に伝達される。
無段変速機Tは定容量型の斜板式油圧ポンプPおよび
可変容量型の斜板式油圧モータMからなり、そしてクラ
ンク軸1を支承するクランクケース4をケーシングとし
て、それに収容される。
油圧ポンプPは、1次減速装置2の出力スプロケット
2aを一体に備えたカップ状の入力部材5と、この入力部
材5の内周壁にニードルベアリング6を介して相対回転
自在に嵌合されるポンプシリンダ7と、このポンプシリ
ンダ7にその回転中心を囲むように設けられた環状配列
の複数且つ奇数のシリンダ孔8,8…にそれぞれ摺合され
るポンププランジャ9,9…と、これらポンププランジャ
9,9…の外端に当接するポンプ斜板10とから構成され
る。
ポンプ斜板10は、ポンプシリンダ7の軸線と直交する
仮想トラニオン軸線O1を中心にしてポンプシリンダ7の
軸線に対し一定角度傾斜した姿勢で入力部材5の内端壁
にスラストローラベアリング11を介して回転自在に背面
を支承され、入力部材5の回転時、ポンププランジャ9,
9…に往復動を与えて吸入および吐出行程を繰返させる
ことができる。
尚、ポンププランジャ9のポンプ斜板10に対する追従
性を良くするために、ポンププランジャ9を伸長方向に
付勢するばねをシリンダ孔8に縮設してもよい。
入力部材5は、その背面をスラストローラベアリング
12を介して支持筒13に支承される。
一方、油圧モータMは、ポンプシリンダ7と同軸上で
その左方に配置されるモータシリンダ17と、このモータ
シリンダ17にその回転中心を囲むように設けられた環状
配列の複数且つ奇数のシリンダ孔18,18…にそれぞれ摺
合されるモータプランジャ19,19…と、これらモータプ
ランジャ19,19…の外端に当接するモータ斜板20と、こ
のモータ斜板20の背面をスラストローラベアリング21を
介して支承する斜板ホルダ22と、更にこの斜板ホルダ22
を支持するカップ状の斜板アンカ23とから構成される。
モータ斜板20は、モータシリンダ17の軸線に対し直角
となる直立位置と、或る角度で傾斜する傾斜位置の間を
傾動し得るようになっており、その傾斜位置では、モー
タシリンダ17の回転に伴いモータプランジャ19,19…に
往復動を与えて膨脹および収縮行程を繰返させることが
できる。
尚、モータプランジャ19のモータ斜板20に対する追従
性を良くするために、モータプランジャ19を伸長方向に
付勢するばねをシリンダ孔18に縮設してもよい。
ポンプシリンダ7およびモータシリンダ17は一体のシ
リンダブロックBを構成し、このシリンダブロックBの
中心部に出力軸25を貫通させる。そして、この出力軸25
の外周に一体に形成されたフランジ25aにモータシリン
ダ17の外端を衝き当て、ポンプシリンダ7を出力軸25に
スプライン嵌合し、ポンプシリンダ7の外端に当接する
サークリップ26を出力軸25に係止することにより、シリ
ンダブロックBは出力軸25に固着される。
出力軸25は入力部材5をも貫通すると共に該部材5を
ニードルベアリング27を介して回転自在に支承する。
出力軸25の右端部外周には前記支持筒13がキー28を介
して嵌装され、そしてナット30で固着される。上記支持
筒13およびローラベアリング31を介して出力軸の右端部
はクランクケース4に回転自在に支承される。
また、出力軸25は、モータ斜板20、斜板ホルダ22およ
び斜板アンカ23の中心部を貫通し、その左端部には、斜
板アンカ23の背面をスラストローラベアリング32を介し
て支承する支持筒33がスプライン嵌合され、そして2次
減速装置3の入力スプロケット3aと共にナット34で固着
され、上記支持筒33およびローラベアリング35を介して
出力軸25の左端部はクランクケース4に回転自在に支承
される。
出力軸25には、ポンプ斜板10の内周面と相対的に全方
向傾動可能に係合する半球状の調心体36が摺動自在にス
プライン嵌合される。この調心体36は、複数枚の皿ばね
38の力でポンプ斜板10をスラストローラベアリング11に
対して押圧し、これによりポンプ斜板10に調心作用を常
に与えている。
また出力軸25には、モータ斜板20の内周面と相対的に
全方向傾動可能に係合する半球状の調心体37が摺動自在
にスプライン嵌合される。この調心体37は、複数枚の皿
ばね39の力でモータ斜板20をスラストローラベアリング
21に対して押圧し、これによりモータ斜板20に調心作用
を常に与えている。
各斜板10,20の調心作用を強化し、しかもポンプ斜板1
0とポンププランジャ9,9…群、モータ斜板20とモータプ
ランジャ19,19…群の各間の回転方向の滑りを防止する
ために、各斜板10,20には、対応するプランジャ9,19の
球状端部9a,19aを係合させる球状凹部10a,20aがそれぞ
れ形成される。その際、球状凹部10a,20aは、斜板10,20
の如何なる回転位置においても、球状端部9a,19aとの適
正な係合状態が確保されるように、曲率半径が球状端部
9a,19aのそれより大きく設定される。
油圧ポンプPおよび油圧モータM間には、次のように
して油圧閉回路が形成される。
シリンダブロックBには、ポンプシリンダ7のシリン
ダ孔8,8…群とモータシリンダ17のシリンダ孔18,18…群
との間において、出力軸25を中心にして同心的に並ぶ環
状の内側油路40および外側油路41と、両油路40,41間の
環状隔壁および外側油路41の外周壁を放射状に貫通す
る、シリンダ孔8,8…および18,18…とそれぞれ同数の第
1弁孔42,42…および第2弁孔43,43…と、相隣るシリン
ダ孔8,8…および第1弁孔42,42…を相互に連通する多数
のポンプポートa,a…と、相隣るシリンダ孔18,18…およ
び第2弁孔43,43…を相互に連通する多数のモータポー
トb,b…とが設けられる。その際、前記内側油路40は、
シリンダブロックBと出力軸25との対向周面間に形成さ
れ、また前記外側油路41は、シリンダブロックBと、そ
の外周に嵌合して溶接されるスリーブ44との対向周面間
に形成される。
前記第1弁孔42,42…には第1分配弁45,45…が、また
前記第2弁孔43,43…には第2分配弁46,46…がそれぞれ
摺合される。
前記各第1分配弁45は第5図に示すようなスプール型
に形成されていて、第1弁孔42の半径方向外方位置を占
めると、対応するポンプポートaを外側油路41に連通す
ると共に内側油路40と不通にして、対応するシリンダ孔
8を外側油路41のみに連通し、また第1弁孔42の半径方
向内方位置を占めると、対応するポンプポートaを内側
油路40に連通すると共に外側油路41と不通にして、対応
するシリンダ孔8を内側油路40のみに連通する。
このような動作を各第1分配弁45に与えるために、第
1偏心輪47が第1分配弁45,45…群を囲んでそれらの外
端に係合され、またその偏心輪47と同心関係の追従輪4
7′が第1分配弁45,45…群の内側に配設されてそれらの
内端の係合溝45a,45a…に係合される(第3図参照)。
上記追従輪47′は鋼線から成形されていて、第1分配弁
45,45…を第1偏心輪47との係合方向に弾発すべく配設
される。尚、この追従輪47′には、その直径の製作誤差
を吸収するために、1つの切り口を設けてもよい。
第1偏心輪47は、ボールベアリング48を介して入力部
材5に回転自在に支持され、そして第3図に示すよう
に、前記ポンプ斜板10の仮想トラニオン軸線O1に沿って
出力軸25の中心から一定距離εだけ偏心した位置に配
置される。したがって、入力部材5とポンプシリンダ7
間に相対回転が生じると、各第1分配弁45は、その弁孔
42内で第1偏心輪47の偏心量εの2倍の距離をストロ
ークとして前記外方位置および内方位置間を往復動す
る。
前記各第2分配弁46は、スプール型に形成されてい
て、第2弁孔43の半径方向外方位置を占めると、対応す
るモータポートbを外側油路41に連通すると共に内側油
路40と不通にして、対応するシリンダ孔18を外側油路41
のみに連通し、また第2弁孔43の半径方向内方位置を占
めると、対応するモータポートbを内側油路40に連通す
ると共に外側油路41と不通にして、対応するシリンダ孔
18を内側油路40のみに連通し、さらに上記両位置間の中
央位置を占めると、対応するモータポート6を内側およ
び外側油路40,41のいずれとも不通にする。
前記第2分配弁46は、第4図および第6図に示すよう
に、外周面の一側を切欠いた切欠46bと、この切欠46b内
を常時モータポートbに連通する横孔46cとを有し、該
弁46によるモータポートbと内,外側油路40,41との連
通および遮断は、上記切欠46bが内側油路40または外側
油路41に臨むか、両油路40,41間の隔壁内に隠れるかに
よって決定される。
このような動作を各第2分配弁46に与えるために、第
2偏心輪49が第2分配弁46,46…群を囲んでそれらの外
端に係合され、またその偏心輪49と同心関係の追従輪4
9′が第2分配弁46,46…群の内側に配設されてそれらの
内端の係合溝46a,46a…に係合され、この係合によって
各第2分配弁46の回転が阻止される(第4図参照)。上
記追従輪49′は鋼線から成形されていて、第2分配弁4
6,46…を第2偏心輪49との係合方向に弾発すべく配設さ
れる。尚、この追従輪49′にも、前記追従輪47′と同様
に1つの切り口を設けてもよい。
第2偏心輪49は、第4図に示すように、モータ斜板20
の傾動軸線即ちトラニオン軸線O2に沿って出力軸25の中
心から一定距離εだけ偏心した偏心位置lと、出力軸
25と同心になる同心位置mとに制御される。
而して、第2偏心輪49が第1偏心位置lを占めると
き、モータシリンダ17が回転すると、各第2分配弁46
は、その弁孔43内で第2偏心輪49の偏心量εの2倍の
距離をストロークとして前記外方位置および内方位置間
を往復動し、また同心位置mを占めるときは、モータシ
リンダ17の回転によるも全第2分配弁49,49…は前記中
央位置に留められる。
第2図に示すように、前記斜板ホルダ22の両端には、
モータ斜板20のトラニオン軸線O2上に並ぶ上下一対のト
ラニオン軸80,80′が一体に突設され、これらトラニオ
ン軸80,80′は、ニードルベアリング77およびローラベ
アリング77′をそれぞれ介して前記斜板アンカ23に回転
自在に支承される。換言すれば、これらトラニオン軸8
0,80′によって前記トラニオン軸線O2が規定される。
前記斜板アンカ23は、モータシリンダ17の外周にニー
ドルベアリング78を介して支承され、そして出力軸25周
りに回動しないように、一本または一対の位置決めピン
79を介してクランクケース4に連結される。
上記構成において、第2偏心輪49が偏心位置lを占め
るとき、1次減速装置2から油圧ポンプPの入力部材5
が回転されると、ポンプ斜板10によりポンププランジャ
9,9…に吸入および吐出行程が交互に与えられ、そして
吸入行程に入るポンププランジャ9に隣接する第1分配
弁45は第1偏心輪47および追従輪47′の協働により内方
位置へ作動され、吐出行程に入るポンププランジャ9に
隣接する第1分配弁45は第1偏心輪47および追従輪47′
の協働により外方位置へ作動される。したがって、各ポ
ンププランジャ9は、吸入行程において内側油路40から
シリンダ孔8に作動油を吸入し、吐出行程においてシリ
ンダ孔8から外側油路41に作動油を圧送する。
外側油路41に送られた高圧の作動油は、膨脹行程のモ
ータプランジャ19を収容するシリンダ孔18に、第2偏心
輪49および追従輪49′により外方位置に制御される第2
分配弁46を介して給送される一方、収縮行程のモータプ
ランジャ19を収容するシリンダ孔19内の作動油は、第2
偏心輪49および追従輪49′により内方位置に制御される
第2分配弁46を介して内側油路40へ排出される。
この間に、ポンプシリンダ7が吐出行程のポンププラ
ンジャ9を介してポンプ斜板10から受ける反動トルク
と、モータシリンダ17が膨脹行程のモータプランジャ19
を介してモータ斜板20とから受ける反動トルクとの和に
よって、シリンダブロックBは回転され、その回転トル
クは出力軸25から2次減速装置3へ伝達される。
この場合、入力部材5に対する出力軸25の変速比は次
式によって与えられる。
したがって、油圧モータMの容量を零から或る値に変
えれば、変速比を1から或る必要な値まで変えることが
できる。
ところで、油圧モータMの容量はモータプランジャ19
のストロークにより決定されるので、モータ斜板20の直
立位置から或る傾斜位置まで傾動させることにより変速
比を1から或る値まで無段階に制御することができる。
油圧ポンプPおよび油圧モータMのこのような作動
中、ポンプ斜板10はポンププランジャ9,9…群から、ま
たモータ斜板20はモータプランジャ19,19…群からそれ
ぞれ反対方向のスラスト荷重を受けるが、ポンプ斜板10
が受けるスラスト荷重はスラストローラベアリング11、
入力部材5、スラストローラベアリング12、支持筒13お
よびナット30を介して出力軸25に支承され、またモータ
斜板20が受けるスラスト荷重はスラストローラベアリン
グ21、斜板ホルダ22、斜板アンカ23、スラストローラベ
アリング32、支持筒33、スプロケット3aおよびナット34
を介して同じく出力軸25に支承される。したがって、上
記スラスト荷重は、出力軸25に引張応力を生じさせるだ
けで、該軸25を支持するクランクケース4には全く作用
しない。
第2図、第8図および第9図において、前記トラニオ
ン軸80には、これを介してモータ斜板20の角度を制御す
る変速駆動装置Cが連結される。この変速駆動装置C
は、トラニオン軸80に回転可能に支承されるセクタギヤ
81と、このセクタギヤ81をトラニオン軸80に弾力的に連
結するダンパ82と、クランクケース4にボルト150で固
着されたブラケット板83にベアリング84,84′を介して
支承されてセクタギヤ81と噛合するウオームギヤ85と、
このウオームギヤ85に駆動軸86aを連結する正・逆転可
能の直流電動モータ86と、この電動モータ86を補助する
変速補助装置CSとから構成され、この電動モータ86のス
テータ86bはクランクケース4の適所に固定される。
以上において、セクタギヤ81およびウオームギヤ85
は、駆動軸86aの回転を減速してトラニオン軸80へ伝達
し得るが、トラニオン軸80から逆負荷を受けるとロク状
態となる減速装置Rを構成する。
前記ダンパ82は、トラニオン軸80を中心とする扇形の
緩衝室87を有してトラニオン軸80にボルト88で固着され
るダンパ本体89と、上記緩衝室87に装填された一対のゴ
ム製緩衝部材90,90′とを備え、この両緩衝部材90,90′
間には、前記セクタギヤ81の一側面に突設した伝動片91
が挿入される。
而して、電動モータ86を正転または逆転させれば、そ
の回転はウオームギヤ85からセクタギヤ81へ減速されて
伝達し、さらに伝動片91、緩衝部材90または90′、およ
びダンパ本体89を介してトラニオン軸80へ伝達して、こ
れをモータ斜板20の起立方向または傾倒方向へ回転させ
ることができる。その際、電動モータ86ないしモータ斜
板20に働く過大トルクは緩衝部材90,90′の弾性変形に
より緩和される。
電動モータ86によるモータ斜板20の起立位置および傾
倒位置を規制するために、セクタギヤ81にはそれと同心
の円弧状の規制溝92が穿設されると共に、この規制溝92
に摺動自在に係合する規制カラー93が前記ブラケット83
にボルト94で固着される。
前記変速補助装置CSは、第10図および第11図に示すよ
うに、クランクケース4の適所に固着されたシリンダ10
0と、このシリンダ100に摺合されたピストン101とを備
える。シリンダ100の側壁には窓102が、またピストン10
1の中央部にはそれを横方向に貫通して上記窓102に臨む
連結孔103が穿設されており、トラニオン軸80に固着さ
れた作動レバー104が窓102を通して連結孔103に係合さ
れ、トラニオン軸80の回転に応じてピストン101を摺動
させるようになっている。
而して、第10図でピストン101の上動限と下動限によ
りモータ斜板20の最大傾斜位置と直立位置が決定される
もので、このピストン101とシリンダ100の下端壁との間
に第1油室1051が、またピストン101とシリンダ100の上
端壁との間に第2油室1052がそれぞれ画成され、第1油
室1051にはピストン101を第2油室1052側へ付勢する戻
しばね106が縮設される。
第1および第2油室1051,1052は、途中に制御弁107
を介装した油圧導管108を介して相互に連通され、これ
らの内部には作動油が充填される。
上記制御弁107は、車両の操縦装置の適所に設置され
て油圧導管108の途中に介入する弁函109と、この弁函10
9内の油路110に直列に介装される第1および第2逆止弁
1111,1112とから構成される。これら第1および第2逆
止弁1111,1112は、順方向が相互に逆になるように配置
されると共に、それぞれ弁ばね1121,1122により常に閉
弁方向へ付勢されている。
第1および第2逆止弁1111,1112には、これらを適時
強制的に開弁し得るように第1および第2電磁作動器
S1,S2の作動杆1131,1132がそれぞれ連接される。第1
および第2電磁作動器S1,S2は、上記作動杆1131,1132
を先端に一体に備えた可動鉄心1141,1142と、これら可
動鉄心1141,1142を囲繞するソレノイド1151,1152と、
これらソレノイド1151,1152を保持して弁函109にボル
ト116およびナット117で固着される作動器本体1181,11
82と、可動鉄心1141,1142を上方の不作動位置に向かっ
て付勢する戻しばね1191,1192と、弁函109にボルト120
で固着されて可動鉄心1141,1142の不作動位置を規制す
る共通のストッパ板121とから構成される。
上記第1および第2電磁作動器S1,S2において、ソレ
ノイド1151,1152の消磁時には、可動鉄心1141,114
2は、戻しばね1191,1192の力により不作動位置に保持
され、作動杆1131,1132を第1および第2逆止弁1111
1112から離間させ、これにより第1および第2逆止弁11
11,1112は閉弁状態を保つことができる。ソレノイド11
51,1152を励磁すれば、その磁力の作用により可動鉄心
1141,1142が戻しばね1191,1192の力に抗して下動する
ので、作動杆1131,1132により第1,第2逆止弁1111,11
12を強制的に開弁することができる。而して、第1電磁
作動器S1のソレノイド1151は電動モータ86の正転時に励
磁され、第2電磁作動器S2のソレノイド1152は電動モー
タ86の逆転時に励磁されるようになっている。
ところで、モータプランジャ19,19…の本数が奇数と
してあるために、モータシリンダ17の回転中、モータプ
ランジャ19,19…群がモータ斜板20に及ぼすスラスト荷
重は、モータ斜板20のトラニオン軸線O2を境としてその
一側と他側とで強弱が交互に変わり、モータ斜板20には
振動的な傾動トルクが作用する。そして、この振動的な
傾動トルクは、作動レバー104を介して第10図において
ピストン101に上下方向交互に押圧力として作用する。
そこで、電動モータ86の休止時に両電磁作動器S1,S2
のソレノイド1151,1152を消磁しておけば、閉弁状態と
される両逆止弁1111,1112が協働して弁函109内で油の
流通を完全に阻止するので、ピストン101は油圧的にロ
ックされ、そのときの位置で作動レバー104を保持し、
モータ斜板20を直立位置または傾斜位置にホールドする
ことができる。その結果、モータ斜板20から前記減速装
置Rおよび電動モータ86への逆負荷の伝達を阻止するこ
とができる。
また、電動モータ86の正転時に第1電磁作動器S1のソ
レノイド1151のみを励磁すれば、第1逆止弁1111が開弁
状態とされるので、第2逆止弁1112によって第1油室10
51から第2油室1052への油の流れは許容されるが、それ
と逆方向の流れは阻止される。その結果、ピストン101
の下動(第10図)、したがってモータ斜板20の起立動作
のみが許容されるから、モータ斜板20の振動的傾動モー
メントのうち、モータ斜板20の起立方向に働くモーメン
トのみが電動モータ86の正転トルクに助勢することにな
り、電動モータ86の正転によりモータ斜板20を軽快に起
立させることができる。
これと反対に、電動モータ86の逆転時に第2電磁作動
器S2のソレノイド1152のみを励磁すれば第2逆止弁1112
が開弁状態とされるので、第1逆止弁1111によって第2
油室1052から第1油室1051への油の流れは許容される
が、それと逆方向の流れは阻止される。その結果、ピス
トン101の上動(第10図)、したがってモータ斜板20の
傾動動作のみが許容されるから、モータ斜板20の振動的
傾動モーメントのうち、モータ斜板20の傾倒方向に働く
モーメントのみが電動モータ86の逆転トルクに助勢する
ことになり、電動モータ86の逆転によりモータ斜板20を
軽快に傾倒させることができる。
第11図において、シリンダ100の上部には、リザーブ
タンク130が装備され、このリザーブタンク130をシリン
ダ100内に連通するリリーフポート131およびサプライポ
ート132がシリンダ100の上壁に穿設される。
ピストン101の両端部外周には、シリンダ100の内周面
に密接する一方向シール機能を有する第1および第2カ
ップシール133,134が装着され、またシリンダ100の内周
には、前記窓102の左右両側においてピストン101の中間
部外周面に密接するOリング135,136が装着される。
而して、リリーフポート131は、ピストン101が第11図
で左動限(第10図では上動限)に位置するとき、第1カ
ップシール133の直前で第1油室1051に開口し、サプラ
イポート132は常に第2カップシール134とOリング136
との間でシリンダ100の内面に開口するようになってい
る。
したがって、ピストン101が上記左動限に位置すると
き、油温の上昇等により第1油室1051に圧力上昇が生じ
ると、その圧力はリリーフポート131からリザーブタン
ク130へ放出される。またピストン101の右動時には、第
1カップシール133がリリーフポート131の開口部を通過
したときから第1油室1051がピストン101により加圧さ
れ、第1油室1051から第2油室1052への油の流れを可能
にする。その際、第2油室1052が所定圧力以下に減圧す
れば、リザーブタンク130内と第2油室1052間の圧力差
により、リザーブタンク130内の油が、サプライポート1
32からシリンダ100およびピストン101の摺動間隙を通
り、第2カップシール134を第2油室1052側へ撓ませつ
つ該室1052へ補給される。
第2図および第4図において、前記第2偏心輪49はベ
アリング50を介して作動環140に回転自在に支承され
る。この作動環140は前記トラニオン軸線のO2方向の両
側部に一対の耳部141,141′を有し、一方の耳部141には
トラニオン軸線O2の方向へ延びるU字状の案内溝142が
形成され、この案内溝142に摺動自在に挿入される案内
ピン143がクランクケース4に固設される。また他方の
耳部141′の先端には案内軸144が連設され、この案内軸
144をトラニオン軸線O2に沿って摺動させる案内孔145が
クランクケース5に穿設される。こうして、作動環140
はトラニオン軸線O2の方向に変位可能となっており、こ
の変位により第2偏心輪49を前記偏心位置lと同心位置
mとに制御することができる。
案内孔145には、作動環140を第2偏心輪49の偏心位置
lへ向かって弾発すべく、戻しばね146が縮設される。
さらに前記耳部141′にはカム孔147が設けられ、前記
トラニオン軸80′に固着された制御レバー148がこのカ
ム孔147に挿入される。カム孔147は、案内軸144側の内
面が制御レバー148と係合する斜面147aとなっていて、
モータ斜板20の起立動作に連動して制御レバー148に押
圧されるようになっている。その押圧によれば、作動環
140が戻しばね146の力に抗して変位して、第2偏心輪49
を偏心位置lから同心位置mへ向かって変位させ、モー
タ斜板20の直立状態では第2偏心輪49を同心位置mに制
御する。
第2偏心輪49が同心位置mに達すると、全ての第2分
配弁46,46…は第4A図に示すように閉弁状態となり、高
圧油路41および低圧油路40のいずれも油圧もーたMと遮
断される。その結果、油圧ポンプPに連通する低圧回路
容積が油圧モータMの容積分だけ減少するので、作動油
に気泡が多少含まれていても、油圧ポンプPによる作動
油の圧縮量は極めて少なく、入力部材5および出力軸25
間の相対回転を極少に抑えることができ、したがって変
速比1の状態での伝動効率を高めることができる。
この場合、図示例では、第2偏心輪49の同心位置mへ
の変位は、カム孔147の斜面147aの作用により、モータ
斜板20の起立動作に連動して無段階に行われるので、第
2分配弁46,46…も無段階に閉じ動作をし、そして閉弁
状態に達する。したがって伝動効率の向上は、その閉弁
状態に到達する前から緩徐に始まるので、その閉弁時に
変速ショックが発生することを防止することができる。
しかし、変速ショックが許容される程度の場合は、モー
タ斜板20の直立時に第2分配弁46,46…の閉弁を急速に
行うようにしてもよい。
再び、第1図および第2図において、出力軸25は、そ
の中心部に奥が行止まりとなった油路63が穿設され、こ
の油路63の開放端には、クランクケース4の側壁に支持
される給油管64が挿入される。この給油管64は、クラン
クケース4の側壁中に形成された油路65、同側壁に装着
されたフイルタ66、補給ポンプ67およびストレーナ63を
介してクランクケース4底部のオイルパン69内と連通さ
れ、補給ポンプ67は前記入力部材5から歯車70,71を介
して駆動される。したがって、入力部材5の回転中常に
補給ポンプ67によってオイルパン69内の油が油路63に供
給される。
上記油路63は、出力軸25に穿設された半径方向の補給
孔72を介して前記内側油路40に連通される。また該油路
63には、給油管64への油の逆流を防止する逆止弁73が介
装される。
したがって、通常の負荷運転時に油圧ポンプPおよび
油圧モータM間の油圧閉回路から作動油が漏洩すれば、
油路63から補給孔72を通して内側油路40へ作動油が補給
される。
逆負荷運転時即ちエンジンブレーキ時には、油圧モー
タMがポンプ作用を行い、油圧ポンプPがモータ作用を
行うようになるので、外側油路41が低圧に、内側油路40
が高圧に変わり、内側油路40から油路63へ作動油が逆流
しようとするが、その逆流は逆止弁73によって阻止され
る。したがって、油圧モータMから油圧ポンプPへの逆
負荷を確実に伝達することができ、良好なエンジンブレ
ーキ効果が得られる。
尚、第1図中74,75は油路63からプランジャ9,19と斜
板10,20との各当接部に潤滑油を供給するために、出力
軸25に穿設されたオリフィス孔である。
第12図において、変速駆動装置Cにおける電動モータ
86および変速補助装置CSの両ソレノイド1151,1152
は、それらの作動を制御するための電子制御装置151が
接続される。
この電子制御装置151は、車両の走行状態を検出する
ための検出部152と、設定変速比Rsを入力するための設
定器158と、検出部152の検出信号および設定器158の設
定信号に応じて変速制御条件を定める論理制御部153
と、論理制御部153の出力に応じて作動信号を出力する
駆動制御部154とを有する。
検出部152は、スロットル開度θを検出する検出器155
と、エンジン回転数Nを検出する検出器156と、車速V
を検出する検出器157とを備える。
論理制御部153は、目標回転数設定回路159と、回転数
比較回路160と、変速比算出回路161と、変速比比較回路
162と、制御信号発生回路163と、制御スタート判断回路
164と、自動ー手動切換スイッチ165とを備える。
目標回転数設定回路159には、スロットル開度θに応
じて目標とすべきエンジン回転数NSを定めた変速マップ
が設定されており、検出器155からのスロットル開度θ
に応じた信号入力に応じて目標エンジン回転数NSに対応
した信号が出力される。前記変速マップは複数種類準備
されており、たとえば高出力運転用、低燃費運転用およ
び通常運転用の3種類を運転者が自在に選択可能であ
る。
回転数比較回路160には、前記目標エンジン回転数NS
に対応した信号と、検出器156からの検出エンジン回転
数Nに対応した信号とが入力され、それら両信号の比較
が行なわれる。すなわち、 ΔN=NS−N (ΔNは、回転数偏差) なる演算が回転数比較回路160で行なわれ、回転数偏差
ΔNに対応した信号が出力される。而して目標回転数設
定回路159及び回転数比較回路160は互いに協働して本発
明の回転数偏差演算手段CNを構成する。
変速比算出回路161には、検出器156,157が接続され
る。すなわち、検出器156で検出されたエンジン回転数
Nに対応する信号と、検出器157とで検出された車速V
に対応する信号とが変速比算出回路161に入力され、こ
の変速比算出回路161ではエンジン回転数Nと車速Vと
に基づいて変速比Rが算出され、変速比Rに対応した信
号が出力される。
変速比比較回路162には、前記変速比Rに対応した信
号と、設定器158で設定した設定変速比RSに対応した信
号とが入力され、それら両入力信号の比較が行なわれ
る。すなわち、 ΔR=RS−R (ΔRは、変速比偏差) なる演算が変速比比較回路162で行なわれ、減算値ΔR
に対応した信号が出力される。而して変速比算出回路16
1及び変速比比較回路162は互いに協働して本発明の変速
比偏差演算手段CRを構成する。
切換器としての自動−手動切換スイッチ165は、共通
接点165cを自動側個別接点165aに接続する状態と、共通
接点165cを手動側個別接点165bに接続する状態とを択一
的に切換可能なものであり、自動側個別接点165aには回
転数比較回路160の出力端子が接続され、手動側個別接
点165bには変速比比較回路162の出力端子が接続され
る。また共通接点165cは制御信号発生回路163に接続さ
れる。すなわち、共通接点165cを自動側個別接点165aに
接続した状態では、目標エンジン回転数NSから検出エン
ジン回転数Nを減算した回転数偏差ΔNに対応した信号
が制御信号発生回路163に入力され、共通接点165cを手
動側個別接点165bに接続した状態では、設定変速比RS
ら算出変速比Rを減算した変速比偏差ΔRに対応した信
号が制御信号発生回路163に入力される。
制御信号発生回路163は、前記各比較回路160,162が演
算した偏差ΔN,ΔRと比較設定値との比較が行なわれ、
その結果に基づいて第1表に示すように増速制御信号H
と、減速制御信号Lと、定速制御信号Sとが選択的に出
力される。しかも制御信号発生回路163は、第1表から
も明らかな如く、回転数比較回路160との接続時にはそ
の接続時に固有の一定値αを前記比較設定値として用
い、また変速比比較回路162との接続時にはその接続時
に固有の一定値βを前記比較設定値として用いるように
構成されている。
制御スタート判断回路164には、検出器157からの検出
車速Vに対応した信号が入力されており、この制御スタ
ート判断回路164では、予め設定してある車速VSと前記
車速Vとの比較が行なわれ、V>VSであるときに、駆動
制御部154を初期化して減速側にするための初期化信号
が駆動制御部154に入力される。
駆動制御部154は、4つの出力端子Oa,Ob,Oc,Od
備え、制御信号発生回路163からの入力信号に応じて、
各出力端子Oa〜Odから第2表で示すようなハイレベルあ
るいはローレベルの駆動信号を出力する。
電動モータ86の直流電源166には、第1スイッチング
回路S1および第4スイッチング回路S4から成る直列回路
と、第2スイッチング回路S2および第3スイッチング回
路S3から成る直列回路とが並列に接続されており、第1
および第4スイッチング回路S1,S4の接続点と、第2お
よび第3スイッチング回路S2,S3の接続点との間に電動
モータ86が接続される。これにより第1〜第4スイッチ
ング回路S1〜S4のスイッチング態様の組合せに応じて、
電動モータ86への通電状態は、矢符167で示す増速方向
(正転方向)と、矢符168で示す減速方向(逆転方向)
と、通電停止状態とに切換えて制御される。
第1〜第4スイッチング回路S1〜S4は、駆動制御部16
4の各出力端子Oa〜Odによってそれぞれ切換制御される
ものであり、第1および第4スイッチング回路S1,S4
PNPトランジスタT1およびNPNトランジスタT4が直流電源
166に直列に接続されるとともに、第2および第3スイ
ッチング回路S2,S3のPNPトランジスタT2およびNPNトラ
ンジスタT3が前記両トランジスタT1,T4と並列にして直
流電源166に直列に接続され、トランジスタT1,T4の接
続点およびトランジスタT2,T3の接続点間に電動モータ
86が接続される。
第1スイッチング回路S1では、抵抗R1,γおよびNP
NトランジスタT1′からなる直立回路が直流電源166に接
続され、抵抗R1,γ間がPNPトランジスタT1のベース
に接続される。第2スイッチング回路S2では、抵抗R2
γおよびNPNトランジスタT2′から成る直列回路が直
流電源166に接続され、抵抗R2,γ間がPNPトランジス
タT2のベースに接続される。第3スイッチング回路S3
は、抵抗γ、NPNトランジスタT3′および抵抗R3から
成る直列回路が直流電源166に接続され、NPNトランジス
タT3′および抵抗R3間がNPNトランジスタT3のベースに
接続される。さらに第4スイッチング回路S4では、抵抗
γ、NPNトランジスタT4′および抵抗R4から成る直列
回路が直流電源166に接続され、NPNトランジスタT4′お
よび抵抗R4間がNPNトランジスタT4のベースに接続され
る。
第1〜第4スイッチング回路S1〜S4における各トラン
ジスタT1′〜T4′のベースには、駆動制御部164の出力
端子Oa〜Odが個別にそれぞれ接続される。したがって、
各出力端子Oa〜Odの出力が、ハイレベルであるときには
トランジスタT1′〜T4′が導通してトランジスタT1〜T4
が導通し、各出力端子Oa〜Odの出力がローレベルである
ときにはトランジスタT1′〜T4′が遮断して各トランジ
スタT1〜T4も遮断する。
これにより、制御信号発生回路163の制御信号がHで
あるときには、第2および第4スイッチング回路S2,S4
が導通して電動モータ86は増速方向に電力付勢され、制
御信号がLであるときには第1および第3スイッチング
回路S1,S3が導通して電動モータ86は減速方向に電力付
勢され、制御信号がSであるときには、各スイッチング
回路S1〜S4が遮断するので電動モータ86の電力付勢が停
止される。
駆動制御部164の出力端子Ocにはソレノイド1152が接
続されており、出力端子Ocの出力がハイレベルすなわち
電動モータ86が減速側に電力付勢されるときにソレノイ
ド1152が励磁される。また駆動制御部164の出力端子Od
にはソレノイド1151が接続されており、出力端子Odのハ
イレベルすなわち電動モータ86が増速側に電力付勢され
るときにソレノイド1151が励磁される。
このように電子制御装置151で変速駆動装置Cの作動
制御を行なうようにすると、運転者の意志に合わせた変
速制御を行なうようにすることが容易となる。すなわち
変速マップの設定を変えることは極めて容易であり、自
動−手動の切換も可能であって多様な運転に対応するこ
とができる。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、切換器の単なる切換え
により、斜板傾動用の変速駆動装置が走行状態に応じて
増速、減速および定速のいずれか1つに選択的に変速制
御される自動変速モードと、運転者が変速比を任意に設
定する手動変速モードとを容易に切換えることができ、
また特に自動変速モードを選択した場合には、回転数偏
差演算手段での制御マップの設定を単に変えるだけで自
動変速の変速制御条件を容易に変化させることができ、
以上の結果、運転者の意思に合わせた多様な運転に幅広
く対応することができる。
その上、自動変速に用いるべき回転数偏差の演算手段
と、手動変速に用いるべき変速比偏差の演算手段とを切
換器を介して共通の制御信号発生回路に接続し、同回路
で偏差(ΔN,ΔR)と比較すべき比較設定値を、自動変
速の場合と手動変速の場合とでそれぞれ固有の一定値
(α,β)としたことから、自動・手動変速の何れの場
合でも共通の比較ルーチンで比較判断が容易に行なえ、
それだけ回路構成が簡素化され、コストの節減に寄与す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は自動二
輪車の動力伝達系に介装した静油圧式無段変速機の縦断
平面図、第2図は同変速機の縦断背面図、第3図および
第4図は第2図のIII−III線およびIV−IV線断面図、第
4A図は第4図の作動説明図、第5図は第1分配弁の斜視
図、第6図は第2分配弁の斜視図、第7図は第4図のVI
I−VII線断面図、第8図および第9図は第2図のVIII−
VIII線およびIX−IX線断面図、第10図は変速補助装置の
縦断正面図、第11図は第10図のXI−XI線断面図、第12図
は電子制御回路の構成を示すブロック図である。 C…変速駆動装置、P…油圧ポンプ、T…無段変速機、
M…油圧モータ 151…電子制御装置、152…検出部、153…論理制御部、1
54…駆動制御部、158…設定器、163…制御信号発生回
路、165…切換器としての自動−手動切換スイッチ、CN
…回転数偏差演算手段、CR…変速比偏差演算手段
フロントページの続き (72)発明者 川内 卓 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 林 勉 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 齋藤 充 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 吉田 圭宏 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−55375(JP,A) 特開 昭59−77086(JP,A) 特開 昭58−200842(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】斜板式油圧ポンプ(P)と斜板式油圧モー
    タ(M)との間に油圧閉回路が形成され、油圧ポンプ
    (P)の斜板(10)および油圧モータ(M)の斜板(2
    0)の少なくとも一方には、それを傾動し得る変速駆動
    装置(C)が連結される、車両用静油圧式無段変速機の
    変速制御装置において、 前記変速駆動装置(C)に接続した電子制御装置(15
    1)が、車両の走行状態を検出する検出部(152)と、設
    定変速比(Rs)を入力するための設定器(158)と、前
    記検出部(152)の検出信号及び変速マップに基づいて
    目標エンジン回転数(Ns)と実際のエンジン回転数
    (N)との回転数偏差(ΔN)を演算する回転数偏差演
    算手段(CN)と、前記検出部(152)の検出信号および
    設定器(158)の出力信号に基づいて設定変速比(Rs)
    と実際の変速比(R)との変速比偏差(ΔR)を演算す
    る変速比偏差演算手段(CR)と、前記両偏差演算手段
    (CN,CR)に切換器(165)を介して選択的に接続さ
    れ、それら偏差演算手段(CN,CR)が演算した偏差(Δ
    N,ΔR)と比較設定値との比較に基づいて増速、減速お
    よび定速のいずれか1つの制御信号(H,L,S)を出力す
    る制御信号発生回路(163)と、この制御信号発生回路
    (163)の出力信号(H,L,S)に応じて前記変速駆動装置
    (C)に作動信号を出力する駆動制御部(154)とを有
    し、 前記制御信号発生回路(163)は、前記回転数偏差演算
    手段(CN)との接続時にはその接続時に固有の一定値
    (α)を前記比較設定値として用い、また前記変速比偏
    差演算手段(CR)との接続時にはその接続時に固有の一
    定値(β)を前記比較設定値として用いるように構成さ
    れたことを特徴とする、車両用静油圧式無段変速機の変
    速制御装置。
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JPS58200842A (ja) * 1982-05-14 1983-11-22 Nissan Motor Co Ltd Vベルト式無段変速機の制御装置
JPS5977086A (ja) * 1982-10-22 1984-05-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 斜板形アキシヤルピストンポンプ、モ−タ

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